JP7252911B2 - エレベーター用表示システム及びエレベーター用表示方法 - Google Patents
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Description
このような利用状況を把握し適切な情報を取得可能とする技術が、例えば特許文献1に記載されている。
また、一方で、乗車されなかった実際に配車された乗りかごでは、降りる人がいない階への不必要な停止が発生してしまうという問題が起こる。
このように行先階予約システムでは、運行率を上げるために乗客の配車を振り分ける処理を行っているが、このような配車振り分けを行ったとしても、乗客が別の号機に乗り込む状況の発生や、乗客数などの状況の変化によって運行効率が低下する事態が発生していた。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、エレベーターの乗り場で表示を行うエレベーター用表示システムであって、乗り場での利用客の存在を検出する人物検出部が検出した情報と、エレベーターの運行状況を把握する管理部からの情報とに基づいて、乗り場にいる利用客の配分を行い、配分した結果に基づいて誘導方法を決定する誘導部と、誘導部で決定した誘導方法に基づいた表示形態で、乗り場で表示を行う表示装置と、を備える。誘導部は、乗り場での待ち人数が閾値以上となった場合に、最適な移動時間を算出し、算出結果に基づいた誘導処理を行う。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明の第1の実施の形態例を、図1~図7を参照して説明する。
[表示システムの構成]
図1は、本実施の形態例のエレベーター用表示システムの全体構成を示す。
本実施の形態例のエレベーター用表示システムは、複数台(例えば2台)の号機を有するエレベーターの所定階(例えば1階)の乗り場に設置される。そして、エレベーター用表示システムは、乗り場にいるエレベーターの利用者に、乗車する号機や待機する位置などを案内する。
人物検出センサ1で検出された利用者に関する情報は、人物検出部2に送られる。
管理システム3が判断した各号機のエレベーターの運行状況の情報と、乗り場で待っている利用者の人数や各利用者の行先階の情報は、誘導部6に供給される。
誘導部6は、各号機のエレベーターの運行状況の情報と、乗り場で待っている利用者の人数や各利用者の行先階の情報に基づいて、利用客の最適な配車を検討して、乗り場にいる利用客の各号機への配分を行い、配分した結果に基づいて利用客の誘導方法を決定する。このとき、誘導部6は、例えば各利用客の最適な移動時間を算出し、算出結果に基づいた誘導処理を行う。最適な移動時間とは、各利用客がエレベーターで目的階に到達できる時間が最短となる移動時間である。但し、全利用者が最適となるように、各号機の停止階の割当などを適切に行う必要がある。
表示装置7は、乗り場の床面8を使って、誘導部6で決定した誘導方法で乗客を誘導するための誘導表示100を行う。表示装置7の構成や、誘導表示100の例については後述する。また、誘導部6で複数台の号機に利用客を振り分けるような誘導方法を決定したときには、各号機の停止階などの情報を管理システム3側に戻し、管理システム3の制御で、各号機を対応した運転状態とする制御を行う。
表示装置7が乗り場の床面8に誘導表示を行うことで、乗り場に待っている利用客は、1号機と2号機のいずれに乗車すればよいかが判り、適切な位置で乗りかごの到着を待つことができる。
図2は、誘導部6をコンピュータ装置で構成した場合のハードウェア構成例を示す。
図2に示す誘導部6は、バスにそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit:中央処理ユニット)6aと、ROM(Read Only Memory)6bと、RAM(Random Access Memory)6cを備える。さらに、誘導部6は、不揮発性ストレージ6dと、ネットワークインタフェース6eとを備える。また、表示装置7についても、誘導部6のバスに接続されており、誘導部6からの指示で表示が行われる。
RAM6cには、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
そして、CPU6aの制御でプログラムを実行した結果で、誘導方法が決定し、その誘導方法での表示を行うための情報が、誘導部6から表示装置7に送られる。
