以下では、本発明の実施の形態に係るACF貼付装置等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸、及び、Z軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。また、以下の実施の形態では、基板搬送方向のX軸正方向とし、Z軸正方向を上方とし、Z軸負方向を下方として記載する場合がある。
また、以下の実施の形態では、ACF貼付装置をY軸負方向側から見た場合を正面視とし、X軸正方向側から見た場合を側面視として説明する場合がある。
(実施の形態)
[概要]
まず、図1を参照して、実施の形態に係るACF貼付装置を含む部品実装装置の概要について説明する。
図1は、実施の形態に係るACF貼付装置100を含む部品実装装置1の概略構成図である。
部品実装装置1は、ディスプレイパネル等を生産するための部品実装システムであり、ディスプレイパネル等の基板200に複数の処理を実行する。具体的には、部品実装装置1は、電極部210が形成された基板200にフィルム状の異方性導電部材であるACF230を貼り付け、ACF230を介して電子部品(部品220)を基板200(より具体的には、電極部210)に熱圧着させる装置である。部品実装装置1は、インラインで複数の作業を実施する部分である。
本実施の形態では、基板200は、上部基板201と下部基板202との2枚が重ね合わされた構成となっている。また、上部基板201と下部基板202とは、上面視で一部重なっておらず、下部基板202における上部基板201と上面視で重なっていない位置に、電極部210が形成されている。近年、電極部210の小型化に伴い、下部基板202の上面における上部基板201と上面視で重なっていない露出されている部分が、狭くなってきている。このような小型化に合わせて、基板200に貼り付けられるACF230もまた、細幅化されている。
部品220としては、例えば、TCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuits)等のフレキシブル部品や、IC(Integrated Circuit)部品が例示される。
本実施の形態に係るACF貼付装置100は、ディスプレイパネル等の基板200に複数の処理を施す装置を複数備える部品実装装置1の1つの装置である。具体的には、ACF貼付装置100は、基板200に形成された電極部210にACF230を貼り付ける貼付部20を備える装置である。
本実施の形態においては、部品実装装置1は、基板200を搬入する基板搬入部10と、基板200にACF230を貼り付ける貼付部20と、ACF230上に部品220を仮圧着する仮圧着部30と、ACF230と共に部品220を熱圧着(本圧着)して基板200と部品220との電気的な導通を確保する本圧着部40と、部品220が熱圧着された基板200を搬出する基板搬出部50と、基板搬入部10、貼付部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50の間で基板200を移動させる基板移載装置60と、を備える。
また、部品実装装置1は、部品実装装置1が備える各装置の動作を制御するコンピュータ110を備える。コンピュータ110は、基板搬入部10、貼付部20、仮圧着部30、本圧着部40、基板搬出部50及び基板移載装置60の各装置と制御線等により通信可能に接続されており、各装置の動作、当該動作のタイミング等を制御する。
基板搬入部10、貼付部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50は、この順で連結されている。例えば、基板搬入部10、貼付部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50は、この順で所定の方向に沿って並んで配置されている。
部品実装装置1は、基板200が搬送される上流側の基板搬入部10より搬入されたディスプレイパネル基板等の長方形の基板200の周縁に設けられた電極部210に部品220を実装する部品実装作業を実行し、部品220を実装した基板200を基板搬出部50から搬出する。電極部210は、例えば、電極により構成されている。
基板搬入部10は、部品実装装置1よりも上流側に配置された上流側設備で所定の作業を終えた基板200を搬入する装置である。基板搬入部10は、ステージ11を備え、ステージ11は、上流側設備から搬出された基板200を保持する。
貼付部20は、接着テープの一種であって、異方性導電フィルムをテープ状にしたACF230を基板200に貼り付ける装置である。貼付部20は、例えば、基板保持部21を備えている。基板保持部21は、基板搬入部10から搬出された基板200を保持するステージである。貼付部20は、基板保持部21が保持する基板200を所定の方向に移動させ、ACF230の貼り付けが行われる貼り付け位置に基板200を移動させる。
また、貼付部20は、所定のサイズに切断されたACF230を貼り付けヘッド22によって基板200に貼り付ける。こうすることで、貼付部20は、基板200にACF230を貼り付ける。
