JP2015193141A - ガスバリア性フィルムおよびそれを用いたガスバリア性ラミネート体 - Google Patents

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恭典 岡本
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Abstract

【課題】長期断熱性に優れたガスバリア性フィルム、および当該ガスバリア性フィルムを用いた真空断熱材用途に好適に使用可能なガスバリア性ラミネート体を提供する。【解決手段】基基材フィルムの少なくとも片面に第1の無機物層、ガスバリア樹脂層、第2の無機物層がこの順に積層されたガスバリア性フィルムであって、ガスバリア樹脂層が、(a)不飽和ニトリル、(b)水酸基を有する不飽和化合物、(c)不飽和カルボン酸エステルの3成分を単量体とする共重合体で構成される主剤と、イソシアネート基を有する化合物で構成される硬化剤とで構成されるガスバリア性フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性フィルムおよびそれを用いたガスバリア性ラミネート体に関し、特にガスバリア性能の長期耐熱性に優れたガスバリア性フィルム、および冷蔵庫・自動販売機・住宅壁等の真空断熱材の外部被覆に好適に用いることができるガスバリア性ラミネート体に関する。
近年、地球温暖化の対策として、省エネルギーを推進する動きが活発となっており、熱を有効活用するという観点から、優れた断熱性能を有する真空断熱材が注目されている。断熱材としてはグラスウールやポリウレタンフォームが一般的であるが、真空断熱材はそれらに比べ10倍以上の断熱効果があるといわれており、真空断熱材を使用した冷蔵庫は省エネ家電として、真空断熱材を外壁に設置した高断熱化住宅はエアコン等の消費電力を低減できるとして大きな省エネ効果が期待されている。真空断熱材は多孔質構造の芯材を外装袋で被覆した後に内部を減圧して封止した断熱材である。気体伝導率の寄与がほとんどゼロになるため、優れた断熱性能を得ることができる。
上記用途における外装袋は長期に真空を保つ機能が必要であり、アルミニウム箔とポリオレフィンフィルム等のシーラントフィルムがラミネートされた金属・プラスチックラミネートフィルムが使用されている(特許文献1)。しかし、アルミニウムは熱伝導性が非常に高く、袋の閉じ口部分から熱が伝わり易く、断熱性能が劣るという欠点があった。このためプラスチックフィルムに蒸着を施した蒸着フィルムを使用した外装袋が注目されており、例えばガスバリア性に優れたエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムにアルミニウム蒸着を施し、このアルミニウム蒸着を施した面が熱溶着層側に配置されるものが提案されている(特許文献2)。このフィルムは非常に優れたガスバリア性能を有するが、エチレン・ビニルアルコール共重合体は親水性であるため、蒸着を施していない側の面から水分を吸着して膨潤し、蒸着層が剥がれ断熱性能が低下する問題点があった。
また、ガスバリア性能に優れた蒸着フィルムとして、プラスチックフィルム基体上に金属酸化物、有機物超薄膜層、金属もしくは金属酸化物層がこの順に積層されたガスバリアフィルムが知られている(特許文献3)。これらの蒸着によるガスバリア性フィルムは、真空断熱材の外装袋に加工されて冷蔵庫、または住宅の外壁に設置され、長期的に高温に曝された場合にはガスバリア性能が徐々に低下し、またプラスチックフィルム基材と蒸着層の間の密着力が低下して剥がれが生じることで、真空断熱材の真空状態を保つことができなくなり、断熱性能が大きく低下するという問題があった。
特開昭61−153481号公報 特開平10−122477号公報 特開平4−14440号公報
本発明が解決しようとする課題は、長期断熱性に優れたガスバリア性フィルム、および当該ガスバリア性フィルムを用いた真空断熱材用途に好適に使用可能なガスバリア性ラミネート体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。
第1の発明は、基材フィルムの少なくとも片面に第1の無機物層、ガスバリア樹脂層、第2の無機物層がこの順に積層されたガスバリア性フィルムであって、ガスバリア樹脂層が、(a)不飽和ニトリル、(b)水酸基を有する不飽和化合物、(c)不飽和カルボン酸エステルの3成分を単量体とする共重合体で構成される主剤と、イソシアネート基を有する化合物で構成される硬化剤とで構成されるガスバリア性フィルムである。
第2の発明は、前記(a)成分、(b)成分、(c)成分の共重合体中での重量分率がそれぞれ、10〜30重量%、30〜70重量%、20〜60重量%であることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
