JP7288307B2 - 弾性波デバイスおよびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサ - Google Patents

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本発明は、弾性波デバイスおよびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関し、例えば酸化シリコン膜を有する弾性波デバイスおよびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関する。
圧電薄膜共振器および弾性表面波共振器等の弾性波デバイスの温度補償膜として酸化シリコン膜を用いることが知られている(例えば特許文献1および2)。酸化シリコン膜に弗素等を添加することにより、弾性波デバイスの周波数温度係数を小さくすることが知られている(例えば特許文献3)。酸化シリコン膜に弗素を添加すると、FTIR(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)を用いて測定したSi-O結合の伸縮振動のピーク波数が大きくなることが知られている(例えば特許文献3および非特許文献1)。
特開2011-182096号公報 特開2007-159123号公報 特開2011-77682号公報
Surface and Coatings Technology 168 (2003) 51-56
弾性波デバイスの温度補償膜に弗素を添加した酸化シリコン膜を用いると、周波数温度係数等の弾性波デバイスの特性の温度依存性は小さくなるが、弾性波デバイスの電気的な特性(例えば弾性波共振器の共振特性)が劣化する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、特性劣化を抑制することを目的とする。
本発明は、圧電層と、前記圧電層に弾性波を励振する電極と、平面視において前記圧電層と重なり、Si-O結合の伸縮振動のピーク波数が弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数より4cm-1以上大きく、かつ弗素濃度が1原子%以下である酸化シリコン膜と、を備える弾性波デバイスである。
上記構成において、前記酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数が弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数より6cm-1以上大きい構成とすることができる。
上記構成において、前記酸化シリコン膜の弗素濃度は0.1原子%以下である構成とすることができる。
上記構成において、前記酸化シリコン膜におけるSi-O結合の伸縮振動の半値幅は弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動の半値幅の95%以下である構成とすることができる。
上記構成において、基板と、前記基板と前記圧電層との間に設けられた前記電極である下部電極と、前記圧電層上に設けられた上部電極と、を備え、前記酸化シリコン膜は前記下部電極と前記上部電極とが前記圧電層の少なくとも一部を挟み対向する領域内に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記圧電層上に設けられ、互いに対向する前記電極である一対の櫛型電極を備え、前記酸化シリコン膜は前記圧電層上に前記一対の櫛型電極を覆うように設けられている構成とすることができる。
本発明は、上記弾性波デバイスを含むフィルタである。
本発明は上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明は、平面視において、弾性波を励振する電極が設けられる圧電層と重なるように弗素を含む酸化シリコン膜を形成する工程と、100℃以上の温度、2気圧以上の圧力かつ水蒸気を含む雰囲気において前記酸化シリコン膜を熱処理することにより、前記酸化シリコン膜から弗素を脱離させる工程と、を含む弾性波デバイスの製造方法である。
本発明は、平面視において、弾性波を励振する電極が設けられる圧電層と重なるように弗素を1原子%以上含む酸化シリコン膜を形成する工程と、前記酸化シリコン膜の弗素を1原子%より小さくなるように前記酸化シリコン膜から弗素を脱離させる工程と、を含む弾性波デバイスの製造方法である

上記構成において、前記酸化シリコン膜を形成する工程は、Si-O結合の伸縮振動のピーク波数が弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数より4cm-1以上大きくなるように前記酸化シリコン膜を形成する工程を含む構成とすることができる。
本発明によれば、特性劣化を抑制することができる。
