JP7276277B2 - 電力変換器の制御回路 - Google Patents

電力変換器の制御回路 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機の各相の巻線に電気的に接続された上下アームのスイッチを有する電力変換器の制御回路に関する。
この種の制御回路として、特許文献1では、電圧検出部と、異常判定部とを備えるものが開示されている。電圧検出部は、蓄電部の出力電圧を検出し、異常判定部へと出力する。異常判定部は、入力された電圧検出部の検出電圧が閾値を跨いだ場合、システムに過電圧異常が発生したと判定する。
特開2015-198503号公報
過電圧異常を判定できなくなる異常が発生し得る。この場合、例えば、以下の問題が発生する。
制御回路は、システムに過電圧異常が発生した場合に対処するべく、上下アームのうちいずれか一方のアームにおけるスイッチをオンし、他方のアームにおけるスイッチをオフする短絡制御を実施する。しかし、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生した場合、短絡制御を実施するべき状況であるにもかかわらず、短絡制御が実施されないことが懸念される。
なお、短絡制御に限らず、上下アームのスイッチを強制的にオフするシャットダウン制御が実施される構成においても、上述した問題は同様に発生する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる電力変換器の制御回路を提供することである。
本発明は、蓄電部と、多相の回転電機と、前記回転電機の各相の巻線と前記蓄電部とに電気的に接続された上下アームのスイッチを有する電力変換器と、を備えるシステムに適用される電力変換器の制御回路において、前記蓄電部の出力電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部の検出電圧が閾値を跨ぐことにより、前記システムに過電圧異常が発生したと判定する異常判定部と、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いでいない状態において、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態にする疑似異常処理を実施する処理部と、を備える。
本発明によれば、疑似異常処理が実施されることにより、異常判定部においてシステムに過電圧異常が発生したと判定される状態が模擬される。これにより、疑似異常処理が実施されたにもかかわらず、異常判定部によりシステムに過電圧異常が発生したと判定されない場合、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる。
第1実施形態に係る制御システムの全体構成図。 制御回路及びその周辺構成を示す図。 高圧検出回路の構成の一例を示す図。 比較例における制御回路を示す図。 比較例の制御回路が実施する制御の一例を示すタイムチャート。 制御回路を示す図。 マイコンが実施する処理の手順を示すフローチャート。 第2実施形態に係る制御回路を示す図。 マイコンが実施する処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態に係るマイコンが実施する処理の手順を示すフローチャート。 第4実施形態に係るマイコンが実施する処理の手順を示すフローチャート。
<第1実施形態>
以下、本発明に係る制御回路を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る制御回路は、電力変換器としての3相インバータに適用される。本実施形態において、インバータを備える制御システムは、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載される。
図1に示すように、制御システムは、回転電機10、インバータ15及びDCDCコンバータ25を備えている。回転電機10は、車載主機であり、そのロータが図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。本実施形態では、回転電機10として、同期機が用いられており、より具体的には、永久磁石同期機が用いられている。
DCDCコンバータ25は、「直流電源」としての高圧電源30に入力側が接続されており、入力された高圧電源30の出力電圧を昇圧し、インバータ15に出力する。DCDCコンバータ25は、制御回路50によって制御される。本実施形態において、高圧電源30は、2次電池であり、その出力電圧(定格電圧)が例えば百V以上である。なお、DCDCコンバータ25が「昇圧回路」に相当する。
インバータ15は、スイッチングデバイス部20を備えている。スイッチングデバイス部20は、上アームスイッチSWHと下アームスイッチSWLとの直列接続体を3相分備えている。各相において、上,下アームスイッチSWH,SWLの接続点には、回転電機10の巻線11の第1端が接続されている。各相巻線11の第2端は、中性点で接続されている。各相巻線11は、電気角で互いに120°ずらされて配置されている。ちなみに、本実施形態では、各スイッチSWH,SWLとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子が用いられており、より具体的には、IGBTが用いられている。上,下アームスイッチSWH,SWLには、フリーホイールダイオードである上,下アームダイオードDH,DLが逆並列に接続されている。
各上アームスイッチSWHの高電位側端子であるコレクタには、高電位側電気経路22Hを介して、DCDCコンバータ25の出力側が接続されている。各下アームスイッチSWLの低電位側端子であるエミッタには、低電位側電気経路22Lを介して、DCDCコンバータ25の出力側が接続されている。
高電位側電気経路22Hには、第1遮断スイッチ23aが設けられ、低電位側電気経路22Lには、第2遮断スイッチ23bが設けられている。各スイッチ23a,23bは、例えば、リレー又は半導体スイッチング素子である。ここで、各スイッチ23a,23bは、インバータ15が備える制御回路50によって駆動されてもよいし、制御回路50に対して上位の制御装置によって駆動されてもよい。
