JP7254639B2 - 素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造体の製造方法および中間構造体に関する。
窒化ガリウム(GaN)等のIII族窒化物は、発光素子、トランジスタ等の半導体装置を製造するための材料として用いられている。
GaN等のIII族窒化物に各種構造を形成するためのエッチング技術として、光電気化学(PEC)エッチングが提案されている(例えば非特許文献1参照)。PECエッチングは、一般的なドライエッチングと比べてダメージが少ないウェットエッチングであり、また、中性粒子ビームエッチング(例えば非特許文献2参照)、アトミックレイヤーエッチング(例えば非特許文献3参照)等のダメージの少ない特殊なドライエッチングと比べて装置が簡便である点で好ましい。
J. Murata et al., "Photo-electrochemical etching of free-standing GaN wafer surfaces grown by hydride vapor phase epitaxy", Electrochimica Acta 171 (2015) 89-95 S. Samukawa, JJAP, 45(2006)2395. T. Faraz, ECS J. Solid Stat. Scie.&Technol., 4, N5023 (2015).
本発明の一目的は、III族窒化物に対するPECエッチングを良好に進行させるための技術を提供することである。
本発明の一態様によれば、
導電性のIII族窒化物で構成された被エッチング面を有し、前記被エッチング面上に被エッチング領域が配置されたエッチング対象物、および、前記エッチング対象物の、前記被エッチング領域と電気的に接続された導電性領域の表面の少なくとも一部と接触するように設けられた導電性部材、を備える処理対象物を準備する工程と、
前記処理対象物が、電子を受け取る酸化剤を含むアルカリ性または酸性のエッチング液に浸漬され、前記被エッチング領域および前記導電性部材が、前記エッチング液と接触した状態で、前記被エッチング面に、前記エッチング液を介して紫外光を照射することにより、前記被エッチング領域を構成する前記III族窒化物をエッチングする工程と、
を有し、
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記導電性部材の縁のみによって構成されてはいない、構造体の製造方法
が提供される。
本発明の他の態様によれば、
導電性のIII族窒化物で構成された被エッチング面を有し、前記被エッチング面上に被エッチング領域が配置されたエッチング対象物と、
前記エッチング対象物の、前記被エッチング領域と電気的に接続された導電性領域の表面の少なくとも一部と接触するように設けられた導電性部材と、
を備え、
電子を受け取る酸化剤を含むアルカリ性または酸性のエッチング液に、前記被エッチング領域および前記導電性部材が接触した状態で浸漬され、
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記導電性部材の縁のみによって構成されてはいない、中間構造体
が提供される。
III族窒化物に対するPECエッチングを良好に進行させるための技術が提供される。
図1(a)は、本発明の第1実施形態による処理対象物を例示する概略断面図であり、図1(b)は、第1実施形態によるエッチング対象物の一例を示す概略断面図であり、図1(c)は、第1実施形態によるPECエッチング工程を例示する、PECエッチング装置の概略図である。 図2(a)~図2(c)は、カソードパッドの形成方法の第1例を示す概略断面図である。 図3(a)~図3(c)は、カソードパッドの形成方法の第2例を示す概略断面図である。 図4(a)~図4(f)は、第1実施形態のPECエッチングに係る実験例の第1~第6の処理対象物を示す写真である。 図5(a)および図5(b)は、実験例におけるPECエッチングの結果を示すグラフである。 図6(a)は、第2実施形態による構造体を例示する概略断面図であり、図1(b)は、第2実施形態によるエッチング対象物の一例を示す概略断面図である。 図7(a)および図7(b)は、それぞれ、第2実施形態による処理対象物を例示する概略断面図および概略平面図であり、図7(c)は、第2実施形態によるPECエッチング工程を例示する、PECエッチング装置の概略図である。 図8(a)および図8(b)は、カソードパッドを、エッチング対象物の外周に沿って配置した例を示す、処理対象物の概略平面図である。 図9は、導電性の基板を有するエッチング対象物にカソードパッドを設ける態様を概念的に例示する概略断面図である。 図10(a)~図10(d)は、予備実験における、処理対象物を示す概略断面図である。 図11は、予備実験におけるPECエッチングの結果を示すグラフである。 図12(a)および図12(b)は、カソードパッドの縁が、被エッチング領域を画定するマスクの縁となるように、カソードパッドが配置されている態様を例示する、概略的な断面図および平面図である。 図13(a)および図13(b)は、非導電性マスクの縁が、被エッチング領域を画定するマスクの縁となるように、非導電性マスクおよびカソードパッドが配置されている態様を例示する、概略的な断面図および平面図である。 図14は、Tiマスクを用いたPECエッチングの結果を示す写真である。 図15(a)は、非導電性マスクおよびカソードパッドが形成された処理対象物を示す写真であり、図15(b)および図15(c)は、図15(a)の右上の円内に示す領域の一部を拡大した写真である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態による、構造体の製造方法について説明する。本製造方法は、当該構造体の材料となるエッチング対象物10(以下、ウエハ10ともいう)に対する、光電気化学(PEC)エッチングを用いたエッチング工程(以下、PECエッチング工程ともいう)を有する。PECエッチングを、以下単に、エッチングともいう。
ウエハ10は、基板11と、基板11上に形成されたIII族窒化物層12(以下、エピ層12ともいう)と、を有する(図1(a)参照)。エピ層12の上面が、エッチングされるべき被エッチング面20を構成する。被エッチング面20は、導電性のIII族窒化物で構成されている。被エッチング面20上に、エッチングされるべき被エッチング領域21が配置されている。
PECエッチング処理の対象物、つまり、エッチング液201に浸漬される(接触する)対象物を、処理対象物100と称する。処理対象物100は、最終的な構造体を得るための、中間段階の構造体(中間構造体)として捉えることができる。処理対象物100は、少なくともウエハ10を有し、さらに、PECエッチング処理に要する部材として、マスク50等を有してよい。マスク50は、ウエハ10の被エッチング面20上に、被エッチング領域21が開口したパターンで、形成されている。つまり、マスク50は、被エッチング領域21を画定する位置に配置されている。
本実施形態による、構造体の製造方法の詳細について説明する前に、まず、予備的な検討のために行った実験(以下、予備実験ともいう)について説明する。予備実験では、処理対象物100の構造、配置等を変化させることにより、PECエッチングの進行状態がどのように変化するかを検討した。PECエッチング工程の詳細(図1(c)参照)、および、PECエッチングの機構の詳細((化1)~(化7)参照)については、後述する。
図10(a)~図10(d)は、予備実験における、処理対象物100を示す概略断面図である。予備実験では、容器210に収容されたエッチング液201に処理対象物100を浸漬した状態で、PECエッチングを行った。