図3は、表示装置7の構成例(例1)を示す。
図3に示す例は、表示装置7として、乗り場の天井に、床面8に画像を投影するプロジェクタ71を設置したものである。乗り場ドア11,12の前の乗り場の床面8に、プロジェクタ71により画像を投影する表示範囲81が設定される。
図3の誘導表示101は、乗り場ドア11,12の間の箇所に一列で整列することを示す整列ラインの表示である。
図3では説明を簡単にするために、整列ラインを示す誘導表示101として、1列だけを表示させた例としたが、例えば、各乗り場ドア11,12の前に、各号機ごとの個別の整列ラインを表示してもよい。また、後述するように、行先階などの数字を、誘導表示したり、どの号機であるのかが分かるように矢印などの図形や文字を表示してもよい。
なお、図3の例の場合には、天井からの投影であるため、投影画像と利用客とが重なる箇所では、利用客に画像が投影され、一部の画像が床面8に投影されない場合がある。特に、天井の高さが十分でない場合には、利用客で影となる箇所が増える可能性がある。このような場合には、次に説明する図4の構成とするのが好ましい。
図4に示す例は、表示装置7として、乗り場壁面10の2つの乗り場ドア11,12の間の箇所10aに、床面8に画像を投影するプロジェクタ72を設置したものである。この場合のプロジェクタ72は、乗り場壁面10に埋め込む状態として、乗り場壁面10から突出しないように設置するのが好ましい。プロジェクタ72で投影する画像は、斜めにシフトした画像として、床面8の表示範囲82に、歪のない画像が表示されるようにする。
この図4の例の場合には、乗り場壁面10からの投影であるため、足元で投影が行われる。このため、天井から投影する場合に比べて、利用客に投影される箇所が比較的少なくなり、比較的良好な画像の床面8への投影が可能になる。
例えば、床面8に、直接、発光ダイオード等の発光素子を埋め込み、埋め込んだ発光素子で、誘導表示101、102を行うようにしてもよい。
適切な表示が可能であれば、表示装置7としていずれの構成としてもよいが、例えば床面に表示素子を埋め込んだ場合には、床面8への埋め込みのために、比較的大規模な工事が必要になり、メンテナンスが大掛かりとなることが想定される。一方で、プロジェクタ71又は72を使用した場合には、メンテナンスが容易である。
図5は、誘導部6による誘導処理に基づいて、表示装置7が誘導表示を行う処理の流れを示すフローチャートである。
まず、人物検出部2が、人物検出センサ1等での検出に基づいて、乗り場にいる人物(利用客)を検出する(ステップS11)。この人物検出部2が検出した人物の情報は、人物検出部2から管理システム3を経由して誘導部6に送られる。
そして、ステップS12で、乗り場の利用客の人数が閾値以上と判断したとき(ステップS12のYES)、誘導部6は、その人数での最適な利用号機の分配を検討し(ステップS13)、検討結果としての誘導方法の決定を行う。そして、誘導部6は、表示装置7により、決定した誘導方法に基づいた誘導表示を行う(ステップS14)。
ここで行われる誘導表示とは、例えば利用者の目的階ごとに、利用客を2台の号機に振り分ける表示である。具体的には、後述する図7に示すような、降車階ごとに号機を振り分けるような表示が行われる。
また、ステップS14による誘導表示が行われる前、すなわち、ステップS11~S12の段階では、後述する図6に示すような、整列ラインや先頭位置を示す誘導表示101,102のみが行われる。
なお、図5のフローチャートの説明では、2台の号機の定員となった場合に、誘導を開始するシステムを示したが、例えば1つの階床への利用者のみで定員となるような条件となった場合については、2台の号機が定員となる前に最適な条件を判断するようにしてもよい。
次に、図6及び図7を参照して、具体的な誘導表示の例について説明する。
図6は、図3や図4で説明した整列ラインや先頭位置を示す誘導表示101,102を行う場合を示す。この場合の整列ラインを示す誘導表示101は、2台の号機の乗り場ドア11,12のほぼ中央とする。この図6に示す整列ラインや先頭位置を示す誘導表示101,102は、例えば誘導方法を決める前から床面8に常に表示し、誘導部6での誘導方法が決定したとき、次の図7等のような振り分けを行う表示に切り替わる。