第3の発明は、前記第1の無機物層および第2の無機物層がそれぞれアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素およびこれらの混合物から選ばれる少なくとも1種から形成されていることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
第4の発明は、前記(a)成分がアクリロニトリルであることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
第5の発明は、前記(b)成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレートであることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
第6の発明は、前記(c)成分がメチルメタクリレートであることを特徴とするガスバリア性フィルムである。
第7の発明は、前記いずれかに記載のガスバリア性フィルムの第2の無機物層側に表基材フィルムを、基材フィルム側に熱融着フィルムをそれぞれラミネートしたことを特徴とするガスバリア性ラミネート体である。
第8の発明は、前記熱融着フィルムが無延伸ポリプロピレンフィルムまたは直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであることを特徴とするガスバリア性ラミネート体である。
第9の発明は、表基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムのいずれかであることを特徴とするガスバリア性ラミネート体である。
本発明により、長期断熱性に優れたガスバリア性フィルム、および当該ガスバリア性フィルムを用いた真空断熱材用途に好適に使用可能なガスバリア性ラミネート体を提供される。
本発明のガスバリア性フィルムの構成を示す断面図である。 本発明のガスバリア性ラミネート体の構成を示す断面図である。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明のガスバリア性フィルムは、基材フィルムの少なくとも片面に第1の無機物層、特定のガスバリア樹脂層、第2の無機物層が積層されたガスバリア性フィルムである。
第1の無機物層に、本発明における特定のガスバリア樹脂層を積層、浸透させることにより、基材フィルム、第1の無機物層とガスバリア樹脂層が一体化する。さらに、第2の無機物層を積層することで、長期の高温雰囲気下において各層の劣化が抑制され、ガスバリア性能を維持するとともに、各層間の密着性を維持することができる。
基材フィルム上に第1の無機物層のみを形成した場合、または基材フィルムに第1の無機物層および樹脂層を形成した場合のいずれも、ガスバリア性能が不十分である。ガスバリア性能および密着性を高温雰囲気下で長期に維持するためには、基材フィルム上に第1の無機物層、本発明における特定のガスバリア樹脂層、第2の無機物層の形成が必須である。また本発明の層構成を超えて、さらに樹脂層および、または無機物層の積層を行った場合は、コストが上がり実用的ではない。
第1および第2の無機物層は、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、およびこれらの混合物の群から選択された少なくとも1つからなるものであることが好ましい。これら無機物層は、金属を直接加熱して蒸発、蒸着する方法、蒸発した金属と酸素や窒素の反応により酸化物や窒化物を形成する反応性蒸着法、無機酸化物を直接加熱、蒸着する方法、イオンプレーティング、スパッタリング、化学気相蒸着法など公知の方法によって形成される。
第1の無機物層、第2の無機物層の厚さは、好ましくは5〜200nm、より好ましくは5〜100nmである。5nmより薄くなると、無機物層の形態を保持することが難しくなり、ガスバリア性能を発現することが困難となる場合があり、また200nmより厚くしてもガスバリア性能は大きくは向上せず、金属酸化物、金属窒化物の場合は取り扱い時にクラックが発生することでかえってガスバリア性能が低下することがあり、コストが高くなることもあって実用的ではない。
基材フィルムは、ポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリスチレンフィルムなど公知のフィルムを用いることができるが、中でも機械的強度、耐熱性、化学的安定性に優れ、基材フィルムそのもののガスバリア性能に優れた二軸延伸されたポリエステルフィルムが好ましく、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムや二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、二軸延伸ポリ乳酸フィルムなどが商業ベースで入手しやすく好ましい。これら基材フィルムの厚さは目的に応じ、フィルムのハンドリング性と経済性の点から9〜125μmの範囲で選択される。
