JP2009024243A - 焼入れ方法 - Google Patents

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克彦 木澤
Tsutomu Nakajima
力 中島
Masao Goto
将夫 後藤
Hisashi Harada
久 原田
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Abstract

【課題】環状部材の急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)を小さくすることができる焼入れ方法を提供する。
【解決手段】焼入れ温度に加熱されている複数個の環状部材6を、両端面6a,6bを上下方向に向けた横置き姿勢で下降させて、冷却槽9内の冷却液8に浸漬し急冷することにより硬化させる。この際、各環状部材6の下側の端面6aを治具7によって個別に覆った状態で各環状部材6を前記冷却液8に浸漬させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、軸受の軌道輪等に代表される環状部材の焼入れ方法に関する。
従来から、鋼材を硬化するために種々の形態で熱処理が施されているが、一般には、対象となる鋼材からなるワーク(被処理物)を変態点以上の温度(焼入れ温度)で所要時間加熱した後、油、水、水溶性冷却剤等の適当な冷却液中に浸漬し急冷する焼入れが行われている。そして、軸受の軌道輪(内輪、外輪)等の環状部材としてのワーク106をバッチ処理により焼入れする場合には、図4に示すように、多段に仕切られたバスケット105内に複数のワーク106の両端面を上下方向に向けた横置き姿勢で載置し、このバスケット105とともにワーク106の加熱及び急冷が行われる。
この場合、バスケット105内のワーク106は、エレベータ等の昇降手段で下降させることで冷却液中に浸漬されるため、ワーク106の上側の端面106bと下側の端面106aとの熱伝導境界が不均一となることで、図5のようにワーク106の上側の端面106bの外径と下側の端面106aの外径に比べて大きくなるいわゆるラッパ形状になり、円筒度が悪化する問題が発生していた。
そこで、従来は、急冷時に発生する変形、歪み等を抑制するため、冷却液の流速を適正化したり、冷却液中でワーク106を揺動させることが行われてきた(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−350756号公報
上記のような方法で環状部材であるワーク106の半径方向歪(真円度)は改善されるが、上記のラッパ形状(軸方向歪)は改善されなかった。この軸方向歪(円筒度)は、真円度と同様、例えば後工程の研磨取しろ量に大きな影響を及ぼすものであるため、真円度が改善されたとしても円筒度が改善されなければ研磨取しろ量を多く必要とし、必然的に研磨時間が長くなるという問題があった。さらに、変形が過大なものについては、歪抑制のためにさらにサイジング、クエンチプレス等の工程を実施する必要が生じ、製造コストが増大する要因となるため、急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)を小さくすることが求められていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、環状部材の急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)を小さくすることができる焼入れ方法を提供することを目的としている。
本発明の焼入れ方法は、焼入れ温度に加熱されている複数個の環状部材を、両端面を上下方向に向けた横置き姿勢で下降させて、冷却槽内の冷却液に浸漬し急冷することにより硬化させる焼入れ方法であって、各環状部材の下側の端面を治具によって個別に覆った状態で各環状部材を前記冷却液に浸漬させることを特徴としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、複数個の環状部材を冷却液に対して下降させつつ浸漬する際に、蒸気膜段階のバラツキが起因してワークの熱伝達境界の冷却度合が上側の端面に比べて下側の端面の方が速くなり、このことが原因で環状部材に軸方向歪が発生することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
