JP7252837B2 - 研削装置 - Google Patents

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本発明は、半導体ウェーハ等の被加工物を研削する研削装置に関する。
ホイール基台に研削砥石を環状に配置した研削ホイールの中心を軸に研削ホイールを回転させ、チャックテーブルの保持面に保持された被加工物を研削砥石の研削面で研削する研削装置は、研削砥石の残量を正確に認識していない場合には、研削砥石が摩耗して無くなったのにも関わらず研削を続行してしまい、研削砥石が配置された基台の下面が被加工物に接触し、被加工物を破損させるという問題が発生する可能性がある。
そのため、従来においては、例えば研削ホイールをマウントに装着するときに、作業者が研削砥石の残量を尺で測定し、その測定した残量を研削装置に数値入力して装置に研削砥石の残量を認識させている。
また、研削装置は、定期的にチャックテーブルの保持面を適切な形状に成形するために、保持面を研削砥石で研削するセルフグラインドを行っている。セルフグラインドを実施すると、保持面の高さが変化するため、セルフグラインドを実施した後、研削装置に研削砥石の下面が保持面に接触する際の研削手段の高さ位置を認識させるセットアップを行う必要がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-158872号公報
しかし、研削砥石の残量を尺で測定して装置入力する場合の入力間違いや尺を用いた際の残量測定の誤差によって、研削加工において基台が被加工物に接触してしまう場合があるという問題がある。また、特許文献1に開示されているようなセットアップは、砥石残量の測定及び残量入力とは別に行っているので作業効率が下がるという問題がある。
したがって、被加工物を研削する研削装置においては、研削装置が研削砥石の残量を正確に認識できるようにするという課題がある。また、研削装置が、研削砥石の研削面とチャックテーブルの保持面とが接触するときの研削手段の高さの認識(セットアップ)を、作業効率を下げることなく適切に実施できるようにするという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、被加工物を保持面で保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物を研削する研削砥石がホイール基台に環状に配置された研削ホイールを回転可能に装着する研削手段と、該研削手段を該保持面に垂直な方向に上下動させる研削送り手段と、を備える研削装置であって、該研削送り手段で該研削手段を下降させた際の該研削砥石の下面と該ホイール基台の下面とを検知する検知器と、該研削手段を下降させ該検知器が該研削砥石の下面を検知したときの該研削手段の高さと、続いて該研削手段をさらに下降させ該検知器が該ホイール基台の下面を検知したときの該研削手段の高さとの差を該研削砥石の残量として認識する残量認識部と、を備える研削装置である。
本発明に係る研削装置において、前記検知器は、前記研削砥石の下面が接触し昇降可能な砥石接触部と、該砥石接触部を昇降可能に支持し第1付勢部で該砥石接触部を上方向に付勢し前記ホイール基台の下面が接触し昇降可能なホイール基台接触部と、該ホイール基台接触部を昇降可能に支持し該第1付勢部より大きい付勢力を有する第2付勢部で該ホイール基台接触部を上方向に付勢するベース部と、前記研削送り手段によって下降する該研削砥石が該砥石接触部に接触して該砥石接触部が下降を開始するときを検知する第1センサと、該研削送り手段によって下降する該ホイール基台が該ホイール基台接触部に接触して該ホイール基台接触部が下降を開始するときを検知する第2センサと、を備えると好ましい。
本発明に係る研削装置は、前記保持面の高さと前記研削砥石が接触する前記砥石接触部の上面の高さとを測定可能なハイトゲージと、該ハイトゲージが測定した該保持面の高さと、該ハイトゲージが測定した該砥石接触部の該上面の高さとの差を算出する高さ差算出部と、前記研削送り手段によって下降する該研削砥石によって前記検知器が該研削砥石の下面を検知したときの前記研削手段の高さから、該高さ差算出部が算出した該差を差し引くことで、該研削砥石の下面が該保持面に接触する際の該研削手段の高さを算出する原点高さ算出部と、を備えると好ましい。
本発明に係る研削装置は、研削送り手段で研削手段を下降させた際の研削砥石の下面とホイール基台の下面とを検知する検知器と、研削手段を下降させ検知器が研削砥石の下面を検知したときの研削手段の高さと、続いて研削手段をさらに下降させ検知器がホイール基台の下面を検知したときの研削手段の高さとの差を研削砥石の残量として認識する残量認識部と、を備えることで、作業者が研削砥石の残量を尺等で測定しなくとも、研削装置自体が研削砥石の残量を認識する事ができるので、砥石残量の測定ミスや入力ミスの発生を防ぐことが可能となり、ホイール基台が被加工物に接触して被加工物を破損させるといった事態が生じるのを防ぐことが可能となる。
また、本発明に係る研削装置において、検知器は、研削砥石の下面が接触し昇降可能な砥石接触部と、砥石接触部を昇降可能に支持し第1付勢部で砥石接触部を上方向に付勢しホイール基台の下面が接触し昇降可能なホイール基台接触部と、ホイール基台接触部を昇降可能に支持し第1付勢部より大きい付勢力を有する第2付勢部でホイール基台接触部を上方向に付勢するベース部と、研削送り手段によって下降する研削砥石が砥石接触部に接触して砥石接触部が下降を開始するときを検知する第1センサと、研削送り手段によって下降するホイール基台がホイール基台接触部に接触してホイール基台接触部が下降を開始するときを検知する第2センサと、を備えることで、研削装置自体による研削砥石の残量の認識作業を効率的に行っていくことが可能となる。