真空断熱材の外装材のためのガスバリア性フィルムの基材フィルムとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが強度、耐熱性、経済性の点からより好ましい。
本発明において、ガスバリア樹脂層は、(a)不飽和ニトリルと、(b)水酸基を有する不飽和化合物と、(c)不飽和カルボン酸エステルとの3成分を単量体とする共重合体で構成される主剤と、イソシアネート基を有する化合物で構成される硬化剤とで構成される。背景技術で述べたように、ガスバリア性能に優れたフィルムとして、プラスチックフィルム基体上に金属酸化物、有機物超薄膜層、金属もしくは金属酸化物層がこの順に積層されたガスバリアフィルムは良く知られているが、第1の無機物層と第2の無機物層間のガスバリア樹脂層によってガスバリア性能と、ガスバリア性能の長期耐久性が大きく左右される。
樹脂によって形成される薄膜層のガスバリア性を決定する因子としては、凝集エネルギー密度、自由体積、結晶化度、配向性等が挙げられる。これらの因子は、ポリマー構造中の側鎖官能基に起因するところが多い。すなわち、構造中に水素結合あるいは静電的相互作用等の分子間相互作用可能な官能基を含むポリマー鎖同士は、相互作用力を駆動力として強く凝集しようとする。その結果、凝集エネルギー密度、配向性は高まり、自由体積は減少し、ガスバリア性は向上する。逆に、同じくポリマー構造中に立体的に嵩高い官能基を含む場合には、ポリマーの凝集を妨げ、自由体積が大きくなるためにガスバリア性は低下すると考えられる。さらに、形成される分子間相互作用の数量が多くなれば、強く凝集し、自由体積空間を小さくしようという駆動力は大きくなり、結果的にポリマーの凝集密度は高まると考えることができる。
以下に本発明におけるガスバリア性樹脂層について詳述する。
(主剤:(a)成分)
主(a)成分である不飽和ニトリルとしては、アクリロニトリルが好ましい。アクリロニトリルはその分子構造中にニトリル基を有し、ニトリル基が大きく分極した官能基であることに由来して強い水素結合形成能を持つ。すなわち、アクリロニトリルを構成成分とする共重合体により形成された塗膜には、アクリロニトリルのニトリル基の大きな寄与により、ガスバリア性が付与される。アクリロニトリルの含有量によって発現するガスバリア性は変化する。
不飽和ニトリルの配合量は、共重合体中の10〜30重量%であることが必要であり、10〜25重量%が好ましい。(a)成分の配合量が、10重量%よりも少ない場合には塗膜内において十分な数の水素結合が形成されずガスバリア性が十分に発現しない。一方、(a)成分の配合量が、30重量%よりも多い場合には、共重合樹脂の有機溶剤に対する溶解性が低下するため、重合時の分子量増加を妨げるだけでなく塗料化が困難になる。さらには塗膜の造膜性も低下するなど実用的ではなくなる。
(主剤:(b)成分)
(b)成分は、水酸基を有する不飽和化合物である。
前記の通り、ガスバリア性能を高める観点からは共重合体中の(a)成分の含有量は高めた方が好ましい。しかし、ポリアクリロニトリルはガラス転移温度が約300℃と高く、造膜させるには高温が必要である。この課題を解決すべく、(a)成分と不飽和化合物を共重合する手段が有効である。さらに本発明のように無機物層と強く密着させるためには、また塗膜強度を発現させる目的で硬化剤との間で架橋構造を形成するためには、主剤樹脂構造中に水酸基を含有させることが好ましい。すなわち、主剤の
前記(a)成分と共重合させる(b)成分としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシビニルエーテル、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート等の不飽和化合物の単量体が挙げられる。これらの水酸基を有する不飽和化合物は単独で、または2種類以上組み合わせて選択することができる。これらの水酸基を有する不飽和化合物のうち、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレートが、良好な重合安定性が得られること、イソシアネート基との反応性が良好なことから好ましく、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが特に好ましい。
共重合体中で、(b)成分の含有量によってガスバリア樹脂層の造膜性やガスバリア性能は変化する。(b)成分の配合量は、共重合体中の30〜70重量%であることが必要であり、50〜70重量%がさらに好ましい。(b)成分の配合量が、30重量%よりも少ない場合には、水酸基に由来する樹脂鎖間の凝集力が十分に働かず、ガスバリア性能の向上につながらないことがある。水酸基と硬化剤との間の架橋反応の進行により形成される架橋点の数が十分ではなく、樹脂層の耐熱性が十分に発現しないことがある。一方70重量%より多い場合には、共重合樹脂中に水酸基数が増加するため硬化剤配合量も増やす必要を生じ、同時に硬化剤中のイソシアネート基が未反応で残存しやすくなり、ブロッキングなどの問題となることがある。
