JP7294278B2 - 冷間圧延機における板厚制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼帯の冷間圧延機における板厚制御方法に関する。
鋼帯を連続して圧延する冷間圧延ラインにおいて、圧延スタンドのロールギャップを操作端とし、前記圧延スタンドの出側板厚計で測定した出側実測板厚をフィードバック量として返す、比例積分フィードバック制御(モニターAGCともいう。AGC=Automatic Gauge Control:自動板厚制御)を実施することで、前記圧延スタンドの出側板厚を目標板厚の設定値通りに制御することが一般的である。
前記比例積分フィードバック制御に用いる比例積分制御(以下、PI制御ともいう。)では、制御出力V(t)は以下の(1)式で表される。
V(t)=Kp×e(t)+Ki×∫0 te(τ)dτ‥‥(1)
ここで、e(t)、e(τ)はそれぞれ時刻t、τでの板厚偏差であり、板厚計による実測板厚と目標板厚との偏差を表す。Kp及びKiは、それぞれ比例ゲイン及び積分ゲインと呼ばれ、制御出力の応答量を調整するために設定される。また、∫0 te(τ)dτは板厚偏差e(τ)の時刻0からtまでの時間積分であり、積分項と呼ぶ。
PI制御は、比例制御(P制御)と積分制御(I制御)を組み合わせたものである。P制御のみの場合、比例ゲインKpが過小であると目標板厚と実測板厚とのズレであるオフセットが発生し、過大であるとオーバーシュートやハンチングが発生するという問題があるが、I制御と組み合わせることで、前記オフセットを解消することができる。そのため両者を組み合わせたPI制御が鋼帯の冷間圧延の板厚制御においても広く適用されている。
ところで、冷間圧延される鋼帯には、先行材と後行材とを接合した溶接部を有するものがある。
溶接前の先行材及び後行材は、熱間圧延時に張力負荷状態で圧延された定常部と呼ばれる長手方向中央側の一区間と、前記定常部に連なり一端が自由端となって張力無負荷状態で圧延された非定常部と呼ばれる長手方向先端側及び尾端側の二区間とを有する。また、熱間圧延では鋼板の先端部および尾端部における温度が低下しやすいため、熱間圧延における変形抵抗が定常部よりも大きく、圧延荷重が増加するために、鋼板の先端部および尾端部で板厚が増加する傾向がある。
通常、非定常部の長さは5~20m程度であり、非定常部の板厚は、定常部と比べて厚く、定常部との板厚差は最大で100μm程度である。
冷間圧延ラインの入側で先行材と後行材を溶接する際には、先行材の尾端部と後行材の先端部の一部(切捨て部)をシャーで切り捨て、先行材と後行材とを溶接するが、一般に、切捨て部の圧延方向の長さは高々100mm程度で、非定常部より短いため、図8に示すように、溶接後の鋼帯6の溶接部11に連なる先行材61尾端側と後行材62先端側はともに非定常部21を含むことになる。
そして、PI制御の制御対象が、先行材と後行材を接合した溶接部を有する鋼帯であって、溶接部前後で走間板厚変更の制御を行う場合がある。この場合、先行材から後行材への圧延条件(目標板厚、板幅、鋼帯張力等)の変更のため、溶接部を含む非定常部が圧延スタンドを通過している間は自動板厚制御におけるPI制御を一旦OFF(中止)とする。一方、溶接部を含む溶接部前後での圧延条件の変更量が小さくて溶接部前後で走間板厚変更を行う必要のない場合、溶接部を含む非定常部が圧延スタンドを通過中は定常部の場合と同様PI制御をONのままとし、溶接部を含む溶接部前後の非定常部に対しPI制御を継続させることが行われている。
しかし、このような、走間板厚変更を行う必要がない溶接部を含む非定常部であっても、板厚偏差は定常部よりも大きいため、非定常部の通板中に板厚偏差の時間積分で与えられる(1)式の積分項が、通板対象が非定常部から定常部に移っても収束しなくなる場合がある。この場合、後行材先端側の定常部で板厚制御がオーバーシュートし、圧延後の板厚が目標板厚の公差から外れる現象(以下、オフゲージともいう。)が発生する。この発生した部分は、オフゲージ発生域と呼ばれており、冷延鋼板の製品歩留りが悪化するので問題となる。
なお、図8において、先行材と後行材の非定常部21を、先行材と後行材とを接合する前に切り捨ててしまえば、上述のオフゲージの発生はなくなると予想される。しかし、その場合は、圧延後オフゲージ発生に至らない非定常部まで圧延前に切り捨てたことになり、かえって冷延鋼板の製品歩留りの悪化を招いてしまう。
一方、先端部及び/又は尾端部の非定常部のオフゲージ軽減対策が、以下の特許文献に開示されている。