本発明に係る研削装置は、保持面の高さと研削砥石が接触する砥石接触部の上面の高さとを測定可能なハイトゲージと、ハイトゲージが測定した保持面の高さと、ハイトゲージが測定した砥石接触部の上面の高さとの差を算出する高さ差算出部と、研削送り手段によって下降する研削砥石によって検知器が研削砥石の下面を検知したときの研削手段の高さから、高さ差算出部が算出した差を差し引くことで、研削砥石の下面が保持面に接触する際の研削手段の高さを算出する原点高さ算出部と、を備えることで、研削装置自体が行う研削砥石の残量認識作業と研削手段のセットアップ作業とを一連の流れで行うことが可能となるため、作業の効率化を図ることが可能となる。
研削装置の一例を示す斜視図である。 研削ホイールの一例を示す斜視図である。 研削ホイールの一部、及び研削砥石の下面とホイール基台の下面とを検知する検知器の一例を示す斜視図である。 検知器の構造の一例を示す断面図である。 研削装置において研削砥石の砥石残量の認識作業が開始された状態を説明する断面図である。 研削手段を下降させ検知器が研削砥石の下面を検知したときの研削手段の高さを説明する断面図である。 砥石接触部の上面に研削砥石の下面が接触した状態で砥石接触部がホイール基台接触部内を下降し、また、第1付勢部が縮んで付勢力を蓄えている状態を説明する断面図である。 研削手段を下降させ検知器がホイール基台の下面を検知したときの研削手段の高さを説明する断面図である。 ホイール基台接触部の上面にホイール基台の下面が接触した状態でホイール基台接触部がベース部内を下降し、また、第2付勢部が縮んで付勢力を蓄えている状態を説明する断面図である。 ハイトゲージによって保持手段の保持面の高さと下降していない状態の砥石接触部の上面の高さとを測定し、下降する研削砥石によって検知器が研削砥石の下面を検知したときの研削手段の高さから、高さ差算出部が算出した差を差し引くことで、研削砥石の下面が保持面に接触する際の研削手段の高さを算出する場合を説明する説明図である。 第1センサと第2センサとがエア圧力センサで構成される検知器を説明する断面図である。
図1に示す本発明に係る研削装置1は、保持手段30上に保持された被加工物Wを研削手段7によって研削する装置であり、研削装置1の装置ベース10上の前方(-Y方向側)は、保持手段30に対して被加工物Wの着脱が行われる領域であり、装置ベース10上の後方(+Y方向側)は、研削手段7によって保持手段30上に保持された被加工物Wの研削が行われる領域である。
なお、本発明に係る研削装置は、研削装置1のような研削手段7が1軸の研削装置に限定されるものではなく、少なくとも粗研削手段と仕上げ研削手段とを備え、ターンテーブルで被加工物Wを各研削手段の下方に位置づけ可能な2軸~3軸の研削装置等であってもよい。
被加工物Wは、例えば、シリコン母材等からなる円形の半導体ウェーハであり、図1において下方を向いている被加工物Wの表面Waは、格子状に区画された領域に複数のデバイスが形成されており、図示しない保護テープが貼着されて保護されている。被加工物Wの裏面Wbは、研削加工が施される被加工面となる。なお、被加工物Wはシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、窒化ガリウム、セラミックス、樹脂、又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよいし、矩形のパッケージ基板等であってもよい。
被加工物Wを保持する保持手段30は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなり被加工物Wを吸着する吸着部300と、吸着部300を支持する枠体301とを備える。吸着部300は図示しない吸引源に連通し、吸着部300の露出面と枠体301の上面とからなる保持面300a上で被加工物Wを吸引保持する。
図1に示すように、保持手段30は、カバー39によって囲繞されていると共に、その下方に配設されたテーブル回転手段36により回転可能である。また、保持手段30は、図1に示すカバー39及びカバー39に連結された蛇腹カバー39aの下方に配設されたY軸移動手段14によってY軸方向に往復移動可能となっている。
保持手段30は、例えば、その下方に配設された傾き調整手段34によって保持面300aの傾きが調整可能となっている。傾き調整手段34は、例えば、保持手段30の下面側に周方向に等間隔空けて2つ以上設けられており、Z軸方向に上下動可能である電動シリンダやエアシリンダ等である。そして傾き調整手段34によって、保持面300aの研削手段7の研削砥石741の研削面741a(下面741a)に対する傾きを調整することができる。
Y軸移動手段14は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ140と、ボールネジ140と平行に配設された一対のガイドレール141と、ボールネジ140に連結しボールネジ140を回動させるモータ142と、内部に備えるナットがボールネジ140に螺合し底部がガイドレール141上を摺動する可動板143とを備えており、モータ142がボールネジ140を回動させると、これに伴い可動板143がガイドレール141にガイドされてY軸方向に移動し、可動板143上にテーブル回転手段36を介して配設された保持手段30がY軸方向に移動する。蛇腹カバー39aは保持手段30及びカバー39の移動に伴ってY軸方向に伸縮する。
装置ベース10上の後方(+Y方向側)にはコラム11が立設されている。
コラム11の前面にはY軸方向に直交し保持手段30の保持面300aに対して垂直なZ軸方向に研削手段7を上下動させる研削送り手段5が配設されている。研削送り手段5は、Z軸方向の軸心を有するボールネジ50と、ボールネジ50と平行に配設された一対のガイドレール51と、ボールネジ50の上端に連結しボールネジ50を回動させるモータ52と、内部のナットがボールネジ50に螺合し側部がガイドレール51に摺接する昇降板53とを備えており、モータ52がボールネジ50を回動させると、これに伴い昇降板53がガイドレール51にガイドされてZ軸方向に往復移動し、昇降板53に固定された研削手段7がZ軸方向に研削送りされる。
