JP7228211B1 - 肉様大豆加工食品及びそれを含む加工食品 - Google Patents

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Abstract

BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防する機能性表示食品等として必要される大豆β-コングリシニンを少量で毎日容易に摂取可能な肉様大豆加工食品を提供する。さらに、上記肉様大豆加工食品を用いた総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味等の加工食品を提供する。本発明は、大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有する、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の肉様大豆加工食品である。本発明はまた、上記肉様大豆加工食品を含む、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の加工食品である。【選択図】なし

Description

本発明は、肉様大豆加工食品及びそれを含む加工食品に関し、より詳細には、大豆β-コングリシニンを機能性関与成分とする機能性表示食品用に用いる肉様大豆加工食品及びそれを含む加工食品に関する。
近年の健康志向や環境志向を背景として、動物性タンパク質に代えて植物性タンパク質の需要が高まっている。食品中の機能性成分、その安全性、機能性に関する科学的根拠等の必要な事項を消費者庁に届けることで食品に機能性を表示することができる機能性表示食品制度が、植物性タンパク質を含む様々な健康食品の開発と市場化を積極的に支援している。
植物性タンパク質の一種である大豆β-コングリシニンは、BMI(ボデイマス指数)及び内臓脂肪のような体脂肪関連項目や血中中性脂肪を減少させる機能を持つことが知られている。例えば、非特許文献1は、肥満1度:BMIが25以上30未満である肥満気味の被験者に、大豆β-コングリシニンを4.6g/日又は2.3g/日、12週間にわたって摂取させると、プラセボ群に対してBMIの有意な低下が見られ、また血中中性脂肪値が150~199mg/dlと高めの被験者に、大豆β-コングリシニンを4.6g/日又は2.3g/日、12週間にわたって摂取させると、プラセボ群に対して血中中性脂肪値の有意な低下が見られたと報告している。非特許文献2は、肥満1度の被験者に大豆β-コングリシニンを4.6g/日、20週間にわたって摂取させると、プラセボ群と比較して内臓脂肪の有意な減少が見られたと報告している。
機能性表示食品において大豆β-コングリシニンの機能を発揮させるためには、機能性の科学的根拠となったヒト試験と同等の摂取が必要となる。すなわち、血中中性脂肪やBMIを減らす機能を期待する場合は大豆β-コングリシニン2.3gを12週間継続して摂取すること、内臓脂肪の減少を期待する場合は4.6gを20週間継続摂取することを想定する必要がある。
大豆種子は、7Sグロブリン(β-コングリシニン、γ-コングリシニン等)、11Sグロブリン(グリシニン)、2Sグロブリン(α-コングリシニン、トリプシンインヒビター等)、脂質会合たん白等の大豆タンパク質を約40%含み、大豆タンパク質中の大豆β-コングリシニンの濃度は約41%である(非特許文献3及び4)。2.3g/日の大豆β-コングリシニンを摂取しようとして、豆乳、豆腐、煮豆のような一般の大豆加工食品を長期にわたって毎日食することは、飽きが来るためなかなか難しい。大豆β-コングリシニンを含み、かつさまざまな加工食品のベースとなるような食材が待たれる。
植物性タンパク質を含む食材をエクストルーダー(押出成型機)に投入し、その内部で適宜の水の存在下で加熱加圧しながら混錬し、ダイと呼ばれる出口から押出して膨化させて植物性タンパク質を三次元に組織化した食材が知られている。大豆タンパク質を主原料としてエクストルーダー処理により得られたものは、組織にタンパク質を豊富に含み、食感が畜肉に似ている。肉様の大豆加工食品は、動物性の食肉のように様々な加工食品へ応用できる。
従来、大豆タンパク質を高温高圧下で二軸エクストルーダー処理にかけると、大豆β-コングリシニンのようなタンパク質は熱によって容易に分解又は変性してしまうとの考えが常識であった。例えば、特許文献1には、大豆又は大豆加工品を二軸型エクストルーダーにかけてアレルゲン含有量を約1%程度まで減少させたことが報告されている。特許文献1ではアレルゲンが特定されていないが、非特許文献5に記載されるように大豆に含まれる主要なアレルゲンがグリシニン(11Sグロブリン)、β-コングリシニン(7Sグロブリン)及びトリプシンインヒビター(2Sグロブリン)であることは周知である。非特許文献5はまた、二軸エクストルーダー処理はタンパク質の分子構造(特に大豆タンパク質の高分子量画分)の分解を介して大豆の抗原性を効果的に減少させると報告している。このように、特許文献1や非特許文献5は、大豆及び加工原料を二軸エクストルーダー処理することで、β-コングリシニン等のアレルゲンを積極的に減少させる方法を開示している。
非特許文献6や7では、肉様大豆加工食品の製造条件によってタンパク質がどのように変化するかが検討されている。これらの文献は、大豆β-コングリシニン含有量を測定し、その含有量を高めるための条件を検討していない。実際、肉様大豆加工食品を機能性表示食品とするために必要な量の大豆β-コングリシニンを含んだ機能性表示食品としての肉様大豆加工食品やそれを用いた加工食品(例えば、総菜、弁当等)は、現在知られていない。
特開平5-184308「幼令動物飼料用原料」
肉様大豆加工食品を機能性表示食品として用いるためには、大豆β-コングリシニンの1日の摂取目安量を少量の肉様大豆加工食品で毎日容易に摂取できることが非常に重要となる。そこで、本発明の課題は、機能性表示食品として必要とされる大豆β-コングリシニンを少量で毎日容易に摂取可能な肉様大豆加工食品を提供することである。本発明はさらに、上記肉様大豆加工食品を用いた加工食品(例えば、総菜、弁当等)の機能性表示食品を提供することを目的とする。
従来、肉様大豆加工食品中の大豆β-コングリシニンがほとんど検討されてこなかった。大豆タンパク質中の7Sグロブリンの主成分であるβ-コングリシニンは、アレルギー反応を引き起こす抗原物質であり、低アレルゲンの食品及び飼料を製造する一方法として二軸エクストルーダー処理が検討されてきた。特許文献1や非特許文献5に開示されるように、大豆タンパク質を高温高圧下で二軸エクストルーダー処理すると、大豆β-コングリシニンのようなタンパク質は熱によって容易に分解又は変性してしまうとの考えが常識であった。実際、機能性成分として大豆β-コングリシニンを含有し、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の過多を改善又は予防する機能性表示食品としての肉様大豆加工食品は、全く知られていない。
本発明者等は、上記課題を検討したところ、大豆加工原料の種類、組成及びエクストルーダー処理の条件によっては、肉様大豆加工食品中に一定以上の大豆β-コングリシニンが残存し、すなわち保持され、しかもその量が一定の機能性に基づいた機能性表示食品としての実用化レベルにあることを発見した。本発明者等は、以上の知見に基づいて以下の発明を完成させた。すなわち、本発明は、大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有する、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の肉様大豆加工食品を提供する。本発明の肉様大豆加工食品を従来の肉様大豆加工食品と区別するために、本発明の肉様大豆加工食品は、大豆β-コングリシニンの含有量と大豆β-コングリシニンの機能に基づいた用途とによって限定されている。