本発明の焼入れ方法によれば、各環状部材の下側の端面を治具によって個別に覆った状態で各環状部材を前記冷却液に浸漬させるので、環状部材の下側の端面に冷却液が接触しにくくなることで下側の端面の冷却度合が遅くなり、両端面の冷却度合の差を小さくすることができる。これにより、環状部材の急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)を小さくすることができる。
上記焼入れ方法において、前記治具の熱容量が、各環状部材の下側と上側との冷却度合をほぼ等しくする値に設定されていることが好ましい。この場合、環状部材の急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)がさらに小さくなる。
本発明の焼入れ方法によれば、環状部材の急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)を小さくすることができる。この結果、後工程(例えば研磨処理)の加工時間が短縮されるとともに、サイジング及びクエンチプレス工程を行う必要がなくなるので、製造コストの低減につながる。
以下、本発明の実施形態を、添付した図面に基づいて説明する。
図1は、本発明において使用される焼入れ装置全体の構成を模式的に示す縦断側面図である。図1における焼入れ装置1は、いわゆるバッチ炉と呼ばれるもので、隣り合わせに配設された加熱室2と冷却室3と、これら両室2,3の間にまたがって配設された搬送レール4とを備えており、この搬送レール4によりワーク6を収容したバスケット5が搬送されるようになっている。
図2は、バスケット5におけるワーク6の収容状態を説明する模式図である。バスケット5は、複数個のワーク6を三次元的に収容することができるタイプのものであり、ワーク6は、鋼製の環状部材である。詳しくはJIS SUJ2からなる円筒部材であるワーク6は、その両端面を上下方向に向けて互いが接触しないように網目状のトレイ5aに複数個載置されており、このように複数個のワーク6が載置されたトレイ5aがバスケット5の内部に所定の間隔をあけて上下方向に多段に重ねられている。そして、治具7は、図2に示すように、1個のワーク6に対して1個ずつ用いられる。
図3は、図2におけるワーク6及び治具7の縦断面図である。治具7は、焼入れを施しても酸化せず、また焼きが入らない素材(例えば、オーステナイト系ステンレス鋼、JIS SUS304)で断面略凹字形状に形成されており、ワーク6の下側の端面6aと接触する環状部7aとこの環状部7aの外周部から鉛直方向に延びる周壁部7bとを有している。そして、開放側が上方を向くようにトレイ5aの上に並べられ、その上にワーク6が両端面6a,6bを上下方向に向けた横置き姿勢で置かれることにより、環状部7aとワーク6の下側の端面6aとが接触することになる。これによって、ワーク6の下側の端面6aが治具7によって個別に覆われた状態となる。ここで、治具7の熱容量は、各ワーク6の下側と上側との冷却度合をほぼ等しくする値に設定されるが、ワーク6の熱伝導度等を考慮して治具7の厚みtで制御することになる。治具7の内径d1は、ワーク6の外壁面6cと治具7の周壁部7bの内壁面7cとの間に半径方向のルーズな隙間hを形成すべくワーク6の外径d2よりも大きく設定されている。
加熱室2には、図1中に図示しないが加熱ヒータ、ファン等の加熱手段が設けられており、必要に応じた温度でバスケット5に収容されたワーク6を加熱するようになっている。
冷却室3は、油等の冷却液8が貯溜された冷却槽9と、この冷却槽9に対してワーク6を上下昇降させる昇降機構10とを備えている。昇降機構10は、冷却槽9においてワーク6を収容するバスケット5を搭載した状態で上下昇降させられる昇降台11と、冷却槽9の上方に設けられて昇降台10を上下に昇降させる油圧シリンダ12とから構成されており、バスケット5内のワーク6を、両端面6a,6bを上下方向に向けた横置き姿勢で下降させて、冷却槽9内の冷却液8に浸漬し、ワーク6を強制的に冷却するようになっている。
また、冷却室3には、ワーク6を収容したバスケット5を搬入及び搬出するための挿抜扉13が設けられているとともに、加熱室2と冷却室3との連通路に両室2,3を分離するための通路扉14,15が設けられている。
以上説明した加熱室2の加熱手段、搬送レール4、油圧シリンダ12、挿抜扉13及び通路扉14,15の動作は、図示しない制御装置によって制御される。この制御装置は、運転スイッチ(図示せず)が投入されることによって、下記する一連の熱処理動作を自動制御する。
次に、上記焼入れ装置1を用いた焼入れ方法について説明する。