図1(a)および図1(b)は、実験1における酸化シリコン膜内の弗素濃度に対するピーク波数および半値幅を示す図である。 図2(a)から図2(c)は、酸化シリコン膜におけるO-Si-O結合を示す模式図である。 図3は、実験2におけるサンプルA、BおよびCのFTIRスペクトルを示す図である。 図4(a)から図4(c)は、実験2におけるサンプルAからCの深さに対する弗素濃度を示す図である 図5(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図5(b)は、図5(a)のA-A断面図である。 図6(a)から図6(c)は、それぞれ実施例1の変形例1から3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図7(a)から図7(c)は、それぞれ実施例1の変形例4から6に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図8(a)から図8(c)は、それぞれ実施例1の変形例7から9に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図9は、実施例1の変形例10に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図10(a)から図10(c)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。 図11(a)から図11(c)は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図(その2)である。 図12は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図(その3)である。 図13(a)は、実施例3に係る弾性表面波共振器の平面図、図13(b)は,図13(a)のA-A断面図である。 図14(a)および図14(b)は、それぞれ実施例3の変形例1および2に係る弾性表面波共振器の断面図である。 図15(a)は、実施例4に係るフィルタの回路図、 図15(b)は、実施例4の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
一般的な圧電層の弾性定数の温度係数の符号は負である。これに対し酸化シリコン膜の弾性定数の温度係数の符号は正である。これにより、弾性波デバイスにおいて、圧電層と重なるように酸化シリコン膜を設けると弾性波デバイスの特性の温度依存性(例えば弾性波共振器の周波数温度係数(TCF:Temperature Coefficient of Frequency))が小さくなる。酸化シリコン膜に弗素を添加すると、弾性波デバイスの特性の温度依存性がより小さくなる。しかし、弾性波デバイスの電気的な特性(例えば弾性波共振器の共振特性)が劣化する。以下、弾性波デバイスの特性の温度依存性が小さく、かつ電気的特性が劣化しない酸化シリコン膜について検討した。
[実験1]
実験1として、弗素を添加した酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動(ω4)の吸収スペクトルをFTIR法を用い測定した。酸化シリコン膜は、TEOS(Tetraethyl orthosilicate)を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い形成し、弗素添加のためCガスを用いた。酸化シリコン膜中の弗素濃度をSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)法を用い測定した。
図1(a)および図1(b)は、実験1における酸化シリコン膜内の弗素濃度に対するピーク波数および半値幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)を示す図である。ドットは測定点であり、直線は測定点をつなぐ直線である。
図1(a)に示すように、弗素を添加しない酸化シリコン膜のピーク波数は約1064cm-1であり、弗素濃度が高くなるとピーク波数は大きくなる。弗素濃度とピーク波数の関係はほぼ線形である。弗素濃度が5原子%の酸化シリコン膜では、弗素濃度が0原子%の酸化シリコン膜に比べピーク波数が約12cm-1大きくなる。
図1(b)に示すように、弗素を添加しない酸化シリコン膜のFWHMは約80cm-1であり、弗素濃度が高くなるとFWHMは小さくなる。弗素濃度とFWHMの関係はほぼ線形である。弗素濃度が5原子%の酸化シリコン膜では、弗素濃度が0原子%の酸化シリコン膜に比べFWHMは約16%小さくなり約67cm-1となる。
特許文献3のように、Si-O結合の伸縮振動ω4のピーク波数およびFWHMは弾性波共振器の周波数温度係数TCFに相関する。ピーク波数が大きくなり、FWHMが小さくなるとTCFは小さくなる。
図2(a)から図2(c)は、酸化シリコン膜におけるO-Si-O結合を示す模式図である。図2(a)は、弗素を添加しない酸化シリコン膜におけるO-Si-Oの結合を示す。Si原子50と2つのO原子52の結合54の角度(すなわち、O-Si-O結合の結合角)はθである。
図2(b)は、弗素を添加した酸化シリコン膜におけるO-Si-Oの結合を示す。Si原子50およびO原子52の近くにF原子56が位置すると、O-Si-O結合の結合角がθ´と大きくなると考えられる。弗素を添加することで、Si-O結合の伸縮振動ω4のピーク波数が大きくなるのはO-Si-O結合の結合角が大きくなるためと考えられる。
酸化シリコン膜内ではSi-Oは環状構造となっている。弗素を添加しない酸化シリコン膜では、結合角θが小さいため、三員環構造および四員環構造が多く含まれる。一方、弗素を添加した酸化シリコン膜では、結合角θ´が大きいため、三員環構造および四員環構造が少なくなり、Si-Oのネットワークはより開放的となる。これに起因して、弾性定数の温度係数が変化し、TCFが小さくなるものと考えられる。