前記肉様大豆加工食品は、特に前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする。
前記肉様大豆加工食品は、特に機能性表示食品又は特定保健用食品である。
前記肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.5%以上であることが好ましい。
前記肉様大豆加工食品は、豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆及び大豆粉並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する大豆タンパク質を、乾燥基準で15質量%以上含有することが好ましい。
前記肉様大豆加工食品は、例えば粒状、フレーク状、棒状、麺状、シート状、パフ状、スティック状、ブロック状、ボール状、円筒状、ブリケット状又は不定形塊状の形態を有する。
本発明はまた、大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有する肉様大豆加工食品を含む、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の加工食品を提供する。
前記加工食品は、特に大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする。
前記加工食品は、特に機能性表示食品又は特定保健用食品である。
前記加工食品は、例えば総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味であり得る。
前記加工食品は、例えば乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態に加工又は包装されている。
本明細書において、「BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多を改善する」とは、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の測定値が健常者レベルよりも高い者に対して、摂取前よりも低下させることを意味する。また、「BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多を予防する」とは、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の測定値が健常者レベルの者に対して、健常者レベルよりも高くなることを未然に防止することを意味する。
本発明の肉様大豆加工食品は、動物性の畜肉食材の代替として、そして大豆β-コングリシニンの有効量を比較的容易に摂取できる機能性表示食品等になり得る。すなわち、本発明の肉様大豆加工食品は、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多を改善又は予防するという機能性を表示する機能性表示食品又は特定保健用食品として有用である。
肉様大豆加工食品が機能性表示食品を謳うには、機能性関与成分である大豆β-コングリシニンが機能性を発現する濃度で存在することが必要である。BMI及び血中中性脂肪改善の機能性を表示する食品では、大豆β-コングリシニンの摂取目安量が2.3g/日以上そして、内蔵脂肪改善の機能性を表示する食品では、大豆β-コングリシニンの摂取目安量が、4.6g/日以上である。これらの摂取量を達成するために、本発明の肉様大豆加工食品を乾燥基準で10~100g/日程度を摂取するだけでよい。このような低い摂取量であれば、肉様大豆加工食品をそのまま食することや、他の副材とともに様々な加工食品に作り上げることが極めて容易となる。加工食品の豊富なバリエーションは、本発明の肉様大豆加工食品の長期にわたる日々の摂取を容易にする。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明は、大豆又は大豆加工食品を主原料とし、適宜澱粉等の副原料を加えた原料をエクストルーダー処理することにより三次元に組織化された肉様大豆加工食品である。その栄養成分を以下に説明する。
本発明の肉様大豆加工食品の主成分は、主として大豆に由来するタンパク質である。前記肉様大豆加工食品のタンパク質量は、乾燥基準で通常、20~90質量%でよく、好ましくは20~80質量%、さらに好ましくは30~75質量%である。タンパク質量が過少であると、エクストルーダー処理後の肉様組織が脆弱となり、肉質感が薄れる。また、動物性タンパク源の代替としての価値も低下する。逆に、タンパク質量が過剰であると、エクストルーダー処理による組織化が困難になる、硬くなり食感が変わる等の問題を生じることがある。
前記肉様大豆加工食品の大豆タンパク質量は、乾燥基準で通常、15~90質量%でよく、好ましくは20~80質量%であり、さらに好ましくは30~75質量%である。大豆タンパク質量は、タンパク質量の範囲内であるが、多いことの問題は特にない。大豆タンパク質量が過少であると、摂取推奨量の大豆β-コングリシニン量を容易に確保できない等の問題を生じる。
本発明の肉様大豆加工食品は、脂質を含むことが好ましい。脂質は、肉様大豆加工食品のジューシー感や食感の向上に寄与する。脂質量は、乾燥基準で通常、0~40質量%でよく、好ましくは0.5~35質量%である。脂質量が過少であると、肉様大豆加工食品の組織が硬くなりやすく、逆に、過剰であると、脂質が組織から滲み出る等の問題を生じる。低脂質の脱脂大豆や大豆タンパクを用いて肉様加工食品を作製する場合、通常、一定量の脂質が補充される。脂質の供給源として、植物油や脂質を含有する大豆加工原料、例えば豆腐及び凍り豆腐並びにそれらの中間生成物やおからが含まれる。
原料の炭水化物量は、乾燥基準で通常、0~45質量%でよく、好ましくは0.5~40質量%である。炭水化物が少ないことの問題は特にない。炭水化物量が過剰であると、肉様大豆加工食品の大豆タンパク質量や大豆β-コングリシニン量が低下する、肉様感が薄れる、柔らかくなり過ぎる等の問題を生じることがある。
本発明の肉様大豆加工食品は、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種を改善することに特化された食材又は食品である。このような食材又は食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品であり得る。
BMI及び/又は血中中性脂肪値の改善は、例えば脂肪酸分解促進、脂肪酸合成阻害及び中性脂肪の吸収阻害の少なくとも一種に基づく。内蔵脂肪の改善は、例えば肝臓内における脂肪酸の再合成分解作用や分解促進作用に基づいている。
本発明の肉様大豆加工食品は、上記機能性を発揮するために、前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されることが推奨される。
本発明の肉様大豆加工食品は、上記所定の機能を有する機能性表示食品等として使用されるために、大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有する。
