JP7275646B2 - 車両の走行制御方法及び走行制御装置 - Google Patents

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Description

本願発明は、自車両の走行を制御するための走行制御方法及び走行制御装置に関する。
従来の車両の走行制御装置では、自車両の自動運転制御の実行時に、車両速度及び目標軌道の旋回半径に応じて自車両の旋回時のスリップ角特性を変更し、車体が旋回内側を向いてオーバーステア状態となるように、自車両の走行を制御していた(特許文献1)。
国際公開第2014/016947号
しかしながら、特許文献1に示す車両の走行制御装置では、スリップ角特性を算出するための規範モデルは、自車両の定常旋回走行にのみ対応して設定されている。そのため、コーナーの入り口付近、すなわち、コーナーイン区間のように、自車両が過渡的な旋回を行う場合は、過渡的な旋回状態にスリップ角を適切に対応させることができず、旋回時の位相遅れが発生してしまう可能性があった。
本願発明が解決しようとする課題は、自車両がコーナーイン区間を過渡的な旋回状態で走行している場合に、自車両の走行を適切に制御することができる車両の走行制御方法及び走行制御装置を提供することである。
本願発明に係る車両の走行制御方法及び走行制御装置は、自車両がコーナーイン区間を走行せずに定常旋回走行を行っている間は、定常特性を用いて自車両の目標車体スリップ角を生成し、自車両がコーナーイン区間を走行している間は、定常特性とは異なる過渡特性を用いて、定常旋回走行を行っている時の前記目標車体スリップ角よりも大きい自車両の目標車体スリップ角を生成することにより、上記課題を解決する。
本願発明に係る車両の走行制御方法及び走行制御装置によれば、自車両がコーナーイン区間を過渡的な旋回状態で走行している場合に、自車両の走行を適切に制御することができるという効果を奏する。
本願発明の実施の形態に係る車両の走行制御装置を含む車両走行制御システムの構成を示すブロック図である。 図1に示す走行制御装置による自車両の走行制御の概要を示すフローチャートである。 図1に示す走行制御装置による自車両の挙動制御の概要を示すフローチャートである。 自車両が走行する目標軌道及び目標軌道上のコーナーイン区間の例を示す模式図である。 自車両の旋回走行時のスリップ角の例を示す図である。 図1に示す走行制御装置による、自車両のコーナーイン区間走行時のシャシー制御の概要を示すフローチャートである。 自車両が定常旋回走行を行う場合の目標軌道の曲率分布を示すグラフである。 目標軌道のコーナーイン区間において、自車両が過渡的な旋回状態で走行を行う場合の曲率分布を示すグラフである。 コーナーイン区間の曲率平均とコーナーイン強度との関係を示すグラフである。
以下、本願発明の実施の形態に係る走行制御装置100について、図面に基づいて説明する。特に、走行制御装置100による全体的な自動運転制御の概要については、図1~3を用いて説明し、走行制御装置100による自車両Kの旋回走行時のシャシー制御方法については、図4~8を用いて詳細に説明する。
図1は、走行制御装置100を含む走行制御システム101の構成を示すブロック図である。なお、本願発明に係る車両の走行制御方法及び車両の走行制御装置100は、自車両Kの駆動系アクチュエータ11、制動系アクチュエータ12及び操舵系アクチュエータ13の挙動をコンピュータによって自律制御するための走行制御方法及び走行制御装置である。
走行制御装置100は、一又は複数のコンピュータ及び当該コンピュータにインストールされたソフトウェアにより構成される。走行制御装置100は、現在地から目的地までの自車両Kの目標軌道を決定する軌道制御器8と、軌道制御器8からの指令に基づいて自車両Kの駆動系アクチュエータ11、制動系アクチュエータ12及び操舵系アクチュエータ13を制御する運動制御器9とを備える。すなわち、走行制御装置100は、軌道制御器8及び運動制御器9の各機能を発揮させるためのプログラムを格納したROMと、このROMに格納されたプログラムを実行するCPUと、アクセス可能な記憶装置として機能するRAMとから構成される。なお、動作回路としては、CPUに代えて又はこれとともに、MPU、DSP、ASIC、FPGA等を用いることができる。
