JP7291442B1 - 樹脂成形部材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内周面に環状溝などのアンダーカット部を備える樹脂成形部材において、アンダーカット部で分割した一次成形品を二次成形で接合する際、二次成形の射出圧や熱による不必要な変形を抑制する。【解決手段】樹脂成形部材1は、一次成形品である第1筒部10と第2筒部20を嵌合させて二次成形により接合する。樹脂成形部材1は、第1筒部10と第2筒部20の内側を通る貫通穴2を備え、貫通穴2の内周面にアンダーカット形状である環状溝3が開口する。また、外周面に二次成形の成形材料が射出される凹溝6が開口する。凹溝6と環状溝3は、第1筒部10の端面と第2筒部20の端面とを隙間を空けて対向させることより形成する。第1筒部10と第2筒部20とが嵌合する箇所は、凹溝6の位置を環状溝3からずらした位置とする形状になっているので、射出圧や熱が環状溝3の形成位置に加わらない。【選択図】図3

Description

本発明は、内周面にアンダーカット形状を備える樹脂成形部材およびその製造方法に関する。
車、飛行機、船舶、ドローンなどの駆動機構においては、モーターの回転主軸や、油圧ブレーキなどに用いられる軸部材を樹脂成形部材の貫通穴に挿入し、Oリング等のシール材によって、オイルまたは潤滑液、液体燃料などの液体や気体の流出を防ぎ、外部からは防水、防塵を行う構造が採用されている。また、貫通穴の内周面に摺動性を高めるための軸受部材を配置する構造が採用されている。この種の構造に用いられる樹脂成形部材は、貫通穴の内周面にシール材や軸受部材を配置する環状溝が形成されている。
従来、貫通穴の内周面に環状溝などのアンダーカット形状を形成する方法として、下穴の中にカッターを入れて切削加工によりアンダーカット形状を形成する方法がある。あるいは、成形用の金型の内側コアを分割し、型開き方向と交差する方向にスライドするスライドコアを使用して貫通穴の内周面にアンダーカット形状を成形する方法がある。
また、モーターの回転主軸が挿入される貫通穴の内周面にベアリングを取り付けることによって軸部材の摺動性を高める構造が採用されている。この種の構造は、ベアリングを配置するスペースがアンダーカット形状になる。そこで、従来は、樹脂成形部材をベアリングの取付位置で分割して成形することにより、アンダーカット形状がないパーツを製造しておき、分割面からベアリングを挿入し、分割面同士を突き合わせてから、超音波溶着やレーザー溶着により接合する方法により製造されている。
特許文献1、2には、内周面にアンダーカット形状を備える中空あるいは筒状の樹脂成形部材を製造する際、アンダーカット形状がない形状に分割した一次成形品を製造しておき、一次成形品を突き合わせて接合する製造方法が記載される。特許文献1の樹脂成形部材(中空組立体)は、アンダーカット形状の部分に弁などの部品が取り付けられている。特許文献1、2の製造方法では、2つの一次成形品を突き合せた箇所の外周面に、二次成形において成形材料を射出して硬化させることにより、一次成形品を接合する。
特開平7-217755号公報 特開2003-326551号公報
貫通穴の内周面に、シール材やベアリングを取り付けるためのアンダーカット形状を切削加工により形成すると、加工痕が残る。従って、シール材の密着性が低下し、密閉性を確保できない。また、分割コアを用いてアンダーカット形状を成形すると、アンダーカット形状の内面にスライドコアの分割線の痕であるパーティングラインができてしまう。従って、シール材の密着性が低下し、密閉性を確保できない。よって、気体および液体の漏れや侵入のおそれがある。
貫通孔の内周面にアンダーカット形状がある樹脂成形部材をアンダーカット形状の位置で分割した一次成形品を製造し、分割面からシール材やベアリングを挿入したのち、分割
面を突き合わせて溶着する場合、加工痕やパーティングラインによる密閉性低下の問題は発生しないが、接合箇所に溶着バリができるおそれがある。また、分割したパーツおよび封入する部品(ベアリングなど)を高い同軸度で組み立てることが難しい。
特許文献1、2のように、分割した一次成形品を二次成形により接合する製造方法では、接合箇所に射出圧が加わる。そのため、射出圧による変形が問題となる。特許文献1の製造方法では、接合箇所に封入される部品(弁ユニット)に対して直接射出圧が加わる。従って、熱と射出圧による部品の変形のおそれがある。また、特許文献2では、一次成形品を突き合せた箇所(分割面)に直接射出圧が加わる。従って、成形材料が分割面の隙間から入り込んでバリができるおそれがある。また、特許文献1、2のいずれも、二次成形用の金型は、射出圧を受ける部分を内側から支持できる構造になっていない。そのため、射出圧を受ける部分が熱と射出圧により変形するおそれがある。
貫通穴の内周面にシール材やベアリングを取り付けた樹脂成形部材の製造方法としては、上記の方法以外に、金型内にシール材やベアリングを配置してインサート成形を行う方法がある。しかしながら、インサート成形では、成型時の射出圧によるシール材の変形、および、シール材やベアリングに対する樹脂かぶりの問題がある。
本発明の課題は、上記の問題点に鑑みて、貫通穴の内周面にアンダーカット部を備える樹脂成形部材およびその製造方法において、アンダーカット部に加工痕やパーティングラインができないようにすることにある。また、二次成形による樹脂のバリを防止するとともに、二次成形の射出圧および熱によるアンダーカット部の変形を回避することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の第1形態は、軸部材が配置される貫通穴が設けられた樹脂成形部材であって、第1筒部と、一端が前記第1筒部の内側に嵌合して前記第1筒部と同軸に延びる第2筒部と、を有し、前記第1筒部および前記第2筒部の内側を軸線方向に延びる前記貫通穴の内周面には、外周側に凹むアンダーカット部が開口し、前記アンダーカット部は、前記第1筒部の端面から前記軸線方向に凹む第1環状凹部の底面と、前記第1環状凹部に嵌合した前記第2筒部の端面との前記軸線方向の隙間であり、前記第2筒部の外周側には、前記第1筒部の端面および前記第2筒部によって形成される凹溝が周方向に延びており、前記凹溝には、前記第1筒部と前記第2筒部とを接合する接合用樹脂部が配置されることを特徴とする。
また、本発明の第2形態は、軸部材が配置される貫通穴が設けられた樹脂成形部材であって、第1筒部と、一端が前記第1筒部の内側に嵌合して前記第1筒部と同軸に延びる第2筒部と、前記第2筒部の他端が内側に嵌合して前記第1筒部および前記第2筒部と同軸に延びる第3筒部と、を有し、前記第1筒部、前記第2筒部、および前記第3筒部の内側を軸線方向に延びる前記貫通穴の内周面には、外周側に凹むアンダーカット部が開口し、前記アンダーカット部は、前記第1筒部の内側に前記第2筒部が嵌合した第1結合部、および、前記第3筒部の内側に前記第2筒部が嵌合した第2結合部の2箇所に設けられ、前記第1結合部に設けられる前記アンダーカット部は、前記第1筒部の端面から前記軸線方向の一方側に凹む第1環状凹部の底面と、前記第1環状凹部に嵌合した前記第2筒部の一端側の端面との前記軸線方向の隙間であり、前記第2結合部に設けられる前記アンダーカット部は、前記第3筒部の端面から前記軸線方向の他方側に凹む第2環状凹部の底面と、前記第2環状凹部に嵌合した前記第2筒部の他端側の端面との前記軸線方向の隙間であり、前記第2筒部の外周側には、前記第1筒部の端面、前記第2筒部の外周面、および前記第3筒部の端面によって形成される凹溝が周方向に延びており、前記凹溝には、前記第2筒部に対して前記第1筒部および前記第3筒部を接合する接合用樹脂部が配置されることを特徴とする。
さらに、本発明は、軸部材が配置される貫通穴が設けられた樹脂成形部材の製造方法であって、第1筒部と第2筒部を成形する一次成形工程と、前記第1筒部を保持する第1型と、前記第2筒部を保持する第2型とを前記第1筒部および前記第2筒部の軸線方向に型締めすることにより、前記第1筒部の内側に前記第2筒部の一端を嵌合させて同軸に結合するとともに、前記第1型および前記第2型を備える金型内に前記第1筒部、前記第2筒部、および金型面に囲まれる二次成形用キャビティを前記第2筒部の外周側に形成する二次成形準備工程と、前記二次成形用キャビティに成形材料を射出して、前記第1筒部と前記第2筒部を接合する接合用樹脂部を成形する二次成形工程と、を行い、前記二次成形準備工程では、前記第1筒部の端面から前記軸線方向に凹む第1環状凹部の内側に前記第2筒部の一端を嵌合させて、第1環状凹部の底面と前記第2筒部の端面との間に前記軸線方
向の隙間を形成することにより、前記第1筒部および前記第2筒部の内側を前記軸線方向に延びる前記貫通穴の内周面に、外周側に凹むアンダーカット部を形成することを特徴とする。

