JP3506119B2 - タンデム圧延機の圧延負荷配分変更方法 - Google Patents

タンデム圧延機の圧延負荷配分変更方法

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JP3506119B2 JP2001000284A JP2001000284A JP3506119B2 JP 3506119 B2 JP3506119 B2 JP 3506119B2 JP 2001000284 A JP2001000284 A JP 2001000284A JP 2001000284 A JP2001000284 A JP 2001000284A JP 3506119 B2 JP3506119 B2 JP 3506119B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数スタンドを連
続して配置したタンデム圧延機の板厚制御における、圧
延負荷配分変更方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】複数の圧延機スタンドからなる熱間連続
圧延機においては、自動板厚制御装置(AGC)とし
て、ロックオンAGCとX線モニタAGCを組み合わせ
たものが一般的に使用されている。このうち、ロックオ
ンAGCは、圧延機に圧延材料が噛み込んだときの板厚
を保持する機能を有するものであり、実績板厚はロール
ギャップ(圧下位置)と圧延荷重を用いて計算により算
出されている。 【0003】X線モニタACCは、最終スタンド出側に
設けられたX線板厚計により製品となる圧延材料の板厚
を実測し、それを一定に保つように最終スタンドのロー
ルギャップを操作することを基本としているが、この操
作の結果、最終スタンドに負荷が集中したり最終スタン
ドの負荷が軽くなりすぎることの無いように、最終スタ
ンドの前のスタンドのロールギャップを併せて変更する
ことも行われている。 【0004】ロックオンAGCそのものは、もともと板
厚の絶対値を目標値に保つ機能は有していなかったが、
計算機により各スタンドでの板厚を計算し、その値を目
標値に保つようにロールギャップを操作する、いわゆる
絶対値AGCも広く使用されるようになってきている。 【0005】しかしながら、あくまで最終的な板厚を制
御しているのはX線モニタAGCである。したがって、
圧延開始前に行われる各圧延機、主機(圧延機のロール
を駆動するモータ)速度のセットアップが不適当で、そ
の結果、先頭部の板厚が目標値を大きく外れた場合に
は、板厚を正しく目標値に入れるため、X線モニタAG
Cが最終スタンドのロールギャップを大きく操作するこ
とになる。その結果、最終スタンドの負荷が増大したり
過少になったりして、板形状が乱れ、通板安定性が阻害
されるなどの問題が発生する。 【0006】このような問題に対して、特開平5−17
7223号公報には、出側板厚を一定にするという条件
のもとで、各スタンドの板厚、速度比、圧下位置、張力
の全てまたは一部を調整する走間スケジュール変更を行
い、各スタンドの圧下バランスを変更する技術が開示さ
れており、これにより通常オペレータの手動介入で行わ
れる操作を自動化して板形状乱れや通板安定性の低下を
防ぐことが可能とされている。 【0007】また、冷間タンデム圧延機においては、X
線板厚計で測定した板厚を目標値に維持するように、各
スタンドの主機速度比を変えるマスフローAGCが使用
されており、熱間連続圧延機においても、厚さの厚い圧
延材料を圧延する場合に、一部でマスフローAGCが使
用されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5−177223号公報に記載される技術において
は、走間板厚変更過程で圧延荷重変動を調整しないた
め、特に後段のスタンドにおいて、圧延材料の形状に悪
影響がでたり、先端部の曲がりを誘発するなどの問題を
防ぐことができないという問題点がある。同様な問題
は、マスフローAGCを使用した場合にも発生する。 【0009】また、走間板厚変更時に、圧下装置を直接
駆動するため、通常のロックオンAGCやX線モニタA