軌道制御器8は、ナビゲーション装置1、地図データベース2、自車両位置検出器3、カメラ4、レーダー装置5、車速センサ6及び入力部7からの情報に基づき、現在地から目的地までの自車両Kの目標軌道を演算して決定する。軌道制御器8によって決定された目標軌道は、1つ以上の車線、直線状のライン、曲率を有するカーブ若しくは進行方向を含む進路、又はこれらの組み合わせを含むデータとして出力される。また、軌道制御器8は、現在地における要求縦力FxAD及び要求横力FyADを所定の時間間隔で演算して出力する。一方、運動制御器9は、軌道制御器8によって決定された軌道の情報に基づいて、自車両Kの駆動系アクチュエータ11、制動系アクチュエータ12及び操舵系アクチュエータ13の挙動を制御する。
ナビゲーション装置1は、自車両Kの現在位置に関する情報や目的地までの走行ルート等の情報を表示可能なディスプレイと、入力された目的地及び自車両位置検出器3により検出された現在地から、選択された経路演算モードに応じた走行経路を演算するプログラムが実装されたコンピュータとを備える。
地図データベース2には、データ取得用車両を用いて実際の道路を走行した際に検出された道路形状に基づく三次元高精細地図情報が格納されている。この地図データベース2が記憶する三次元高精細地図情報には、地図情報とともに、各地図座標における境界情報、二次元位置情報、三次元位置情報、道路情報、道路属性情報、上り情報、下り情報、レーン識別情報、接続先レーン情報等が含まれている。道路情報及び道路属性には、道路幅、曲率半径、路肩構造物、道路交通法規(制限速度、車線変更の可否)、道路の合流地点、分岐地点、料金所、車線数の減少位置、サービスエリア/パーキングエリア等の情報が含まれている。
自車両位置検出器3は、GPSユニット、ジャイロセンサ、および車速センサ等から構成される。自車両位置検出器3は、GPSユニットにより複数の衛星通信から送信される電波を検出し、自車両Kの位置情報を周期的に取得するとともに、取得した自車両Kの位置情報と、ジャイロセンサから取得した角度変化情報と、車速センサから取得した車速とに基づいて、自車両Kの現在の位置情報を周期的に検出する。
カメラ4は、CCD広角カメラ等のイメージセンサからなり、自車両Kに前方、後方及び必要に応じて両側方に設けられ、自車両Kの周囲を撮像して画像情報を取得する。カメラ4は、ステレオカメラや全方位カメラであってもよく、複数のイメージセンサを含むようにしてもよい。カメラ4は、取得した画像データから、自車両Kの前方に存在する道路及び道路周辺の構造物、道路標示、標識、他車両、二輪車、自転車、歩行者等を自車両Kの周囲状況として検出する。
レーダー装置5は、自車両Kの前方、後方及び両側方に設けられ、ミリ波又は超音波を自車両Kの周囲に照射して自車両Kの周囲の所定範囲を走査し、自車両Kの周囲に存在する他車両、二輪車、自転車、歩行者、路肩の縁石、ガードレール、壁面、盛り土等の障害物を検出する。例えば、レーダー装置5は、障害物と自車両Kとの相対位置(方位)、障害物の相対速度、自車両Kから障害物までの距離等を自車両Kの周囲状況として検出する。
車速センサ6は、ドライブシャフト等の自車両Kの駆動系アクチュエータ11の回転速度を計測し、これに基づいて自車両Kの走行速度を検出する。入力部7は、機械的スイッチや、ディスプレイに表示された電子的スイッチ等から構成され、ドライバによって、目的地等の情報及び自動運転を行うか否かの決定が入力される。
次に、走行制御装置100による全体的な制御の概要について、図2を用いて説明する。
まず、走行制御装置100は、自車両位置検出器3によって得られた自車両Kの位置情報及び地図データベース2の地図情報により、自己位置の推定を行う(ステップS1)。また、走行制御装置100は、カメラ4及びレーダー装置5によって、自車両Kの周囲の歩行者その他の障害物を認識する(ステップS2)。そして、ステップS1で推定された自己位置の情報と、ステップS2で認識された障害物等の情報とが、地図データベース2の地図上に展開されて表示される(ステップS3)。
さらに、入力部7から目的地が入力され、自律走行制御の開始指示が入力されると、地図データベース2の地図上に目的地が設定され(ステップS4)、ナビゲーション装置1及び地図データベース2を用いて、現在地から目的地までのルートプランニングがなされる(ステップS5)。そして、地図上に展開された情報に基づいて、自車両Kの行動が決定される(ステップS6)。具体的には、たとえばプラニングされたルートに存在する複数の交差点の各位置において、自車両Kがどの方向に曲がるか等が決定される。そして次に、カメラ4又はレーダー装置5により認識された障害物等の情報に基づき、地図データベース2の地図上において、ドライブゾーンプランニングが行われる(ステップS7)。具体的には、障害物との関係を考慮すると、ルート上の所定位置又は所定間隔において、自車両Kがどの車線を走行するべきか等が適宜設定される。そして、軌道制御器8は、入力された現在地及び目的地の位置情報、設定されたルート情報、自車両Kの行動及びドライブゾーンの情報に基づいて、自車両Kの目標軌道を設定する(ステップS8)。さらに、運動制御器9は、目標軌道に自車両Kが追従するように、自車両Kの挙動を制御する(ステップS9)。
