以下に、本発明に係る嵌合コネクタの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[実施形態]
本発明に係る嵌合コネクタの実施形態の1つを図1から図19に基づいて説明する。
図1から図17の符号1は、本実施形態の嵌合コネクタを示す。この嵌合コネクタ1は、互いに嵌め合わされたコネクタ嵌合位置で電気接続される第1コネクタ1A及び第2コネクタ1Bを備える。
第1コネクタ1Aは、端子金具(以下、「第1端子金具」という。)10とハウジング(以下、「第1ハウジング」という。)20とを備える(図4、図8、図12、図16及び図17)。また、第2コネクタ1Bは、端子金具(以下、「第2端子金具」という。)30とハウジング(以下、「第2ハウジング」という。)40とを備える(図4、図8、図12、図16及び図17)。第1コネクタ1Aは、複数の第1端子金具10を備えている。また、第2コネクタ1Bは、その第1端子金具10と同数の第2端子金具30を備えている。
第1端子金具10と第2端子金具30は、各々、金属等の導電性材料で成形される。この第1端子金具10と第2端子金具30は、コネクタ嵌合位置で互いに物理的且つ電気的に接続される。第1端子金具10は、端子接続部11と電線接続部12とを有する(図4、図8、図12、図16及び図17)。また、第2端子金具30は、端子接続部31と電線接続部32とを有する(図4、図8、図12、図16及び図17)。
それぞれの端子接続部11,31は、コネクタ嵌合位置で互いに物理的且つ電気的に接続される。この例示のそれぞれの端子接続部11,31は、コネクタ嵌合位置で互いに嵌め合わされることで電気接続されるものとして形成する。そこで、それぞれの端子接続部11,31は、その内の一方が雌端子形状に形成され、その内の他方が雄端子形状に形成される。この例示では、端子接続部11が角筒状の雌端子形状に形成され、端子接続部31が端子接続部11の内方に嵌入される雄端子形状に形成されている。ここでは、端子接続部31がニードル端子形状のものとして形成されている。端子接続部11においては、その筒軸方向における一端の開口から筒軸方向に沿って端子接続部31が軸線方向の一端側から挿入される。ここでは、その端子接続部11の筒軸方向と端子接続部31の軸線方向が、端子接続部11と端子接続部31との間の端子挿抜方向となり、かつ、第1コネクタ1Aと第2コネクタ1Bとの間のコネクタ挿抜方向(コネクタ挿入方向又はコネクタ抜去方向)となる。
それぞれの電線接続部12,32は、各々個別に、電線Weの端末に対して物理的且つ電気的に接続される(図4、図8、図12、図16及び図17)。電線接続部12は、端子接続部11における筒軸方向の他端側に配置され、物理的且つ電気的に接続している電線Weをその筒軸方向に沿って引き出させる。また、電線接続部32は、端子接続部31における軸線方向の他端側に配置され、物理的且つ電気的に接続している電線Weをその軸線方向に沿って引き出させる。例えば、それぞれの電線接続部12,32は、電線Weの端末の芯線We1(図4、図8、図12、図16及び図17)に対して加締め圧着させることによって、この電線Weの端末に対して物理的且つ電気的に接続される。尚、図1から図3、図5から図7、図9から図11及び図13から図15では、電線Weの図示を省略している。
第1ハウジング20と第2ハウジング40は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
第1ハウジング20は、第1端子金具10が収容される端子収容室21aを有する(図1、図4、図5、図8、図9、図12、図13、図16及び図17)。その端子収容室21aは、第1端子金具10を収容完了位置まで挿入させ、その収容完了位置に第1端子金具10を収容させる。よって、この第1ハウジング20は、電線Weの端末に対して物理的且つ電気的に接続された第1端子金具10を端子収容室21aの収容完了位置に収容させる。
その端子収容室21aにおける第1端子金具10の端子接続部11は、その端子収容室21aに挿入されてきた第2端子金具30の端子接続部31に嵌合接続される。よって、この第1ハウジング20は、その端子収容室21aの開口であり、コネクタ挿抜方向における一端に形成され、第2端子金具30を端子収容室21aに挿入させる際に用いる端子挿入口21bを有する(図4、図8、図12、図16及び図17)。更に、この第1ハウジング20は、端子収容室21aの別の開口であり、コネクタ挿抜方向における他端に形成され、接続状態の第1端子金具10及び電線Weの端末を端子収容室21aに収容させる際に用いる端子収容口21cを有する(図1、図4、図5、図8、図9、図12、図13、図16及び図17)。その端子収容口21cは、端末が第1端子金具10の電線接続部12に物理的且つ電気的に接続された電線Weを端子収容室21aの外に引き出させる電線引出口としても利用される。
この例示の第1ハウジング20においては、その端子収容室21aが第1端子金具10毎に形成されている。ここでは、コネクタ挿抜方向に対する直交方向に沿って配列された複数の端子収容室21aが、その配列方向とコネクタ挿抜方向とに対する直交方向に沿って2組並べられている。第1ハウジング20においては、それぞれの端子収容室21aが方体状のハウジング主体21に形成されている(図4、図8、図12、図16及び図17)。