エッチング液201としては、0.1Mのリン酸(HPO)水溶液と、0.05MのK水溶液と、を1:1で混合した酸性のものを用いた。被エッチング面20上に、エッチング液201を介して紫外(UV)光221を照射した。UV光221の照射波長は260nmとし、照射強度(I)は4mW/cmとした。被エッチング面20からエッチング液201の上面202までの距離L(delectrolyte)は、5mmとした。マスク50は、非導電性材料である酸化シリコン(SiO)で形成した。
図10(a)~図10(d)は、それぞれ、第1~第4予備実験の状況を示す。第1、第2および第4予備実験では、ウエハ10の基板11として、n型導電性の窒化ガリウム(GaN)基板を用いた。第3予備実験では、ウエハ10の基板11として、半絶縁性のサファイア基板を用いた。ここで、「導電性」とは、例えば、比抵抗が10Ωcm未満である状態をいい、「半絶縁性」とは、例えば、比抵抗が10Ωcm以上である状態をいう。第1~第4予備実験のいずれも、エピ層12として、基板11上にn型導電性のGaN層を成長させた。
エピ層12の上面である被エッチング面20のうち、エッチング液201に露出した部分として、被エッチング領域21が画定されている。被エッチング領域21は、後述のように、PECエッチングのアノードとして機能すると考えられる。
被エッチング領域21と電気的に接続された、処理対象物100の導電性領域の表面のうち、エッチング液201に露出した部分は、後述のように、PECエッチングのカソードとして機能しうると考えられる。PECエッチングのカソードとして機能しうる領域を、以下、カソード領域40という。カソード領域40を、図10(a)~図10(d)において太線で示す。なお、カソード領域40を太線で示すことは、後述の図1(a)および図9でも同様である。
図10(a)を参照する。第1予備実験では、導電性GaN基板11の底面がエッチング液201に露出する態様で、処理対象物100を支持部材(スペーサ)240上に配置した。第1予備実験では、基板11およびエピ層12の側面と、基板11の底面とが、カソード領域40を構成する。
図10(b)を参照する。第2予備実験では、導電性GaN基板11の底面がエッチング液201に露出しない態様で、処理対象物100を容器210の底面上に配置した。第2予備実験では、基板11およびエピ層12の側面が、カソード領域40を構成する。
図10(c)を参照する。第3予備実験では、第2予備実験と同様に、処理対象物100を容器210の底面上に配置した。第3予備実験では、半絶縁性サファイア基板11を用いているため、基板11の表面はエッチング液201に露出していてもカソード領域40とならず、エピ層12の側面のみが、カソード領域40を構成する。
図10(d)を参照する。第4予備実験では、第2予備実験と同様に、処理対象物100を容器210の底面上に配置した。第4予備実験の処理対象物100は、ウエハ10およびマスク50に加え、レジストコート60を有する。レジストコート60は、ウエハ10の側面、つまり基板11およびエピ層12の側面と、ウエハ10の底面、つまり基板11の底面と、を覆うように形成されている。なお、アルカリ性のエッチング液201を用いるとレジストコート60が剥離してしまうため、本予備実験では、酸性のエッチング液201を用いている。
第4予備実験では、第1および第2予備実験と同様に、導電性GaN基板11を用いているが、レジストコート60が形成されているために、基板11およびエピ層12の側面と、基板11の底面とが、いずれもエッチング液201に露出しない。このため、第4予備実験では、カソード領域40が存在しない。
第1、第2および第4予備実験では、6mm角で厚さが0.4mmのGaN基板11を用い、GaN基板11上に、エピ層12として、n型不純物濃度が1×1016/cmであり厚さが10μmのGaN層(n-GaN)を形成した。第1、第2および第4予備実験のそれぞれにおけるカソード領域40の面積は、0.456cm、0.096cm、および、0cmとなる。なおここで、エピ層12はGaN基板11と比べて非常に薄いため、近似的に、エピ層12の側面によるカソード領域40の面積を0としている。第3予備実験では、6mm角で厚さが0.4mmのサファイア基板11を用い、サファイア基板11上に、エピ層12として、不純物が添加されない厚さ3μmのGaN層(un-GaN)と、n型不純物濃度が1.2×1016/cmであり厚さが2μmのGaN層(n-GaN)と、の積層を形成した(後述の図1(b)に示す構造と同様)。第3予備実験におけるカソード領域40の面積は、0.00048cm(エピ層12のうち、導電性部分であるn-GaNの側面の面積)となる。
エッチング液201を介した被エッチング面20上へのUV光221の照射により、硫酸イオンラジカル(SO -*ラジカル)を生成させることができる。SO -*ラジカルは、エッチング液201中で、被エッチング面20からある程度下方まで広がって存在すると推測される。カソード領域40(PECエッチングのカソードとして機能しうる領域)のうち、SO -*ラジカルが存在する領域が、実効的にカソードとして機能する領域(実効的なカソード領域)になると考えられる。
第1および第2予備実験において、エピ層12の側面および基板11の側面は、実効的なカソード領域であると考えられる。また、第3予備実験において、エピ層12の側面は、実効的なカソード領域であると考えられる。ただし、第1予備実験において、SO -*ラジカルは、基板11の底面中心近傍までは到達せずに、基板11の底面の外周部に存在すると推測される。つまり、第1予備実験において、基板11の底面における実効的なカソード領域は、基板11の底面の外周部であると推測される。以下の図11に示す結果を踏まえると、第1予備実験では、基板11の底面の、幅0.4mm程度の外周部が、実効的なカソード領域であると考えられる。第1予備実験における実効的なカソード領域の面積は、0.192cmと見積もられる。第2~第4予備実験における実効的なカソード領域の面積は、それぞれ、上記のカソード領域40の面積と等しく、0.096cm、0.00048cm、および、0cmとなる。
図11は、予備実験におけるPECエッチングの結果を示すグラフである。横軸が、実効的なカソード領域の面積(Cathode area)を示し、縦軸が、エッチングレートを示す。第1予備実験の結果を「with spacer」と示し、第2予備実験の結果を「w/o spacer」と示し、第3予備実験の結果を「on SAP」と示し、第4予備実験の結果を「Side&back resist coat」と示す。
この結果より、実効的なカソード領域の面積が広いほど、エッチングレートが高いことがわかる。またこのことから、アノードである被エッチング領域21のPECエッチングを良好に進行させるには、電気的なバランスを向上させるために、実効的なカソード領域の面積を広くすること、したがって、カソードとして機能しうる領域であるカソード領域40を広く設けておくこと、が好ましいと考えられる。
第1および第2予備実験では、導電性の基板11を用いることで、基板11の側面または底面を利用してカソード領域40を広く設けることができるため、エッチングレートを高めることが容易である。これに対し、第3予備実験では、半絶縁性の基板11を用いることで、カソード領域40が、エピ層12の側面のみの狭い領域で構成されるため、エッチングレートを高めることが難しい。図11からわかるように、第3予備実験では、カソード領域40が存在しない第4予備実験と同様に、エッチングがほとんど進行していない。
なお、半絶縁性の基板11を用いる場合であっても、マスク50が導電性材料で形成されている場合は、マスク50の表面が、カソード領域40として働く。マスク50は、被エッチング領域21と電気的に接続されているからである。このような場合、マスク50が非導電性材料で形成されている場合よりも、エッチングレートを高めることは可能である。
