JP7264444B2 - 炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品 - Google Patents

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Description

本発明は、米状に形成したゲル化こんにゃくの脱アルカリ化疑似米に関する。より詳細には、炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品に関するものである。
糖質とは単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど)、二糖類(ショ糖、麦芽糖、乳糖など)、多糖類(デンプン、グリコーゲン、食物繊維など)で構成される成分であり、この糖質と食物繊維を総称して「炭水化物」と呼んでいる。炭水化物はタンパク質、脂質とともに、人間が生きていく上で必要不可欠な栄養素の一つであり、摂取すると体内でブドウ糖に変わり、体の細胞に送り込まれてエネルギー源となる重要な栄養成分である。炭水化物を過剰に摂取すると血糖値が常時高い状態となり、これを安定させるために膵臓から分泌されるインスリンの効きも悪くなる。その結果、糖尿病を引き起こす危険性をはらんでいる。また、糖質を過剰に摂取すると、余ったブドウ糖が脂肪となり蓄積され、肥満の元凶となる。
一方、こんにゃくの主成分は多糖類のグルコマンナンであり、難消化性で食物繊維からなることからダイエットや便秘に効果があるといわれている。特に、腸での難消化性は、俗にいう腹もちがよく、食事の摂取量の減少につながる。食物繊維は体内に吸収されず、血糖値を高めることもないので、近年流行の糖質制限ダイエットでは問題視されることはない。そればかりか、特許文献1には、アルカリでゲル化されたこんにゃくそのものが、血糖値上昇抑制機能があることが、裏付けを持って記載されている。
食事で取る糖質の量を減らすと、体は「糖新生」というメカニズムを駆使して、ブドウ糖を自分で調達しようとする。脂肪や筋肉を構成するタンパク質を分解してブドウ糖を作り出す。糖質(炭水化物)の摂取量を抑え、糖新生を促すことでダイエット効果を得ようというのが、糖質制限ダイエットの考え方であり、わかりやすく言うと、ごはんやパン、パスタなどの糖質を多く含む食べ物の摂取を制限することで、体重を適正域に戻そうという考え方である。こうした糖質制限は、医者や管理栄養士の指導の下に実行することが望ましい。脳を動かすエネルギーは100%糖であって、炭水化物を食べずに、脳を正常に保つためには、一日に大量のたんぱく質や脂質を摂らなければならず、現実的ではなく、自己流の行き過ぎた糖質制限は健康的ではないとも言われている。
糖質制限ダイエットに有効な食材であるこんにゃくは、例えば、こんにゃく粒で用いる場合、その利用方法の一つに、米粒状に形成したこんにゃく粒を精米と混ぜて炊飯することが行われているが、炊飯後に米飯とは違った歯応えや柔らかさがあって、食事中に米飯とは異なる違和感があり、美味しいご飯にならなく、継続して食することが望まれないことが多かった。
こんにゃくは、他の食品素材と組み合わせて使用できるようにするために、その形状を乾燥して紛体または粒状になすことが試みられている。こんにゃく食品をハンバーグ、ソーセージはどの加工食品中に、食物繊維量の増大やカロリー低下を目的として混入できるようにするにはチップ状または粒状とすることが好ましいが、こんにゃくは多量の水分を含むものであり常温では腐敗し易く、貯蔵には冷蔵庫を要し、また他の食品材料と混ぜ合わせたときに、チップや粒体が含有する水分により影響を受けることがあった。
そこで、乾燥した粒状またはチップ状のこんにゃくの製造がいくつか提案されている。例えば、吸水性が良好で軟化し易く他の食品素材との馴染みがよいこんにゃくを製造するにあたり、ゲル状のこんにゃくに石灰水などのアルカリ水を混練し、その混練こんにゃくを太さ2~4mm、60~15本の線状体に押出形成し、養生したのちに粉砕機により細かく砕いて砕片となし、その砕片を加熱して再凝固させて独立した粒状のこんにゃくとなした後、洗浄脱水して40~65℃の温度範囲の熱風により、含水率4~10%になるまで乾燥する粒状または粉状の乾燥こんにゃくの製造方法(特許文献2)や、長さ0.5mm、幅3mmに粉砕し、元の水分の10~60%に乾燥したこんにゃく食品(特許文献3)などが提案されている。また、乾燥こんにゃくの製造には、破砕したこんにゃくの組織内の水分を除去するために、-10℃以下の冷却と200℃以上の乾燥とを併用して製造する長さ6mm以下粒状物に成形したファイバー状こんにゃく(特許文献4)が提案されている。
また、特許文献5には、タピオカデンプン、および、グルコマンナンを含有している米粒状乾燥こんにゃく100質量部に対して、だんご粉が3.4質量部以上、10.5質量部未満含まれている粒状こんにゃく加工食品が提案されており、粒状こんにゃく加工食品を炊飯したものは、糖質がゼロに近く、糖質摂取を抑制することができ、なおかつ米飯と同様の食感と満足感を得ることができると記載されている。
特開2018-46854号公報 特許第3395966号公報 特開平2-231045号公報 特開平8-89184号公報 特許第6443573号公報 特許第5596431号号公報 特許第6166428号号公報 特許第6224876号号公報 特開2017-147974号公報 特開2016-116509号公報 特許第3905830号号公報