GCを一旦停止する必要が生じ、走間板厚変更中の板厚
を保証することが困難であると同時に、走間板厚変更開
始時のAGCの停止や走間板厚変更終了後のAGCの再
開などの、複雑なシーケンスが入り込みシーケンサーな
どの制御系の負荷や容量が高くなるという問題があっ
た。 【0010】本発明者らは、これら従来技術が有する問
題を解決するために、圧延機の初期設定が不適正であっ
た場合にも、圧延材料の形状を悪化させたり、先端部の
曲がりを誘発することなく、圧延機の状態を適正なもの
とすることができるタンデム圧延機の負荷配分変更方法
を開発し、特願2000−145765号として特許出
願した(以下「先願発明」という)。 【0011】その内容は、複数スタンドからなるタンデ
ム圧延機において、各スタンドの圧延荷重を所定の比に
保つように各スタンドの速度比、各スタンドのロールギ
ャップの少なくとも一方を決定することを特徴とするタ
ンデム圧延機の負荷配分変更方法である。すなわち、圧
延機の初期設定(セットアップ)計算が不適当であっ
て、目的とする板厚が得られなかったり、各スタンドの
負荷配分が乱れて圧延材料の形状が悪化したりすること
がある場合に、各スタンドの速度比、各スタンドのロー
ルギャップの少なくとも一方を変更して、板厚と各スタ
ンドの負荷配分を適正なものに変更するが、この際、各
スタンドの圧延荷重を所定の比に保つように操作量を決
定する。よって、各スタンドの圧延荷重配分が適正なも
のに修正されるので、圧延材料の形状の悪化が防止され
ると共に、通板性が悪くなることが防止される。 【0012】しかしながら、このような利点を有する先
願発明にも、各スタンドの速度比、各スタンドのロール
ギャップの少なくとも一方を変更して各スタンドの出側
板厚を調整する圧延荷重配分の調整動作と、X線モニタ
AGCとの相互干渉が発生するという問題点があった。 【0013】すなわち、先願発明によれば、圧延荷重配
分を目標値にするために操作すべき各スタンドの速度
比、各スタンドのロールギャップを計算するタイミング
で、最終スタンド出側において目標板厚と実績板厚の間
に差があった場合、この差をも補償するように各スタン
ドの速度比、各スタンドのロールギャップを決定する。
そして、この決定値に従って、上流側のスタンドから順
次、各スタンドの速度比、各スタンドのロールギャップ
の変更が行われて行き、変更点が最終スタンドを通過し
た時点で、出側板厚が目標値になると共に、圧延荷重配
分比が目標値になるように制御される。 【0014】ところが、このように各スタンドの速度
比、各スタンドのロールギャップの変更が順次行われて
いる間にも、X線モニタAGCは独立して作動してお
り、最終スタンド出側板厚を目標値とするように操作量
(たとえば最終スタンド圧下位置)を変更している。よ
って、前記変更点が最終スタンドに達する前に、最終ス
タンド出側板厚は目標板厚に一致しているか近づいてい
る。 【0015】このような状態において、板厚偏差がある
ときに計算された操作量により、各スタンドの速度比、
各スタンドのロールギャップの変更が行われるので、変
更点が最終スタンドを通過した時点では、各スタンドの
速度比、各スタンドのロールギャップの変更によって板
厚偏差を修正する操作量と、X線モニタAGCの操作量
が重畳して、最終スタンド出側板厚が、当初偏差のあっ
た方向と逆方向に振れるオーバーシュートが発生する。 【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、先願発明が有する圧延負荷配分変更制御とX線
モニタAGC制御の干渉を無くし、板厚制御のオーバー
シュートを防止したタンデム圧延機の圧延負荷配分変更
方法制御を提供することを課題とする。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】前記課題は、複数スタ
ンドからなるタンデム圧延機において、最終スタンド出
側X線板厚計を利用したX線モニタAGCを用いて、仕
上げ出側板厚を目標通りに制御しながら、最終スタンド
を含む所定のスタンドの圧延荷重が所定の比になるよう
に、前記所定のスタンドの出側板厚又はロール速度比の
