JP7298788B1 - エレベーター - Google Patents

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Abstract

外乱によって生じたかごの振動が大きい場合であっても、制御安定性を保ちながらかごの振動を抑制できるエレベーターを提供する。エレベーター(1)のかご(5)に設けられるかご加速度検出器(9)は、かご(5)の加速度を検出する。制御装置(7)は、加速度制御器(19)と、遅延補償器(21)と、を備える。加速度制御器(19)は、かご加速度検出器(9)が検出するかご(5)の加速度に基づいて、かご(5)の振動を抑制するようにトルク指令値を出力する。遅延補償器(21)は、かご加速度検出器(9)から制御装置(7)までの通信による遅延、および巻上機(3)が発生させるトルクが主ロープ(4)を通じてかご(5)に伝わるまでの機械的な遅延の一方または両方の遅延の影響を打ち消すように、加速度制御器(19)の入力または出力を補償する。

Description

本開示は、エレベーターに関する。
特許文献1は、エレベーターの例を開示する。エレベーターの制御装置は、かごに設置された加速度検出器を用いてかごの振動成分を検出する。制御装置は、振動成分を抑制するためのトルク信号を生成して巻上機のトルク制御系にフィードバックする。制御装置は、振動成分を抑制するための速度信号を生成し、その速度信号を巻上機の速度制御系にフィードバックする。
日本特開2009-221008号公報
しかしながら、特許文献1のエレベーターの制御装置は、外乱によって振動成分が設定レベル以上となるときに、発振を回避するためにリミッタによって制振制御を中止する。このため、当該制御装置は、共振周波数の成分を含む外乱などによってかごの振動が大きくなるときに、かごの振動を抑制できないことがある。
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、外乱によって生じたかごの振動が大きい場合であっても、制御安定性を保ちながらかごの振動を抑制できるエレベーターを提供する。
本開示に係るエレベーターは、シーブを回転させるトルクを発生させる巻上機と、前記シーブに巻き掛けられる主ロープと、前記主ロープに支持されるかごと、前記かごに設けられ、前記かごの加速度を検出するかご加速度検出器と、制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記かごの加速度指令を生成するかご加速度指令生成器と、前記かご加速度検出器が検出する前記かごの加速度に基づいて、前記かご加速度指令生成器が生成した前記加速度指令と前記かご加速度検出器が検出した前記加速度とから生成される加速度エラー信号が負帰還制御によって零に収束するように、前記かごの振動を抑制するトルク指令値を出力する加速度制御器と、前記加速度制御器の出力を用いて、前記かご加速度検出器から前記制御装置までの通信による遅延、および前記巻上機が発生させるトルクが前記主ロープを通じて前記かごに伝わるまでの機械的な遅延の一方または両方の遅延による位相回りの影響を打ち消すように前記加速度制御器の入力または出力を補償する遅延補償器と、を備える。
本開示に係るエレベーターであれば、外乱によって生じたかごの振動が大きい場合であっても、制御安定性を保ちながらかごの振動を抑制できる。
実施の形態1に係るエレベーターの構成図である。 実施の形態1に係る制御装置の構成の第1例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置の構成の第2例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置の構成の第3例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置の構成の第4例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置における加速度制御の閉ループ特性の例を示す図である。 遅延のあるフィードバック系のブロック図である。 図7のフィードバック系に遅延補償器を導入したブロック図である。 モデルパラメータに誤差のない理想的な状況における図8と等価なブロック図である。 実施の形態1に係る遅延補償器の構成の第1例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置の構成の第5例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る遅延補償器の構成の第2例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る遅延補償器の構成の第3例を示すブロック図である。 実施の形態1に係るエレベーターの主要部のハードウェア構成図である。 実施の形態2に係る遅延補償器の構成の第1例を示すブロック図である。 実施の形態2に係る遅延補償器の構成の第2例を示すブロック図である。 実施の形態3に係る遅延補償器の構成の例を示すブロック図である。