本発明によれば、アンダーカット部の位置で分割した一次成形品(第1筒部、第2筒部)を組み立てて樹脂成形部材を製造するので、一次成形品にはアンダーカット部がなく、加工痕やパーティングラインができない製造方法で製造できる。従って、完成品の樹脂成形部材のアンダーカット部から加工痕やパーティングラインをなくすことができる。
また、本発明によれば、一次成形品(第1筒部、第2筒部)を結合する際、第2筒部の外周側に嵌まる第1筒部の端面と、第2筒部とに囲まれる凹部(凹溝)が形成されるので、この凹部を二次成形用キャビティとするように金型を構成できる。従って、二次成形によって接合用樹脂部を成形して、第1筒部と第2筒部を結合することができる。また、この構造であれば、凹溝は、第1筒部への第2筒部の挿入長さの分、アンダーカット部から軸線方向にずらした位置に配置される。従って、一次成形品を突き合せた箇所(分割面)に射出圧や熱が加わらないので、貫通穴やアンダーカット部の内側に樹脂のバリができることを避けることができる。また、アンダーカット部が射出圧や熱が加わる位置からずれているので、二次成形の射出圧および熱によるアンダーカット部の変形、および、アンダーカット部に挿入される部品の変形を回避することができる。
本発明において、前記アンダーカット部は、周方向に延びる環状溝である。この場合、前記環状溝は、前記軸部材との間に介在するシール材または軸受部材の配置空間とすることができる。このようにすると、貫通穴の内周面に、全周にわたって連続してシール材や軸受部材を組み込むことができる。従って、シール材により軸部材が通される個所の密閉性を確保でき、気体および液体の漏れや侵入を抑制できる。あるいは、軸受部材により軸部材の摺動性を高めることができる。
本発明において、前記凹溝は、径方向から見て前記アンダーカット部と重ならないことが好ましい。このように、凹溝とアンダーカット部とを完全にずらすことにより、アンダーカット部を設けたことにより肉厚が薄くなった箇所が、二次成形の射出圧および熱によって変形することを回避できるとともに、アンダーカット部に配置される部品の変形を回避できる。例えば、シール材の変形を回避できる。また、アンダーカット部が環状溝である場合、環状溝の形状精度の低下によるシール材の密着度の低下を抑制できる。
例えば、本発明において、前記環状溝に配置されるOリングを備える構成を採用できる。この場合に、前記環状溝の内側面には、パーティングラインおよび加工痕がないことが好ましい。このようにすると、Oリングを組み込む際、加工痕やパーティングラインによる密着度の低下を抑制できる。従って、密閉性を確保できる。
本発明において、前記環状溝に配置される軸受部材を備える構成を採用した場合には、
軸部材の摺動性を高めることができる。この場合、例えば、前記軸受部材は、前記環状溝に配置される複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に所定間隔で並ぶ位置に保持する転動体保持部と、を備えるベアリングであることが好ましい。このようにすると、貫通穴に挿入された軸部材の外周面に転動体を接触させることができる。従って、軸部材の軸線方向の摺動性、および周方向の摺動性を高めることができる。
この場合に、前記転動体保持部は、前記環状溝に放射状に配置される隔壁を備え、前記隔壁は、前記環状溝の内面と一体に形成されることが好ましい。このように、転動体保持部を筒部と一体に形成しておくようにすれば、2本の筒部の一方を他方の内側に嵌合させる前に、転動体保持部(隔壁)が形成された側の筒部に対して、周方向に隣り合う隔壁の間に転動体を落とし込む作業を行い、しかる後に2本の筒部を嵌合させるだけで、環状溝にベアリングを組み込むことができる。従って、部品点数が少なく、組立が容易なベアリングを構成できる。
また、転動体保持部が隔壁を備える場合には、前記隔壁の表面は、周方向で隣り合う前記隔壁の間に配置される前記転動体の外周面に沿う形状に湾曲または屈曲している構成とすることができる。あるいは、前記転動体保持部は、前記隔壁の内周側の端部から周方向の両側に延びるリブを備える構成とすることができる。このようにすると、転動体が貫通穴の内側に脱落することを防止できる。また、転動体を安定して保持することができ、軸部材の摺動性を高めることができる。
本発明において、前記環状溝は、前記軸線方向に対向する一対の環状面を備え、前記一対の環状面の少なくとも一方の内周縁から前記軸線方向に突出する抜け止め凸部を備えることが好ましい。あるいは、本発明において、前記環状溝は、前記軸線方向に対向する一対の環状面を備え、前記一対の環状面の少なくとも一方は、内周側へ向かうに従って前記一対の環状面の他方との間隔が狭くなる方向に傾斜する傾斜面を備えることが好ましい。このようにすると、傾斜面や抜け止め凸部によって、シール材や軸受部材の脱落を防止できる。例えば、Oリングや、軸受部材を構成する転動体の脱落を防止できる。
本発明の第1形態において、前記第1筒部は、前記第2筒部の一端と前記軸線方向に当接する当接面を備えることが好ましい。あるいは、本発明の第2形態において、前記第1筒部は、前記第2筒部の一端と前記軸線方向に当接する第1当接面を備え、前記第3筒部は、前記第2筒部の他端と前記軸線方向に当接する第2当接面を備えることが好ましい。このように、一次成形品の端面を突き合わせて位置決めすることにより、環状溝などのアンダーカット部の開口高さの寸法精度を高めることができる。
本発明の樹脂成形部材の製造方法において、前記二次成形準備工程では、前記第1環状凹部の内側にシール材または軸受部材を配置してから、前記第2筒部の一端を前記第1環状凹部に嵌合させることにより、前記環状溝に前記シール材または前記軸受部材を保持させることが好ましい。このようにすると、シール材や軸受部材を環状溝に簡単に組み込むことができる。また、環状溝からシール材や軸受部材が脱落しにくい。
本発明の樹脂成形部材の製造方法において、前記二次成形準備工程では、前記第1筒部および前記第2筒部の内側に金型ピンを配置することにより前記第1筒部と前記第2筒部を同軸に位置決めし、径方向から見て前記環状溝と重ならない位置に前記二次成形用キャビティを形成することが好ましい。このようにすると、第1筒部と第2筒部の同軸度を高めることができる。また、二次成形の射出圧を金型ピンで受けることができる。従って、二次成形の射出圧がかかる箇所の変形を回避できる。
本発明の樹脂成形部材の製造方法において、前記二次成形工程では、前記成形材料とし
て熱硬化性樹脂を前記二次成形用キャビティに充填して加熱することにより、前記熱硬化性樹脂の架橋反応により前記接合用樹脂部を前記第1筒部および前記第2筒部に接合することが好ましい。このようにすると、接合用樹脂部による接合強度を高めることができる。
本発明の樹脂成形部材の製造方法において、前記二次成形工程では、前記二次成形用キャビティに前記成形材料を射出しながら前記第1型と前記第2型とを型締めすることが好ましい。このようにすると、一次成形品の端面にヒケが形成されてしまった場合でも、2次成形の射出圧によってヒケの改善を図ることができる。
本発明によれば、アンダーカット部の位置で分割した一次成形品(第1筒部、第2筒部)を結合して樹脂成形部材を構成するので、完成品の樹脂成形部材のアンダーカット部から加工痕やパーティングラインをなくすことができる。また、二次成形によって一次成形品(第1筒部、第2筒部)を結合するための凹溝は、第1筒部への第2筒部の挿入長さの分、アンダーカット部から軸線方向にずらした位置に配置される。従って、一次成形品の分割面に直接射出圧が加わらないので、貫通穴やアンダーカット部の内側に樹脂のバリができることを避けることができる。また、二次成形の射出圧によるアンダーカット部の変形、およびアンダーカット部に組み込まれる部品の変形を回避できる。
実施形態1の樹脂成形部材の使用状態を示す断面図である。 実施形態1の樹脂成形部材の製造に用いる一次成形品の断面図である。 実施形態1の樹脂成形部材の製造工程を説明する図である。 実施形態2の樹脂成形部材の断面図である。 実施形態3の樹脂成形部材の断面図である。 実施形態4の樹脂成形部材の断面図である。 実施形態5の樹脂成形部材の断面図である。 実施形態6の樹脂成形部材の断面図である。 変形例1の軸受部材の位置で切断した樹脂成形部材の断面図である。 変形例2の軸受部材の位置で切断した樹脂成形部材の断面図である。
