JP7266426B2 - ワークの焼き戻し方法、及びこの方法で得られた機械部品 - Google Patents

ワークの焼き戻し方法、及びこの方法で得られた機械部品 Download PDF

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Description

本発明は、ワークの焼き戻し方法、及びこの方法で得られた機械部品に関し、特に高温環境下で使用される機械部品に適した焼き戻し技術に関する。
例えば、転がり軸受の軌道輪のように、SUJ2等の鋼材からなる機械部品の製造過程においては、機械部品に必要とされる機械的強度等を付与するための熱処理(焼入硬化処理)を実施した後、例えば残留応力の緩和や残留オーステナイトの低減化を目的として、焼き戻し処理を実施するのが一般的である。
ここで、焼き戻し処理には、例えば電気炉等による雰囲気加熱で、炉内に配置されたワークを加熱する方法の他、短時間での加熱を目的として、誘導加熱によりワークを加熱する方法(例えば、特許文献1を参照)などが知られている。
特開2011-144448号公報
ところで、高温環境下で使用される軸受においては、使用時、高温に晒されることで、軸受に含まれる残留オーステナイトが変態して、過大な寸法変化が生じる傾向にある。そのため、この種の用途に用いられる製品(軸受)については、残留オーステナイト量を通常の製品よりも更に低減化する必要が生じる。具体的には、焼き戻し処理時の温度(例えば最高温度)を、通常の焼き戻し処理の場合よりも高温域に設定する必要が生じる。
電気炉などの雰囲気加熱装置は、温度制御が比較的容易である一方で、昇温速度に限界があるため、どうしても昇温に多大な時間を要する。そのため、上述の理由で、高温域に焼き戻し条件(加熱条件)を設定すると、処理時間が今まで以上に長くなり、生産性の悪化が避けられない。
誘導加熱は、金属部品の温度を上げる際のエネルギー効率が高いため、雰囲気加熱と比べて短時間で高温域までワークを加熱することができる。しかしながら、従来よりも高温域(例えば250℃以上)にまでワークを加熱した場合、残留オーステナイト量が低減化するだけでなく、ワークの硬さも大きく低下するおそれが生じる。そのため、単に、誘導加熱でワークを高温域まで加熱し、冷却しただけでは、高温環境下での使用に適した機械部品を得ることは難しい。
また、等速自在継手の外側継手部材のように、軸方向の厚み寸法分布が偏った機械部品に対して誘導加熱を適用する場合、磁束が相対的に密となって加熱され易い部分と、磁束が相対的に疎となって加熱され難い部分とが生じる。そのため、一つのワーク内での温度差が大きくなり、均熱加熱が難しい。誘導加熱のみで焼き戻しに必要な均熱加熱を達成するためには、ワークのサイズや形状に適した形態の誘導加熱装置(例えば誘導加熱用コイル)を準備する必要があるが、これだと型番(処理すべきワークの種類)の増加に伴い準備すべき上記コイルの種類が増えるため、生産性の低下は免れ得ない。
以上の実情に鑑み、本明細書では、高温環境下での使用に適した機械部品を得ることができ、かつ生産性に優れた焼き戻し方法を提供することを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係るワークの焼き戻し方法によって達成される。すなわち、この方法は、ワークを加熱する加熱工程と、加熱工程で加熱されたワークを冷却する冷却工程とを備え、加熱工程及び冷却工程における温度履歴を制御することで、ワークに焼き戻し処理を施す、ワークの焼き戻し方法において、加熱工程は、誘導加熱によりワークを狙い温度まで加熱する昇温工程と、所定幅の温度域の範囲内で昇温後のワークが所定時間の間保温されるように、雰囲気加熱によるワークの加熱を制御する保温工程とを有する点をもって特徴付けられる。
本発明者らは、所定幅の温度域内で昇温後のワークを所定時間の間保温することにより、焼き戻し処理後のワークに含まれる残留オーステナイト量を所要レベル以下にまで低減化し、かつワークの硬さを所定範囲内に収めることが可能となる場合があることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたもので、誘導加熱によりワークを狙い温度まで加熱することにより(昇温工程)、従来よりも短時間でワークを所定の高温域にまで加熱することができる。また、昇温後のワークを上述のように所定幅の温度域の範囲内で所定時間の間保温することにより、焼き戻し処理後の残留オーステナイト量と硬さを共に許容範囲内に収めることができる。また、ワークを上記温度域内で保温するための加熱制御を、雰囲気加熱により実施するようにしたので、ワークを均等に加熱しながらワークを保温することができる。よって、ワーク内部の温度のばらつきを抑えて、均質な焼き戻し処理を施すことができる。また、等速自在継手の外側継手部材のように軸方向で厚み寸法分布に偏りがある機械部品であっても、誘導加熱時に生じたワーク内での温度のばらつきを雰囲気加熱で均すことができる。よって、複数のコイル等を準備せずとも、均質な焼き戻し処理を施すことができる。また、雰囲気加熱であれば、誘導加熱等と比べてワークの温度が下がりにくい。そのため、保温工程時の加熱制御も比較的容易に行うことができる。もちろん、雰囲気加熱であれば、一度に大量のワークを処理することができる。以上より、本発明によれば、ワークに含まれる残留オーステナイト量を所要レベル以下にまで低減化できると共に、ワークの硬さを所定範囲内に収めることができるので、高温環境下での使用にも適した機械部品を得ることができる。また、昇温に要する時間が短くて済み、比較的短時間で多くのワークに均質な処理を施すことができるので、生産性にも優れている。
また、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、昇温工程の後でかつ保温工程の前に、昇温後のワークを雰囲気加熱して、昇温時の狙い温度までワークの温度を回復させる復温工程をさらに設けてもよい。
誘導加熱によりワークを昇温すると、当該誘導加熱を図るための装置から取り出された直後から、ワークの温度は少なからず低下する。この温度低下を見越して予め狙い温度を高めに設定すると、上述のようにワークの硬さが必要以上に低下してしまう。そこで、昇温工程の後に昇温時の狙い温度までワークの温度を回復させる復温工程を設けることで、ワークの温度を狙い温度にまで戻した状態で保温工程に移行させることができる。また、復温工程と保温工程ともに雰囲気加熱でワークを加熱することで、復温工程から保温工程に移行する際の温度低下を抑制できる。以上より、復温工程を設けることで、ワークを効率よく保温工程に移行することができる。
