JP7259730B2 - 車両用ピラー構造及び車両用ピラーの製造方法 - Google Patents

車両用ピラー構造及び車両用ピラーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用ピラー構造及び車両用ピラーの製造方法に関する。
特許文献1には、車両幅方向外側に配置されるピラーアウタ(アウタ部材)と、車両幅方向内側に配置されるピラーインナ(インナ部材)と、によって閉断面の骨格が形成された車両用ピラー構造が開示されている。特許文献1に開示されたピラーアウタには、延在方向に垂直な断面が車両幅方向内側に開放された開断面形状をなす開断面部が設けられている。一方、ピラーインナには、延在方向に垂直な断面が車両幅方向外側に開放された開断面形状をなす開断面部が設けられている。そして、ピラーアウタとピラーインナは、双方の開断面部における車両前方側の端部及び車両後方側の端部から延設されたフランジ部が重ね合わせられて接合されている。これにより、ピラーアウタ及びピラーインナの開断面部によって閉断面が形成されている。
特開2019-064493号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、ピラーインナの開断面部が車両幅方向外側に開放された開断面形状とされ、ピラーアウタの開断面部の外側で車両幅方向内側に凸をなしている。従って、車両前方側のフランジ部を接合する際に接合用の機器とピラーインナの開断面部が干渉しやすいため、干渉を避けるために充分な作業スペースを確保する必要がある。一方、車両前方側のフランジ部はフロントウインドシールドガラスの車両幅方向一方側の端部に沿って配置されているため、車両前方側のフランジ部を延長させて作業スペースを確保しようとすると骨格部材が車両幅方向内側に大型化することになり、運転者の視界を遮る虞がある。よって、上記先行技術では、この点において改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両運転時に広い視界を確保することができる車両用ピラー構造及び車両用ピラーの製造方法を得ることを目的とする。
請求項1に記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、車両の前面に配置されたフロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って延在され、延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向内側に開放された開断面形状とされた第1開断面部を有するピラーアウタと、前記ピラーアウタの車両幅方向内側に配置されると共に前記フロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って延在され、延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向内側に開放された開断面形状とされ、かつ、前記第1開断面部の内側に配置されて前記第1開断面部と共に閉断面を形成する第2開断面部を有するピラーインナと、前記ピラーアウタの前記第1開断面部及び前記ピラーインナの前記第2開断面部における車両前方側の壁を構成する前壁同士を接合する前方接合部と、前記ピラーアウタ及び前記ピラーインナにおける車両後方側の端部同士を接合する後方接合部と、を備え、前記前方接合部が設けられた前記前壁同士と前記後方接合部が設けられた前記車両後方側の端部同士とが、略車両前後方向に沿って配置されている
請求項1に記載の本発明に係る車両用ピラー構造では、第1開断面部を有するピラーアウタの車両幅方向内側に、第2開断面部を有するピラーインナが配置されている。ピラーアウタの第1開断面部は、車両の前面に配置されたフロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って延在され、延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向の内側に開放された開断面形状とされている。一方、ピラーインナの第2開断面部は、延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向の内側に開放された開断面形状とされ、第1開断面部の内側に配置されている。そして、第1開断面部と第2開断面部は、車両前方側の壁を構成する前壁同士が、前方接合部によって接合されている。また、ピラーアウタ及びピラーインナにおける車両後方側の端部同士が後方接合部で接合されている。これにより、第1開断面部と第2開断面部によって閉断面が形成されている。
ここで、上記構成によれば、ピラーアウタの第1開断面部とピラーインナの第2開断面部の双方が車両幅方向内側に開放された開断面形状をなしており、第2開断面部が第1開断面部の内側に配置されている。このため、第2開断面部の前壁を第1開断面部の前壁に車両後方側から重ね合わせて、双方の前壁の一部を接合用のフランジ部とすることができる。また、第2開断面部の内側に接合用の機器を挿入することが可能とされるため、作業スペースを確保しやすい構成とされている。これにより、例えば、ピラーインナの開断面部が車両幅方向外側に開放された構成と比較すると、接合用の作業スペースを確保しやすい分、接合用のフランジ部の車両幅方向内側への大型化が抑制される。その結果、ピラーアウタとピラーインナが車両幅方向に大型化せず、車両用ピラーによって生ずる運転者の死角を低減させることができる。