本開示の対象を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベーター1の構成図である。
エレベーター1は、複数の階床を有する建物などに適用される。建物において、エレベーター1の昇降路2が設けられる。昇降路2は、建物の複数の階床にわたる上下方向に長い空間である。昇降路2の上部または下部などにおいて、エレベーター1の機械室が設けられていてもよい。エレベーター1は、巻上機3と、主ロープ4と、かご5と、釣合い錘6と、制御装置7と、を備える。
巻上機3は、シーブを有する。巻上機3は、シーブを回転させるトルクを発生させる機能を有する装置である。
主ロープ4は、巻上機3のシーブに巻き掛けられる。主ロープ4は、昇降路2においてかご5を吊ることで、かご5の荷重を支持する。主ロープ4は、昇降路2において釣合い錘6を吊ることで、釣合い錘6の荷重を支持する。主ロープ4は、例えば炭素繊維ロープである。炭素繊維ロープは、主ロープ4が支持する荷重を受ける荷重支持部に炭素繊維を用いたロープである。主ロープ4は、例えばベルトロープなどであってもよい。主ロープ4は、例えば炭素繊維またはその他の繊維を用いた繊維強化複合材料などであってもよい。主ロープ4は、鋼鉄製のストランドロープなどであってもよい。
かご5および釣合い錘6は、巻上機3のシーブの回転によって主ロープ4が移動することで、昇降路2において互いに反対方向に走行する。かご5は、昇降路2の内部を上下方向に走行することで乗客などを複数の階床の間で輸送する機器である。釣合い錘6は、巻上機3のシーブなどの主ロープ4が巻き掛けられる滑車の両側において主ロープ4に係る荷重の釣り合いを、かご5との間でとる機器である。かご5および釣合い錘6は、例えば図示されないガイドレールなどによってガイドされることで、昇降路2の内部を上下方向に走行する。
制御装置7は、エレベーター1の動作を制御する機器である。制御装置7は、例えば、呼びに応じたかご5の走行などの制御を行う。制御装置7は、巻上機3に接続される。制御装置7は、巻上機3への駆動指令である電流指令および電圧指令を演算し、駆動電流および駆動電圧を巻上機3に供給する。
エレベーター1において、かご5に直接外乱が加わることがある。かご5に加わる外乱は、例えば乗客がかご5を乗降することによる外乱、またはかご5およびガイドレールの接触などによって受ける外乱などを含む。かご5は、このような直接加わる外乱によって、例えば縦方向に振動することがある。制御装置7は、このような外乱によるかご5の振動を抑制するように、巻上機3を能動的な制振装置として機能させる。
エレベーター1は、巻上機エンコーダ8と、かご加速度検出器9と、秤装置10と、を備える。巻上機エンコーダ8、かご加速度検出器9、および秤装置10の各々は、制御装置7に接続される。巻上機エンコーダ8は、巻上機3に適用される。巻上機エンコーダ8は、巻上機3のシーブの回転位置に対応する磁極位置および回転速度の一方または両方を出力する機能を搭載する。巻上機エンコーダ8は、磁気式エンコーダであってもよいし、光学式エンコーダであってもよいし、その他の方式のエンコーダであってもよい。かご加速度検出器9は、かご5に搭載される。かご加速度検出器9は、かご5の加速度を検出する機能を搭載する。かご加速度検出器9は、例えばかご5に加わる外乱などによるかご5の上下方向の振動の加速度を検出する。秤装置10は、かご5に搭載される。秤装置10は、かご5の積載量を検出する機能を搭載する。
図2は、実施の形態1に係る制御装置7の構成の第1例を示すブロック図である。
エレベーター1は、第1の機械特性11および第2の機械特性12を有する。第1の機械特性11は、巻上機3のシーブの回転軸回りの機械特性に対応する。第1の機械特性11は、例えば、巻上機3の駆動トルクと、図2に図示されないかご5の変位および釣合い錘6の変位とを入力として、巻上機3の回転位置を出力する。第2の機械特性12は、巻上機3のシーブおよびかご5の間の主ロープ4の機械特性に対応する。第2の機械特性12は、例えば、第1の機械特性11の出力である巻上機3の回転位置と、かご5に直接作用する外乱とを入力として、かご5の加速度を出力する。