本発明の樹脂成形部材は、金型を用いて射出成形により製造された成形品である。樹脂成形部材は、軸部材が配置される貫通穴を備えており、貫通穴の内周面にアンダーカット形状が設けられている。以下に説明する実施形態では、アンダーカット形状は環状溝であり、環状溝にシール材もしくは軸受部材が配置される。本発明に係る樹脂成形部材は、例えば、車、飛行機、船舶、ドローンなどにおいて、モーターの回転主軸や、油圧ブレーキなどに用いられる軸部材を樹脂成形部材の貫通穴に挿入し、Oリング等のシール材によって、オイルまたは潤滑液、液体燃料などの液体や気体の流出を防ぎ、外部からは防水、防塵を行う構造に用いられるものである。あるいは、モーターの回転主軸や、油圧ブレーキなどに用いられる軸部材を樹脂成形部材の貫通穴に挿入し、ベアリングやオイルレスブッシュなどの軸受部材によって、軸部材の摺動性を高める構造に用いられるものである。
なお、本発明は、アンダーカット形状(アンダーカット部)が環状溝である樹脂成形部材に限定されない。アンダーカット形状は、貫通穴の内周面に開口する任意の形状の凹部であってもよい。例えば、アンダーカット形状は、周方向の一部に形成される円弧溝であってもよい。また、樹脂成形部材の外形は円柱状に限定されない。例えば、角柱状であってもよい。また、以下に説明する各実施形態および変形例の構成は、適宜組み合わせることができる。例えば、樹脂成形部材の内周面に、シール材を配置する環状溝と、軸受部材
を配置する環状溝の両方が設けられていてもよい。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の樹脂成形部材1の使用状態を示す断面図である。樹脂成形部材1は円筒形である。樹脂成形部材1の径方向の中心を貫通する貫通穴2には、軸部材100が配置される。軸部材100は、貫通穴2の内側を軸線方向にスライド可能、もしくは、軸線回りに回転可能に支持される。貫通穴2の内周面に設けられた環状溝3には、シール材4が保持される。シール材4はOリングであり、環状溝3の内周面と軸部材100の外周面との間で径方向に圧縮されている。
本明細書では、貫通穴2の中心軸線Lに沿う方向を軸線方向とし、軸線方向の一方側をL1とし、軸線方向の他方側をL2とする。図1は、樹脂成形部材1および軸部材100を中心軸線Lを含む面で切断した断面図である。
樹脂成形部材1は、軸線方向に延びる第1筒部10および第2筒部20を備える。樹脂成形部材1は、複数の一次成形品(第1筒部10、第2筒部20)を二次成形によって接合したものである。第2筒部20は、一端が第1筒部10の内側に嵌合しており、第1筒部10と同軸に延びている。貫通穴2は、第1筒部10と第2筒部20の内側を軸線方向に延びる。
樹脂成形部材1は、第1筒部10の他方側L2の端部の内側に第2筒部20の一方側L1の端部を嵌合させた結合部5を備える。樹脂成形部材1は、結合部5の内周側に位置する環状溝3、および、結合部5の外周側に位置する凹溝6を備える。第1筒部10と第2筒部20は、二次成形により凹溝6に充填され硬化した接合用樹脂部7により接合されている。凹溝6は、環状溝3に対して軸線方向の他方側L2にずらした位置に配置されている。本形態では、径方向から見た場合に凹溝6と環状溝3とが重ならない位置まで凹溝6の位置をずらしている。環状溝3は、第1筒部10の他方側L2の端面の内周部分と第2筒部20の一方側L1の端面の内周部分が軸線方向に隙間を空けて対向した箇所にできる溝である。また、凹溝6は、第1筒部10の他方側L2の端面の外周部分と第2筒部20の一方側L1の端面の外周部分が軸線方向に隙間を空けて対向した箇所にできる溝である。
図2は、実施形態1の樹脂成形部材1の製造に用いる一次成形品(第1筒部10および第2筒部20)の断面図である。図2に示すように、第1筒部10の他方側L2の端部は、環状の先端面11と、先端面11の内周縁から軸線方向の一方側L1側に凹む第1環状凹部12を備える。第1環状凹部12は、内周面13と、内周面13の一方側L1の端部に接続される環状の底面14を備える。内周面13は、底面14に接続される小径円筒面15と、小径円筒面15の他方側L2に配置され、先端面11に接続される大径円筒面16と、小径円筒面15と大径円筒面16とを接続する環状段面17を備える。
第2筒部20の一方側L1の端部は、環状の先端面21と、先端面21の内周側において先端面21よりも軸線方向の他方側L2に凹んだ位置にある環状面22と、先端面21と環状面22とを接続する円筒面23を備える。第2筒部20の外周面は、先端面21の外周縁から軸線方向の他方側L2へ凹む第2環状凹部24を備える。第2環状凹部24は、軸線方向に延びる側面25と、側面25の他方側L2の端部から外周側へ拡がる環状の底面26を備える。
図2に示すように、第2筒部20の一方側L1の先端には、先端面21、円筒面23、および第2環状凹部24の側面25によって構成される円筒形リブ27が配置される。図1に示すように、第1筒部10と第2筒部20との結合部5では、円筒形リブ27が第1
筒部10の大径円筒面16の内側に嵌合している。円筒形リブ27の先端面21は、第1筒部10の環状段面17と軸線方向に当接する。その結果、円筒形リブ27の内周側では、第2筒部20の環状面22と、第1筒部10の第1環状凹部12の底面14とが軸線方向に隙間を空けて対向しており、この隙間が環状溝3を形成している。第2筒部20の円筒面23と、第1筒部10の小径円筒面15は、環状溝3の内周面を構成している。
図2に示すように、第1筒部10の他方側L2の先端には、先端面11、第1環状凹部12の大径円筒面16、および第1筒部10の外周面18によって構成される円筒形リブ19が配置される。図2に示すように、円筒形リブ19は、第2筒部20の第2環状凹部24の外周側に嵌合している。上記のように、第2筒部20の先端面21と第1筒部10の環状段面17とが軸線方向に当接した結果、第2筒部20の外周面においては、円筒形リブ19の先端面11と第2環状凹部24の底面26とが軸線方向に所定の隙間を空けて対向しており、この隙間が凹溝6を形成している。第2環状凹部24の側面25は、凹溝6の内周面を構成している。
(製造方法)
図3は、実施形態1の樹脂成形部材1の製造工程を説明する図である。図3において、ST1は一次成形工程であり、ST2は二次成形準備工程であり、ST3は二次成形工程であり、ST4は離型工程である。
まず、一次成形工程ST1では、一次成形品である第1筒部10と第2筒部20を成形する。図3に示すように、第1筒部10は、第1型C10およびコア型C11を備える一次成形用の金型を用いて成形される。第2筒部20は、第2型C20とコア型C21を備える一次成形用の金型を用いて成形される。第1筒部10と第2筒部20は、環状溝3と凹溝6を結ぶ面を分割面として樹脂成形部材1を分割した形状である。従って、第1筒部10と第2筒部20は、いずれも貫通穴2の内周面にアンダーカット部ができない形状であるため、貫通穴2を成形するコア型C11、C21は分割する必要がない。そのため、貫通穴2および環状溝3にはパーティングラインが形成されない。
次に、二次成形準備工程ST2では、コア型C11から第1筒部10を離型させるとともに、コア型C21から第2筒部20を離型させる。そして、第1型C10に保持される第1筒部10と第2型C20に保持される第2筒部20とを金型ピンC30によって同軸に位置決めする。そして、第1型C10と第2型C20とを型締めすることにより、第1筒部10と第2筒部20とを嵌合させる。第1筒部10の環状段面17に第2筒部20の先端面21が突き当たる位置まで第2筒部20を挿入して、貫通穴2の内周面に環状溝3を形成し、第2筒部20の外周面に凹溝6を形成する。
二次成形準備工程ST2では、第1型C10と第2型C20とを型締めして第1筒部10と第2筒部20とを嵌合させる前に、第1筒部10の第1環状凹部12にシール材4を落とし込んでおく。これにより、完成品の樹脂成形部材1は、環状溝3にシール材4が保持されたものになる。
二次成形用の金型は、凹溝6の開口を塞ぐ金型面Sを備える。二次成形準備工程ST2では、凹溝6と金型面Sによって二次成形用キャビティCを形成する。図3に示す金型の例では、第1型C10の金型面Sによって二次成形用キャビティCを形成する。なお、一次成形用の金型、および、二次成形用の金型の構成は図3に示す構成に限定されない。例えば、二次成形用キャビティCを形成する金型面Sは、第2型C20に設けることもできる。あるいは、第1型C10と第2型C20との間にスライド型を配置し、スライド型の金型面を用いて二次成形用キャビティCを形成することもできる。
続いて、二次成形工程ST3では、図示しないゲートから二次成形用キャビティCに成形材料を射出し、硬化させて接合用樹脂部7を成形する。成形材料は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱硬化性樹脂でもよい。熱可塑性樹脂を用いる場合、成形材料の熱により、第1筒部10および第2筒部20との界面が溶解して接合用樹脂部7と一体化する。また、熱硬化性樹脂を用いる場合、成形材料の充填後に加熱することにより、成形材料と第1筒部10および第2筒部20との界面で架橋反応を進行させ、接合用樹脂部7と一体化させる。これにより、接合用樹脂部7による接合強度を高めることができる。