また、この場合、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、復温工程で、雰囲気加熱の設定温度は、昇温時の狙い温度よりも高く設定されてもよい。
保温工程の前に復温工程を設けるのであれば、復温工程に使用する装置(雰囲気加熱炉)内の雰囲気温度を保温工程に使用する装置(雰囲気加熱炉)内の雰囲気温度よりも容易に高くすることができる。これにより、復温に要する時間を短くできるので、さらに効率よく狙い温度のワークを保温工程に導入することが可能となる。
また、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、保温工程で、雰囲気加熱の設定温度は、昇温時の狙い温度と同じ温度に設定されてもよい。
雰囲気加熱であれば、誘導加熱装置よりも温度を一定に保ちやすい。よって、保温工程における雰囲気加熱の設定温度を昇温時の狙い温度と同じ温度にすることで、より狙い通りの焼き戻し品質(残留オーステナイト量、硬さ)を得ることが可能となる。
また、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、ワークに要求される残留オーステナイト量及び硬さに応じて所定幅の温度域としての許容温度域を設定し、この許容温度域の範囲内でワークが所定時間の間保温されるように、誘導加熱によるワークの加熱を制御してもよい。
このように、ワークに要求される残留オーステナイト量及び硬さに応じて許容温度域を設定することにより、より短い保温時間でもって、残留オーステナイト量と硬さを共に許容範囲内に収めることが可能となる。従って、更なる生産性の向上が可能となる。
また、この場合、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、ワークの昇温時の狙い温度と残留オーステナイト量との関係に基づき、残留オーステナイト量が許容範囲内に収まる第一温度下限値を設定すると共に、ワークの昇温時の狙い温度と硬さとの関係に基づき、硬さが許容範囲内に収まる第二温度上限値及び第二温度下限値を設定し、これら第一温度下限値よりも大きな領域と、第二温度上限値と第二温度下限値との間の領域とが重複する範囲内で、許容温度域を設定してもよい。
残留オーステナイト量は、加熱温度(正確には昇温工程時の狙い温度)が上昇するにつれて低下し、硬さもまた加熱温度が上昇するにつれて低下する。そのため、これらの傾向に基づき、ワークに要求される残留オーステナイト量及び硬さに応じて、上述のように、第一温度下限値を設定し、かつ第二温度上限値及び第二温度下限値を設定する。そして、これら第一温度下限値よりも大きな領域と、第二温度上限値と第二温度下限値との間の領域とが重複する範囲内で、許容温度域を設定することにより、ワークの種類(特に材質)ごとに最適な許容温度域を的確に設定することが可能となる。
また、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、ワークの材質が高炭素クロム軸受鋼である場合、許容温度域が290℃以上でかつ340℃以下の範囲内で設定されてもよい。
また、ワークの材質が高炭素クロム軸受鋼である場合、ワークの保温時間が3分以上でかつ7分以下に設定されてもよい。
このように、ワークの材質が高炭素クロム軸受鋼である場合には、例えば上述した設定手法を用いることで、適切な許容温度域が具体的に導出される。よって、適正な許容温度域内でワークを保温することができ、これにより焼き戻し処理後のワークに適切な残留オーステナイト量と硬さとを安定的に付与することが可能となる。
あるいは、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、ワークの材質が機械構造用炭素鋼である場合、許容温度域が130℃以上でかつ220℃以下の範囲内で設定されてもよい。
また、ワークの材質が機械構造用炭素鋼である場合、ワークの保温時間が10秒以上でかつ70分以下に設定されてもよい。
このように、ワークの材質が機械構造用炭素鋼である場合においても、上述した設定手法を用いることで、適切な許容温度域が具体的に導出される。よって、適正な許容温度域内でワークを保温することができ、これにより焼き戻し処理後のワークに適切な残留オーステナイト量と硬さとを安定的に付与することが可能となる。
また、本発明に係るワークの焼き戻し方法においては、電気ヒーターを有する雰囲気加熱炉を用いて、保温工程におけるワークの加熱を行ってもよい。
例えば赤外線ヒーターだと、金属製のワーク表面の色(光沢)によって温度の上昇度合いが変化する可能性があるが、電気ヒーターによる雰囲気加熱であれば、ワークではなくその周囲の雰囲気(気体)を加熱するため、上述のような問題は生じない。よって、ワークの個体差の影響を受けることなく安定した加熱が可能となる。
また、以上述べたように、本発明に係るワークの焼き戻し方法は、高温環境下での使用に適した機械部品を得ることができ、かつ生産性に優れているため、例えば転がり軸受の軌道輪(外輪、内輪)や、等速自在継手の外側継手部材のような機械部品の量産品に熱処理を施すための方法として好適である。
以上述べたように、本発明によれば、高温環境下での使用に適した機械部品を得ることができ、かつ生産性に優れた焼き戻し方法を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る熱処理工程の全体の流れを示すフローチャートである。 (a)(b)ともに、図1に示す焼き戻し工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態に係る焼き戻し装置の全体概要を示す断面図である。 加熱装置の断面図である。 誘導加熱装置の断面図である。 図2に示す焼き戻し工程の間の温度履歴を示すグラフである。 焼き戻し処理時における(a)加熱温度と残留オーステナイト量との関係を概念的に示すグラフと、(b)加熱温度と硬さとの関係を概念的に示すグラフ、及び(c)許容温度域の範囲を概念的に示すグラフである。 ワークが転がり軸受の軌道輪である場合、ワークの表面に設けた複数の温度測定点の位置を示す断面図の一例である。 本発明の第二実施形態に係る昇温装置の断面図である。 ワークが等速自在継手の外側継手部材である場合、ワークの表面に設けた複数の硬度測定点の位置を示す断面図の一例である。
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る熱処理工程の全体の流れを示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態に係る熱処理工程は、対象となるワークW(図3を参照)に焼入れ処理を施す焼入れ工程S1と、焼入れ後のワークWに焼き戻し処理を施す焼き戻し工程S2とを備える。また、焼入れ工程S1と焼き戻し工程S2の後にはそれぞれ、洗浄工程S3,S5と、検査工程S4,S6とを備える。なお、これら洗浄工程S3,S5や検査工程S4,S6は、必要に応じてその一部又は全部を省略可能である。もしくは図示は省略するが、必要に応じて、焼入れ工程S1又は焼き戻し工程S2の後に、研磨工程などを追加してもよい。
