JP7247235B2 - 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 - Google Patents
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Description
但し、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上方又は下方という語句を用いて説明する場合があるが、上下方向が逆転してもよい。
以下、本開示の真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品についてそれぞれ説明する。
まず、本開示の真空断熱材用外包材について、詳細に説明する。
本開示の真空断熱材用外包材は、熱溶着可能なフィルムと、第1の無機層および第2の無機層を含む2以上の無機層とを有する真空断熱材用外包材であって、上記真空断熱材用外包材は、さらに、無機層状化合物及びバインダー樹脂を含む無機層状化合物層を含み、上記第1の無機層と、上記無機層状化合物層と、上記第2の無機層と、がこの順に配置され、金属層が配置されていないことを特徴とする。
1.無機層
本開示の真空断熱材用外包材は第1の無機層および第2の無機層を含む2以上の無機層を有し、無機層状化合物層が上記第1の無機層および第2の無機層の間に配置されている構造を有することを特徴とする。無機層は、金属箔や金属薄膜等の金属層以外の層であり、無機化合物膜や、M-O-P結合(ここで、Mは金属原子を示し、Oは酸素原子を示し、Pはリン原子を示す。)を有する膜、ポリカルボン酸系重合体の多価金属塩を含む膜、金属元素と酸素元素と親水基含有樹脂とを含有する混合化合物膜、等が挙げられる。本開示においては、無機層は、無機化合物膜、中でも金属酸化物膜であることが好ましい。
本開示における無機層状化合物層は、第1の無機層と第2の無機層との間に配置される層である。無機層状化合物層は、第1の無機層と第2の無機層との間に配置されていれば、その配置位置は特に限定されず、樹脂基材の一方の主面や、無機層の一方の主面に設けることができる。
無機層状化合物とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有している無機化合物をいう。つまり「層状化合物」とは、層状構造を有する化合物ないし物質をいう。また、「層状構造」とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス力等の弱い結合力によって平行に積み重なった構造をいう。
無機層状化合物の粒子の平均粒径を上記の範囲とすることで、無機層状化合物層の酸素バリア性能がより良好となるからである。無機層状化合物の粒子の粒径とは、温度25℃、水溶媒の条件で、超微粒子粒度分析計を用いて測定した動的光散乱法による光子相関法から求めた中心径(長径)とする。
無機層状化合物のアスペクト比を上記の範囲とすることで、無機層状化合物層の酸素バリア性能がより良好となるからである。無機層状化合物のアスペクト比は、無機層状化合物の粒子の平均粒径に対する平均面間隔(平均単位厚み)の比であり、下記式(1)で算出される。
(上記式(1)中、Zはアスペクト比であり、Lは無機層状化合物の平均粒径であり、aは無機層状化合物の平均面間隔(平均単位厚み)である。)
バインダー樹脂としては、特に限定されないが、親水基を含有する親水性樹脂が好ましい。親水性樹脂は、酸素に対する高いバリア性を発揮するためである。具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリル酸またはその塩、ポリベンゼンスルホン酸またはその塩、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリグリセリン等が挙げられ、さらには、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミロース、アミロペクチン、カードラン、ザンタン、キチン、セルロース、プルラン、キトサン等の多糖類を挙げることができる。本開示においては、中でもポリビニルアルコール、ポリアクリル酸が好ましい。
無機層状化合物層は、無機層状化合物の体積が多い程、酸素バリア性能が向上する。一方、バインダー樹脂の体積が多い程、耐屈曲性が向上する。よって、無機層状化合物とバインダー樹脂との体積比(無機層状化合物/樹脂)としては、5/95~90/10であることが好ましく、中でも5/95~50/50の範囲であることがより好ましい。無機層状化合物とバインダー樹脂との体積比を上記の範囲とすることで、酸素バリア性能および耐屈曲性に優れた無機層状化合物層とすることができるからである。