次に、運動制御器9による自車両Kの挙動制御の概要について、図3を用いて説明する。
本実施形態の走行制御装置100の制御モードは、ドライバによって、自車両Kの自律走行制御を実行する自律走行モードと、自律走行制御を実行しないでドライバの運転操作によって自車両Kを走行させる手動走行モードとが選択可能である。たとえば、ドライバが入力部7の自律走行モードを選択することで、自律走行制御の実行が開始され、入力部7の自律走行モードの終了を選択することで自律走行制御が終了して手動走行モードに遷移する。また、自律走行制御の実行中に、ハンドル操作、ブレーキ操作又はアクセル操作といったドライバによる操作介入がされた場合、手動操作は自律走行制御に対して優先する。
運動制御器9には、自動運転階層の軌道制御器8が目標軌道に応じて生成する要求縦力FxAD及び要求横力FyADに基づく指令値が入力される(ステップS11)。また、運動制御器9には、ドライバのマニュアル操作に基づく指令値が、並行して入力される(ステップS12)。運動制御器9は、自律走行モードによる指令値と、手動操作に基づく指令値とを調整し(ステップS13)、縦力指令値Fx及び横力指令値Fyを出力する(ステップS14)。例えば、ステップS13の調整では、手動操作を自律走行制御に対して優先するといった内容が定義される。そして、縦力指令値Fx及び横力指令値Fyに基づいて、自車両Kが目標軌道に追従して走行するように、車体の挙動が制御されるとともに(ステップS15)、車輪の挙動が制御される(ステップS16)。その結果、これらの制御によって、自車両Kの駆動系アクチュエータ11、制動系アクチュエータ12及び操舵系アクチュエータ13が作動される(ステップS17)。
ステップS15の車体挙動制御及びステップS16の車輪挙動制御は、ステップS14において運動制御器9が出力する縦力指令値Fx及び横力指令値Fyに基づいて制御される。なお、自律走行モードでは、車体の挙動安定性及び車輪の挙動安定性が最適化できる制御範囲において、軌道制御器8によって出力される要求縦力FxAD及び要求横力FyADが最も反映されるように、縦力指令値Fx及び横力指令値Fyが選択される。
さらに、ステップS15の車体挙動制御及びステップS16の車輪挙動制御において、運動制御器9は、軌道制御器8が出力した目標軌道に自車両Kが追従するように、自車両Kの旋回走行時の目標車体スリップ角βを算出する。目標車体スリップ角βは、図4に示すように、自車両Kが定常旋回走行を行っている時と、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している時とでは、各々異なるスリップ角特性に基づいて算出される。
なお、図4に示すように、コーナーイン区間Cは、目標軌道T上のコーナーの入り口近傍の区間であり、自車両Kの走行状態が直進走行から定常旋回走行に移行する間の区間である。コーナーイン区間Cにおける自車両Kの走行状態は、過渡旋回走行状態となる。
図5に示すように、目標車体スリップ角βは、自車両Kが目標軌道Tに追従するための旋回走行方向Dと自車両Kの車軸方向との間の角度である。ここで、目標車体スリップ角βを算出するためのスリップ角特性は、定常特性及び過渡特性を含む。スリップ角特性は、目標軌道Tの情報に基づいて運動制御器9が出力する操舵角指令値、又はドライバの手動の旋回操作に基づく操舵角に対するスリップ角ゲインである。すなわち、定常特性と過渡特性とは、互いに異なるスリップ角ゲインを表すスリップ角特性である。自車両Kが定常旋回走行している時は、目標車体スリップ角βは、定常特性に基づいて算出される。また、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している時は、目標車体スリップ角βは、特性配分された定常特性及び過渡特性に基づいて算出される。なお、過渡特性に基づくスリップ角ゲインは、定常特性に基づくスリップ角ゲインよりも大きいものとする。