ここで、焼き戻し工程S2は、図2(a)に示すように、焼入れ後のワークWを加熱する加熱工程S21と、加熱したワークWを冷却する冷却工程S22とを備える。また、加熱工程S21は、図2(b)に示すように、ワークWを誘導加熱により狙い温度r1にまで加熱する昇温工程S211と、昇温後のワークWを雰囲気加熱して、ワークWの温度を狙い温度r1にまで回復させる復温工程S212と、狙い温度r1にまで回復させたワークWを同じく雰囲気加熱により保温する保温工程S213とを有する。
図3は、図2に示す焼き戻し工程S2に使用する熱処理装置(焼き戻し装置10)の正面図である。この焼き戻し装置10は、搬送路11上を所定の方向に搬送される複数のワークWに対して連続的に焼き戻し処理を施すように構成されたもので、搬送路11の上流側に配設される加熱装置12と、加熱装置12よりも搬送路11の下流側に配設される冷却装置13とを備える。以下、まず焼き戻し装置10の構成について加熱装置12を中心に説明し、次いで、この焼き戻し装置10を用いた焼き戻し方法(焼き戻し工程S2)の一例を説明する。
ここで、対象となるワークWの形状は原則として任意であり、例えば環状をなすものであってもよい。また、ワークWの材質についても原則任意であり、例えばSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼を挙げることができる。また、用途の面から見たワークWの種類についても任意であり、例えば転がり軸受の外輪、内輪をはじめとして、滑り軸受、等速自在継手を構成する外側継手部材や内側継手部材、転がり軸受や等速自在継手に組み込まれる保持器(の基材)などが対象となり得る。本実施形態では、例えば転がり軸受の軌道輪(外輪又は内輪)が焼き戻し工程S2の対象となる。
加熱装置12は、搬送路11の上流側から順に、昇温装置14、復温装置15、及び保温装置16を有する。ここで、昇温装置14は、例えばワークWを一個ずつ加熱するためのもので、本実施形態では、図4に示すように、昇温装置14は、搬送路11上を所定の方向に搬送される複数のワークWを一個ずつ支持可能な支持部17と、支持部17を昇降駆動する昇降部18と、支持部17の上方に位置する誘導加熱装置19とを主に備える。誘導加熱装置19は、例えば銅管等の導電性金属で環状に形成された加熱コイル20(図5では二巻状の加熱コイル20,20を例示している)と、加熱コイル20に電力を供給する電源21とを有しており、昇降部18により支持部17を上昇させることで、支持部17上に載置された状態のワークWを加熱コイル20の内周に導入可能としている。この場合、昇降部18の中心線と、加熱コイル20の中心線とが一致していることが望ましい。また、図示は省略するが、支持部17と、支持部17と連結される昇降部18の一部が上記中心線まわりに回転できるように構成してもよい。また、同様に図示は省略するが、搬送路11上を搬送されるワークWを支持部17上の所定位置で停止可能なように、搬送路11又はその周囲の上面に対して出没可能なピンなどの位置決め部を設けてもよい。
上記構成の昇温装置14は、例えば図4に示すように、誘導加熱装置19等の周囲を囲む壁部22をさらに有するものであってもよい。この場合、昇温装置14内部の雰囲気温度を、図示しない所定の温度調整装置により調整することも可能となる。図4中、符号23で示す部材は、搬送路11の上流側で昇温装置14の入口側開口部14aを開閉する第一開閉手段、符号24で示す部材は、搬送路11の下流側で昇温装置14の出口側開口部14bを開閉する第二開閉手段である。もちろん、特段の雰囲気温度制御が必要ない場合(例えば本実施形態のように、昇温工程S211の後に復温工程S212が設けられており、スムーズに保温工程S213に移行できる場合)には、壁部22は不要である。
上記構成の昇温装置14は、搬送路11上で、復温装置15と第一通路室25を介してつながっている(図3を参照)。これにより、昇温装置14内で昇温処理が施されたワークWが第一通路室25内を通って復温装置15内に搬入されるようになっている。
復温装置15は、昇温後のワークWを雰囲気加熱するためのもので、第一炉室26と、第一炉室26内に配設される第一ヒーター27とを有する。第一ヒーター27は、例えば電気ヒーターであり、第一炉室26内の雰囲気(気体)を加熱する。これにより第一炉室26内のワークWに対する雰囲気加熱を可能としている。
保温装置16は、復温装置15により加熱されたワークWを雰囲気加熱するためのもので、第二炉室28と、第二炉室28内に配設される第二ヒーター29とを有する。第二ヒーター29は、例えば電気ヒーターであり、第二炉室28内の雰囲気(気体)を加熱する。これにより第二炉室28内のワークWに対する雰囲気加熱を可能としている。
また、復温装置15の入口側開口部15aには、入口側開口部15aを開閉するための手段(第三開閉手段30)が設けられると共に、復温装置15の出口側開口部15bには、出口側開口部15bを開閉するための手段(第四開閉手段31)が設けられている。これにより復温装置15内の密閉性が担保される。もちろん、図示は省略するが、保温装置16の入口側開口部(すなわち復温装置15の出口側開口部15b)と出口側開口部にも開閉手段が設けられている。また、保温装置16の入口側開口部は復温装置15の出口側開口部15bとなっているので(図4を参照)、保温装置16内の密閉性が担保される。
以上の構成を有する加熱装置12は、搬送路11上で、冷却装置13と第二通路室32を介してつながっている(図3を参照)。これにより、加熱装置12内で所定の加熱処理が施されたワークWが第二通路室32を通って冷却装置13内に搬入されるようになっている。
また、ワークWを搬送路11に沿って搬送するための手段としては任意であり、例えば図示は省略するが、加熱装置12及び冷却装置13の底部に跨るようにして配設された搬送コンベア、あるいは動力シリンダ(油圧シリンダ、エアシリンダ、電動シリンダ)などを採用することができる。
冷却装置13は、加熱装置12により所定の温度履歴を伴って加熱されたワークWを冷却する冷却工程を実施するための装置であり、冷却の方式に応じた装置構成をとる。例えば空冷であれば冷却装置13の内部空間は図示しない温度調整装置により所定の雰囲気温度に管理されており、冷却装置13内に搬入されたワークWが所定の冷却速度で所定の温度まで冷却される。あるいは、水冷であれば冷却装置13は図示しない冷却液の液槽を有しており、冷却装置13内に搬入されたワークWを冷却液中に浸漬することで所定の冷却速度で所定の温度まで冷却される。