仮圧着部30は、基板200に貼り付けられたACF230上に、部品220を仮圧着する装置である。具体的には、仮圧着部30は、ステージ31が保持する基板200を所定の方向に移動させ、ピックアップヘッド、圧着ヘッド等を有する仮圧着ツール32によって図示しない部品ステージに位置する部品220をピックアップして、ACF230を介して基板200に部品220を加熱しながら押し付けて仮圧着する。
本圧着部40は、基板200に仮圧着された部品220を熱圧着(本圧着)する装置である。本圧着部40は、ステージ41が保持する基板200を所定の方向に移動させ、部品220の熱圧着が行われる部品圧着位置に部品220が仮圧着されている基板200を移動させる。また、本圧着部40は、圧着ヘッド、ヒータ等を有する圧着ツール42によってACF230を介して基板200に電子部品220を加熱しながら押し付けて熱圧着する。
基板搬出部50は、本圧着部40によって部品220が本圧着された基板200を部品実装装置1の下流に配置された下流側設備へ搬出する装置である。基板搬出部50が有するステージ51に保持された基板200は、ステージ51から基板200を取り出して下流側へ搬出可能な図示しない搬出装置によって下流側設備に搬出される。
コンピュータ110は、ACF貼付装置100及びACF貼付装置100を含む部品実装装置1の各装置の動作を制御する制御装置である。コンピュータ110は、ソフトウェアを実行することにより実現する処理部である制御部120と、当該ソフトウェアを記憶する記憶部130と、を備えている。
なお、ACF貼付装置100は、コンピュータ110を単独で備えてもよいし、部品実装装置1が備えるコンピュータ110を部品実装装置1の各装置と共有してもよい。
制御部120は、基板搬入部10、貼付部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50を備える部品実装装置1の各装置の動作、当該動作のタイミング等を制御する。また、制御部120は、基板移載装置60を制御して、基板200を部品実装装置1が備える各装置間で次の工程へ移送する基板移送作業を実行する。
制御部120は、例えば、記憶部130に記憶され、貼付部20及び部品実装装置1が有する各装置を制御するための制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)とにより実現される。
記憶部130は、基板200のサイズ、基板200に実装する部品220の種類、実装位置、実装方向、各装置の動作、当該動作のタイミング、基板200を各装置間で移送するタイミング等の部品実装作業に必要な各種データ、制御部120が実行する制御プログラム等を記憶する。
記憶部130は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリにより実現される。
[ACF貼付装置]
続いて、図1、図2A及び図2Bを参照して、ACF貼付装置100について詳細に説明する。
図2Aは、実施の形態に係るACF貼付装置100を示す概略正面図である。図2Bは、実施の形態に係るACF貼付装置100がACF230を基板200に貼り付ける様子を示す概略正面図である。具体的には、図2A及び図2Bは、ACF貼付装置100が備える貼付部20の具体的な構成を示す図である。なお、図2A及び図2Bにおいては、コンピュータ110、基板移載装置60等のACF貼付装置100が備える構成要素の一部の図示を省略して示している。
また、図2Aでは、昇降部27、基板移動部28、及び、ヘッド駆動部29を、機能的なブロックとして示している。
ACF貼付装置100は、基板保持部21と、貼り付けヘッド22と、切断部23と、ACF供給部24と、剥離部25と、基板下受け部26と、昇降部27と、基板移動部28と、ヘッド駆動部29と、基板移載装置60と、コンピュータ110が有する制御部120及び記憶部130と、を備える。
基板保持部21は、基板200を保持するステージである。具体的には、基板保持部21には、基板移載装置60によって基板搬入部10に位置する基板200が搬送される。基板保持部21は、基板移載装置60から搬送された基板200を保持する。
また、基板保持部21は、基板移動部28によって移動可能となっている。
基板移動部28は、例えば、基板保持部21をY軸方向及びZ軸方向に移動させるための、ガイドとモータとによって構成される。
基板移動部28は、基板保持部21を移動させる。具体的には、基板移動部28は、基板保持部21に保持された基板200を、貼り付けヘッド22によって基板200にACF230を貼り付けるための位置に移動させる。
例えば、基板移動部28は、基板保持部21を移動させることで、基板保持部21に保持されている基板200をACF230と基板下受け部26との間に移動させる。具体的には、基板移動部28は、基板保持部21を移動させることで、基板保持部21に保持されている基板200をACF230と基板下受け部26との間に、基板200の高さ(言い換えると、鉛直方向の位置)を変えることなく移動させる。より具体的には、基板移動部28は、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させる前に昇降せずに基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に移動させる。