ごはんのない食事はやはり寂しいものと思う日本人は少なくない。人間にとって食べることは楽しみでもあり、それを奪ってしまうやり方では長続きしないこともあり得る。腹一杯食べることが大多数の人を幸せにするが、その満腹感が血糖値が上がること(高カロリーのものを食べること)によると考えると、満腹感というよりも満足感が満たされ、食べすぎにつながりにくい「ごはん」を提供できるようにしなければならない。
そこで、本発明者らは、こんにゃくを配合した炊飯米が美味しく、配合したこんにゃくが違和感のないごはんそのもののおいしさが維持されたままとなるような、炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米が求められていると考えた。米飯用の米粒状こんにゃく加工食品は、ごはんに配合する場合に、こんにゃく特有の臭気による風味の違和感を感じたり、こんにゃく特有の弾力による食感の違和感があってはならない。
本発明は、炊飯用米粒状こんにゃくを含んだごはんが、ごはんそのもののおいしさを維持したままであり、通常量のごはんを食べても糖質摂取を抑制でき、しかも食欲は十分に満たされ、かつ、こんにゃく特有の臭気と弾力が抑えられた、炊飯後の米飯に混ぜるだけで簡単に使用することができる脱アルカリゲル化米粒状こんにゃく(こんにゃく疑似米)を提供することを課題とする。
特許文献6-9に示すように、アルカリでゲル化させたこんにゃくゲル状成形体を磨砕処理してこんにゃくの磨砕体とし、磨砕機の運転時間によって磨砕粒子の粒径を決め、得られた磨砕こんにゃくに、アルカリ分を少なくとも中和できる量の酸性素材と混合し加熱処理したこんにゃく加工食品を製造して、また、特許文献10に示すように、水分率および粒径の範囲に調整したものを既存の加工食品あるは加工食品素材の粒径、形状に近似した範囲として既存の加工食品に似た食感を呈するこんにゃく加工食品を製造して、こんにゃくの用途を広げているところ、当該磨砕粒子が米粒大であるとき、水切り後(水分率の範囲を調整後)炊飯直後の米飯に混ぜると、こんにゃくを配合した炊飯米であるのに、米飯そのものの美味さを有し、ごはんそのもののおいしさが維持されたままであって、配合したこんにゃくには全く違和感がないことを見いだし、磨砕こんにゃくを米粒大こんにゃくに換えて本発明を完成させるに至った。
本発明は、以下の(1)ないし(8)の炊飯後の米飯に混ぜて使用するためのpH値を2.5~7.0の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品を要旨としている。
(1)米粒大のアルカリゲル化こんにゃくと液状またはペースト状の酸性素材の組み合わせを特徴とする、液状またはペースト状の酸性素材を分離してから、炊飯後の米飯に混ぜて使用するためのpH値を2.5~7.0の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品。(2)前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、アルカリゲル化こんにゃくの米粒大成形品である、上記(1)に記載のこんにゃく加工食品。(3)前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、こんにゃくイモ粉および/またはこんにゃく粉を原料粉とする、上記(1)または2に記載のこんにゃく加工食品。(4)前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、無着色のものである、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のこんにゃく加工品。(5)前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、色が付いた疑似米とするための天然着色料が配合された原料粉を原料粉とする、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のこんにゃく加工品。(6)上記酸性素材が、アルカリの中和にグルコン酸、クエン酸、および乳酸から選ばれた1種以上の酸味料を含む、上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のこんにゃく加工品。(7)上記酸性素材が、さらに増粘物質を含む、上記(6)に記載のこんにゃく加工品。(8)増粘物質が低メトキシルペクチン、コーンスターチ、およびキサンタンガムから選ばれた1種以上である上記(7)に記載のこんにゃく加工品。