酸化シリコン膜に弗素を添加すると、圧電薄膜共振器の共振特性が劣化する。この原因は明確ではないが、例えば弗素の添加により酸化シリコン膜のヤング率が低下することが考えられる。例えば、弗素を添加しない酸化シリコン膜のヤング率は約69GPaである。ピーク波数が1070cm-1程度の弗素を添加した酸化シリコン膜のヤング率は約58GPaである。ヤング率が低下するのは、Si-O結合の一部がSi-F結合に置き換わるためと考えられる。
以上のように、温度補償膜として弗素を添加した酸化シリコン膜を用いると、TCFを小さくできるが、弾性波共振器の共振特性が劣化する。
図2(c)は、以下の実施例の酸化シリコン膜におけるO-Si-Oの結合を示す。F原子は添加されておらず、O-Si-O結合の結合角はθ´と大きい。このように、F原子が添加されていなければSi-Fの結合が少なく、ヤング率は後述する実験2のサンプルBのように低下しない。よって、共振特性は後述する実験2のサンプルAと同程度と予想される。O-Si-O結合の結合角がθ´と大きければ、サンプルBのようにTCFを小さくできる。よって、TCFはサンプルBと同程度に抑制できる。
[実験2]
以下の3つのサンプルを作製した。
サンプルA:弗素を添加しない酸化シリコン膜(SiO
サンプルB:弗素を添加した酸化シリコン膜(SiOF)
サンプルC:サンプルBを熱処理した酸化シリコン膜
シリコン基板上にTEOS-CVD法を用いサンプルA、BおよびCの酸化シリコン膜を形成した。サンプルBおよびCでは弗素のドーパント用のガスとしてCガスを用いた。サンプルCでは、サンプルBを10気圧の水蒸気雰囲気において300℃の温度で6時間熱処理した。サンプルA、BおよびCのSi-O結合の伸縮振動のスペクトルをFTIR法を用い測定した。サンプルBおよびCの弗素濃度をSIMS法を用い測定した。
FTIR法による測定条件は以下である。
測定法:透過法
波数分能:4.0cm-1
積算回数:100回
測定範囲:4000~400cm-1
測定温度:室温
測定雰囲気:真空
図3は、実験2におけるサンプルA、BおよびCのFTIRスペクトルを示す図である。Si-O(ω4)は、Si-O結合の伸縮振動ω4のピークである。Si-FはSi-F結合に起因するピークである。図3に示すように、サンプルBでは、サンプルAに比べSi-O(ω4)のピーク波数が大きくなり、FWHMが小さくなる。サンプルBでは、サンプルAに比べSi-Fのピーク高さが大きくなる。これは、サンプルBでは、酸化シリコン膜に弗素が添加されたことを示している。サンプルCでは、サンプルBに比べSi-O(ω4)のピーク波数およびFWHMはほとんど変わらない。サンプルCでは、サンプルBに比べSi-Fのピークが低くなり、サンプルAと同程度となる。これは、サンプルCでは、O-Si-O結合の結合角がサンプルBと同程度であり、かつ弗素が脱離したことを示唆している。
図4(a)から図4(c)は、実験2におけるサンプルAからCの深さに対する弗素濃度を示す図である。深さは酸化シリコン膜の表面からの深さを示し、弗素濃度は、Si、OおよびFに対するFの原子濃度を示す。サンプルAとBとCとでは酸化シリコン膜の膜厚が異なる。図4(a)に示すように、サンプルAでは酸化シリコン膜内の弗素濃度は0.01原子%でほぼ一定である。図4(b)に示すように、サンプルBでは酸化シリコン膜内の弗素濃度は約7原子%である。図4(c)に示すように、サンプルCでは酸化シリコン膜内の弗素濃度は0.01原子%以下である。
以上の結果から、サンプルCでは、O-Si-O結合の結合角はθ´の状態で弗素が脱離していると考えられる。よって、サンプルCの酸化シリコン膜を弾性波デバイスの温度補償膜に用いると、弾性波デバイスのTCF等の特性の温度依存性を小さくできかつ弾性波デバイスの共振特性等の特性の劣化を抑制できる。
図5(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図5(b)は、図5(a)のA-A断面図である。図5(a)および図5(b)に示すように、基板10上面の窪みに空隙20が設けられている。基板10は例えばシリコン(Si)基板である。基板10上に下部電極12が設けられている。下部電極12は、例えば基板側からクロム(Cr)膜およびルテニウム(Ru)膜である。
下部電極12上に、圧電膜14が設けられている。圧電膜14は、例えば(0001)方向を主軸とする(すなわちC軸配向性を有する)窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする窒化アルミニウム膜である。圧電膜14内に温度補償膜18が設けられている。すなわち、圧電膜14は、下部圧電膜と上部圧電膜を含み、温度補償膜18は下部圧電膜と上部圧電膜との間に設けられている。温度補償膜18は、実験2のサンプルCに相当する酸化シリコン膜である。
圧電膜14上に上部電極16が設けられている。上部電極16は、例えば圧電膜側からルテニウム膜およびクロム膜である。圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する領域は共振領域22である。共振領域22の平面形状は例えば楕円形状である。共振領域22内の圧電膜14において厚み縦振動モードの弾性波が共振する。共振領域22は、平面視において空隙20と重なり、空隙20と同じ大きさまたは空隙20より小さい。基板10、下部電極12、圧電膜14および上部電極16を覆うように保護膜25が設けられている。