例えば、ACF貼付装置100は、基板200にACF230を貼付する前に、基板200に形成されている基板200の位置等を検出するための基板マーク(不図示)を認識するための認識カメラ(不図示)を用いて、当該マークを撮像する。その際に、基板移動部28は、基板保持部21に基板200が載置された後で、基板200を、位置が固定されている当該認識カメラで撮像可能な位置まで移動させる。基板移動部28は、例えば、当該認識カメラによる撮像がなされた後、昇降せずに基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に移動させる。
また、例えば、基板移動部28は、ACF230と基板下受け部26との間に移動させた基板200を、ACF230側に移動させるように、基板保持部21を上昇させる。
貼り付けヘッド22は、ACF230を基板200に圧着することで貼り付けるための圧着ヘッドである。貼り付けヘッド22は、所定の高さに配置され、下降することでACF230を有するテープ部材232と接触してテープ部材232とともにさらに下降して、テープ部材232を介して基板200と接触することで、ACF230を基板200に貼り付ける。
貼り付けヘッド22は、ヘッド駆動部29によって移動可能に構成されている。
ヘッド駆動部29は、貼り付けヘッド22を移動させる。具体的には、ヘッド駆動部29は、貼り付けヘッド22を降下させるように移動させることで、貼り付けヘッド22によってACF230を基板200に貼り付けさせる。
ヘッド駆動部29は、例えば、貼り付けヘッド22をZ軸方向に移動させるための直動ガイドとモータとによって構成される。
また、ACF230が貼り付けられる際、基板200は、基板下受け部26によって下面が支持される。
基板下受け部26は、基板200にACF230が貼り付けられる際、基板200を下から支持する。基板下受け部26は、いわゆるバックアップステージである。
基板下受け部26は、昇降部27によって移動可能に構成されている。
昇降部27は、基板下受け部26を移動させる。具体的には、昇降部27は、基板下受け部26を上昇させることで、ACF230と基板下受け部26との間に位置する基板200に基板下受け部26を接触させることで、基板下受け部26に基板200を支持させる。
昇降部27は、例えば、基板下受け部26をZ軸方向に移動させるための直動ガイドとアモータとによって構成される。
なお、昇降部27は、基板下受け部26に基板200を下受けさせた状態で基板保持部21とともに基板200を昇降させてもよいし、基板保持部21がACF230と基板下受け部26との間に移動させた基板200をACF230側に移動させた状態で、基板下受け部26を昇降させてもよい。
切断部23は、テープ部材232に含まれるACF230を規定サイズに切断する。例えば、テープ部材232は、ACF230と、ACF230を支持する帯状のセパレータ231とを有する。
セパレータ231は、ポリエチレンテレフタレート等で形成された、ACF230を支持するテープ状のフィルムである。
切断部23は、テープ部材232を上下方向から挟み込んで、ACF230とセパレータ231とのうち、ACF230のみを切断する。これにより、ACF230は、切断部23によって既定のサイズに切断され且つセパレータ231に支持された状態で、ACF供給部24によって基板下受け部26(つまり、基板200)の上方に移動される。
切断部23は、例えば、カッターである。
なお、図2A及び図2Bにおいては、テープ部材232の下側に位置する切断部23の一部の図示を省略している。
ACF供給部24は、ACF230を基板下受け部26(つまり、基板200)の上方に移動させる。ACF供給部24は、例えば、ACF230をX軸方向に移動させるためのガイドローラとモータとによって構成される。
剥離部25は、ACF230をセパレータ231から剥離させる。本実施の形態では、剥離部25は、テープ部材232を挟み込む2つの剥離ピンと、これら剥離ピンを動かすためのモータとで構成されている。例えば、剥離部25は、貼り付けヘッド22によってACF230が基板200に貼り付けられた後で、2つの剥離ピンによってテープ部材232のうちのセパレータ231を挟みこみ、2つの剥離ピンをX軸負方向に動かす。これにより、剥離ピンがセパレータ231と基板200に接触しているACF230との間に入り込み、基板200と接触しているACF230は、セパレータ231から剥がされ得る。
基板移載装置60は、隣接する装置間で基板200の移載(受け渡し)を行う装置である。基板移載装置60は、例えば、所定の方向に沿って隣接して配置された装置間を往復動し、上流の装置から基板200を受け取って下流の装置が有するステージに基板200を載置する。
例えば、基板移載装置60は、基板搬入部10が備えるステージ11に位置する基板200を受け取って、貼付部20が有する基板保持部21に載置する。
基板移載装置60は、例えば、基板200を吸着及び支持して搬送するための吸着パッドと、基板搬入部10、貼付部20、仮圧着部30、本圧着部40、及び、基板搬出部50の間で吸着パッドを移動させるための直動ガイドとモータとによって構成されている。