特許文献1では、鋼帯のバッチ圧延において、鋼帯の先端部の板厚を制御する際、先端部が1つの圧延スタンドを通過した後、前記1つの圧延スタンドの圧延速度が所定の速度に到達し、この圧延速度を制御出力の項目とするモニターAGCが作動を開始した後、鋼帯の板厚偏差が目標値以内に収束するまではP制御のみとし、目標値以内に収束後にPI制御に切り替える方法が開示されている。この場合、P制御からPI制御への切り替えのタイミングは、圧延機出側の板厚の実測値を用いて決定し、また、P制御のみを行う場合の制御ゲインKpは通常のPI制御時よりも大きく設定することが開示されている。
特許文献2では、鋼帯の連続圧延において、板厚偏差が閾値を超過した際、圧下位置或いはロール周速を制御出力の項目とするPI制御の比例ゲインKpを増大させ、積分ゲインKiを減少させることで、板厚偏差を迅速に収束させる方法が示されている。このようなゲイン操作量の決定は、圧延機出側の板厚の実測値を用いて行っている。しかし、特許文献1及び2には、先行材と後行材の溶接部の圧延制御についての開示はない。
先行材と後行材との溶接部の圧延制御に関する技術は、以下の特許文献に開示されている。
特許文献3では、溶接部の破断を防止するために、最終スタンド出側の板厚のアンダーゲージ量を推定し、この量が基準値未満の場合には、第1スタンド出側の厚さ計を溶接部が通過する前後の所定区間、張力制御用のフィードフォワード(FF)AGCに補正値を加算して制御し、一方、アンダーゲージ量が基準値以上の場合には、溶接部が第1スタンドの手前の所定位置に達した時点でゲージメータAGC及びモニターAGCを中止させるとともに、第1スタンドのロールギャップを所定の補正量だけ開き、溶接部が第1スタンドを通過するとその補正量だけ閉じる方法が開示されている。また、溶接部が前記厚さ計手前の位置から前記厚さ計を通過するまでの間FFAGCの制御を中止し、前記厚さ計を通過するとFFAGCを再開させ、第1スタンドのロールギャップが元に戻るとゲージメータAGCを再開させる方法も開示されている。
特許文献4では、連続式タンデム圧延機の入側に設けた入側板厚計の検出値を第1スタンドの圧下位置までトラッキングして(各検出値に対応する鋼帯長手方向の各位置が第1スタンドの圧下位置に順次到達した各時点で各検出値に基づいて)第1スタンドのロールギャップを操作する、いわゆる圧下フィードフォワード(圧下FF)AGCによる板厚制御方法において、溶接部の前後で圧延機入側板厚変動の影響を受けずに板厚精度を向上させるために、溶接部が入側板厚計に到達するよりも前に、入側板厚偏差に対する圧延荷重の影響係数を計算して求める一方、溶接部が入側板厚計を通過してから第1スタンドに到達する前に、溶接部前後における入側板厚偏差を検出して求め、かかる入側板厚偏差と影響係数をもとに荷重の変動量を算出し、その変動量を補償するロールギャップ変更量を計算して求め、溶接部が第1スタンドを通過した直後に、第1スタンドのロールギャップを上記ロールギャップ変更量だけ変更する方法が開示されている。
特開昭62-158516号公報 特開昭63-123504号公報 特開平06-079325号公報 特開平10-192934号公報
しかし、溶接部のない鋼帯を対象とする特許文献1、2の方法を、溶接部を有する鋼帯を対象とする場合に適用した場合、特許文献1の方法では、非定常部に積分制御を適用できないため、溶接部を含む溶接部前後の非定常部においても比例ゲインKpを大きく設定せざるを得ず、比例制御による制御出力が過大となって、操作量ハンチングや板厚偏差量の定常偏差の発生が懸念される。加えて、圧延機出側の板厚の実測値を用いて比例制御と比例積分制御の切り替え判定を行っているため、定常部が圧延機出側の板厚計に到達するまで判定を待つ必要があり、切り替えタイミングが遅れてしまい、後行材先端側の定常部のオフゲージ発生の効率的な防止はできない。
特許文献2の方法で、溶接部を含む溶接部前後の非定常部の板厚制御に適用した場合、比例制御が支配的となり、操作量ハンチングや板厚偏差量の定常偏差の発生が懸念される。さらに、圧延機出側の板厚の実測値を用いてゲイン操作量の決定を行っているため、ゲイン操作タイミングが遅れてしまい、後行材先端側の定常部のオフゲージ発生域の縮小化はできない。
また、特許文献3は、ゲージメータAGC及びモニターAGCと組み合わせた張力制御用のFFAGCの運用方法を工夫して、溶接部の破断を防止しようとする技術であり、そこには、溶接部後の後行材先端側でPI制御の積分項が収束しないことによる定常部のオフゲージ発生については考慮されていない。さらに、特許文献3のFFAGCは、第1スタンド出側の板厚計による測定結果に基づいて、第2スタンド出側の板厚を制御するための手段であって、第1スタンド出側の板厚を目標値に制御する手段としては、モニターAGCによるフィードバック制御が主体となっている。そのため、第1スタンド出側の板厚制御については、通常のモニターAGCであるため、オフゲージ発生域の低減効果は十分とはいえない。