請求項2に記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、請求項1に記載の構成において、前記ピラーアウタは、前記第1開断面部と前記第1開断面部の車両後方側の端部から車両後方側かつ車両幅方向外側へ延設された第1フランジ部とによって、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成され、前記ピラーインナは、前記第2開断面部と前記第2開断面部の車両後方側の端部から車両後方側かつ車両幅方向外側へ延設された第2フランジ部とによって、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成され、前記後方接合部は、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部を接合している。
請求項2に記載の本発明に係る車両用ピラー構造では、第1開断面部及び第2開断面部の車両後方側の端部には、車両後方側かつ車両幅方向外側へ延設された第1フランジ部及び第2フランジ部がそれぞれ設けられている。すなわち、ピラーアウタ及びピラーインナは、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成されている。これにより、前方接合部を形成するためのフランジ部とされるピラーアウタ及びピラーインナの前壁と、後方接合部を形成するための第1フランジ部及び第2フランジ部とが略車両前後方向に沿って配置可能とされる。これにより、接合用のフランジ部によりピラーアウタ及びピラーインナが車両幅方向に大型化されることが抑制される。その結果、車両用ピラーによって生じる運転者の死角を低減させることができ、運転者の車両運転時における視界を広げることができる。
請求項3に記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、車両用ピラーの一部を構成し、前記ピラーアウタと前記ピラーインナによって柱状に形成された前柱部と、車両用ピラーの他の一部を構成し、前記前柱部に対して車両後方側に所定の間隔を空けて配置されると共に前記前柱部の延在方向に沿って延在され、柱状に形成された後柱部と、車両の側面に配置されると共に前記前柱部と前記後柱部との間に架け渡されることで前記前柱部と前記後柱部とで形成される開口を覆う側方ガラスと、を備えている。
請求項3に記載の本発明に係る車両用ピラー構造において、車両用ピラーは、ピラーアウタとピラーインナによって構成された前柱部と、前柱部の車両後方側にて所定の間隔を空けて配置された後柱部を備えている。さらに、前柱部と後柱部との間に側方ガラスが架け渡されている。このため、運転者は、前柱部と後柱部の間から側方ガラスを通して車両外部を視認することができる。これにより、運転者の車両運転時における視界を広げることができる。
また、前柱部の断面積を小さくしても後柱部の断面積を調整することにより車両用ピラー全体の剛性及び強度を保つことができる。これにより、車両前方側に配置された前柱部を細身に形成することができ、車両運転時における進行方向の視界を効果的に広げつつ、車両用ピラーの剛性及び強度を保つことができる。
請求項4に記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、請求項3に記載の構成において、前記第1開断面部の前記前壁は、前記フロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って傾斜され、当該車両幅方向一方側の端部が接合された第1傾斜部と、前記第1傾斜部よりも車両幅方向外側において前記側方ガラスの車両前方側の端部に沿って傾斜され、当該車両前方側の端部が接合された第2傾斜部と、を備えている。
請求項4に記載の本発明に係る車両用ピラー構造では、ピラーアウタの第1開断面部における前壁に第1傾斜部と第2傾斜部が設けられている。第1傾斜部は、フロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って傾斜され、当該車両幅方向一方側の端部との接合面を構成している。一方、第2傾斜部は、第1傾斜部よりも車両幅方向外側において側方ガラスの車両前方側の端部に沿って傾斜され、当該車両前方側の端部との接合面を構成している。このように、ピラーアウタの前壁を接合面としてフロントウインドシールドガラスと側方ガラスの端部が接合されており、ピラーアウタの前壁にアウタパネル等の意匠部材の接合が不要とされている。これにより、車両用ピラーの車両外側の意匠面の突起を低減させ、面一性を持たせることができ、車両前部の空力性能を向上させると共に、車両の意匠性を向上させることができる。また、車両用ピラーの部材点数を抑えて重量の増加を抑制することができる。
請求項5に記載の本発明に係る車両用ピラーの製造方法は、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用ピラー構造が適用された車両用ピラーの製造方法であって、前記ピラーインナの第2開断面部の内側に溶接ガンの先端を挿入し、当該先端に設けられた偏芯電極を用いて前記第1開断面部及び前記第2開断面部における前記前壁同士をスポット溶接により接合して前記前方接合部を形成する前方接合工程と、前記ピラーアウタ及び前記ピラーインナにおける車両後方側の端部同士をスポット溶接により接合して前記後方接合部を形成する後方接合工程と、を含んでいる。