研削手段7は、軸方向がZ軸方向であるスピンドル70と、スピンドル70を回転可能に支持するハウジング71と、スピンドル70を回転駆動するモータ72と、スピンドル70の先端に連結された円形板状のマウント73と、マウント73の下面に装着された研削ホイール74と、ハウジング71を支持し研削送り手段5の昇降板53にその側面が固定されたホルダ75と、を備える。
図1、2に示す研削ホイール74は、平面視円環状のホイール基台740を備えており、ホイール基台740の下面740a(図2参照)には、略直方体形状の研削砥石741が環状に複数配設されている。研削砥石741は、所定のボンド剤でダイヤモンド砥粒等が固着されて成形されている。ホイール基台740の内側面は、例えば、所定の角度で傾斜する傾斜面となっており、また、ホイール基台740の下面740aは環状の平坦面となっている。図2に示すように、研削砥石741のセグメント幅、即ち、研削ホイール74の直径方向における研削砥石741の刃幅はホイール基台740の環状の下面740aの幅よりも小さく設定されており、研削砥石741の刃幅方向両側からホイール基台740の下面740aは所定面積だけ露出した状態になっている。
本実施形態においては、図1に示すように、研削装置1は、研削手段7のZ軸方向における高さを測定する高さ位置測定手段79を備えている。高さ位置測定手段79は、例えば、ガイドレール51上においてガイドレール51に沿ってZ軸方向に延在するスケール790と、昇降板53に固定されスケール790に対向し昇降板53と共に昇降する読み取り部791とを備えている。読み取り部791は、例えば、スケール790に形成された目盛りの反射光を読み取る光学式のものであり、読み取ったスケール790の目盛りから研削手段7のZ軸方向における高さを測定でき、測定した研削手段7の高さを図1に示す研削装置1の装置制御を行う制御手段9に送信する。
なお、研削装置1における研削手段7の高さの測定は、上記高さ位置測定手段79によって行われる例に限定されるものではない。例えば、研削送り手段5のモータ52がサーボモータである場合には、サーボモータのロータリエンコーダは、サーボアンプとしての機能も有する制御手段9に接続されており、制御手段9の出力インターフェイスからサーボモータに対して動作信号が供給された後、サーボモータの回転数をエンコーダ信号として制御手段9の入力インターフェイスに対して出力する。そして、エンコーダ信号を受け取った制御手段9は下降する研削手段7の高さを逐次認識する。
図1に示すように、保持手段30の移動経路上方には、例えば、保持手段30で吸引保持された被加工物Wの厚みを接触式にて測定するハイトゲージ38が配設されている。ハイトゲージ38は2つの測定部を備えており、図1に示す第一測定部381は、保持手段30の保持面300a(枠体301の上面)の高さ測定用であり、第二測定部382は、保持手段30で保持された被加工物Wの被研削面である裏面Wbの高さ測定用である。
第一測定部381及び第二測定部382は、その各ゲージ本体の先端に、上下方向に昇降し各測定面に接触するコンタクトを備えている。第一測定部381(第二測定部382)は上下動可能に支持されていると共に、各測定面に対して適宜の力で押し付け可能となっている。第一測定部381が、基準面となる枠体301の上面の高さを測定し、第二測定部382が、研削される被加工物Wの裏面Wbの高さを測定し、両測定値が制御手段9に送信される。そして、制御手段9が両測定値の差を算出することで、被加工物Wの厚みを研削中に逐次測定することができる。
図1に示すように、研削装置1は、CPUやメモリ等の記憶素子等を備え装置全体の制御を行う制御手段9を備えている。制御手段9は、図示しない配線によって、研削送り手段5、及びY軸移動手段14等に電気的に接続されており、制御手段9の制御の下で、研削送り手段5による研削手段7のZ軸方向への研削送り動作や、Y軸移動手段14による保持手段30の移動動作及び位置づけ等が制御される。
本発明に係る研削装置1は、図1に示すように、研削送り手段5で研削手段7を下降させた際の研削砥石741の下面741aとホイール基台740の下面740a(図2参照)とを検知する検知器8を備えている。
検知器8は、例えば、保持手段30を囲繞するカバー39上の一角に配置されており、研削砥石741の回転軌道下に位置づけ可能となっている。
本実施形態における検知器8は、例えば、図3、図4に示すように、研削砥石741の下面741aが接触し昇降可能な砥石接触部80と、砥石接触部80を昇降可能に支持し第1付勢部811(図4のみ図示)で砥石接触部80を上方向に付勢しホイール基台740の下面740aが接触し昇降可能なホイール基台接触部81と、ホイール基台接触部81を昇降可能に支持し第1付勢部811より大きい付勢力を有する第2付勢部821(図4のみ図示)でホイール基台接触部81を上方向に付勢するベース部82と、研削送り手段5によって下降する研削砥石741が砥石接触部80に接触して砥石接触部80が下降を開始するときを検知する第1センサ83(図4のみ図示)と、研削送り手段5によって下降するホイール基台740がホイール基台接触部81に接触してホイール基台接触部81が下降を開始するときを検知する第2センサ84(図4のみ図示)と、を備えている。
例えば、検知器8は、図示しない無線又は有線の通信経路を介して図1に示す制御手段9に各種検知信号を送信することができる。
砥石接触部80は、例えば、平板状で下面に第1付勢部811の上端側が接続される可動板800と、可動板800の上面中央に立設され例えば円柱状の外形を備え略平坦な上面801aが研削砥石741の下面741aに接触する面となる柱部801とを備えている。砥石接触部80の上面801aの高さは、保持手段30の保持面300aよりも高い位置に位置している。
なお、研削砥石741が砥石接触部80を押し下げ、さらに研削ホイール74がホイール基台接触部81を押し下げた際に、研削砥石741の下面741aが保持手段30の保持面300aに接触しなければ、該保持手段30の保持面300aより低い位置に砥石接触部80の上面801aが位置づけられていてもよい。