基板10としては、シリコン基板以外に、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、石英基板、水晶基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。
下部電極12および上部電極16としては、ルテニウムおよびクロム以外にもアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)またはイリジウム(Ir)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。保護膜25は、例えば弗素等の不純物を意図的に添加していない酸化シリコン膜である。
圧電膜14としては、窒化アルミニウム膜以外に、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3)等を用いることができる。また、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。圧電性の向上のための元素は、例えば、スカンジウム(Sc)、2族元素もしくは12族元素と4族元素との2つの元素、または2族元素もしくは12族元素と5族元素との2つの元素である。これにより、圧電薄膜共振器の電気機械結合係数を向上できる。2族元素は、例えばカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)またはストロンチウム(Sr)である。12族元素は例えば亜鉛(Zn)である。4族元素は、例えばチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)である。5族元素は、例えばタンタル(Ta)、ニオブ(Nb)またはバナジウム(V)である。さらに、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、ボロン(B)を含んでもよい。
2GHzの共振周波数を有する圧電薄膜共振器の場合の各層の材料および厚さを以下に例示する。下部電極12は膜厚が100nmのクロム膜および膜厚が200nmのルテニウム膜である。圧電膜14は膜厚が1200nmの窒化アルミニウム膜である。上部電極16は膜厚が230nmのルテニウム膜および膜厚が50nmのクロム膜である。保護膜25は膜厚が10nmの酸化シリコン膜である。
[実施例1の変形例1]
図6(a)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図6(a)に示すように、温度補償膜18は、下部電極12と圧電膜14との間に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例2]
図6(b)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図6(b)に示すように、温度補償膜18は、上部電極16と圧電膜14との間に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例3]
図6(c)は、実施例1の変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図6(c)に示すように、温度補償膜18が厚さ方向に複数設けられ、1つの温度補償膜18は上部電極16と圧電膜14との間に設けられ、他の1つの温度補償膜18は圧電膜14内に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例4]
図7(a)は、実施例1の変形例4に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図7(a)に示すように、温度補償膜18は下部電極12内に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例5]
図7(b)は、実施例1の変形例5に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図7(b)に示すように、温度補償膜18は上部電極16内に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例6]
図7(c)は、実施例1の変形例6に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図7(c)に示すように、温度補償膜18は複数設けられ、1つの温度補償膜18は上部電極16内に設けられ、他の1つの温度補償膜18は下部電極12内に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例7]
図8(a)は、実施例1の変形例7に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(a)に示すように、温度補償膜18は下部電極12と空隙20との間に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例8]
図8(b)は、実施例1の変形例8に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(b)に示すように、温度補償膜18は上部電極16上に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例9]