III族窒化物を用いた半導体装置を製造するための材料として、サファイア基板、炭化シリコン(SiC)基板、半絶縁性GaN基板等の半絶縁性の基板11上に、エピ層12を成長させたウエハ10を利用したい場合がある。また、このような場合に、マスク50を、レジスト、酸化シリコン等の非導電性材料で形成したい場合がある。
第3予備実験の結果からわかるように、半絶縁性の基板11を用い、さらに、マスク50を非導電性材料で形成する場合、PECエッチングを良好に進行させることは困難である。本願発明者は、このような場合であっても、PECエッチングを良好に進行させることができる技術を提案する。
以下、第1実施形態による、構造体の製造方法の詳細について説明する。図1(a)は、第1実施形態による処理対象物100を例示する概略断面図である。まず、図1(a)に示すように、処理対象物100を準備する。本実施形態による処理対象物100は、ウエハ10と、マスク50と、に加えて、カソードパッド(導電性部材)30を有する。
本実施形態では、基板11として、半絶縁性の基板、例えば、サファイア基板、SiC基板、(半絶縁性の)GaN基板等が用いられる。マスク50は、非導電性材料、例えば、レジスト、酸化シリコン等で形成される。被エッチング領域21の形状、広さ、エッチングされる深さ、等は、必要に応じ適宜選択されてよい。マスク50は、被エッチング領域21を画定する位置に配置されている(被エッチング領域21を画定する縁が、マスク50の縁を含んで構成されている)。
カソードパッド30は、導電性材料で形成された導電性部材である。カソードパッド30は、被エッチング領域21と電気的に接続された、ウエハ10の導電性領域の表面の少なくとも一部と接触するように設けられている。図1(a)に例示するカソードパッド30は、被エッチング面20上の、平面視でマスク50に内包される領域に、好ましくはマスク50と接する状態で(マスク50とカソードパッド30との隙間に被エッチング面20が露出しない状態で)、配置されている。カソードパッド30は、被エッチング領域21を画定する位置に配置されていない。
カソードパッド30が「被エッチング領域21を画定する位置に配置されていない」とは、カソードパッド30の少なくとも一部分が、「被エッチング領域21を画定する位置に配置されていない」こと、つまり、カソードパッド30は、被エッチング領域21を画定するマスクとして機能しない部分を有すること(被エッチング領域21は、カソードパッド30のみをマスクとして画定されてはおらず、被エッチング領域21を画定する縁が、カソードパッド30の縁のみによって構成されてはいないこと)を意味する。なお、カソードパッド30の配置態様は、必要に応じて適宜調整されてよい。例えば、平面視でマスク50に内包されない領域に、カソードパッド30が配置される場合があってもよい。カソードパッド30の縁は、被エッチング領域21を画定する縁に含まれる部分を有してもよく、被エッチング領域21を画定する縁に含まれない部分を有してもよい。
カソードパッド30の材料としては、被エッチング面20に対するショットキー障壁高さが低く、エッチング液201に対する(アルカリまたは酸に対する)耐性を有する材料が好ましく用いられる。具体的には、金属、例えばチタン(Ti)が好ましく用いられる。また、Ti以外に例えば、Ti上に金(Au)が積層されたTi/Au、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、単層のAu等を用いることも可能である。
処理対象物100が、エッチング液201に浸漬された際、カソードパッド30の上面が、エッチング液201に露出する。したがって、カソードパッド30の上面は、カソード領域40として働く。このように、本実施形態では、エピ層12の側面に加えて、カソードパッド30の上面も、カソード領域40を構成する。
本実施形態では、カソードパッド30を設けたことにより、カソードパッド30を設けない場合と比べて、カソード領域40が広くなる。これにより、カソードパッド30を設けない場合と比べて、PECエッチングを良好に進行させることができる。
本実施形態のカソードパッド30は、カソードパッド30の上面を、カソード領域40として利用できるため、カソード領域40を広く設けることが容易である。また、カソードパッド30が被エッチング面20上に設けられていることで、被エッチング面20上にUV光221を照射することで生成されるSO -*ラジカルを、より確実にカソードパッド30の上面近傍に存在させることができる。これにより、カソードパッド30の上面を実効的なカソード領域として利用することが容易になる。
図1(b)は、ウエハ10の構造の一例(後述の実験例に用いたもの)を示す概略断面図である。基板11は、サファイア基板である。エピ層12は、不純物が添加されない厚さ3μmのGaN層(un-GaN)と、n型不純物が添加されキャリア濃度(正味のドナー濃度)が1.2×1016/cmであり厚さが2μmのGaN層(n-GaN)と、の積層で構成される。
図1(c)は、PECエッチング工程を示す、PECエッチング装置200の概略断面図である。PECエッチング装置200は、エッチング液201を収容する容器210と、紫外(UV)光221を出射する光源220と、を有する。
PECエッチング工程では、処理対象物100がエッチング液201に浸漬され、被エッチング領域21およびカソードパッド30がエッチング液201と接触した状態で、被エッチング面20に、エッチング液201を介してUV光221を照射することにより、被エッチング領域21を構成するIII族窒化物をエッチングする。エッチング液201、UV光221、および、PECエッチングの機構の詳細については、後述する。
なお、構造体の製造方法は、必要に応じ、その他の工程として、電極形成、保護膜形成等の工程を有してもよい。
次に、カソードパッド30の形成方法について、例示的に説明する。図2(a)~図2(c)は、カソードパッド30の形成方法の第1例を示す概略断面図である。第1例では、マスク50の形成の前に、カソードパッド30を形成する。マスク50の材料としては、レジストが例示される。
まず、図2(a)に示すように、ウエハ10の被エッチング面20上に、リフトオフ等を用いて、例えばTiによりカソードパッド30を形成する。次に、図2(b)に示すように、カソードパッド30を覆うよう、被エッチング面20の全面上に、レジスト膜51を成膜する。次に、図2(c)に示すように、レジスト膜51をパターニングすることで、マスク50を形成する。マスク50は、被エッチング領域21を露出させる開口を有するとともに、カソードパッド30の上面を露出させる開口を有する。
図3(a)~図3(c)は、カソードパッド30の形成方法の第2例を示す概略断面図である。第2例では、マスク50の形成の後に、カソードパッド30を形成する。マスク50の材料としては、酸化シリコンが例示される。
まず、図3(a)に示すように、ウエハ10の被エッチング面20の全面上に酸化シリコン膜を形成した後、当該酸化シリコン膜をフォトリソグラフィおよびエッチングによりパターニングすることで、マスク50を形成する。マスク50は、被エッチング領域21を露出させる開口を有するとともに、カソードパッド30が形成されるべき領域に開口を有する。
次に、図3(b)に示すように、被エッチング領域21を覆うとともに、カソードパッド30が形成されるべき領域を露出するように、リフトオフ用のレジストパターン70を形成する。そして、被エッチング面20の全面上に、例えばTi膜31を形成する。
次に、図3(c)に示すように、リフトオフにより、つまり、レジストパターン70とともにTi膜31の不要部を除去することにより、カソードパッド30が形成されるべき領域に、カソードパッド30を形成する(残す)。
例えば酸化シリコンでマスク50を形成する場合、マスク50を形成する際のエッチングに、フッ酸が好ましく用いられる。これに起因して、カソードパッド30の形成後にマスク50を形成すると、カソードパッド30までエッチングされる懸念がある。第2例のように、マスク50の形成の後にカソードパッド30を形成することで、このようなカソードパッド30の不要なエッチングを避けることができる。