第2ハウジング40は、第2端子金具30が収容される端子収容室41aを有する(図1、図3から図5、図7から図9、図11から図13、図15、図16及び図17)。その端子収容室41aは、第2端子金具30を収容完了位置まで挿入させ、その収容完了位置に第2端子金具30を収容させる。この端子収容室41aにおいては、その収容完了位置で第2端子金具30を保持させる。よって、この第2ハウジング40は、電線Weの端末に対して物理的且つ電気的に接続された第2端子金具30を端子収容室41aの収容完了位置に収容させ且つ収容完了位置で保持させる。この例示の端子収容室41aは、全ての第2端子金具30を収容させる1つの部屋として形成されている。この端子収容室41aにおいては、コネクタ挿抜方向に対する直交方向に沿って配列された複数の第2端子金具30が、その配列方向とコネクタ挿抜方向とに対する直交方向に沿って2組並べられている。
その端子収容室41aは、第1コネクタ1Aをコネクタ挿入方向に沿ってコネクタ嵌合位置まで挿入嵌合させる部屋(以下、必要に応じて「コネクタ収容室」ともいう。)41aとしても利用される。第2ハウジング40においては、角筒状のハウジング主体41の内方の空間をコネクタ収容室(端子収容室)41aとして利用する(図1、図3から図5、図7から図9、図11から図13、図15、図16及び図17)。また、この第2ハウジング40は、第1コネクタ1Aのコネクタ収容室41aへの挿入開始位置たるコネクタ挿入口41bを有する(図1、図3及び図4)。この第2ハウジング40においては、ハウジング主体41の筒軸方向における一端の開口をコネクタ挿入口41bとして利用し、そのコネクタ挿入口41bにハウジング主体21の先端から第1コネクタ1Aが挿入されていく。
この嵌合コネクタ1は、第1コネクタ1Aと第2コネクタ1Bをコネクタ嵌合位置で保持させる保持機構50を備える(図1から図12及び図17)。その保持機構50は、第1ハウジング20に設けた第1係合体51と、第2ハウジング40に設けた第2係合体52と、を備える(図17)。この保持機構50は、第1コネクタ1Aと第2コネクタ1Bとがコネクタ嵌合位置のときに第1係合体51と第2係合体52とをコネクタ抜去方向で互いに係止させることによって、その第1コネクタ1Aと第2コネクタ1Bをコネクタ嵌合位置で保持させる。
この例示の第1係合体51は、ハウジング主体21側を固定端とする片持ちで且つ弾性変形可能な片体状の可撓片部51aを有する(図1から図12、図17及び図18)。その可撓片部51aは、コネクタ挿抜方向において、ハウジング主体21の先端側に固定端が配置され、かつ、ハウジング主体21における先端側とは逆側の後端側に自由端が配置されている。第1係合体51は、その可撓片部51aにおける固定端と自由端の間に爪状の係止部51bを有する(図1から図12、図17及び図18)。一方、この例示の第2係合体52は、コネクタ嵌合位置で係止部51bよりもコネクタ抜去方向側に配置され、その係止部51bとの間で互いに係止可能な爪状の係止部52aを有する(図17)。その係止部52aは、ハウジング主体41の内周壁に形成されている。この例示の保持機構50においては、コネクタ収容室41aに対しての第1コネクタ1Aの挿入の最中に、係止部52aが係止部51bを押し動かしながら可撓片部51aを撓ませる。この保持機構50においては、その第1コネクタ1Aの挿入動作が更に進んでコネクタ嵌合位置となったときに、それぞれの係止部51b,52aが互いを乗り越え、かつ、可撓片部51aの撓みが解消されて、それぞれの係止部51b,52aがコネクタ抜去方向で互いに対向配置される。この保持機構50は、それぞれの係止部51b,52aが対向配置状態のときに、自由端側を力点にして可撓片部51aを撓ませることによって、それぞれの係止部51b,52aの対向配置状態を解消させ、第1コネクタ1Aをコネクタ収容室41aから引き抜くことができる。
ところで、第1コネクタ1Aは、端子収容室21aの収容完了位置で第1ハウジング20に対する第1端子金具10の相対移動を係止して、その第1端子金具10を収容完了位置で保持させる端子係止体(所謂リテーナ)61を備える(図4、図8、図12及び図16から図19)。その端子係止体61は、収容完了位置で第1端子金具10を係止させる端子係止部61aを有する(図4、図8、図12及び図16から図19)。その端子係止部61aは、端子収容室21aの中に入り込んで第1端子金具10を係止させるものとして形成される。第1端子金具10は、その端子係止部61aに係止させる被係止部13を有している(図4、図8、図12、図16及び図17)。ここでは、端子接続部11における電線接続部12側の端面を被係止部13として利用する。この例示の端子係止体61は、収容完了位置での第1ハウジング20に対する第1端子金具10の端子収容口21cに向けた相対移動(即ち、端子収容室21aからの第1端子金具10の端子抜去方向側への相対移動)を係止させるものとして形成されている。よって、この例示の端子係止部61aは、そのような係止が可能なものとして形成されている。端子係止体61は、その端子係止部61aを第1端子金具10毎に有している。