また、特許文献4は、圧下FFAGCによる板厚制御の改良技術を開示したものであり、そもそも、PI制御を用いる比例積分フィードバック制御についての開示はなく、したがって、溶接部後の後行材先端側でPI制御の積分項が収束しないことによる定常部のオフゲージ発生については考慮されていない。また、圧下FFAGCによる板厚制御では、圧延スタンド出側の板厚について目標値からの偏差を解消することができないため、やはりオフゲージが発生してしまう場合がある。
本発明は、上述の問題に鑑み、冷間圧延機において鋼帯の溶接部を含む非定常部に対し走間板厚変更を行わず、フィードバック制御における比例積分制御を継続する場合に、先行材尾端部の板厚精度を維持しつつ、後行材先端側の定常部のオフゲージ発生域を縮小化し、溶接部前後の鋼帯切り捨て量を削減して冷延鋼板の製品歩留りを向上させることを課題とし、冷間圧延機における板厚制御方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、その結果、溶接部を含む非定常部に対し走間板厚変更を行わず比例積分制御を継続させ、溶接部が圧延スタンドの圧下位置を通過後、PI制御の積分項を初期化する積分項リセットを行うという手法に想到し、以下の要旨構成になる本発明をなすに至った。
[1] 先行材と後行材とを接合した溶接部を有する鋼帯の冷間圧延機における板厚制御方法であって、
圧延スタンドのロールギャップを操作端とした、比例積分制御を行い、
前記溶接部前後の非定常部に対し前記比例積分制御を継続させ、
前記溶接部が前記圧延スタンドの圧下位置を通過後、前記比例積分制御の積分項を初期化する積分項リセットを行うことを特徴とする冷間圧延機における板厚制御方法。
[2] 前記先行材と前記後行材とは、同一区分の板厚及び板幅を有することを特徴とする[1]に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
[3] 前記先行材と前記後行材の引張強さの差が30MPa以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
[4] 前記ロールギャップを操作端とする圧延スタンドが、タンデム式冷間圧延機の第1スタンドであることを特徴とする[1]~[3]のいずれか1つに記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
[5] 前記積分項リセットは、前記後行材の前記溶接部からの所定長さLの部分が圧延を完了したタイミングで行うことを特徴とする[1]~[4]のいずれか1つに記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
[6] 前記所定長さLは、前記冷間圧延機の入側に設置した入側板厚計の測定値に基づいて決定することを特徴とする[5]に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
本発明によれば、溶接部を含む非定常部が圧延スタンドを通過中に、比例ゲインKp及び積分ゲインKiの操作はせず、溶接部が圧延スタンドの圧下位置を通過後に積分項リセットを行うことで、先行材尾端側の非定常部の制御性を損なうことなく、溶接部後の後行材先端側の定常部における操作量のオーバーシュートを防止してオフゲージ発生域を縮小化させ、冷延鋼板の製品歩留りを向上させうるという効果を奏する。
また、本発明によれば、圧延機入側での溶接部検出に基づいて積分項リセットのタイミングを決定することにより、溶接部が第1スタンド直下を通過完了した瞬間での積分項リセットによる積分制御の更新が可能となり、圧延機出側の板厚の実測値を用いた比例制御から比例積分制御への切り替え(特許文献1)やゲイン操作量の決定(特許文献2)による場合よりも、より実態と一致したタイミングで積分制御の更新が可能になるという効果もある。
本発明の実施形態に用いる冷間圧延機における板厚制御方式の1例を示すシステム構成図である。 図1のPI制御部100のブロック線図である。 本発明による溶接部前後の出側板厚偏差[S1-S2]及びロールギャップ変更量S4の推移の1例を示す線図である。 比較例による溶接部前後の出側板厚偏差[S1-S2]及びロールギャップ変更量S4の推移の1例を示す線図である。 図1において入側板厚計を付加し、入側実測板厚を使用可能とした板厚制御方式の1例を示すシステム構成図である。 図5のPI制御部100のブロック線図である。 図5の板厚制御方式によるオンラインでの溶接部後の後行材先端側の非定常部長さの決定方法を示す説明図である。 先行材と後行材の溶接前と溶接後冷間圧延前の状態を示す模式図である。