無機層状化合物層の厚みを上記範囲とすることで、十分な酸素バリア性能を発揮することが可能となり、また、無機層状化合物層の硬度を比較的小さくすることができるため、真空断熱材用外包材が屈曲応力を受ける場合であっても、無機層状化合物層内における無機層状化合物の層状構造を維持することができるからである。
本開示の真空断熱材用外包材は、一方の主面側に熱溶着可能な層が配置されている。 このような熱溶着可能なフィルムは、加熱により溶着可能なフィルムである。上記熱溶着可能なフィルムは、真空断熱材用外包材の厚み方向の一方の表面を担う部材であり、本開示の真空断熱材用外包材を用いて真空断熱材を作製する際に芯材と接し、また、芯材を封止する際に、対向する真空断熱材用外包材同士の端部を接合する部材である。
本開示の真空断熱材用外包材においては、特に限定されるものではないが、上述した無機層や無機層状化合物層を、通常、樹脂基材の一方の主面に設けることができる。
また、本開示の真空断熱材用外包材が樹脂基材を含む場合、熱溶着可能なフィルムと、樹脂基材と、第1の無機層と、無機層状化合物層と、第2の無機層と、がこの順に含まれるものであることが好ましい。
本開示の真空断熱材用外包材においては、無機層の一方の主面や、無機層状化合物層の一方の主面に、オーバーコート層を配置することができる。オーバーコート層を設けることで、真空断熱材用外包材にさらに優れたガスバリア性を付与することができる。
なお、本開示においては、特に無機層状化合物層と上記第2の無機層との間には、オーバーコート層が配置されていてもよい。オーバーコート層を配置することにより、無機層に存在するピンホール等を埋めることができるため、より水蒸気の侵入を防止することが可能となるが、無機層状化合物層の熱溶着可能なフィルムとは反対側に配置された上記第2の無機層に対してオーバーコート層を配置することにより、水蒸気が侵入しやすい外部側からの水蒸気の透過を抑制することを可能とするからである。
本開示の真空断熱材用外包材は、各バリアフィルムもしくは熱溶着可能な層の間に接着層を有していてもよい。このような接着層の材料としては、従来公知の感圧性接着剤、熱可塑性接着剤、硬化性接着剤等を用いることができる。
なお、上述した接着層は上記無機層状化合物層と上記第1の無機層もしくは上記第2の無機層との間に配置されていてもよい。
上述した2以上の無機層、無機層状化合物層は、本開示の真空断熱材用外包材を構成する、ガスバリア性能を有するフィルムである各ガスバリアフィルムに配置されたものとすることができる。この場合、2以上の無機層、および無機層状化合物層は、それぞれ別のガスバリアフィルムに存在していても良いが、1つのガスバリアフィルムに複数の層(例えば、第1の無機層及び無機層状化合物層)が存在していてもよい。
上述した図1では、第1のガスバリアフィルム2aにおける無機層状化合物層5が、第1のガスバリアフィルム2aにおける第1の無機層4と、第2のガスバリアフィルム2bにおける第2の無機層4との間に配置されており、第1の無機層4、無機層状化合物層5、および第2の無機層4との順で真空断熱材用外包材10に含まれており、第2のガスバリアフィルム2bにおける第2の無機層4が、第1のガスバリアフィルム2aの無機層状化合物層5と対向するように配置されている。
第1の態様としては、熱溶着可能なフィルムと、第1樹脂基材と、第1の無機層と、無機層状化合物層と、第2の無機層と、第2樹脂基材と、がこの順に配置された態様である。
第2の態様としては、上記第1の態様に加えて、上記第2樹脂基材の上記第2の無機層とは反対側の面に、第3の無機層および第3樹脂基材がこの順に配置された態様である。
以下、本形態の各構成について詳述する。
本形態における第1のガスバリアフィルムは、熱溶着可能なフィルムの一方の主面側に配置され、熱溶着可能なフィルムと第2のガスバリアフィルムとの間に配置されるものである。本形態において第1のガスバリアフィルムは、第1樹脂基材と、第1の無機層、無機層状化合物層とを少なくとも有し、無機層状化合物層が、第2のガスバリアフィルムの第2の無機層と対向するように配置される。通常は、第1のガスバリアフィルムと熱溶着可能なフィルムとの間には、他のガスバリアフィルムや保護フィルムは配置されていないことが好ましい。
上記第1の無機層、および無機層状化合物層は、それぞれ、「1.無機層」「2.無機層状化合物層」で例示したものと同様のものが挙げられる。
本形態における第2のガスバリアフィルムは、第1のガスバリアフィルムの熱溶着可能なフィルムとは反対の主表面側に配置され、第2樹脂基材と、第2の無機層とを有し、第2の無機層が、第1のガスバリアフィルムの無機層状化合物層と対向するように配置される。
接着層としては、上述した「6.接着層」で例示したものと同様のものが挙げられる。