次に、エッチング液201、UV光221、および、PECエッチングの機構の詳細について説明する。エッチングされるIII族窒化物として、GaNが例示される。
エッチング液201としては、被エッチング領域21を構成するIII族窒化物が含有するIII族元素の酸化物の生成に用いられる酸素を含み、さらに、電子を受け取る酸化剤を含む、アルカリ性または酸性のエッチング液201が用いられる。当該酸化剤として、ペルオキソ二硫酸イオン(S 2-)が例示される。
エッチング液201の第1例としては、水酸化カリウム(KOH)水溶液とペルオキソ二硫酸カリウム(K)水溶液とを混合した、エッチングの開始時点でアルカリ性を示すものが挙げられる。このようなエッチング液201は、例えば、0.01MのKOH水溶液と、0.05MのK水溶液と、を1:1で混合することで調製される。KOH水溶液の濃度、K水溶液の濃度、および、これらの水溶液の混合比率は、必要に応じ適宜調整されてよい。なお、KOH水溶液とK水溶液とが混合されたエッチング液201は、例えばKOH水溶液の濃度を低くすることで、エッチングの開始時点で酸性を示すようにすることもできる。
第1例のエッチング液201を用いる場合のPECエッチング機構について説明する。被エッチング面20に波長365nm以下のUV光221が照射されることによって、被エッチング領域21を構成するGaN中に、ホールと電子とが対で生成される。生成されたホールによりGaNがGa3+とNとに分解され(化1)、さらに、Ga3+が水酸化物イオン(OH)によって酸化されることで酸化ガリウム(Ga)が生成する(化2)。そして、生成されたGaが、アルカリまたは酸に溶解される。このようにして、GaNのPECエッチングが行われる。なお、生成されたホールが水と反応して、水が分解されることで、酸素が発生する(化3)。
Figure 0007254639000001
Figure 0007254639000002
Figure 0007254639000003
また、Kが水に溶解することでペルオキソ二硫酸イオン(S 2-)が生成し(化4)、S 2-にUV光221が照射されることで硫酸イオンラジカル(SO -*ラジカル)が生成する(化5)。ホールと対で生成された電子が、SO -*ラジカルとともに水と反応して、水が分解されることで、水素が発生する(化6)。このように、本実施形態のPECエッチングでは、SO -*ラジカルを用いることで、GaN中にホールと対で生成された電子を消費させることができるため、PECエッチングを良好に進行させることができる。なお、(化6)に示されるように、PECエッチングの進行に伴い、硫酸イオン(SO 2-)が増加することで、エッチング液201の酸性は強くなっていく(pHは低下していく)。
Figure 0007254639000004
Figure 0007254639000005
Figure 0007254639000006
エッチング液201の第2例としては、リン酸(HPO)水溶液とペルオキソ二硫酸カリウム(K)水溶液とを混合した、エッチングの開始時点で酸性を示すものが挙げられる。このようなエッチング液201は、例えば、0.01MのHPO水溶液と、0.05MのK水溶液と、を1:1で混合することで調製される。HPO水溶液の濃度、K水溶液の濃度、および、これらの水溶液の混合比率は、必要に応じ適宜調整されてよい。HPO水溶液およびK水溶液は、ともに酸性であるため、HPO水溶液とK水溶液とが混合されたエッチング液201は、任意の混合比率で酸性である。エッチング液201が酸性であることは、マスク50としてレジストマスクの使用を容易にする観点等から好ましい。
第2例のエッチング液201を用いる場合のPECエッチング機構は、第1例のエッチング液201を用いる場合について説明した(化1)~(化3)が、(化7)に置き換わったものと推測される。つまり、GaNと、UV光221の照射で生成されたホールと、水と、が反応することで、Gaと、水素イオン(H)と、Nと、が生成する(化7)。そして、生成されたGaが、酸に溶解される。このようにして、GaNのPECエッチングが行われる。なお、(化4)~(化6)に示したような、ホールと対で生成された電子がS 2-により消費される機構は、第1例のエッチング液201を用いる場合と同様である。
Figure 0007254639000007
(化1)および(化2)、または、(化7)から理解されるように、GaNのPECエッチングが生じる被エッチング領域21は、ホールが消費されるアノードとして機能すると考えられる。また、 (化6)から理解されるように、被エッチング領域21と電気的に接続された、処理対象物100の導電性領域の表面のうち、エッチング液201に露出した部分は、電子が消費される(放出される)カソードとして機能すると考えられる。
(化5)に示すように、S 2-からSO -*ラジカルを生成する手法としては、UV光221の照射、および、加熱の少なくとも一方を用いることができる。UV光221の照射を用いる場合、S 2-による光吸収を大きくしてSO -*ラジカルを効率的に生成させるために、UV光221の波長を、200nm以上310nm未満とすることが好ましい。つまり、UV光221の照射により、ウエハ10においてIII族窒化物中にホールを生成させるとともに、エッチング液201においてS 2-からSO -*ラジカルを生成させることを、効率的に行う観点からは、UV光221の波長を、200nm以上310nm未満とすることが好ましい。S 2-からSO -*ラジカルを生成することを、加熱で行う場合は、UV光221の波長を、(365nm以下で)310nm以上としてもよい。
UV光221の照射によりS 2-からSO -*ラジカルを生成させる場合、ウエハ10の被エッチング面20からエッチング液201の上面202までの距離Lは、例えば、5mm以上100mm以下とすることが好ましい。距離Lが、例えば5mm未満と過度に短いと、ウエハ10上方のエッチング液201において生成されるSO -*ラジカルの量が、距離Lの変動により不安定になる可能性がある。また、距離Lが、例えば100mm超と過度に長いと、ウエハ10上方のエッチング液201において、PECエッチングに寄与しない、無駄に多くのSO -*ラジカルが生成されるため、エッチング液201の利用効率が低下する。
なお、PECエッチングは、例示したGaN以外のIII族窒化物に対しても行うことができる。III族窒化物が含有するIII族元素は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)およびインジウム(In)のうちの少なくとも1つである。III族窒化物におけるAl成分またはIn成分に対するPECエッチングの考え方は、Ga成分について(化1)および(化2)、または、(化7)を参照して説明した考え方と同様である。つまり、UV光221の照射によりホールを生成させることで、Alの酸化物またはInの酸化物を生成させ、これらの酸化物をアルカリまたは酸に溶解させることで、PECエッチングを行うことができる。UV光221の波長(365nm以下)は、エッチングの対象とするIII族窒化物の組成に応じて、適宜変更されてよい。GaNのPECエッチングを基準として、Alを含有する場合は、より短波長のUV光を用いればよく、Inを含有する場合は、より長波長のUV光も利用可能となる。
次に、第1実施形態のPECエッチングに係る実験例について説明する。本実験例では、図1(b)を参照して説明したような積層構造を有する6mm角のウエハ10の被エッチング面20上に、マスク50およびカソードパッド30を形成し、カソードパッド30の面積を変化させることにより、PECエッチングの進行状態がどのように変化するかを検討した。