少なくとも一方を変更することを特徴とするタンデム圧
延機の負荷配分変更方法であって、上流側スタンドでの
目標板厚変更を、最終スタンドの入側板厚外乱として最
終スタンド出側板厚変動量を推定し、X線モニタAGC
の操作量から前記出側板厚変動量推定値に対応する操作
量を差し引くことにより、負荷配分変更操作とX線モニ
タAGC操作との相互干渉を回避することを特徴とする
圧延機の負荷配分変更方法(請求項1)により解決され
る。 【0018】本手段においては、圧延負荷配分変更制御
に伴う最終スタンド入側板厚の変動より、最終スタンド
出側板厚の変動量を推定し、その変動量に対応するX線
モニタAGCの操作量(たとえば最終スタンド圧下位置
修正量)を、圧延負荷配分変更点が最終スタンドを通過
した時点で、X線モニタAGCが実際に出力している操
作量(たとえば最終スタンド圧下位置修正量)より差し
引く。このことにより、たとえば最終スタンドのロール
ギャップが直ちに修正され、X線モニタAGCの操作量
と、圧延負荷配分変更制御の操作量の重畳に伴う板厚の
オーバーシュートが防止される。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図1は本発明において適用さ
れる走間板厚変更による負荷配分制御系の構成の例を示
すブロック図である。図には、7スタンドからなる仕上
げ連続圧延機の後段4スタンドを示している。 【0020】図1中のブロック1は出側X線板厚計を用
いたX線モニタAGCである。本発明の負荷配分変更制
御系の構成は機能によって大きく3つの部分に分割され
る。図1のブロック2は板先端部が最終スタンドを出た
時点で圧延状況を検出する実績収集装置であり、図1の
ブロック3は目標とする各スタンドの荷重配分を実現す
る板厚変更量、速度比変更量を求める走間板厚変更設定
計算装置である。また、図1のブロック4はオンライン
でのトラッキングと板厚及び速度比目標値の変更を行う
走間板厚変更指令演算装置である。 【0021】X線モニタAGCの圧下操作について、複
数のスタンドで実施してもよいし、最終スタンドだけに
集中して行ってもよい。本発明ではX線モニタAGCの
操作手法は限定しない。目標負荷配分を実現するために
は、全スタンド、または一部のスタンドで出側板厚の目
標値を変更する。目標板厚変更操作について様々な手法
があるが、本発明では、板厚変更中のマスフロー安定性
を確保するため、走間板厚変更技術を利用し、目標板厚
変更と同時に、当該スタンドより上流側スタンドのロー
ル速度比も変更する方法をとる。図1に示されたその他
の制御系については、周知のものであり、図を見れば当
業者には明らかであると思われるのでその説明を省略す
る。 【0022】以下、本発明に関わる各装置の機能につい
て説明する。実績収集装置2は、板先端部が最終スタン
ドを出た時点での各スタンドの板厚実績、圧延荷重実績
を検出し、圧延の状況を把握する。板厚実績の検出方法
について、各スタンド間に板厚計を配置してもよいし、
マスフロー板厚を用いてもよい。各スタンドの荷重実績
検出方法について、通常各スタンド毎に荷重計が配置さ
れているためそれを用いればよい。本発明では実績検出
の手法を限定しないが、実績収集装置により、板先端部
が最終スタンドを出た瞬間に全スタンド出側の板厚と全
スタンドの圧延荷重を知ることができるとする。 【0023】設定計算装置3は、実績収集装置で観測さ
れた板厚実績と荷重実績に基づいて、予め定めた目標荷
重配分を実現するための各スタンドの板厚変更量と速度
比変更量を算出する。 【0024】目標荷重配分の定め方について、通常圧延
開始前に行われる設定計算で形状などに悪影響の出ない
各スタンドの荷重配分を決定するさまざまな手法があ
り、また、板先端部が最終スタンドを出た時点での荷重
比を維持するように決定する方法もあるが、ここでは手
法を限定しない。目標荷重配分については、何らかの方
法で定められ、本発明はこの荷重配分を実現するよう
に、所定のスタンドの出側板厚又はロール速度比の少な
くとも一方を変更するものである。 【0025】本実施の形態においては、X線モニタAG
CをF7スタンドで実施し、F5スタンドを板厚変更の