また、本発明は、以下の(9)ないし(21)の炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品を要旨としている。(9)米粒大のゲル化こんにゃくを酸性素材と組み合わせて加熱処理して、炊飯後の米飯に混ぜて使用するためのpH値を2.5~7.0の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米とすることを特徴とする、炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(10)前記米粒大のゲル化こんにゃくが、こんにゃくからなる原料粉に水を混合して糊化し、アルカリでゲル化させたこんにゃくを米粒大に成形したものである、上記(9)に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(11)原料粉のこんにゃくは、こんにゃくイモ粉および/またはこんにゃく粉を用いる、上記(10)に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(12)前記米粒大のゲル化こんにゃくが、無着色のものである、上記(9)ないし(11)のいずれかに記載の米粒大の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(13)前記米粒大のゲル化こんにゃくが、原料粉に色が付いた疑似米とするための天然着色料が配合されたものである、上記(9)ないし(12)のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(14)上記酸性素材が、アルカリの中和にグルコン酸、クエン酸、および乳酸から選ばれた1種以上の酸味料を含む、上記(9)ないし(13)のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(15)上記酸性素材が、さらに増粘物質を含む、上記(14)に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(16)増粘物質が低メトキシルペクチン、コーンスターチ、およびキサンタンガムから選ばれた1種以上である上記(15)に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(17)酸性素材が液状またはペースト状であり、該疑似米から分離されてから、疑似米が炊飯後の米飯に混ぜられる、上記(9)ないし(16)のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(18)上記加熱処理が、米粒大のゲル化こんにゃくを酸性素材と組み合わせて容器内に封入して行われる、上記(9)から(17)のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(19)上記加熱処理が、50℃~120℃で60分間以内に品温を保持して行われる、上記(9)請求項9か18のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(20)米粒大のゲル化こんにゃくを酸性素材と組み合わせて加熱処理してpH値を2.5~7.0に調整すること、ならびに、レトルトパウチ内でレトルト処理することを特徴とする、上記(9)ないし(19)のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。(21)レトルトパウチとしてシール可能のプラスチック製容器を用い、それに充填後、密封し、容器内でpH10~12の米粒大のゲル化こんにゃく中のアルカリを中和して所定のpHに調整されることを特徴とする上記(20)に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
近年、エネルギーの過剰の摂取に起因した肥満、糖尿病などを罹病する人々が増加していることが問題視され、エネルギー摂取量を減らすことが勧められている。そこで、主食の炊飯米の摂取量の抑制によるグルコマンナンあるいはコンニャク類によるエネルギー摂取の減少による血糖値などの改善が図られてきてはいるが、日本人にとって炊飯米の量を減らすと、食事の際の満足感が得にくいという問題点がある。本発明により、米粒状こんにゃくを含んだごはんが、ごはんそのもののおいしさを維持したままであり、通常量のごはんを食べても糖質摂取を抑制でき、しかも食欲は十分に満たされ、かつ、こんにゃく特有の臭気と弾力が抑えられた、炊飯後の米飯に混ぜるだけで使用することができる脱アルカリゲル化米粒状こんにゃく(こんにゃく疑似米)を提供することができる。コンニャクは96~97%が水分からなり、水分を除くと主成分はグルコマンナンであり、ヒトの消化管ではほとんど消化されず腸内微生物により一部脂肪酸に変換されて利用されるため、コンニャクは、100gあたり5~7kcalという低カロリーの食品として利用される。コンニャクを米粒大に成形して炊飯後の米飯に混ぜることによって得られる炊飯米様の食品は純粋な炊飯米と比較して低エネルギーであり、摂取カロリーを制限するための健康に好ましい食品となる。
炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化米粒状こんにゃくは、白米のごはんであるか、色が付いた米粒状こんにゃくを含有するごはんであるか、それぞれのごはんの用途に応じた米粒状こんにゃくを含有することが可能であり、上記の生理効果を発揮することができる。これらの日常的な用途やその効用は、消費の減少が続いているこんにゃくの用途を拡大するとともに、より多くの人にヘルシーな食品を提供することになり、食生活の健全化にも寄与する。
多量の水分を含む状態で米粒状こんにゃくを包装容器内に密封した状態で加熱殺菌と中和処理を行うことにより、常温での保存を問題とする必要がなく、腐敗防止に冷蔵庫での貯蔵を必要としない。炊飯後の米飯に混ぜて使用する時に、しっかりと水切りをしてから、炊飯後の米飯に混ぜるだけでよい。