インバータ15は、「蓄電部」としての平滑コンデンサ24を備えている。平滑コンデンサ24は、高電位側電気経路22Hのうち第1遮断スイッチ23aよりもスイッチングデバイス部20側と、低電位側電気経路22Lのうち第2遮断スイッチ23bよりもスイッチングデバイス部20側とを電気的に接続している。
高電位側電気経路22HのうちDCDCコンバータ25とインバータ15との間の高電位側接続点THは、制御回路50に接続されている。低電位側電気経路22LのうちDCDCコンバータ25とインバータ15との間の低電位側接続点TLは、制御回路50に接続されている。制御回路50は平滑コンデンサ24の端子電圧VHを取得する。
制御システムは、相電流センサ40と、角度センサ41とを備えている。相電流センサ40は、回転電機10に流れるU,V,W相電流のうち、少なくとも2相分の電流を検出する。角度センサ41は、回転電機10の電気角に応じた角度信号を出力する。角度センサ41は、例えば、レゾルバ、エンコーダ又は磁気抵抗効果素子を有するMRセンサであり、本実施形態ではレゾルバである。
図2を用いて、制御回路50の構成について説明する。
制御回路50は、低圧領域に設けられたマイコン51を備えている。マイコン51には、相電流センサ40の電流信号が入力される。マイコン51は、入力された電流信号に基づいて、相電流Irを算出する。マイコン51は、回転電機10の電気角θeを取得する。詳しくは、制御回路50は、図示しない励磁回路及びレゾルバデジタルコンバータを有している。励磁回路から角度センサ41を構成するレゾルバステータに、正弦波状の励磁信号が供給される。レゾルバステータから出力された角度信号は、レゾルバデジタルコンバータに入力される。レゾルバデジタルコンバータは、角度信号に基づいて、回転電機10の電気角θeを算出し、マイコン51に出力する。
制御回路50は、「電圧検出部」としての高圧検出回路52を備えている。高圧検出回路52は、制御回路50において、低圧領域と高圧領域との境界を跨いで低圧領域及び高圧領域に設けられている。高圧検出回路52の高圧領域側には、高電位側接続点TH及び低電位側接続点TLを介して平滑コンデンサ24の端子電圧VHが入力される。高圧検出回路52は、平滑コンデンサ24の端子電圧VHを降圧した電圧である検出電圧VS(例えば0~5V)を、低圧領域側のマイコン51に出力する。
図3は、高圧検出回路52において、平滑コンデンサ24の端子電圧VHを降圧する回路の一例である。高圧検出回路52は、オペアンプ70と、各抵抗体71~74とを有する差動増幅回路を備えている。本実施形態において、高圧検出回路52は、平滑コンデンサ24の端子電圧VHを、マイコン51に入力可能な電圧範囲(例えば0~5V)に降圧する変換機能を備えている。これは、本実施形態では、高圧電源30が高圧領域に備えられているのに対し、マイコン51及びASIC部63が低圧領域に備えられているためである。
DCDCコンバータ25から出力される高電位側接続点THの電位と低電位側接続点TLの電位との差は、複数の高抵抗体71によって分圧された後、オペアンプ70の反転入力端子に入力される。また、DCDCコンバータ25から出力された低電位側接続点TLの電位と接地電位(グランド電位)との差は、複数の高抵抗体72と、低抵抗体73とによって分圧され、オペアンプ70の非反転入力端子に入力される。オペアンプ70の反転入力端子と出力端子とは抵抗体74によって接続されている。
本実施形態において、高圧検出回路52は、平滑コンデンサ24の端子電圧VHが高いほど、高圧検出回路52の検出電圧VSを低くするように変換する。
マイコン51には、上位制御装置42から指令値が入力される。マイコン51は、回転電機10の制御量をその指令値に制御すべく、スイッチングデバイス部20の各スイッチSWH,SWLをオンオフさせるスイッチング指令を生成する。制御量は、例えばトルクである。
詳しくは、マイコン51は、スイッチング指令生成部を備えている。スイッチング指令生成部は、トルク指令値に基づいて、d,q軸指令電流Id*,Iq*を算出する。
スイッチング指令生成部は、相電流Irと、電気角θeとに基づいて、3相固定座標系におけるU,V,W相電流を、2相回転座標系(dq座標系)におけるd軸電流Idr及びq軸電流Iqrに変換する。
スイッチング指令生成部は、d軸指令電流Id*からd軸電流Idrを減算することにより、d軸電流偏差ΔIdを算出する。また、スイッチング指令生成部は、q軸指令電流Iq*からq軸電流Iqrを減算することにより、q軸電流偏差ΔIqを算出する。
スイッチング指令生成部は、d軸電流偏差ΔIdに基づいて、d軸電流Idrをd軸指令電流Id*にフィードバック制御するための操作量として、d軸指令電圧Vdを算出する。また、スイッチング指令生成部は、q軸電流偏差ΔIqに基づいて、q軸電流Iqrをq軸指令電流Iq*にフィードバック制御するための操作量として、q軸指令電圧Vqを算出する。なお、スイッチング指令生成部で用いられるフィードバック制御は、例えば比例積分制御とすればよい。
スイッチング指令生成部は、d,q軸指令電圧Vd,Vq及び電気角θeに基づいて、dq座標系におけるd,q軸指令電圧Vd,Vqを、3相固定座標系におけるU,V,W相指令電圧VU,VV,VWに変換する。本実施形態において、U,V,W相指令電圧VU,VV,VWは、電気角で位相が120°ずつずれた波形となる。
スイッチング指令生成部は、U,V,W相指令電圧VU,VV,VWと、高圧検出回路52の検出電圧VSとに基づいて、インバータ15を構成するU,V,W相における上,下アームスイッチSWH,SWLのスイッチング指令を生成する。スイッチング指令生成部は、例えば、U,V,W相指令電圧VU,VV,VWを高圧検出回路52の検出電圧VSの1/2で除算した値と、キャリア信号(例えば三角波信号)との大小比較に基づくPWM処理によってスイッチング指令を生成する。