次に、焼き戻し処理の温度条件(温度履歴)について、図4を参照しながら図6にて説明する。
本発明に係る焼き戻し方法(焼き戻し工程S2)では、図6に示すように、昇温開始時温度r0から狙い温度r1まで誘導加熱によりワークWを昇温する(昇温工程S211)。この際、昇温速度は例えば一定とし、加熱開始時から時間が経過するにつれて温度が上昇するようにワークWを連続的に加熱する。このような温度履歴は、例えばワークWが狙い温度r1に到達するまでの間(昇温開始時t0から昇温終了時t1までの間)、誘導加熱装置19の昇温工程S211時の出力(昇温時出力)を一定の値に維持することで実現できる。
次に、狙い温度r1まで加熱(昇温)した後のワークWに対して雰囲気加熱を施し、当該ワークWの温度を復温開始時温度r2から狙い温度r1にまで回復させる(復温工程S212)。昇温工程S211と保温工程S213とは互いに異なる加熱方式の装置(誘導加熱装置19と雰囲気加熱装置としての第二炉室28及び第二ヒーター29)により行われるため、昇温工程S211から保温工程S213に移行するまでの間に、ワークWの温度が狙い温度r1から時間の経過と共に低下する。そこで、昇温工程S211を終えたワークWを復温装置15内(図4を参照)に搬入し、雰囲気加熱によりワークWの温度を狙い温度r1にまで回復させる。このような温度履歴は、例えばワークWが復温開始時温度r2から狙い温度r1に到達するまでの間(復温開始時t2から復温終了時t3までの間)、復温装置15の第一ヒーター27(図4を参照)で第一炉室26内の雰囲気温度が狙い温度r1よりも少し高い温度(例えば狙い温度r1+20~狙い温度r1+30℃)となるよう雰囲気加熱することによって実現できる。
このようにしてワークWの温度を狙い温度r1にまで回復させた後、当該ワークWに雰囲気加熱を施し、狙い温度r1を含む所定幅の温度域、具体的にはワークWに要求される残留オーステナイト量及び硬さに応じて設定される許容温度域Rの範囲内で復温後のワークWを所定時間の間保温する(保温工程S213)。本実施形態では、保温開始時t3から保温終了時t4までの間、ワークWがほぼ狙い温度r1に等しい温度を保つよう、ワークWの雰囲気加熱を制御する。このような温度履歴は、例えば保温開始時t3から保温終了時t4までの間、保温装置16の第二ヒーター29(図4を参照)で第二炉室28内の雰囲気温度が狙い温度r1にほぼ等しい状態を維持できるよう雰囲気加熱することによって実現できる。
ここで、許容温度域Rは、例えば以下のようにして設定される。まず、ワークWの昇温時の狙い温度r1を変化させたときのワークWの熱処理後(焼き戻し後)の残留オーステナイト量を測定する。そして、測定した残留オーステナイト量と狙い温度r1との関係に基づき、残留オーステナイト量が許容範囲内に収まる第一温度下限値を設定する。本実施形態では、図7(a)に示すように、測定した複数の残留オーステナイト量の値に基づいて、狙い温度r1と残留オーステナイト量との関係を示す近似曲線C1,C2を導出する。図7(a)において、C1は、残留オーステナイト量の測定値のばらつきを考慮した場合のばらつきの上限側の近似曲線を示しており、C2は、残留オーステナイト量の測定値のばらつきの下限側の近似曲線を示している。ここで、例えば残留オーステナイト量の許容上限値をQ1とした場合、上限側近似曲線C1に基づき、許容上限値Q1に対応する狙い温度ra1を算出する。この狙い温度ra1よりも高い温度域R1が、残留オーステナイト量が許容範囲内に収まる温度域(第一許容温度域)であり、その際の狙い温度ra1が本発明でいう第一温度下限値となる。
次に、ワークWの昇温時の狙い温度r1を変化させたときのワークWの熱処理後(焼き戻し後)の硬さを測定する。硬さの種類は特に問わないが、例えばロックウェル硬さを測定する。そして、測定した硬さと狙い温度r1との関係に基づき、硬さが許容範囲内に収まる第二温度上限値及び第二温度下限値を設定する。本実施形態では、図7(b)に示すように、測定した複数の硬さの値に基づいて、狙い温度r1と硬さとの関係を示す近似曲線C3,C4を導出する。図7(b)において、C3は、硬さの測定値のばらつきを考慮した場合のばらつきの上限側の近似曲線を示しており、C4は、硬さの測定値のばらつきの下限側の近似曲線を示している。ここで、例えば硬さの許容上限値をH1、許容下限値をH2とした場合、上限側近似曲線C3に基づき、許容上限値H1に対応する狙い温度rb1を算出する。また、下限側近似曲線C4に基づき、許容下限値H2に対応する狙い温度rb2を算出する。これら狙い温度rb1,rb2の間の温度域R2が、硬さが許容範囲内に収まる温度域(第二許容温度域)であり、またその際の狙い温度rb1,rb2がそれぞれ本発明でいう第二温度上限値と第二温度下限値となる。
このように、残留オーステナイト量が許容範囲内に収まる第一許容温度域R1と、硬さが許容範囲内に収まる第二許容温度域R2とを求めた後、第一許容温度域R1と第二許容温度域R2とが重複する範囲内で、許容温度域R(図6を参照)を設定する。本実施形態の場合、図7(c)に示すように、第一許容温度域R1と第二許容温度域R2とが重複する範囲全体を許容温度域Rとしている。このようにして、保温時の許容温度域Rが設定され得る。この場合、狙い温度r1は、許容温度域Rの範囲内で設定される。
そして、最後に、許容温度域Rの範囲内で所定時間の間保温されたワークWを冷却する。本実施形態では、雰囲気加熱装置(保温装置16)の第二炉室28からワークWを搬出し、第二通路室32を通って冷却装置13に搬送する(図3を参照)。これにより、ワークWを所定の冷却速度で所定の温度r5まで冷却し、ワークWに焼き戻し処理を施す(冷却工程S22)。
本実施形態では、例えば上述した温度履歴を辿るように、誘導加熱装置19の出力パターンと第一及び第二ヒーター27,29の出力パターンをそれぞれ制御部33(図4を参照)に記憶させておき、加熱工程S21(昇温工程S211、復温工程S212、保温工程S213)及び冷却工程S22において、上記記憶させておいた出力パターンに基づいて制御部33が電源21に指令を送る。これにより、電源21に接続された誘導加熱装置19の加熱コイル20(図4及び図5を参照)と、同じく電源21に接続された第一及び第二ヒーター27,29に所定パターンの電力が供給され、図6に示す温度履歴をワークWに付与し得る。
次に、上記構成の焼き戻し装置10を用いたワークWの焼き戻し工程S2の一例を説明する。
(S21)加熱工程
(S211)昇温工程