第1コネクタ1Aにおいては、非係止位置と係止位置との間で第1ハウジング20に対して変位可能なものとして端子係止体61を構成する。非係止位置とは、第1ハウジング20に対する端子係止体61の相対的な位置の内、端子係止部61aによる収容完了位置の第1端子金具10の係止が不能になっている位置のことである。端子係止体61が非係止位置のときには、第1端子金具10を端子収容口21cから端子収容室21aの収容完了位置まで挿入していくことができ、かつ、その収容完了位置の第1端子金具10を端子収容口21cから引き抜くことができる。一方、係止位置とは、第1ハウジング20に対する端子係止体61の相対的な位置の内、端子係止部61aによる収容完了位置の第1端子金具10の係止が可能になっている位置のことである。端子係止体61が係止位置のときには、第1端子金具10を端子収容口21cから端子収容室21aの収容完了位置まで挿入していくことができず、かつ、収容完了位置の第1端子金具10を端子収容口21cから引き抜くことができない。端子係止部61aは、端子係止体61が非係止位置のときに端子収容室21aの外に配置され、かつ、端子係止体61が係止位置のときに端子収容室21aの中に入り込んで第1端子金具10を係止させるものとして形成される。
このコネクタ1Aは、その端子係止体61が形成された端子係止部品60を第1ハウジング20とは別の部品として備えている(図1、図3から図5、図7から図9、図11から図13及び図15から図19)。その端子係止部品60は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。この端子係止部品60は、端子係止体61を非係止位置と係止位置との間で変位させ得るよう第1ハウジング20に対して相対移動可能に組み付けられる。ここでは、第2ハウジング40のコネクタ収容室41aへのコネクタ挿入方向に対する直交方向に沿って、端子係止体61を非係止位置と係止位置との間で変位させ得るように、第1ハウジング20に対して相対移動可能に組み付けられている。
第1ハウジング20は、端子係止部品60を相対移動方向に沿って案内するガイド体22を有する(図1から図3、図5から図7、図9から図11、図13から図15、図18及び図19)。そして、端子係止部品60は、第1ハウジング20に対する相対移動方向に沿ってガイド体22に案内される被ガイド体62を有する(図1、図3から図5、図7から図9、図11、図12、図15、図18及び図19)。ガイド体22は、コネクタ挿抜方向と端子係止部品60の相対移動方向とに対する直交方向で、ハウジング主体21の両端に設ける。被ガイド体62は、コネクタ挿抜方向と端子係止部品60の相対移動方向とに対する直交方向で、端子係止体61の両端に設ける。
この例示のガイド体22と被ガイド体62は、各々がコネクタ挿抜方向と端子係止部品60の相対移動方向とに沿う平面を有する平板状で、かつ、被ガイド体62がガイド体22の溝部22aに嵌め込まれるものとして形成されている(図1、図3、図5、図7、図18及び図19)。ガイド体22においては、その溝部22aの周壁に、端子係止部品60の相対移動方向に沿うガイド部22bが設けられている(図1、図3、図5、図7、図9、図18及び図19)。そのガイド部22bは、コネクタ挿抜方向で2箇所に設けられている。一方、被ガイド体62においては、外周壁に、端子係止部品60の相対移動方向に沿う被ガイド部62aが設けられている(図1、図3、図5、図7、図9、図18及び図19)。その被ガイド部62aとしては、一方のガイド部22bに対向配置され且つ案内されるものと、他方のガイド部22bに対向配置され且つ案内されるものと、が設けられている。
また、第1ハウジング20と端子係止部品60との間には、端子係止部品60を非係止位置で第1ハウジング20に係止させ、かつ、端子係止部品60を係止位置で第1ハウジング20に係止させることが可能な係止機構を備える。例えば、その係止機構は、それぞれのガイド体22と被ガイド体62との間で、かつ、一対のガイド部22bと被ガイド部62aとの間に設ける。ガイド部22bには、端子係止部品60を非係止位置で第1ハウジング20に係止させる第1係止溝部22cと、端子係止部品60を係止位置で第1ハウジング20に係止させる第2係止溝部22dと、が形成されている(図3、図7、図11、図15、図18及び図19)。一方、被ガイド部62aには、端子係止部品60が非係止位置のときに第1係止溝部22cに嵌入させ、かつ、端子係止部品60が係止位置のときに第2係止溝部22dに嵌入させる係止突起部62bが形成されている(図3、図7、図11、図15、図18及び図19)。この被ガイド部62aには、コネクタ挿抜方向への弾性変形が可能な可撓部62cが形成されており、この可撓部62cに係止突起部62bが設けられている(図3、図7、図11、図15、図18及び図19)。