二次成形工程ST3では、二次成形用キャビティCに成形材料を射出しながら第1型C10と第2型C20とを型締めする。上記のように、二次成形準備工程ST2では、第1筒部10の環状段面17に第2筒部20の先端面21が突き当てられているので、第2筒部20の円筒形リブ27は、型締め圧縮用リブとして機能する。型締めしながら2次成形の射出圧を加えることにより、一次成形品の軸線方向の端面に形成されたヒケの改善を図ることができる。例えば、第1筒部10における第2筒部20とは反対側の端面に形成されたヒケの改善効果が期待できる。最後に、離型工程ST4では、二次成形用の金型を型開きして、樹脂成形部材1を離型する。
(実施形態1の主な作用効果)
以上のように、実施形態1の樹脂成形部材1の製造方法は、最初に、第1筒部10と第2筒部20を成形する一次成形工程ST1を行う。次に、二次成形準備工程ST2を行う。二次成形準備工程ST2では、第1筒部10を保持する第1型C10と、第2筒部20を保持する第2型C20とを第1筒部10および第2筒部20の軸線方向に型締めすることにより、第1筒部10の内側に第2筒部20の一端を嵌合させて同軸に結合するとともに、第1型C10および第2型C20を備える二次成形用の金型内に二次成形用キャビティCを形成する。二次成形用キャビティCは、第1筒部10の端面である先端面11、第2筒部20の外周面に設けられた第2環状凹部24の側面25および底面26、および、側面25と径方向で対向する金型面Sによって構成される。続いて、二次成形用キャビティCに成形材料を射出して、接合用樹脂部7を成形する二次成形工程ST3を行う。これにより、接合用樹脂部7を介して、第1筒部10の先端面11と第2筒部20の側面25および底面26とを接合する。二次成形準備工程ST2では、第1筒部10の先端面11から軸線方向に凹む第1環状凹部12の内側に第2筒部20の一方側L1の端部を嵌合させる。これにより、第1筒部10および第2筒部20の内側を軸線方向に延びる貫通穴2の内周面に、第1環状凹部12の底面14と、第2筒部20の端面である環状面22との軸線方向の隙間である環状溝3を形成する。
また、以上のように、実施形態1の樹脂成形部材1は、第1筒部10と、一端が第1筒部10の内側に嵌合して第1筒部10と同軸に延びる第2筒部20と、を有する。第1筒部10および第2筒部20の内側を軸線方向に延びる貫通穴2の内周面には、外周側に凹むアンダーカット部である環状溝3が開口する。環状溝3(アンダーカット部)は、第1筒部10の先端面11の内周縁から軸線方向の他方側L2に凹む第1環状凹部12の底面14と、第1環状凹部12に嵌合した第2筒部20の端面である環状面22との軸線方向の隙間である。第2筒部20の外周側には、第1筒部10の先端面11と、第2筒部20の外周面に設けられた第2環状凹部24の側面25および底面26によって形成される凹溝6が周方向に延びている。凹溝6には、第1筒部10と第2筒部20とを接合する接合用樹脂部7が配置される。
実施形態1では、このように、凹溝6と環状溝3とを結ぶ分割ラインが第1筒部10と第2筒部20の端面形状となるように、一次成形品である第1筒部10および第2筒部20の形状を設計したので、内周面に加工痕やパーティングラインがない一次成形品を製造できる。従って、これらを2次成形により接合して樹脂成形部材1を製造すれば、環状溝
3(アンダーカット部)に加工痕やパーティングラインが形成されない。よって、環状溝3にOリングなどのシール材4を配置する場合、シール材4の密着度の低下を抑制できるので、軸部材100を通す箇所の密閉性を確保できる。
また、実施形態1では、一次成形品の分割ラインの位置に凹溝6ができるように構成されているので、二次成形によって凹溝6に成形した接合用樹脂部7を介して、一次成形品を接合できる。また、凹溝6は、第1筒部10への第2筒部20の挿入長さの分、一次成形品を突き合せた位置からずらした位置に形成される。従って、一次成形品を突き合せた箇所(分割面)に射出圧が加わらないので、分割面から内側に成形材料が入り込むおそれが少なく、樹脂のバリができるおそれが少ない。また、環状溝3(アンダーカット部)は、第1筒部10の内側に挿入した第2筒部20の先端部分によって形成されるので、凹溝6から軸線方向にずらした位置に形成される。従って、二次成形の射出圧および熱が加わる位置がアンダーカット部からずれた位置となるので、射出圧および熱による、アンダーカット部の変形、およびアンダーカット部に配置される部品の変形を抑制できる。
実施形態1では、凹溝6は、径方向から見て環状溝3(アンダーカット部)と重ならない位置に配置される。このように、凹溝6と環状溝3の位置を完全にずらしていれば、二次成形の射出圧および熱が環状溝3に加わらないので、環状溝3を設けたことにより肉厚が薄くなった箇所の変形、および、環状溝3に配置される部品の変形をなくすことができる。例えば、シール材4の変形をなくし、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
実施形態1では、貫通穴2の内周面にできるアンダーカット部は、周方向に延びる環状溝3である。そして、環状溝3は、軸部材100との間に介在するシール材4の配置空間である。このようにすると、貫通穴2の内周面に、全周にわたって連続してシール材4を組み込むことができる。よって、樹脂成形部材1は、シール材4により軸部材100が通される個所の密閉性を確保でき、気体および液体の漏れや侵入を抑制できる。
実施形態1では、第1筒部10は、第2筒部20の先端面21と軸線方向に当接する環状段面17(当接面)を備えている。このように、一次成形品の端面を突き合わせて位置決めすることにより、環状溝3の開口高さの寸法精度を高めることができる。
実施形態1では、二次成形準備工程ST2において、第1筒部10および第2筒部20の内側に金型ピンC30を配置することにより、第1筒部10と第2筒部20を同軸に位置決めする。従って、第1筒部10と第2筒部20の同軸度を高めることができる。また、径方向から見て環状溝3と重ならない位置に二次成形用キャビティCが配置されており、二次成形の射出圧が加わる部位が金型ピンC30によって内側から支持されているので、二次成形の射出圧を金型ピンC30で受けることができる。従って、二次成形の射出圧がかかる箇所の変形を回避できる。
実施形態1では、二次成形準備工程ST2において、第1環状凹部12の内側にシール材4を配置してから、第2筒部20の端部を第1環状凹部12に嵌合させる。従って、環状溝3にシール材4を簡単に組み込むことができる。また、環状溝3からシール材4が脱落しにくい構造である。
(実施形態2)
図4は、実施形態2の樹脂成形部材1Aの断面図である。樹脂成形部材1Aは、貫通穴2の内周面に、アンダーカット部である環状溝3Aを軸線方向に離れた2箇所に備える。2箇所の環状溝3Aには、Oリングなどのシール材4が保持される。実施形態1の樹脂成形部材1は、貫通穴2の内周面において1箇所にシール材4を配置したシングルシール構造であるのに対して、実施形態2の樹脂成形部材1Aは、2箇所にシール材4を配置した
ダブルシール構造とすることができる。
樹脂成形部材1Aは、軸線方向に延びる第1筒部10A、第2筒部20A、および第3筒部30Aを備える。樹脂成形部材1Aは、複数の一次成形品(第1筒部10A、第2筒部20A、第3筒部30A)を二次成形によって接合したものである。樹脂成形部材1は、第1筒部10Aの他方側L2の端部の内側に第2筒部20Aの一方側L1の端部を嵌合させた第1結合部5A1、および、第3筒部30Aの一方側L1の端部の内側に第2筒部20Aの他方側L2の端部を嵌合させた第2結合部5A2を備える。
樹脂成形部材1Aは、第1結合部5A1および第2結合部5A2の内側の2箇所に、環状溝3Aを備える。図4の部分拡大図に示すように、第1筒部10Aは、他方側L2の先端面11Aの内周側を一方側L1に凹む第1環状凹部12Aを備え、第1環状凹部12Aの内側に第2筒部20Aの一方側L1の端部が嵌合している。第1環状凹部12Aの内周面13Aは、第1環状凹部12Aの底面14Aから軸線方向に延びる小径円筒面15A、小径円筒面15Aよりも大径の大径円筒面16A、小径円筒面15Aと大径円筒面16Aを接続する環状段面17Aを備える。第2筒部20Aは、一方側L1の先端面21Aの外周部分が環状段面17Aに突き当たる位置まで第1環状凹部12Aに挿入されている。従って、第1筒部10Aは、第2筒部20Aの先端面21Aと軸線方向に当接する環状段面17A(第1当接面)を備える。2箇所の環状溝3Aのうちの一方は、第2筒部20Aの一方側L1の先端面21Aの内周部分と第1環状凹部12Aの底面14Aとが軸線方向に隙間を空けて対向する箇所にできる凹部である。