(a)不飽和ニトリルと(b)水酸基を有する不飽和化合物との共重合体中における重量比率としては、(a):(b)が1:7〜1:1であることが好ましい。さらに好ましくは、2:5〜3:5である。
(主剤(c)成分)
本発明において主剤を構成する(c)成分は、不飽和カルボン酸エステルである。
使用できる不飽和カルボン酸エステルとしてはメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。不飽和カルボン酸エステルのうちメチルメタクリレート、メチルアクリレートが特に好ましく、メチルメタクリレートがさらに好ましい。
(c)成分の配合量は、共重合体中の20〜60重量%であることが必要であり、25〜40重量%がより好ましい。(c)成分の配合量が20重量%よりも少ない場合には塗膜の造膜性が十分に良化せず、塗膜表面を平滑に、また塗膜を透明に仕上げることが困難となる。一方、(c)成分の配合量が60重量%よりも多い場合には共重合樹脂中に占める(a)成分及び(b)成分の相対量が減少し、ガスバリア性が十分に発現しない、架橋構造の不足に伴う塗膜強度や耐熱性が不足するといった問題を生じる。

(共重合体の製造)
前記各成分(a)、(b)、(c)を配合し、公知の技術を用いて共重合させて、共重合体樹脂(主剤)を製造する。共重合体樹脂(主剤)は、例えば酢酸プロピル/プロピレングリコールモノメチルエーテル/n−プロピルアルコール混合溶液などに溶解させて、後記する硬化剤と混合する。
(その他の添加物)
前記共重合樹脂(主剤)コーティング液には、シランカップリング剤が添加されていても良い。シランカップリング剤は、分子中に有機官能基と加水分解性官能基を有し、無機物と有機物との密着力を向上させる効果がある。したがって、シランカップリング剤を添加すると、無機酸化物蒸着層とガスバリア樹脂層との密着力を長期間の熱影響にも耐えうる程度に強固なものとすることができる。使用できるシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が例示できる。これらのシランカップリング剤は、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
シランカップリング剤の添加量はガスバリア樹脂層の形成に用いる主剤と硬化剤の和100重量部に対して0.1〜2重量部程度が好ましい。0.1重量部以下の添加量の場合にはシランカップリング剤の効果が薄く、十分な密着力が得られない。一方、2重量部より多く添加した場合にはシランカップリング剤がガスバリア樹脂層中で可塑剤のような働きをするため塗膜のガスバリア性能が低下する。
さらに、本発明にかかる共重合樹脂(主剤)コーティング液には、その特性を損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、強化剤、顔料、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、滑剤などを添加してもよい。
使用できる熱安定剤、酸化防止剤及び劣化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、硫黄化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
使用できる強化剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
本発明にかかる共重合樹脂(主剤)コーティング液には、無機層状化合物を混合してもよい。無機層状化合物の好ましい例としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、バーミキュライト、フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト、マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等が例示でき、膨潤性フッ素雲母又はモンモリロナイトが特に好ましい。これらの無機層状化合物は、天然に産するものであっても、人工的に合成あるいは変性されたものであってもよく、またそれらをオニウム塩などの有機物で処理したものであってもよい。
(硬化剤)
本発明では、硬化剤は主剤である共重合樹脂を架橋させるために用いる。主剤として用いる共重合体樹脂はそれを単独で塗布した場合、ガスバリア性は発現するものの塗膜強度や耐熱性といった物性は得られない。そこで、主剤である共重合樹脂が側鎖として有する水酸基と反応するイソシアネート基を有する化合物を硬化剤として用いる。架橋剤の添加により、架橋構造が生成されるので、ガスバリア性、塗膜強度および耐熱性といった物性を兼ね備えたガスバリア樹脂層が形成される。