レストランや冷凍食品で提供されるハンバーグは、1食分として、通常、150g、200g又は300gの量で用意されている。200gのハンバーグを肉様大豆加工食品から用意する場合、その乾燥重量は80gとなる。150gのハンバーグを肉様大豆加工食品から用意すると、その乾燥重量は50gとなる。
BMI又は血中中性脂肪値の過多の改善又は予防するための機能性表示食品として、2.3gの大豆β-コングリシニンを200gのハンバーグで摂取するためには、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン濃度は、乾燥基準で2.9質量%以上必要である。本発明の肉様大豆加工食品は、3質量%以上の大豆β-コングリシニン濃度を有するので、上記機能性表示食品として提供可能である。
同様に、2.3gの大豆β-コングリシニンを150gのハンバーグで摂取するためには、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン濃度は、乾燥基準で4.6質量%以上必要である。したがって、本発明の肉様大豆加工食品は、BMI又は血中中性脂肪値の過多の改善又は予防するために、好ましくは乾燥基準で5質量%以上の大豆β-コングリシニン濃度を有する。
内蔵脂肪の過多の改善又は予防するための機能性表示食品として、4.6gの大豆β-コングリシニンを200gのハンバーグで摂取するためには、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン濃度は、乾燥基準で5.8質量%以上必要である。本発明の肉様大豆加工食品は、内蔵脂肪の過多を改善又は予防するために、さらに好ましくは乾燥基準で6質量%以上の大豆β-コングリシニン濃度を有する。
本発明の肉様大豆加工食品の応用例を表1に示す。本発明の肉様大豆加工食品は、乾燥基準で3質量%以上、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上の大豆β-コングリシニンを含有しており、BMI、血中中性脂肪又は内蔵脂肪の過多の改善又は予防のための機能性表示食品として推奨される量の大豆β-コングリシニンを容易に摂取することができる。
したがって、上記肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニンの含有量は、乾燥基準で3質量%以上、好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは6質量%以上、特に好ましくは10質量%以上である。肉様大豆加工食品中の大豆β-コングリシニンの濃度が高くなればなるほど、肉様大豆加工食品を用いた加工食品の範囲が広がる点で有利である。肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン含有量の上限は特にないが、通常、乾燥基準で20質量%未満である。
上記肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率は、通常5.5%以上であり、好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは15%以上であり、特に好ましくは20%以上である。この比率が高いほど、肉様大豆加工食品の1日当たりの摂取目安量が低くなるとともに、それを含む加工食品への応用もし易くなる。大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率の上限は特にないが、通常、40%未満である。
上記肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質の比率は、通常6%以上であり、好ましくは10%以上であり、さらに好ましくは15%以上、特に好ましくは20%以上である。この比率が高いほど、肉様大豆加工食品の1日当たりの摂取目安量が低くなるとともに、それを含む加工食品への応用もし易くなる。大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質の比率の上限は特にないが、通常、50%未満である。
本発明の肉様大豆加工食品を製造する方法の例を、以下に説明する。本発明の肉様大豆加工食品の主原料は、大豆加工食品又はその中間生成物である。大豆加工食品の具体例には、豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆、大豆粉、生大豆、浸漬大豆、豆乳等が挙げられる。乾燥した生大豆を水に浸漬することで得た浸漬大豆は、エクストルーダーでの混錬が容易になる。豆乳は、大豆加工食品であり、そして豆腐の中間生成物である。好ましくは、本発明の肉様大豆加工食品は、豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆及び大豆粉並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種である。特に好ましくは、本発明の肉様大豆加工食品は、豆腐及び凍り豆腐並びにそれらの中間生成物に由来する大豆タンパク質を含む。
脱脂大豆は、圧搾法、抽出法又は圧抽法によって大豆の脂質を通常、1~2%まで下げたものである。抽出には、n-ヘキサン等有機溶剤が用いられる。脱脂大豆は、タンパク質、ホエー及びおからを含み、タンパク質分はおよそ50%である。脱脂大豆は、乾燥後、粉末状又は粒状に加工される。
大豆たん白の例には、抽出大豆たん白、濃縮大豆たん白、及び分離大豆たん白が挙げられる。抽出大豆たん白は、脱脂大豆からタンパク質及びホエーを抽出した粉末であり、タンパク質分はおよそ60%である。濃縮大豆たん白は、脱脂大豆からタンパク質及びおからを濃縮して乾燥した粉末であり、タンパク質分はおよそ65%である。分離大豆たん白は、脱脂大豆からタンパク質を分離して乾燥した粉末であり、タンパク質分が通常90質量%と高い。
豆腐は、通常、大豆→水中への浸漬→磨砕(生呉)→100℃前後での加熱(煮呉)→絞り(濾過)の工程によって豆乳とおからを作り、分別された豆乳に酸や塩等の凝固剤を用いて凝固させることにより得られる。豆腐は、凝固工程の違いによって木綿豆腐、ソフト豆腐、絹ごし豆腐、充てん豆腐等に細分化される。豆腐は、通常、50~90%の水分を含む。豆乳は、通常、90質量%程度の水分を含む。豆腐や豆乳の水分は、本発明の肉様大豆加工食品の製造時に必要な水分の供給源として有効利用される。
凍り豆腐は、通常、豆腐→凍結熟成→解凍→脱水→乾燥の工程で製造される。凍り豆腐は、上記工程の凍結熟成後、解凍後、脱水後等の中間工程で得られる中間生成物であってもよい。
おからは、豆腐製造において煮呉から豆乳を絞る際の副産物として得られる。おからは、水分を通常、70~80%含む。おからを乾燥すると、水分が5%程度に減少する。乾燥おからを本発明の組成物に添加することで、組成物の水分を調整することができる。したがって、本発明の組成物には、おからとその乾燥物のいずれも使用できるが、好ましくは乾燥おからである。おからは廃棄されることが多く、市販されていても安価なので、組成物の原料単価を下げ、資源の有効利用の点で好都合である。
大豆粉は、生又は低温加熱や焙煎した全粒又は脱皮の大豆を粉末状に挽くことにより得られる穀粉である。大豆β-コングリシニンの熱分解・変性を防止する点で生又は低温加熱の大豆の大豆粉が好ましい。