請求項5に記載の本発明に係る車両用ピラーの製造方法では、第1開断面部及び第2開断面部における前壁同士を接合する前方接合部とピラーアウタ及びピラーインナにおける車両後方側の端部同士を接合する後方接合部とがスポット溶接により形成されている。ここで、前方接合部を形成する工程では、溶接ガンの電極が偏芯電極とされている。この工程を具体的に説明すると、ピラーインナの第2開断面部の内側に溶接ガンの先端を挿入する。そして、溶接ガンの先端に設けられた偏芯電極を用いて第1開断面部及び第2開断面部における前壁同士を接合し、前方接合部を形成している。このように、偏芯電極を用いて偏芯スポット溶接により前方接合部を形成する方法の場合、ストレート電極を用いて前方接合部を形成する方法と比較して、第2開断面部の内側に必要とされる溶接ガンの作業スペースを小さくすることができる。これにより、第2開断面部の内側に形成されるスペースを小さくして、すなわち、第2開断面部の断面積を小さくして、ピラー骨格の閉断面部の断面積を充分に確保しても、溶接ガンとピラーインナとの干渉を容易に避けることができ作業性に優れる。その結果として、車両用ピラーの剛性の要求を満たしつつ、製造時の作業性を高めることが可能となる。
ここで、ストレート電極とは、電極の接触面が電極アダプタの軸と同芯であるスポット溶接用の電極であり、偏芯電極とは、電極の接触面が電極アダプタの軸と同芯でないスポット溶接用の電極のことである。
以上説明したように、請求項1及び請求項2に係る車両用ピラー構造は、車両用ピラーによって生じる運転者の死角を低減させることができ、運転者の車両運転時における視界を広げることができるという優れた効果を有する。
請求項3に係る車両用ピラー構造は、車両運転時における進行方向の視界を効果的に広げつつ、車両用ピラーの剛性及び強度を保つことができるという優れた効果を有する。
請求項4に係る車両用ピラー構造は、車両前部の空力性能を向上させることができると共に車両の意匠性を向上させることができる。さらに、車体の重量増加を抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項5に係る車両用ピラーの製造方法は、車両用ピラーの剛性の要求を満たしつつ、製造時の作業性を高めることができるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る車両用ピラー構造が適用された車両のボデー構造を概略的に示す側面図である。 図1の2-2線に沿って切断した断面を拡大して示す車両用ピラーの拡大断面図である。 図2に示す前柱部を拡大して示す拡大断面図である。 図2に示す前柱部の製造方法を説明するための図3に対応する拡大断面図である。 比較例としての車両用ピラー構造を示す図3に対応する拡大断面図である。
以下、図1~図4に基づいて本実施形態に係る車両用ピラー構造が適用された車両10について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印LHは車両左側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
図1に示されるように、車両10は、車両前方側の車室12内に運転席用の車両用シート14が設けられており、この車両用シート14には運転者Dが着座している。
車両用シート14の車両前方側には車両10の前面を構成するフロントウインドシールドガラス(以下、「フロントガラス16」と称する。)16が配置されている。このフロントガラス16は、車室12の内側と車室12の外側とを隔てかつ板厚方向が略車両前後方向とされた透明の窓部材であり、側面視で車両上方側へ向かうに連れて車両後方側へと傾けられている。フロントガラス16の上端部は、ルーフ18の前端部を構成するフロントヘッダ(不図示)に接続されている。また、フロントガラス16の下端部は、車両前方側に設けられたパワーユニットルームを車両上方側から覆うフードの後端部と車両前後方向に対向して配置されており、車両幅方向に延在されたカウルに接続されている(いずれも不図示)。なお、フロントガラス16が本発明におけるフロントウインドシールドガラスに相当する。
フロントガラス16は、一定の板厚で形成されており、フロントガラス16の車両幅方向中間部分が車両前方側へ凸となるように穏やかな湾曲形状とされている。そして、フロントガラス16の車両幅方向外側かつサイドガラス22を有するフロントドア20の車両前方側には、車両用ピラーとしてのフロントピラー30が左右一対にそれぞれ設けられている。
図1及び図2に示されるように、左右一対のフロントピラー30は、車両前方部分を構成する前柱部32と、車両後方部分を構成する後柱部60と、を備えている。また、前柱部32と後柱部60との間には、側方ガラスとしてのピラーガラス80が架け渡されている。ピラーガラス80は、車両幅方向から見た側面視で長尺な矩形状に形成された透明な窓部材とされている。また、ピラーガラス80は、車両10の前方部分における側面の一部を構成すると共に前柱部32と後柱部60とで形成される開口を覆っている。以下、車両幅方向左側のフロントピラー30について説明するが、車両幅方向右側のフロントピラー30も同様の構成とされている。