エッチング液201としては、0.01MのKOH水溶液と、0.05MのK水溶液と、を1:1で混合したものを用いた。被エッチング面20上に、エッチング液201を介してUV光221を照射した。UV光221の照射波長は260nmとし、照射強度(I)は4mW/cmとした。被エッチング面20からエッチング液201の上面202までの距離L(delectrolyte)は、5mmとした。
図4(a)~図4(e)は、それぞれ、本実験例の第1~第5の処理対象物(以下、第1~第5試料ともいう)に形成したマスク50およびカソードパッド30のパターンを示す写真である。第1~第5試料には、酸化シリコン(SiO)により、同一形状の開口領域を有するマスク50を形成した。図4(a)~図4(e)において、マスク50の形成領域が、暗い領域として示されている。
図4(a)~図4(e)において、明るい領域は、マスク50の開口領域、つまり、被エッチング領域21を示す。ただし、図4(a)~図4(e)の明るい領域において、「Ti」と示した部分は、Tiで形成されたカソードパッド30を示す。第1~第5試料の順で、「Ti」と示した部分の面積、つまりカソードパッド30の面積を、広くしている。図4(a)~図4(e)において、上部に示した数値は、6mm角の被エッチング面20の全面積(36mm)に対する、カソードパッド30の上面の面積の比率(以下、カソード比率ともいう)を示す。第1~第5試料のカソード比率は、それぞれ、0.0056(0.6%)、0.011(1.1%)、0.022(2.2%)、0.044(4.4%)、および、0.078(7.8%)である。
図4(f)は、第6の処理対象物(以下、第6試料ともいう)のマスク50のパターンを示す写真である。第6試料は、Tiにより、第1~第5試料と同一形状の開口領域を有するマスク50を形成した。また第6試料には、カソードパッド30を形成しなかった。第6試料は、カソードパッド30を有しないが、マスク50自体がTiで形成されておりカソード領域40として働くため、第1~第5試料と同一形状の開口領域を有するマスク50において、カソードパッド30の面積を極限まで広げたケースに対応する。第6試料は、カソード比率としては、0.504(50.4%)に対応する。
図5(a)および図5(b)は、本実験例の結果を示すグラフである。図5(a)は、第1~第6試料の、エッチング時間に対するエッチング深さの依存性を示す。図5(b)は、第1~第6試料の、カソード面積(カソード比率を面積に換算した値)に対するエッチングレートの依存性を示す。エッチングレートは、120分間のエッチング時間における平均値である。
図5(a)および図5(b)より、カソードパッド30を形成することで、単位時間当たりのエッチング深さ、つまりエッチングレートを向上させることが可能であることがわかる。また、カソード比率を高く(カソード面積を広く)することで、エッチングレートを向上させることが可能であることがわかる。
カソードパッド30の好ましい広さの目安について、例えば以下のようにいうことができる。カソード比率、つまり、被エッチング面20の全体の面積に対する、カソード面積(カソードパッド30がエッチング液201と接触する面積)の比率は、1%以上とすることが好ましく、2%以上とすることがより好ましく、4%以上とすることがさらに好ましくは、8%以上とすることがさらに好ましい。
カソードパッド30の好ましい広さの目安について、また例えば以下のようにいうことができる。カソード面積(カソードパッド30がエッチング液201と接触する面積)は、カソードパッド30が設けられない場合のカソード領域40の面積、つまり、エピ層12の(導電性部分の)側面の全体の面積よりも、広いことが好ましい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態による、構造体の製造方法について説明する。第2実施形態では、製造される構造体150として、高電子移動度トランジスタ(HEMT)を例示する。
図6(a)は、第2実施形態による構造体150(以下、HEMT150ともいう)を例示する概略断面図である。図6(b)は、HEMT150の材料として用いられるウエハ10を例示する概略断面図である。
基板11としては、例えば、半絶縁性のSiC基板が用いられる。エピ層12としては、例えば、窒化アルミニウム(AlN)で構成された核生成層12aと、GaNで構成された厚さ1.2μmのチャネル層12bと、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)で構成された厚さ24nmの障壁層12cと、GaNで構成された厚さ5nmのキャップ層12dと、の積層構造が用いられる。チャネル層12bと障壁層12cとの積層部分に、HEMT150のチャネルとなる2次元電子ガス(2DEG)が生成されている。
HEMT150の、ソース電極151、ゲート電極152およびドレイン電極153が、キャップ層12dの上面上に形成されている。ソース電極151、ゲート電極152およびドレイン電極153の上面上に開口を有するように、保護膜154が形成されている。
HEMT150は、隣接する素子間を分離する素子分離溝160を有する。素子分離溝160は、その底面がチャネル層12bの上面よりも深い位置に配置されるように、つまり、隣接する素子間で、2DEGが素子分離溝160により分断されるように、設けられている。
本実施形態では、PECエッチングにより、HEMT150の素子分離溝160を形成する態様を例示する。図7(a)は、素子分離溝160を形成するためのPECエッチングを行う際の、処理対象物100を例示する概略断面図である。図7(b)は、処理対象物100の概略平面図である。図7(c)は、PECエッチング工程を示す、PECエッチング装置200の概略断面図である。
本例の処理対象物100は、ウエハ10上にソース電極151およびドレイン電極153が形成された段階の部材に、PECエッチング用のマスク50が形成された構造を有する。ソース電極151およびドレイン電極153が、カソードパッド30として利用される。カソードパッド30(ソース電極151およびドレイン電極153)は、例えば、Ti上にアルミニウム(Al)が積層され、さらにAl上にAuが積層されたTi/Al/Auにより形成される。
マスク50は、キャップ層12dの上面である被エッチング面20上に形成され、被エッチング領域21を露出させる開口を有するとともに、カソードパッド30(ソース電極151およびドレイン電極153)の上面を露出させる開口を有する。被エッチング領域21は、素子分離溝160を形成すべき領域であり、平面視で各HEMT素子を取り囲むように、例えば格子状に配置される。
マスク50は、例えばレジストで形成される。エッチング液201として、好ましくは(エッチング開始時点から)酸性のものが用いられる。被エッチング領域21を構成するIII族窒化物を、チャネル層12bの上面よりも深い位置までエッチングすることで、素子分離溝160として用いられる凹部を形成する。当該凹部(素子分離溝160)を形成した後、マスク50を除去し、ゲート電極152を形成し、保護膜154を形成する。このようにして、HEMT150が製造される。
第2実施形態によれば、SiC基板等の半絶縁性の基板11を有するウエハ10を利用し、レジスト等の非導電性材料で形成されたマスク50を用いる場合であっても、HEMT150の素子分離溝160を、PECエッチングで形成することが容易である。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態による、構造体の製造方法について説明する。第3実施形態では、PECエッチングで形成される凹部の形状の制御性を高めるために好ましい、カソードパッド30の配置態様について説明する。