上記肉様大豆加工食品の原料は、肉様組織からの脂質の滲出を防ぐ点で、脂質の外部供給が必要な脱脂大豆や大豆たん白よりも、脂質を内包している豆腐及び凍り豆腐並びにそれらの中間生成物やおからが好ましい。また、原料は、高炭水化物量の大豆粉、おから及び脱脂大豆よりも、低炭水化物量の豆腐、凍り豆腐及び豆乳が好ましい。したがって、上記肉様大豆加工食品の原料は、好ましくは豆腐及び/又は凍り豆腐若しくはその中間生成物又は変形加工物のように大豆タンパク質と脂質とが乳化した状態であり、適宜、凝集しているものを含むとよい。得られる肉様大豆加工食品は、高タンパク質かつ高脂質となり、脂質が容易に漏出せず、脱脂大豆や大豆たん白と比べて大豆β-コングリシン/大豆タンパク質の比率が高く、かつ異風味が少ない点で有利である。本発明の肉様大豆加工食品において、豆腐及び凍り豆腐並びにそれらの中間生成物に由来する大豆タンパク質は、乾燥基準で好ましくは10質量%以上、特に好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。
本発明の肉様大豆加工食品は、大豆タンパク質以外のタンパク質を本発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。ここで、「本発明の効果を阻害しない」とは、肉様大豆加工食品が組織化を維持する、肉様大豆加工食品の風味や食感の悪化を招かない、原料コストの増大とならない等を意味する。
その他の植物性タンパク質源としては、エンドウ豆、米、大麦、小麦、菜種、綿実、落花生、ゴマ、サフラワー、向日葵、紅花、ココナッツ等の大豆以外の穀粉、あるいはそれらの抽出又は分離タンパク質が挙げられる。動物性タンパク源としては、卵白、カゼイン、ゼラチン、コラーゲン、フィッシュミール等が挙げられる。これらのタンパク源は、抽出又は分離タンパク質に熱処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理等を施した加工物であってもよい。その他のタンパク質原料を用いる場合、本発明の組成物から得られる肉様大豆加工食品を植物由来にする点で、植物性タンパク質源が好ましい。
本発明の肉様大豆加工食品は、さらに澱粉質を含んでもよい。本発明の肉様大豆加工食品に澱粉質が含まれることで、肉様大豆加工食品の保水性を高めてジューシーにする、組織化や繊維感を高める、弾力性のような食感を向上させる、タンパク質同志を結着させる等のことができる。
澱粉質源の例には、バレイショ、コーン、米、小麦、大麦、オーツ、ライ麦、燕麦、蕎麦、タピオカ、キャッサバ、甘蔗、及びこれらの加工澱粉が挙げられる。加工澱粉には、エーテル化、エーテル架橋、リン酸エステル化、リン酸架橋、α化、ばい焼、加水分解、及び油脂加工を含む。好ましい澱粉質源は、米粉である。
本発明の肉様大豆加工食品は、その他の汎用される副原料を、本発明の効果を阻害しない範囲で添加可能である。そのような副原料の例には、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、寒天等の増粘剤、油脂、発酵物、塩化ナトリウム等の調味料、L-アスコルビン酸等の酸化防止剤、pH調整剤、還元剤、乳化剤、可塑剤(グリセリン)、香料、着色料等が挙げられる。
上記主原料及び副原料によって供給される栄養成分を以下に説明する。エクストルーダー処理により得られる肉様大豆加工食品の栄養成分は、水分以外は原料の栄養成分がほぼ保存される。したがって、原料中のタンパク質量は、乾燥基準で通常、20~90質量%でよく、好ましくは20~80質量%である。原料の大豆タンパク質量は、乾燥基準で通常、15~90質量%でよく、好ましくは20~80質量%である。原料中の脂質量は、乾燥基準で通常、0~40質量%でよく、好ましくは0.5~35質量%である。そして、原料の炭水化物量は、乾燥基準で通常、0~45質量%でよく、好ましくは0.5~40質量%である。
本発明の肉様大豆加工食品は、食品粉体原料の膨化や成形をするために加熱、加圧及び混錬する機能を有するエクストルーダーを用いて製造される。エクストルーダーは、大別してフィーダー、バレル、スクリュー及びダイの4つからなる。スクリューには一軸型及び二軸型がある。成分を不均一に分布させた肉様大豆加工食品を得る目的では、せん断力の弱い一軸型を用いて混錬を緩和にし、そして、均質な肉様大豆加工食品を得る目的では、せん断力の強い二軸型を用いて混錬を厳しくすればよい。ダイのオリフィス形状を、例えば円形、楕円形、角形、多角形、帯状等を適宜選択することにより、押出品の形状を任意に加工できる。
エクストルーダー処理は、フィーダーをエクストルーダーの原料供給口に接続し、このフィーダーにより組成物をエクストルーダー内に送り、エクストルーダーのバレル内において加熱、加圧及び混練を行なわせると、大豆タンパク質が溶融して組織化する。組織化した大豆タンパク質をスクリューで押し出し、ダイのオリフィスを通して大気圧下に開放させることで、大豆タンパク質を膨化させて肉様大豆加工食品に仕上げる。また、冷却機能を有した冷却ダイを用いて、加圧加熱直後に冷却しながら押出成形することで、膨化を弱めて組織化の状態が異なる肉様大豆加工食品に仕上げてもよい。
加圧時のダイ温度は、通常、100~250℃でよく、好ましくは120~170℃、特に好ましくは130~160℃、さらに好ましくは140~150℃となるように設定する。ダイ温度は原料水分と相関し易く、成型状態によって適宜調整される。低温域での成型は、大豆原料中の大豆β-コングリシニンの分解を抑制する点で好ましい。
バレルは、通常、数段に分かれており、原料の投入側からダイに向かって、順次昇温させていく。バレルの最高温度は、ダイの設定温度よりも、通常、10~30℃高く設定すればよい。
加圧時の原料の水分は、通常、15~70質量%、好ましくは20~50質量%である。特許文献1や非特許文献5に記載のエクストルーダー処理では、低水分の原料を用いて、加熱温度を高くし加圧・混錬条件を強くするほど、アレルゲンの分解が進むことが示されている。本発明では、水分を増やし、加熱温度をより低くし、加圧・混錬条件も緩和したエクストルーダー処理によって大豆β‐コングリシニンの分解を抑制する。
加圧時の圧力は、ダイの圧力で、通常、0.01~10MPaでよく、好ましくは0.01~5MPa、特に好ましくは0.01~1MPaである。圧力が過大であると、熱のかかりが良くなるとともにタンパク質に働く剪断力も強くなって大豆β‐コングリシニンの分解が進みやすいと考えられるので、圧力は組織化に影響しない限り低い方が好ましい。
混錬時のスクリュー回転数は、エクストルーダーへの原料供給量やダイの形状にもよるが、通常、30~300rpmでよく、好ましくは150~250rpmである。この範囲で、成型状態により調整すればよい。
供給量(原料、水分込み)は、エクストルーダーのサイズにもよるが、汎用の試験機で、通常30kg/hr以下でよく、好ましくは20kg/hr以下である。バレル内滞在時間は、装置の規模、原料供給量、スクリュー回転数等によるが、通常、1~3分間である。バレル内の滞在時間が長過ぎると、加熱時間も長くなり、大豆β-コングリシニンの分解が進むため、組織化に影響しない限り、バレル内を迅速に通過するのが好ましい。
大豆加工原料や副原料の種類と量や、大豆β-コングリシニン含量、大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質比率、大豆β-コングリシニン/タンパク質比率等によって、エクストルーダー処理条件は変わり得る。エクストルーダー処理によって得られた製品の大豆β-コングリシニン量を、例えば特許6944679の食品中の抗原の定量方法で測定し、その測定値を検討し、必要とされる大豆β-コングリシニン量等が得られるように原料の組成やエクストルーダー処理条件を適宜変更して、最終的に所望の大豆β-コングリシニン含量を有する肉様大豆加工食品を得ることが望ましい。