また、図5に示すように、運動制御器9が出力する横力指令値Fyは、自車両Kの前輪15に作用する前輪側横力FyFと、後輪16に作用する後輪側横力FyRとに分配される。ここで、目標車体スリップ角βに対する前輪側横力FyFの比(FyF/β)は前輪コーナリングパワー値CPfを表し、目標車体スリップ角βに対する後輪側横力FyRの比(FyR/β)は後輪コーナリングパワー値CPrを表す。
運動制御器9による目標車体スリップ角βの算出手順及び目標車体スリップ角βに基づいた自車両Kのシャシー制御の手順について、図6を用いて、以下に説明する。
まず、運動制御器9には、軌道制御器8が出力する目標軌道Tの情報が入力される(ステップS21)。
次に、運動制御器9は、目標軌道Tの情報に基づき、目標軌道T上のコーナーイン区間Cを判定する(ステップS22)。ここで、自車両Kが定常旋回走行を行っている時は、自車両Kが走行している区間の曲率分布は、図7Aに示すように、曲率平均Rを中心としたガウス分布となる。一方、自車両Kが過渡的な旋回状態で走行するコーナーイン区間Cの曲率分布には、図7Bに示すように、ばらつき、すなわち曲率の偏りが見られる。よって、運動制御器9は、曲率分布のばらつきによって、目標軌道T上のコーナーイン区間Cを判定する。
なお、コーナーイン区間Cでは、目標軌道Tの曲率は徐々に増大するため、運動制御器9は、目標軌道Tの曲率の変化に基づいて、目標軌道T上のコーナーイン区間Cを判定してもよい。
次に、運動制御器9は、コーナーイン区間Cのコーナーイン強度を判定する(ステップS23)。図8に示すように、コーナーイン強度は、図7Bの曲率分布における曲率平均R’によって決定され、曲率平均R’が大きいほど、コーナーイン強度も高い。コーナーイン強度が高い程、コーナーイン区間Cを走行中の自車両Kは急旋回をする。
次に、運動制御器9は、スリップ角特性である過渡特性及び定常特性の設定を行い(ステップS24)、過渡特性と定常特性との特性配分を行う(ステップS25)。具体的には、図5に示すように、目標車体スリップ角βは、運動制御器9が算出する操舵角指令値に基づき定常特性を用いて算出されるスリップ角βsと、操舵角指令値に基づき過渡特性を用いて算出されるスリップ角βtとを含む値として算出される。自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している時の目標車体スリップ角βは、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行せずに定常旋回走行を行っている時の目標車体スリップ角βよりも大きい。なお、スリップ角βs及びスリップ角βtは、手動走行モードでのドライバの操作による操舵角情報に基づいて算出されてもよい。
次に、運動制御器9は、目標車体スリップ角βを実現するために必要な後輪コーナリングパワー値CPrを算出する(ステップS27)。運動制御器9は、後輪コーナリングパワー値CPrを低減させることにより、目標車体スリップ角βを大きくし、コーナーイン区間Cで自車両Kがオーバーステア状態で旋回走行を行うように、自車両Kの走行を制御することができる。さらに、運動制御器9は、スリップ角特性の変化に伴う後輪コーナリングパワー値CPrの急変を防止するために、後輪コーナリングパワー値CPrの変化率に制限を設ける(ステップS28)。
また、運動制御器9は、自車両Kの車速が限界車速V以上か否かを判定する(ステップS29)。自車両Kの車速が限界車速V以上であり、かつ、前輪コーナリングパワー値CPfに対する後輪コーナリングパワー値CPrの比(CPr/CPf)が所定値N以下である場合、自車両Kのスピンを誘発してしまう可能性がある。そのため、このような場合、運動制御器9は、前輪コーナリングパワー値CPfを低減させ、前輪コーナリングパワー値CPfに対する後輪コーナリングパワー値CPrの比(CPr/CPf)が所定値Nを超えるように制御する(ステップS30)。すなわち、前輪コーナリングパワー値CPfに対する後輪コーナリングパワー値CPrの比(CPr/CPf)における「所定値N」は、自車両Kの車速が限界車速V以上であっても、自車両Kのスピンを誘発しない最小値として設定される。
運動制御器9は、ステップS21~30により算出された後輪コーナリングパワー値CPr及び前輪コーナリングパワー値CPfに基づき、所定の規範モデルに則って、自車両Kの駆動系アクチュエータ11、制動系アクチュエータ12及び操舵系アクチュエータ13を制御し、シャシー制御を実行する(ステップS31)。これにより、ステップS26で算出された目標車体スリップ角βが実現される。自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している時の目標車体スリップ角βは、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行せずに定常旋回走行を行っている時の目標車体スリップ角βよりも大きいため、自車両Kはオーバーステア状態でコーナーイン区間Cを旋回走行する。