[冷間圧延機]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1及び図2はそれぞれ、本発明の実施形態に用いる冷間圧延機における板厚制御方式の1例を示すシステム構成図及び図1のPI制御部100のブロック線図である。鋼帯6は冷間圧延機の圧延スタンド4で圧延されつつある。前記冷間圧延機で冷間圧延される鋼帯の素材板厚範囲は1.2~3.2mm、板幅範囲は800~1300mm、製品板厚範囲は0.12~1.6mmである。ただし、冷間圧延機で冷間圧延される鋼帯の素材板厚範囲、板幅範囲、製品板厚範囲は、これらの範囲に限定されるものではない。
[先行材と後行材の溶接部]
前述のように鋼帯6は、先行材61と後行材62を接合した溶接部11を有する。溶接部11を含む溶接部前後は非定常部21であり、非定常部21には溶接部11の反対側に定常部20が連なる。非定常部21の板厚は定常部20より厚くなっている。(図1のA部拡大図及び図8参照)。
溶接は、例えばレーザー溶接、炭酸ガス溶接及びその他のアーク溶接などのいずれであってもよい。また、溶接部の余盛処理は適宜行うことが好ましい。
[ロールギャップを操作端とすること]
図1のシステム構成では、圧延スタンド4の入側で鋼帯6に張力を付与する1対の入側ブライドルロール9、前記入側ブライドルロール9のロール周速を検出してブライドルロール周速S5を出力するロール周速検出器10、圧延スタンド4のロールギャップを操作端として操作する圧下シリンダー5、圧下シリンダー5へロールギャップ変更量S4を指令する圧下シリンダー制御装置3、圧延スタンド4の出側(下流側)で鋼帯6の板厚を検出して出側実測板厚S2を出力する出側板厚計7及び圧延スタンド4の入側で鋼帯6の溶接部11を検出して溶接部検出信号S6を出力する溶接部センサ12を有する。
ここで、ロールギャップを操作端とするのは、冷間圧延機の前段スタンドでは塑性係数が比較的小さいためロールギャップの変更により板厚を変更するのが容易だからである。また、FFAGCと併用する場合に、ロール周速を操作端とする場合が多く、操作端が干渉するのを避けるためである。
図1のシステム構成では、さらに、モニターAGCの実行手段としてPI制御部100及び積分項リセット指令部101を具備した第1の計算機1(以下、単に計算機1ともいう。)及び計算機1に目標板厚S1を入力する第2の計算機2(以下、単に計算機2ともいう。)を有する。
PI制御部100には積分項リセット指令部101からゲートG2を介して積分項リセット信号S7が入力される。
計算機2はまた、ゲートG1及びゲートG2をそれぞれ信号の値例えば1/0で例えば開/閉とするG1開閉信号S8及びG2開閉信号S10を出力する。
[溶接部前後の非定常部に対する比例積分制御]
本発明では、走間板厚変更を行う必要がなくて、溶接部11を含む溶接部前後の非定常部21の圧延スタンド4通過中も、定常部20の通過中と同様、PI制御をONのままとする(継続する)場合を対象とする。このPI制御の継続は、ゲートG1を開のままとすることで実行される。
一方、本発明の対象外とした、走間板厚変更を行う場合は、定常部20の圧延スタンド4通過中はゲートG1を開としてPI制御を継続し、少なくとも溶接部11の圧延スタンド4通過中はゲートG1を閉としてPI制御を一旦OFFとする。このOFFの間に目標板厚S1の変更或いはさらに必要に応じて比例ゲインKp及び/又は積分ゲインKiの変更が行われる。その後、溶接部11を含む予め設定された区間が圧延スタンド4を通過した後にPI制御をON(ゲートG1を開)とする。なお、計算機2は、溶接部11を含む予め設定された区間が圧延スタンド4を通過中である時間帯を、溶接部検出信号S6及びブライドルロール周速S5による溶接部11を含む所定長さの長さ方向区間の鋼帯進行方向沿いの位置の追跡(トラッキング)により特定する。
タンデム式冷間圧延機において、溶接部11が圧延スタンドを通過する際は、溶接部11が通板される際の鋼帯の破断リスクを考慮して、定常部の圧延速度(最終スタンドまたは最終スタンド出側の鋼帯の速度)よりも減速して行われる。例えば、圧延速度が150~500m/分の範囲で適宜設定される。ただし、必ずしも先行材尾端側の非定常部および後行材先端部の非定常部の全長にわたって一定の圧延速度ではなく、溶接部11が圧延スタンドを通過した後の予め設定された時間経過後に圧延速度が増速される場合がある。