制御回路50は、インターフェース部53を備えている。インターフェース部53には、マイコン51のスイッチング指令及び高圧検出回路52の検出電圧VSが入力される。インターフェース部53は、高圧検出回路52の検出電圧VSに基づいて、回転電機10の制御量を指令値に制御する通常時駆動制御と、過電圧異常が発生した場合に対処するべく実施される異常時制御とを切り替える。本実施形態において、異常時制御は、上アームスイッチSWHをオフし、下アームスイッチSWLをオンする三相短絡制御である。本実施形態では、三相短絡制御が実施されるのに先立ち、上,下アームスイッチSWH,SWLを強制的にオフするシャットダウン制御が実施される。インターフェース部53は、通常時駆動制御又は三相短絡制御を実施するべくオン指令又はオフ指令を出力する。なお、インターフェース部53は低圧領域に設けられている。本実施形態において、インターフェース部53が「異常時制御部」に相当する。
制御回路50は、ドライバ54を備えている。ドライバ54は、インターフェース部53のオン指令又はオフ指令に基づいて、スイッチングデバイス部20の各上,下アームスイッチSWH,SWLをオンオフする。本実施形態において、ドライバ54が「スイッチ駆動部」に相当する。
詳しくは、ドライバ54は、スイッチングデバイス部20を構成する各上アームスイッチSWH及び各下アームスイッチSWLに対応して個別に設けられている。このため、ドライバ54は合わせて6つ設けられている。各ドライバ54は、オン指令が入力された場合、対応する各スイッチSWH,SWLのゲートに充電電流を供給する。これにより、各スイッチSWH,SWLのゲート電圧が閾値電圧Vth以上となり、各スイッチSWH,SWLがオンされる。一方、各ドライバ54は、オフ指令が入力された場合、対応する各スイッチSWH,SWLのゲートからエミッタ側へと放電電流を流す。これにより、各スイッチSWH,SWLのゲート電圧が閾値電圧Vth未満となり、各スイッチSWH,SWLがオフされる。なお、本実施形態において、ドライバ54は高圧領域に備えられている。
制御回路50は、通常時駆動制御が正常に実施されているか否かを判定する制御判定部55を有している。制御判定部55は、高圧検出回路52の検出電圧VS、相電流Ir及び回転電機10の電気角θeのうち少なくとも1つが異常値となった場合、通常時駆動制御が正常に実施されていないと判定する。これにより、通常時駆動制御に用いられる構成のうち少なくとも1つに異常が発生していることを判定できる。通常時駆動制御に用いられる構成とは、例えば、相電流センサ40、角度センサ41、高圧検出回路52、マイコン51のスイッチング指令生成部、インターフェース部53、ドライバ54及び上,下アームスイッチSWH,SWL等である。
次に、制御システムに過電圧異常が発生したと判定された場合に実施される異常時制御について説明する。まず、本実施形態の説明に先立ち、図4を用いて比較例について説明する。
制御回路50は、第1接続経路L1、バッファ回路60及び第1ローパスフィルタ61を備えている。第1接続経路L1は、マイコン51と高圧検出回路52とを接続している。バッファ回路60及び第1ローパスフィルタ61は第1接続経路L1に設けられている。第1ローパスフィルタ61は、抵抗体及びコンデンサで構成されるアナログ回路である。高圧検出回路52の検出電圧VSがバッファ回路60に入力され、バッファ回路60の出力電圧が第1ローパスフィルタ61に入力される。第1ローパスフィルタ61から出力される制御用検出電圧VSaがマイコン51に入力される。
マイコン51のスイッチング指令生成部は、制御用検出電圧VSa、相電流Ir、電気角θe及び指令値に基づいて、各上アームスイッチSWHをオンオフさせる第1上アーム信号Sg1H、及び各下アームスイッチSWLをオンオフさせる第1下アーム信号Sg1Lを生成する。第1上,下アーム信号Sg1H,Sg1Lは、論理Hによってオン指令を示し、論理Lによってオフ指令を示す。第1上アーム信号Sg1Hは、各上アームスイッチSWHに対応する各上アームドライバ54aのPWM指令入力部に入力される。制御回路50は各相に対応したOR回路68を備えており、第1下アーム信号Sg1Lは、対応する各OR回路68に入力される。
制御回路50は、第2接続経路L2、第2ローパスフィルタ62及びASIC部63を備えている。第2接続経路L2は、第1接続経路L1のうち高圧検出回路52及びバッファ回路60の中間点と、ASIC部63とを接続している。第2ローパスフィルタ62は、第2接続経路L2に設けられている。第2ローパスフィルタ62は、抵抗体及びコンデンサで構成されるアナログ回路である。高圧検出回路52の検出電圧VSが第2ローパスフィルタ62に入力され、第2ローパスフィルタ62から判定用検出電圧VSbが出力される。判定用検出電圧VSbがASIC部63に入力される。ASIC部63及びOR回路68は、インターフェース部53を構成する。
第2ローパスフィルタ62の時定数τ2は、第1ローパスフィルタ61の時定数τ1よりも小さくされている。そのため、判定用検出電圧VSbは、制御用検出電圧VSaと比較して、平滑コンデンサ24の端子電圧VHの変化に対する応答が速くなるようにされている。
制御回路50は、定電圧源64、第1閾値用抵抗体65、第2閾値用抵抗体66及び第3接続経路L3を備えている。定電圧源64は、第1閾値用抵抗体65の第1端に接続されている。第1閾値用抵抗体65の第2端は、第2閾値用抵抗体66の第1端に接続されている。第2閾値用抵抗体66の第2端はグランドに接続されている。第3接続経路L3は、第1閾値用抵抗体65の第2端及び第2閾値用抵抗体66の第1端の接続点と、ASIC部63とを接続している。定電圧源64から供給される電圧値、及び第1,第2閾値用抵抗体65,66の抵抗値に基づいて、判定用閾値Vpが定められる。判定用閾値VpはASIC部63に入力される。
ASIC部63は、異常判定部67を備えている。異常判定部67には、判定用検出電圧VSb及び判定用閾値Vpが入力される。異常判定部67は、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満の場合、制御システムに過電圧異常が発生したと判定する。制御システムに過電圧異常が発生したと判定された場合、ASIC部63は、シャットダウン制御を実施し、その後三相短絡制御を実施する。
異常判定部67では、判定用検出電圧VSbに基づいて制御システムの過電圧異常が判定される。これは、第1ローパスフィルタ61よりも小さい時定数の第2ローパスフィルタ62を介して、高圧検出回路52の検出電圧VSを伝達することにより、制御システムの過電圧異常を早期に判定するためである。