(前柱部)
前柱部32は、フロントガラス16における車両幅方向一方側の端部16Aに沿って延在されている。前柱部32の上端部は、ルーフ18の車両幅方向両側において車両前後方向に延びるルーフサイドレール18Aの前端部に接合されている。また、前柱部32の下端部は、フロントピラーロア24の車両上方側の端部に接合されている。フロントピラーロア24は、車両上下方向を長手方向として延在し、下端部がフロントドア20用のドア開口部26の下部を構成するロッカ28の前端部に接合されている。
図3に示されるように、この前柱部32は、車両幅方向外側配置されたピラーアウタ34と、ピラーアウタ34の車両幅方向内側に配置されたピラーインナ40によって閉断面構造をなす柱状の骨格が形成されている。また、ピラーアウタ34及びピラーインナ40は、一例として、鋼板製とされている。
(ピラーアウタ)
ピラーアウタ34は、車両前方部分を構成する第1開断面部36と車両後方部分を構成する第1フランジ部38を備えており、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成されている。第1開断面部36は、前壁36Aと、側壁36Bと、後壁36Cと、を備えており、前柱部32の延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向内側に開放された開断面形状とされている。
前壁36Aは、第1開断面部36の車両前方側の壁を構成しており、略車両前後方向を板厚方向としている。この前壁36Aは、車両幅方向の中間部が若干屈曲されており、屈曲部36A1よりも車両幅方向内側が第1傾斜部36A2とされ、屈曲部36A1よりも車両幅方向外側が第2傾斜部36A3とされている。
第1傾斜部36A2は、延在方向に垂直な断面視で屈曲部36A1から車両幅方向内側へ延在しており、フロントガラス16における車両幅方向一方側の端部16Aに沿って傾斜されている。そして、この第1傾斜部36A2には、止水用のシール材39を介してフロントガラス16における車両幅方向一方側の端部16Aが接合されている。
第2傾斜部36A3は、延在方向に垂直な断面視で屈曲部36A1から車両幅方向外側かつ車両後方側へ延在しており、ピラーガラス80における車両前方側の端部80Aに沿って傾斜されている。そして、この第2傾斜部36A3には、シール部材56を介してピラーガラス80における車両前方側の端部80Aが接合されている。このシール部材56は、フロントガラス16の端部16Aとピラーガラス80の端部80Aの隙間を埋めるように配置されており、シール部材56によってフロントガラス16とピラーガラス80との間への雨水等の浸入が抑制されている。
図3に示されるように、前壁36Aの車両前方側はフロントガラス16とピラーガラス80で覆われており、フロントガラス16とピラーガラス80が前柱部32の車両外側の意匠面を構成している。これにより、前柱部32の車両外側の意匠面は、透明の窓部材によって質感が統一されると共に、車両外側に突出した部位がほとんど形成されない滑らかな曲面になっており、意匠面に面一性を持たせることができるように構成されている。
一方、前壁36Aにおける第2傾斜部36A3の車両幅方向外側の端部から車両後方側かつ若干車両幅方向内側へ側壁36Bが延在されている。また、この側壁36Bの車両後方側の端部から、車両幅方向内側かつ若干車両後方側へ後壁36Cが延在されており、前壁36Aと車両前後方向に対向して配置されている。
第1フランジ部38は、後壁36Cの後端部から車両後方側かつ車両幅方向外側へ延在している。この第1フランジ部38には、車両幅方向内側からピラーインナ40の後述する第2フランジ部44が重ね合わされている。
(ピラーインナ)
図3に示されるように、ピラーインナ40は、ピラーアウタ34の車両幅方向内側に配置されており、フロントピラー30の骨格の一部を構成している。このピラーインナ40は、車両前方部分を構成する第2開断面部42と車両後方部分を構成するフランジ部としての第2フランジ部44を備えており、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成されている。第2開断面部42は、前壁42Aと、側壁42Bと、後壁42Cと、によって構成されており、前柱部32の延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向内側に開放された開断面形状とされている。また、第2開断面部42は、ピラーアウタ34における第1開断面部36の開断面の内側に配置されている。
前壁42Aは、第2開断面部42の車両前方側の壁を構成しており、略車両前後方向を板厚方向としている。この前壁42Aは、ピラーアウタ34における前壁36Aの第1傾斜部36A2と車両幅方向の寸法が略同一とされており、前壁42Aが第1傾斜部36A2に車両後方側から重ね合わされている。このようにして、本実施形態では、前壁36Aの第1傾斜部36A2及び前壁42Aが、ピラーアウタ34の前端部とピラーインナの前端部とを接合させるための接合用のフランジ部とされている。そして、前壁36Aの第1傾斜部36A2と前壁36Aが前方接合部46によって接合されている。なお、前方接合部46は、スポット溶接により形成されている。