[積分項リセット]
そして、本発明では、ゲートG1を開としたとき、ゲートG2も開とし、積分項リセット信号S7の通過を可能とする。
PI制御部100は、鋼帯6の冷間圧延開始から終了までの間、計算機2から目標板厚S1及び出側板厚計7から出側実測板厚S2を継続して入力され、図2のブロック線図に従って圧下量偏差信号S3を生成し、開状態のゲートG1を介して圧下シリンダー制御装置3へ入力する。圧下シリンダー制御装置3は入力された圧下量偏差信号S3からロールギャップ変更量S4を生成し、圧下シリンダー5へ入力する。圧下シリンダー5は入力されたロールギャップ変更量S4に対応した量だけ圧延スタンド4のロールギャップを操作する。
また、PI制御部100は、開状態のゲートG2を介して積分項リセット指令部101から積分項リセット信号S7が入力されると、積分項を初期化する積分項リセットを行う。
ここで、「積分項リセット」とは、PI制御部100が、積分項リセット信号S7の入力時点の時刻τ=trを認識し、積分項を、∫0 te(τ)dτから、∫tr te(τ)dτ=∫0 te(τ)dτ-∫0 tre(τ)dτへ切り替えることを意味する。これは、ブロック線図(図2)において、積分制御の伝達要素を「Ki/s」から、「Ki×(1/s-1/s')」へ切り替えることと等価である。ここで、「Ki/s'」とは、「Ki×∫0 tre(τ)dτ」をラプラス変換した伝達関数における伝達要素である。なお、積分項リセット前の積分項の積分範囲の下限である時刻τ=0は、PI制御の開始時点の時刻である。
これにより、τ=trの時点で積分項は一旦ゼロに戻され、そこから積分範囲の下限をtrとしたe(τ)の時間積分が実行される。
前記積分項リセットにおいては、上述のとおり、積分項の積分範囲の下限が変更されるだけであり、積分ゲインKi及び比例ゲインKpが変更されることはない。
[積分項リセットによる作用効果]
本発明の積分項リセットによる作用効果を比較例との対比によって説明する。
本発明例は、図1において、ゲートG1を開、ゲートG2を開とし、PI制御を継続しつつ積分項リセットを行う場合の例である。比較例は、図1において、ゲートG1を開、ゲートG2を閉とし、PI制御を継続しつつ、従来通り積分項リセットを行わない場合の例である。
図4は、比較例による溶接部前後の出側板厚偏差[S1-S2]及びロールギャップ変更量S4の推移の1例を示している。比較例では、溶接部11前から累積し残留する積分項が溶接部11後の非定常部21で収束せず、その結果、図4のように、出側板厚偏差[S1-S2]の大幅な下振れ(薄側への偏差)が発生し、定常部20に移行した後に、ロールギャップ変更量S4が開側に大きくオーバーシュートし、ゼロ付近へ戻るまでの間に、長大なオフゲージ発生域(例えば約55m)が現出した。
これに対し、図3は、本発明による溶接部前後の出側板厚偏差[S1-S2]及びロールギャップ変更量S4の推移の1例を示している。本発明では、溶接部11が圧延スタンド4の圧下位置を通過後、積分項を初期化する。なお、「圧下位置」とは、ロールギャップを定義する位置であり、上下のロール軸に垂直な直線とパスラインとの交点の位置に相当する。このような積分項の初期化により、溶接部11前から累積し残留する積分項が削除され、新たに累積する積分項はゼロからの累積となるため収束が早く、その結果、図3のように、出側板厚偏差[S1-S2]の下振れ(薄側への偏差)は小さくなり、定常部20へ移行した後のロールギャップ変更量S4の開側へのオーバーシュートも小さくなり、ゼロ付近へ戻る時間が短縮して、オフゲージ発生域が縮小化(例えば約6m)した。なお、図3及び図4の例では、圧延速度(最終スタンドのロール周速)を、定常部で約300m/分、非定常部も同じ速度とし、一定の速度で圧延を行った。
すなわち、本発明では、溶接部前の先行材尾端側の非定常部が圧延スタンドの圧下位置を通過後に積分項リセット行うことで、溶接部前の先行材尾端側の非定常部に対するPI制御による板厚制御性は維持しつつ、溶接部後の後行材先端側の定常部に対し、溶接部前の先行材尾端側の非定常部からの積分項の累積・残留による収束の遅れを防止するという作用があり、これによりオフゲージ発生域が縮小化される効果が発揮される。
[同一区分の板厚及び板幅]