図8(c)は、実施例1の変形例9に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(c)に示すように、温度補償膜18は複数設けられ、1つの温度補償膜18は上部電極16上に設けられ、他の1つの温度補償膜18は下部電極12の下に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例1から9のように、共振領域22の少なくとも一部に温度補償膜18を含めばよい。温度補償膜18は厚さ方向に複数設けられていてもよい。1または複数の温度補償膜18のうち少なくとも1つが実験2のサンプルCのような酸化シリコン膜であればよい。TCFをより小さくするためには、温度補償膜18を圧電膜14内に設けることがよく、圧電膜14の厚さ方向のほぼ中央に設けることが好ましい。
[実施例1の変形例10]
図9は、実施例1の変形例10に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図9に示すように、共振領域22の下部電極12下に音響反射膜21が形成されている。音響反射膜21は、音響インピーダンスの低い膜21bと音響インピーダンスの高い膜21aとが交互に設けられている。膜21aおよび21bの膜厚は例えばそれぞれほぼλ/4(λは弾性波の波長)である。膜21aと膜21bの積層数は任意に設定できる。音響反射膜21は、音響特性の異なる少なくとも2種類の層が間隔をあけて積層されていればよい。また、基板10が音響反射膜21の音響特性の異なる少なくとも2種類の層のうちの1層であってもよい。例えば、音響反射膜21は、基板10中に音響インピーダンスの異なる膜が一層設けられている構成でもよい。その他の構成は、実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1およびその変形例1から9において、実施例1の変形例10と同様に空隙20の代わりに音響反射膜21を設けてもよい。共振領域22内において弾性波を反射する音響反射層は、空隙20または音響反射膜21を含めばよい。このように、圧電薄膜共振器は、空隙20を有するFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)でもよく、音響反射膜21を有するSMR(Solid Mounted Resonator)でもよい。
図10(a)から図12は、実施例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。図10(a)に示すように、平坦主面を有する基板10上に空隙を形成するための犠牲層26を形成する。犠牲層26の膜厚は、例えば10~100nmであり、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛、ゲルマニウム(Ge)または酸化シリコン等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。犠牲層26は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜される。犠牲層26を、例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。犠牲層26は、リフトオフ法により形成してもよい。犠牲層26の形状は、空隙20の平面形状に相当する形状であり、例えば共振領域22となる領域を含む。
図10(b)に示すように、犠牲層26および基板10上に下部電極12を例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い形成する。下部電極12を、例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法により形成してもよい。
図10(c)に示すように、下部電極12および基板10上に圧電膜14を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。このとき、圧電膜14内に挿入膜24を形成する。挿入膜24は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い形成される。挿入膜24は、例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングされる。挿入膜24は、リフトオフ法により形成してもよい。圧電膜14を、例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。
図11(a)に示すように、圧電膜14上に弗素が添加された酸化シリコン膜17を例えばTEOS-CVD法を用い形成する。酸化シリコン膜17は、TEOS-CVD法以外のCVD法を用い形成してもよい。弗素の原料ガスとしてはCガス以外にもCFガスまたは他のガスを用いてもよい。また、酸化シリコン膜17は、例えば真空蒸着法またはスパッタリング法を用い形成してもよい。