ホイール基台接触部81は、例えば、平面視略矩形状のブロック体であり、その略平坦な上面81aはホイール基台740の下面740aが接触する面となる。ホイール基台接触部81の上面81aの中央領域には所定深さの砥石進入溝812が、ホイール基台740の下面740aに環状に並べられた研削砥石741に合わせて平面視弧状に形成されている。砥石進入溝812の幅は、研削砥石741のセグメント幅よりも大きく設定されていると共に、研削手段7のホイール基台740の環状の下面740aの幅よりも小さく設定されている。
ホイール基台接触部81の内部には、砥石進入溝812の側面を切り欠いて砥石接触部80が上下動可能な可動空間810が形成されている。また、砥石進入溝812の底に第1付勢部811の下端側が連結されている。第1付勢部811は、例えば、自然長より縮んで付勢力を蓄えて戻ろうとするコイルバネであるが、ゴム柱等であってもよい。第1付勢部811の上端側は砥石接触部80の可動板800の下面に連結されている。
例えば、砥石接触部80に研削砥石741が接触していない状態において、砥石接触部80の柱部801が砥石進入溝812からホイール基台接触部81の上面81aよりも高い位置まで突き出た状態になっている。
図3、4に示す研削砥石741を-Z方向に下降させて研削砥石741の下面741aを砥石接触部80の上面801aに当接させた後、さらに、研削砥石741を下降させることで、研削砥石741は砥石進入溝812に進入しつつ砥石接触部80を下方に押していく。これに伴って、砥石接触部80が砥石進入溝812及び可動空間810を下方に移動していき、また、砥石接触部80によって第1付勢部811が収縮される。第1付勢部811は、砥石接触部80を上方向(+Z方向)に押し戻そうと付勢する。また、研削砥石741が砥石接触部80を下方に押していくことで砥石接触部80が所定距離下降すると、ホイール基台740の下面740aがホイール基台接触部81の上面81aに当接する。
図3、4に示すベース部82は、例えば、縦断面略凹状の外形を備えており、その中央領域にホイール基台接触部81を収容し昇降可能とする大きさの凹溝820が形成されている。凹溝820の溝底面に図4に示すように第2付勢部821の下端側が連結されている。第2付勢部821は、例えば、自然長より縮んで付勢力を蓄えて戻ろうとするコイルバネであるが、ゴム柱等であってもよい。第2付勢部821の上端側はホイール基台接触部81の下面に連結されている。例えば、コイルバネである第2付勢部821は、その線径がコイルバネである第1付勢部811の線径よりも太く設定されており、第1付勢部811より大きい付勢力を有し、第2付勢部821は第1付勢部811よりも縮みにくくなっている。
図3に示すように、例えば、ベース部82の凹溝820の両側面には、Z軸方向に延びホイール基台接触部81の図3、4におけるX軸方向におけるずれを規制する規制溝825が切り欠いて形成されており、該規制溝825にホイール基台接触部81の両外側面形成されZ軸方向に延在する凸部813が緩嵌合した状態になっている。
図1に示す研削送り手段5によって下降する研削砥石741が砥石接触部80に接触して砥石接触部80が下降を開始するときを検知する図4に示す第1センサ83は、例えば、静電容量型等の近接センサである。この場合、第1センサ83は、例えば、ホイール基台接触部81の可動空間810の天井の下面に埋設されており、砥石接触部80の可動板800とZ軸方向において対向している。研削砥石741によって砥石接触部80が下方に押されておらず可動板800が可動空間810内の所定の高さ位置に位置づけられている状態(非作動状態)で、第1センサ83に可動板800が近接しており、第1センサ83は砥石接触部80が下降を開始していない状態を検出している。
一方、研削砥石741によって砥石接触部80が押されて可動板800が下降を開始することで、可動板800が第1センサ83から離れると第1センサ83内部の導体電極の静電容量が減少して、第1センサ83は該静電容量の変化に基づいて、砥石接触部80が下降し始めたことを検出する。
図1に示す研削送り手段5によって下降するホイール基台740がホイール基台接触部81に接触してホイール基台接触部81が下降を開始するときを検知する図4に示す第2センサ84は、例えば、静電容量型等の近接センサである。この場合、第2センサ84は、例えば、ホイール基台接触部81の外側面に埋設されている。例えば、ホイール基台接触部81が第2付勢部821によって最上位位置に位置しているとき、図4に示すように第2センサ84にベース部82の内側面は対向していない状態(所定距離離れた状態)になっており、第2センサ84は、ホイール基台接触部81が下降していない状態を検出している。
一方、ホイール基台740によってホイール基台接触部81が第2付勢部821の反力に抗して押されて-Z方向に下降を開始することで、ベース部82の内側面が第2センサ84に近づく(対向する)ため第2センサ84内部の導体電極の静電容量が増加する。そして、第2センサ84は、ホイール基台接触部81が下降し始めたことを検出する。
なお、第2センサ84は、例えば、ホイール基台接触部81の下面に埋設されており、ベース部82の凹溝820の溝底面に対向しており、ベース部82の溝底面が第2センサ84に近づくことによる2極間の該静電容量の変化に基づいて、ホイール基台740がホイール基台接触部81に接触してホイール基台接触部81が下降し始めたことを検出してもよい。
例えば、第1センサ83は、反射型の光センサ(限定センサ)であってもよく、この場合には、可動板800の上面に対して測定光を照射するための投光部と可動板800の上面で反射された反射光を検出するためのCCD等からなる受光部とを少なくとも備えている。即ち、第1センサ83は、例えば、ホイール基台接触部81の可動空間810の天井部分の下面に埋設されており、砥石接触部80の可動板800とZ軸方向において対向している。そして、第1センサ83は、投光部から可動板800の上面に測定光を照射しており、該上面からの反射光を受光部が受光した際の受光量(電圧値)から、研削砥石741が砥石接触部80に接触して砥石接触部80が下降し始めたことを検出する。