また、種々の色に着色した米粒状こんにゃくとすることにより、カラフルで遊び心のあるヘルシーごはんを製造でき、さらに、米粒状こんにゃくを素材として利用した食品は低カロリーでヘルシー感覚を発揮するごはんの新製品を開発することができる。
実施例2の官能テストを実施した、I(コントロール)およびII~IV(マンナンタピオカをご飯に混ぜ込んだ出来あがりごはん)の外観を示す写真である。 実施例2の官能テストの結果をまとめた表である。 実施例3の(1)ないし(7)のごはんの栄養成分比較(100gあたり)をまとめた表である。 実施例3の(5)の30%置き換え白ごはんの外観を示す写真である。 色つきこんにゃく粒を混ぜたごはんのおにぎり(1)、こんにゃく粒を混ぜたごはんのチャーハン(2)、こんにゃく軍艦巻きのトッピングの脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米の応用例を示す。
本発明は、米粒大のアルカリゲル化こんにゃくと液状またはペースト状の酸性素材の組み合わせを特徴とし、液状またはペースト状の酸性素材を分離してから、炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品に関するものである。アルカリゲル化こんにゃくの米粒大成形品と酸性素材との混合物を流通用の容器内に封入した後、中和処理と加熱殺菌処理を同時に実施することができる。酸性素材と分離してから炊飯後の米飯に混ぜて使用することができる。こんにゃく製粉の量の調整、酸性素材と分離する際に水切れによるこんにゃく粒の水分含有量の調整が実行され、炊飯後の米飯に混ぜてもベチャベチャ感が全くないし、ごはん粒とは異なる違和感も全くない。また、アルカリゲル化こんにゃくの周りに酸性素材成分がわずかに付着しており炊飯後の米飯の米粒とよくなじんだ状態となって混ざる効果を発揮している。
〈米粒大のアルカリゲル化こんにゃく〉
本発明で米粒大のアルカリゲル化こんにゃくとは、炊飯した米粒と同様の大きさの粒状の外観形状を有する含水こんにゃくである。世界中のお米の長さは4mm~9mmと大きな幅があるが、日本のお米は、長さ5mm~6mmとその幅は非常に狭いと言われている。お米はご飯にすると重量で2.2倍、目方(容積)で2.5倍になる。したがって、米粒大のアルカリゲル化こんにゃくの長径が4mm以上、好ましくは5mm以上であり、12mm以下、好ましくは10mm以下の大きさ範囲であって、かつ粒の短径が1.5mm以上、好ましくは2mm以上であり、4mm以下、好ましくは3mm以下の大きさをいい、加工手段には特に限定されない。
〈米粒大のアルカリゲル化こんにゃくの製造方法〉
米粒状こんにゃくは、通常のこんにゃく製造の手法に準じて、こんにゃく精粉に水を加えて、撹拌機で撹拌混合し、約1時間放置し、次いでそれにpH10~14の水酸化カルシウム含有液を添加、混合し、または水酸化カルシウム微粉末を添加混合し、固めてから成形機で米粒状に成形し、40℃~60℃で約5分間加熱することで製造される。
より詳細に製造方法について説明する。
まず、こんにゃく精粉を使用して水分散ゾルを調製する。こんにゃく精粉1重量部をこんにゃく精粉重量の20~50倍量程度、好ましくは30~40倍量程度の0℃~60℃の水で分散させてゾルを調製する。こんにゃく製粉の量は目的とするごはんの用途により食感変更が可能であり、1.5%~4%が用いられる。このとき、特に物性の改善を目的としてデンプン、ゲル化剤などを加えるか、成形体を着色するために黄、赤、緑などの着色剤を添加してもよい(特許文献11参照)。デンプン、ゲル化剤は、用途、食感に合わせ変更可能である。タピオカ澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、キサンタンガム、ローカストビーンガム等が用いられる。
次いで、上記の如くして得られた水分散ゾルを粒状に成形してゲル化する。多数の成形孔を穿設した目皿を用いて、白滝または糸こんにゃくなどを成形する場合と同様に、混練装置の吐出口に設けた目皿から同時に15~60個の粒状体として湯槽に押し出して成形し、養生により凝固させる。ゲル化(凝固)の方法は、食品に用いることが許されているアルカリをこんにゃく精粉に反応させて行う。こんにゃく精粉の主成分であるグルコマンナン中の親水性のアセチル基が、アルカリとの化学反応により酢酸となって外れ、不可逆性のゲルを作る性質を用いる。
アルカリが水酸化カルシウムの場合、当初のこんにゃく精粉重量の3~10%程度、好ましくは5~7%を水分散液の状態で水分散ゾルに均一に混合し、粒状に成形して0℃~60℃の水中、好ましくは40℃~60℃の水中でゲル化するまで放置する。ゲル化の時間はアルカリ濃度と水温によって変化する。アルカリが水酸化カルシウムで、当初のこんにゃく精粉重量の5%の時の水温とゲル化時間の関係は、例えば水温が10℃の場合は約15分でゲル化し、水温が60℃の場合は約2分でゲル化が完了する。米粒状のアルカリこんにゃくのpHは10以上である。
次いで、この米粒状のアルカリこんにゃくを脱アルカリする。一旦アルカリでこんにゃく(粒)を作り、その後脱アルカリ調味液と合わせ、脱アルカリ処理をする。本発明においては、米粒状コンニャクはpH2.5~7.4に中和されていることが好ましい。有機酸としては酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸などの食品添加物が主に使用されるが、所望する炊飯米の種類によっては、調味料、果汁その他に含まれている酸性成分によることも可能である。