一方、前壁42Aの車両幅方向外側の端部から車両後方側かつ若干車両幅方向内側へ側壁42Bが延在されている。この側壁42Bは、ピラーアウタ34の側壁36Bと車両幅方向に対向して配置されている。また、この側壁42Bの車両後方側の端部から、車両幅方向内側かつ若干車両後方側へ後壁42Cが延在されており、前壁42Aと後壁42Cが車両前後方向に対向して配置されている。
第2フランジ部44は、後壁42Cの後端部から車両後方側かつ車両幅方向外側へ延在している。この第2フランジ部44は、ピラーアウタ34の第1フランジ部38に車両幅方向内側から重ね合わされている。そして、第1フランジ部38と第2フランジ部44が、後方接合部48によって接合されている。なお、後方接合部48は、スポット溶接により形成されている。これにより、ピラーアウタ34との第1開断面部と、ピラーインナ40の第2開断面部によって、閉断面が形成されている。
また、第2フランジ部44の車両幅方向内側面には、金属製のリテーナ50の一端が溶接等の方法で接合されている。このリテーナ50の他端には、クリップ52を介して樹脂製のピラーガーニッシュ54が固定されている。ピラーガーニッシュ54は、前柱部32の延在方向に沿って延在しており、延在方向に垂直な断面形状が略車両前方側に開放されたU字形状とされている。ピラーガーニッシュ54は、U字形状の内側に前柱部32を配置して、前柱部32を車両後方側から覆っている。これにより、ピラーガーニッシュ54は、前柱部32の車室内の意匠面を構成している。
ここで、図3に示されるように、運転者DのアイポイントEPから車両前方側の進行方向を見た場合に、運転者Dの斜め前方側に配置された前柱部32によって視界の一部が遮られるため、運転者Dに死角が発生する。なお、アイポイントEPとは、運転者Dの両眼の中間点であり、運転者Dの両眼を結ぶ線の中央点である。また、図3では、運転者Dの死角となるピラーガーニッシュ54の側壁部54Aの間の領域を、死角領域R2としている。
本実施形態では、上述した通り、第1開断面部36及び第2開断面部42の前壁36A、42Aの一部が前方接合部46を形成するための接合用のフランジ部とされている。このため、前方接合部46を形成する際に、ピラーインナ40における前壁42Aの車両後方側に溶接ガンを挿入する作業スペースが必要となるが、第2開断面部42が車両幅方向内側に開放された開断面形状とされているため、第2開断面部42の内側が作業スペースとして利用可能とされている。このため、前壁36A、42Aを車両幅方向内側に延長させずに接合面を確保でき、死角領域R2が車両幅方向内側へ拡大することが抑制される。また、ピラーアウタ34とピラーインナ40は、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状とされ、前壁36A、42Aと、第1フランジ部38及び第2フランジ部44と、が略車両前後方向に沿って配置されている。これにより、第1フランジ部38及び第2フランジ部44によって死角領域R2が車両幅方向外側へ拡大することが抑制される。
(後柱部)
次に、フロントピラー30の車両後方接合部を構成する後柱部60について説明する。
図2に示されるように、後柱部60は、前柱部32の略車両後方側に配置されている。具体的には、後柱部60は前柱部32に対して略車両前後方向側かつ車両幅方向外側にて所定の間隔を空けて配置されている。また、後柱部60は、前柱部32の延在方向に沿って延在しており、後柱部60の上端部は、前柱部32の上端部よりも車両後方側でルーフサイドレール18Aの前端部に接合されている。また、後柱部60の下端部は、前柱部32の下端部よりも車両後方側でフロントピラーロア24の上端部に接合されている。
後柱部60は、車両幅方向外側配置されたリアピラーアウタ62と、リアピラーアウタ62よりも車両幅方向内側にて所定の間隔を空けて配置されたリアピラーインナ64によって骨格が形成されている。また、リアピラーアウタ62及びリアピラーインナ64は、一例として、鋼板製とされている。
リアピラーアウタ62及びリアピラーインナ64は、車両前後方向の両端部からそれぞれ延設された前フランジ部66A及び後フランジ部66B同士が重ね合わされており、前フランジ部66A及び後フランジ部66B同士をそれぞれ接合することにより、閉断面構造の骨格を形成している。
リアピラーアウタ62側の前フランジ部66Aは、ピラーガラス80における車両後方側の端部80Bに沿って傾斜されている。そして、リアピラーアウタ62の前フランジ部66Aには、止水用のシール材67を介してピラーガラス80における車両後方側の端部80Bが接合されている。
さらに、リアピラーアウタ62の車両幅方向外側面には、金属製の第1リテーナ68の一端が溶接等の方法で接合されている。この第1リテーナ68には、オープニングトリム70が取り付けられている。また、リアピラーアウタ62には、フロントドア20のシール部材(符号省略)が当接可能とされている。
また、リアピラーインナ64側の後フランジ部66Bの車両幅方向内側面には、金属製の第2リテーナ72の一端が溶接等の方法で接合されている。この第2リテーナ72の他端には、クリップ74を介して樹脂製のリアピラーガーニッシュ76が固定されている。このリアピラーガーニッシュ76は、後柱部60の延在方向に沿って延在しており、後柱部60を車両幅方向内側から覆うように配置されている。そして、リアピラーガーニッシュ76は、後柱部60の車室内の意匠面を構成している。