第2センサ84は、第1センサ83と同様に反射型の光センサ(限定センサ)であってもよい。例えば、第2センサ84は、ホイール基台接触部81の下面に埋設されており、ベース部82の凹溝820の溝底面に対向しており、ベース部82の溝底面が第2センサ84に近づくことにより第2センサ84と該溝底面との間の距離が変わり受光量が低下したことを検知して、ホイール基台接触部81が下降をし始めたときを検出してもよい。
以下に、上記図1に示す研削装置1を用いて裏面Wbを上に向けた状態の被加工物Wを研削する場合の、研削装置1の動作について説明する。
本実施形態では、例えば、まず、保持手段30の保持面300aをセルフグラインドして保持面300aを適切な形、即ち、例えば、保持面300aを、保持手段30の回転中心を頂点とし肉眼では判断できない程度の極めて緩やかな円錐面とする。
被加工物Wを保持していない保持手段30が、研削手段7の下まで+Y方向へ移動する。そして、研削手段7の研削砥石741と保持手段30の保持面300aとの位置合わせがなされる。位置合わせは、例えば、研削ホイール74の回転中心が保持面300aの回転中心に対して所定の距離だけ水平方向にずれ、研削砥石741の回転軌跡が保持面300aの回転中心を通るように行われる。また、図1に示す傾き調整手段34によって保持手段30の+Y方向の外周側が上げられることによって、保持手段30の保持面300aと研削手段7の研削砥石741の下面741aとが相対的に所定角度だけ傾けられる。
次いで、テーブル回転手段36が保持手段30を所定の回転速度で回転させる。また、研削送り手段5により研削手段7を所定の研削送り速度で下降させつつ、研削手段7は、スピンドル70を回転させることにより、研削ホイール74を回転させ、研削砥石741で保持面300aを押圧しながら研削する。そして、研削砥石741は常に保持面300aの中心を通過しながら、保持面300a全面の研削を行っていく。そして、所定時間上記研削が行われた後、研削手段7が+Z方向へと移動し保持手段30から離間することで、保持面300aは、保持面300aの回転中心を頂点とし外周側に向かって傾斜する極めて緩やかな円錐面形状となり、セルフグラインドが完了する。
上記セルフグラインドを実施することで、保持面300aの高さが変化するため、研削装置1は、被加工物Wに実研削加工を施す前に研削砥石741の下面741aが保持面300aに接触する際の研削手段7の高さ(原点高さ)を認識させるセットアップを行う必要がある。また、セルフグラインドによって研削砥石741も主にZ軸方向に磨耗し砥石残量(ホイール基台740からの突き出し高さ)も変化するので、研削装置1は、研削砥石741の砥石残量を認識する必要がある。そして、本発明に係る研削装置1は、研削砥石741の砥石残量認識作業を装置自体が行い、かつ、砥石残量認識作業と研削手段7のセットアップ作業とを一連の流れで行うことができる。
まず、研削装置1が行う砥石残量認識作業においては、図1に示すY軸移動手段14によって、図1に示す被加工物Wを保持していないセルフグラインド後の保持手段30がカバー39と共に+Y方向へ移動する。そして、図3、5に示すように研削手段7の研削砥石741の下方に検知器8が位置づけられる。該位置づけは、検知器8の砥石接触部80の上面801aの上方に研削砥石741の下面741aが対向し、検知器8のホイール基台接触部81の砥石進入溝812に研削砥石741が下降した際に収まるように行われる。
この状態で、図1に示す研削送り手段5が研削手段7を-Z方向へと下降させていく。また、例えば、下降する研削手段7の高さを高さ位置測定手段79が測定して測定情報を制御手段9に送り、制御手段9が研削手段7の高さを逐次認識する。
そして、図6に示すように、検知器8の砥石接触部80の上面801aに研削砥石741の下面741aが接触し、研削砥石741によって砥石接触部80が下方に押されて下降を開始したときを第1センサ83が検知することで、検知器8は、研削砥石741の下面741aを検知する。検知器8は、研削砥石741の下面741aを検知した旨の信号を図1に示す制御手段9に送信する。
図1に示す高さ位置測定手段79から下降する研削手段7の高さについての情報を逐次受け取っている制御手段9は、検知器8から研削砥石741の下面741aを検知した旨の信号を受け取ると、そのときにおける図6に示す研削手段7の高さZ1を記憶素子等からなる記憶部90に記憶する。なお、検知器8が研削砥石741の下面741aを検知してから検知信号を制御手段9に送信して制御手段9が受け取るまでの間の僅かなタイムラグ等を考慮して、制御手段9は認識した研削手段7の高さZ1に補正値を加えて研削手段7の高さを認識してもよい。
続けて図1及び図6に示す研削送り手段5が研削手段7を-Z方向へと下降させていくことで、図7に示すように、研削砥石741は砥石進入溝812に進入しつつ砥石接触部80を下方に押していく。これに伴って、砥石接触部80が砥石進入溝812及び可動空間810を下方に移動していき、また、砥石接触部80によって第1付勢部811が収縮される。第1付勢部811は、砥石接触部80を上方向(+Z方向)に押し戻そうとする付勢力を蓄える。
なお、第2付勢部821が第1付勢部811よりも大きな付勢力を備えるため、図7に示すように、第1付勢部811に縮む余裕が未だあり、ホイール基台740の下面740aがホイール基台接触部81の上面81aに接触していない状態においては、ホイール基台接触部81が下降することはなく、第2センサ84が反応してしまうことはない。
さらに、研削砥石741が砥石接触部80を下方に押していくことで砥石接触部80が所定距離下降すると、図8に示すように、ホイール基台740の下面740aがホイール基台接触部81の上面81aに接触する。そして、ホイール基台740によってホイール基台接触部81が下方に押されて下降を開始したときを第2センサ84が検知することで、検知器8は、ホイール基台740の下面740aを検知する。検知器8は、ホイール基台740の下面740aを検知した旨の信号を図1に示す制御手段9に送信する。