すなわち、利用人数が一定数以上集まった場合に、その人数内で最適な運行を検討することができ、利用階のバラツキが大きい場合においても1回の移動時間(乗りかごの1往復の所要時間)を短縮することができ、運行効率を向上させることができる。また、人物検出人数が少ない(定員に達していない)場合に、乗客に対して誘導をかけてしまうと、後から来た乗客によっては適切な配車でなくなってしまう可能性がある。したがって、乗客に対する誘導は、一定人数まで集まった後に行うことが好ましい。
次に、本発明の第2の実施の形態例を、図8~図12を参照して説明する。第2の実施の形態例を説明する図8~図12において、第1の実施の形態例で説明した図1~図7と同一の箇所には同一符号を付し、重複説明は省略する。
[表示システムの構成]
図8は、本実施の形態例のエレベーター用表示システムの全体構成を示す。
第2の実施の形態例においても、複数台(例えば2台)の号機を有するエレベーターの所定階(例えば1階)の乗り場に設置され、人物検出センサ1、人物検出部2、管理システム3、第1制御盤4、第2制御盤5、及び誘導部6の構成は、図1の例と同じである。
そして、本実施の形態例においては、表示装置7aが、第1の実施の形態例で説明した表示装置7と相違する。
ドア上表示部201,202としては、液晶ディスプレイ等の表示素子が使用される。
図9は、ドア上表示部201に表示される詳細情報画面201aの例を示す。
図9の例では、乗り場ドア11に乗りかごが到着するまでの時間(秒数)「Coming 30s」と表示される。また、各停止階での降車人数「User」が表示され、それぞれの停止階までの到着予想時間(秒数)「Time」が表示される。
図10は、第2の実施形態例において、誘導部6による誘導処理に基づいて、表示装置7aが誘導表示を行う処理の流れを示すフローチャートである。
まず、人物検出部2が、人物検出センサ1等での検出に基づいて、乗り場にいる人物(利用客)を検出する(ステップS21)。この人物検出部2が検出した人物の情報は、人物検出部2から管理システム3を経由して誘導部6に送られる。
このステップS23で、対象となる号機の待人数が定員でない場合(ステップS23のNO)、ステップS21の利用客検出処理に戻る。
そして、ステップS25で、乗り場の利用客の人数が閾値以上と判断したとき(ステップS25のYES)、誘導部6は、その人数での最適な利用号機の分配を検討し(ステップS26)、検討結果としての誘導方法の決定を行う。そして、誘導部6は、決定した誘導方法に基づいた誘導表示を表示装置7aで実行する(ステップS27)。
このようにすることで、誘導部6では、2台の号機分の定員人数の情報が既に分かっているので、その乗客の停止回数や移動時間を2台の号機で最小となるように、2台のエレベーターに乗客を振り分けることができる。
また、第2の実施の形態例の場合には、ドア上表示部201,202を設けて、図9に示すような詳細情報の表示を行うことで、利用客を各号機に誘導することの妥当性を示すことができる。これによって、誘導に従わない状況の低減が期待できる。
なお、第2の実施の形態例の場合でも、定員に対して、人物検出人数が少ない場合に誘導をかけてしまうと適切な誘導ではなくなってしまう可能性があり、一定人数まで集まった後に誘導することが好ましい。
次に、図11及び図12を参照して、具体的な誘導表示の例について説明する。
図11は、床面の号機ごとの誘導表示121,122と、号機ごとのドア上表示部201,202とを組み合わせた表示イメージを示す。
ドア上表示部201,202は、例えば図9に示すような号機の詳細情報が表示される。
ここで、利用客が待つ位置が、別の号機の前に移動した場合には、利用者の情報を更新する必要がある。例えば、各階での降車人数や、予想到着時間が変化してしまい、情報を正しく取得することが困難になる場合が考えられる。このため、図11に示すように、各号機の前に待ち位置の範囲を示す誘導表示121,122を表示するのが好ましい。
図12の例では、一方の号機のドア上表示部201に、矢印と共に「5F」と表示し、他方の号機のドア上表示部202に、矢印と共に「7F」と表示し、5階の降車客と7階の降車客に、別の号機の前に待機するように誘導する例を示す。また、床面の表示として、同様に5階の矢印表示123と、7階の矢印表示124とを行う。
なお、本発明は、上述した各実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