図11(b)に示すように、酸化シリコン膜17を高温高圧水蒸気中で熱処理する。これにより、実験2のサンプルCのように、結合角θ´を維持した状態で弗素を脱離することができる。熱処理温度は、例えば100℃以上であり、例えば200℃以上であり、例えば500℃以下である。水蒸気の圧力は、例えば2気圧以上であり、例えば5気圧以上であり、例えば50気圧以下である。高温高圧水蒸気中の熱処理以外の方法で酸化シリコン膜17の弗素を脱離してもよい。これにより、酸化シリコン膜17から弗素が脱離した温度補償膜18が形成される。温度補償膜18を例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。
図11(c)に示すように、温度補償膜18および圧電膜14上に、上部電極16を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。上部電極16を例えばフォトリソグラフィ法およびエッチング法を用い所望の形状にパターニングする。上部電極16は、リフトオフ法により形成してもよい。図10(c)において圧電膜14をパターニングせず、その後、図11(c)において上部電極16をマスクに圧電膜14をエッチングしてもよい。基板10、下部電極12、圧電膜14および上部電極16を覆うように保護膜25を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。
図12に示すように、犠牲層26を例えばエッチング法を用い除去する。下部電極12、圧電膜14および上部電極16の積層膜の合計の応力を圧縮応力となるように設定しておく。これにより、犠牲層26が除去されると、積層膜が基板10の反対側に基板10から離れるように膨れる。下部電極12と基板10との間にドーム状の膨らみを有する空隙20が形成される。
実施例2のように、基板10の上面は平坦でもよい。上部電極16と下部電極12との間に挿入膜24が挿入されていてもよい。挿入膜24は共振領域22の中央領域に設けられておらず、中央領域を囲み共振領域22の外周を含む外周領域に設けられている。挿入膜24により圧電薄膜共振器のQ値を向上できる。実施例1およびその変形例においても温度補償膜18を実施例2と同様に成膜することができる。実施例1およびその変形例に挿入膜24を設けてもよい。
実施例1およびその変形例、実施例2において、共振領域22の平面形状が楕円形状を例に説明したが、共振領域22の平面形状は四角形状または五角形状のように多角形状でもよい。
図13(a)は、実施例3に係る弾性表面波共振器の平面図、図13(b)は,図13(a)のA-A断面図である。図13(a)および図13(b)に示すように、弾性表面波共振器は、IDT(Interdigital Transducer)35および反射器36を有している。IDT35および反射器36は圧電基板30上に設けられている。圧電基板30は、例えばタンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板または水晶基板である。IDT35および反射器36は金属膜31により形成されている。金属膜31は、例えばアルミニウム膜、銅膜またはモリブデン膜である。IDT35は一対の櫛型電極34を有する。一対の櫛型電極34は、それぞれ複数の電極指32と、複数の電極指32が接続されたバスバー33を有する。一方の櫛型電極34の電極指32と他方の櫛型電極34の電極指32とは少なくとも一部で互い違いに設けられている。IDT35のX方向の両側に反射器36が形成されている。IDT35が励振した弾性波は主に電極指32の配列方向に伝搬し、反射器36は弾性波を反射する。一対の櫛型電極34のうち一方の電極指32のピッチがほぼ弾性波の波長λである。圧電基板30上に金属膜31を覆うように温度補償膜38が設けられている。温度補償膜18は例えば実験2のサンプルCと同様の酸化シリコン膜である。
[実施例3の変形例1]
図14(a)は、実施例3の変形例1に係る弾性表面波共振器の断面図である。図14(a)に示すように、圧電基板30は支持基板30a上に接合されている。支持基板30aは、例えばシリコン基板、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板、ガラス基板または水晶基板である。支持基板30aの線膨張係数は圧電基板30の弾性波の伝搬方向の線膨張係数より小さい。これにより、TCFをより抑制できる。圧電基板30の厚さは例えば10λ以下であり、1λ以下である。圧電基板30と支持基板30aとの接合には例えば活性化接合法を用いる。活性化接合法では、支持基板30aの上面および圧電基板30の下面にイオンまたは原子をイオンビーム、中性化したビームまたはプラズマとして照射する。これにより、支持基板30aの上面および圧電基板30の下面が活性化する。活性化した支持基板30aの上面と圧電基板30の下面とを常温にて接合する。支持基板30aと圧電基板30との間には厚さが2nmから10nmの非晶質層が形成される。その他の構成は実施例3と同じであり説明を省略する。
[実施例3の変形例2]
図14(b)は、実施例3の変形例2に係る弾性表面波共振器の断面図である。図14(b)に示すように、圧電基板30と支持基板30aとの間に中間層30bが設けられている。中間層30bは、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化アルミニウム層または窒化アルミニウム層であり、圧電基板30の下面にCVD法、真空蒸着法またはスパッタリング法等により成膜されている。中間層30bの厚さは例えば1μmから10μm程度である。支持基板30aの上面と中間層30bの下面との接合には例えば活性化接合法を用いる。その他の構成は実施例3の変形例1と同じであり説明を省略する。