前述のように、本発明は、溶接部前後で走間板厚変更を行わない鋼帯を対象とする。溶接部前後で走間板厚変更を行わない鋼帯として、例えば「同一区分の板厚及び板幅」を有するものが挙げられる。「同一区分の板厚及び板幅」とは、先行材と後行材とで素材板厚の差が0.1mm以下で、板幅の差が50mm以下であって、先行材と後行材とで目標製品板厚の差が±5%以内のものをいう。先行材と後行材との寸法差がこのような範囲内であれば、走間板厚変更を行う必要がなく、モニターAGCをONのままとして溶接部を含む溶接部前後の非定常部を圧延スタンドに通すことが可能だからである。よって、本発明では、前記先行材と前記後行材とは、同一区分の板厚及び板幅を有することが好ましい。
また、先行材と後行材との変形抵抗差が薄鋼板製品としての引張強さの差30MPa以下に相当する鋼帯に対しても、走間板厚変更を行わない場合がある。よって、本発明では、前記先行材と前記後行材の引張強さの差が30MPa以下であることが好ましい。
[タンデム式冷間圧延機の第1スタンド]
また、本発明で用いる冷間圧延機は、単スタンド式冷間圧延機及びタンデム式冷間圧延機のいずれであってもよいが、圧延能率の観点から、タンデム式が好ましい。単スタンド式の場合、本発明に用いる圧延スタンドは1つのみである。一方、タンデム式の場合、第1スタンドで積分項リセットを行っておけば、第2スタンド以降では、積分項リセットを行わなくても、溶接部前後の非定常部の出側板厚偏差が小さくなって、オフゲージ発生域のさらなる長大化は起こらない。よって、本発明では、前記ロールギャップを操作端とする圧延スタンドが、タンデム式冷間圧延機の第1スタンドであることが好ましい。また、タンデム式冷間圧延機の最終スタンド出側板厚に対しては、第1スタンドのロールギャップが最も大きく影響を与えるからである。
[積分項リセットのタイミング:所定長さLをオフラインで設定]
本発明において、積分項リセットは、溶接部11が圧延スタンド4の圧下位置を通過後に行うが、この積分項リセットのタイミングは、例えば溶接部11が圧延スタンド4の圧下位置を通過完了した直後でも構わない。先行材61尾端側の非定常部21の板厚制御で累積された積分項を、後行材62最先端側で初期化することで後行材62の非定常部21での積分項の収束の遅れを防止できるからである。
一方、前記積分項リセットのタイミングは、溶接部11が圧延スタンド4の圧下位置を通過した後、後行材62の非定常部21の圧延を所定長さLだけ行った後であってもよい。後行材62先端側の非定常部21でもそこの板厚制御で積分項が累積され、その後、後続の定常部20へ移行した際の積分項の収束の遅れを招くため、そのような移行時に積分項を初期化することで後行材62の定常部20での積分項の収束の遅れを防止できるからである。
その際、前記所定長さLは、例えば1~5m等、予め設定することができる。また、前記所定長さLは、被圧延材の板厚、板幅、鋼種などの属性に応じて、経験的に求められたテーブル値として個別に設定してもよい。前記所定長さLは、後行材62先端側の非定常部21の長さに依存し、この依存する長さが前工程の熱延ラインでの製造条件によっても変化するため、被圧延材の製造諸元により変わることが多いからである。
上記設定された積分項リセットのタイミングで積分項リセットが行われるようにするために、図1及び図2の例では、積分項リセット指令部101が、溶接部センサ12からの溶接部検出信号S6の入力により溶接部11を検出し、検出後の溶接部11の移動距離をブライドルロール周速S5の時間積分演算から算出することにより溶接部11の逐次追跡(溶接部トラッキングともいう。)を行って、後行材62の溶接部11からの所定長さLの非定常部21部分が圧延スタンド4の圧下位置を通過完了する時点を積分項リセットのタイミングとして認識し、このタイミングで積分項リセット信号S7を出力するよう構成した。
なお、所定長さLを、L=0と設定すれば、溶接部11が圧延スタンド4の圧下位置を通過完了した時点の積分項リセットも行うことができる。
前記溶接部トラッキングに用いる溶接部センサ12としては、例えば光学式や磁気式などの検出センサを用いることができる。光学式の検出センサである光学センサは、鋼帯の上下の一方の側から投光器にて光を投光し、溶接部に対応して穿孔された検出孔を通過した光を他方の側に設置したカメラなどの受光器にて検出することで、溶接部の通過を検出できる。また、磁気式の検出センサである磁気センサは、例えば渦流式センサなどを設置し、接合点に対応して穿孔された検出孔が通過したときの磁界の乱れを検出することで、溶接部の通過を検出できる。
また、出側板厚計7としては、超音波厚み計、X線厚み計又はガンマ線厚み計等が好ましく用いうる。
[積分項リセットのタイミング:所定長さLをオンラインで決定]