エクストルーダーから押し出された肉様大豆加工食品の形状は、シート状、棒状、円筒状、フレーク状、粒状等であり得る。これらは、適宜、切断、洗浄、乾燥及び粉砕される。上記肉様大豆加工食品の形状は、例えば粒、フレーク、棒、麺、シート、ブロック、パフ、スティック、ボール、円筒、ブリケット又は不定形塊であり得る。
肉様大豆加工食品は、そのまま冷蔵又は冷凍保存してもよいが、水分が通常10%以下、好ましくは8%以下の乾燥品として保存されることが多い。乾燥状態の肉様大豆加工食品は調理時に水で戻して使用される。
本発明はまた、上記肉様大豆加工食品を含むBMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多を改善又は予防するための加工食品を提供する。
推奨量2.3g/日の大豆β-コングリシニンを摂取するために、本発明の肉様大豆加工食品の量(乾燥基準)とそれを含む加工食品の例を表1にまとめる。
Figure 0007228211000001
表1は、肉をベースとする総菜などの加工食品を幅広く包含する。本発明の肉様大豆加工食品を含む加工食品を日々変えることで、機能性の発現に必要な大豆β-コングリシニン量を長期にわたって毎日摂取することが容易となる。したがって、本発明の肉様大豆加工食品やそれを含む加工食品の機能性表示食品用途は、産業上の利用性の点で極めて有意義である。
本発明の肉様大豆加工食品及びそれを含む加工食品は、乾燥品、冷蔵品、冷凍品、レトルト品等のいずれの形態でもよい。
本発明の肉様大豆加工食品及びそれを含む加工食品は、例えば乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態で加工又は包装される。
〔実施例1~7〕
肉様大豆加工食品を作製するために、表2に示す原料を用意した。
Figure 0007228211000002
上記原料を表3に示す配合で混合した。比較例1及び実施例1は、非大豆由来のタンパク質原料であるエンドウたん白を多く配合して、大豆β-コングリシニン量を確認するために実施した。比較例1では、エンドウたん白の割合が40%になるように配合したが、実施例1では25%になるように配合している。実施例2~7並びに比較例2では、種々の大豆由来の原料を用いた場合の大豆β-コングリシニン量について確認した。実施例2では、大豆由来の原料として、大豆粉、豆腐、凍り豆腐、乾燥おからを配合した。実施例3~4並びに比較例2では、脱脂大豆のみを配合した。実施例5では、豆腐、凍り豆腐、乾燥おからを配合した。実施例6~7では、凍り豆腐、乾燥おからを配合した。
この混合物を二軸エクストルーダー(製品名:KEI-45-25、株式会社幸和工業製、スクリュー直径:45mm、L/D:25、オリフィス形状:内径5mmの円形)に投入して、肉様大豆加工食品を作製した。肉様大豆加工食品へ組織化する条件は以下のとおりであった。
エクストルーダーへの供給量は、比較例1、実施例1、2、5~7では、水も含めて表3の配合に従って、予めミキサーで混合した混合物を17kg/hrで供給した。エクストルーダー内での水添加は行わなかった。実施例3~4及び比較例2では、脱脂大豆粉を17kg/hrで供給し、エクストルーダー内で3kg/hrで水を添加して、混合・混錬した。
各実施例及び比較例のスクリュー回転数は、組織化の状態を確認しながら180~220rpmの範囲で調整した。ダイ出口での圧力は、0.01~1MPaであった。
肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン量が、エクストルーダーの条件に依存するか否かを調べた。具体的には、比較例1及び実施例1~3、5及び6では、バレル温度を低温側から高温側へ60~160℃の範囲で設定し、肉様大豆加工食品の作製時のダイ温度が140~150℃と比較的低温になるように調整した。実施例4では、実施例3と同一の原料を用いて、バレル温度を低温側から高温側へ70~180℃の範囲で設定し、ダイ温度が150~160℃とやや高温になるように調整した。比較例2では、実施例3と同一の原料を用いて、バレル温度を低温側から高温側へ80~200℃の範囲で設定し、ダイ温度が170~180℃とさらに高温になるように調整した。また、実施例7では、実施例6と同一の組成の原料を用いて、実施例7のバレル温度を低温側から高温側へ80~200℃の範囲で設定し、ダイ温度が170~180℃と比較的高温になるように調整した。実施例及び比較例の原料組成、原料栄養成分組成及びエクストルーダー処理温度を表3に示す。
Figure 0007228211000003
上記エクストルーダー処理により得られた肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン量を、特許6944679に記載の方法に従って測定した。また、肉様大豆加工食品のタンパク質量を窒素蛋白定量装置(デュマサームN Pro、ゲルハルトジャパン株式会社)を用いて測定した。一方、肉様大豆加工食品の大豆タンパク質量は、タンパク質測定値と原料組成から試算した。これらの結果を表4に示す。表4には、タンパク質量又は大豆タンパク質量に対する大豆β-コングリシニン量の比率を併記する。
Figure 0007228211000004
表4に示すとおり、比較例1は、大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質の比率が25.2%と高いものの、非大豆由来のタンパク質を多く含むために大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.2%と低くなり、その結果、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン量は乾燥基準で3質量%未満となった。
一方、実施例1では、大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質の比率が22.9%と高く、大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率も8.3%に改善され、その結果、大豆β-コングリシニン量の測定値は3質量%以上確保された。これまで、大豆β-コングリシニンは、エクストルーダーでの高温高圧処理によって分解され、ほとんど残らないと考えられてきた。しかし、実施例1のように、大豆タンパク質を一定以上含む原料を使用することで、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン量を乾燥基準で3質量%以上確保可能なことが判明した。
組成は異なるが同じエクストルーダー処理条件の実施例2、3、5及び6を見ると、大豆β-コングリシニン量が8.2~13.5質量%の肉様大豆加工食品を作製でき、しかも大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が16.3~27.2%、そして大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質の比率が16.3~28.0%と高い値を示した。以上の結果から、大豆由来の原料の種類を問わず主として用いることで、大豆β-コングリシニンを多量に含む肉様大豆加工食品を作製できることが確認された。