実施例1から3およびその変形例に係る弾性波デバイスは、圧電層(実施例1、2およびその変形例における圧電膜14、および実施例3およびその変形例における圧電基板30)と、圧電層に弾性波を励振する電極(実施例1、2およびその変形例における下部電極12および上部電極16、および実施例3およびその変形例における櫛型電極34)と、を備える。酸化シリコン膜である温度補償膜18および38は、平面視において圧電層と重なっている。酸化シリコン膜の弾性率の温度係数は、一般的な圧電層の弾性率の温度係数と符号が逆である。これにより、弾性波デバイスの特性の温度依存性(例えばTCF)を小さくできる。
実験2のサンプルCのように、温度補償膜18および38に用いる酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動ω4のピーク波数は、弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動ω4のピーク波数より4cm-1以上大きい。これにより、弾性波デバイスのTCFを小さくできる。また、温度補償膜18および38における弗素濃度は1原子%以下である。これにより、弾性波デバイスの共振特性の劣化を抑制できる。
弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜は、弾性波デバイスに含まれない膜でもよい。保護膜25が弗素を添加しない酸化シリコン膜の場合には、保護膜25を弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜としてもよい。
図1(a)のように、弗素を添加しない酸化シリコン膜のω4のピーク波数は1064cm-1である。しかし、ω4のピーク波数は、FTIR装置の測定条件等により変わる場合がある。そこで、弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のω4のピーク波数を基準にする。
弗素を添加した酸化シリコン膜(すなわち弗素を脱離していない酸化シリコン膜)では、ω4のピーク波数を弗素を添加しない酸化シリコン膜のω4のピーク波数より4cm-1以上大きくするためには、弗素濃度が1.7原子%以上となる。これにより、TCFは改善しても共振特性が劣化してしまう。酸化シリコン膜から弗素を脱離することで、弗素濃度を1原子%以下とすることができる。よって、TCFは改善しかつ共振特性の劣化を抑制できる。
温度補償膜18および38のω4のピーク波数は、弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のω4のピーク波数より6cm-1以上大きいことが好ましく、8cm-1以上大きいことが好ましい。温度補償膜18および38の濃度は、0.5原子%以下が好ましく、0.1原子%以下がより好ましく、0.01原子%以下がさらに好ましい。
図1(b)のように、温度補償膜18および38に用いる酸化シリコン膜におけるω4の半値幅は弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のω4の半値幅の95%以下が好ましく、92.5%以下がより好ましく、90%以下がさらに好ましい。
また、弗素以外の元素を添加することでω4のピーク波数が大きくなる元素の酸化シリコン膜における濃度は1原子%以下であることが好ましく、0.5原子%以下であることがより好ましく、0.1原子%以下であることがさらに好ましい。
実施例1、2およびその変形例では、温度補償膜18は圧電薄膜共振器の共振領域22内に設けられている。これにより、圧電薄膜共振器のTCFを抑制し、かつ共振特性の劣化を抑制できる。
実施例3およびその変形例では、温度補償膜38は、圧電基板30(圧電層)上に一対の櫛型電極34を覆うように設けられている。これにより、弾性表面波共振器のTCFを抑制し、かつ共振特性の劣化を抑制できる。
図11(a)のように、平面視において弾性波を励振する電極(下部電極12、上部電極16または櫛型電極34)が設けられる圧電層(圧電膜14または圧電基板30)と重なるように弗素を含む酸化シリコン膜17を形成する。その後、図11(b)のように、酸化シリコン膜から弗素を脱離させる。これにより、温度補償膜18および38を形成する。これにより、ω4のピーク波数が大きくかつ弗素濃度の小さい酸化シリコン膜を形成できる。よって、弾性波デバイスのTCFを抑制し、かつ共振特性の劣化を抑制できる。
なお、弗素と同様に、元素または分子を酸化シリコン膜に添加することでω4のピーク波数が大きくなり、酸化シリコン膜からこの元素または分子を脱離してもω4のピーク波数が大きい状態を維持する元素または分子であれば弗素以外でもよい。このような元素または分子としては、例えば水素(H)、CH、CH、塩素(Cl)、炭素(C)、窒素(N)、リン(P)、硫黄(S)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)またはインジウム(In)がある。
実験2のサンプルCのように、弗素を脱離させる工程は、100℃以上の温度、2気圧以上の圧力かつ水蒸気を含む雰囲気において熱処理する工程である。これにより、酸化シリコン膜から弗素を脱離できる。