本形態の真空断熱材用外包材は、第1のガスバリアフィルムと第2のガスバリアフィルムを少なくとも有するが、その他にも1層以上のガスバリアフィルムを有することが好ましい。中でも、本開示の真空断熱材用外包材は、ガスバリアフィルムが3層であることが好ましく、具体的には、図1に示すように、第1のガスバリアフィルム2aと第2のガスバリアフィルム2bとに加え、第3のガスバリアフィルム2cを有することが好ましい。このようにガスバリアフィルムが3層であることにより、ガスバリア性を向上させることができるためである。なお、上記ガスバリアフィルムは、4層以上設けられても良いが、層構造が増えると、生産性が低く、可撓性が低下する恐れがある。
本開示においては、図3に例示するような第二実施形態の外包材も好ましい。第二実施形態の外包材は、図1に示す第一実施形態の外包材における、第2のガスバリアフィルム2bの樹脂基材3が、第1のガスバリアフィルム2aの無機層状化合物層5と対向するように配置されていること以外は、第一実施形態と同様である。即ち、本形態においては、第1のガスバリアフィルムにおける無機層状化合物層5と、第2のガスバリアフィルム2bにおける第2の無機層4との間に、少なくとも第2樹脂基材3を介しており、熱溶着可能なフィルム1側から、第1の無機層4、無機層状化合物層5、樹脂基材3、および第2の無機層4がこの順で真空断熱材用外包材10に含まれている。
すなわち、熱溶着可能なフィルムと、第1樹脂基材と、第1の無機層と、無機層状化合物層と、第2樹脂基材と、第2の無機層と、第3の無機層と、第3樹脂基材と、がこの順に配置された態様である。
本開示においては、図4に例示される第三実施形態の外包材も好ましい。本形態の真空断熱材用外包材10は、主面上に無機層4(第1の無機層)が設けられた熱溶着可能なフィルム1と、第1のガスバリアフィルム2aとを少なくとも含み、第1のガスバリアフィルム2aは、樹脂基材3と、無機層4(第2の無機層)、無機層状化合物層5とを少なくとも有し、無機層状化合物層5が、熱溶着可能なフィルム1上に設けられた第1の無機層4と対向するように配置されている。
すなわち、熱溶着可能なフィルムと、第1の無機層と、無機層状化合物層と、第2の無機層と、第2樹脂基材と、第3の無機層と、第3樹脂基材と、がこの順に配置された態様である。
本開示の真空断熱材用外包材は、優れたガスバリア性能を有する。ガスバリア性能とは、酸素透過度で規定される酸素バリア性能、水蒸気透過度で規定される水蒸気バリア性能をいう。
本開示の真空断熱材は、芯材と、上記芯材を封入する外包材とを有する真空断熱材であって、上記外包材が上述した「A.真空断熱材用外包材」の項で説明したものであることを特徴とするものである。
以下、本開示の真空断熱材について、構成ごとに説明する。
本開示における外包材は、芯材を封入する部材であり、上述の「A.真空断熱材用外包材」の項で説明した真空断熱材用外包材と同じであるため、ここでの説明は省略する。
本開示における芯材は、外包材により封入される部材である。なお、封入されるとは、外包材を用いて形成された袋体の内部に密封されることをいうものである。
本開示の真空断熱材は、外包材の内部に芯材が封入され、上記内部が減圧されて真空状態となっている。真空断熱材内部の真空度は、例えば5Pa以下であることが好ましい。内部に残存する空気の対流による熱伝導を低くすることができ、優れた断熱性を発揮することが可能となるからである。
さらに、真空断熱材を、内容物の識別やトレーサビリティが必要な物品、例えば物流におけるコンテナ等に用いる場合、真空断熱材は、電波透過性とともに、薄い板厚で収納スペースを圧迫せずに高い断熱性を発揮することが期待される。本開示の真空断熱材であれば、外包材のガスバリアフィルムが2層又は3層で、電波透過性と共に高い断熱性能を発揮できるため、真空断熱材を薄い板厚とすることができる。
本開示の真空断熱材付き物品は、熱絶縁領域を有する物品および真空断熱材を備える真空断熱材付き物品であって、上記真空断熱材が、芯材と、芯材が封入された外包材とを有し、上記外包材が、上述の「A.真空断熱材用外包材」の項で説明した真空断熱材用外包材である。
実施例および比較例の真空断熱材用外包材を構成する部材及び接着剤を、以下および表1に示す。
(部材:ガスバリアフィルム)
・ガスバリアフィルムA:ナイロンフィルム(膜厚:15μm)の片面に酸化珪素膜を蒸着したフィルムの蒸着膜上に下記オーバーコート層Aを設けたフィルム(大日本印刷社製(商品名:IB-ON-UB))
:20nm)を蒸着したフィルムの蒸着膜上にモンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製:クニピアF)及びPVA(ポリビニルアルコール)(日本酢ビ・ポバール(株)製:JF-04、ケン化度98~99%、平均重合度400)を含む無機層状化合物層(膜厚:240nm)を設けたフィルム