エレベーター1において、第1の遅延要素13および第2の遅延要素14が含まれる。第1の遅延要素13は、巻上機3が発生させるトルクが主ロープ4を通じてかご5に伝わるまでの機械的な遅延に対応する遅延要素である。第1の遅延要素13は、例えば、巻上機3のトルクによって発生する主ロープ4の伸縮がかご5に到達するまでの遅延時間に対応する。第1の遅延要素13の遅延量は、巻上機3のシーブおよびかご5の間の主ロープ4の長さによって変化する。なお、巻上機3のシーブおよびかご5の間の主ロープ4の長さは、昇降路2におけるかご5の位置によって変動する。第2の遅延要素14は、かご加速度検出器9から制御装置7までの通信による遅延に対応する遅延要素である。第2の遅延要素14は、例えば、かご加速度検出器9がかご5の振動加速度を検出してから、当該振動加速度の信号を制御装置7が受け取るまでの時間差に対応する。
かご加速度検出器9は、第2の遅延要素14およびセンサ検出特性ブロック15を含む。センサ検出特性ブロック15は、かご加速度検出器9に搭載された加速度センサなどの検出特性に対応する。センサ検出特性ブロック15は、かご加速度検出器9の応答帯域を示す。
この例において、巻上機エンコーダ8は、巻上機3の磁極位置を出力する。制御装置7は、巻上機エンコーダ8の出力を内部で回転速度に変換する。なお、巻上機エンコーダ8は、巻上機3の回転速度を出力するものであってもよい。このとき、制御装置7は、巻上機エンコーダ8の出力を内部で磁極位置に変換してもよい。
制御装置7は、速度指令生成器16と、速度制御器17と、かご加速度指令生成器18と、加速度制御器19と、電流制御器20と、遅延補償器21と、を備える。
速度指令生成器16は、かご呼びまたは乗場呼びなどの呼びに対応して巻上機3の速度指令値を出力する。速度指令生成器16は、速度制御によってかご5を共振させないために、出力する速度指令値がかご5の共振周波数成分を含まないようにするフィルターを内部に含んでいてもよい。
速度制御器17は、速度指令値と、巻上機エンコーダ8が検出する巻上機3の磁極位置または回転速度の情報とに基づいて、巻上機3の回転速度を速度指令に追従させるような速度制御を行う。速度制御器17は、速度指令に追従する第1のトルク指令値を生成する。
かご加速度指令生成器18は、速度指令生成器16の出力である巻上機3の速度指令値から、かご5の加速度指令値を出力するものである。かご5の加速度指令は、巻上機3の速度指令の時間微分に対応する。ここで、離散時間の微分によって加速度指令が不連続になることを回避しうるように、かご加速度指令生成器18は、平滑化のためのLPF(Low Pass Filter)を含んでいてもよい。
加速度制御器19は、かご加速度指令生成器18が生成する加速度指令値にかご加速度検出器9によるかご5の加速度の検出値が追従するように、巻上機3に第2のトルク指令値を出力する。この例において、加速度制御器19および速度制御器17は並列に構成されている。
電流制御器20は、速度制御器17の出力である第1のトルク指令値、および加速度制御器19の出力である第2のトルク指令値を加算した第3のトルク指令値を入力とする。電流制御器20は、入力される第3のトルク指令値に巻上機3の駆動トルクが追従するように、巻上機3の電流制御を行う。
なお、図2においては簡略化のために、電流制御系については閉ループ特性を表すブロックで記載している。電流制御系の内部において、例えばq軸電流指令値などの第3のトルク指令値をトルク電流換算したものと、図示しない電流検出器および座標変換器によって変換したq軸電流の検出電流とが一致するように制御される。
遅延補償器21は、第1の遅延要素13、および第2の遅延要素14のうち少なくともいずれかの遅延を補正する。遅延補償器21は、第3のトルク指令値、またはq軸電流指令値を入力として、加速度制御にフィードバックされるかご加速度検出器9の検出値を補正する。なお、遅延補償器21における遅延補償の方法は、例えばスミス補償器による補償であってもよいし、遅延による影響を外乱と見なしたオブザーバによる方法であってもよい。
図3は、実施の形態1に係る制御装置7の構成の第2例を示すブロック図である。
加速度制御器19は、速度制御器17のインナーループとして直列に接続されていてもよい。このような構成であっても、制御装置7は問題なく稼働する。加速度制御器19が速度制御器17に直列に接続される場合に、電流制御器20は、第3のトルク指令値に巻上機3の駆動トルクが追従するように、巻上機3の電流制御を行う。
図4は、実施の形態1に係る制御装置7の構成の第3例を示すブロック図である。
この例において、遅延補償器21は、加速度制御器19に直列に接続される。このとき、遅延補償器21は、遅延時間分の位相を進める位相進み補償器であってもよい。この例において、加速度制御器19は、速度制御器17に並列に接続されている。
図5は、実施の形態1に係る制御装置7の構成の第4例を示すブロック図である。
この例において、遅延補償器21は、加速度制御器19に直列に接続される。このとき、遅延補償器21は、遅延時間分の位相を進める位相進み補償器であってもよい。この例において、加速度制御器19は、速度制御器17に直列に接続されている。