異常判定部67により制御システムに過電圧異常が発生したと判定された場合、ASIC部63は、シャットダウン制御を実施するべく、第2上アーム信号Sg2H及び第2下アーム信号Sg2Lの論理をLにする。ここで、第2上,下アーム信号Sg2H,Sg2Lは、論理Lによってシャットダウン制御の実行指令を示し、論理Hによってシャットダウン制御の解除指令を示す。第2上アーム信号Sg2Hは、上アームドライバ54aのシャットダウン指令入力部に入力される。第2下アーム信号Sg2Lは下アームドライバ54bのシャットダウン指令入力部に入力される。
ASIC部63は、シャットダウン制御を実施した後、三相短絡制御を実施するべく、第2下アーム信号Sg2Lの論理をHにし、第3下アーム信号Sg3Lの論理をHにする。ここで、第3下アーム信号Sg3Lは、論理Hによって三相短絡制御の実行指令を示し、論理Lによって三相短絡制御の解除指令を示す。第3下アーム信号Sg3LはOR回路68に入力される。
OR回路68は、第1下アーム信号Sg1L及び第3下アーム信号Sg3Lのうち少なくとも一方の論理がHとされた場合、論理Hのオン指令を出力する。一方、OR回路68は、第1下アーム信号Sg1L及び第3下アーム信号Sg3Lの論理がLとされた場合、論理Lのオフ指令を出力する。OR回路68の出力信号は下アームドライバ54bのPWM指令入力部へと出力される。
OR回路68は、例えば、第1,第2ダイオード及び抵抗体によって構成される。詳しくは、第1ダイオードのアノードがマイコン51の第1下アーム信号Sg1Lの出力部に接続され、第2ダイオードのアノードがASIC部63の第3下アーム信号Sg3Lの出力部に接続されている。第1,第2ダイオードのカソードが抵抗体の第1端に接続されている。抵抗体の第2端がグランドに接続されている。
図5に、上述した比較例において、制御システムに過電圧異常が発生した場合、シャットダウン制御が実施された後、三相短絡制御が実施される一例を示す。図5において、(a)は判定用検出電圧VSbの推移を示し、(b)は第1上アーム信号Sg1Hの状態を示し、(c)は第1下アーム信号Sg1Lの状態を示し、(d)は第2上アーム信号Sg2Hの状態を示し、(e)は第2下アーム信号Sg2Lの状態を示し、(f)は第3下アーム信号Sg3Lの状態を示し、(g)は上アームスイッチSWHのゲート電圧VgHの推移を示し、(h)は下アームスイッチSWLのゲート電圧VgLの推移を示す。
時刻t1において、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満となり、異常判定部67により制御システムに過電圧異常が発生したと判定される。これにより、第1上,下アーム信号Sg1H,Sg1Lは、通常時駆動制御における信号の状態から論理Lに切り替えられる。
時刻t1からフィルタ時間tfが経過するまでの期間に亘って、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満になる状態が継続したと異常判定部67により判定される。このため、時刻t1からフィルタ時間tfだけ経過した時刻t2において、第2上,下アーム信号Sg2H,Sg2Lは、通常時駆動制御における信号の状態から論理Lに切り替えられる。これにより、上アームスイッチSWHのゲート電圧VgHが低下し始める。時刻t3において、上アームスイッチSWHのゲート電圧VgHが閾値電圧Vth未満となることにより、上アームスイッチSWHがオフされ、シャットダウン制御が実施される。
時刻t4において、第2下アーム信号Sg2L及び第3下アーム信号Sg3Lの論理がHに切り替えられる。これにより、下アームスイッチSWLにおいて、シャットダウン制御の解除指令が出力され、三相短絡制御の実行指令が出力される。そのため、下アームスイッチSWLのゲート電圧VgLが上昇し始める。時刻t5において、下アームスイッチSWLのゲート電圧VgLが閾値電圧Vthより高くなることにより、下アームスイッチSWLがオンされ、三相短絡制御が実施される。その結果、平滑コンデンサ24の端子電圧VHの上昇が抑制されるため、判定用検出電圧VSbの低下が抑制される。
比較例では、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生した場合、三相短絡制御を実施するべき状況であるにもかかわらず、三相短絡制御が実施されないことが懸念される。過電圧異常を判定できなくなる異常は、高圧検出回路52、第2ローパスフィルタ62、ASIC部63、定電圧源64及び第1,第2閾値用抵抗体65,66のうち少なくとも1つに異常が発生した場合に生じる。そこで、本実施形態では、制御回路50は、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる構成とされる。
図6に、本実施形態における制御回路50の構成を示す。図6において、先の図4の比較例に示した構成については、便宜上、同一の符号を付している。なお、本実施形態において、高圧検出回路52としては、先の図3に示した構成が用いられる。
制御回路50は、電圧変更用スイッチ80及び第4接続経路L4を備えている。本実施形態では、電圧変更用スイッチ80として、NPN型バイポーラトランジスタにベース抵抗及びベースエミッタ間抵抗が内蔵された抵抗内蔵トランジスタが用いられている。電圧変更用スイッチ80のコレクタは、第2接続経路L2のうち第2ローパスフィルタ62と、ASIC部63との間にある第1中間点N1に接続されている。電圧変更用スイッチ80のエミッタはグランドに接続されている。電圧変更用スイッチ80のベースは、マイコン51に接続されている。なお、本実施形態において、第1接続経路L1、バッファ回路60及び第1ローパスフィルタ61が「第1伝達部」に相当し、第2接続経路L2、第4接続経路L4、第2ローパスフィルタ62及び電圧変更用スイッチ80が「第2伝達部」に相当する。
第4接続経路L4は、第2接続経路L2のうち第2ローパスフィルタ62及び第1中間点N1の間にある第2中間点N2と、マイコン51とを接続している。これにより、判定用検出電圧VSbがマイコン51に入力される。