第1実施形態および第2実施形態で説明したように、カソードパッド30を設けることにより、非導電性材料で形成されたマスク50(以下、非導電性マスク50ともいう)を用いる場合でも、PECエッチングを良好に進行させることができる。
PECエッチングの進行を促進させる観点からは、被エッチング領域21を画定するマスクの縁の一部分が、カソードパッド30の縁で構成されていてもよい。ただし、以下に説明するように、本願発明者が得た知見によれば、PECエッチングで形成される凹部の形状の制御性を高める観点からは、被エッチング領域21を画定するマスクの縁の全部分が、カソードパッド30の縁を含まずに、非導電性マスク50の縁で構成されていることが好ましい。
このような構成は、例えば、平面視において、非導電性マスク50の内側に(被エッチング領域21と反対側に)カソードパッド30を配置することにより、つまり、カソードパッド30の全周囲が非導電性マスク50に囲まれるようカソードパッド30を配置することにより、得られる(例えば図7(b)参照)。
図12(a)および図12(b)は、カソードパッド30の縁35が、被エッチング領域21を画定するマスク80の縁85となるように、カソードパッド30が配置されている態様を例示する、概略的な断面図および平面図である(マスク80の縁85が、カソードパッド30の縁35で構成されている部分を示す図である)。
カソードパッド30を利用することで、PECエッチングの進行が促進されるため、被エッチング領域21に凹部22を形成することができる。凹部22の縁は、理想的には、マスク80の縁85、つまりカソードパッド30の縁35に沿う位置に形成される(理想的な場合における凹部22の縁23aを破線で示す)。しかし、本態様のPECエッチングにより、実際には、カソードパッド30の縁35から外側に(被エッチング領域21側に)離れた位置に、縁35からの距離が一定しない乱れた形状で、凹部22の縁23が形成されることがわかった。この理由は、カソードパッド30が導電性であることに起因して、カソードパッド30近傍の被エッチング面20に空乏層が形成されるためと推測される。
図13(a)および図13(b)は、非導電性マスク50の縁55が、被エッチング領域21を画定するマスク80の縁85となるように、非導電性マスク50およびカソードパッド30が配置されている態様を例示する、概略的な断面図および平面図である。本例では、非導電性マスク50の内側に(被エッチング領域21と反対側に)、カソードパッド30が配置されている。
マスク80の縁85、つまり非導電性マスク50の縁55と、カソードパッド30の縁35と、の(最短の)距離(以下、オフセット距離という)をDOFFとする。本願発明者は、オフセット距離Doffをある程度以上長くすることにより、カソードパッド30に起因する空乏層の影響を抑制して、マスク80の縁85(非導電性マスク50の縁55)に沿う位置に、凹部22の縁23を形成できるという知見を得た。オフセット距離DOFFは、5μm以上とすることが好ましく、10μm以上とすることがより好ましい。オフセット距離DOFFの上限は、特に限定されない。
このように、被エッチング領域21を画定するマスク80の縁85を、非導電性マスク50の縁55で構成することにより、PECエッチングにより形成される凹部22の縁23の形状の制御性を高めることができる。
なお、図7(b)に例示する配置態様では、非導電性マスク50の、被エッチング領域21を画定する閉じた形状の縁の内側に、カソードパッド30が配置されているが、必要に応じて(作製する素子構造等に応じて)、カソードパッド30が、当該縁の外側に配置される態様としてもよい(例えば後述の図15(a)参照)。このような態様では、被エッチング領域21を画定する非導電性マスク50の縁からカソードパッド30までのオフセット距離DOFFを長く確保することが、より容易となる。
以下、第3実施形態に係る実験例の結果について説明する。図14は、Tiマスクを用いたPECエッチングの結果を示す写真である。写真に示す四角形状の領域のうち、上辺部および右辺部の明るい領域が、Tiマスクを示す。Tiマスクの外側(下側あるいは左側)のやや暗い領域が、Tiマスクによって画定された被エッチング領域21を示す。被エッチング領域21内に、形成された凹部22の、乱れた形状を有する縁23が観察される。
図15(a)は、非導電性マスク50およびカソードパッド30が形成された処理対象物100を示す写真である。カソードパッド30は、明るい領域として示され、非導電性マスク50は、カソードパッド30よりは暗い領域として示されている。被エッチング領域は、非導電性マスク50により画定されており、非導電性マスク50よりも暗い(線状の)領域として示されている。図15(a)~図15(c)を参照して説明する実験例における実験条件は、エッチング液としてK水溶液を用いた以外は、第1実施形態で図4(a)~図4(f)を参照して説明した実験例における実験条件(照射波長、照射強度および距離L)と同様である。非導電性マスク50はSiOで形成し、カソードパッド30はTiで形成した。
図15(b)および図15(c)は、図15(a)の右上の円内に示す領域の一部を拡大した写真である。当該円内には、非導電性マスク50により、四角形の環状の被エッチング領域21が画定されている。図15(b)および図15(c)には、当該被エッチング領域21の右上の角部が示されている。図15(b)は、PECエッチング前の写真であり、図15(c)は、PECエッチング後の写真である。図15(b)に示されるように、当該被エッチング領域21の紙面左右方向に延在する部分の幅は、76μmであり、当該被エッチング領域21の紙面上下方向に延在する部分の幅は、45μmである。
当該被エッチング領域21を画定するマスクの縁は、カソードパッド30の縁を含まずに、非導電性マスク50の縁で構成されている。つまり、カソードパッド30は、当該エッチング領域21を画定する位置に配置されていない。また、当該被エッチング領域21を画定する非導電性マスク50の縁は、カソードパッド30から充分に(5μm超または10μm超)離れている(図15(a)参照)。
図15(b)と図15(c)とを比較してわかるように、本実験例では、非導電性マスク50の開口形状とほぼ一致する形態で、凹部22が形成されており、非導電性マスク50の縁に沿う位置に、凹部22の縁23を形成できている。このように、被エッチング領域21を画定する縁を、カソードパッド30の縁を含まずに、非導電性マスク50の縁で構成することにより、凹部22の形状の制御性を高めたPECエッチングを行うことができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。
例えば、カソードパッド30の形状、大きさ、配置、個数等は、必要に応じて様々に調整されてよい。
図8(a)および図8(b)は、カソードパッド30を、ウエハ10の外周に沿って配置した例を示す、処理対象物100の概略平面図である。ウエハ10の縁を、太線で示す。
一般に、ウエハ10の外周部には、素子が形成されないことが多い。このため、ウエハ10の外周部を利用してカソードパッド30を配置することで、ウエハ10の内部の広い領域を、素子形成のために利用することが容易になる。また、ウエハ10の外周部に沿ってカソードパッド30を配置することで、カソードパッド30を長く形成すること、つまり、カソードパッド30を広く形成することが、容易になる。
図8(a)は、ウエハ10の外周に沿って、平面視上、ウエハ10の内側に、カソードパッド30を配置した例を示す。図8(b)は、ウエハ10の外周に沿って、平面視上、ウエハ10の外側まで延在するように(庇状に突き出すように)、カソードパッド30を配置した例を示す。図8(b)に示す例のように、カソードパッド30をウエハ10の外側まで配置することで、カソードパッド30がエッチング液201と接触する面積を広くすることができるため、カソード領域40をより広く設けることができる。このような構造は、例えば、別体として準備されたカソードパッド30をウエハ10に接着する(あるいは接触させる)ことで形成される。