図6は、実施の形態1に係る制御装置7における加速度制御の閉ループ特性の例を示す図である。
エレベーター1において、例えば、次の3つの場合などにかご5の振動が大きくなりうる。
第1に、速度制御器17の出力であるトルク指令値に主ロープ4の共振周波数の成分が含まれるときに、速度制御器17がかご5を加振することでかご5の振動が大きくなる場合がある。より具体的には、ロストルク、トルクリップル、またはコギングトルクなどによって巻上機3自体がトルク外乱を発生させる場合などがこれに該当しうる。このとき、巻上機3の回転速度に比例した周波数のトルク外乱が発生する。巻上機3の回転速度は、速度制御によって予め設定された速度パターンに追従する。ここで、トルク外乱の周波数が、巻上機3の回転速度の速度パターンへの追従によって主ロープ4の共振周波数に合致するときに、かご5の振動が大きくなることがある。
第2に、かご5に作用する外乱によって、かご5の振動が大きくなる場合がある。より具体的には、乗客がかご5を揺する場合、ガイドレールとの接触がある場合、または地震によってかご5に鉛直方向の力が作用する場合などがこれに該当しうる。
第3に、制御装置7の加速度制御系の不安定化による発振によって、かご5の振動が大きくなる場合がある。
本開示の制御装置7は、共振周波数での安定なかご5の制振を目的とし、特に第3の場合の加速度制御の不安定化対策として、遅延補償器21を導入している。
巻上機3のトルクは、当該トルクによって生じた主ロープ4の伸縮がかご5に到達するまでの伝播時間によって遅延が生じる。ここで、張力の変化などによって主ロープ4が伸縮する場合、主ロープ4の長さによって伸縮の伝播する時間が変化する。また、本開示のエレベーター1のように、かご5に設置されているかご加速度検出器9と、昇降路2または機械室に設置されている制御装置7とが同一箇所に設置されず離れて設置されるときに、通信遅延が生じる。エレベーター1においてかご5の振動のフィードバック制御を行う場合に、これらの伸縮遅延および通信遅延の2つの遅延が発生する。これらの遅延への対策を取らない場合に、遅延の影響により、加速度制御器19の位相余裕が小さくなり、加速度制御の制振効果が減少してしまったり、加速度制御器19がかご5を加振してしまったりすることがある。
かご5の振動を抑制するために、加速度制御器19の制御設計のゲインクロスオーバー周波数を低くしたり、エレベーター1の主ロープ4の共振周波数は一般に0.5Hzから10Hz付近の比較的低い周波数帯にあるため、低域のゲイン補償を行ったりする対応を取りうる。
しかしながら、エレベーター1では物件ごとに建物の高さが異なり、また、かご5の昇降路2における位置によって巻上機3のシーブおよびかご5の間の主ロープ4の長さが変化する。このとき、主ロープ4の当該部分の長さの変化によって、主ロープ4の剛性が変化する。エレベーター1では物件ごとにかご5の重量が異なり、また、同一機種のエレベーター1であってもかご5の積載量などによって主ロープ4にかかる張力が変化する。このとき、主ロープ4の共振周波数が変化する。
このため、かご5が最下階付近にいる場合と、かご5が最上階付近にいる場合とでは、同じ制御パラメータで制御したとしても加速度制御器19の制御性能が異なりうる。これは、加速度制御の開ループ特性が第2の機械特性12を含むため、巻上機3のシーブおよびかご5の間の主ロープ4の長さの変化に伴う第2の機械特性12の変化によって加速度制御の開ループ特性が変化するためである。したがって、例えばかご5の振動加速度の最大値などの制御仕様の要求によっては、かご5が最下階付近にいる場合、およびかご5が最上階付近にいる場合などについて同一の制御パラメータで制御仕様の要求を満たすことが難しいことがある。このような場合に、例えばかご5の位置などのエレベーター1の状況に応じて、段階的に制御パラメータを変更することで対応しうる。
続いて、遅延補償器21の一例であるスミス補償器の概略について、図7から図9を用いて説明する。
スミス補償器は、むだ時間の補償時に用いられる。
図7は、遅延のあるフィードバック系のブロック図である。
図7に示される系では、入力指令に対して、実遅延ブロックによって遅延のある情報がフィードバックされ、制御装置に入力される。そして、制御装置の出力に外乱が加わったものが機械特性に入力され、制御対象となる出力情報が出力される。このような系において、実遅延ブロックの遅延の影響によりフィードバック情報が遅れ、制御装置の位相余裕が小さくなることがある。このように、遅延によって制御装置の制御性能が悪化することがある。
図8は、図7のフィードバック系に遅延補償器を導入したブロック図である。
図8に示される系では、図7の構成に加えて遅延補償器が導入されている。