上記構成のフロントピラー30では、図2に示されるように、運転者DのアイポイントEPから車両側方側を見た場合に、前柱部32と後柱部60との間に架け渡されたピラーガラス80を通して車両外部を視認することができる。図2では、ピラーガラス80を通して運転者Dが視認可能な領域を視認領域R1で図示している。
(車両用ピラーの製造方法)
以上説明したとおり、本実施形態の車両用ピラー構造では、フロントピラー30によって生じる運転者Dの死角を低減させるための種々の特徴を有しているが、さらに、フロントピラー30の剛性の要求をみたしつつ、作業性を高める観点から、前柱部32のピラーアウタ34とピラーインナ40が後述する前方接合工程と後方接合工程により接合されている。
図4に示されるように、前方接合工程は、スポット溶接の方法を用いてピラーアウタ34及とピラーインナ40の前壁36A、42Aを接合し、前方接合部46を形成する工程である。この前方接合工程では、第1溶接ガン82を用いて前方接合部46が形成される。第1溶接ガン82は、図示しないインサート電極とインサート電極に対向して配置される偏芯電極82Bと、によって構成された一対の電極を有している。偏芯電極82Bは、第1溶接ガン82の一方のホルダー部の電極アダプタ82Aの先端に設けられると共に、略L字形状に屈曲されている。このため、母材との接触面が電極アダプタ82Aの軸と同芯でない構成とされている。
前方接合工程では、第1溶接ガン82の一対の電極で前壁36A、42Aを挟持して、加圧と共に電流を流すことで前方接合部46を形成する。この際に、偏芯電極82Bがピラーインナ40の第2開断面部42の内側に挿入され、インサート電極がピラーアウタ34の前壁36Aに車両前方側に配置される。そして、前壁36A、42Aの延在方向に沿って所定の数の前方接合部46を形成し、前方接合工程が完了する。
この前方接合工程では、ピラーインナ40の第2開断面部42の内側に偏芯電極82Bが挿入される。このため、第2開断面部42の内側に電極アダプタ82Aの軸と同芯のストレート電極が挿入される場合と比較して、第2開断面部42の内側の作業スペースを省スペース化することができる。このため、第2開断面部42の内側のスペースを小さくしても第1溶接ガン82とピラーインナ40との干渉を容易に避けることができ作業性に優れる。また、第2開断面部42の内側のスペースを小さくして、すなわち、第2開断面部42の断面積を小さくすることができると、ピラーアウタ34とピラーインナ40によって形成される閉断面部の断面積の確保が容易になる。このように、上述した製造方法によれば、車両用ピラーの断面剛性を確保でき、製造時の作業性にも優れる。
一方、後方接合工程は、ピラーアウタ34及びピラーインナ40の第1フランジ部38と第2フランジ部44に後方接合部48を形成する工程である。具体的には、第2溶接ガン84の一対の電極で第1フランジ部38と第2フランジ部44を挟持して、加圧と共に電流を流すことで後方接合部48を形成する。そして、第1フランジ部38と第2フランジ部44の延在方向に沿って所定の数の後方接合部48を形成し、後方接合工程が完了する。なお、第2溶接ガン84の一対の電極は、図示しないインサート電極と、インサート電極に対向して配置されるストレート電極84Bによって構成されている。このストレート電極84Bは、第2溶接ガン84の一方のホルダー部の電極アダプタ84Aの先端に設けられると共に、電極アダプタ84Aの軸と同芯とされている。但し、これに限らず第2溶接ガンの電極は偏心電極でもよい。
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を図5に示す車両用ピラー90と比較しつつ説明する。
図5に示す車両用ピラー90では、ピラーアウタ92に形成された開断面部92Aとピラーインナ94に形成された開断面部94Aが車両幅方向に接合されて閉断面を形成している。また、ピラーアウタ92とピラーインナ94は、開断面部92A、94Aの車両前後方向の両端部からフランジ部93A、93Bがそれぞれ延設され、互いのフランジ部が重ね合わされて接合されている。
ところで、車両用ピラー90では、ピラーアウタ92の開断面部92Aが車両幅方向内側に開放された開断面形状とされており、ピラーインナ94の開断面部94Aが車両幅方向外側に開放された開断面形状とされている。このため、ピラーインナ94の開断面部94Aは、ピラーアウタ92の開断面部92Aの外側に配置され、車両幅方向内側へ凸をなしている。従って、車両前方側のフランジ部93A同士を接合する際に接合用の機器と開断面部94Aが干渉しやすいため、干渉を避けるために十分な作業スペースを確保する必要がある。一方、これらのフランジ部93A同士はフロントウインドシールドガラス96の車両幅方向の端部に沿って配置されているため、フランジ部93Aを車両幅方向内側に延長させて作業スペースを確保しようとすると、ピラーアウタ92とピラーインナ94が車両幅方向内側に大型化してしまう。