さらに、主に豆腐や凍り豆腐を用いた実施例5及び6と脱脂大豆を用いた実施例3とを対比すると、大豆β-コングリシニン量及び大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質の比率は実施例5及び6が実施例3よりも高くなった。これは、豆腐や凍り豆腐は、大豆タンパク質と脂質とが乳化している状態で凝集しているので、肉様へ組織化される時に大豆β-コングリシニンの分解が抑制されていることを示唆する。すなわち、豆腐や凍り豆腐は、大豆β-コングリシニン/大豆タンパク質の比率を高める。
また、主に豆腐や凍り豆腐を用いた実施例5及び6とおから及び大豆粉の配合量を高めた実施例2とを対比すると、大豆タンパク質量及び大豆β-コングリシニン量は実施例5及び6が実施例2よりも高くなった。これは、おからや大豆粉は食物繊維等の炭水化物を多量に含有するためと考えられる。
以上の結果から、豆腐及び凍り豆腐並びにそれらの中間生成物は、肉様大豆加工食品のβ-コングリシニンの質及び量を高める点で原料として総合的に優れるといえる。
同一の原料組成でありがら、エクストルーダー処理温度の異なる実施例3~4及び比較例2を比較すると、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン量は、それぞれ実施例3で8.8質量%、実施例4で3.7質量%、そして比較例2で1.3質量%となり、ダイ温度が高いほど大豆β-コングリシニン量が減少した。エクストルーダー供給前の原料の大豆β-コングリシニン量は乾燥基準で11.5質量%あった。したがって、原料をエクストルーダー処理することで、大豆β-コングリシニンが比較例2で88.7%、実施例4で67.8%、そして実施例3で23.5%減少したことになる。すなわち、エクストルーダー処理温度、特にダイ温度が高くなるほど、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニンが減少することが判明した。
また、同一の原料組成でありがら、バレル温度やダイ温度が比較的低温の実施例6と比較的高温の実施例7とを対比すると、肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン量は、それぞれ11.1質量%及び3.7質量%と大きく変動した。エクストルーダー供給前の原料は大豆β-コングリシニン量が乾燥基準で13.6質量%あったので、原料を肉様大豆加工食品に加工することで大豆β-コングリシニンが実施例7では72.8%減少したのに対して、実施例6では18.4%の減少に留まった。肉様大豆加工食品の原料を変えても、エクストルーダー処理温度、特にダイ温度が高くなるほど大豆β-コングリシニンが減少することが確認された。
これらの結果から、ダイ温度、バレル温度等のエクストルーダー条件が肉様大豆加工食品の大豆β-コングリシニン量に大きく影響することがわかる。
〔製造例1〕(ハンバーグ)
実施例4又は5で作製した肉様大豆加工食品を用いて、ハンバーグ加工食品を調理した、材料の配合表を表5に示す。
Figure 0007228211000005
上記レシピの調理例を以下に説明する。まず、肉様大豆加工食品を4倍の水で3分で戻す。肉様大豆加工食品をザルに空け、絞って水気を切る。みじん切りにして炒めた玉ねぎ、にんにく、塩、及び胡椒を肉様大豆加工食品に投入し、よく混ぜる。さらにつなぎの小麦粉を添加して、よく混ぜた後、小判形のハンバーグ成形する。生のハンバーグを中火で片面3分半ぐらいずつ焼く。少量の水で蒸し焼きにし、しっかり火を通す。
〔製造例2〕(唐揚げ)
実施例4で作製した肉様大豆加工食品を用いて、唐揚げ加工食品を調理した、材料の配合表を表6に示す。
Figure 0007228211000006
上記レシピの調理例を以下に説明する。まず、肉様大豆加工食品を6倍の水で20分戻す。肉様大豆加工食品をザルに空け、絞って水気を切る。醤油、酒、生姜及びにんにくを肉様大豆加工食品へ投入し、よく混ぜ合わせる。汁気を切らずに小麦粉と片栗粉を入れて、なじむまで和える。生の唐揚げを170℃に熱した揚げ油でこんがりときつね色になるまで揚げ、油切りをする。
〔製造例3〕(ドライカレー)
実施例3で作製した肉様大豆加工食品を用いて、ドライカレー加工食品を調理した、材料の配合表を表7に示す。
Figure 0007228211000007
上記レシピの調理例を以下に説明する。まず、肉様大豆加工食品を4倍の水で3分で戻す。肉様大豆加工食品をザルに空け、絞って水気を切る。玉ねぎ及びにんじんをみじん切りにする。油を引いたフライパンに、にんじん、にんにく、玉ねぎを入れ炒める。肉様大豆加工食品を入れ、火を通し、軽く塩コショウを振る。火が通ったらカレーパウダーを全体に振りかけ、ウスターソースを1周回しかける。
本発明はさらに、以下の実施の形態を含む。
A1. 大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そしてBMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防するための肉様大豆加工食品における大豆β-コングリシニンの非治療的使用であって、前記大豆β-コングリシニンの含有量は、前記肉様大豆加工食品に対して乾燥基準で3質量%以上であることを特徴とする、前記大豆β-コングリシニンの非治療的使用。
A2. 前記肉様大豆加工食品は、大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、A1項に記載の大豆β-コングリシニンの非治療的使用。
A3. 前記肉様大豆加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、D1項に記載の大豆β-コングリシニンの非治療的使用。
A4. 前記肉様大豆加工食品は、大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.5%以上である、A1項に記載の大豆β-コングリシニンの非治療的使用。
A5. 前記肉様大豆加工食品は、豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆及び大豆粉並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する大豆タンパク質を、乾燥基準で15質量%以上含有する、A1項に記載の大豆β-コングリシニンの非治療的使用。
A6. 前記肉様大豆加工食品は、粒状、フレーク状、棒状、麺状、シート状、パフ状、スティック状、ブロック状、ボール状、円筒状、ブリケット状又は不定形塊状のいずれかの形態を有する、A1項に記載の大豆β-コングリシニンの非治療的使用。
A7. BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防するための加工食品における肉様大豆加工食品の非治療的使用であって、前記肉様大豆加工食品は、大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有することを特徴とする、前記肉様大豆加工食品の非治療的使用。
A8. 前記加工食品は、大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、A7項に記載の肉様大豆加工食品の非治療的使用。
A9. 前記加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、A7項に記載の肉様大豆加工食品の非治療的使用。
A10. 前記加工食品は、総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味である、A7項に記載の肉様大豆加工食品の非治療的使用。