pHが弱酸性になるように調整して、そのまま袋などのプラスチック容器に充填し、ボイル殺菌後、冷却して商品として出荷されることもある。常温流通を可能ならしめるために製品のpHは2.5~7.0、好ましくは5.0~4.0になるように酸を添加し、例えば、85℃、30~60分の加熱殺菌を行う。冷蔵、チルド、ないし冷凍で流通させるためには、pH7.4まで可能であるが、消費者にわたってからの製品の管理の問題から、pHは2.5~7.0に調整することが好ましい。
こんにゃくの中和工程についてさらに説明する。本発明で使用する米粒状こんにゃくはこんにゃくイモまたはこんにゃく精粉を原料として水酸化カルシウム、カン水などのアルカリで凝固させたものであり、通常製造されたこんにゃくのpHは10~12である。凝固させたものは米粒状に成形したこんやくであり、それらは無着色のものあるいは着色したものである。無着色のものは、海藻粉を使用しない白いコンニャク、海藻粉で着色した黒色系コンニャクに大別される。着色した蒟蒻は調味液中には溶出しにくい油性の天然色素を練り込んだものである(特許文献11参照)。例えば、コンニャク内から水及び調味液に溶出しない天然色素として黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)を練り込んで種々に着色したコンニャクである。
こんにゃく中のアルカリを中和するのに必要な酸量は所定重量のこんにゃくをホモジナイザーで磨砕し、これに摩砕こんにゃくのアルカリ分を少なくとも中和できる量の酸性素材を混合して、その場合、有機酸を添加して、pH2.6~7.0になるまでに要する酸量を測定して決めることができる。有機酸としては酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸などの食品添加物が主に使用されるが、調味料、果汁その他に含まれている酸性成分をも考慮することが好ましい。
米粒状こんにゃくの所定量の酸性分による中和工程は、容器内で行い、次いで個別の包装容器内に中和物を収納することにより行うことができるが、個別の包装用の容器内に米粒状こんにゃく、有機酸、調味料などを封入した後に中和させてもよい。また、米粒状こんにゃくを含む食品材料の全てを流通用の個別包装容器内に収納した後、加熱殺菌工程において中和させてもよい。充填する包装用の容器の素材は、ガラス製よりも耐熱性のプラスチック製で、硬質容器やフレキシブルなラミネート袋、さらにレトルトパウチが作業性において効率が良い。包装後の加熱処理はこんにゃくのアルカリを迅速に中和・除去することと、こんにゃく内への調味成分の浸透を早めることを目的としているが、有害菌の殺菌が同時に行われる。
加熱処理条件においては、こんにゃくが軟化したり、ゴム質化を起こすことがあるが、この現象は調味こんにゃくのpHと関連している。食感と保存性を考慮した最適加熱条件は、pH3.5~6.0の範囲では50~95℃、pH6.0~9.0の範囲では100~120℃の関係にあり、通常の処理時間は60分間以内である。この加熱処理においては、米粒状こんにゃくが終了時には調味液成分がこんにゃくへ充分に浸透し調味され、加熱工程の終了時には米粒状こんにゃくは所定のpHに中和されている。
〈液状またはペースト状の酸性素材〉
脱アルカリ処理(中和処理)するための、液状またはペースト状の酸性素材は、ごはんの用途、味に合わせ変更可能である。基本はグルコン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等から選ばれるが、用途に合わせpH値の調整や味の調整も可能である。ごはんアレンジは、通常は、炊き込むものと、後で混ぜるものが基本であるが、本発明では後で混ぜるものである。和食なら寿司用、塩味、カレー味、炊き込みご飯(この場合は具材の追加)、混ぜご飯、雑穀ご飯などがあり、和食以外なら「炒め」ることもある。本発明のこんにゃく加工食品は、米粒大のアルカリゲル化こんにゃくと液状またはペースト状の酸性素材の組み合わせからなり、当該液状またはペースト状の酸性素材を分離してから、炊飯後の米飯に混ぜて使用するための脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むものである。使うときには分離される液状またはペースト状の酸性素材は、調味料、増粘物質、果汁、果実および/または野菜を破砕して裏ごししたピューレ、果実ペースト、野菜ペーストから選ばれた1種以上を含み、米粒状こんにゃくのアルカリ分を少なくとも中和できるようにpH値を調整したものである。酸性素材は、ごはんとの混ざり具合を調整するために増粘物質を含むことが好ましい。その増粘物質としては食品用粘性物質であれば制限がなく、澱粉、海藻成分など天然多糖類をはじめ公知の食品添加物としての天然ガム質成分、増粘多糖類などである。ジャム、ゼリーなどの低pH食品には、広くペクチンが利用されている。ペクチンの種類は大きく分けて、高メトキシルペクチンと低メトキシルペクチンがあり、粘度、ゲル化特性により使い分けられている。その他具体的にはキサンタンガム、タマリンドガム、グアガム、タラガム、タラビーンガム、ローカストビーンズガム、カラギーナン等を使用し得る。米粒状こんにゃくの大きさを変化させることにより、特に色つきの場合、野菜の色、食感を表現することもできるので、すし用素材、混ぜごはんなどを構成する天然原料素材の一部分または全部を米粒状こんやくで置き換えることができる。