各上アームドライバ54aは、各上アームスイッチSWHの駆動状態を伝達する上アームモニタ用信号SgmHをマイコン51に出力する。上アームモニタ用信号SgmHは、論理Hによって上アームスイッチSWHがオンされていることを示し、論理Lによって上アームスイッチSWHがオフされていることを示す。これにより、マイコン51は、各上アームスイッチSWHのオンオフを把握する。
各下アームドライバ54bは、各下アームスイッチSWLの駆動状態を伝達する下アームモニタ用信号SgmLをマイコン51に出力する。下アームモニタ用信号SgmLは、論理Hによって下アームスイッチSWLがオンされていることを示し、論理Lによって下アームスイッチSWLがオフされていることを示す。これにより、マイコン51は、各下アームスイッチSWLのオンオフを把握する。
次に、マイコン51によって実施される疑似異常処理について説明する。疑似異常処理とは、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp以上の状態において、判定用検出電圧VSbを判定用閾値Vp未満にする処理である。
マイコン51は、疑似異常処理を実施する場合、電圧変更信号Sg4の論理をHにする。ここで、電圧変更信号Sg4は、電圧変更用スイッチ80のベースに出力される信号であり、論理Hによって電圧変更用スイッチ80のオン指令を示し、論理Lによって電圧変更用スイッチ80のオフ指令を示す。電圧変更用スイッチ80がオンされることにより、第2接続経路L2がグランドに接続され、判定用検出電圧VSbが0Vにされる。これにより、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされる。本実施形態において、マイコン51が「処理部」に相当する。
続いて、図7を用いて、疑似異常処理を含むマイコン51の処理について説明する。なお、この処理は、例えば、1トリップに1回実施されてもよいし、車両の走行距離が所定距離になるたびに実施されてもよい。また、この処理は、制御回路50が起動又は停止されるタイミングに実施されるとよい。
ステップS10において、判定用検出電圧VSbを取得する。
ステップS11において、電圧変更信号Sg4の論理をHにする疑似異常処理を実施する。これにより、判定用検出電圧VSbは、ステップS10において取得した値から0Vに低下する。ステップS12において、電圧変更信号Sg4の論理をHに切り替えてから所定時間Tp以内に、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満となったか否かを判定する。所定時間Tpは、例えば、高圧検出回路52、第2ローパスフィルタ62、ASIC部63、定電圧源64及び第1,第2閾値用抵抗体65,66が正常な場合において、判定用検出電圧VSbが0Vまで低下するのに要する十分な時間に設定されればよい。本実施形態において、ステップS12が「電圧判定部」に相当する。
ステップS12において肯定判定された場合、第2上アーム信号Sg2Hの論理がLにされ、第2,第3下アーム信号Sg2L,Sg3Lの論理がHにされる。これにより、上アームスイッチSWHがオフされ、下アームスイッチSWLがオンされる。上アームスイッチSWHがオフされると上アームモニタ用信号SgmHの論理がLにされ、下アームスイッチSWLがオンされると下アームモニタ用信号SgmLの論理がHにされる。また、ステップS12において肯定判定された場合、ステップS13に進み、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生していないと判定する。一方、ステップS12において否定判定された場合、ステップS14に進み、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生していると判定する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
疑似異常処理が実施されることにより、判定用検出電圧VSbが0Vに変更される構成とした。これにより、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされ、異常判定部67により制御システムに過電圧異常が発生したと判定される状態が模擬される。この際、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされない場合、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる。
本実施形態では、制御用検出電圧VSa及び判定用検出電圧VSbのうち、判定用検出電圧VSbにより制御システムの過電圧異常が判定される。そこで、疑似異常処理が実施された場合においても、判定用検出電圧VSbを用いて、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したか否かが判定される構成とした。これにより、過電圧異常が判定される場合と、疑似異常処理が実施され、過電圧異常を判定できなくなる異常が判定される場合との条件を揃えることができる。その結果、過電圧異常を判定できなくなる異常が判定される条件の違いにより生じる誤判定を抑制することができる。
疑似異常処理が実施されてから、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされるまでには、短いながらもある程度の時間を要する。そのため、疑似異常処理が実施されてから所定時間Tpが経過したのにもかかわらず、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満であると判定されない場合、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生している可能性がある。また、所定時間Tpが経過した後、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満であると判定された場合であっても、その後に三相短絡制御が速やかに実施されない問題が生じるため、正常に過電圧異常を判定できていない可能性がある。