図1に示す高さ位置測定手段79から下降する研削手段7の高さについての情報を逐次受け取っている制御手段9は、検知器8からホイール基台740の下面740aを検知した旨の信号を受け取ると、そのときにおける図8に示す研削手段7の高さZ2を記憶部90に記憶する。なお、検知器8がホイール基台740の下面740aを検知してから検知信号を制御手段9に送信して制御手段9が受け取るまでの間の僅かなタイムラグ等を考慮して、制御手段9は認識した研削手段7の高さZ2に補正値を加えて研削手段7の高さを認識してもよい。
図1及び図8に示す研削送り手段5が研削手段7を-Z方向へと下降させていくことで、図9に示すように、ホイール基台740によって下方に押されるホイール基台接触部81がベース部82の凹溝820内を下方に移動していき、また、ホイール基台接触部81によって第2付勢部821が収縮される。第2付勢部821は、砥石接触部80を上方向(+Z方向)に押し戻そうとする付勢力を蓄える。
ホイール基台740の下面740aを検知した旨の信号を制御手段9が受けると、その後、制御手段9による制御の下で、研削送り手段5による研削手段7の下降が停止される。そして、研削手段7が上昇して検知器8から離間すると、第1付勢部811が蓄えていた付勢力によって元の状態まで伸びるとともに、砥石接触部80が上方向に付勢されて元の位置まで上昇する。また、第2付勢部821が蓄えていた付勢力によって元の状態まで伸びるとともに、ホイール基台接触部81が上方向に付勢されて元の位置まで上昇する。
図1に示すように、例えば制御手段9は、研削砥石741の残量を認識する残量認識部92を備えており、残量認識部92は、研削手段7を下降させ検知器8が研削砥石741の下面741aを検知したときの研削手段7の高さZ1と、続いて研削手段7をさらに下降させ検知器8がホイール基台740の下面740aを検知したときの研削手段7の高さZ2との差=Z1-Z2=L1(図8参照)を研削砥石741の残量L1として算出し認識する。研削砥石741の図8に示す残量L1についての情報は、制御手段9の記憶部90に記憶される。
本発明に係る研削装置1は、研削送り手段5で研削手段7を下降させた際の研削砥石741の下面741aとホイール基台740の下面740aとを検知する検知器8と、研削手段7を下降させ検知器8が研削砥石741の下面741aを検知したときの研削手段7の高さZ1と、続いて研削手段7をさらに下降させ検知器8がホイール基台740の下面740aを検知したときの研削手段7の高さZ2との差L1を研削砥石741の残量L1として認識する残量認識部92と、を備えることで、作業者が研削砥石741の残量を尺等で測定しなくとも、研削装置1自体が研削砥石741の残量L1を認識する事ができるので、砥石残量の測定ミスや入力ミスの発生を防ぐことが可能となり、後述する被加工物Wの研削加工を実際に行う際に、ホイール基台740が被加工物Wに接触して被加工物Wを破損させるといった事態が生じるのを防ぐことが可能となる。
また、本発明に係る研削装置1において、検知器8は、研削砥石741の下面741aが接触し昇降可能な砥石接触部80と、砥石接触部80を昇降可能に支持し第1付勢部811で砥石接触部80を上方向に付勢しホイール基台740の下面740aが接触し昇降可能なホイール基台接触部81と、ホイール基台接触部81を昇降可能に支持し第1付勢部811より大きい付勢力を有する第2付勢部821でホイール基台接触部81を上方向に付勢するベース部82と、研削送り手段5によって下降する研削砥石741が砥石接触部80に接触して砥石接触部80が下降を開始するときを検知する第1センサ83と、研削送り手段5によって下降するホイール基台740がホイール基台接触部81に接触してホイール基台接触部81が下降を開始するときを検知する第2センサ84と、を備えることで、研削装置1自体による研削砥石741の残量の認識作業を効率的に行っていくことが可能となる。
本実施形態においては、研削装置1が、研削砥石741の研削面である下面741aと保持手段30の保持面300aとが接触するときの研削手段7の高さである原点高さの認識、即ち、セットアップを砥石残量の認識作業と連続的に実施するために、例えば、図1に示す保持手段30がカバー39と共にY軸方向に移動されて所定の位置に位置づけられて、ハイトゲージ38の第一測定部381のコンタクトの下方に保持手段30の保持面300aが位置づけられるとともに、ハイトゲージ38の第二測定部382の下方に検知器8の砥石接触部80の上面801aが位置づけられる。そして、図10に示す第一測定部381が保持手段30の保持面300aの高さを高さZ4であると測定し、かつ、第二測定部382が下降していない状態の砥石接触部80の上面801aの高さを高さZ5であると測定する。そして、ハイトゲージ38は、該2つの測定値を図1に示す制御手段9に送信する。
図1に示すように、例えば制御手段9は、ハイトゲージ38の第一測定部381が測定した保持面300aの高さZ4と、ハイトゲージ38の第二測定部382が測定した下降していない状態の砥石接触部80の上面801aの高さZ5との差を算出する高さ差算出部95を備えている。高さ差算出部95は、ハイトゲージ38から送られてきた測定値を用いて、保持手段30の保持面300aの高さZ4と砥石接触部80の上面801aの高さZ5との差=Z5-Z4=L2を算出して、制御手段9の記憶部90に記憶する。
図1に示すように、例えば制御手段9は、研削砥石741の下面741aが保持面300aに接触する際の研削手段7の高さ(原点高さ)を算出する原点高さ算出部96を備えており、原点高さ算出部96は、先に説明した砥石残量認識作業において判明した図6、10に示す研削送り手段5によって下降する研削砥石741によって検知器8が研削砥石741の下面741aを検知したときの研削手段7の高さZ1から、高さ差算出部95が算出した差L2を差し引き、研削手段7の原点高さZ6を算出する。
算出された高さZ6は、研削手段7を下降させた際に研削砥石741の研削面である下面741aが保持手段30の保持面300aに接触する研削手段7の高さ位置として制御手段9の記憶部90に記憶される。即ち、研削装置1は、被加工物Wを保持手段30に保持して研削するためのセットアップがなされた状態になる。