上述の第1、第2実施形態では、ウエハ10の基板11が半絶縁性である場合を例示したが、基板11は、導電性であってもよい。つまり、基板11が導電性である場合に、カソードパッド30を設けてもよい。基板11が導電性である場合、基板11の表面上の任意の場所に、カソードパッド30を配置することが可能である。
図9は、導電性の基板11を有するウエハ10にカソードパッド30を設ける態様を概念的に例示する概略断面図である。基板11が導電性である場合、ウエハ10の上面上に(つまり被エッチング面20上に)カソードパッド30を配置することができるだけでなく、ウエハ10の(基板11の)側面上にカソードパッド30を配置することもでき、ウエハ10の(基板11の)底面上にカソードパッド30を配置することもできる。なお、このような場合、基板11のみでも導電性であるため、エピ層12が省略された基板11自体をウエハ10として、ウエハ10の(基板11の)上面上にカソードパッド30を配置する態様も考えられる。導電性の基板11の表面上のどこにカソードパッド30を配置するかは、必要に応じて適宜選択されてよい。
エッチング液201としては、例えば、エッチング開始時点で酸性であるエッチング液201として、K水溶液のみを用いることも可能である。この場合、K水溶液の濃度は、例えば0.025Mとすればよい。
また、上述の説明では、S 2-をペルオキソ二硫酸カリウム(K)から供給する態様を例示したが、S 2-は、その他例えば、ペルオキソ二硫酸ナトリウム(Na)、ペルオキソ二硫酸アンモニウム(過硫酸アンモニウム、(NH)等から供給するようにしてもよい。
PECエッチングの際、エッチング液201は、静止させてもよいし、流しても(動かしても)よい。エッチング液201を流す場合、同じエッチング液201を循環させる(エッチング液201を交換しない)態様であってもよいし、新しいエッチング液201を連続的に供給する(エッチング液201を交換する)態様であってもよい。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
導電性のIII族窒化物で構成された被エッチング面を有し、前記被エッチング面上に被エッチング領域が配置されたエッチング対象物、および、前記エッチング対象物の、前記被エッチング領域と電気的に接続された導電性領域の表面の少なくとも一部と接触するように設けられた導電性部材、を備える処理対象物を準備する工程と、
前記処理対象物が、電子を受け取る酸化剤を含むアルカリ性または酸性のエッチング液に浸漬され、前記被エッチング領域および前記導電性部材が、前記エッチング液と接触した状態で、前記被エッチング面に、前記エッチング液を介して紫外光を照射することにより、前記被エッチング領域を構成する前記III族窒化物をエッチングする工程と、
を有し、
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記導電性部材の縁のみによって構成されてはいない(前記導電性部材は、前記被エッチング領域を画定する位置に配置されていない)、構造体の製造方法。
(付記2)
前記処理対象物は、
前記被エッチング面上に形成され、非導電性材料で構成されたマスク、を備え、
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記マスクの縁を含んで構成されている(前記マスクは、前記被エッチング領域を画定する位置に配置されている)、付記1に記載の構造体の製造方法。
(付記3)
前記マスクは、レジストで構成され、
前記エッチング液は、酸性である、付記2に記載の構造体の製造方法。
(付記4)
前記エッチング液は、酸性である、付記1~3のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記5)
前記導電性部材の、前記被エッチング面上に設けられた部分の上面が、前記エッチング液と接触した状態で、前記III族窒化物をエッチングする、付記1~4のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記6)
前記エッチング対象物は、高電子移動度トランジスタの材料として用いられ、
前記導電性部材は、前記高電子移動度トランジスタの電極として用いられる、付記1~5のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記7)
前記被エッチング領域がエッチングされることで形成される凹部は、前記高電子移動度トランジスタの素子分離溝として用いられる、付記6に記載の構造体の製造方法。
(付記8)
前記導電性部材は、平面視上、前記エッチング対象物の外周に沿って配置されている、付記1~7のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記9)
前記導電性部材は、平面視上、前記エッチング対象物の外側まで延在するように配置されている、付記1~8のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記10)
前記エッチング対象物は、半絶縁性基板を備える、付記1~9のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記11)
前記導電性部材は、前記半絶縁性基板上に形成されたIII族窒化物層上に設けられている、付記10に記載の構造体の製造方法。
(付記12)
前記導電性部材が前記エッチング液と接触する面積は、前記III族窒化物層の上面である前記被エッチング面の全体の面積に対して、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは4%以上、さらに好ましくは8%以上である、付記11に記載の構造体の製造方法。
(付記13)
前記導電性部材が前記エッチング液と接触する面積は、前記III族窒化物層の側面の全体の面積よりも広い、付記11または12に記載の構造体の製造方法。
(付記14)
前記エッチング対象物は、導電性基板を備える、付記1~9のいずれか1つに記載の構造体の製造方法。
(付記15)
前記導電性部材は、前記導電性基板上に形成されたIII族窒化物層の表面上に配置されている、付記14に記載の構造体の製造方法。
(付記16)
前記導電性部材は、前記導電性基板の表面上に配置されている、付記14または15に記載の構造体の製造方法。
(付記17)
導電性のIII族窒化物で構成された被エッチング面を有し、前記被エッチング面上に被エッチング領域が配置されたエッチング対象物と、
前記エッチング対象物の、前記被エッチング領域と電気的に接続された導電性領域の表面の少なくとも一部と接触するように設けられた導電性部材と、
を備え、
電子を受け取る酸化剤を含むアルカリ性または酸性のエッチング液に、前記被エッチング領域および前記導電性部材が接触した状態で浸漬され、
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記導電性部材の縁のみによって構成されてはいない(前記導電性部材は、前記被エッチング領域を画定する位置に配置されていない)、中間構造体。
(付記18)
前記被エッチング面上に形成され、非導電性材料で構成されたマスク、を備え、
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記マスクの縁を含んで構成されている(前記マスクは、前記被エッチング領域を画定する位置に配置されている)、付記17に記載の中間構造体。
(付記19)
前記マスクは、レジストで構成されている、付記17または18に記載の中間構造体。
(付記20)
前記エッチング対象物は、高電子移動度トランジスタの材料として用いられ、
前記導電性部材は、前記高電子移動度トランジスタの電極として用いられる、付記17~19のいずれか1つに記載の中間構造体。