この工程では、まず図4に示す第一開閉手段23により昇温装置14の入口側開口部14aを開口した状態で、搬送路11上を所定の方向に搬送されるワークWを昇温装置14の内部に搬入する。この時点では、支持部17の上面は、搬送路11と同一平面レベルにある。また、誘導加熱装置19の出力は零もしくは零に近いレベルにある。そして、ワークWが支持部17上に到達すると、必要に応じてワークWの支持部17に対する水平方向の位置決めを伴って、昇降部18により支持部17を上昇させる。これにより、支持部17上に載置された状態のワークWが誘導加熱装置19の所定位置、本実施形態では誘導加熱装置19の加熱コイル20の内周所定位置に導入され、保持される(図4を参照)。この状態で、制御部33は電源21に指令を送り、加熱コイル20に所定パターンの電力を供給することにより、ワークWの加熱を開始し、ワークWを狙い温度r1にまで一定の勾配で加熱する(図6を参照)。上述した誘導加熱は、いわゆる低周波域(~数kHz)で実施するのがよい。これによりワークWの表層部だけでなく芯部まで高温に加熱することができる。なお、この間(昇温開始時t0から昇温終了時t1までの間)、ワークWの温度が許容温度域Rの上限(許容温度上限値r3)を超えないように、制御部33によりワークWの加熱を制御するのがよい。この場合、狙い温度r1は、許容温度域Rの範囲内(許容温度下限値r4以上でかつ許容温度上限値r3以下)に設定される。また、加熱している間、支持部17を制御部33により軸回転させて昇温させてもよい。支持部17を軸回転させることによって支持部17上のワークW全体が均等に昇温される。
(S212)復温工程
このようにしてワークWを狙い温度r1まで昇温した後、ワークWを誘導加熱装置19の加熱処理位置(加熱コイル20の内周所定位置)から離脱させ、開口状態にある出口側開口部14bを通って昇温装置14外に搬出する。具体的には、制御部33が電源21に指令を送り、誘導加熱装置19によるワークWの加熱を停止すると共に、昇降部18により支持部17を降下させて、支持部17上のワークWを搬送路11上に復帰させる。そして、第二開閉手段24により昇温装置14の出口側開口部14bを開口した状態で、図示しない適当な手段で搬送路11上を所定の方向に搬送し、昇温装置14内からワークWを搬出する。そして、搬出したワークWを、第一通路室25を介して、復温装置15の第一炉室26内へ搬入し、ワークWに対して所定の雰囲気加熱を施す。これにより、昇温後、昇温終了時t1から復温開始時t2までの間に温度r2まで温度低下を生じていたワークW(図6を参照)の温度を狙い温度r1にまで回復させる。この際、復温装置15の入口側開口部15aは一旦開き、ワークWが復温装置15内に搬入された後、閉じる。なお、この間(復温開始時t2から復温終了時t3までの間)も、ワークWの温度が許容温度域Rの上限(許容温度上限値r3)を超えないように、制御部33によりワークWの加熱を制御するのがよい。
(S213)保温工程
このようにしてワークWを再び狙い温度r1にまで加熱した後、出口側開口部15bを開けてワークWを復温装置15外に搬出し、隣接する保温装置16内に搬入する。この際、保温装置16の入口側開口部(すなわち復温装置15の出口側開口部15b)は一旦開き、ワークWが保温装置16内に搬入された後、閉じる。そして、ワークWに雰囲気加熱を施して、許容温度域Rの範囲内で当該ワークWを所定時間の間、保温する。なお、この間(保温開始時t3から保温終了時t4までの間)、ワークWの温度が許容温度域Rの範囲内に維持されるように(許容温度上限値r3以下でかつ許容温度下限値r4以上であるように)、制御部33によりワークWの加熱を制御するのがよいが、この間の加熱は電気ヒーター(第二ヒーター29)による雰囲気加熱で行われるため、上述の温度制御は比較的容易である。なお、一例として、ワークWの材質が高炭素クロム軸受鋼である場合、許容温度域Rは290℃以上でかつ340℃以下の範囲内で設定され、好ましくは303℃以上でかつ315℃以下の範囲内で設定される。また、ワークWの保温時間(保温開始時t3から保温終了時t4までの間)は3分以上でかつ7分以下の範囲内で設定され、好ましくは4分以上でかつ6分以下の範囲内で設定される。
(S22)冷却工程
このようにして所定時間の間ワークWの保温を行った後、図示しない出口側開口部を開けてワークWを保温装置16外に搬出する。搬出されたワークWは、第二通路室32を通って冷却装置13内に搬入され(図3を参照)、所定の冷却速度で所定の温度r5、例えば昇温開始時温度r0よりも低い温度にまで冷却される(冷却終了時t5)。これにより、ワークWに対する焼き戻し処理が完了する。後続のワークWについても同様の経路を辿って、焼き戻し処理が施され、焼き戻し装置10の外側に排出される。排出されたワークWは例えば洗浄工程S5あるいは研磨工程(図示は省略)など次の工程へ搬送される。以上のようにして、複数のワークWに対して連続的にかつ自動的に焼き戻し処理が施される。
以上述べたように、本発明に係る焼き戻し方法によれば、誘導加熱でワークWを狙い温度r1にまで加熱するようにしたので(昇温工程S211)、従来よりも短時間でワークWを必要な温度域(例えば250℃以上)にまで加熱することができる。また、本発明では、ワークWに要求される残留オーステナイト量及び硬さに応じて許容温度域Rを設定し、この許容温度域R内で昇温後のワークWを保温するようにしたので、短時間で昇温しつつも、焼き戻し処理後のワークWに含まれる残留オーステナイト量を所要レベル以下にまで低減化し、かつワークWの硬さを所定範囲内に収めることが可能となる。また、ワークWを上記温度域R内で保温するための加熱制御を、雰囲気加熱により実施するようにしたので、ワークWを均等に加熱しながらワークWを保温することができる。よって、ワークW内部の温度のばらつきを抑えて、均質な焼き戻し処理を施すことができる。また、雰囲気加熱であれば、誘導加熱等と比べてワークWの温度が下がりにくい。そのため、保温工程S213時の加熱制御も比較的容易に行うことができる。もちろん、雰囲気加熱であれば、一度に大量のワークWを処理することができる。以上より、本発明によれば、ワークWに含まれる残留オーステナイト量を所要レベル以下にまで低減化できると共に、ワークWの硬さを所定範囲内に収めることができるので、高温環境下での使用にも適した機械部品を得ることができる。また、昇温に要する時間が短くて済み、比較的短時間で多くのワークWに均質な処理を施すことができるので、生産性にも優れている。もちろん、昇温工程S211から保温工程S213までの熱処理を全て雰囲気加熱炉で行う場合と比べて、設備も小型化できる。