これに対し、本実施形態に係るフロントピラー30では、前柱部32においてピラーアウタ34の第1開断面部36とピラーインナ40の第2開断面部42の双方が車両幅方向内側に開放された開断面形状をなしており、第2開断面部42が第1開断面部36の内側に配置されている。このため、第2開断面部42の前壁42Aを第1開断面部36の前壁36Aに車両後方側から重ね合わせて、双方の前壁36A、42Aの一部を接合用のフランジ部とすることができる。また、第2開断面部42の内側に溶接ガン等の接合用の機器を挿入することが可能とされるため、作業スペースを確保しやすい構成とされている。これにより、図5に示す車両用ピラー90と比較して、接合用のフランジ部を構成する前壁36A、42Aの車両幅方向内側への大型化が抑制される。その結果、ピラーアウタ34とピラーインナ40が車両幅方向へ大型化せず、フロントピラー30によって生ずる運転者Dの死角を低減させることができる。
また、第1開断面部36及び第2開断面部42が車両幅方向内側に開放された開断面形状をなしているため、第1開断面部36及び第2開断面部42のフロントガラス16側(車両幅方向内側)の端部において前壁36A、42A同士を重ね合わせることができる。このため、従来のピラー構造と同様に、前柱部32の車両幅方向内側に、フランジ部(前壁36A、42A)を設けることができる。その結果、前柱部32の車両上方側及び下方側に配置されたルーフサイドレール18Aやフロントピラーロア24との連結部を容易に形成することができる。
また、本実施形態では、
第1開断面部36及び第2開断面部42の車両後方側の端部には、車両後方側かつ車両幅方向外側へ延設された第1フランジ部38及び第2フランジ部44がそれぞれ設けられている。すなわち、ピラーアウタ34及びピラーインナ40は、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成されている。これにより、前方接合部46を形成するためのフランジ部とされるピラーアウタ34及びピラーインナ40の前壁36A、42Aと、後方接合部48を形成するための第1フランジ部38及び第2フランジ部44とが略車両前後方向に沿って配置可能とされる。これにより、接合用のフランジ部によりピラーアウタ34及びピラーインナ40が車両幅方向に大型化されることが抑制される。その結果、フロントピラー30によって生じる運転者Dの死角を低減させることができ、運転者Dの車両運転時における視界を広げることができる。
また、本実施形態のフロントピラー30では、ピラーアウタ34とピラーインナ40で構成される柱状の前柱部32と、前柱部32の車両後方側にて所定の間隔を空けて配置された後柱部60を備えている。さらに、前柱部32と後柱部60との間にピラーガラス80が架け渡されている。このため、運転者Dは、前柱部32と後柱部60の間からピラーガラス80を通して車両外部を視認することができる。これにより、運転者Dの車両運転時における視界を広げることができる。
また、前柱部32の断面積を小さくしても後柱部60の断面積を調整することによりフロントピラー30全体の剛性及び強度を保つことができる。これにより、車両前方側に配置された前柱部32を細身に形成することができ、車両運転時における進行方向の視界を効果的に広げつつ、フロントピラー30の剛性及び強度を保つことができる。
また、本実施形態では、ピラーアウタ34の第1開断面部36における前壁36Aに第1傾斜部36A2と第2傾斜部36A3が設けられている。第1傾斜部36A2は、フロントガラス16における車両幅方向一方側の端部16Aに沿って傾斜され、端部16Aとの接合面を構成している。一方、第2傾斜部36A3は、第1傾斜部36A2よりも車両幅方向外側においてピラーガラス80の車両前方側の端部80Aに沿って傾斜され、端部80Aとの接合面を構成している。このように、ピラーアウタ34の前壁36Aを接合面として車両10の前面及び側面に配置されたガラス部材の端部が接合されており、ピラーアウタ34の前壁36Aにアウタパネル等の意匠部材を要しない構造とされている。これにより、フロントピラー30の車両外側の意匠面の突起を低減させて面一性を持たせることができ、車両10の前部の空力性能を向上させると共に、車両10の意匠性を向上させることができる。また、車両用ピラーの部材点数を抑えて重量の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、フロントピラー30の製造工程において、第1開断面部36及び第2開断面部42における前壁36A、42A同士を接合する前方接合部46とピラーアウタ34及びピラーインナ40の車両後方側の端部とされる第1フランジ部38及び第2フランジ部44を接合する後方接合部48とがスポット溶接により形成されている。ここで、前方接合部46を形成する前方接合工程では、溶接ガン82の電極が偏芯電極82Bとされている。
この工程を具体的に説明すると、図4に示されるように、ピラーインナ40の第2開断面部42の内側に第1溶接ガン82の先端を挿入する。そして、第1溶接ガン82の先端に設けられた偏芯電極82Bによって第1開断面部36及び第2開断面部42における前壁36A、42A同士を接合し、前方接合部46を形成している。このように、偏芯電極82Bを用いて前方接合部46を形成する方法の場合、ストレート電極84Bを用いて前方接合部46を形成する方法と比較して、第2開断面部42の内側に必要とされる溶接ガンの作業スペースを小さくすることができる。これにより、第2開断面部42の内側に形成されるスペースを小さくして、すなわち、第2開断面部42の断面積を小さくして、ピラー骨格の閉断面部の断面積を充分に確保しても、溶接ガン82とピラーインナ40との干渉を容易に避けることができ作業性に優れる。その結果として、フロントピラー30の剛性の要求を満たしつつ、製造時の作業性を高めることが可能となる。