制御部120は、切断部23、ACF供給部24、剥離部25、昇降部27、基板移動部28、ヘッド駆動部29、及び、基板移載装置60等の各動作、各動作のタイミング等を制御する処理部である。本実施の形態では、制御部120は、部品実装装置1が備える仮圧着部30、本圧着部40等の装置の動作も制御する。
また、制御部120は、昇降部27によって、基板下受け部26を基板200側に上昇させて基板下受け部26を基板200に接触させることで基板200を基板下受け部26に下受けさせる。
例えば、制御部120は、基板移動部28によって、基板200をACF供給部24により供給されたACF230側に、ACF230と接触するまで上昇させる。
なお、制御部120は、基板移動部28によって、基板200をACF供給部24により供給されたACF230側に、ACF230と接触するまで上昇させなくてもよい。例えば、制御部120は、基板移動部28によって、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間の第1高さ240(図4参照)に位置させた後、基板200をACF供給部24から供給されたACF230側に第2高さ241(図4参照)まで上昇させる。より具体的には、制御部120は、基板移動部28によって、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させる前に昇降せずに基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間の第1高さ240(図4参照)に位置させた後、基板200をACF供給部24から供給されたACF230側に第2高さ241(図4参照)まで上昇させる。なお、第1高さ240は、ACF貼付装置100に設けられた認識カメラ(図示せず)により基板200に付された基板マーク(図示せず)を認識するための高さでもある。
或いは、制御部120は、第1高さ240よりも低い位置である第3高さ242(図4参照)で基板200にACF230を貼り付ける第1のモードと、第2高さ241で基板200にACF230を貼り付ける第2のモードと、を切り替えて昇降部27、基板移動部28等の各装置を制御してもよい。
ここで言う第2高さ241及び第3高さ242は、それぞれの高さ位置に位置された基板200に対してそれぞれ貼付部20がACF230を貼り付けることができる高さである。また、第3高さ242より第2高さ241に位置した基板200のほうがよりACF230に近い位置に位置するために、第2高さ241は、第3高さ242より高い精度で基板200にACF230を貼付部20が貼り付けることができる高さである。
記憶部130は、ACF貼付装置100が備える各装置の動作、当該動作のタイミング、基板200を各装置間で移送するタイミング等の基板200に部品220を実装するために必要な各種データ、制御部120が実行する制御プログラム等を記憶する。本実施の形態では、記憶部130は、ACF貼付装置100以外の部品実装装置1が備える各装置の動作、当該動作のタイミング等を制御部120が制御するための制御プログラムもまた記憶している。
[処理手順]
続いて、図3及び図4を参照しながら、実施の形態に係るACF貼付装置100の処理手順について詳細に説明する。
図3は、実施の形態に係るACF貼付装置100が実行する動作の処理手順を説明するためのフローチャートである。図4は、実施の形態に係るACF貼付装置100が実行する動作を説明するための側面図である。
なお、図3及び図4においては、昇降部27、基板移動部28等のACF貼付装置100が備える一部の構成要素の図示を省略している。
また、図4においては、第1高さ240を一点鎖線で示し、第2高さ241を二点鎖線で示し、第3高さ242を三点鎖線で示している。
まず、基板移載装置60は、図3のステップS101及び図4の(a)に示すように、基板200を基板保持部21に載置させる。
また、ACF供給部24は、基板下受け部26の上方にACF230を供給する(ステップS102)。ステップS102では、例えば、ACF供給部24は、切断部23によってACF230が規定のサイズに切断された後で、切断されたACF230を基板下受け部26上に供給する。
次に、基板移動部28は、図3のステップS103及び図4の(b)に示すように、第1高さ240のまま基板200を基板下受け部26上まで移動させる。より具体的には、基板移動部28は、第1高さ240のまま、基板保持部21を移動させることで基板200を、基板下受け部26とACF供給部24から基板下受け部26上に供給されたACF230との間まで移動させる。
なお、制御部120は、基板移動部28にステップS103を実行させる前に、ACF貼付装置100に設けられた認識カメラ(図示せず)により基板200に付された基板マーク(図示せず)を撮像させる位置である第1高さ240まで移動させてもよい。そのため、ステップS101では、基板200は、第1高さ240で基板保持部21に載置される必要はない。例えば、ステップS101では、基板保持部21は、基板200が第1高さ240より低い位置で載置される位置に位置していてもよいし、基板200が第1高さ240より高い位置で載置される位置に位置していてもよい。