酸化シリコン膜を形成する工程は、弗素が1原子%以上含む酸化シリコン膜を形成する工程を含み、弗素を脱離させる工程は、酸化シリコン膜の弗素を1原子%より小さくなるようにシリコン膜から弗素を脱離させる工程を含む。これにより、弾性波デバイスのTCFを抑制し、かつ共振特性の劣化を抑制できる。
実施例4は、実施例1から3およびその変形例の圧電薄膜共振器または弾性表面波共振器を用いたフィルタおよびデュプレクサの例である。図15(a)は、実施例4に係るフィルタの回路図である。図15(a)に示すように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子Tinと出力端子Toutとの間に、1または複数の並列共振器P1からP3が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS4および1または複数の並列共振器P1からP3の少なくとも1つの共振器に実施例1から3およびその変形例の弾性波共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。
図15(b)は、実施例4の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図15(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された高周波信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された高周波信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例4のフィルタとすることができる。
マルチプレクサとしてデュプレクサを例に説明したがトリプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
16 上部電極
17 酸化シリコン膜
18、38 温度補償膜
20 空隙
30 圧電基板
34 櫛型電極
35 IDT

Claims (11)

  1. 圧電層と、
    前記圧電層に弾性波を励振する電極と、
    平面視において前記圧電層と重なり、Si-O結合の伸縮振動のピーク波数が弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数より4cm-1以上大きく、かつ弗素濃度が1原子%以下である酸化シリコン膜と、
    を備える弾性波デバイス。
  2. 前記酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数が弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数より6cm-1以上大きい請求項1に記載の弾性波デバイス。
  3. 前記酸化シリコン膜の弗素濃度は0.1原子%以下である請求項1または2に記載の弾性波デバイス。
  4. 前記酸化シリコン膜におけるSi-O結合の伸縮振動の半値幅は弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動の半値幅の95%以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  5. 基板と、
    前記基板と前記圧電層との間に設けられた前記電極である下部電極と、
    前記圧電層上に設けられた上部電極と、
    を備え、
    前記酸化シリコン膜は前記下部電極と前記上部電極とが前記圧電層の少なくとも一部を挟み対向する領域内に設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  6. 前記圧電層上に設けられ、互いに対向する前記電極である一対の櫛型電極を備え、
    前記酸化シリコン膜は前記圧電層上に前記一対の櫛型電極を覆うように設けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の弾性波デバイス。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の弾性波デバイスを含むフィルタ。
  8. 請求項7に記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
  9. 平面視において、弾性波を励振する電極が設けられる圧電層と重なるように弗素を含む酸化シリコン膜を形成する工程と、
    100℃以上の温度、2気圧以上の圧力かつ水蒸気を含む雰囲気において前記酸化シリコン膜を熱処理することにより、前記酸化シリコン膜から弗素を脱離させる工程と、
    を含む弾性波デバイスの製造方法。
  10. 平面視において、弾性波を励振する電極が設けられる圧電層と重なるように弗素を1原子%以上含む酸化シリコン膜を形成する工程と、
    前記酸化シリコン膜の弗素を1原子%より小さくなるように前記酸化シリコン膜から弗素を脱離させる工程と、
    を含む弾性波デバイスの製造方法
  11. 前記酸化シリコン膜を形成する工程は、Si-O結合の伸縮振動のピーク波数が弗素を添加せずに成膜される酸化シリコン膜のSi-O結合の伸縮振動のピーク波数より4cm-1以上大きくなるように前記酸化シリコン膜を形成する工程を含む請求項9または10に記載の弾性波デバイスの製造方法。
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