同様に、第3筒部30Aは、一方側L1の先端面31Aから他方側L2に凹む第2環状凹部32Aを備え、第2環状凹部32Aの内側に第2筒部20Aの他方側L2の端部が嵌合している。第2環状凹部32Aの内周面33Aは、第2環状凹部32Aの底面34Aから軸線方向に延びる小径円筒面35A、小径円筒面35Aよりも大径の大径円筒面36A、小径円筒面35Aと大径円筒面36Aを接続する環状段面37Aを備える。第2筒部20Aは、他方側L2の先端面22Aの外周部分が環状段面37Aに突き当たる位置まで第2環状凹部32Aに挿入されている。従って、第3筒部30Aは、第2筒部20Aの先端面22Aと軸線方向に当接する環状段面37A(第2当接面)を備える。2箇所の環状溝3Aのうちの他方は、第2筒部20Aの他方側L2の先端面22Aの内周部分と第2環状凹部32Aの底面34Aとが軸線方向に隙間を空けて対向する箇所にできる凹部である。
樹脂成形部材1Aは、第2筒部20Aの外周側に、1箇所の凹溝6Aを備える。凹溝6Aに配置される接合用樹脂部7Aを介して、第1筒部10A、第2筒部20A、および第3筒部30Aの3部材が接合されている。樹脂成形部材1Aの凹溝6Aは、第2筒部20Aの外周側において、第1筒部10Aの端面と第3筒部30Aの端面とが軸線方向に隙間を空けて対向した箇所にできる凹部である。凹溝6Aは、第1筒部10Aの他方側L2の先端面11A、第3筒部30Aの一方側L1の先端面31A、および第2筒部20Aの外周面23Aによって構成される。
(実施形態2の主な作用効果)
以上のように、実施形態2の樹脂成形部材1Aは、第1筒部10Aと、一端が第1筒部10Aの内側に嵌合して第1筒部10Aと同軸に延びる第2筒部20Aと、第2筒部20Aの他端が内側に嵌合して第1筒部10Aおよび第2筒部20Aと同軸に延びる第3筒部30Aと、を有する。第1筒部10A、第2筒部20A、および第3筒部30Aの内側を軸線方向に延びる貫通穴2の内周面には、外周側に凹むアンダーカット部である環状溝3Aが開口している。環状溝3A(アンダーカット部)は、第1筒部10Aの内側に第2筒部20Aが嵌合した第1結合部5A1、および、第3筒部30Aの内側に第2筒部20Aが嵌合した第2結合部5A2の2箇所に設けられている。第1結合部5A1の環状溝3A
は、第1筒部10Aの先端面11Aから軸線方向の一方側L1に凹む第1環状凹部12Aの底面14Aと、第1環状凹部12Aに嵌合した第2筒部20Aの一方側L1(一端側)の先端面21Aとの軸線方向の隙間である。第2結合部5A2の環状溝3Aは、第3筒部30Aの先端面31Aから軸線方向の他方側L2に凹む第2環状凹部32Aの底面34Aと、第2環状凹部32Aに嵌合した第2筒部20Aの他方側L2(他端側)の先端面22Aの軸線方向の隙間である。第2筒部20Aの外周側には、第1筒部10Aの先端面11A、第2筒部20Aの外周面23A、および第3筒部30Aの先端面31Aによって形成される凹溝6Aが周方向に延びており、凹溝6Aには、第2筒部20Aに対して第1筒部10Aおよび第3筒部30Aを接合する接合用樹脂部7Aが配置される。
実施形態2の樹脂成形部材1Aは、凹溝6Aと一方側L1の環状溝3Aとを結ぶ分割ライン、および、凹溝6Aと他方側L2の環状溝3Aとを結ぶ分割ラインが第1筒部10A、第2筒部20A、および第3筒部30Aの端面形状となるように、一次成形品である第1筒部10A、および第3筒部30Aの形状が決められている。従って、実施形態1と同様に、内周面に加工痕やパーティングラインがない一次成形品を製造でき、これらを二次成形により接合することによって、貫通穴2および環状溝3A(アンダーカット部)に加工痕やパーティングラインがない樹脂成形部材1Aを製造できる。従って、環状溝3にOリングなどのシール材4を配置する場際、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
また、実施形態2の樹脂成形部材1Aは、実施形態1と同様に、一次成形品の分割ラインの位置に凹溝6Aができるように構成されているので、二次成形によって凹溝6Aに成形した接合用樹脂部7Aを介して一次成形品を接合できる。また、凹溝6Aは、径方向から見て環状溝3Aと重ならない。従って、実施形態1と同様に、第1筒部10A、第2筒部20A、および第3筒部30Aの内側に金型ピンを配置して二次成形を行う場合、二次成形の樹脂圧を金型ピンで受けることができる。従って、二次成形の射出圧および熱による、環状溝3A(アンダーカット部)の変形、および、環状溝3Aに配置されるシール材4などの部品の変形をなくし、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
さらに、実施形態2の樹脂成形部材1Aは、1箇所の凹溝6Aに配置される接合用樹脂部7Aによって3本の一次成形品を接合できる構造であるため、二次成形用の金型の構造を簡素化できる。例えば、二次成形用の金型は、第2筒部20Aの外周面23Aと径方向で対向する金型面を備えたものとすることができる。この場合、二次成形準備工程では、第1筒部10Aの先端面11A、第2筒部20Aの外周面23A、外周面23Aと径方向で対向する金型面、および第3筒部30Aの先端面31Aによって二次成形用のキャビティを形成し、二次成形用のキャビティに成形材料を射出して、接合用樹脂部7Aを成形することができる。
(実施形態3)
図5は、実施形態3の樹脂成形部材1Bの断面図である。樹脂成形部材1Bは、アンダーカット部である環状溝3Bを軸線方向に離れた3箇所に備える。3箇所の環状溝3Bには、Oリングなどのシール材4が保持される。実施形態3の樹脂成形部材1Bは、貫通穴2に軸部材を配置する際、3箇所にシール材4を配置したトリプルシール構造にすることができる。
樹脂成形部材1Bは、軸線方向に延びる第1筒部10B、第2筒部20B、第3筒部30B、および第4筒部40Bを備える。樹脂成形部材1Bは、複数の一次成形品(第1筒部10B、第2筒部20B、第3筒部30B、第4筒部40B)を二次成形によって接合したものである。樹脂成形部材1は、第1筒部10Bの他方側L2の端部の内側に第2筒部20Bの一方側L1の端部を嵌合させた第1結合部5B1、第2筒部20Bの他方側L2の端部の内側に第3筒部30Bの一方側L1の端部を嵌合させた第2結合部5B2、お
よび、第4筒部40Bの一方側L1の端部の内側に第3筒部30Bの他方側L2の端部を嵌合させた第3結合部5B3を備える。
樹脂成形部材1Bは、第1結合部5B1、第2結合部5B2、および第3結合部5B3の内側の3箇所に、環状溝3Bを備える。第1結合部5B1と第2結合部5B2は、実施形態2の第1結合部5A1と同じ構造であり、第3結合部5B3は、実施形態2の第2結合部5A2と同じ構造である。従って、詳細な説明は省略する。
樹脂成形部材1Bは、第2筒部20Bの外周側に凹溝6B1を備え、第3筒部30Bの外周側に凹溝6B2を備える。凹溝6B1に配置される接合用樹脂部7B1を介して、第1筒部10Bと第2筒部20Bの2部材が接合され、凹溝6B2に配置される接合用樹脂部7B2を介して、第2筒部20B、第3筒部30B、および第4筒部40Bの3部材が接合される。接合用樹脂部7B1、7B2は、実施形態1、2と同様に、二次成形用金型の金型面と凹溝6B1、6B2によって形成される2箇所の二次成形用キャビティに成形材料を射出して成形することができる。
(実施形態3の主な作用効果)
実施形態3の樹脂成形部材1Bは、実施形態1と同様に、一次成形品が環状溝3B(アンダーカット部)の位置で分割した形状とされ、一次成形品を加工痕やパーティングラインができない製造方法で製造できるので、環状溝3B(アンダーカット部)に加工痕やパーティングラインがない樹脂成形部材1Bを製造できる。よって、環状溝3にOリングなどのシール材4を配置する際、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
また、実施形態1と同様に、一次成形品の分割ラインの位置に凹溝6B1、6B2ができるように構成されているので、二次成形によって凹溝6B1、6B2に成形した接合用樹脂部7B1、7B2を介して一次成形品を接合することができる。また、凹溝6B1、6B2は、径方向から見て環状溝3Bと重ならない。従って、実施形態1と同様に、第1筒部10B、第2筒部20B、第3筒部30B、および第4筒部40Bの内側に金型ピンを配置して二次成形を行う場合、二次成形の樹脂圧を金型ピンで受けることができる。従って、二次成形の射出圧および熱による、環状溝3B(アンダーカット部)の変形、および、環状溝3Bに配置されるシール材4などの部品の変形をなくし、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
(実施形態4)