遅延補償器は、機械特性を模擬する機械特性モデルと、遅延量を模擬する推定遅延モデルとを備える。遅延補償器は、制御装置の出力を機械特性モデルに入力して、機械特性の出力情報を推定する。遅延補償器は、機械特性モデルによる出力情報の推定値をフィードバックするように、制御装置の入力を補償する。
また、遅延補償器は、図7において制御装置にフィードバックされる情報から、推定遅延モデルによって模擬された遅延量の分だけ機械特性モデルの出力を遅らせた情報を差し引く。
図9は、モデルパラメータに誤差のない理想的な状況における図8と等価なブロック図である。
図9のブロック図は、機械特性モデルおよび推定遅延モデルのモデルパラメータに誤差がない場合に図8のブロック図と等価である。
図9に示されるように、遅延補償器によってフィードバック情報および遅延量が等価的に分離されて遅延の情報がフィードバックループの外側になるため、遅延の影響のないフィードバックループを構成できるようになる。このように、遅延補償器によって遅延の影響が除外される。このため、遅延による加振が発生しなくなるので、制御装置による制御の不安定化が防止される。
以上で説明したスミス補償器を本開示の遅延補償器21に適用する場合、遅延補償器21は、加速度制御器19の出力である第2のトルク指令を入力として、かご加速度検出器9の検出値に加える加速度補償値を出力とする。なお、遅延補償器21は、入力としてトルク指令の代わりにq軸電流指令、すなわちトルク電流指令を用いてもよい。
図10は、実施の形態1に係る遅延補償器21の構成の第1例を示すブロック図である。
図10において、図2の遅延補償器21の内部構成の例が示される。
遅延補償器21は、機械特性モデル22と推定遅延モデル23とを用いて遅延補償を行う。機械特性モデル22は、電流制御の閉ループのモデル24と、第1の機械特性のモデル25と、第2の機械特性のモデル26とを含む。機械特性モデル22は、かご加速度検出器9のセンサ検出特性のモデル27を含んでもよい。遅延補償器21は、これらの内部モデルを含む機械特性モデル22の出力と、その出力を推定遅延モデル23の推定遅延量分遅らせたものとの差分をとることで、遅延補償値を出力する。図7から図9のスミス補償器の概略図を用いて説明したように、遅延補償器21をこのような構成とすることで、フィードバックループから遅延の影響が除去できるようになる。
図11は、実施の形態1に係る制御装置7の構成の第5例を示すブロック図である。
図11において、遅延補償器21が、遅延による影響を全て外乱とみなし外乱オブザーバとして遅延補償を行う通信遅延オブザーバである場合の例が示される。
遅延補償器21が外乱オブザーバの場合に、遅延補償器21は、第3のトルク指令値と、かご加速度検出器9の出力であるかご5の加速度の検出値を入力とする。遅延補償器21は、第3のトルク指令値から推定されるかご5の加速度の情報と、かご5の加速度の検出値との差分を、遅延による影響を含めた外乱と見なす。遅延補償器21は、この外乱に基づいて、かご5の加速度の検出値の補正値を出力する。
図12は、実施の形態1に係る遅延補償器21の構成の第2例を示すブロック図である。
図13は、実施の形態1に係る遅延補償器21の構成の第3例を示すブロック図である。
図12および図13において、図11の遅延補償器21の内部構成の例が示される。図12および図13のブロック図は互いに等価であり、機械特性逆モデル28が用いられる場合が図12に示され、機械特性逆モデル28が用いられない場合が図13に示されている。なお、この例において、機械特性逆モデル28は、機械特性モデル22の入出力を反転した特性を示す。すなわち、機械特性逆モデル28は、かご5の加速度の検出値を入力として、トルク値を出力とする。
このような構成の遅延補償器21は、遅延量を模擬するモデルを必要としない。このため、遅延量のモデルがなく遅延量が推定できない場合においても、遅延の影響を補償することができるようになる。
以上に説明したように、実施の形態1に係るエレベーター1は、巻上機3と、主ロープ4と、かご5と、かご加速度検出器9と、制御装置7と、を備える。巻上機3は、シーブを回転させるトルクを発生させる。主ロープ4は、巻上機3のシーブに巻き掛けられる。かご5は、主ロープ4に支持される。かご加速度検出器9は、かご5に設けられる。かご加速度検出器9は、かご5の加速度を検出する。制御装置7は、加速度制御器19と、遅延補償器21と、を備える。加速度制御器19は、かご加速度検出器9が検出するかご5の加速度に基づいて、かご5の振動を抑制するようにトルク指令値を出力する。遅延補償器21は、かご加速度検出器9から制御装置7までの通信による遅延、および巻上機3が発生させるトルクが主ロープ4を通じてかご5に伝わるまでの機械的な遅延の一方または両方の遅延の影響を打ち消すように、加速度制御器19の入力または出力を補償する。