また、使用する添加剤の種類によっても食感が変化する。例えば、米粒状こんにゃくは増粘剤の種類と量などについて検討するにあたり、最適な粘りの質を決定することができる。粘りの質は、粘弾性が中心となる複雑な物性の組み合わせからなることからそれを数値化することは難しく、粘度計、レオメーター、テクスチュロメーターなど専門機器による測定値をもってしても最適値を求めること困難である。最適な粘りの質を決定するに当たっては、結局、人間の五感による官能検査から最良と思われる結果を決定せざるを得なかった。
調味液としては、酢酸、砂糖、ソルビトール、食塩、グルタミン酸ソーダ、乳酸カルシウム、ビーフエキス、濃口醤油、などを使用しているが、煮物、炒め物、和え物などに使用するもので、洋風、和風、中華風の調味料であればいずれのものも用いることができる。果実風味を出すためには、ブルーベリーやイチゴなどの濃縮果汁、フレーバー、果肉などが利用される。
多様な色に着色した米粒状こんにゃくを使用すれば、カラフルで遊び心のあるヘルシーごはんが期待でき、米粒状こんにゃくを素材として利用した食品は低カロリーでヘルシー感覚を発揮する新製品を開発できる。例えば、混ぜすし用素材、にぎり寿司のトッピング、黒こんにゃく入りおにぎりなど新市場への新たな展開も可能である。図5に色つきこんにゃく粒を混ぜたごはんのおにぎり(1)、こんにゃく粒を混ぜたごはんのチャーハン(2)、こんにゃく軍艦巻きのトッピングの応用例を示す。
次に本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定される物ではない。
本実施例で用いた米粒大のアルカリゲル化こんにゃくを「マンナンタピオカ4mm」と呼称する。
[マンナンタピオカ4mmの組成]
マンナンタピオカ4mmの組成は表1、性質は表2のとおりである。表1の配合比は一旦アルカリでこんにゃく(粒)を作り、その後脱アルカリ調味液と合わせ、脱アルカリ処理をしたものの配合比である。
こんにゃく製粉の量は本実施例では3.0%を使用したが、用途により1.5%~4%の範囲で変更して、食感を変えることができる。酸味料もグルコン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等を用いて、用途、味に合わせ変更が可能である。デンプン、ゲル化剤もタピオカ澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉、キサンタンガム、ローカストビーンガム等を用いて用途、食感に合わせ変更が可能である。チキンライス色、カレー色等の用途に合わせこんにゃくに天然色素を入れて対象物に合わせた色を表現することも可能である。そのほか、寿司用、塩味、カレー味等の用途に合わせpH値の調整や味の調整も可能である。
Figure 0007264444000001
[表2]
上記試作サンプル
pH(℃) 3.84 (19.3)
塩分 0.07
Brix 5.5
実施例1のマンナンタピオカをご飯に混ぜ込んで、官能テストを実施した。
[手順]
〈I.コントロール〉
(1)米1合(150g)をはかり、ボウルに入れる。
(2)ボウルにたっぷりの水を加え、手早く2~3回かき混ぜ、水を捨てる。
(3)水を入れ、手でかき混ぜるように洗い、水を捨てる。これを3回繰り返す。
(4)炊飯器の釜に米を移し、1合の目盛りまで水を加え(約200g)、1時間水に浸す。炊飯器にセットする。
(5)炊き上がったらできるだけ早くほぐす。炊飯器の底からご飯粒をつぶさないようふんわり混ぜる。(炊きあがり約350g、図1のIの出来上がり写真参照)
〈II.脱アルカリ粒こんにゃくを混ぜ込み〉
(1)米1合(150g)をはかり、ボウルに入れる。
(2)ボウルにたっぷりの水を加え、手早く2~3回かき混ぜ、水を捨てる。
(3)水を入れ、手でかき混ぜるように洗い、水を捨てる。これを3回繰り返す。
(4)炊飯器の釜に米を移し、1合の目盛りまで水を加え(約200g)、1時間水に浸す。炊飯器にセットする。
(5)マンナンタピオカ4mm(無色)KSD003はザルに入れてよく水切りをする。
(6)炊き上がったご飯210gに水切りしたマンナンタピオカ90gを加え、できるだけ早くほぐす。炊飯器の底からご飯粒をつぶさないようふんわり混ぜる。(出来上がり300g ご飯:マンナンタピオカ=7:3、図1のIIの出来上がり写真参照))
〈III.10%脱水脱アルカリ粒こんにゃくを混ぜ込み〉
(1)米1合(150g)をはかり、ボウルに入れる。
(2)ボウルにたっぷりの水を加え、手早く2~3回かき混ぜ、水を捨てる。
(3)水を入れ、手でかき混ぜるように洗い、水を捨てる。これを3回繰り返す。
(4)炊飯器の釜に米を移し、1合の目盛りまで水を加え(約200g)、1時間水に浸す。炊飯器にセットする。
(5)マンナンタピオカ4mm(無色)KSD003はザルに入れてよく水切りをする。さらにネットに入れて手で圧力をかけ、その重量の10%を脱水する。(こんにゃくの間の水を切るイメージ)
(6)炊き上がったご飯210gに水切りしたマンナンタピオカ90gを加え、できるだけ早くほぐす。炊飯器の底からご飯粒をつぶさないようふんわり混ぜる。(出来上がり300g ご飯:マンナンタピオカ=7:3、図1のIIIの出来上がり写真参照))