イソシアネート基を有する化合物としては、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
使用できる芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、m−又はp−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、4,4′−、2,4′−又は2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等が例示できる。
使用できる芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が例示できる。
使用できる脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート;IPDI)、4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−又は1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水添XDI)等が例示できる。
使用できる脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−、2,3−又は1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示できる。
さらに、上記例示したイソシアネート化合物と水酸基を有する化合物等との部分縮合物や各種誘導体の1種またはこれらの2種以上を用いてもよい。例えば、各種低分子量のジオールからオリゴマーまで幅広いジオール類や必要に応じて3官能以上のポリオール類との部分縮合物等が挙げられる。
共重合体で構成される主剤と硬化剤の架橋反応生成物により形成されるガスバリア樹脂層のガスバリア性能を考慮すると、これらのイソシアネート基を有する化合物のうち、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート(XDI)およびその部分縮合物が好ましい。架橋生成物の立体的構造は、ガスバリア性に大きく影響する。ガスバリア性を発現させるためには、キシリレンジイソシアネート骨格を有すると好ましい。これらの化合物は、キシリレンジイソシアネート骨格を有する。
硬化剤の配合量は、主剤共重合体樹脂に含まれる水酸基数(一般的にはOH価で表される)と硬化剤樹脂に含まれるイソシアネート基数(一般的にはNCO率で表される)が当量となるようにするのが好ましい。なお、硬化剤配合量を主剤共重合樹脂重量比15%程度増量あるいは減量しても、発明の効果は失われない。硬化剤配合量を増量すると特に塗膜強度および基材フィルムに対する耐熱性に優れた塗膜が形成される場合がある。
(ガスバリア樹脂層の製造)
前記共重合樹脂(主剤)溶液と、硬化剤とを、所定量配合して溶剤中に溶解して、樹脂層用のコーティング液を得る。使用できる溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノール、水等が挙げられる。
本発明においてガスバリア樹脂層を構成する主剤と硬化剤との配合比は特に制限されるものではないが、硬化剤が少なすぎると主剤との間で生じる架橋反応が不十分なものとなり、塗膜が硬化不良を起こすだけでなく塗膜強度が十分発現せずに耐熱性、基材との密着性等も不足する。また硬化剤の配合量が多すぎる場合にはブロッキングを生じる原因となるだけでなく、余剰のイソシアネート化合物が他の層に移行するなどして後加工等において不都合を生じることがある。
本発明にかかるガスバリア樹脂層を製造する方法としては、特に制限はなく、基材フィルムに応じた方法で製造することができる。例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法などの印刷方式やロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法、ナイフエッジコーティング法、グラビアコーティング法、キスコーティング法、スピンコーティング法等やこれらを組み合わせた方法を用いて、コーティング液をコーティングすればよい。
本発明において、コーティングにより第1の無機物層上にガスバリア樹脂層を形成して積層する場合において、コーティング液に使用する溶剤にもよるが、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上の温度で乾燥させることが好ましい。乾燥温度が70℃より低い場合には塗膜の乾燥が不十分となり、充分なガスバリア性能を有するガスバリア性フィルムを得ることが困難となる。またコーティング後、主剤と硬化剤との間の架橋反応を十分に進行させる目的でエージング処理をすることもできる。エージング処理により架橋反応はより進行し、十分な塗膜強度、ガスバリア性能、耐熱性が発現しやすくなる。