次に、基板移動部28は、図3のステップS104及び図4の(c)に示すように、第1高さ240から第2高さ241まで基板200を上昇させる。より具体的には、昇降部27は、基板保持部21を上昇させることで、第1高さ240から第2高さ241まで基板200を上昇させる。
次に、昇降部27は、図3のステップS105及び図4の(d)に示すように、基板下受け部26を上昇させて、基板下受け部26と基板200とを接触させることで、基板下受け部26に基板200を下受けさせる。
次に、ヘッド駆動部29は、図3のステップS106及び図4の(e)に示すように、貼り付けヘッド22を下降させる。これにより、ヘッド駆動部29は、図4の(e)に示すように、貼り付けヘッド22によって基板200にACF230を貼り付けさせる。
次に、図3に示すように、ヘッド駆動部29は、貼り付けヘッド22を上昇させる(ステップS107)。
次に、剥離部25は、セパレータ231を挟んだ2つの剥離ピンをX軸負方向に動かすことで、ACF230をセパレータ231から剥離する(ステップS108)。
次に、昇降部27は、基板下受け部26を下降させる(ステップS109)。
次に、基板移動部28は、ACF230が貼り付けられた基板200を退避させる(ステップS110)。具体的には、昇降部27は、基板保持部21を下降させることで、第2高さ241から第1高さ240まで基板200を下降させる。さらに、基板移動部28は、第1高さ240のまま基板200を元の位置(図4の(a)に示す基板200の位置)まで移動させる。
なお、ステップS104では、昇降部27は、第1高さ240から第2高さ241まで基板200を上昇させたが、第2高さ241は、特に限定されない。第2高さ241は、例えば、ACF230と接触するまでの高さでもよいし、ACF230と接触せず且つACF230との距離が1mm以内でもよく、任意に設定されてよい。
また、例えば、ステップS101を実行する前に、ユーザが操作可能なキーボード、タッチパネル等の図示しない操作部から、第1モードで実行するか第2モードで実行するからの指示を取得してもよい。制御部120は、当該指示に基づいて、ACF貼付装置100が備える各装置を制御してもよい。例えば、制御部120は、第1モードで実行する旨の指示を受け付けた場合、ステップS104及び図4の(c)において、第1高さ240から第3高さ242まで基板200を下降させる。より具体的には、昇降部27は、基板保持部21を下降させることで、第1高さ240から第3高さ242まで基板200を下降させる。
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係るACF貼付装置100は、基板200を保持する基板保持部21と、基板200を下受けする基板下受け部26と、基板保持部21を移動させて基板保持部21が保持した基板200を移動させる基板移動部28と、基板下受け部26の上方にACF230を供給するACF供給部24と、基板下受け部26に下受けされた基板200にACF供給部24から供給されるACF230を貼り付ける貼り付けヘッド22と、基板下受け部26を昇降させる昇降部27と、を備える。基板移動部28は、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させた後、基板200をACF230側に上昇させる。また、昇降部27は、基板下受け部26を基板200側に上昇させて基板下受け部26を基板200に接触させることで基板200を基板下受け部26に下受けさせる。
このような構成によれば、基板200は、基板移動部28によってACF230が貼り付けられる前にACF230に近づく。これにより、貼り付けヘッド22は、基板200が基板移動部28によってACF230に近づいた分だけ、ACF230(具体的には、テープ部材232)と接触してからACF230を基板200に貼り付けるまでに動く移動量が減る。そのため、ACF230の上方から貼り付けヘッド22を降下させて基板200にACF230を貼り付ける際に、貼り付けヘッド22が下降している途中でACF230が貼り付けヘッド22からACF230の幅方向にずれることが抑制され得る。以上から、ACF貼付装置100によれば、ACF230が貼り付けヘッド22からずれることが抑制されるために、位置精度よくACF230を基板200に貼り付けることができる。
また、例えば、基板移動部28は、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させた後、基板200をACF230側に、ACF230と接触するまで上昇させる。
このような構成によれば、貼り付けヘッド22は、さらに、ACF230(具体的には、テープ部材232)と接触してからACF230を基板200に貼り付けるまでに動く移動量が低減される。そのため、さらに、位置精度よくACF230を基板200に貼り付けることができる。
また、例えば、基板移動部28は、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間の第1高さ240に位置させた後、基板200をACF供給部24から供給されたACF230側に第2高さ241まで上昇させる。