図6は、実施形態4の樹脂成形部材1Cの断面図である。樹脂成形部材1Cは、実施形態3と同様に、アンダーカット部である環状溝3Cを軸線方向に離れた3箇所に備えており、3箇所にシール材4を配置したトリプルシール構造である。
樹脂成形部材1Cは、複数の一次成形品(第1筒部10C、第2筒部20C、第3筒部30C、第4筒部40C)を二次成形によって接合したものである。樹脂成形部材1は、第1筒部10Cの他方側L2の端部の内側に第2筒部20Cの一方側L1の端部を嵌合させた第1結合部5C1、第2筒部20Cの他方側L2の端部の内側に第3筒部30Cの一方側L1の端部を嵌合させた第2結合部5C2、および、第4筒部40Cの一方側L1の端部の内側に第3筒部30Cの他方側L2の端部を嵌合させた第3結合部5C3を備える。
樹脂成形部材1Cは、第1結合部5C1、第2結合部5C2、および第3結合部5C3の内側の3箇所に、環状溝3Cを備える。図6の部分拡大図に示すように、第1結合部5C1の環状溝3Cは、第1筒部10Cの他方側L2の先端面11Cの内周側を軸線方向の一方側L1に凹む第1環状凹部12Cの底面14Cと、第1環状凹部12Cに嵌合した第
2筒部20Cの一方側L1の先端面21Cとの軸線方向の隙間である。
第1結合部5C1の環状溝3Cは、軸線方向に対向する一対の環状面(先端面21Cと底面14C)と、一対の環状面の外周縁を接続する内周面13Cを備えた溝である。一対の環状面(先端面21Cと底面14C)の径方向内側の端部には軸線方向に突出する抜け止め凸部81が形成されている。従って、貫通穴2の内周面における環状溝3Cの開口高さが抜け止め凸部81の突出高さの分、狭くなっている。
第2筒部20Cの先端部分は、第1環状凹部12Cの内周面13Cの内側に嵌合している。第2筒部20Cは、一方側L1の先端面21Cの外周側を他方側L2に凹む第2環状凹部24Cを備える。第2環状凹部24Cの側面25Cの外周側には、第1筒部10Cの先端部分が嵌合している。第1筒部10Cの先端面11Cが第2環状凹部24Cの底面26Cに当接することにより、第1筒部10Cと第2筒部20Cの軸線方向の位置決めがなされている。
第1筒部10Cの他方側L2の端面には、先端面11Cの外周縁から一方側L1に凹む環状の凹部15Cが形成されている。従って、凹部15Cの底面17Cと第2環状凹部24Cの底面26Cとが軸線方向に隙間を空けて対向する。凹溝6C1は、凹部15Cの底面17Cおよび側面16Cと、第2筒部20Cにおける第2環状凹部24Cの底面26Cによって形成される溝である。
樹脂成形部材1Cの第2結合部5C2と第3結合部5C3は、環状溝3Cの縁に抜け止め凸部81が形成されていることを除き、実施形態2の第1結合部5A1および第2結合部5A2、ならびに、実施形態3の第2結合部5B2および第3結合部5B3と同じ構造である。従って、詳細な説明は省略する。
樹脂成形部材1Cは、第2筒部20Cの外周側に凹溝6C1を備え、第3筒部30Cの外周側に凹溝6C2を備える。凹溝6C1に配置される接合用樹脂部7C1を介して、第1筒部10Cと第2筒部20Cの2部材が接合されている。また、凹溝6C2に配置される接合用樹脂部7C2を介して、第2筒部20C、第3筒部30C、および第4筒部40Cの3部材が接合されている。接合用樹脂部7C1、7C2は、実施形態3と同様に、二次成形用金型の金型面と凹溝6C1、6C2によって形成される2箇所の二次成形用キャビティに成形材料を射出して成形することができる。
(実施形態4の主な作用効果)
実施形態4の樹脂成形部材1Cは、実施形態1と同様に、一次成形品を加工痕やパーティングラインができない製造方法で製造できるので、環状溝3C(アンダーカット部)に加工痕やパーティングラインがない樹脂成形部材1Cを製造できる。よって、環状溝3CにOリングなどのシール材4を配置する際、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
また、実施形態1と同様に、一次成形品の分割ラインの位置に凹溝6C1、6C2ができるように構成されているので、二次成形によって凹溝6C1、6C2に成形した接合用樹脂部7C1、7C2を介して一次成形品を接合することができる。また、凹溝6C1、6C2は、径方向から見て環状溝3C(アンダーカット部)と重ならない。従って、実施形態1と同様に、第1筒部10C、第2筒部20C、第3筒部30C、および第4筒部40Cの内側に金型ピンを配置して二次成形を行う際、二次成形の樹脂圧を金型ピンで受けることができる。よって、二次成形の射出圧および熱による環状溝3Cの変形、および、環状溝3Cに配置されるシール材4などの部品の変形をなくし、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
さらに、実施形態4の樹脂成形部材1Cは、環状溝3Cを構成する一対の環状面の径方向内側の縁(すなわち、貫通穴2の内周面における環状溝3Cの開口縁)に軸線方向に突出する抜け止め凸部81が形成されている。従って、環状溝3Cに装着したシール材4などの部品の脱落を抑制できる。なお、抜け止め凸部81は、環状溝3Cを構成する一対の環状面の少なくとも一方に設けられていればよい。例えば、第1結合部5C1の環状溝3Cの場合、先端面21Cと底面14Cのいずれか一方の内周縁に抜け止め凸部81を設け、他方の内周縁には抜け止め凸部81を設けない構造としてもよい。また、抜け止め凸部81は、全周に設けられていなくてもよく、複数の抜け止め凸部81が周方向に所定間隔で並んでいる構成としてもよい。
(実施形態5)
図7は、実施形態5の樹脂成形部材1Dの断面図である。樹脂成形部材1Dは、実施形態3、4と同様に、アンダーカット部である環状溝3Dを軸線方向に離れた3箇所に備えており、3箇所にシール材4を配置したトリプルシール構造である。
樹脂成形部材1Dは、複数の一次成形品(第1筒部10D、第2筒部20D、第3筒部30D、第4筒部40D)を二次成形によって接合したものである。樹脂成形部材1Dは、第1筒部10Dの他方側L2の端部の内側に第2筒部20Dの一方側L1の端部を嵌合させた第1結合部5D1、第2筒部20Dの他方側L2の端部の内側に第3筒部30Dの一方側L1の端部を嵌合させた第2結合部5D2、および、第4筒部40Dの一方側L1の端部の内側に第3筒部30Dの他方側L2の端部を嵌合させた第3結合部5D3を備える。
樹脂成形部材1Dは、第1結合部5D1、第2結合部5D2、および第3結合部5D3の内側の3箇所に、環状溝3Dを備える。環状溝3Dは、軸線方向に対向する一対の環状面と、一対の環状面の外周縁を接続する内周面を備えた溝である。実施形態5では、対向する一対の環状面は、内周側へ向かうに従って対向間隔が小さくなる方向に傾斜する傾斜面82である。実施形態5は、抜け止め凸部81を設ける代わりに傾斜面82を設けたことを除き、実施形態4と同じ構造である。
(実施形態5の主な作用効果)
実施形態5の樹脂成形部材1Dは、実施形態1と同様に、一次成形品を加工痕やパーティングラインができない製造方法で製造できるので、環状溝3D(アンダーカット部)に加工痕やパーティングラインがない樹脂成形部材1Dを製造できる。よって、環状溝3DにOリングなどのシール材4を配置する際、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
また、実施形態1と同様に、一次成形品の分割ラインの位置に凹溝6D1、6D2ができるように構成されているので、二次成形によって凹溝6D1、6D2に成形した接合用樹脂部7D1、7D2を介して一次成形品を接合することができる。また、凹溝6D1、6D2は、径方向から見て環状溝3Dと重ならない位置に配置される。従って、実施形態1と同様に、第1筒部10D、第2筒部20D、第3筒部30D、および第4筒部40Dの内側に金型ピンを配置して二次成形を行う場合、二次成形の樹脂圧を金型ピンで受けることができる。よって、二次成形の射出圧および熱による変形を回避できるので、環状溝3Dの変形、および、環状溝3Dに配置される部品(シール材4)の変形をなくすことができ、シール材4の密着度の低下を抑制できる。
さらに、実施形態5の樹脂成形部材1Dは、環状溝3Dを構成する一対の環状面が傾斜面82を備えており、内周側へ向かうに従って環状溝3Dの開口高さが狭くなる形状である。従って、環状溝3Dに装着したシール材4などの部品の脱落を抑制できる。なお、図7に示す形態は、一対の環状面の全体が傾斜面になっているが、一対の環状面の少なくと
も一部が傾斜面とされていればよい。例えば、一対の環状面の内周部分だけが傾斜面になっていてもよい。また、一対の環状面の一方だけが傾斜面になっていてもよい。
(実施形態6)