そこで、本実施形態において、疑似異常処理が実施されてから所定時間Tp内に、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされない場合、過電圧異常を判定できない異常が発生していると判定する構成とした。これにより、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを的確に判定することができる。
通常時駆動制御が実施される場合において、通常時駆動制御が正常に実施されているか否かが判定される構成とした。これにより、通常時駆動制御に用いられる構成に異常が発生していることを判定することができる。その結果、通常時駆動制御に用いられる構成の異常により、三相短絡制御を実施するべき状況であるにもかかわらず、三相短絡制御が実施されない事態の発生を抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、疑似異常処理として、判定用検出電圧VSbを低減する処理に代えて、判定用閾値Vpを上昇させる処理が行われる。
図8に、本実施形態における制御回路50の構成を示す。図8において、先の図6に示した構成については、便宜上、同一の符号を付している。制御回路50は、定電圧電源である閾値用電源81、第1閾値用スイッチ82、第2閾値用スイッチ83及び第5接続経路L5を備えている。本実施形態では、第1閾値用スイッチ82として、PNP型バイポーラトランジスタにベース抵抗及びベースエミッタ間抵抗が内蔵された抵抗内蔵トランジスタが用いられている。また、第2閾値用スイッチ83として、NPN型バイポーラトランジスタにベース抵抗及びベースエミッタ間抵抗が内蔵された抵抗内蔵トランジスタが用いられている。
第1閾値用スイッチ82のコレクタは第3接続経路L3に設けられた第3中間点N3に接続され、第1閾値用スイッチ82のエミッタは閾値用電源81に接続されている。第2閾値用スイッチ83のコレクタは第1閾値用スイッチ82のベースに接続され、第2閾値用スイッチ83のエミッタはグランドに接続されている。第2閾値用スイッチ83のベースはマイコン51に接続されている。第5接続経路L5は、第3接続経路L3のうち第3中間点N3及びASIC部63の間にある第4中間点N4と、マイコン51とを接続している。本実施形態において、判定用閾値Vpは、第5接続経路L5を介してマイコン51に入力され、第3接続経路L3を介してASIC部63に入力される。なお、本実施形態において、判定用閾値Vpが「閾値」に相当する。
マイコン51は、疑似異常処理を実施する場合、閾値変更信号Sg5の論理をHにする。ここで、閾値変更信号Sg5は、第2閾値用スイッチ83のベースに出力される信号であり、論理Hによって第2閾値用スイッチ83のオン指令を示し、論理Lによって第2閾値用スイッチ83のオフ指令を示す。第2閾値用スイッチ83がオンされることにより、第1閾値用スイッチ82のベースがグランドに接続される。これにより、第1閾値用スイッチ82がオンされ、閾値用電源81の電圧が供給される。その結果、第3接続経路L3の電圧が上昇するため、判定用閾値Vpが上昇する。本実施形態において、判定用閾値Vpは、マイコン51に入力可能な電圧範囲の上限電圧まで上昇する。
図9を用いて、疑似異常処理を含むマイコン51の処理について説明する。図9において、先の図7に示した処理については、便宜上、同一の符号を付している。先の図7に示す処理では、ステップS11の処理を実施したが、図9に示す処理では、ステップS15の処理を実施する。ステップS15において、疑似異常処理として、閾値変更信号Sg5の論理をHにする。これにより、判定用閾値Vpがマイコン51に入力可能な電圧範囲の上限電圧まで上昇する。
制御システムの起動中において、判定用検出電圧VSbは、マイコン51に入力可能な電圧範囲の中間値とされる。そのため、判定用閾値Vpがマイコン51に入力可能な電圧範囲の上限電圧まで上昇した場合、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされる。よって、本実施形態においても、疑似異常処理が実施された場合、異常判定部67により制御システムに過電圧異常が発生したと判定される状態が模擬される。この際、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされない場合、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、疑似異常処理として、判定用検出電圧VSbを低減する処理に代えて、DCDCコンバータ25の出力電圧の制御により平滑コンデンサ24の端子電圧VHを上昇させる処理が行われる。
図10を用いて、疑似異常処理を含むマイコン51の処理について説明する。図10において、先の図7に示した処理については、便宜上、同一の符号を付している。先の図7に示す処理では、ステップS11の処理を実施したが、図10に示す処理では、ステップS16の処理を実施する。ステップS16において、疑似異常処理として、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満となるように、DCDCコンバータ25の出力電圧の目標値を上昇させる。これにより、平滑コンデンサ24の端子電圧VHが上昇する。
本実施形態においても、疑似異常処理が実施され、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされることにより、異常判定部67により制御システムに過電圧異常が発生したと判定される状態が模擬される。この際、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされない場合、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる。
DCDCコンバータ25の出力電圧の目標値を上昇させる昇圧制御により平滑コンデンサ24の端子電圧VHを上昇させた。そのため、疑似異常処理により、高圧領域の構成(例えば高圧検出回路52の高圧領域側)も正常に動作するか否かをチェックできる。これにより、高圧領域の構成において異常が発生した場合においても、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。第1実施形態では、疑似異常処理が実施されることにより、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされたか否かが判定された。それに加えて、本実施形態では、上,下アームスイッチSWH,SWLの駆動状態に基づいて、三相短絡制御が実施されたか否かが判定される。