例えば、各表示形態の例では、2台のエレベーターの乗り場ドア11,12の前で行う表示例とした。これに対して、3台以上のエレベーターの乗り場ドアが配置された乗り場でも、同様の誘導処理で、3台以上のエレベーターに振り分けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態例において、本発明の主旨を変えない範囲内で、装置又はシステム構成の変更や、一部の処理手順の省略や入れ替えを行ってもよい。
また、誘導処理を行うプログラム等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置くことができる。
Claims (11)
- エレベーターの乗り場で表示を行うエレベーター用表示システムであって、
前記乗り場での利用客の存在を検出する人物検出部が検出した情報と、前記エレベーターの運行状況を把握する管理部からの情報とに基づいて、前記乗り場にいる利用客の配分を行い、配分した結果に基づいて誘導方法を決定する誘導部と、
前記誘導部で決定した誘導方法に基づいた表示形態で、前記乗り場で表示を行う表示部と、を備え、
前記誘導部は、前記乗り場での待ち人数が閾値以上となった場合に、最適な移動時間を算出し、算出結果に基づいた誘導処理を行う
エレベーター用表示システム。 - 前記表示部は、乗りかご毎の利用客の降車階及び人数を表示する
請求項1に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記表示部は、前記乗り場での待ち人数が定員又は定員に近い所定人数に満たない場合に、整列を促す表示をすると共に、待ち人数が定員又は定員に近い所定人数以上となった場合に、乗車する乗りかごを振り分ける誘導表示を行う
請求項1に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記誘導部は、前記乗り場での待ち人数が1台の乗りかごの定員又は定員に近い所定人数となった場合に、最適な移動時間を算出し、算出結果に基づいた誘導処理を行う
請求項1に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記誘導部は、前記乗り場での待ち人数が2台の乗りかごの定員又は定員に近い所定人数となった場合に、最適な移動時間を算出し、算出結果に基づいた誘導処理を行う
請求項1に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記表示部は、前記乗り場での待ち人数が定員又は定員に近い所定人数に満たない場合に、前記エレベーターの乗り場ドアの前に待ち位置を表示すると共に、待ち人数が定員又は定員に近い所定人数以上となった場合に、最適な誘導位置又は誘導経路を表示する
請求項5に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記表示部は、前記乗り場の床面に表示する
請求項1に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記床面の表示は、前記表示部を前記乗り場の床面に埋め込むことで行う
請求項7に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記表示部は、表示映像を投影するプロジェクタで構成し、前記床面の上部から表示映像を投影するようにした
請求項7に記載のエレベーター用表示システム。 - 前記表示部は、表示映像を投影するプロジェクタで構成し、前記乗り場の壁面から前記床面に表示映像を投影するようにした
請求項7に記載のエレベーター用表示システム。 - エレベーターの乗り場で表示を行うエレベーター用表示方法であって、
前記乗り場の利用客について検出した情報と、前記エレベーターの運行状況についての情報とに基づいて、前記乗り場にいる利用客の配分を行い、配分した結果に基づいた誘導方法を決定する誘導処理と、
前記誘導処理で決定した誘導方法に基づいた表示形態で、前記乗り場で表示を行う表示処理と、を含み、
前記誘導処理では、前記乗り場での待ち人数が閾値以上となった場合に、最適な移動時間を算出し、算出結果に基づいた誘導処理を行う
エレベーター用表示方法。
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