図8は、実施形態6の樹脂成形部材1Eの断面図であり、図8(a)は中心軸線Lを含む面で切断した断面図、図8(b)は図8(a)のA-A位置で切断した断面図である。実施形態1-5は、アンダーカット部として環状溝を備え、環状溝にシール材4を配置するものであったが、実施形態6の樹脂成形部材1Eは、アンダーカット部である環状溝3Eに軸受部材9を配置したものである。軸受部材9は、転動体91と、転動体91を転動可能に保持する転動体保持部92を備えるベアリングである。
樹脂成形部材1Eは、軸線方向に延びる第1筒部10Eの他方側L2の端部の内側に第2筒部20Eの一方側L1の端部を嵌合させた結合部5Eを備える。第1筒部10Eは、他方側L2の先端面11Eの内周側を一方側L1へ凹む第1環状凹部12Eを備える。環状溝3Eは、第1環状凹部12Eの底面14Eと、第1環状凹部12Eの内側に嵌合した第2筒部20Eの先端面21Eとの軸線方向の隙間である。また、樹脂成形部材1Eは、結合部5Eの外周面に、実施形態4の凹溝6C1と同様に形成された凹溝6Eを備える。凹溝6Eには、接合用樹脂部7Eが配置される。
転動体91は、金属、セラミック、グラファイト等からなる球体である。なお、転動体91として、円柱状のころを用いることもできる。転動体保持部92は、環状溝3Eに放射状に配置される隔壁である。図8に示す例では、周方向で隣り合う隔壁(転動体保持部92)の間に1つずつ転動体91が保持される。従って、貫通穴2の内周面に転動体91が周方向に一定間隔で並んで保持され、貫通穴2に配置した軸部材の表面を転動体91が摺動する。
転動体保持部92は、環状溝3Eの内面と一体に形成されている。図8に示す形態では、転動体保持部92(隔壁)は、第1環状凹部12Eの内周面13Eから内周側に突出する。なお、第1環状凹部12Eの底面14E、もしくは、第2筒部20Eの先端面21Eから転動体保持部92が突出する構造にしてもよい。あるいは、転動体保持部92を第1筒部10Eおよび第1筒部10Eとは別部材にしてもよい。
(実施形態6の主な作用効果)
実施形態6の樹脂成形部材1Eは、実施形態1と同様に、一次成形品を加工痕やパーティングラインができない製造方法で製造できるので、環状溝3E(アンダーカット部)に加工痕やパーティングラインがない樹脂成形部材1Bを製造できる。環状溝3Eを設けることにより、貫通穴2の内周面に、全周にわたって連続して軸受部材9を組み込むスペースを確保できる。従って、軸受部材9により軸部材の摺動性を高めることができる。
また、実施形態1と同様に、一次成形品の分割ラインの位置に凹溝6Eができるように構成されているので、二次成形によって凹溝6Eに成形した接合用樹脂部7Eを介して一次成形品を接合できる。また、凹溝6Eは、径方向から見て環状溝3Eと重ならない位置に配置される。従って、実施形態1と同様に、二次成形の射出圧および熱が環状溝3Eの位置に加わらないので、環状溝3Eの変形、および、環状溝3Eに配置される部品(軸受部材9)の変形を回避できる。
実施形態6の軸受部材9は、転動体保持部92が第1筒部10Eと一体に形成されている。従って、第2筒部20Eを第1筒部10Eに嵌合させる前に、隔壁(転動体保持部92)の間に転動体91を落とし込む作業を行い、しかる後に第1筒部10Eと第2筒部20Eとを嵌合させるだけで、環状溝3にベアリングを組み込むことができる。従って、部
品点数が少なく、組立が容易なベアリングを構成できる。
なお、環状溝に配置される軸受部材は、図8に示す形態に限定されない。例えば、軸受部材としてオイルレスブッシュを配置してもよい。また、内輪と外輪の間に球体などの転動体を配置したベアリングを用いることもできる。この場合は、軸部材にベアリングの内輪に圧入される圧入部を設けておき、圧入により内輪と軸部材とを結合することができる。
(軸受部材の変形例)
図9は、変形例1の軸受部材9Fの位置で切断した樹脂成形部材1Fの断面図である。図9に示す樹脂成形部材1Fは、第1筒部10Fと第2筒部(図示省略)とが結合した箇所の内周に環状溝3Fが形成されている。樹脂成形部材1Fは、環状溝3Fに配置される軸受部材9Fの構成を除いて、実施形態6の樹脂成形部材1Eと同一の構成である。
図9に示すように、変形例1の軸受部材9Fは、環状溝3Fに配置される転動体91Fおよび転動体保持部92Fを備えるベアリングである。変形例1の軸受部材9Fは、転動体保持部92Fとして、表面がR形状に湾曲した隔壁を備えている。転動体保持部92F(隔壁)は、環状溝3Gを構成する内周面13Fから径方向内側に突出しており、周方向で一定間隔の位置に放射状に配置される。周方向で隣り合う転動体保持部92F(隔壁)の間には、転動体91Fが1つずつ転動可能な状態で保持される。環状溝3Fを内周側から見たとき、周方向で隣り合う転動体保持部92F(隔壁)の間の開口部から転動体91Fが内周側に露出する。
図9の部分拡大図に示すように、変形例1の転動体保持部92F(隔壁)の周方向の一方側の表面921、および周方向の他方側の表面922は、転動体91Fの外周面に沿う形状に湾曲している。図9に示す例では、転動体91Fが球体もしくは円柱状である。従って、転動体保持部92F(隔壁)の周方向の一方側の表面921、および周方向の他方側の表面922は、円弧状の湾曲面である。
図10は、変形例2の転動体保持部93の位置で切断した樹脂成形部材1Gの断面図である。図10に示す樹脂成形部材1Gは、第1筒部10Gと第2筒部(図示省略)とが結合した箇所の内周に環状溝3Gが形成されている。樹脂成形部材1Gは、環状溝3Gに配置される軸受部材9Gの構成を除き、実施形態6の樹脂成形部材1Eと同一の構成である。
図10に示すように、変形例1の軸受部材9Gは、環状溝3Gに配置される転動体91Gおよび転動体保持部92Gを備えるベアリングである。変形例2の軸受部材9Gは、転動体保持部92Gとして、表面がR形状に湾曲した隔壁93と、隔壁93の内周側の端部から周方向の両側に突出するリブ94を備える。隔壁93は、環状溝3Gを構成する内周面13Gから径方向内側に突出しており、周方向で一定間隔の位置に放射状に配置される。周方向で隣り合う隔壁93の間には、転動体91Gが1つずつ転動可能な状態で保持される。リブ94は、樹脂成形部材1Gの内周面に沿って円弧状に延びている。環状溝3Gを内周側から見たとき、周方向で隣り合うリブ94の間の開口部から転動体91Gが内周側に露出する。
図10の部分拡大図に示すように、変形例2の転動体保持部92Gは、変形例1と同様に、隔壁93の周方向の一方側の表面931、および周方向の他方側の表面932が転動体91Gの外周面に沿う形状に湾曲している。図10に示す例では、転動体91Gが球体もしくは円柱状である。従って、隔壁93の周方向の一方側の表面931、および周方向の他方側の表面932は、円弧状の湾曲面である。
(変形例1,2の主な作用効果)
以上のように、変形例1、2の転動体保持部92F、92Gは、その周方向の両側の表面が、周方向で隣り合う転動体保持部92F、92G(隔壁)の間に配置される転動体91F、91Gの外周面に沿う形状に湾曲している。これにより、筒状の樹脂成形部材1F、1Gの内周面に転動体91F、91Gを露出させている開口部の周方向の開口幅を小さくすることができるので、転動体91F、91Gが内側に脱落しないように保持することができ、転動体91F、91Gを安定して保持できる。また、変形例2の転動体保持部92Gは、隔壁93の内周側の端部から周方向の両側に延びるリブを備えているので、転動体91Gを露出させている開口部の周方向の開口幅をさらに小さくすることができる。従って、転動体91Gの脱落をより確実に防止できる。
なお、転動体保持部として隔壁を設ける場合に、隔壁の表面は、転動体の外周面に沿う形状に屈曲した屈曲面であってもよい。また、変形例2の転動体保持部92Gは、隔壁93の表面931、932が湾曲面であり、且つ、内周側の端部にリブ94が設けられた形状であるが、実施形態5のような厚さが均一な転動体保持部92(隔壁)の内周側の端部に周方向に突出するリブを設ける構成としてもよい。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G…樹脂成形部材、2…貫通穴、3、3A、3B、3C、3D、3E、3F、3G…環状溝、4…シール材、5、5E…結合部、5A1、5B1、5C1、5D1…第1結合部、5A2、5B2、5C2、5D2…第2結合部、5B3、5C3、5D3…第3結合部、6、6A、6B1、6B2、6C1、6C2、6D1、6D2、6E…凹溝、7、7A、7B1、7B2、7C1、7C2、7D1、7D2、7E…接合用樹脂部、9、9F、9G…軸受部材、10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G…第1筒部、11、11A、11C、11E…先端面、12、12A、12C、12E…第1環状凹部、13、13A、13C、13E、13F、13G…内周面、14、14A、14C、14E…底面、15、15A…小径円筒面、15C…凹部、16、16A…大径円筒面、16C…側面、17、17A…環状段面、17C…底面、18…外周面、19…円筒形リブ、20、20A、20B、20C、20D、20E…第2筒部、21、21A、21C、21E…先端面、22…環状面、22A…先端面、23…円筒面、23A…外周面、24、24C…第2環状凹部、25、25C…側面、26…底面、27…円筒形リブ、30A、30B、30C、30D…第3筒部、31A…先端面、32A…第2環状凹部、33A…内周面、34A…底面、35A…小径円筒面、36A…大径円筒面、37A…環状段面、40B、40C、40D…第4筒部、81…抜け止め凸部、82…傾斜面、91、91F、91G…転動体、92、92F、92G…転動体保持部、93…隔壁、94…リブ、100…軸部材、921、931…周方向の一方側の表面、922、932…周方向の他方側の表面、C…二次成形用キャビティ、C10…第1型、C11…コア型、C20…第2型、C21…コア型、C30…第2金型ピン、L…中心軸線、L1…軸線方向の一方側、L2…軸線方向の他方側、S…金型面