A11. 前記加工食品は、乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態に加工又は包装されている、A7項に記載の肉様大豆加工食品の非治療的使用。
B1. 大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そしてBMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防するための肉様大豆加工食品の加工において大豆β-コングリシニンを保持させることを含み、前記大豆β-コングリシニンの含有量は、前記肉様大豆加工食品に対して乾燥基準で3質量%以上であることを特徴とする、大豆β-コングリシニンの使用方法。
B2. 前記肉様大豆加工食品は、前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、B1項に記載の方法。
B3. 前記肉様大豆加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、B1項に記載の方法。
B4. 前記肉様大豆加工食品は、大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.5%以上である、B1項に記載の方法。
B5. 前記肉様大豆加工食品は、豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆及び大豆粉並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する大豆タンパク質を、乾燥基準で15質量%以上含有する、B1項に記載の方法。
B6. 前記肉様大豆加工食品は、粒状、フレーク状、棒状、麺状、シート状、パフ状、スティック状、ブロック状、ボール状、円筒状、ブリケット状又は不定形塊状のいずれかの形態を有する、B1項に記載の方法。
B7. BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防するための加工食品に肉様大豆加工食品を含めるステップを含み、前記肉様大豆加工食品は、大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有することを特徴とする、肉様大豆加工食品の使用方法。
B8. 前記加工食品は、前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、B7項に記載の方法。
B9. 前記加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、B7項に記載の方法。
B10. 前記加工食品は、総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味である、B7項に記載の方法。
11. 前記加工食品は、乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態に加工又は包装されている、B7項に記載の方法。
C1. 大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを含有する肉様大豆加工食品をヒトに摂取させることを含み、前記大豆β-コングリシニンの含有量は、前記肉様大豆加工食品に対して乾燥基準で3質量%以上であることを特徴とする、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多を改善又は予防する方法。
C2. 前記肉様大豆加工食品は、前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、C1項に記載の方法。
C3. 前記肉様大豆加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、C1項に記載の方法。
C4. 前記肉様大豆加工食品は、大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.5%以上である、C1項に記載の方法。
C5. 前記肉様大豆加工食品は、豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆及び大豆粉並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する大豆タンパク質を、乾燥基準で15質量%以上含有する、C1項に記載の方法。
C6. 前記肉様大豆加工食品は、粒状、フレーク状、棒状、麺状、シート状、パフ状、スティック状、ブロック状、ボール状、円筒状、ブリケット状又は不定形塊状のいずれかの形態を有する、C1項に記載の方法。
C7. 肉様大豆加工食品を含有する加工食品をヒトに摂取させることを含み、前記肉様大豆加工食品は、大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有することを特徴とする、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多を改善又は予防する方法。
C8. 前記加工食品は、前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、C7項に記載の方法。
C9. 前記加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、C7項に記載の方法。
C10. 前記加工食品は、総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味である、C7項に記載の方法。
C11. 前記加工食品は、乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態に加工又は包装されている、C7項に記載の方法。
D1. 大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有する、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の肉様大豆加工健康機能食品。
D2. 前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、D1項に記載の肉様大豆加工食品組成物。
D3. 機能性表示食品又は特定保健用食品である、D1項に記載の肉様大豆加工健康機能食品。
D4. 大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.5%以上である、D1項に記載の肉様大豆加工健康機能食品。
D5. 豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆及び大豆粉並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する大豆タンパク質を、乾燥基準で15質量%以上含有する、D1項に記載の肉様大豆加工健康機能食品。
D6. 粒状、フレーク状、棒状、麺状、シート状、パフ状、スティック状、ブロック状、ボール状、円筒状、ブリケット状又は不定形塊状のいずれかの形態を有する、D1項に記載の肉様大豆加工健康機能食品。
D7. 大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有する肉様大豆加工食品を含む、BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の健康機能食品。