この係止機構においては、端子係止部品60が第1係止溝部22cに嵌入している状態で、非係止位置から係止位置に向けた力が端子係止部品60から第1ハウジング20へと作用した際に、係止突起部62bから第1係止溝部22cに作用させた力の反力で可撓部62cを撓ませて、係止突起部62bを第1係止溝部22cから脱離させる。この係止機構においては、非係止位置から係止位置に向けた力を作用させ続けることによって、係止突起部62bが第2係止溝部22dに入り込み、端子係止部品60を係止位置で第1ハウジング20に係止させる。第1係止溝部22cと第2係止溝部22dと係止突起部62bは、そのような非係止位置と係止位置との間での動きが可能な形状のものとして形成されている。この例示では、コネクタ挿抜方向と端子係止部品60の相対移動方向とに対して傾斜させた傾斜面を第1係止溝部22cと第2係止溝部22dと係止突起部62bに各々設けており、非係止位置から係止位置に向けた相対移動方向の力を可撓部62cの撓み方向への力に変換させている。この例示の第1係止溝部22cと第2係止溝部22dと係止突起部62bは、各々、三角柱状に形成されており、非係止位置から係止位置への動きだけでなく、係止位置から非係止位置への動きも行えるものとなっている。
本実施形態の嵌合コネクタ1は、非係止位置から係止位置に向けた力を端子係止体61に対して間接的に又は直接的に作用させることによって、その端子係止体61を間接的に又は直接的に非係止位置から係止位置まで押し動かす押動機構70を備える(図1から図8及び図11)。その押動機構70は、第1コネクタ1Aと第2コネクタ1Bとの間に設け、第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入嵌合動作に連動させる。この押動機構70は、第2ハウジング40で第1コネクタ1Aを挟み込みながら端子係止体61を間接的に又は直接的に非係止位置から係止位置まで押し動かすものとして構成する。
具体的に、この押動機構70は、端子係止部品60に形成された被押動部71と、第2ハウジング40におけるコネクタ挿入口41bの周縁に設けた押動部72と、を備える(図3、図7及び図11)。この押動機構70においては、第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入嵌合動作に連動し、押動部72が被押動部71を端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向に押し動かすものとして、その被押動部71と押動部72とが形成される。よって、被押動部71は、端子係止部品60における端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向とは逆側の端部に設ける。そして、押動部72は、第2ハウジング40におけるコネクタ挿入口41bの周縁にて、コネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入途中で被押動部71に対向配置される部分に設ける。
被押動部71は、コネクタ挿抜方向(コネクタ挿入方向又はコネクタ抜去方向)と第1ハウジング20に対する端子係止部品60の相対移動方向とに対して傾けた傾斜壁71aを有する(図1、図3から図5、図7、図8、図11、図15、図18及び図19)。その傾斜壁71aは、被押動部71において、端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向とは逆側の端面に形成される。この傾斜壁71aは、その端面におけるコネクタ抜去方向側を傾倒起点にして、その傾倒起点よりもコネクタ挿入方向側で端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向側に傾けたものである。
この傾斜壁71aは、第1コネクタ1Aを第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに挿入嵌合させる際の挿入力を軽減させるべく、コネクタ挿抜方向に対する傾斜角度が鋭角となるように形成されていることが望ましい。この傾斜壁71aは、その鋭角の中でもコネクタ挿抜方向に対する傾斜角度が小さくなるほど、第1コネクタ1Aを第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに挿入嵌合させる際の挿入力を軽減させることができる。一方、この傾斜壁71aは、その傾斜角度が小さくなるほど、コネクタ挿抜方向に長くなる。そこで、被押動部71は、コネクタ挿抜方向と第1ハウジング20に対する端子係止部品60の相対移動方向とに対する直交方向で端子収容室21aよりも外側(つまり、ハウジング主体21よりも外側)に配置することが望ましい。ここで示す被押動部71は、被ガイド体62に形成されている(図1、図3から図5、図7、図8、図11、図15、図18及び図19)。よって、この押動機構70は、端子係止体61を間接的に非係止位置から係止位置まで押し動かす。この例示の被押動部71は、その被ガイド体62におけるコネクタ挿入方向側の先端で、かつ、被ガイド体62における端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向とは逆側の端部に形成されている。
また、この押動機構70は、被押動部71を端子収容室21aよりも外側に設ける場合、端子係止部品60に作用させる力の端子係止部品60の重心からの位置ずれを抑えることが望ましい。そこで、被押動部71は、コネクタ挿抜方向と第1ハウジング20に対する端子係止部品60の相対移動方向とに対する直交方向で互いに間隔を空けて複数箇所に設けることによって、端子係止部品60の重心に非係止位置から係止位置に向かう力を作用させることが望ましい。例えば、被押動部71は、その直交方向で端子係止部品60の両端に設けることが望ましい。この例示の被押動部71は、それぞれの被ガイド体62におけるコネクタ挿入方向側の先端で、かつ、それぞれの被ガイド体62における端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向とは逆側の端部に設けている。