図11を用いて、疑似異常処理を含むマイコン51の処理について説明する。図11において、先の図7に示した処理については、便宜上、同一の符号を付している。図11に示す処理では、ステップS17の処理が追加されている。
ステップS12において肯定判定された場合、ステップS17に進む。ステップS17では、上アームモニタ用信号SgmHに基づいて、上アームスイッチSWHがオフされているか否かを判定する。また、下アームモニタ用信号SgmLに基づいて、下アームスイッチSWLがオンされているか否かを判定する。ステップS17において、肯定判定された場合はステップS13に進み、否定判定された場合はステップS14に進む。本実施形態において、ステップS17が「駆動判定部」に相当する。
以上説明した本実施形態によれば、疑似異常処理が実施され、過電圧異常が発生した状態が模擬されたにもかかわらず、三相短絡制御が実施されない場合、過電圧異常を判定できなくなる異常が発生したことを判定することができる。その結果、三相短絡制御を実施するべき状況であるにもかかわらず、三相短絡制御が実施されない事態の発生を抑制することができる。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・ステップS12の判定を実施するのは、マイコン51に限られず、ASIC部63であってもよい。この場合、ASIC部63は「電圧判定部」を含む。
・第1接続経路L1、バッファ回路60及び第1ローパスフィルタ61は制御回路50に備えられていなくてもよい。この場合、制御回路50において判定用検出電圧VSbがマイコン51に入力される構成とされ、マイコン51は、判定用検出電圧VSbに基づいて、スイッチング指令を生成すればよい。
・疑似異常処理として、第1~第3実施形態において説明した処理を組み合わせた処理が実施されてもよい。例えば、疑似異常処理が実施される場合、判定用検出電圧VSbが低減されつつ、判定用閾値Vpが上昇されることにより、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vp未満とされてもよい。これにより、異常判定部67により制御システムに過電圧異常が発生したと判定される状態が模擬される。
・高圧検出回路52は、平滑コンデンサ24の端子電圧VHが高いほど、検出電圧VSを低くするように変換するものに限らない。高圧検出回路52は、平滑コンデンサ24の端子電圧VHが高いほど、検出電圧VSを高くするように変換するものであってもよい。この場合、異常判定部67は、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vpより高い場合、制御システムに異常が発生したと判定すればよい。
疑似異常処理においては、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vpよりも高くなるように、判定用検出電圧VSb及び判定用閾値Vpのうち少なくとも一方を変更すればよい。例えば、判定用検出電圧VSbを5Vまで上昇させればよい。また、例えば、判定用閾値Vpを0Vまで低減すればよい。この場合、ステップS12において、マイコン51は、疑似異常処理が実施されてから所定時間Tp以内に、判定用検出電圧VSbが判定用閾値Vpよりも高くなったか否かを判定すればよい。
・三相短絡制御として、3相分の上アームスイッチSWHをオンし、かつ、3相分の下アームスイッチSWLをオフする制御が行われてもよい。
・制御システムに過電圧異常が発生したと判定された場合、シャットダウン制御のみが実施されてもよい。ここで、ステップS12において肯定判定された場合、異常判定部67によりシャットダウン制御を実施するべく、第2上,下アーム信号Sg2H,Sg2Lの論理がLにされる。これにより、上,下アームスイッチSWH,SWLがオフされる。上,下アームスイッチSWH,SWLがオフされることにより、上,下アームモニタ用信号SgmH,SgmLの論理がLにされる。第4実施形態のステップS17では、上アームモニタ用信号SgmHに基づいて、上アームスイッチSWHがオフされているか否かを判定すればよい。また、下アームモニタ用信号SgmLに基づいて、下アームスイッチSWLがオフされているか否かを判定すればよい。
・スイッチングデバイス部20を構成するスイッチSWH,SWLとしては、IGBTに限らず、例えばボディダイオードを内蔵するNチャネルMOSFETであってもよい。
・回転電機10の制御量としては、トルクに限らず、例えば、回転電機10のロータの回転速度であってもよい。
・回転電機10としては、永久磁石同期機に限らず、例えば巻線界磁型同期機であってもよい。また、回転電機10としては、同期機に限らず、例えば誘導機であってもよい。さらに、回転電機10としては、車載主機として用いられるものに限らず、電動パワーステアリング装置や空調用電動コンプレッサを構成する電動機等、他の用途に用いられるものであってもよい。
・DCDCコンバータ25は制御システムに備えられていなくてもよい。
・制御システムが搭載される移動体としては、車両に限らず、例えば、航空機又は船舶であってもよい。また、制御システムの搭載先としては、移動体に限らない。
・本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10…回転電機、15…インバータ、30…高圧電源、50…制御回路、51…マイコン、52…高圧検出回路、63…ASIC部、SWH,SWL…上,下アームスイッチ。

Claims (10)

  1. 蓄電部(24)と、
    多相の回転電機(10)と、
    前記回転電機の各相の巻線(11)と前記蓄電部とに電気的に接続された上下アームのスイッチ(SWH,SWL)を有する電力変換器(15)と、を備えるシステムに適用される電力変換器の制御回路(50)において、
    前記蓄電部の出力電圧を検出する電圧検出部(52)と、
    前記電圧検出部の検出電圧が閾値を跨ぐことにより、前記システムに過電圧異常が発生したと判定する異常判定部(67)と、