上記のように、本発明に係る研削装置1は、保持手段30の保持面300aの高さZ4と研削砥石741が接触する砥石接触部80の上面801aの高さZ5とを測定可能なハイトゲージ38と、ハイトゲージ38が測定した保持面300aの高さZ4と、ハイトゲージ38が測定した砥石接触部80の上面801aの高さZ5との差L2を算出する高さ差算出部95と、研削送り手段5によって下降する研削砥石741によって検知器8が研削砥石741の下面741aを検知したときの研削手段7の高さZ1から、高さ差算出部95が算出した差L2を差し引くことで、研削砥石741の下面741aが保持面300aに接触する際の研削手段7の高さZ6を算出する原点高さ算出部96と、を備えることで、研削装置1自体が行う研削砥石741の残量認識作業と研削手段7のセットアップ作業とを一連の流れで行うことが可能となるため、作業の効率化を図ることが可能となる。
次に、セルフグラインドされた保持面300aで被加工物Wを吸引保持して、図1に示す研削手段7で被加工物Wの裏面Wbを研削していく。まず、保持面300aによって被加工物Wが裏面Wbが上側を向いた状態で吸引保持される。次いで、被加工物Wを保持した保持手段30が、研削手段7の下まで+Y方向へ移動する。そして、研削手段7の研削砥石741と保持手段30に保持された被加工物Wとの位置合わせがなされる。位置合わせは、例えば、研削ホイール74の回転中心が被加工物Wの回転中心に対して所定の距離だけ水平方向にずれ、研削砥石741の回転軌跡が被加工物Wの回転中心を通るように行われる。
研削手段7が研削送り手段5により-Z方向へと送られ、スピンドル70の回転に伴って回転する研削砥石741が被加工物Wの裏面Wbに当接することで研削が行われる。研削中は、テーブル回転手段36が保持手段30を回転するのに伴って、保持面300a上に保持された被加工物Wも回転するので、研削砥石741が被加工物Wの裏面Wbの全面の研削加工を行う。また、研削水が研削砥石741と被加工物Wとの接触部位に対して供給され、接触部位が冷却・洗浄される。そして、第一測定部381及び第二測定部382によって被加工物Wの厚みが測定されつつ均一な所望の厚みまで被加工物Wを研削することで、研削が終了する。
なお、本発明に係る研削装置1は本実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている検知器8の形状や構成等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
例えば、図11に示す検知器8Aは、エアシリンダ構造を備えるものであってもよい。検知器8Aは、図11に示す可動板800と柱部801とからなる砥石接触部80を備えている。砥石接触部80は、ホイール基台接触部85によって昇降可能に支持されている。
図11に示すホイール基台接触部85は、その形状が有底筒状のシリンダチューブであり、その略平坦な上面85aはホイール基台740の下面740aが接触する面となる。そして、砥石接触部80の可動板800はホイール基台接触部85の内側面を摺動するピストンとなる。ホイール基台接触部85にはホイール基台接触部85の内部にエアを流入するための図示しないエア流入口が形成されており、該エア流入口には配管850の一端が連通している。そして、配管850の他端側には、コンプレッサー等からなるエア供給源19が連通している。また、配管850内には第一エアレギュレータ851が配設されている。
エア供給源19は、配管850を介してホイール基台接触部85内の砥石接触部80の可動板800よりも下方の空間に圧縮エアを供給している。そして、例えば、ホイール基台接触部85内の砥石接触部80の可動板800よりも下方の空間は、第一エアレギュレータ851によって、その内圧が例えば0.1MPaに保たれている。そして、ホイール基台接触部85内の砥石接触部80の可動板800よりも下方の空間に供給される圧縮エアが第1付勢部として働き、砥石接触部80を昇降可能に支持すると共に、砥石接触部80を上方向に付勢している。
ホイール基台接触部85の上面85aの中央領域には所定深さの砥石進入口852が、ホイール基台740の下面740aに環状に並べられた研削砥石741に合わせて平面視弧状に形成されている。砥石進入口852の幅は、研削砥石741のセグメント幅よりも大きく設定されていると共に、研削手段7のホイール基台740の環状の下面740aの幅よりも小さく設定されている。そして、砥石進入口852からは砥石接触部80の柱部801が所定長さ突き出ている。
ホイール基台接触部85の下面側には、ホイール基台接触部85を昇降可能に支持し第1付勢部(ホイール基台接触部85内の砥石接触部80の可動板800よりも下方の空間に供給されるエア)より大きい付勢力を有する第2付勢部でホイール基台接触部85を上方向に付勢するベース部86が配設されている。
ベース部86は、例えば、内部にピストン860を備えZ軸方向に延在するシリンダチューブ861と、シリンダチューブ861に挿入され下端がピストン860に取り付けられたピストンロッド862と、を備えている。ピストンロッド862の上端側は、ホイール基台接触部85の底面に接続されている。
ベース部86にはベース部86の内部にエアを流入するための図示しないエア流入口が形成されており、該エア流入口には配管863の一端が連通している。そして、配管863の他端側には、エア供給源19が連通している。また、配管863内には第二エアレギュレータ865が配設されている。エア供給源19から供給された圧縮エア及び第二エアレギュレータ865によって、ベース部86の内圧が、ホイール基台接触部85内の内圧0.1MPaよりも高い例えば0.5MPaに保たれている。該ベース部86内にエア供給源19から供給された圧縮エアが第2付勢部として働き、ベース部86はホイール基台接触部85を昇降可能に支持すると共に、ホイール基台接触部85を上方向に付勢している。