また、本実施形態では、昇温工程S211の後でかつ保温工程S213の前に、昇温後のワークWを雰囲気加熱して、昇温時の狙い温度r1までワークWの温度を回復させる復温工程S212をさらに設けるようにしたので、ワークWの温度を復温装置15搬入時の温度r2から狙い温度r1にまで戻した状態で保温工程S213に移行させることができる(図6を参照)。また、復温工程S212と保温工程S213ともに雰囲気加熱でワークWを加熱することで、復温工程S212から保温工程S213に移行する際の温度低下を抑制できる。そのため、復温工程S212を設けることで、ワークWを効率よく保温工程S213に移行することができる。
また、この場合、復温工程S212で、雰囲気加熱の設定温度を、昇温時の狙い温度r1よりも少し高く設定しておくことで(例えば狙い温度+20~狙い温度+30℃)、復温に要する時間を短くできる。また、復温装置15と保温装置16とは内部空間が別個に密閉された状態にあるため、個々の雰囲気温度を異ならせることも容易である。
以上、本発明の第一実施形態に係る焼き戻し方法及び焼き戻し装置10について説明したが、焼き戻し装置10には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更を施すことが可能である。
例えば、図8に示すように、ワークWの表面に複数の温度測定点w1~w6を設けて、誘導加熱によりこれら複数の温度測定点w1~w6のうち最も昇温し易い易昇温点を予め求めておき、特に昇温工程S211で、易昇温点の温度が許容温度域Rの上限(許容温度上限値r3)を超えないように、ワークWの加熱を制御してもよい。これにより、ワークWが部分的に過剰に加熱される事態を回避することができるので、ワークWの熱処理後の硬さをその全域にわたって均質化しつつ許容範囲内に収めて、より高精度な焼き戻し処理を行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、昇温工程S211でワークWが許容温度域Rの上限を超えることなく当該ワークWを狙い温度r1にまで加熱し得る誘導加熱の出力パターンを予め制御部33に記憶させておき、昇温工程S211で、記憶させておいた上記出力パターンに基づいてワークWの加熱を制御する場合を例示したが、これとは異なる制御方式をとることも可能である。例えば図示は省略するが、加熱装置12内に設けた温度測定装置(熱電対など)でワークWの表面温度を測定しながらワークWを昇温し、かつ測定した温度に基づいてその都度制御部33が適切な出力の指令を電源21に送ることで、ワークWの昇温を制御してもよい。これによれば、ワークWごとのばらつきを反映したより精密な加熱制御が可能となる。この際、上述したワークWの易昇温点の温度を測定しながらワークWの昇温を制御してもよい。
もちろん、上述の制御方式は復温工程S212及び保温工程S213にも適用し得る。すなわち、同様に図示は省略するが、加熱装置12内に設けた温度測定装置でワークWの表面温度を測定しながらワークWを加熱保温し、かつ測定した温度に基づいてその都度制御部33が適切な出力の指令を電源21に送ることで、ワークWの加熱保温を制御してもよい。
また、上記実施形態では、誘導加熱装置19によりワークWを一個ずつ加熱(昇温及び保温)する場合を例示したが、これ以外の方式を採ることも可能である。例えば図示は省略するが、縦積みした状態の二個以上のワークWを一度に上昇させて、例えば三巻以上の加熱コイルを有する誘導加熱装置の所定位置(三巻以上の加熱コイルの内周)に二個以上のワークをまとめて導入する。そして、上記構成の誘導加熱装置を起動することにより、二個以上のワークWに対して一度に昇温工程S211を実施する。このように加熱処理を施すことで、更なる生産性の向上を図ることが可能となる。なお、ワークWの縦積み方向位置によって異なる出力パターンが必要となる場合には、複数ある加熱コイルのうち一部の加熱コイルを残りの加熱コイルと別個独立して加熱制御してもよい。
また、上記実施形態では、本発明に係る焼き戻し方法の対象として、ワークWが転がり軸受の軌道輪(外輪又は内輪)である場合を例示したが、もちろん本発明は他の機械部品となるワークに対しても適用可能である。図9は、その一例(本発明の第二実施形態)に係る焼き戻し装置を構成する昇温装置101の縦断面図を示している。この昇温装置101は、図9に示すように、ワークWaとしての等速自在継手の外側継手部材に対して誘導加熱により所定の加熱処理を施すためのもので、搬送路11上を所定の方向に搬送される複数のワークWaを一個ずつ支持可能な支持部102と、支持部102を昇降駆動する昇降部103と、支持部102の上方に位置する誘導加熱装置104とを主に備える。誘導加熱装置104は、例えば銅管等の導電性金属で環状に形成された加熱コイル105と、加熱コイル105に電力を供給する電源21とを有する。本実施形態では、加熱コイル105は例えばソレノイドコイルなどの汎用の多巻状加熱コイルであって、かつ昇降部103により支持部102を上昇させて、支持部102上に載置された状態のワークWを加熱コイル105の内周に導入した際、図9に示すように、ワークWaの軸方向全域が加熱コイル105で覆われるよう、加熱コイル105の巻き数(軸方向寸法)が設定される。
また、ワークWaが外側継手部材である場合、外側継手部材のカップ部Wbを下向きに、外側継手部材のステム部Wcを上向きにして支持部102の上に載置することが望ましく、かつワークWa(外側継手部材)の中心線を加熱コイル105の中心線に一致させることが望ましい。よって、この場合、上述の関係を満たす位置にワークWaが支持部102上に位置決め固定されるよう、搬送路11又はその周囲に位置決め装置を設けることが望ましい。また、図示は省略するが、第一実施形態と同様、支持部102と、支持部102と連結される昇降部103の一部が上記中心線まわりに回転できるように構成することが望ましい。
なお、焼き戻し装置のうち上述した昇温装置101以外の構成については、第一実施形態と同様に構成してもかまわない。すなわち、昇温装置101と共に加熱装置12を構成する復温装置、保温装置、及び冷却装置については、図3及び図4に示す復温装置15、保温装置16、及び冷却装置13を用いることが可能である。
また、焼き戻し処理の温度条件(温度履歴)について、第一実施形態と同様の考えに基づいて設定することが可能である。すなわち、焼き戻し工程S2の昇温工程S211では、図6に示すように、昇温速度一定で狙い温度r1までワークWaを加熱する。ここで図9に示す形態の加熱コイル105を用いた場合、外側継手部材のカップ部Wbとステム部Wcとでは昇温のし易さが異なるため、例えば相対的に昇温し易いカップ部Wbが狙い温度r1を超えないように制御することが望ましい。復温工程S212、保温工程S213における温度履歴については、第一実施形態と同様、図6に示すように制御してもかまわない。また、保温工程S213時における許容温度域Rについても、第一実施形態と同様に設定してもよい。この場合、狙い温度r1は、許容温度域Rの範囲内で設定される。