ガスバリア樹脂層の厚さは、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.2〜5μmである。樹脂層の厚さが0.1μm以上であると、ガスバリア性の十分な向上が得られ、コーティング時の加工性も高まり、膜切れやはじきなどの欠陥のないガスバリア樹脂層を形成することができる。一方、ガスバリア樹脂層の厚さが10μm以下であると、コーティング時の乾燥条件が低温、短時間であっても溶剤が十分に乾燥するので、フィルムにカール等の変形が生じることがなく、製造コストが高騰するといった問題点も起こらず好ましい。
本発明のガスバリア性フィルムは、第2の無機物層側に表基材フィルムを、基材フィルム側に熱融着フィルムをそれぞれラミネートしたガスバリア性ラミネート体として使用できる。
熱融着フィルムとは、上記ガスバリア性ラミネート体どうし、または他の材料と熱で融着させるためのものであり特に限定されるものではないが、無延伸ポリプロピレンフィルムまたは直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであることが熱融着のしやすさから好ましい。
表基材フィルムは、上記スバリア性ラミネート体の最表層に積層され、本発明のガスバリア性フィルムを機械的に保護する機能を有するフィルムであり特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムのいずれかであることが本基材フィルムの目的からは好ましい。これらのフィルムの形成方法としては、2液反応硬化型接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、無溶剤接着剤を用いて貼り合わせるノンソルベントラミネート法、プラスチック材料を加熱溶融させカーテン状に押し出し、貼合わせるエクストルージョンラミネート法等のいずれも公知の方法により積層することができる。
本発明のガスバリア性フィルムを用いたガスバリア性ラミネート体のガスバリア性能は、水蒸気透過率が0.1g/m24hr未満、または素透過率が0.1cc/m24hr・atm未満を達成できる。さらにこの両方を満足することも達成できる。
本発明において、ガスバリア性能の長期耐熱性は、長期保管後の酸素透過率劣化度および水蒸気透過率劣化度として評価する。酸素透過率劣化度および水蒸気透過率劣化度とは、長期保管後のそれぞれの透過率を初期のそれぞれの透過率で割った値のことであり、10以下であることが好ましい。また、長期保管後のラミネート強度劣化度を、長期保管後のラミネート強度を初期のラミネート強度割った値として評価し、0.5以上であることが好ましい。
以下本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお実施例中で「部」とは、特に注釈の無い限り「重量部」である。なお実施例および比較例中の物性は次のようにして測定した。
(1)水蒸気透過率(g/m24hr)
ガスバリア性フィルムを用いたラミネート体を、温度40℃、相対湿度100%の条件で、Technolox社製の水蒸気透過率測定装置(DELTAPERMタイプ)を使用して、差圧法に基づいて2回測定した平均値を用いた。初期値(熱処理前)の水蒸気透過率は0.1g/m24hr未満を合格とし、長期熱処理後の劣化度は10以下を合格とした。
(2)酸素透過率(cc/m24hr・atm)
ガスバリア性フィルムをを用いたラミネート体を温度23℃、相対湿度90%の条件で、MOCON社製の酸素透過率測定装置(OXTRAN2/21MHタイプ)を使用して、JIS K7126(2000年版)に記載のB法(等圧法)に基づいて2回測定した平均値を用いた。初期値(熱処理前)の酸素透過率は0.1cc/m24hr・atm未満を合格とし、長期熱処理後の劣化度は10以下を合格とした。
(3)ラミネート強度(N/15mm)
ラミネート体を15mmの幅にカットし、引っ張り試験器で剥離角度をT型、クロスヘッドスピードを300mm/分でラミネート強度を測定した。初期値(熱処理前)のラミネート強度は2N/15mm以上を合格とし、長期熱処理後の劣化度は0.5以上を合格とした。
(4)長期熱処理後の評価
ガスバリア性フィルムと各実施例、比較例に記載の部材をドライラミネートにより積層し、ガスバリア性ラミネート体とした。
本ガスバリア性ラミネート体から20cm×20cmの積層材片を2枚切り出し、シーラントフィルムが内側になるように重ね、その三辺をヒートシールにより融着して袋を作製し、9cm厚さ×10cm×10cmに切り取ったグラスウール断熱材(旭ファイバーグラス株式会社製高性能グラスウール“アクリアウール”ACW)を入れて、空気を抜いてヒートシールし、真空断熱材を作製した。
本真空断熱材を、80℃のオーブンに入れ、100日後に取り出して袋を解体し、ガスバリア性ラミネート体の水蒸気透過率、酸素透過率、ラミネート強度を測定した。