Claims (22)

  1. 軸部材が配置される貫通穴が設けられた樹脂成形部材であって、
    第1筒部と、一端が前記第1筒部の内側に嵌合して前記第1筒部と同軸に延びる第2筒部と、を有し、
    前記第1筒部および前記第2筒部の内側を軸線方向に延びる前記貫通穴の内周面には、外周側に凹むアンダーカット部が開口し、
    前記アンダーカット部は、前記第1筒部の端面から前記軸線方向に凹む第1環状凹部の底面と、前記第1環状凹部に嵌合した前記第2筒部の端面との前記軸線方向の隙間であり、
    前記第2筒部の外周側には、前記第1筒部の端面および前記第2筒部によって形成される凹溝が周方向に延びており、
    前記凹溝には、前記第1筒部と前記第2筒部とを接合する接合用樹脂部が配置されることを特徴とする樹脂成形部材。
  2. 軸部材が配置される貫通穴が設けられた樹脂成形部材であって、
    第1筒部と、一端が前記第1筒部の内側に嵌合して前記第1筒部と同軸に延びる第2筒部と、前記第2筒部の他端が内側に嵌合して前記第1筒部および前記第2筒部と同軸に延びる第3筒部と、を有し、
    前記第1筒部、前記第2筒部、および前記第3筒部の内側を軸線方向に延びる前記貫通穴の内周面には、外周側に凹むアンダーカット部が開口し、
    前記アンダーカット部は、前記第1筒部の内側に前記第2筒部が嵌合した第1結合部、および、前記第3筒部の内側に前記第2筒部が嵌合した第2結合部の2箇所に設けられ、
    前記第1結合部に設けられる前記アンダーカット部は、前記第1筒部の端面から前記軸線方向の一方側に凹む第1環状凹部の底面と、前記第1環状凹部に嵌合した前記第2筒部の一端側の端面との前記軸線方向の隙間であり、
    前記第2結合部に設けられる前記アンダーカット部は、前記第3筒部の端面から前記軸線方向の他方側に凹む第2環状凹部の底面と、前記第2環状凹部に嵌合した前記第2筒部の他端側の端面との前記軸線方向の隙間であり、
    前記第2筒部の外周側には、前記第1筒部の端面、前記第2筒部の外周面、および前記第3筒部の端面によって形成される凹溝が周方向に延びており、
    前記凹溝には、前記第2筒部に対して前記第1筒部および前記第3筒部を接合する接合用樹脂部が配置されることを特徴とする樹脂成形部材。
  3. 請求項1または2において、
    前記アンダーカット部は、周方向に延びる環状溝であることを特徴とする樹脂成形部材。
  4. 請求項1において、
    前記凹溝は、径方向から見て前記アンダーカット部と重ならないことを特徴とする樹脂成形部材。
  5. 請求項3において、
    前記環状溝は、前記軸部材との間に介在するシール材または軸受部材の配置空間であることを特徴とする樹脂成形部材。
  6. 請求項3において、
    前記環状溝に配置されるOリングを備えることを特徴とする樹脂成形部材。
  7. 請求項6において、
    前記環状溝の内側面には、パーティングラインおよび加工痕がないことを特徴とする樹脂成形部材。
  8. 請求項3において、
    前記環状溝に配置される軸受部材を備えることを特徴とする樹脂成形部材。
  9. 請求項8において、
    前記軸受部材は、前記環状溝に配置される複数の転動体と、前記複数の転動体を周方向に所定間隔で並ぶ位置に保持する転動体保持部と、を備えるベアリングであることを特徴とする樹脂成形部材。
  10. 請求項9において、
    前記転動体保持部は、前記環状溝に放射状に配置される隔壁を備え、
    前記隔壁は、前記環状溝の内面と一体に形成されることを特徴とする樹脂成形部材。
  11. 請求項10において、
    前記隔壁の表面は、周方向で隣り合う前記隔壁の間に配置される前記転動体の外周面に沿う形状に湾曲または屈曲していることを特徴とする樹脂成形部材。
  12. 請求項10において、
    前記転動体保持部は、前記隔壁の内周側の端部から周方向の両側に延びるリブを備えることを特徴とする樹脂成形部材。
  13. 請求項3において、
    前記環状溝は、前記軸線方向に対向する一対の環状面を備え、
    前記一対の環状面の少なくとも一方の内周縁から前記軸線方向に突出する抜け止め凸部を備えることを特徴とする樹脂成形部材。
  14. 請求項3において、
    前記環状溝は、前記軸線方向に対向する一対の環状面を備え、
    前記一対の環状面の少なくとも一方は、内周側へ向かうに従って前記一対の環状面の他方との間隔が狭くなる方向に傾斜する傾斜面を備えることを特徴とする樹脂成形部材。
  15. 請求項1において、
    前記第1筒部は、前記第2筒部の一端と前記軸線方向に当接する当接面を備えることを特徴とする樹脂成形部材。
  16. 請求項2において、
    前記第1筒部は、前記第2筒部の一端と前記軸線方向に当接する第1当接面を備え、
    前記第3筒部は、前記第2筒部の他端と前記軸線方向に当接する第2当接面を備えることを特徴とする樹脂成形部材。
  17. 軸部材が配置される貫通穴が設けられた樹脂成形部材の製造方法であって、
    第1筒部と第2筒部を成形する一次成形工程と、
    前記第1筒部を保持する第1型と、前記第2筒部を保持する第2型とを前記第1筒部および前記第2筒部の軸線方向に型締めすることにより、前記第1筒部の内側に前記第2筒部の一端を嵌合させて同軸に結合するとともに、前記第1型および前記第2型を備える金型内に前記第1筒部、前記第2筒部、および金型面に囲まれる二次成形用キャビティを前記第2筒部の外周側に形成する二次成形準備工程と、
    前記二次成形用キャビティに成形材料を射出して、前記第1筒部と前記第2筒部を接合する接合用樹脂部を成形する二次成形工程と、を行い、
    前記二次成形準備工程では、
    前記第1筒部の端面から前記軸線方向に凹む第1環状凹部の内側に前記第2筒部の一端を嵌合させて、第1環状凹部の底面と前記第2筒部の端面との間に前記軸線方向の隙間を形成することにより、前記第1筒部および前記第2筒部の内側を前記軸線方向に延びる前記貫通穴の内周面に、外周側に凹むアンダーカット部を形成することを特徴とする樹脂成形部材の製造方法。
  18. 請求項17において、
    前記アンダーカット部は、周方向に延びる環状溝であることを特徴とする樹脂成形部材の製造方法。
  19. 請求項18において、
    前記二次成形準備工程では、
    前記第1環状凹部の内側にシール材または軸受部材を配置してから、前記第2筒部の一端を前記第1環状凹部に嵌合させることにより、前記環状溝に前記シール材または前記軸受部材を保持させることを特徴とする樹脂成形部材の製造方法。
  20. 請求項18において、
    前記二次成形準備工程では、
    前記第1筒部および前記第2筒部の内側に金型ピンを配置することにより前記第1筒部と前記第2筒部を同軸に位置決めし、
    径方向から見て前記環状溝と重ならない位置に前記二次成形用キャビティを形成することを特徴とする樹脂成形部材の製造方法。
  21. 請求項17において、
    前記二次成形工程では、前記成形材料として熱硬化性樹脂を前記二次成形用キャビティに充填して加熱することにより、前記熱硬化性樹脂の架橋反応により前記接合用樹脂部を前記第1筒部および前記第2筒部に接合することを特徴とする樹脂成形部材の製造方法。
  22. 請求項17において、
    前記二次成形工程では、前記二次成形用キャビティに前記成形材料を射出しながら前記第1型と前記第2型とを型締めすることを特徴とする樹脂成形部材の製造方法。
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