開始スタンドとして、F5、F6、F7スタンドの荷重
を目標荷重配分に変更するものとする。 【0026】操作量は走間板厚変更量とX線モニタAG
Cへの干渉を回避するための補償量の、2つの部分に分
けて考える。前者において、まず圧延開始前のセットア
ップ計算で得られたF5、F6、F7の圧延荷重をセッ
トアップ圧延荷重 【0027】 【数1】 【0028】とし、 板先端部がF7出たときのF5、
F6、F7の実績圧延荷重を実績圧延荷重 【0029】 【数2】 【0030】とする。このときF7でX線モニタAGC
により修正される板厚外れ量をΔh7とし、F5、F6、
F7の圧延荷重がセットアップ圧延荷重比となるような
F5、F6の板厚変更量Δh5、Δh6を求めればよい。
今、 【0031】 【数3】 【0032】を板厚変更後に実現される各スタンドの圧
延荷重とすると近似的に下記の関係が成立する 【0033】 【数4】 【0034】 【数5】 【0035】はそれぞれ各スタンドにおける圧延荷重の
出側板厚変化に対する影響係数、および、入り側板厚変
化に対する影響係数である。また、 【0036】 【数6】 【0037】の比を設定計算結果 【0038】 【数7】 【0039】の比と同じにしたいことから、両者の関係
は、 【0040】 【数8】 【0041】を変数にして以下のように記述できる。 【0042】 【数9】 【0043】これらを合わせると 【0044】 【数10】 【0045】となる。この式中の変数はΔh5、Δh6 及
び 【0046】 【数11】 【0047】の3つなので計算が可能になる。従って、
以下の一次方程式をとけばΔh5、Δh6が算出できる 【0048】 【数12】 【0049】このΔh5、Δh6を用いれば目的の圧延荷重
配分(比率)が達成できることになる。なお、この関係
はスタンド数を最上流スタンドF1まで拡張しても成立
するのでどのスタンドを開始点にしても構わない。 【0050】次に、速度修正量については、板厚変更に
伴うマスフロー変動を最小化するため、走間板厚変更を
用いることを前提にして計算を行う。図1の例ではF5
スタンドからの板厚変更なので、F5スタンドからの走
間板厚変更手法を述べる。まず、初期段階において、F
5スタンドの板厚のみが変更され、他スタンドの板厚は
変更されないものとして考察する。 【0051】F5スタンド板厚変更時のF5速度比変更
量は、 【0052】 【数13】 【0053】F5スタンド板厚変更時のF4〜F1スタ
ンドの速度比変更量は、 【0054】 【数14】 【0055】F6スタンド板厚変更時のF6速度比変更
量は、 【0056】 【数15】 【0057】F6スタンド板厚変更時のF5〜F1スタ
ンドの速度比変更量は、 【0058】 【数16】 【0059】となる。ここで、VRi、VRi'は、それぞれ
iスタンドの板厚変更前後のロール速度、fi、f i'は、
それぞれiスタンドの変更前後の先進率、Δhiはiスタ
ンドの板厚変更量、hirefはiスタンド板厚変更前の板
厚設定値である。これらの変更を速度比の変更に変換し
て、各スタンドの速度比を変更していく。なお、板厚変
更と同様にF5スタンドより上流のどのスタンドから開
始しても同様の変更方法を求めることができる。 【0060】次に、トラッキング・目標値変更手段10
の機能について説明する。通常、走間板厚変更の場合に
は上流の走間板厚変更開始スタンドから体積流量を計測
していき順次下流に移送していく方法が取られるが、こ
の方法ではトラッキング機構が複雑になる。 【0061】これに対し、本実施の形態においては、板
先端部が最終スタンドを出た時点で最終スタンド出側の
板厚・圧延材料速度から算出される体積流量に基づいて
トラッキングを行っている。この第1の理由は、本発明
においては、全スタンド、または複数スタンドの圧延機
負荷配分を考慮するため、一旦全体の負荷配分実績を把
握する必要があることである。また、本発明では、走間
板厚変更の開始時には最終スタンドから板が出ているこ
とから、板厚・板速がほぼ正確に観測できること、及び
各スタンドの板厚変更があらかじめ分かっていることか
ら、最終スタンド出側の板長さ換算で走間板厚変更を実