ここで示す押動機構70においては、第2ハウジング40におけるコネクタ挿入口41bの周縁の一部を押動部72として利用する。その周縁には、被押動部71毎に押動部72が設けられている。その押動部72においては、第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入嵌合動作の最中に被押動部71の傾斜壁71aが当接する。この押動部72は、その挿入嵌合動作の進行と共に被押動部71を傾斜壁71aに沿って端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向に押し動かす。
この押動機構70は、その被押動部71と押動部72の組み合わせだけで構成してもよいが、次のように構成してもよい。そこで、以下においては、被押動部71を第1被押動部71と称し、傾斜壁71aを第1傾斜壁71aと称する。また、以下においては、押動部72を第1押動部72と称する。
この押動機構70は、その第1被押動部71と第2押動部72の他に、第1ハウジング20に形成された第2被押動部73と、第2ハウジング40におけるコネクタ挿入口41bの周縁に設けた第2押動部74と、を備える(図3、図7及び図11)。
この押動機構70においては、第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入嵌合動作に連動し、第2押動部74が第2被押動部73を第1被押動部71と第1押動部72の組み合わせとは逆向きに押し動かすものとして、その第2被押動部73と第2押動部74とが形成される。よって、第2被押動部73は、第1ハウジング20において、第1被押動部71よりも端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向側に設ける。そして、第2被押動部73は、第2ハウジング40におけるコネクタ挿入口41bの周縁にて、コネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入途中で第2被押動部73に対向配置される部分に設ける。
第2被押動部73は、第1ハウジング20において、第1被押動部71よりも端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向側の端部に設ける。この例示の第2被押動部73は、それぞれのガイド体22におけるコネクタ挿入方向側の先端で、かつ、それぞれのガイド体22における端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向側の端部に設けている(図1、図3、図5、図7、図11、図15、図18及び図19)。
また、この第2被押動部73は、コネクタ挿抜方向(コネクタ挿入方向又はコネクタ抜去方向)と第1ハウジング20に対する端子係止部品60の相対移動方向とに対して傾けた第2傾斜壁73aを有する(図1から図3、図5から図7、図11、図15、図18及び図19)。その第2傾斜壁73aは、第2被押動部73において、端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向側の端面に形成される。この第2傾斜壁73aは、その端面におけるコネクタ抜去方向側を傾倒起点にして、その傾倒起点よりもコネクタ挿入方向側で端子係止体61の係止位置から非係止位置への変位方向側に傾けたものである。
この押動機構70においては、第2ハウジング40におけるコネクタ挿入口41bの周縁の一部を第2押動部74として利用する。その周縁には、第2被押動部73毎に第2押動部74が設けられている。その第2押動部74においては、第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入嵌合動作の最中に第2被押動部73の第2傾斜壁73aが当接する。この第2押動部74は、その挿入嵌合動作の進行と共に第2被押動部73を第2傾斜壁73aに沿って端子係止体61の係止位置から非係止位置への変位方向(つまり、端子係止体61の非係止位置から係止位置への変位方向とは逆向き)に押し動かす。
この押動機構70においては、第1被押動部71と第1押動部72の組み合わせで端子係止部品60を第1ハウジング20に対して相対移動させる力と、第2被押動部73と第2押動部74の組み合わせで第1ハウジング20を端子係止部品60に対して相対移動させる力と、が互いに同じ大きさとなるように、第1被押動部71と第1押動部72と第2被押動部73と第2押動部74とが形成される。そして、この押動機構70においては、その第1被押動部71と第1押動部72の組み合わせによる力の向きと、その第2被押動部73と第2押動部74の組み合わせによる力の向きと、が互いに逆向きで向かい合うように、第1被押動部71と第1押動部72と第2被押動部73と第2押動部74とが形成される。例えば、第1被押動部71の第1傾斜壁71aと第2被押動部73の第2傾斜壁73aは、コネクタ挿入方向に対する傾斜方向が互いに逆向きで、かつ、コネクタ挿入方向に対する傾斜角度が互いに同じ角度となるものとして形成される。そして、第1押動部72と第2押動部74は、第1ハウジング20と端子係止部品60との間の相対移動方向で互いに対向配置させるものとして形成される。これにより、この押動機構70は、第1ハウジング20と端子係止部品60とを互いに相対移動させるための力を第1押動部72側と第2押動部74側から互いに均等な大きさで逆向きに作用させることができる。