このような構成により、遅延が補償されるので、制御装置7は、制振対象であるかご5の振動と制振トルクとに位相差が生じることを抑制でき、当該位相差による制振制御の不安定化を抑制できる。また、制御装置7は、遅延に伴う位相差による発振を回避するためのリミッタを必要としない。制御装置7は、外乱などによってかご5の振動が大きくなった場合であっても、制振制御を中止しない。このため、エレベーター1の制御装置7は、外乱によって生じたかご5の振動が大きい場合であっても、制御安定性を保ちながらかご5の振動を抑制できる。すなわち、エレベーター1において、かご5の制振についての制振能力とロバスト性とが両立されるようになる。特に、高揚程のエレベーター、および機械室レスのエレベーターなどのように主ロープ4の全長が長くなると、エレベーター1の巻上機3、主ロープ4およびかご5を含む機械系の剛性が低くなる。このとき、主ロープ4に支持されるかご5に振動が生じやすくなる。このため、制御装置7は、高揚程のエレベーターまたは機械室レスのエレベーターなどの主ロープ4の全長が長いエレベーター1において、巻上機3を用いた能動的な制振によってより効果的にかご5の振動を抑制する。
また、主ロープ4は、炭素繊維ロープであってもよい。
エレベーター1において、主ロープ4の全長が長い場合などに、軽量化などのため炭素繊維ロープが用いられることがある。ここで、炭素繊維ロープは、同程度の強度の鋼鉄製のロープと比較して、一般に剛性が低く減衰特性が小さい。これにより、主ロープ4が炭素繊維ロープである場合に、主ロープ4に支持されるかご5に振動が生じやすく、生じた振動が止まりにくくなる。このため、制御装置7は、主ロープ4に炭素繊維ロープを用いるエレベーター1において、巻上機3を用いた能動的な制振によってより効果的にかご5の振動を抑制する。
続いて、図14を用いて、エレベーター1のハードウェア構成の例について説明する。
図14は、実施の形態1に係るエレベーター1の主要部のハードウェア構成図である。
エレベーター1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、エレベーター1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、エレベーター1の各機能を実現する。
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
エレベーター1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、エレベーター1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。エレベーター1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせでエレベーター1の各機能を実現する。
実施の形態2.
実施の形態2において、実施の形態1で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態2で説明しない特徴については、実施の形態1で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
実施の形態1において説明したように、遅延補償器21としてスミス補償器および外乱オブザーバのいずれを用いる場合においても、遅延補償器21は内部に機械特性モデル22を必要とする。ここで、エレベーター1においては、かご5の位置およびかご5の積載量によって機械特性が変化しうる。より具体的には、特に第2の機械特性12が変化しうる。このため、機械特性モデル22をかご5の位置またはかご5の積載量によって補正することで、遅延補償がより正確に行われるようになる。実施の形態2の制御装置7は、このような機械特性モデル22などのモデルパラメータの補正を行う。
図15は、実施の形態2に係る遅延補償器21の構成の第1例を示すブロック図である。
図15において、図10の遅延補償器21にモデルパラメータの補正を適用する場合の遅延補償器21の内部構成の例が示される。この例において、遅延補償器21は、スミス補償器である。
エレベーター1は、昇降路2におけるかご5の位置を検出する図15に図示されないかご位置検出器を備える。かご位置検出器は、例えば巻上機エンコーダ8の出力などに基づいてかご5の位置を検出する。あるいは、かご位置検出器は、例えばかご5の過剰な走行速度を抑制する調速機に適用された調速機エンコーダの出力に基づいてかご5の位置を検出してもよい。かご位置検出器は、例えば制御装置7などに搭載される。