施する。これにより、走間板厚変更のタイミングが正確
になる。 【0062】一例として、同様にF5スタンド以降での
走間板厚変更を考え、以下にその手法を示す。F5スタ
ンドで走間板厚変更を開始して終了するまでは、最終ス
タンド出側長さで走間板厚変更長を管理することにすれ
ば、F7スタンド出側の板速度を積分することで目的を
達する。また走間板厚開始点がF6スタンドに到達する
かどうかの判定は、F6に到達時の板厚は走間板厚変更
前の板厚であることから、F5出側初期板厚h(5)とF7
出側初期板厚h(7)及びF5−F6スタンド間距離から体
積を等しいとしてF7出側換算スタンド間距離を算出
し、F7出側長をみることで判断ができる。F6の走間
板厚変更についても同様に実施できる。 【0063】なお、走間板厚変更長が複数スタンドにま
たがる場合には、夫々のスタンドの走間板厚変更がF7
出側換算距離で定めた走間板厚変更長の何%が進行して
いるかを求め(進捗率と称する)、夫々の目標値変更量
(板厚、主機速度比)に各進捗率を掛けて加算したもの
を目標値とすればよい。以上の実施の形態における処理
の概要をまとめたフローチャートを図2に示す。 【0064】図2において、ステップS1で各スタンド
の圧延荷重配分比を決定する。この圧延荷重配分比は、
通常の場合、セットアップ計算における荷重配分比にと
同じとされる。次に、圧延材料が最終スタンドを通過
し、最終スタンド出側X線板厚計からの出力が得られた
時点で、ステップS2において、各スタンドの実績圧延
荷重を取り込み、計算により各スタンドの出側板厚を求
める。 【0065】そして、その結果に基づき、ステップS3
で設定された圧延荷重配分比が実現されるような各スタ
ンドの板厚変更量を求める。そして、ステップS4で、
走間板厚変更の手法に基づき、圧下位置(ロールギャッ
プ)と主機速度を順次変更する。 【0066】なお、以上の実施の形態においては、目標
板厚と主機速度を同時に変更しているが、圧延機の制御
系においては、ロックオンAGC装置の中に、ロールギ
ャップが変化した場合にマスフローを一定に保つような
制御系(一般に圧下サクセシブ制御と呼ばれる)が含ま
れている場合がある。このような場合には、主機速度を
変更することなく、目標板厚のみを変更してやればよ
い。また、目標板厚を変更するのでなく、直接ロールギ
ャップを変更してもよいことはいうまでもない。さら
に、マスフローAGCを使用している場合には、ロール
ギャップを変更せず、主機速度比のみを変更するように
してもよい。 【0067】次に、X線モニタAGCが実施される最終
(F7)スタンドの操作について説明する。上記のよう
に最終スタンドより上流側スタンドの目標板厚変更量を
算出し板厚変更が実施される場合、F6スタンド出側板
厚は予定通りにΔh6だけ変更され、これはF7スタンド
の入側板厚変動ΔH7=Δh6となる。一方、変更点がF7
スタンドに到達する前に、F7出側板厚はX線モニタA
GC制御により既に目標になっており、変更点がF7ス
タンドに到達してから前記入側板厚変動によってF7出
側板厚はΔh7Hだけ変化することになる。その後、X線
モニタAGCによりこの出側板厚変化は徐々に補償され
るが、X線モニタAGCが収束するまでの間出側板厚に
オーバーシュートを生じてしまうことになる。 【0068】このとき、変更開始点がF7スタンドに到
達してから、F7スタンドのX線モニタAGC操作量か
らΔh7Hに相当する分を除去すれば、その分が、直ちに
F7スタンド圧下に反映されて、板厚変更からX線モニ
タAGCへの干渉は補償され、F7出側板厚の変化を防
ぐことができる。F7スタンド板厚補償量は次の推定式
で計算する。 【0069】 【数17】 【0070】ただし、 【0071】 【数18】 【0072】はそれぞれF7スタンドのミル定数、AG
Cスケールファクター、及び入側板厚荷重影響係数であ
り、Δh6はF6スタンドの板厚変更量である。 【0073】前記の板厚補償量は他のスタンドと同じよ
うに、走間板厚変更によりX線モニタAGCの操作量か
ら徐々に除去される。板厚補償時のマスフロー安定性を
確保するため、上流スタンドの速度比の変更も必要であ