まず、図1中の矢印aで示すように、冷却室3の挿抜扉13を開放してワーク6を収容したバスケット5を挿入して昇降台11上に搭載し、同矢印bで示すように、バスケット5を油圧シリンダ12により搬送レール4の高さ位置まで下降させる。
この後、通路扉14,15を開放して、同矢印cで示すように、バスケット5を搬送レール4により加熱室2へ搬入し、加熱室2の雰囲気温度を所要温度、例えば820〜870℃に加熱して所要時間、例えば30分間〜2時間放置する。
加熱が終了すると、同矢印dで示すように、バスケット5を搬送レール4で冷却室3に向けて搬送し、昇降台11上に搭載する。その後、同矢印eで示すように、この昇降台11を油圧シリンダ12により下降させて冷却槽9内の冷却液8(60〜150℃)にバスケット5を浸漬して所要時間、例えば5〜20分間放置することにより、バスケット5内のワーク6を急冷する。ここで、各ワーク6の下側の端面6aを治具7によって個別に覆っているために、ワーク6を、両端面6a,6bを上下方向に向けた横置き姿勢で下降させて冷却液8に浸漬していくときに、ワーク6の下側の端面6aに冷却液8が接触しにくくなることでワーク6の下側の端面6aの冷却度合が遅くなる。これにより、両端面6a,6bの冷却度合の差を小さくすることができ、その結果軸方向歪(円筒度)が小さくなる。また、治具7の熱容量が、各ワーク6の下側と上側との冷却度合をほぼ等しくする値に設定されており、上側の端面6bの外径と下側の端面6aの外径との差がより小さくなるので、ワーク6の急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)がさらに小さくなる。すなわち、上記の治具7を用いて焼入れすることで、軸方向歪(円筒度)を例えば50%程度小さくすることが可能になり、ワーク6である環状部材が図5のようなラッパ形状になるのを防ぐことができる。
急冷が終了すると、同矢印fで示すように、油圧シリンダ12により冷却槽9からバスケット5を引き上げて、挿抜扉13を開放して外部に搬出した後、比較的低温で加熱する焼き戻し処理が行われる。その後、後工程として研磨処理が行われるが、軸方向歪(円筒度)が小さいので研磨時間を短くすることができ、さらに、変形が過大なものに施されるサイジング及びクエンチプレスのような追加工程を行う必要がない。
このように、本発明の焼入れ方法では、各ワーク6の下側の端面6aを治具7によって個別に覆った状態で各ワーク6を冷却液8に浸漬させるので、ワーク6の下側の端面6aの冷却度合が遅くなり、両端面6a,6bの冷却度合の差を小さくすることができる、これによりワーク(環状部材)6の急冷時に発生する軸方向歪(円筒度)を小さくすることができる。この結果、後工程(研磨処理)の時間が短縮されるとともに、変形が過大な場合に施されるサイジング及びクエンチプレス工程を行う必要がなくなるので、製造コストの低減につながる。
なお、焼入れ装置1は、前述の実施形態に限らず、本発明の範囲内で適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では、冷却過程において、冷却液8を攪拌していないが、攪拌するようにしてもよい。また、図2には、トレイ5aにワーク6を6個並べ、上下方向に2段重ねたバスケット5を記載しているが、トレイ5aに並べるワーク6の数及びトレイ5aの段数はこれらに限定されるものではない。
本発明における焼入れ装置全体の構成を模式的に示す縦断側面図である。 図1に示される焼入れ装置のバスケットにおけるワークの収容状態を説明する模式図である。 図2におけるワーク及び治具の縦断面図である。 従来の焼入れ方法に用いられるバスケットにおけるワークの収容状態を説明する模式図である。 従来の焼入れ方法によって得られた環状部材の形状を説明する断面図である。
符号の説明
1 焼入れ装置
2 加熱室
3 冷却室
4 搬送レール
5 バスケット
6 ワーク(環状部材)
6a 下側の端面
7 治具
8 冷却液
9 冷却槽
10 昇降機構
11 昇降台
12 油圧シリンダ

Claims (2)

  1. 焼入れ温度に加熱されている複数個の環状部材を、両端面を上下方向に向けた横置き姿勢で下降させて、冷却槽内の冷却液に浸漬し急冷することにより硬化させる焼入れ方法であって、
    各環状部材の下側の端面を治具によって個別に覆った状態で各環状部材を前記冷却液に浸漬させることを特徴とする焼入れ方法。
  2. 前記治具の熱容量が、各環状部材の下側と上側との冷却度合をほぼ等しくする値に設定されている請求項1記載の焼入れ方法。
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