(実施例1)
まず、以下の方法でガスバリア樹脂層用のコーティング液の調整を行った。
アクリロニトリル(AN)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)およびメチルメタクリレート(MMA)の各モノマーをそれぞれ20重量%、50重量%、30重量%で配合し、公知の技術により共重合して共重合樹脂を得た。すなわち、攪拌機、窒素ガス導入管、精留管、水分分離器を備えた反応容器に、上述の数量となるように仕込み、精留管上部温度が100℃を超えないように、徐々に加温して、内温を220℃に保持した。酸価が1mgKOH/g以下となったところで反応を終了して、共重合樹脂を得た。得られた共重合樹脂を酢酸プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびn−プロピルアルコールの混合溶剤に溶解させて固形分濃度が30重量%の共重合樹脂溶液を得た。
共重合樹脂溶液10.0部、大日本インキ化学工業(株)イソシアネート硬化剤“ディックドライ”X−75(XDI:キシリレンジイソシアネート)を2.5部、メチルエチルケトン28.1部を30分間攪拌して固形分濃度12重量%のガスバリア樹脂層用のコーティング液を調整した。
基材フィルムに厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート(東レ株式会社製“ルミラー”(登録商標)P60)を用い、第1の無機物層として、酸化アルミニウムを厚さが10nmになるようにアルミニウム蒸着時に酸素と反応させる反応性蒸着で作製後、上記のコーティング液を用いてドライ厚さ0.6μmの樹脂層を形成した。その上に、第2の無機物層として、アルミニウムを厚さ180nmになるように真空蒸着を行い、ガスバリア性フィルムを作製した。
ポリエステル系接着剤(DIC(株)主剤:登録商標“ディックドライ”LX−500、硬化剤:登録商標“ディックドライ”KO−55)を用いて、上記ガスバリア性フィルムの第2の無機物層であるアルミニウム層上に接着剤厚さが4μmとなるように塗布し、厚さが15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)「OMNUフィルム」)とドライラミネート法で貼り合せた。同様に第2の無機物層側とは反対側にも厚さが50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)“FCSフィルム”)をドライラミネートで張り合わせ、ラミネート体を作製した。
(実施例2)
第1の無機物層としてアルミニウムを厚さが185nmになるように形成し、ガスバリア樹脂層の厚さを0.4μm、第2の無機物層にアルミニウムを厚さ100nmになるように形成した以外は、実施例1と同様な方法でガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。
(実施例3)
第1の無機物層として酸化ケイ素を厚さが20nmになるように形成し、ガスバリア樹脂層の厚さを5μm、第2の無機物層に酸化アルミニウムを厚さ7nmになるように形成した以外は、実施例1と同様な方法でガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。
(実施例4)
第1の無機物層として酸化ケイ素を厚さが25nmになるように形成し、ガスバリア樹脂層の厚さを5μm、第2の無機物層にアルミニウムを厚さ40nmになるように形成した以外は、実施例1と同様な方法でガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。
(実施例5)
共重合樹脂の各モノマーAN、2−HEMA、MMAをそれぞれ30重量%、30重量%、40重量%とした以外は実施例1と同様な方法でガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。
(実施例6)
共重合樹脂の各モノマーAN、2−HEMA、MMAをそれぞれ10重量%、70重量%、20重量%とした以外は実施例1と同様な方法でガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。
(比較例1)
第1の無機物層として酸化チタンを厚さが210nmになるように形成し、ガスバリア樹脂層の厚さを12μm、第2の無機物層は形成しなかった以外は、実施例1と同様な方法で比較例1のガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。酸素透過率、水蒸気透過率、ラミネート強度のいずれも初期値から不十分であった。
(比較例2)
第1の無機物層を形成せず、基材フィルムに直接ガスバリア樹脂層を厚さ0.07μmで塗布し、その上に無機物層として銅を厚さ220nmで形成した以外は、実施例1と同様な方法でガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。酸素透過率、水蒸気透過率、ラミネート強度のいずれも初期値から不十分であった。