り、速度比の変更量は次のように導出される。 【0074】F7出側において、X線X線モニタAGC
から上記板厚補償量を除去すれば、出側板厚に変化がな
く、補償前後において、出側のマスフロー量が変わらな
い。すなわち、 【0075】 【数19】 【0076】従って、F7スタンドの速度比は変更しな
い。F7入側において、板厚が変わるのでマスフローは
変化する。 【0077】板厚変更前の入側マスフローは、 【0078】 【数20】 【0079】入側板厚変更後の入側マスフローは、F6
スタンド変更実施後の板厚、ロール周速度、先進率はを
それぞれh'6、VR'6、f'6として 【0080】 【数21】 【0081】F6スタンドのロール周速度をVR'6からV
R"6へ変更し、F7入側マスフロー変化をF6スタンド
の速度修正で補償する。 【0082】 【数22】 【0083】よって、補償後のF6スタンドロール周速
度は、 【0084】 【数23】 【0085】F6スタンド速度比変更量は、 【0086】 【数24】 【0087】となる。ここで、板厚変更前F6とF7出側
のマスフローが等しいので、 【0088】 【数25】 【0089】また、F6板厚変更前後の出側速度は不変
であるので、 【0090】 【数26】 【0091】などの条件が成立することから、F6スタ
ンドの速度比変更量の計算式は次のようになる。 【0092】 【数27】 【0093】F1〜F5スタンドではF6スタンドと同
じ速度比の変更が必要であり、次のように計算する。 【0094】 【数28】 【0095】本発明の走間板厚変更指令演算装置(図1
のブロック4)は、オンラインで板厚変更点のトラッキ
ングを管理し、板厚及び速度比目標値の変更指令を出力
する。 【0096】板厚変更点トラッキング方法について、通
常上流の走間板厚変更開始スタンドから圧延長や体積流
量を計測していき順次下流に移送していく方法がある
が、本発明は板先端部が最終スタンドを出た時点で最終
スタンド出側の板厚、板速度から算出される体積流量に
よって行う方法を採る。例として、前記と同様にF5以
降のスタンドでの走間板厚変更を考え、トラッキングの
方法を示す。 【0097】本発明では、板先端部が最終スタンドを出
てから走間板厚変更を開始するようにしている。そのと
き、板厚、板速度がほぼ正確に観測でき、更に各スタン
ドの板厚変更が予めわかっているため、最終スタンド出
側の圧延長換算で各スタンドの変更開始、終了点を管理
することができる。板先端部が最終スタンドF7を出た
時刻 から最終スタンド出側板の圧延長を次の積分式で
計算する。 【0098】 【数29】 【0099】ただし、ΔTは制御周期でり、kは制御カ
ウンタ数である。このように、F7出側の圧延長を常時
計算していく。F5スタンドの走変開始タイミングをt5
で指定する場合、F5板厚変更開始点をt0〜t5の圧延長
で記録しておく。すなわち、L5(0)=L7(t5) であ
る。 【0100】次に、板厚変更点がF5からF6に移送さ
れ、F6に到達時のF7出側圧延長及びスタンド間距離
LdからF6の走変開始位置を判断できる。すなわち、v
iを先進率を考慮したiスタンド出側圧延材速度とし
て、 L6(0)=L5(0)+Ld*v7/v5 同様に、F7スタンドの板厚変更開始点における圧延長
は次式で求める。 L7(0)=L6(0)+Ld*v7/v6 【0101】板厚変更部が複数のスタンドに跨る場合に
は、iスタンド板厚変更の進行状況を管理するパラメー
タ(進捗率ratio)を導入し、それをF7出側換算圧延
長で定めた走変長LFGCとの比として以下の式により求
める。 【0102】 【数30】【0103】そして、各スタンドの進捗率が100%と
なる時点で当該スタンドの板厚変更を終了とする。 【0104】走間板厚変更時の板厚、速度比変更指令に
ついて、目標変更量に対応スタンドの進捗率を掛けて累
算したものを目標指令値とすればよい。具体的には、次
のように演算する。 【0105】AGC板厚変更指令(jスタンド)は、 【0106】 【数31】 【0107】主機速度比変更指令(jスタンド)は、 【0108】 【数32】 【0109】 【実施例】以下、本発明の方法を適用し、仕上げ板厚1.