ここで、第2ハウジング40は、第1傾斜壁71aと同じ傾斜角度に形成され、かつ、コネクタ嵌合位置で第1傾斜壁71aに対向配置される第1傾斜部42と、第2傾斜壁73aと同じ傾斜角度に形成され、かつ、コネクタ嵌合位置で第2傾斜壁73aに対向配置される第2傾斜部43と、を有することが望ましい(図3、図7、図11及び図15)。その第1傾斜部42と第2傾斜部43は、ハウジング主体41の内周壁に形成される。そして、この第1傾斜部42と第2傾斜部43は、コネクタ嵌合位置で第1傾斜壁71aと第2傾斜壁73aとを挟持させるものとして形成されている。これにより、第1コネクタ1Aと第2コネクタ1Bは、コネクタ嵌合位置での互いの接触面積を増大させることできるので、コネクタ嵌合位置でのがたつきを抑制することができる。
尚、第1コネクタ1Aにおいては、端子係止体61と併せて、図示しないが、第1ハウジング20に設けた可撓性を持つ所謂ランスと、このランスに係止される第1端子金具10の被係止部と、を備えていてもよい。つまり、この第1コネクタ1Aにおいては、そのランスと第1端子金具10の被係止部とによって、第1端子金具10を収容完了位置で係止させてもよい。
以上示したように、本実施形態の嵌合コネクタ1は、押動機構70によって、第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの挿入嵌合動作に連動して、第2ハウジング40で第1コネクタ1Aを挟み込みながら端子係止体61を非係止位置から係止位置まで押し動かすことができる。よって、この嵌合コネクタ1においては、押動機構70で端子係止体61を非係止位置から係止位置まで押し動かしているときに、コネクタ収容室41aの中での第1コネクタ1Aのがたつきを抑えることができるので、コネクタ収容室41aに対する第1コネクタ1Aの斜め挿入を抑制することができる。従って、本実施形態の嵌合コネクタ1は、押動機構70が端子係止体61に作用させる力の大きさや向きのばらつきを抑えることができるので、端子係止部61aの端子収容室21aへの挿入作業性を向上させることができる。本実施形態の嵌合コネクタ1において、押動機構70は、第1ハウジング20と端子係止部品60とを互いに相対移動させるための力を第1押動部72側と第2押動部74側から互いに均等な大きさで逆向きに作用させている。
更に、本実施形態の嵌合コネクタ1は、第1被押動部71の第1傾斜壁71aと第2被押動部73の第2傾斜壁73aのそれぞれの傾斜角度を鋭角にして浅くすることで、第1コネクタ1Aを第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに挿入嵌合させる際の挿入力を軽減させている。従って、この嵌合コネクタ1は、軽い挿入力で第1コネクタ1Aを第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに挿入嵌合させながら、押動機構70で端子係止体61を非係止位置から係止位置へと変位させることができるので、この点からも、端子係止部61aの端子収容室21aへの挿入作業性を向上させることができる。
また更に、本実施形態の嵌合コネクタ1は、第1コネクタ1Aを第2ハウジング40のコネクタ収容室41aに挿入嵌合させる作業工程に、端子係止体61を非係止位置から係止位置へと変位させる作業工程が含まれている。よって、この嵌合コネクタ1は、端子係止体61を非係止位置から係止位置へと変位させる作業を単独で行う必要がないので、組付け作業の簡易化を図ることができる。また、この嵌合コネクタ1は、端子係止体61を非係止位置から係止位置へと変位させる作業を単独で行う必要がなく、かつ、端子係止体61が端子係止部品60として第1ハウジング20に組み付けられているので、端子係止体61の組み付け忘れという不測の事態の発生をも抑えることができる。
[変形例]
前述した実施形態の嵌合コネクタ1においては、端子係止体61を第1ハウジング20とは別の部品としての端子係止部品60に設けている。本変形例では、第1ハウジングの一部分として端子係止体を設けることによって、実施形態の嵌合コネクタ1と同様の効果を得るものとする。図20の符号101は、本変形例の嵌合コネクタを示す。この嵌合コネクタ101は、互いに嵌め合わされたコネクタ嵌合位置で電気接続される第1コネクタ101A及び第2コネクタ101Bを備える。
第1コネクタ101Aは、第1ハウジング120を備え(図20から図23)、電線Weの端末に物理的且つ電気的に接続された第1端子金具110(図27)が第1ハウジング120の端子収容室121a(図23)に収容されている。また、第2コネクタ1Bは、第2ハウジング140を備え、電線(図示略)の端末に物理的且つ電気的に接続された第2端子金具130が第2ハウジング140の端子収容室141aに収容されている(図20及び図24)。本変形例の嵌合コネクタ101においては、その第1コネクタ101Aを複数備え、それぞれの第1コネクタ101Aを第2コネクタ1Bの端子収容室141aに挿入嵌合させる(図20、図24及び図25)。尚、第1端子金具110と第2端子金具130には、例えば、前述した実施形態の第1端子金具10と第2端子金具30を用いればよい。