遅延補償器21は、パラメータ補正器29を備える。パラメータ補正器29は、遅延補償器21の機械特性モデル22および推定遅延モデル23のパラメータを補正する。パラメータ補正器29は、秤装置10が検出するかご5の積載量を入力とし、例えば主ロープ4の張力などの機械特性モデル22のモデルパラメータを補正する。また、パラメータ補正器29は、かご位置検出器が検出するかご5の位置を入力とし、例えば主ロープ4の剛性などの機械特性モデル22のモデルパラメータを補正する。なお、パラメータ補正器29は、かご5の積載量および位置の両方を入力として、モデルパラメータの補正値を出力することで、機械特性モデル22のモデルパラメータを補正してもよい。また、パラメータ補正器29は、かご5の積載量または位置などの入力に基づいて、遅延量補正値を出力することで、推定遅延モデル23を補正してもよい。
なお、かご5の位置または積載量などに応じた機械特性または推定遅延量などのモデルパラメータの補正値は、予め設定されたテーブルに格納されていてもよい。このとき、遅延補償器21は、当該テーブルを参照することで、かご5の位置または積載量などに応じたモデルパラメータの補正値を出力する。また、遅延補償器21は、例えば予め設定された連続関数などを用いて、かご5の位置または積載量などに応じたモデルパラメータの補正値を出力してもよい。
パラメータ補正器29は、かご5に乗客が乗車していないとき、または保守点検時などにおいて、巻上機3に予め設定された駆動指令を出力してもよい。駆動指令は、例えば、変位指令、速度指令、または加速度指令などを含む。このとき、パラメータ補正器29は、駆動指令によって変動するかご加速度検出器9の検出値または秤装置10の検出値の一方または両方を用いて、出力した駆動指令との関係に基づいてモデルパラメータを同定する。パラメータ補正器29は、例えば、かご加速度検出器9または秤装置10の検出値および駆動指令の関係から、遅延量を推定する。このとき推定される遅延量は、主ロープ4の伸縮の伝播による伸縮遅延、およびかご加速度検出器9および制御装置7の間の通信による通信遅延の一方または両方による影響を含む。
図16は、実施の形態2に係る遅延補償器21の構成の第2例を示すブロック図である。
図16において、図13の遅延補償器21にモデルパラメータの補正を適用する場合の遅延補償器21の内部構成の例が示される。この例において、遅延補償器21は、外乱オブザーバである。
パラメータ補正器29の入出力は、遅延補償器21がスミス補償器である場合と同様である。外乱オブザーバである遅延補償器21は推定遅延モデル23を必要としない。このため、推定遅延モデル23についての補正を行う必要がない点の他は、外乱オブザーバである遅延補償器21に適用されるパラメータ補正器29は、スミス補償器である遅延補償器21に適用されるパラメータ補正器29と同様に動作する。
なお、実施の形態1において説明した遅延補償器21の他の例についても、パラメータ補正器29を同様に適用することができる。例えば図12の遅延補償器21において、補正対象を機械特性モデル22および機械特性逆モデル28としたパラメータ補正器29を適用することができる。
以上に説明したように、実施の形態2に係るエレベーター1は、秤装置10と、かご位置検出装置と、パラメータ補正器29と、を備える。秤装置10は、かご5の積載量を検出する。かご位置検出器は、かご5の位置を検出する。パラメータ補正器29は、秤装置10が検出するかご5の積載量およびかご位置検出器が検出するかご5の位置の一方または両方に基づいて、遅延補償器21が補償に用いるパラメータを補正する。遅延補償器21は、巻上機3、主ロープ4、およびかご5を含む機械系の機械的な特性をモデル化した機械特性モデル22を用いて遅延補償を行う。パラメータ補正器29は、機械特性モデル22のパラメータを補正する。
このような構成により、遅延補償器21における機械特性モデル22のパラメータがかご5の位置およびかご5の積載量などのエレベーター1の状態に基づいて補正されるので、エレベーター1の状態の変化による遅延補償器21の性能低下が抑制される。
また、遅延補償器21は、遅延量を模擬する推定遅延モデル23を用いて遅延補償を行う。パラメータ補正器29は、推定遅延モデル23のパラメータを補正する。
このような構成により、遅延補償器21における推定遅延モデル23のパラメータがかご5の位置およびかご5の積載量などのエレベーター1の状態に基づいて補正されるので、エレベーター1の状態の変化による遅延補償器21の性能低下が抑制される。
また、パラメータ補正器29は、予め設定された駆動指令を前記巻上機3に出力する。駆動指令は、かご5の変位指令、速度指令、または加速度指令のいずれかである。パラメータ補正器29は、駆動指令によって変動するかご加速度検出器9の検出値および秤装置10の検出値の一方または両方に基づいて、遅延補償器21が補償に用いるパラメータを同定する。