なお、ホイール基台接触部85を上方向に付勢する力が、砥石接触部80を上方向に付勢する力より大きければよい。そのため、上記に示すようにレギュレータを備え圧力差で付勢力に差をつけているが、ホイール基台接触部85内とベース部86内とのエアの圧力を同じにし、可動板800(ピストン800)の面積をピストン860の面積より小さくして付勢力に差を付けてもよい。
例えば、図11に示す研削送り手段5によって下降する研削砥石741が砥石接触部80に接触して砥石接触部80が下降を開始するときを検知する第1センサ87が、ホイール基台接触部85の天井の下面に埋設されており、砥石接触部80の可動板800とZ軸方向において対向している。
また、研削送り手段5によって下降するホイール基台740がホイール基台接触部85に接触してホイール基台接触部85が下降を開始するときを検知する第2センサ88が、ベース部86のシリンダチューブ861の天井部分にピストン860とZ軸方向において対向するように配設されている。
第1センサ87及び第2センサ88は、例えば、エア圧力センサであるがこれに限定されるものではない。
図11に示す研削送り手段5が研削手段7を-Z方向へと下降させていくことで、研削砥石741は砥石接触部80の上面801aに接触し、さらに、砥石接触部80を下方に押していく。また、第一エアレギュレータ851がホイール基台接触部85内の圧縮エアをリリーフしていくと共に、砥石接触部80がホイール基台接触部85内を下方に移動していく。そして第1センサ87が、ホイール基台接触部85内の砥石接触部80の可動板800よりも上方の空間内の圧力変化から、研削砥石741の砥石接触部80に対する接触、及び砥石接触部80の下降開始を検知する。
ベース部86内の圧力はホイール基台接触部85内の圧力よりも高く設定されているため、砥石接触部80が上記のように下方に押されていく間において、ホイール基台接触部85が下降することはなく、第2センサ88が反応してしまうことはない。
さらに、砥石接触部80が所定距離下降すると、ホイール基台740の下面740aがホイール基台接触部85の上面85aに接触する。そして、第2センサ88が、ベース部86内のピストン860よりも上方の空間内の圧力変化から、ホイール基台740のホイール基台接触部85に対する接触、及びホイール基台接触部85の下降開始を検知する。また、第二エアレギュレータ865がベース部86内部の圧縮エアをリリーフしていくと共に、ホイール基台740で下方に押されるホイール基台接触部85がベース部86内を下方に移動していく。
W:被加工物 Wa:被加工物の表面 Wb:被加工物の裏面
1:研削装置 10:装置ベース 11:コラム 14:Y軸移動手段
5:研削送り手段 50:ボールネジ 52:モータ 53:昇降板
30:保持手段 300a:保持面 301:枠体 39:カバー 39a:蛇腹カバー
38:ハイトゲージ 381:第一測定部 382:第二測定部
7:研削手段 70:スピンドル 72:モータ 73:マウント
74:研削ホイール 740:ホイール基台 740a:ホイール基台の下面
741:研削砥石 741a:研削砥石の下面
79:高さ位置測定手段 790:スケール 791:読み取り部
8:検知器 80:砥石接触部 800:可動板 801:柱部 801a:柱部の上面
81:ホイール基台接触部 81a:ホイール基台接触部の上面 810:可動空間 811:第1付勢部 812:砥石進入溝
82:ベース部 820:凹溝 821:第2付勢部
83:第1センサ 84:第2センサ
9:制御手段 90:記憶部 92:残量認識部 95:高さ差算出部 96:原点高さ算出部
8A:検知器 80:砥石接触部 85:ホイール基台接触部 851:第一エアレギュレータ 86:ベース部 865:第二エアレギュレータ
87:第1センサ 88:第2センサ 19:エア供給源

Claims (3)

  1. 被加工物を保持面で保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物を研削する研削砥石がホイール基台に環状に配置された研削ホイールを回転可能に装着する研削手段と、該研削手段を該保持面に垂直な方向に上下動させる研削送り手段と、を備える研削装置であって、
    該研削送り手段で該研削手段を下降させた際の該研削砥石の下面と該ホイール基台の下面とを検知する検知器と、
    該研削手段を下降させ該検知器が該研削砥石の下面を検知したときの該研削手段の高さと、続いて該研削手段をさらに下降させ該検知器が該ホイール基台の下面を検知したときの該研削手段の高さとの差を該研削砥石の残量として認識する残量認識部と、を備える研削装置。
  2. 前記検知器は、
    前記研削砥石の下面が接触し昇降可能な砥石接触部と、
    該砥石接触部を昇降可能に支持し第1付勢部で該砥石接触部を上方向に付勢し前記ホイール基台の下面が接触し昇降可能なホイール基台接触部と、
    該ホイール基台接触部を昇降可能に支持し該第1付勢部より大きい付勢力を有する第2付勢部で該ホイール基台接触部を上方向に付勢するベース部と、
    前記研削送り手段によって下降する該研削砥石が該砥石接触部に接触して該砥石接触部が下降を開始するときを検知する第1センサと、
    該研削送り手段によって下降する該ホイール基台が該ホイール基台接触部に接触して該ホイール基台接触部が下降を開始するときを検知する第2センサと、を備えた請求項1記載の研削装置。
  3. 前記保持面の高さと前記研削砥石が接触する前記砥石接触部の上面の高さとを測定可能なハイトゲージと、
    該ハイトゲージが測定した該保持面の高さと、該ハイトゲージが測定した該砥石接触部の該上面の高さとの差を算出する高さ差算出部と、
    前記研削送り手段によって下降する該研削砥石によって前記検知器が該研削砥石の下面を検知したときの前記研削手段の高さから、該高さ差算出部が算出した該差を差し引くことで、該研削砥石の下面が該保持面に接触する際の該研削手段の高さを算出する原点高さ算出部と、を備える請求項2記載の研削装置。
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