本実施形態では、例えば上述した温度履歴を辿るように、誘導加熱装置104の出力パターンと第一及び第二ヒーター27,29の出力パターンをそれぞれ制御部33(図4を参照)に記憶させておき、加熱工程S21(昇温工程S211、復温工程S212、保温工程S213)及び冷却工程S22において、上記記憶させておいた出力パターンに基づいて制御部33が電源21に指令を送る。これにより、電源21に接続された誘導加熱装置104の加熱コイル105(図9を参照)と、同じく電源21に接続された第一及び第二ヒーター27,29に所定パターンの電力が供給され、図6に示す温度履歴をワークWaに付与し得る。
次に、上記構成の焼き戻し装置を用いたワークWaの焼き戻し工程S2の一例を説明する。
(S21)加熱工程
(S211)昇温工程
この工程では、まず図4に示す第一開閉手段23により昇温装置101(図9)の入口側開口部14aを開口した状態で、搬送路11上を所定の方向に搬送されるワークWaを昇温装置14の内部に搬入する。そして、ワークWが支持部102(図9)上に到達すると、必要に応じてワークWaの支持部102に対する水平方向の位置決めを伴って、昇降部103により支持部104を上昇させる。これにより、支持部102上に載置された状態のワークWaの軸方向全域が誘導加熱装置104の所定位置、本実施形態では誘導加熱装置104の加熱コイル105の内周所定位置に導入され、保持される(図9を参照)。この状態で、制御部33は電源21に指令を送り、加熱コイル105に所定パターンの電力を供給することにより、ワークWaの加熱を開始し、ワークWaを狙い温度r1にまで一定の勾配で加熱する(図6を参照)。上述した誘導加熱は、ワークWaの材質、形状、サイズ等に合わせて適切な周波数域で実施するのがよく、例えば本実施形態では低周波域(~数kHz)で実施するのがよい。これによりワークWaの表層部だけでなく芯部まで高温に加熱することができる。なお、この間(昇温開始時t0から昇温終了時t1までの間)、ワークWaのうち相対的に昇温し易いカップ部Wbの温度が許容温度域Rの上限(許容温度上限値r3)を超えないように、制御部33によりワークWaの加熱を制御するのがよい。この場合、狙い温度r1は、許容温度域Rの範囲内(許容温度下限値r4以上でかつ許容温度上限値r3以下)に設定される。また、加熱している間、支持部102を制御部33により軸回転させながら昇温させることで、支持部102上のワークWa全体が均等に昇温される。
(S212)復温工程
このようにしてワークWaを狙い温度r1まで昇温した後、ワークWaを誘導加熱装置104の加熱処理位置(加熱コイル105の内周所定位置)から離脱させ、開口状態にある出口側開口部14bを通って昇温装置101外に搬出する。具体的には、制御部33が電源21に指令を送り、誘導加熱装置104によるワークWaの加熱を停止すると共に、昇降部103により支持部102を降下させて、支持部102上のワークWaを搬送路11上に復帰させる。そして、第二開閉手段24により昇温装置101の出口側開口部14bを開口した状態で、図示しない適当な手段で搬送路11上を所定の方向に搬送し、昇温装置101内からワークWaを搬出する。そして、搬出したワークWaを、第一通路室25を介して、復温装置15の第一炉室26内へ搬入し、ワークWaに対して所定の雰囲気加熱を施す。これにより、昇温後、昇温終了時t1から復温開始時t2までの間に温度r2まで温度低下を生じていたワークWa(図6を参照)の温度を狙い温度r1にまで回復させる。なお、この間(復温開始時t2から復温終了時t3までの間)も、ワークWaのカップ部Wbの温度が許容温度域Rの上限(許容温度上限値r3)を超えないように、制御部33によりワークWaの加熱を制御するのがよい。
(S213)保温工程
このようにしてワークWaを再び狙い温度r1にまで加熱した後、出口側開口部15bを開けてワークWaを復温装置15外に搬出し、隣接する保温装置16内に搬入する。そして、ワークWaに雰囲気加熱を施して、許容温度域Rの範囲内で当該ワークWaを所定時間の間、保温する。なお、この間(保温開始時t3から保温終了時t4までの間)、ワークWaのカップ部Wbの温度が許容温度域Rの範囲内に維持されるように(許容温度上限値r3以下でかつ許容温度下限値r4以上であるように)、制御部33によりワークWaの加熱を制御するのがよい。なお、一例として、ワークWaの材質が機械構造用炭素鋼である場合、許容温度域Rは130℃以上でかつ220℃以下の範囲内で設定され、好ましくは150℃以上でかつ200℃以下の範囲内で設定される。また、ワークWaの保温時間(保温開始時t3から保温終了時t4までの間)は10秒以上でかつ70分以下の範囲内で設定され、好ましくは30秒以上でかつ60分以下の範囲内で設定される。
(S22)冷却工程
このようにして所定時間の間ワークWaの保温を行った後、図示しない出口側開口部を開けてワークWaを保温装置16外に搬出する。搬出されたワークWaは、第二通路室32を通って冷却装置13内に搬入され(図3を参照)、所定の冷却速度で所定の温度r5、例えば昇温開始時温度r0よりも低い温度にまで冷却される(冷却終了時t5)。これにより、ワークWaに対する焼き戻し処理が完了する。後続のワークWaについても同様の経路を辿って、焼き戻し処理が施され、焼き戻し装置の外側に排出される。排出されたワークWaは例えば洗浄工程S5あるいは研磨工程(図示は省略)など次の工程へ搬送される。以上のようにして、複数のワークWaに対して連続的にかつ自動的に焼き戻し処理が施される。
以上述べたように、本実施形態に係る焼き戻し方法によれば、誘導加熱でワークWaを狙い温度r1にまで加熱するようにしたので(昇温工程S211)、従来よりも短時間でワークWaを必要な温度域にまで加熱することができる。また、本実施形態では、ワークWaに要求される残留オーステナイト量及び硬さに応じて許容温度域Rを設定し、この許容温度域R内で昇温後のワークWaを保温するようにしたので、短時間で昇温しつつも、焼き戻し処理後のワークWaに含まれる残留オーステナイト量を所要レベル以下にまで低減化し、かつワークWaの硬さを所定範囲内に収めることが可能となる。また、ワークWaを上記温度域R内で保温するための加熱制御を、雰囲気加熱により実施するようにしたので、ワークWaを均等に加熱しながらワークWaを保温することができる。よって、ワークWa内部の温度のばらつきを抑えて、均質な焼き戻し処理を施すことができる。特に、本実施形態のようにワークWaが等速自在継手の外側継手部材のように軸方向で厚み寸法分布に偏りがある機械部品であっても、誘導加熱時に生じたワークWa内での温度のばらつきを雰囲気加熱で均すことができる。よって、ワークWaの種類に応じて複数の加熱コイル等を準備せずとも、あるいはワークWaに応じた専用形態の加熱コイルを準備せずとも、均質な焼き戻し処理を施すことができる。これにより、加熱コイルの交換コストや交換作業に伴う段取り時間の増加を回避して、低コスト、短時間で均質な焼き戻し処理を施すことが可能となる。