まず、PVA(ポリビニルアルコール)の顆粒(日本酢ビ・ポバール(株)製:JF-04、ケン化度98~99%、平均重合度400)をイオン交換水に溶解し、20質量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。この水溶液にモンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製:クニピアF)を固形質量中10質量%になるように添加し、攪拌して無機層状化合物含有コート溶液を調製した。
・ガスバリアフィルムE:片面に透明ガスバリア膜を有するポリエチレンテレフタレートフィルム(株式会社クラレ製 クラリスタCF、厚み12μm)
・ガスバリアフィルムG:ナイロンフィルム(ユニチカ社製、エンブレムONBC、膜厚25μm)
・ガスバリアフィルムH:金属アルミニウム(Al)膜が片面に蒸着されたエチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム(クラレ社製 VM-XL、厚み12μm)
・ガスバリアフィルムJ:PETフィルム(膜厚:12μm)の片面に金属アルミニウム膜を蒸着したフィルム(東レフィルム加工社製 VM-PET1519)
・ガスバリアフィルムK:PETフィルム(膜厚:12μm)の片面に酸化ケイ素膜を蒸着したフィルムの蒸着膜上に下記オーバーコート層Aを設けたフィルム
・オーバーコート層A
下記に示す組成に従い調製したA液(ポリビニルアルコール、イソプロピルアルコールおよび水からなる混合液)に、下記に示す組成に従い予め調製したB液(テトラエトキシシラン(TEOS)、イソプロピルアルコール、塩酸およびイオン交換水からなる加水分解液)を加えて撹拌し、ゾルゲル法により無色透明のオーバーコート層用組成物を得た。
被塗布対象であるガスバリア膜上に、上記オーバーコート層用組成物をグラビアコート法によりコーティングし、次いで、120℃、140℃および150℃で各20秒間加熱処理して、必要とされる厚みのオーバーコート層を形成し、55℃で1週間エージングして、珪素元素と酸素元素とポリビニルアルコール樹脂とを含有する混合化合物層であるオーバーコート層Aを得た。
(A液)
・ポリビニルアルコール: 1.81質量%
・イソプロピルアルコール: 39.80質量%
・水: 2.09質量%
(B液)
・テトラエトキシシラン: 21.49質量%
・イソプロピルアルコール: 5.03質量%
・0.5N塩酸水溶液: 0.69質量%
・イオン交換水: 29.10質量%
(*A液とB液とを合わせて100質量%とした)
・熱溶着可能なフィルムA:直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ社製 商品名:TUX HC-E 、厚み50μm)
・接着剤A:ポリエステルポリオールを主成分とする主剤(ロックペイント社製 製品名:RU-77T)、脂肪族系イソシアネートを含む硬化剤(ロックペイント社製 製品名:H-7)、および酢酸エチルの溶剤を、重量配合比で主剤:硬化剤:溶剤=10:1:14となるように混合した2液硬化型接着剤
[実施例1]
1層目としてガスバリアフィルムA、2層目としてガスバリアフィルムB、3層目としてガスバリアフィルムC、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムBの蒸着膜(無機層)が、オーバーコート層を介して3層目のガスバリアフィルムCの無機層状化合物層と対向するように配置した。即ち、ガスバリアフィルムBの無機層、ガスバリアフィルムCの無機層状化合物層、ガスバリアフィルムCの無機層がこの順に配置された。1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、接着剤Aを一方の部材の被着面に塗布量3g/m2となるように塗布して接着層を形成し、接着層上に他方の部材を配置して加圧して接着した。