〈IV.20%脱水脱アルカリ粒こんを混ぜ込み〉
(1)米1合(150g)をはかり、ボウルに入れる。
(2)ボウルにたっぷりの水を加え、手早く2~3回かき混ぜ、水を捨てる。
(3)水を入れ、手でかき混ぜるように洗い、水を捨てる。これを3回繰り返す。
(4)炊飯器の釜に米を移し、1合の目盛りまで水を加え(約200g)、1時間水に浸す。炊飯器にセットする。
(5)マンナンタピオカ4mm(無色)KSD0033はザルに入れてよく水切りをする。さらにネットに入れて手で圧力をかけ、その重量の20%を脱水する。(こんにゃくの間の水を切るイメージ)
(6)炊き上がったご飯210gに水切りしたマンナンタピオカ90gを加え、できるだけ早くほぐす。炊飯器の底からご飯粒をつぶさないようふんわり混ぜる。(出来上がり300g ご飯:マンナンタピオカ=7:3、図1のIVの出来上がり写真参照)
官能テスト詳細は以下のとおりである。
●試食サンプル詳細
I.コントロール(通常の炊いたご飯)
II.炊き上がったご飯に調味液のみ切ったマンナンタピオカをご飯:マンナンタピオカ=7:3の割合で混ぜたもの
III.炊き上がったご飯に調味液を切りその後10%脱水したマンナンタピオカをご飯:マンナンタピオカ=7:3の割合で混ぜたもの
IV.炊き上がったご飯に調味液を切りその後20%脱水したマンナンタピオカをご飯:マンナンタピオカ=7:3の割合で混ぜたもの
●官能テスト方法(N=5人)
・それぞれのサンプルが炊き上がり1時間~2時間後に試食
・冷蔵庫に48時間置いて試食
・冷蔵庫に48時間置いた後、レンジアップして試食
の計3パターン確認を行った。
比較評価を5名のパネラーにより行った。評価は味、香り、食感、総合評価の評価とし、それぞれ、○大変良好、△良好、×不良の3段階で評価した。各評価の回答人数を官能テストの結果とした。
●官能テスト結果
官能テストの結果をまとめた表を図2に示す。
★炊き上がり時比較
味、香りについてはすべて問題なく、食感に関して
Iに対し、IIはベチャベチャ感が気になる意見が多かった。
それに比べIII、IVはIと比べても違和感がなく好評化。
★冷蔵庫48時間後比較
味、香りについてはすべて問題なく、食感に関して
Iはボソボソ感が出て、IIは変わらずベチャベチャであったが、
III、IVは炊き上がり時と変わらない食感を保っていた。
★冷蔵庫48時間後レンジアップ比較
味、香りについてはすべて問題なく、食感に関して
Iに比べ、IIは変わらずベチャベチャであったが、
III、IVは炊き上がり時と変わらない食感を保っていた。
★総合結果
脱水したマンナンタピオカを使用して混ぜたご飯は、
時間が経ってもボソボソにならず炊き立てのような食感を保つことが期待される。
その他見た目、味、香りすべて問題はなかった。
下記(1)ないし(7)のごはん栄養成分比較(100gあたり)を表にして図3に示す。
(1)白ごはん、
(2)マンナンタピオカ4mm(無色)KSD003脱アルカリ・無味 蒟蒻粉3% 澱粉2%、
(3)10%置き換え白ごはん、
(4)20%置き換え白ごはん、
(5)30%置き換え白ごはん、
(6)40%置き換え白ごはん、
(7)50%置き換え白ごはん
上記(5)の30%置き換え白ごはんの写真を図3に示す。
近年、エネルギーの過剰の摂取に起因した肥満、糖尿病などを罹病する人々が増加していることが問題視され、エネルギー摂取量を減らすことや血糖値の上昇を抑制することが勧められている。
そこで、主食の炊飯米の摂取量の抑制によるグルコマンナンあるいはコンニャク類によるエネルギー摂取の減少による血糖値などの改善が図られてきている。主食である炊飯米に基づくエネルギー摂取量を減らすための努力がなされてはいるが、日本人にとって炊飯米の量を減らすと、食事の際の満足感が得にくいという問題点がある。一般に、コンニャクは96~97%が水分からなり、水分を除くと主成分はグルコマンナンであり、ヒトの消化管ではほとんど消化されず腸内微生物により一部脂肪酸に変換されて利用される。このため、コンニャクは、100gあたり5~7kcalという低カロリーの食品として、摂取カロリーを制限するための健康に好ましい食品として知られている。低エネルギーの食品素材である米粒大コンニャクと炊飯米を混合した炊飯米様の食品は純粋な炊飯米と比較して低エネルギーである。糖質制限は、まずはご飯やパン、麺などの主食の量を減らすことからスタートすることが推奨されるところ、本発明の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米に10~50重量%置き換えた白ごはんなどの低糖質な製品を利用して、糖質オフを行う一つの方法を提供することができる。脳にとってなくてはならない栄養素である糖質を極端にカットするがなく、無気力や倦怠感、眠気などの症状が一時的に現れることもなく、満足感を保ったままトータルで数十(10~40)キロカロリーの糖質オフが可能である。



Claims (21)

  1. 米粒大のアルカリゲル化こんにゃくと液状またはペースト状の酸性素材の組み合わせを特徴とする、液状またはペースト状の酸性素材を分離してから、炊飯後の米飯に混ぜて使用するためのpH値を2.5~7.0の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品。