また、溶接部後の後行材先端側の非定常部での積分項の累積・残留による、後続の定常部での収束の遅れをできるだけ抑制する観点から、前記所定長さLとしては、溶接部後の後行材先端側の非定常部長さを用いることが好ましく、しかも、この非定常部長さは、オフラインで設定するよりも、オンラインで入側実測板厚に基づいて決定するほうが、より実際に近い非定常部長さを用いることができるため好ましい。
上記のオンラインでの溶接部後の後行材先端側の非定常部長さの決定方法について図5、図6及び図7を参照し、説明する。
図5は図1において入側板厚計8を付加し、入側実測板厚S9を使用可能とした板厚制御方式の1例を示すシステム構成図であり、図6は、図5のPI制御部100のブロック線図である。入側板厚計8としては、超音波厚み計、X線厚み計又はガンマ線厚み計等が好ましく用いうる。また、図7は、図5の板厚制御方式によるオンラインでの溶接部後の後行材先端側の非定常部長さの決定方法を示す説明図である。
図7において、図中の曲線は、入側板厚計8(図5)による入側実測板厚S9の推移を示す曲線(以下、S9曲線ともいう。)であり、S9曲線上のA点は、溶接部センサ12(図5)が溶接部11を検出して出力した溶接部検出信号S6を積分項リセット指令部101(図5)が受信した時点である。積分項リセット指令部101は、A点を起点としてブライドルロール周速信号S5を逐次時間積分する演算(1次演算ともいう。)を開始し、この1次演算の結果であるA点からの溶接部11の鋼帯進行方向沿いの移動距離が溶接部センサ12から入側板厚計8までの距離を満たした時点(図7のB点)を特定し、1次演算を終了する。
次いで、1次演算の終了と同時に、B点を起点としてブライドルロール周速信号S5を逐次時間積分する演算(2次演算ともいう。)を開始し、この2次演算の結果であるB点からの溶接部11の鋼帯進行方向沿いの移動距離を追跡(トラッキング)する。そして、2次演算と併行して、S9曲線の値を非定常部長さの判定閾値(+)及び(-)と逐次比較し、S9曲線の値が判定閾値以内(+と-の間)に収まった時点(図7のC点)を特定する。B点からの溶接部11の鋼帯進行方向沿いの移動距離は、溶接部11から下流側への鋼帯長手方向距離と同等であるから、C点は、溶接部11から下流側への鋼帯長手方向沿いの板厚が判定閾値以内に収まった鋼帯長手方向沿いの地点に相当し、したがって、B点からC点までの距離X(m)は、溶接部後の後行材先端側の非定常部長さに該当する。そこで、距離Xを溶接部後の後行材先端側の非定常部長さと決定する。その後、第2の演算を終了する。
上述の第1及び第2の演算により距離Xを決定する工程は、当該工程の実行手段を積分項リセット指令部101に付加することにより、又は計算機2に付加することによっても、オンラインで、溶接部11の圧延スタンド4通過に先立って実行することができる。計算機2が距離Xを決定する場合は、決定した距離Xを積分項リセット指令部101へ適宜の送信手段(図示せず)にて送信する。
積分項リセット指令部101は、前記決定された距離Xを前記所定長さLの値に充当する。
さらに、図5に示す板厚制御方式を採用する場合には、タンデム式冷間圧延の入側に入側板厚計8を備え、この入側板厚計8から第1スタンドまでのトラッキング手段を備えることになるので、特許文献4に記載された圧下フィードフォワードAGCを併用した板厚制御システムを構成してもよい。
なお、本実施形態は、先行材尾端側の非定常部および後行材先端側の非定常部が、それぞれの定常部よりも厚い場合について述べた。しかし、本発明は、非定常部の板厚が定常部よりも薄い場合に対しても適用できるのはいうまでもない。
図1に示す圧延スタンド4を第1スタンドとする6スタンドのタンデム式冷間圧延機(以下、単に圧延機ともいう。全体は図示せず)に本発明を適用した例(本発明例)について、従来の板厚制御方法を適用した例(比較例)と比較し、説明する。この圧延機は、各スタンドとも4段式で、ワークロール直径が500~600mmである。この圧延機の入側ブライドルロール9の上流側には、先行材61尾端部と後行材62先端部をレーザー溶接で接合する溶接機(図示せず)が設置されている。出側板厚計7は前記ガンマ線厚み計からなる。溶接部センサ12は前記光学センサからなる。
本発明例では、ゲートG1を開として、溶接部11を含む非定常部21が第1スタンドを通過中、PI制御を継続し、かつゲートG2開として、PI制御部100に積分項リセットの実行を促す積分項リセット信号S7の通過を可能とした。そして、積分項リセット指令部101が、溶接部センサ12からの溶接部検出信号S6の入力により溶接部11を検出し、検出後の溶接部11の移動距離をブライドルロール周速S5の時間積分演算から算出することにより溶接部トラッキングを行って、後行材62の溶接部11からの所定長さLの非定常部21部分が圧延スタンド4の圧下位置を通過完了する時点を積分項リセットのタイミングとして認識し、このタイミングで積分項リセット信号S7を出力するようにした。前記所定長さLは、過去の非定常部長さの経験値に基づきL=3mに設定した。