(付記21)
前記導電性部材は、平面視上、前記エッチング対象物の外周に沿って配置されている、付記17~20のいずれか1つに記載の中間構造体。
(付記22)
前記導電性部材は、平面視上、前記エッチング対象物の外側まで延在するように配置されている、付記21に記載の中間構造体。
(付記23)
前記エッチング対象物は、半絶縁性基板を備える、付記17~22のいずれか1つに記載の中間構造体。
(付記24)
前記エッチング対象物は、導電性基板を備える、付記17~22のいずれか1つに記載の中間構造体。
(付記25)
前記導電性部材は、前記導電性基板の表面上に配置されている、付記24に記載の中間構造体。
(付記26)
前記被エッチング面に、前記エッチング液を介して、紫外光が照射される、付記17~25のいずれか1つに記載の中間構造体。
(付記27)
III族窒化物で構成された結晶をエッチング液に浸漬した状態で電気化学的にエッチングを行う方法であって、
前記III族窒化物の表面に被エッチング領域と、被エッチング領域以外の領域を画定する工程と、
前記表面に、前記エッチング液を介して紫外光を照射することにより、前記III族窒化物をエッチングする工程と、
を有し、
前記被エッチング領域以外の領域の一部に、前記エッチング液に電子を放出するカソードとして機能する導電性部材を接続する(接触させる)ことを特徴とする、III族窒化物結晶の加工方法。
(付記28)
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記導電性部材の縁を含まずに、前記マスクの縁で構成されている、付記2に記載の構造体の製造方法。
(付記29)
前記マスクの縁と、前記導電性部材の縁と、の距離が、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である、付記28に記載の構造体の製造方法。
(付記30)
平面視において、前記導電性部材の全周囲が、前記マスクに囲まれるように、前記導電性部材が配置されている、付記28または29に記載の構造体の製造方法。
(付記31)
前記被エッチング領域を画定する縁は、前記導電性部材の縁を含まずに、前記マスクの縁で構成されている、付記18に記載の中間構造体。
(付記32)
前記マスクの縁と、前記導電性部材の縁と、の距離が、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である、付記31に記載の中間構造体。
(付記33)
平面視において、前記導電性部材の全周囲が、前記マスクに囲まれるように、前記導電性部材が配置されている、付記31または32に記載の中間構造体。
10…エッチング対象物、20…被エッチング面、21…被エッチング領域、30…カソードパッド、50…マスク、100…処理対象物、150…構造体、200…PECエッチング装置、201…エッチング液、202…エッチング液の上面、210…容器、220…光源、221…UV光

Claims (15)

  1. 基板上にIII族窒化物層が積層された構造を有するウエハから素子を製造する方法であって、
    前記ウエハの表面に、導電性領域を形成する工程と、
    前記ウエハの表面に、非導電性材料からなり、前記導電性領域の少なくとも一部、および、前記III族窒化物層の表面に画定された被エッチング領域に開口部を有するマスクを形成する工程と、
    前記導電性領域をカソードとして機能させて、前記ウエハに光電気化学エッチングを施すことで、前記被エッチング領域を前記ウエハの表面から均一な深さで彫り込む工程と、
    前記マスクを除去する工程と、
    を有し、
    前記光電気化学エッチングにおけるエッチング液は、ペルオキソ二硫酸イオンから光照射または加熱により生成された硫酸イオンラジカルを含む、
    素子の製造方法。
  2. 前記導電性領域が露出している前記マスクの開口部の総面積が、前記被エッチング領域を画定する前記マスクの開口部の総面積の1%以上である、請求項1に記載の素子の製造方法。
  3. 前記導電性領域は、金属材料からなる、請求項1または2に記載の素子の製造方法。
  4. 前記非導電性材料は、レジストまたは酸化シリコンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の素子の製造方法。
  5. 前記基板は、半絶縁性基板である、請求項1~4のいずれか1項に記載の素子の製造方法。
  6. 前記基板は、SiC基板またはGaN基板である、請求項5に記載の素子の製造方法。
  7. 前記素子は、高電子移動度トランジスタである、請求項1~6のいずれか1項に記載の素子の製造方法。
  8. 前記導電性領域は、前記光電気化学エッチング中にカソードとして機能するとともに、前記マスクを除去した後は、前記素子の動作に用いられる導電性領域として機能する、請求項1~7に記載の素子の製造方法。
  9. 前記素子は、高電子移動度トランジスタであり、
    前記素子の動作に用いられる導電性領域は、前記高電子移動度トランジスタのソースの導電性領域、および、前記高電子移動度トランジスタのドレインの導電性領域、の少なくとも一方である、請求項8に記載の素子の製造方法。
  10. 前記非導電性材料からなる前記マスクは、前記導電性領域の周囲を囲繞するように形成されており、前記マスクの縁と前記導電性領域の縁との最短距離は、5μm以上である、請求項1~9に記載の素子の製造方法。
  11. 前記導電性領域は、前記ウエハの表面に、平面視上、前記ウエハの外周に沿って形成され、製造される前記素子とは導電性領域としての機能を兼用しない、請求項1~7に記載の素子の製造方法。
  12. 前記導電性領域は、前記ウエハの外側まで延在するように形成される、請求項11に記載の素子の製造方法。
  13. 前記導電性領域は、前記ウエハとは別体として準備され、前記ウエハに接着あるいは接触させることで形成される、請求項11または12に記載の素子の製造方法。
  14. 基板上にIII族窒化物層が積層された構造を有するウエハから素子を製造する方法であって、
    前記ウエハの表面に、導電性領域を形成する工程と、
    前記ウエハの表面に、非導電性材料からなり、前記導電性領域の少なくとも一部、および、前記III族窒化物層の表面に画定された被エッチング領域に開口部を有するマスクを形成する工程と、
    前記導電性領域をカソードとして機能させて、前記ウエハに光電気化学エッチングを施すことで、前記被エッチング領域を前記ウエハの表面から均一な深さで彫り込む工程と、
    前記マスクを除去する工程と、
    を有し、
    前記非導電性材料からなる前記マスクは、前記導電性領域の周囲を囲繞するように形成されており、前記マスクの縁と前記導電性領域の縁との最短距離は、5μm以上である、
    素子の製造方法。
  15. 基板上にIII族窒化物層が積層された構造を有するウエハから素子を製造する方法であって、
    前記ウエハの表面に、導電性領域を形成する工程と、
    前記ウエハの表面に、非導電性材料からなり、前記導電性領域の少なくとも一部、および、前記III族窒化物層の表面に画定された被エッチング領域に開口部を有するマスクを形成する工程と、
    前記導電性領域をカソードとして機能させて、前記ウエハに光電気化学エッチングを施すことで、前記被エッチング領域を前記ウエハの表面から均一な深さで彫り込む工程と、
    前記マスクを除去する工程と、
    を有し、
    前記導電性領域は、前記ウエハの表面に、平面視上、前記ウエハの外周に沿って形成され、製造される前記素子とは導電性領域としての機能を兼用せず、前記ウエハの外側まで延在するように形成される、
    素子の製造方法。
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