D8. 前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、A7項に記載の健康機能食品。
A9. 機能性表示食品又は特定保健用食品である、D7項に記載の健康機能食品。
D10. 総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味である、D7項に記載の健康機能食品。
D11. 乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態に加工又は包装されている、D7項に記載の健康機能食品。
E1. 大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そしてBMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防する肉様大豆加工食品の調製における大豆β-コングリシニンの用途であって、前記大豆β-コングリシニンの含有量は、前記肉様大豆加工食品に対して乾燥基準で3質量%以上であることを特徴とする、前記大豆β-コングリシニンの用途。
E2. 前記肉様大豆加工食品は、前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、第1項に記載の大豆β-コングリシニンの用途。
E3. 前記肉様大豆加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、E1項に記載の大豆β-コングリシニンの用途。
E4. 前記肉様大豆加工食品は、大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.5%以上である、E1項に記載の大豆β-コングリシニンの用途。
E5. 前記肉様大豆加工食品は、豆腐、凍り豆腐、おから、大豆たん白、脱脂大豆及び大豆粉並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する大豆タンパク質を、乾燥基準で15質量%以上含有する、E1項に記載の大豆β-コングリシニンの用途。
E6. 前記肉様大豆加工食品は、粒状、フレーク状、棒状、麺状、シート状、パフ状、スティック状、ブロック状、ボール状、円筒状、ブリケット状又は不定形塊状のいずれかの形態を有する、E1項に記載の大豆β-コングリシニンの用途。
E7. BMI、血中中性脂肪及び内蔵脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防する加工食品の調製における肉様大豆加工食品の用途であって、前記肉様大豆加工食品は、大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で押し出すことで得られ、そして大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有することを特徴とする、前記肉様大豆加工食品の用途。
E8. 前記加工食品は、前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、E7項に記載の肉様大豆加工食品の用途。
E9. 前記加工食品は、機能性表示食品又は特定保健用食品である、E7項に記載の肉様大豆加工食品の用途。
E10. 前記加工食品は、総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味である、E7項に記載の肉様大豆加工食品の用途。
E11. 前記加工食品は、乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態に加工又は包装されている、E7項に記載の肉様大豆加工食品の用途。

Claims (11)

  1. 豆腐、凍り豆腐、おから、抽出大豆たん白、濃縮大豆たん白、分離大豆たん白、脱脂大豆、大豆粉及び生大豆並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で、前記大豆加工原料に由来する大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有するように押し出すことで得られる、前記大豆β-コングリシニンの含有量に基づいたBMI、血中中性脂肪及び内臓脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の肉様大豆加工食品。
  2. 前記大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、請求項1に記載の肉様大豆加工食品。
  3. 前記大豆β-コングリシニンの含有量が表示された機能性表示食品又は特定保健用食品である、請求項1に記載の肉様大豆加工食品。
  4. 大豆β-コングリシニン/タンパク質の比率が5.5%以上である、請求項1に記載の肉様大豆加工食品。
  5. 豆腐、凍り豆腐、おから、抽出大豆たん白、濃縮大豆たん白、分離大豆たん白、脱脂大豆、大豆粉及び生大豆並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種に由来する大豆タンパク質を、乾燥基準で15質量%以上含有する、請求項1に記載の肉様大豆加工食品。
  6. 粒状、フレーク状、棒状、麺状、シート状、パフ状、スティック状、ブロック状、ボール状、円筒状、ブリケット状又は不定形塊状のいずれかの形態を有する、請求項1に記載の肉様大豆加工食品。
  7. 豆腐、凍り豆腐、おから、抽出大豆たん白、濃縮大豆たん白、分離大豆たん白、脱脂大豆、大豆粉及び生大豆並びにそれらの中間生成物からなる群から選ばれる少なくとも一種の大豆加工原料を含む原料をエクストルーダーにより加熱加圧下で、前記大豆加工原料に由来する大豆β-コングリシニンを乾燥基準で3質量%以上含有するように押し出すことで得られる肉様大豆加工食品を含む、前記大豆β-コングリシニンの含有量に基づいたBMI、血中中性脂肪及び内臓脂肪の少なくとも一種の過多の改善又は予防用の加工食品。
  8. 大豆β-コングリシニンが一日当たり2.3g以上で摂取されるように用いられることを特徴とする、請求項7に記載の加工食品。
  9. 前記大豆β-コングリシニン含有量が表示された機能性表示食品又は特定保健用食品である、請求項7に記載の加工食品。
  10. 総菜、弁当、スナック菓子、インスタント食品、酒肴又は珍味である、請求項7に記載の加工食品。
  11. 乾燥食品、レトルト食品、冷蔵・冷凍食品、腸詰、缶詰又はビン詰の形態に加工又は包装されている、請求項7に記載の加工食品。
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廣塚元彦: "大豆利用の現状と今後の課題−育種に期待すること−", 日本食品科学工学会誌, vol. 59, no. 8, JPN6022043434, 2012, pages 424 - 428, ISSN: 0004980264 *
河野光登ほか,大豆β-コングリシニンによるメタボリックシンドローム予防・改善効果,ニューフードインダストリー,Vol.49, No.11,株式会社食品資材研究会,2007年,Page.9-20
河野光登ほか: "大豆β−コングリシニンによるメタボリックシンドローム予防・改善効果", ニューフードインダストリー, vol. 49, no. 11, JPN6022043435, 2007, pages 9 - 20, ISSN: 0004980265 *

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