比較例では、本発明例において、ゲートG2を開から閉に変更して、PI制御部100に積分項リセットの実行を促す積分項リセット信号S7の通過を不可能として積分項リセットが実行されないようにし、これ以外は、本発明例と同様とした。
本発明例及び比較例では、製品板厚0.15~0.5mm、板幅650~1050mmの鋼板にする鋼帯を対象として圧延を実行した。また、前記対象とした鋼帯は、先行材と後行材が同一の鋼種で、素材板厚の差が0.1mm以下、先行材に対する後行材の製品板厚差が±5%以内であって、先行材に対する後行材の板幅差が±20mm以内の鋼帯とした。
その結果、例えば、素材板厚2.3mm、 板幅1000mm及び製品板厚0.23mmとし、圧延速度(最終スタンドのロール周速)を、非定常部を含む範囲で約300m/分とした条件下(ケース1)で、比較例では、溶接部が第1スタンドの圧下位置を通過後に後行材の非定常部における板厚変動が大きくなり、後行材先端側の定常部に約780mのオフゲージ発生域が現出したのに対し、本発明例では後行材の非定常部における板厚変動が小さくなり、後行材先端側の定常部のオフゲージ発生域を約200mに縮小することができた。
また、例えば、素材板厚2.6mm、 板幅1000mm及び製品板厚0.40mmとし、圧延速度(最終スタンドのロール周速)を、非定常部を含む範囲で約250m/分とした条件下(ケース2)での後行材先端側の定常部のオフゲージ発生域は、比較例では約86mであったのに対して、本発明例では約6m以下に縮小できた。
以上のようにして、本発明の適用により、上記タンデム式冷間圧延機において、溶接部通過後のオフゲージ発生を抑止し、次工程での切り捨て量を圧延製品重量当たりの平均で0.05%削減することに成功している。
1 第1の計算機
2 第2の計算機
3 圧下シリンダー制御装置
4 圧延スタンド
5 圧下シリンダー
6 鋼帯
1 先行材
2 後行材
7 出側板厚計
8 入側板厚計
9 入側ブライドルロール
10 ロール周速検出器
11 溶接部
12 溶接部センサ
20 定常部
21 非定常部
100 PI制御部
101 積分項リセット指令部
G1 ゲート
G2 ゲート
S1 目標板厚
S2 出側実測板厚
S3 圧下量偏差信号
S4 ロールギャップ変更量
S5 ブライドルロール周速
S6 溶接部検出信号
S7 積分項リセット信号
S8 G1開閉信号
S9 入側実測板厚
S10 G2開閉信号

Claims (6)

  1. 先行材と後行材とを接合した溶接部を有する鋼帯の冷間圧延機における板厚制御方法であって、
    圧延スタンドのロールギャップを操作端とした、比例積分制御を行い、
    前記溶接部前後の非定常部に対し前記比例積分制御を継続させ、
    前記溶接部が前記圧延スタンドの圧下位置を通過後、前記後行材の前記溶接部からの所定長さLの部分が圧延を完了したタイミングで、前記比例積分制御の積分項を初期化する積分項リセットを行うことを特徴とする冷間圧延機における板厚制御方法。
  2. 前記所定長さLは、前記後行材の前記溶接部から1~5mで予め設定することを特徴とする請求項1に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
  3. 前記所定長さLは、前記冷間圧延機の入側に設置した入側板厚計の測定値に基づいて決定することを特徴とする請求項に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
  4. 前記先行材と前記後行材とは、同一区分の板厚及び板幅を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
  5. 前記先行材と前記後行材の引張強さの差が30MPa以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
  6. 前記ロールギャップを操作端とする圧延スタンドが、タンデム式冷間圧延機の第1スタンドであることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の冷間圧延機における板厚制御方法。
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