このような構成により、エレベーター1の状態の計測値に基づいてパラメータが同定される。これにより、機械特性モデル22または推定遅延モデル23などのモデルパラメータの原理式などが不明な場合においても、パラメータ補正器29は当該モデルパラメータの同定および補正を行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態3において、実施の形態1または実施の形態2で開示される例と相違する点について特に詳しく説明する。実施の形態3で説明しない特徴については、実施の形態1または実施の形態2で開示される例のいずれの特徴が採用されてもよい。
図17は、実施の形態3に係る遅延補償器21の構成の例を示すブロック図である。
外乱による振動の抑制をより効果的に行うために、制御装置7の遅延補償器21は、外乱補償器を備える。外乱補償器は、外乱の影響を抑えるように機能する制御要素である。外乱補償器は、例えば、比例補償、積分補償、微分補償、またはフィルター処理のうちの1つまたは複数を組み合わせて構成される。
本開示に係るエレベーターは、複数の階床を有する建物に適用できる。
1 エレベーター、 2 昇降路、 3 巻上機、 4 主ロープ、 5 かご、 6 釣合い錘、 7 制御装置、 8 巻上機エンコーダ、 9 かご加速度検出器、 10 秤装置、 11 第1の機械特性、 12 第2の機械特性、 13 第1の遅延要素、 14 第2の遅延要素、 15 センサ検出特性ブロック、 16 速度指令生成器、 17 速度制御器、 18 かご加速度指令生成器、 19 加速度制御器、 20 電流制御器、 21 遅延補償器、 22 機械特性モデル、 23 推定遅延モデル、 24 電流制御の閉ループのモデル、 25 第1の機械特性のモデル、 26 第2の機械特性のモデル、 27 センサ検出特性のモデル、 28 機械特性逆モデル、 29 パラメータ補正器、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア

Claims (6)

  1. シーブを回転させるトルクを発生させる巻上機と、
    前記シーブに巻き掛けられる主ロープと、
    前記主ロープに支持されるかごと、
    前記かごに設けられ、前記かごの加速度を検出するかご加速度検出器と、
    制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記かごの加速度指令を生成するかご加速度指令生成器と、
    前記かご加速度検出器が検出する前記かごの加速度に基づいて、前記かご加速度指令生成器が生成した前記加速度指令と前記かご加速度検出器が検出した前記加速度とから生成される加速度エラー信号が負帰還制御によって零に収束するように、前記かごの振動を抑制するトルク指令値を出力する加速度制御器と、
    前記加速度制御器の出力を用いて、前記かご加速度検出器から前記制御装置までの通信による遅延、および前記巻上機が発生させるトルクが前記主ロープを通じて前記かごに伝わるまでの機械的な遅延の一方または両方の遅延による位相回りの影響を打ち消すように前記加速度制御器の入力または出力を補償する遅延補償器と、
    を備える、
    エレベーター。
  2. 前記かごの積載量を検出する秤装置と、
    前記かごの位置を検出するかご位置検出器と、
    前記秤装置が検出する前記かごの積載量および前記かご位置検出器が検出する前記かごの位置の一方または両方に基づいて、前記遅延補償器が補償に用いるパラメータを補正するパラメータ補正器と、
    を備え、
    前記遅延補償器は、前記巻上機、前記主ロープ、および前記かごを含む機械系の機械的な特性をモデル化した機械特性モデルを用いて遅延補償を行い、
    前記パラメータ補正器は、前記機械特性モデルのパラメータを補正する、
    請求項1に記載のエレベーター。
  3. 前記遅延補償器は、遅延量を模擬する推定遅延モデルを用いて遅延補償を行い、
    前記パラメータ補正器は、前記推定遅延モデルのパラメータを補正する、
    請求項2に記載のエレベーター。
  4. 前記パラメータ補正器は、変位指令、速度指令、または加速度指令のいずれかの予め設定された駆動指令を前記巻上機に出力し、前記駆動指令によって変動する前記かご加速度検出器の検出値および前記秤装置の検出値の一方または両方に基づいて前記遅延補償器が補償に用いるパラメータを同定する、
    請求項2に記載のエレベーター。
  5. 前記パラメータ補正器は、変位指令、速度指令、または加速度指令のいずれかの予め設定された駆動指令を前記巻上機に出力し、前記駆動指令によって変動する前記かご加速度検出器の検出値および前記秤装置の検出値の一方または両方に基づいて前記遅延補償器が補償に用いるパラメータを同定する、
    請求項3に記載のエレベーター。
  6. 前記主ロープは、炭素繊維ロープである、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエレベーター。
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