3mm、F5、F6、F7スタンドの荷重を目標負荷配分
に変更する場合の実施例を示す。設定計算上F5、F
6、F7スタンドの荷重目標値は1755Ton、1872Ton、13
00Tonで、目標荷重比は 1.35:1.44:1.00 で与えられ
ているとする。 【0110】圧延時、板先端部の板厚が目標から外れ
て、従来法でF5、F6スタンドの板厚変更だけ実施し
た場合の結果を図3に示す。図3において、右上の図
で、dh5-FGC、dh6-FGCとされているのは、それぞれF
5、F6スタンドの板厚変更量であり、dh7-MXとされて
いるのはX線X線モニタAGCの操作量である。従来法
では、走間板厚変更とX線モニタAGCの相互干渉を考
慮していないため、図3に示すように、F6板厚変更の
結果がF7の入側板厚変動となり、この変動によってF
7スタンドの出側板厚は薄くなる。X線モニタAGCが
F7の板厚変化を検出して補償するようにしているもの
の、X線モニタAGCが収束するまで出側板厚は薄くな
ってしまう。この場合の荷重比実績は1.30:1.31:1.00
となっている。 【0111】本発明の方法を適用し、板厚操作をF7ス
タンドまで拡張した実施結果を図4に示す。本発明で
は、F7の板厚補償操作で上流スタンドの板厚変更とX
線モニタAGCとの干渉を補償している。その結果、板
厚変更部において、F7スタンド出側板厚が薄くなる問
題が解決され、荷重実績(1.38:1.48:1.00)も、より
目標に近い比率とすることができる。なお、図3、図4
において、各グラフの横軸は時間(秒)を示す。 【0112】 【発明の効果】以上述べたように、本発明により初期の
各スタンドの負荷配分が目標と異なる場合でも適正な負
荷配分への変更が可能となり、特に走間板厚変更とX線
モニタAGCの併用で出側板厚と荷重配分を同時にそれ
ぞれの目標に制御する場合、出側板厚のオーバーシュー
トを抑制でき、板形状、板厚精度に優れた鋼板の製造を
可能となる。これにより、歩留まりの向上、表面形状、
性状の改善に加え、運転員の作業負荷低減などにも効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明において適用される走間板厚変更による
負荷配分制御系の構成の例を示すブロック図である。 【図2】本発明の実施の形態の処理の概要を示すフロー
チャートである。 【図3】本発明を使用せず、圧延荷重負荷配分の変更を
行った場合の各スタンドの出口板厚、圧延荷重、X線X
線モニタAGC操作量、速度比変更量の変化を示す図で
ある。 【図4】本発明を使用して、圧延荷重負荷配分の変更を
行った場合の各スタンドの出口板厚、圧延荷重、板厚変
更量(F5、F6)とX線X線モニタAGC操作量(F
7)、速度比変更量の変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有馬 国彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 木戸 章雅 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−109107(JP,A) 特開 昭60−152316(JP,A) 特開2001−321813(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数スタンドからなるタンデム圧延機に
    おいて、最終スタンド出側X線板厚計を利用したX線モ
    ニタAGCを用いて、仕上げ出側板厚を目標通りに制御
    しながら、最終スタンドを含む所定のスタンドの圧延荷
    重が所定の比になるように、前記所定のスタンドの出側
    板厚又はロール速度比の少なくとも一方を変更すること
    を特徴とするタンデム圧延機の負荷配分変更方法であっ
    て、上流側スタンドでの目標板厚変更を、最終スタンド
    の入側板厚外乱として最終スタンド出側板厚変動量を推
    定し、X線モニタAGCの操作量から前記出側板厚変動
    量推定値に対応する操作量を差し引くことにより、負荷
    配分変更操作とX線モニタAGC操作との相互干渉を回
    避することを特徴とするタンデム圧延機の圧延負荷配分
    変更方法。
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