このような構成によれば、基板移動部28が基板200を基板下受け部26とACF230との間に位置させた後にさらにACF230に近づける。そのために、例えば、基板200の厚さ等に製造誤差があったとしても、基板下受け部26とACF230との幅を予め広く設けておくことで、確実に基板200を基板下受け部26とACF230との間に確実に位置させることができ、且つ、貼り付けヘッド22がACF230(具体的には、テープ部材232)と接触してからACF230を基板200に貼り付けるまでに動く移動量を低減できる。
また、例えば、基板移動部28は、基基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させる前に昇降せずに基板200を第1高さ240に位置させる。例えば、基板移動部28は、ACF貼付装置100に設けられた認識カメラ(図示せず)により基板200に付された基板マーク(図示せず)を撮像させる位置である第1高さ240まで移動させ、認識カメラで撮像した後には、昇降せずに、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させる。
このような構成によれば、基板移動部28は、例えば、認識カメラによる撮像後は、基板保持部21を昇降させることなく、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間の第1高さ240に位置させることができる。また、例えば、ACF貼付装置100は、基板200を第1高さ240に上昇させ、且つ、基板下受け部26を基板200の位置に合わせて上昇させる。一方、ACF貼付装置100によれば、基板200は、例えば、認識カメラで基板200が撮像された後には、基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置されるまで、昇降しない。これにより、例えば、基板移動部28が、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させてから昇降して基板200を第1高さ240に位置させる場合と比較して、ACF230の貼り付けにかかる動作時間を低減でき、生産性を向上できる。
また、例えば、ACF貼付装置100は、さらに、第1高さ240よりも低い位置である第3高さ242で基板200にACF230を貼り付ける第1のモードと、第2高さ241で基板200にACF230を貼り付ける第2のモードと、を切り替え可能に制御する制御部120を備える。ここで、第3高さ242は、基板下受け部26が上昇せずに、つまり、図4の(c)における基板下受け部26の位置で、基板200が基板下受け部26に下受けされる高さであってもよい。
このような構成によれば、第3高さ242でACF230を基板200に貼り付ける第1モードと、第2高さ241でACF230を基板200に貼り付ける第2モードと切り替え可能になっていることで、ACF230のサイズに応じて位置精度よくACF230を基板200に貼り付けることもできるため、利便性が向上され得る。また、特に第3高さ242が、基板下受け部26が上昇せずに基板200が下受けされる高さであれば、基板下受け部26を上昇させる必要がなくなるため動作時間を低減でき、生産性を向上できる。
また、実施の形態に係るACF貼付方法は、基板200を基板下受け部26に下受けさせる下受け工程と、基板下受け部26の上方にACF供給部24からACF230を供給するACF供給工程と、基板下受け部26に下受けされた基板200に、貼り付けヘッド22によりACF230を押し付けることでACF230を基板200に貼り付ける貼り付け工程と、を備える。また、下受け工程では、基板200を基板下受け部26とACF供給部24から供給されたACF230との間に位置させ、基板200をACF供給部24から供給されたACF230側に上昇させ、基板下受け部26を基板200側に上昇させて基板下受け部26を基板200に接触させることで基板200を基板下受け部26に下受けさせる。
このような方法によれば、基板200は、基板移動部28によってACF230が貼り付けられる前にACF230に近づく。これにより、貼り付けヘッド22は、基板200がACF230に近づいた分だけ、ACF230(具体的には、テープ部材232)と接触してからACF230を基板200に貼り付けるまでに動く移動量が減る。そのため、ACF230の上方から貼り付けヘッド22を降下させて基板200にACF230を貼り付ける際に、貼り付けヘッド22が下降している途中でACF230が貼り付けヘッド22からずれることが抑制され得る。以上から、本実施の形態に係るACF貼付方法によれば、ACF230が貼り付けヘッド22からずれることが抑制されるために、位置精度よくACF230を基板200に貼り付けることができる。
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係るACF貼付装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、コンピュータ110の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、コンピュータ110の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。