以上より、この実施の形態において、この実施の形態の走行制御装置100の運動制御器9は、目標軌道Tのうち、コーナーイン区間Cに相当する区間を判定する。自車両Kがコーナーイン区間Cを走行せずに定常旋回走行を行っている間は、定常特性を用いて自車両Kの目標車体スリップ角βを生成し、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している間は、過渡特性を用いて、目標車体スリップ角βを生成する。これにより、自車両Kが定常旋回状態で旋回走行を行っている時と、過渡旋回状態でコーナーイン区間Cを走行している時とで、スリップ角特性を変更し、旋回条件に応じてより適切なスリップ角を生成することができる。従って、自車両Kがコーナーイン区間Cを過渡的な旋回状態で走行している場合に、自車両Kの走行をより適切に制御することができる。また本願発明は、自動運転のように自車両Kを走行させるための走行軌跡を生成するものに適用することができる。自動運転のように自車両Kを走行させるための走行軌跡を生成する場合は、走行車線の中で自車両Kがどの位置を走行するのかが決定されるため、実際に走行する位置や軌跡を用いてコーナーインを判定することができる。従って、本願発明を、自動運転のように自車両Kを走行させるための走行軌跡を生成するものに適用することによって、よりコーナーイン特性を用いて旋回させたいシーンを正確に特定でき、自車両Kの走行軌跡に沿って適切な車両姿勢を生成することができる。
また、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している時の目標車体スリップ角βは、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行せずに定常旋回走行を行っている時の目標車体スリップ角βよりも大きい。これにより、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している間は、自車両Kはオーバーステア状態となる。従って、コーナーイン区間Cを走行中の自車両Kの回頭性が向上し、自車両Kは目標軌道Tに沿ってより迅速に旋回走行を行うことができる。
また、運動制御器9は、目標軌道Tの曲率の変化または曲率のばらつきに基づき、コーナーイン区間Cを判定する。これにより、目標軌道T上のいずれの領域がコーナーイン区間Cとなるか、より正確に判定することができる。
さらに、運動制御器9は、コーナーイン区間Cの曲率平均R’に基づき、コーナーイン区間Cのコーナーイン強度を算出する。これにより、コーナーイン区間Cのコーナーイン強度に応じて、より適切な目標車体スリップ角βを生成することができる。
また、運動制御器9は、自車両Kがコーナーイン区間Cを走行している間は、定常特性と過渡特性とを用いて、目標車体スリップ角βを生成する。さらに、目標車体スリップ角βの算出に対し、定常特性と過渡特性とはコーナーイン強度に応じて特性配分される。これにより、コーナーイン区間Cのコーナーイン強度に応じて、定常特性及び過渡特性を用いて、より適切な目標車体スリップ角βを生成することができる。
また、運動制御器9は、目標車体スリップ角βを生成するために必要な後輪コーナリングパワー値CPrを算出し、後輪コーナリングパワー値CPrに基づいて、駆動系アクチュエータ11、制動系アクチュエータ12及び操舵系アクチュエータ13を制御し、自車両Kのシャシー制御を実行する。これにより、運動制御器9によって生成された目標車体スリップ角βをより確実に実現することができる。
また、運動制御器9が出力する後輪コーナリングパワー値CPrには変化率制限が設けられる。これにより、スリップ角特性の変化に伴う後輪コーナリングパワー値CPrの急変を抑制することができ、自車両Kの挙動を安定させることができる。
また、運動制御器9は、車両の車速が所定の限界車速V以上であり、かつ、前輪コーナリングパワー値CPfに対する前記後輪コーナリングパワー値CPrの比(CPr/CPf)が所定値N以下である時、前輪コーナリングパワー値CPfを低減させる。これにより、自車両Kが過度なオーバーステア状態となってスピンが誘発されてしまう事態を防止することができる。