(比較例3)
第1の無機物層として亜鉛を厚さ2nmになるように形成し、ガスバリア樹脂層を形成せず、第2の無機物層として酸化インジウムを厚さ4nmで形成した以外は、実施例1と同様な方法でガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。酸素透過率、水蒸気透過率、ラミネート強度のいずれも初期値から不十分であった。ラミネート強度のいずれも初期値から不十分であった。
(比較例4)
ガスバリア樹脂層用コーティング液として東洋紡(株)有機溶剤可溶型非晶性ポリエステル樹脂(“バイロン”GK640)をメチルエチルケトンに溶解し、固形分濃度を12%としたものを用い、ダイレクトグラビア方式でコーティングして0.6μmのガスバリア樹脂層とした以外は実施例1と同様な方法で比較例のガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。酸素透過率、水蒸気透過率、ラミネート強度の初期値は良かったが、長期熱処理後にいずれも急激に悪化した。
(比較例5)
ガスバリア樹脂層用コーティング液を、東レ(株)製共重合ポリエステル樹脂(「ケミット」(登録商標)K−1294(商品名))をNMPに溶解させ、固形分濃度を12%としたものを用いた以外は比較例4と同様な方法で比較例のガスバリア性フィルムとラミネート体を作製した。酸素透過率、水蒸気透過率、ラミネート強度の初期値は良かったが、長期熱処理後にいずれも急激に悪化した。
実施例で示した結果は、いずれも初期の酸素透過率が0.1cc/m24hr・atm未満、初期の水蒸気透過率が0.1g/m24hr未満、初期のラミネート強度が2N/15mm以上、かつ長期熱処理後の酸素透過率劣化度が10以下、水蒸気透過率劣化度が10以下、ラミネート強度劣化度が0.5以上であり、良好である。
Figure 2015193141
本発明のガスバリア性フィルムによれば、0.1g/m24hr以下の水蒸気バリア性能および0.1cc/m24hr・atm以下の酸素バリア性能、およびこれらのガスバリア性能の長期耐熱性を有するガスバリア性フィルムを実現することができる。その結果、真空断熱材の外装袋として好適に用いることのできるガスバリア性ラミネート体として使用できる。
1:基材フィルム
2:第1の無機物層
3:ガスバリア樹脂層
4:第2の無機物層
5:ガスバリア性フィルム
6:表基材フィルム
7:熱融着フィルム

Claims (9)

  1. 基材フィルムの少なくとも片面に第1の無機物層、ガスバリア樹脂層、第2の無機物層がこの順に積層されたガスバリア性フィルムであって、ガスバリア樹脂層が、(a)不飽和ニトリル、(b)水酸基を有する不飽和化合物、(c)不飽和カルボン酸エステルの3成分を単量体とする共重合体で構成される主剤と、イソシアネート基を有する化合物で構成される硬化剤とで構成されるガスバリア性フィルム。
  2. 前記(a)成分、(b)成分、(c)成分の共重合体中での重量分率がそれぞれ、10〜30重量%、30〜70重量%、20〜60重量%であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記第1の無機物層および第2の無機物層がそれぞれアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素およびこれらの混合物から選ばれる少なくとも一種から形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 前記(a)成分がアクリロニトリルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記(b)成分が、2−ヒドロキシエチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記(c)成分がメチルメタクリレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの第2の無機物層側に表基材フィルムを、基材フィルム側に熱融着フィルムをそれぞれラミネートしたことを特徴とするガスバリア性ラミネート体。
  8. 熱融着フィルムが無延伸ポリプロピレンフィルムまたは直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項7に記載のガスバリア性ラミネート体。
  9. 表基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムのいずれかであることを特徴とする請求項7または8に記載のガスバリア性ラミネート体。
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