第1ハウジング120と第2ハウジング140は、各々、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。
第1コネクタ101Aは、それぞれに電線Weが物理的且つ電気的に接続された複数の第1端子金具110を備える。第1ハウジング120においては、その第1端子金具110毎の端子収容室121aが形成されており、第1端子金具110が収容された端子収容室121aから外方に電線Weが引き出されている。この例示の第1コネクタ101Aは、2つの第1端子金具110と、2つの端子収容室121aがコネクタ挿抜方向に対する直交方向で並べて配置された第1ハウジング120と、を備えている。第1ハウジング120においては、それぞれの端子収容室121aが方体状のハウジング主体121に形成されている(図23)。
第1ハウジング120は、更に、端子係止部122aが形成された端子係止体122を有する(図21から図25)。その端子係止体122は、第1ハウジング120の一部分として、ハウジング主体121に一体となって成形される。この端子係止体122は、ハウジング主体121に対して非係止位置と係止位置との間で変位させるべく形成されており、コネクタ挿抜方向(コネクタ挿入方向又はコネクタ抜去方向)に対する交差方向に沿って変位させる。この端子係止体122は、第1ハウジング120のハウジング主体121に対してコネクタ挿抜方向に対する直交方向で2箇所に設ける。
それぞれの端子係止体122は、その内の一方が一方の端子収容室121aの第1端子金具110を係止させ、かつ、その内の他方が他方の端子収容室121aの第1端子金具110を係止させるものであってもよい。また、それぞれの端子係止体122は、その双方でそれぞれの端子収容室121aの第1端子金具110を係止させるものであってもよい。ここでは、後者を例示している。よって、端子係止体122には、それぞれの端子収容室121aの第1端子金具110毎の端子係止部122aが形成されている。そして、端子係止体122は、ハウジング主体121におけるコネクタ挿抜方向と2つの端子収容室121aの配列方向とに対する直交方向に存在している外壁123a,123bに1つずつ設ける(図21及び図23)。
端子係止体122は、固定端を第1ハウジング120のハウジング主体121に設けた片持ちの可撓部122bを有する(図21から図24)。その可撓部122bは、コネクタ挿抜方向に対する交差方向に沿って弾性変形させ得るものとして形成される。2つの端子係止部122aは、その可撓部122bの自由端に設け、その自由端から端子収容室121a側に向けて突出させる。この端子係止体122においては、可撓部122bの弾性変形に伴い非係止位置と係止位置との間で端子係止部122aを変位させる。
この例示の端子係止体122は、非係止位置のときに外壁123a(123b)に対して可撓部122bが突出状態となり、かつ、非係止位置のときに端子係止部122aが少なくとも端子収容室121aの外に配置された状態になるものとして形成される。そして、この例示の端子係止体122は、係止位置のときに可撓部122bが端子収容室121aの中に入り込んで第1端子金具110を係止させるものとして形成される。例えば、可撓部122bは、外壁123a(123b)側の固定端から自由端に向けて片体状に延在させた可撓片部として形成されている。この例示の可撓部122bは、自由端側よりも固定端側の厚みを徐々に薄くしている。そして、外壁123a,123bには、それぞれの端子収容室121aに連通させ、かつ、係止位置のときに可撓部122bが収容される貫通孔124が形成されている(図20)。それぞれの外壁123a,123bは、それぞれの端子収容室121aの壁を成すものである。よって、端子係止体122においては、係止位置のときに端子係止部122aが端子収容室121aの中に入り込む。
第2ハウジング140の端子収容室141aには、1つの第1コネクタ101Aが備える第1端子金具110の数量に応じた数の第2端子金具130が収容される。よって、この例示の端子収容室141aには、2つの第2端子金具130が収容されている。この端子収容室141aは、第1コネクタ101Aをコネクタ挿入方向に沿ってコネクタ嵌合位置まで挿入嵌合させる部屋(以下、必要に応じて「コネクタ収容室」ともいう。)141aとしても利用される。第2ハウジング140においては、第1コネクタ101A毎にコネクタ収容室(端子収容室)141aが形成されている。また、この第2ハウジング140は、第1コネクタ101Aのコネクタ収容室141aへの挿入開始位置たるコネクタ挿入口141bを有する(図20、図24及び図27)。そのコネクタ挿入口141bは、第1コネクタ101A毎に設けられている。