もちろん、ワークWaの保温を雰囲気加熱により行うことで、誘導加熱等と比べてワークWaの温度を下げにくくすることができる。そのため、保温工程S213時の加熱制御も比較的容易に行うことができる。もちろん、雰囲気加熱であれば、一度に大量のワークWaを処理することができる。以上より、本実施形態に係る焼き戻し方法によれば、ワークWaに含まれる残留オーステナイト量を所要レベル以下にまで低減化できると共に、ワークWaの硬さを所定範囲内に収めることができるので、高温環境下での使用にも適した機械部品を得ることができる。また、昇温に要する時間が短くて済み、比較的短時間で多くのワークWaに均質な処理を施すことができるので、生産性にも優れている。具体的には、加工リードタイムが短くなるため、生産性の向上と仕掛在庫の削減につながる。もちろん、昇温工程S211から保温工程S213までの熱処理を全て雰囲気加熱炉で行う場合と比べて、設備も小型化できる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得る。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
以下、本発明に係る焼き戻し方法の有用性を実証する実験の詳細について説明する。
本実験では、等速自在継手の外側継手部材をワークとして所定の焼き戻し処理を施した。ここで外側継手部材には、機械構造用炭素鋼であるS53Cで、カップ部Wb(図10を参照)の外径寸法が60.85mm、ステム部Wcの大径側領域の外径寸法が30mm、小径側領域の外径寸法が24mmとなるように形成され、高周波加熱による焼入れ処理が施されたものを使用した。
また、焼き戻し処理は、例えば図3、図4、及び図9に示す焼き戻し装置を用いると共に、表1に示す条件下で行った。
Figure 0007266426000001
そして、焼き戻し処理後のワークに対して、図10に示すように、複数の硬度測定点W7~W11を設けて、各測定点W7~W11におけるワークの硬度[HV]を測定した。正確には、ワークWaの表面に設定した各測定点W7~W11から0.25mm深部の位置における硬度[HV]を測定した。測定結果を表2に示す。表2より、従来の雰囲気加熱のみによる焼き戻し処理と同レベルの硬度を得られることがわかった。また、硬度のばらつき(例えばカップ部Wbとステム部Wc間の硬度のばらつき)も小さく抑えられることがわかった。
Figure 0007266426000002
10 焼き戻し装置
11 搬送路
12 加熱装置
13 冷却装置
14,101 昇温装置
15 復温装置
16 保温装置
17,102 支持部
18,103 昇降部
19,104 誘導加熱装置
20,105 加熱コイル
21 電源
22 壁部
23,24,30,31 開閉手段
25,32 通路室
26,28 炉室
27,29 ヒーター
33 制御部
H1 許容上限値(硬さ)
H2 許容下限値(硬さ)
Q1 許容上限値(残留オーステナイト量)
R 許容温度域
R1 第一許容温度域(残留オーステナイト量)
R2 第二許容温度域(硬さ)
r0 昇温開始時温度
r1 狙い温度
r2 復温開始時温度
r3 許容温度上限値
r4 許容温度下限値
r5 冷却終了時温度
S21 加熱工程
S211 昇温工程
S212 復温工程
S213 保温工程
S22 冷却工程
t0 昇温開始時
t1 昇温終了時
t2 復温開始時
t3 復温終了時(保温開始時)
t4 保温終了時
t5 冷却終了時
W,Wa ワーク

Claims (9)

  1. ワークを加熱する加熱工程と、前記加熱工程で加熱された前記ワークを冷却する冷却工程とを備え、前記加熱工程及び前記冷却工程での前記ワークの温度履歴を制御することで、前記ワークに焼き戻し処理を施す、ワークの焼き戻し方法において、
    前記加熱工程は、誘導加熱により前記ワークを狙い温度まで加熱する昇温工程と、
    所定幅の温度域の範囲内で前記昇温後のワークが所定時間の間保温されるように、雰囲気加熱による前記ワークの加熱を制御する保温工程とを有し、
    前記保温工程で、前記ワークに要求される残留オーステナイト量及び硬さに応じて前記所定幅の温度域としての許容温度域を設定し、この許容温度域の範囲内で前記昇温後のワークが所定時間の間保温されるように、雰囲気加熱による前記ワークの加熱を制御し、かつ
    前記ワークの昇温時の狙い温度と残留オーステナイト量との関係に基づき、前記残留オーステナイト量が許容範囲内に収まる第一温度下限値を設定すると共に、前記ワークの昇温時の狙い温度と硬さとの関係に基づき、前記硬さが許容範囲内に収まる第二温度上限値及び第二温度下限値を設定し、
    これら前記第一温度下限値よりも大きな領域と、前記第二温度上限値と前記第二温度下限値との間の領域とが重複する範囲内で、前記許容温度域を設定することを特徴とするワークの焼き戻し方法。
  2. 前記昇温工程の後でかつ前記保温工程の前に設けられ、前記昇温後のワークを雰囲気加熱して、前記昇温時の狙い温度まで前記ワークの温度を回復させる復温工程をさらに有する請求項1に記載のワークの焼き戻し方法。
  3. 前記復温工程で、前記雰囲気加熱の設定温度は、前記昇温時の狙い温度よりも高く設定される請求項2に記載のワークの焼き戻し方法。
  4. 前記保温工程で、前記雰囲気加熱の設定温度は、前記昇温時の狙い温度と同じ温度に設定される請求項1~3の何れか一項に記載のワークの焼き戻し方法。
  5. 前記ワークの材質が高炭素クロム軸受鋼である場合、前記許容温度域が290℃以上でかつ340℃以下の範囲内で設定される請求項に記載のワークの焼き戻し方法。
  6. 前記ワークの材質が高炭素クロム軸受鋼である場合、前記保温工程における前記ワークの保温時間が3分以上でかつ7分以下に設定される請求項1又は5に記載のワークの焼き戻し方法。
  7. 前記ワークの材質が機械構造用炭素鋼である場合、前記許容温度域が130℃以上でかつ220℃以下の範囲内で設定される請求項に記載のワークの焼き戻し方法。
  8. 前記ワークの材質が機械構造用炭素鋼である場合、前記保温工程における前記ワークの保温時間が10秒以上でかつ70分以下に設定される請求項又はに記載のワークの焼き戻し方法。
  9. 電気ヒーターを有する雰囲気加熱炉を用いて、前記保温工程における前記ワークの加熱を行う請求項1~の何れか一項に記載のワークの焼き戻し方法。
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