[補足説明]
上記実施形態では、フロントピラー30が前柱部32と後柱部60を備える構成としたが、本発明はこれに限らない。前柱部32を備え、後柱部60を備えないフロントピラーとしてもよい。この場合、前柱部32は、車両10の前面に配置されたフロントガラス16の車両幅方向の一端と、車両の側面に配置されたサイドガラス22との間に配置される。また、ピラーアウタ34の前壁36Aには、フロントガラス16及び側方ガラスとしてのサイドガラス22の端部が接合される構成となる。
なお、本実施形態のフロントガラス16、サイドガラス22、ピラーガラス80は、ガラス製に限らず樹脂製でもよい。
また、本実施形態では、前柱部32の前方接合部46が偏芯電極82Bを備える第1溶接ガン82で形成されるように構成しているが、本発明はこれに限らず、前方接合部46が第2溶接ガン84と同様のストレート電極84Bを備える溶接ガンを用いて形成されるように構成してもよい。
10 車両
30 フロントピラー(車両用ピラー)
16 フロントガラス(フロントフロントウインドシールドガラス)
32 前柱部
60 後柱部
34 ピラーアウタ
36 第1開断面部
36A 前壁
36A2 第1傾斜部
36A3 第2傾斜部
38 第1フランジ部
40 ピラーインナ
42 第2開断面部
42A 前壁
44 第2フランジ部
46 前方接合部
48 後方接合部
80 ピラーガラス(側方ガラス)
82 第1溶接ガン(溶接ガン)
82B 偏芯電極

Claims (5)

  1. 車両の前面に配置されたフロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って延在され、延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向内側に開放された開断面形状とされた第1開断面部を有するピラーアウタと、
    前記ピラーアウタの車両幅方向内側に配置されると共に前記フロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って延在され、延在方向に垂直な断面形状が車両幅方向内側に開放された開断面形状とされ、かつ、前記第1開断面部の内側に配置されて前記第1開断面部と共に閉断面を形成する第2開断面部を有するピラーインナと、
    前記ピラーアウタの前記第1開断面部及び前記ピラーインナの前記第2開断面部における車両前方側の壁を構成する前壁同士を接合する前方接合部と、
    前記ピラーアウタ及び前記ピラーインナにおける車両後方側の端部同士を接合する後方接合部と、を備え、
    前記前方接合部が設けられた前記前壁同士と前記後方接合部が設けられた前記車両後方側の端部同士とが、略車両前後方向に沿って配置されている、
    車両用ピラー構造。
  2. 前記ピラーアウタは、前記第1開断面部と前記第1開断面部の車両後方側の端部から車両後方側かつ車両幅方向外側へ延設された第1フランジ部とによって、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成され、
    前記ピラーインナは、前記第2開断面部と前記第2開断面部の車両後方側の端部から車両後方側かつ車両幅方向外側へ延設された第2フランジ部とによって、延在方向に垂直な断面形状が略S字形状に形成され、
    前記後方接合部は、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部を接合している、
    請求項1に記載の車両用ピラー構造。
  3. 車両用ピラーの一部を構成し、前記ピラーアウタと前記ピラーインナによって柱状に形成された前柱部と、
    車両用ピラーの他の一部を構成し、前記前柱部に対して車両後方側に所定の間隔を空けて配置されると共に前記前柱部の延在方向に沿って延在され、柱状に形成された後柱部と、
    車両の側面に配置されると共に前記前柱部と前記後柱部との間に架け渡されることで前記前柱部と前記後柱部とで形成される開口を覆う側方ガラスと、
    を備える請求項1又は請求項2に記載の車両用ピラー構造。
  4. 前記第1開断面部の前記前壁は、前記フロントウインドシールドガラスにおける車両幅方向一方側の端部に沿って傾斜され、当該車両幅方向一方側の端部が接合された第1傾斜部と、前記第1傾斜部よりも車両幅方向外側において前記側方ガラスの車両前方側の端部に沿って傾斜され、当該車両前方側の端部が接合された第2傾斜部と、を備えている、
    請求項3に記載の車両用ピラー構造。
  5. 請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用ピラー構造が適用された車両用ピラーの製造方法であって、
    前記ピラーインナの第2開断面部の内側に溶接ガンの先端を挿入し、当該先端に設けられた偏芯電極を用いて前記第1開断面部及び前記第2開断面部における前記前壁同士をスポット溶接により接合して前記前方接合部を形成する前方接合工程と、
    前記ピラーアウタ及び前記ピラーインナにおける車両後方側の端部同士をスポット溶接により接合して前記後方接合部を形成する後方接合工程と、を含む、
    車両用ピラーの製造方法。
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