100…走行制御装置
8…軌道制御器
9…運動制御器
11…駆動系アクチュエータ
12…制動系アクチュエータ
13…操舵系アクチュエータ
C…コーナーイン区間
K…自車両
T…目標軌道
β…目標車体スリップ角
CPr…後輪コーナリングパワー値
CPf…前輪コーナリングパワー値
R’…曲率平均

Claims (9)

  1. 現在地から目的地までの自車両の目標軌道を決定する軌道制御器と、自車両が前記目標軌道に追従して走行するように自車両のアクチュエータを制御する運動制御器とを備える走行制御装置を用い、前記自車両の走行制御を実行する車両の走行制御方法において、
    前記運動制御器を用いて、
    前記目標軌道のうち、前記自車両の走行状態が直進走行から定常旋回走行に移行する区間であるコーナーイン区間を判定し、
    前記自車両が前記コーナーイン区間を走行せずに定常旋回走行を行っている間は、定常特性を含むスリップ角特性を用いて前記自車両の目標車体スリップ角を生成し、
    前記自車両が前記コーナーイン区間を走行している間は、前記定常特性とは異なる過渡特性を含むスリップ角特性を用いて、前記定常旋回走行を行っている時の前記目標車体スリップ角よりも大きい前記自車両の前記目標車体スリップ角を生成し、
    前記目標車体スリップ角に基づいて、前記アクチュエータを制御する、車両の走行制御方法。
  2. 前記自車両が前記コーナーイン区間を走行している時の前記目標車体スリップ角は、前記自車両が前記コーナーイン区間を走行せずに定常旋回走行を行っている時の前記目標車体スリップ角よりも大きく、
    前記自車両が前記コーナーイン区間を走行している間、前記自車両はオーバーステア状態となる、請求項1に記載の車両の走行制御方法。
  3. 前記運動制御器を用いて、前記目標軌道の曲率の変化または曲率のばらつきに基づき、前記目標軌道における前記コーナーイン区間を判定する、請求項1又は2に記載の車両の走行制御方法。
  4. 前記運動制御器を用いて、前記コーナーイン区間の曲率平均に基づき、前記コーナーイン区間のコーナーイン強度を算出する、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両の走行制御方法。
  5. 前記運動制御器を用いて、
    前記自車両が前記コーナーイン区間を走行している間は、前記定常特性と前記過渡特性とを用いて、前記目標車体スリップ角を生成し、
    前記目標車体スリップ角の算出に対し、前記定常特性と前記過渡特性とは前記コーナーイン強度に応じて特性配分される、請求項4に記載の車両の走行制御方法。
  6. 前記運動制御器を用いて、前記目標車体スリップ角を実現するために必要な後輪コーナリングパワー値を算出し、前記後輪コーナリングパワー値に基づいて、前記アクチュエータを制御する、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両の走行制御方法。
  7. 前記運動制御器が出力する前記後輪コーナリングパワー値には変化率制限が設けられる、請求項6に記載の車両の走行制御方法。
  8. 前記自車両の車速が所定の限界車速以上であり、かつ、前輪コーナリングパワー値(CPf)に対する前記後輪コーナリングパワー値(CPr)の比(CPr/CPf)が所定値以下である時、前記運動制御器を用いて、前記前輪コーナリングパワー値を低減させる、請求項6又は7に記載の車両の走行制御方法。
  9. 現在地から目的地までの自車両の目標軌道を決定する軌道制御器と、
    前記自車両が前記目標軌道に追従して走行するように前記自車両のアクチュエータを制御する運動制御器とを備え、
    前記運動制御器は、
    前記目標軌道のうち、前記自車両の走行状態が直進走行から定常旋回走行に移行する区間であるコーナーイン区間を判定し、
    前記自車両が前記コーナーイン区間を走行せずに定常旋回走行を行っている間は、定常特性を含むスリップ角特性を用いて前記自車両の目標車体スリップ角を生成し、
    前記自車両が前記コーナーイン区間を走行している間は、前記定常特性とは異なる過渡特性を含むスリップ角特性を用いて、前記定常旋回走行を行っている時の前記目標車体スリップ角よりも大きい前記自車両の前記目標車体スリップ角を生成し、
    前記目標車体スリップ角に基づいて、前記アクチュエータを制御する、車両の走行制御装置。
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