1層目としてガスバリアフィルムD、2層目としてガスバリアフィルムD、3層目としてガスバリアフィルムC、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムDの蒸着膜(無機層)が、オーバーコート層を介して3層目のガスバリアフィルムCの無機層状化合物層と対向するように配置した。即ち、ガスバリアフィルムDの無機層、ガスバリアフィルムCの無機層状化合物層、ガスバリアフィルムCの無機層がこの順に配置された。1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムE、2層目としてガスバリアフィルムD、3層目としてガスバリアフィルムC、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムDの蒸着膜(無機層)が、オーバーコート層を介して3層目のガスバリアフィルムCの無機層状化合物層と対向するように配置した。即ち、ガスバリアフィルムDの無機層、ガスバリアフィルムCの無機層状化合物層、ガスバリアフィルムCの無機層がこの順に配置された。1層目はガスバリア膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムF、2層目としてガスバリアフィルムD、3層目としてガスバリアフィルムC、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムDの蒸着膜(無機層)が、オーバーコート層を介して3層目のガスバリアフィルムCの無機層状化合物層と対向するように配置した。即ち、ガスバリアフィルムDの無機層、ガスバリアフィルムCの無機層状化合物層、ガスバリアフィルムCの無機層がこの順に配置された。1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムA、2層目としてガスバリアフィルムD、3層目としてガスバリアフィルムH、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムDの蒸着膜(無機層)が、オーバーコート層を介して、3層目のガスバリアフィルムHの蒸着膜と対向するように配置され、1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムA、2層目としてガスバリアフィルムB、3層目としてガスバリアフィルムI、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムBの蒸着膜(無機層)が、オーバーコート層を介して、3層目のガスバリアフィルムI側と対向するように配置され、1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムG、2層目としてガスバリアフィルムB、3層目としてガスバリアフィルムK、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムBのオーバーコート層が、3層目のガスバリアフィルムKのオーバーコート層と対向するように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムA、2層目としてガスバリアフィルムB、3層目としてガスバリアフィルムK、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムBのオーバーコート層が、3層目のガスバリアフィルムKのオーバーコート層と対向するように配置され、1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムA、2層目としてガスバリアフィルムD、3層目としてガスバリアフィルムK、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムDのオーバーコート層が、3層目のガスバリアフィルムKのオーバーコート層と対向するように配置され、1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムF、2層目としてガスバリアフィルムJ、3層目としてガスバリアフィルムH、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムJの蒸着膜が、3層目のガスバリアフィルムHの蒸着膜と対向するように配置され、1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
1層目としてガスバリアフィルムD、2層目としてガスバリアフィルムD、3層目としてガスバリアフィルムD、4層目として熱溶着可能なフィルムAをこの順に有する外包材を得た。2層目のガスバリアフィルムDのオーバーコート層が、3層目のオーバーコート層と対向するように配置され、1層目は蒸着膜が樹脂基材よりも熱溶着可能なフィルムA側となるように配置した。各層間は、実施例1と同様に接着層で接着した。
実施例1~4、比較例1~7で得た各外包材についてサンプルを取り出し、上記「A.真空断熱材用外包材 VI.特性」の項で説明した方法および条件により、温度23℃、湿度60%RHの条件での酸素透過度を測定した。結果を表2中の酸素透過度(フラット)に示す。