本変形例の嵌合コネクタ101は、非係止位置から係止位置に向けた力を端子係止体122に対して直接的に作用させることによって、その端子係止体122を直接的に非係止位置から係止位置まで押し動かす押動機構170を備える(図24及び図26)。その押動機構170は、第1コネクタ101Aと第2コネクタ101Bとの間に設け、第2ハウジング140のコネクタ収容室141aに対する第1コネクタ101Aの挿入嵌合動作に連動させる。この押動機構170は、第2ハウジング140で第1コネクタ101Aを挟み込みながら端子係止体122を直接的に非係止位置から係止位置まで押し動かすものとして構成する。
具体的に、この押動機構170は、第2ハウジング140におけるコネクタ挿入口141bの周縁に設けた押動部172を備える(図24及び図26)。この押動機構170においては、第2ハウジング140のコネクタ収容室141aに対する第1コネクタ101Aの挿入嵌合動作に連動して、押動部172が端子係止体122の可撓部122bにおける端子係止部122aとは逆側に力を作用させる。押動部172は、その力で端子係止体122を非係止位置から係止位置への変位方向に押し動かすものとして形成される。
ここで示す押動機構170においては、第2ハウジング140におけるコネクタ挿入口141bの周縁の一部を押動部172として利用する。押動部172は、その周縁に端子係止体122毎に設ける。この例示では、第2ハウジング140におけるコネクタ挿入口141bの周縁の2箇所に押動部172が設けられている。それぞれの押動部172は、その周縁にて、コネクタ挿抜方向と2つの端子収容室121aの配列方向とに対する直交方向で対向配置されている。押動部172には、第2ハウジング140のコネクタ収容室141aに対する第1コネクタ101Aの挿入嵌合動作の最中に端子係止体122の可撓部122bにおける端子係止部122aとは逆側が当接する。この押動部172は、その挿入嵌合動作の進行と共に可撓部122bを固定端側から自由端側に沿って端子係止体122の非係止位置から係止位置への変位方向に押し動かす。
以上示したように、本変形例の嵌合コネクタ101は、その押動機構170によって、第2ハウジング140のコネクタ収容室141aに対する第1コネクタ101Aの挿入嵌合動作に連動して、第2ハウジング140で第1コネクタ101Aを挟み込みながら端子係止体122を非係止位置から係止位置まで押し動かすことができる。よって、この嵌合コネクタ101においては、押動機構170で端子係止体122を非係止位置から係止位置まで押し動かしているときに、コネクタ収容室141aの中での第1コネクタ101Aのがたつきを抑えることができるので、コネクタ収容室141aに対する第1コネクタ101Aの斜め挿入を抑制することができる。従って、本変形例の嵌合コネクタ101は、押動機構170が端子係止体122に作用させる力の大きさや向きのばらつきを抑えることができるので、端子係止部122aの端子収容室121aへの挿入作業性を向上させることができる。本変形例の嵌合コネクタ101において、押動機構170は、1つの第1コネクタ101Aにおける2つの端子係止体122を非係止位置から係止位置まで押し動かすための力をそれぞれの押動部172から互いに均等な大きさで逆向きに作用させている。
更に、本変形例の嵌合コネクタ101は、第1コネクタ101Aを第2ハウジング140のコネクタ収容室141aに挿入嵌合させる作業工程に、端子係止体122を非係止位置から係止位置へと変位させる作業工程が含まれている。よって、この嵌合コネクタ101は、端子係止体122を非係止位置から係止位置へと変位させる作業を単独で行う必要がないので、組付け作業の簡易化を図ることができる。また、この嵌合コネクタ101は、端子係止体122を非係止位置から係止位置へと変位させる作業を単独で行う必要がなく、かつ、端子係止体122が第1ハウジング120の一部分として一体になって成形されているので、端子係止体122の組み付け忘れという不測の事態の発生をも抑えることができる。
ところで、本変形例の第1コネクタ101Aは、撚り対線(所謂ツイストペアケーブル)の一端と他端とに接続させるものであってもよい。ここで、従来は、対となる2つの端子金具の組み合わせが1つのハウジングに収容されるものであり、その1つのハウジングで複数組の撚り対線を形成しなければならないものが存在する。しかしながら、本変形例の嵌合コネクタ101においては、第1コネクタ101A毎に撚り対線を形成した上で、それぞれの第1コネクタ101Aを第2ハウジング140のコネクタ収容室141aに挿入嵌合させることができるので、そのような従来のものと比して、撚り対線を形成する際の作業を向上させることができる。
例えば、本変形例においては、2本の電線Weの一端を一方の第1コネクタ101Aのそれぞれの端子収容室121aの収容完了位置に収容し、かつ、その2本の電線Weの他端を他方の第1コネクタ101Aのそれぞれの端子収容室121aの収容完了位置に収容する(図27)。そして、本変形例においては、一方の第1コネクタ101Aを固定治具E1に固定し、かつ、他方の第1コネクタ101Aを撚り機E2に設置して(図28)、その撚り機E2で他方の第1コネクタ101Aを回転させ、2本の電線Weを撚りながら、この2本の電線Weによる撚り対線を形成する(図29)。その後、本変形例においては、一方の第1コネクタ101Aを固定治具E1から取り外し、かつ、他方の第1コネクタ101Aを撚り機E2から取り外す(図30)。