  2. 前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、アルカリゲル化こんにゃくの米粒大成形品である、請求項1に記載のこんにゃく加工食品。
  3. 前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、こんにゃくイモ粉および/またはこんにゃく粉を原料粉とする、請求項1または2に記載のこんにゃく加工食品。
  4. 前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、無着色のものである、請求項1ないし3のいずれかに記載のこんにゃく加工品。
  5. 前記米粒大のアルカリゲル化こんにゃくが、色が付いた疑似米とするための天然着色料が配合された原料粉を原料粉とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のこんにゃく加工品。
  6. 上記酸性素材が、アルカリの中和にグルコン酸、クエン酸、および乳酸から選ばれた1種以上の酸味料を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載のこんにゃく加工品。
  7. 上記酸性素材が、さらに増粘物質を含む、請求項6に記載のこんにゃく加工品。
  8. 増粘物質が低メトキシルペクチン、コーンスターチ、およびキサンタンガムから選ばれた1種以上である請求項7に記載のこんにゃく加工品。
  9. 米粒大のゲル化こんにゃくを酸性素材と組み合わせて加熱処理して、炊飯後の米飯に混ぜて使用するためのpH値を2.5~7.0の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米とすることを特徴とする、炊飯後の米飯に混ぜて使用するためのpH値を2.5~7.0の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  10. 前記米粒大のゲル化こんにゃくが、こんにゃくからなる原料粉に水を混合して糊化し、アルカリでゲル化させたこんにゃくを米粒大に成形したものである、請求項9に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  11. 原料粉のこんにゃくは、こんにゃくイモ粉および/またはこんにゃく粉を用いる、請求項10に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  12. 前記米粒大のゲル化こんにゃくが、無着色のものである、請求項9ないし11のいずれかに記載の米粒大の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  13. 前記米粒大のゲル化こんにゃくが、原料粉に色が付いた疑似米とするための天然着色料が配合されたものである、請求項9ないし12のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  14. 上記酸性素材が、アルカリの中和にグルコン酸、クエン酸、および乳酸から選ばれた1種以上の酸味料を含む、請求項9ないし13のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  15. 上記酸性素材が、さらに増粘物質を含む、請求項14に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  16. 増粘物質が低メトキシルペクチン、コーンスターチ、およびキサンタンガムから選ばれた1種以上である請求項15に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  17. 酸性素材が液状またはペースト状であり、該疑似米から分離されてから、疑似米が炊飯後の米飯に混ぜられる、請求項9ないし16のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  18. 上記加熱処理が、米粒大のゲル化こんにゃくを酸性素材と組み合わせて容器内に封入して行われる、請求項9から17のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  19. 上記加熱処理が、50℃~120℃で60分間以内に品温を保持して行われる、請求項9か18のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  20. 米粒大のゲル化こんにゃくを酸性素材と組み合わせて加熱処理してpH値を2.5~7.0に調整すること、ならびに、レトルトパウチ内でレトルト処理することを特徴とする、請求項9ないし19のいずれかに記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
  21. レトルトパウチとしてシール可能のプラスチック製容器を用い、それに充填後、密封し、容器内でpH10~12の米粒大のゲル化こんにゃく中のアルカリを中和して所定のpHに調整されることを特徴とする請求項20に記載の脱アルカリゲル化こんにゃく疑似米を含むこんにゃく加工食品の製造方法。
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