また、実施例1~4、比較例1~7で得た各外包材について、幅210mm×長さ297mm(A4サイズ)の長方形の試験片をそれぞれ採取した。ASTM F392に準拠して、各試験片に対してゲルボフレックステスター(テスター産業社製、機種名:BE1006)を用いて3回屈曲処理を行った。
3回屈曲処理後の各試験片について、上記「A.真空断熱材用外包材 VI.特性」の項で説明した方法および条件により、温度23℃、湿度60%RHの条件での酸素透過度(屈曲処理後の酸素透過度)を測定した。結果を表2中の酸素透過度(屈曲後)に示す。
実施例1~4、比較例1~7で得られた外包材(寸法:360mm×450mm)を2枚準備し、熱溶着可能なフィルム同士が向き合う様にして2枚重ねて、四辺形の三辺をヒートシールして一辺のみが開口した袋体を作成した。芯材として300mm×300mm×30mmのグラスウールを用い、乾燥処理を行った後、袋体に、芯材、および実施例1、比較例1~5の外包材を用いた場合は5gの乾燥剤(酸化カルシウム)を、実施例2~4、比較例6、7の外包材を用いた場合は10gの乾燥剤(酸化カルシウム)を収納して、袋体内部を排気した。その後、袋体の開口部分をヒートシールにより密封して真空断熱材を得た。到達圧力は0.05Paとした。
真空断熱材の熱伝導率は、上記「II.真空断熱材」の項で説明した方法および条件に従い測定した。測定は、初期のものと、100℃の状態で500時間の劣化試験後、70℃90%RHの状態で500時間の劣化試験後のものとを測定した。結果を表2、表3に示す。
2 … ガスバリアフィルム
3 … 樹脂基材
4 … 無機層
5 … 無機層状化合物層
10 … 真空断熱材用外包材
11 … 芯材
20 …真空断熱材
Claims (10)
- 熱溶着可能なフィルムと、第1の無機層および第2の無機層を含む2以上の無機層とを有する真空断熱材用外包材であって、
前記真空断熱材用外包材は、さらに、無機層状化合物及びバインダー樹脂を含む無機層状化合物層を含み、
前記第1の無機層と、前記無機層状化合物層と、前記第2の無機層と、がこの順に配置され、
前記バインダー樹脂が、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリル酸またはその塩、ポリベンゼンスルホン酸またはその塩、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリグリセリン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミロース、アミロペクチン、カードラン、ザンタン、キチン、セルロース、プルラン、およびキトサンからなる群から選択される少なくとも一種類の樹脂であり、
金属層が配置されていない、真空断熱材用外包材。 - 前記無機層状化合物層と、前記第1の無機層および前記第2の無機層との間には、樹脂基材が配置されていない、請求項1に記載の真空断熱材用外包材。
- 前記熱溶着可能なフィルムと、樹脂基材と、前記第1の無機層と、前記無機層状化合物層と、前記第2の無機層と、がこの順に配置された、請求項1に記載の真空断熱材用外包材。
- 前記熱溶着可能なフィルムと、第1樹脂基材と、前記第1の無機層と、前記無機層状化合物層と、前記第2の無機層と、第2樹脂基材と、がこの順に配置された、請求項1に記載の真空断熱材用外包材。
- 前記第2樹脂基材の前記第2の無機層とは反対側の面に、第3の無機層および第3樹脂基材がこの順に配置された請求項4に記載の真空断熱材用外包材。
- 前記熱溶着可能なフィルムと、第1樹脂基材と、前記第1の無機層と、前記無機層状化合物層と、第2樹脂基材と、前記第2の無機層と、第3の無機層と、第3樹脂基材と、がこの順に配置された、請求項1に記載の真空断熱材用外包材。
- 前記熱溶着可能なフィルムと、前記第1の無機層と、前記無機層状化合物層と、前記第2の無機層と、第2樹脂基材と、第3の無機層と、第3樹脂基材と、がこの順に配置された、請求項1に記載の真空断熱材用外包材。
- 芯材と、前記芯材が封入された外包材とを有する真空断熱材であって、
前記外包材が、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の真空断熱材用外包材である、真空断熱材。 - 熱絶縁領域を有する物品および真空断熱材を備える真空断熱材付き物品であって、
前記真空断熱材は、芯材と、前記芯材が封入された外包材とを有し、
前記外包材が、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の真空断熱材用外包材である、真空断熱材付き物品。 - 前記真空断熱材付き物品が、電波透過性を有するものであることを特徴とする請求項9に記載の真空断熱材付き物品。
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