    前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いでいない状態において、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態にする疑似異常処理を実施する処理部(51)と
    前記システムに過電圧異常が発生したと判定された場合、上下アームのうちいずれか一方のアームにおける前記スイッチをオンし、他方のアームにおける前記スイッチをオフする短絡制御、又は上下アームの前記スイッチを強制的にオフするシャットダウン制御のいずれかである異常時制御を実施する異常時制御部(53)と、
    前記疑似異常処理が実施された場合、上下アームの前記スイッチの駆動状態に基づいて前記異常時制御が実施されたか否かを判定する駆動判定部と、を備える電力変換器の制御回路。
  2. 前記処理部は、前記疑似異常処理として、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態になるように、前記電圧検出部の検出電圧を変更する処理を行う請求項に記載の電力変換器の制御回路。
  3. 前記電圧検出部は、前記蓄電部の出力電圧を降圧するとともに降圧した電圧を検出する請求項に記載の電力変換器の制御回路。
  4. 蓄電部(24)と、
    多相の回転電機(10)と、
    前記回転電機の各相の巻線(11)と前記蓄電部とに電気的に接続された上下アームのスイッチ(SWH,SWL)を有する電力変換器(15)と
    直流電源(30)と、
    前記直流電源の出力電圧を昇圧し、前記蓄電部に出力する昇圧回路(25)と、を備えるシステムに適用される電力変換器の制御回路(50)において、
    前記蓄電部の出力電圧を検出する電圧検出部(52)と、
    前記電圧検出部の検出電圧が閾値を跨ぐことにより、前記システムに過電圧異常が発生したと判定する異常判定部(67)と、
    前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いでいない状態において、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態にする疑似異常処理を実施する処理部(51)と、を備え
    前記電圧検出部は、前記蓄電部の出力電圧を降圧するとともに降圧した電圧を検出し、
    前記処理部は、前記昇圧回路の出力電圧を制御可能であり、前記疑似異常処理として、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態となるように、前記昇圧回路の出力電圧を上昇させる処理を行う電力変換器の制御回路。
  5. 蓄電部(24)と、
    多相の回転電機(10)と、
    前記回転電機の各相の巻線(11)と前記蓄電部とに電気的に接続された上下アームのスイッチ(SWH,SWL)を有する電力変換器(15)と、を備えるシステムに適用される電力変換器の制御回路(50)において、
    前記蓄電部の出力電圧を検出する電圧検出部(52)と、
    前記電圧検出部の検出電圧が閾値を跨ぐことにより、前記システムに過電圧異常が発生したと判定する異常判定部(67)と、
    前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いでいない状態において、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態にする疑似異常処理を実施する処理部(51)と、を備え
    前記処理部は、前記疑似異常処理として、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態になるように、前記閾値を変更する処理を行う電力変換器の制御回路。
  6. 前記疑似異常処理が実施されてから所定時間内に、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨がない場合、前記過電圧異常を判定できない異常が発生していると判定する電圧判定部を備える請求項1~5のいずれか一項に記載の電力変換器の制御回路。
  7. 前記回転電機の制御量を指令値に制御するスイッチング指令を生成するスイッチング指令生成部(51)と、
    前記スイッチング指令に基づいて、上下アームの前記スイッチをオンオフする通常時駆動制御を実施するスイッチ駆動部(54)と、
    前記回転電機の駆動状態に基づいて、前記通常時駆動制御を実施できなくなる異常が発生しているか否かを判定する制御判定部(55)と、を備える請求項1~6のいずれか一項に記載の電力変換器の制御回路。
  8. 前記電圧検出部の検出電圧を伝達する第1伝達部(60,61,L1)と、
    前記第1伝達部を介して入力された前記電圧検出部の検出電圧に基づいて、前記回転電機の制御量を指令値に制御するスイッチング指令を生成するスイッチング指令生成部(51)と、
    前記電圧検出部の検出電圧を前記異常判定部に伝達する第2伝達部(62,80,L2,L4)と、
    前記疑似異常処理が実施された場合、前記第2伝達部を介して入力された前記電圧検出部の検出電圧に基づいて、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨いだ状態にされたか否かを判定する電圧判定部と、を備える請求項2~4のいずれか一項に記載の電力変換器の制御回路。
  9. 前記電圧判定部は、前記疑似異常処理が実施されてから所定時間内に、前記電圧検出部の検出電圧が前記閾値を跨がない場合、前記過電圧異常を判定できない異常が発生していると判定する請求項に記載の電力変換器の制御回路。
  10. 前記スイッチング指令に基づいて、上下アームの前記スイッチをオンオフする通常時駆動制御を実施するスイッチ駆動部(54)と、
    前記回転電機の駆動状態に基づいて、前記通常時駆動制御を実施できなくなる異常が発生しているか否かを判定する制御判定部(55)と、を備える請求項又はに記載の電力変換器の制御回路。
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