以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における蒸気弁駆動装置、蒸気弁装置および蒸気タービンプラントについて説明する。
図1~図7を用いて、本実施の形態における蒸気弁駆動装置、蒸気弁装置および蒸気タービンプラントについて説明する。ここではまず、図1を用いて、本実施の形態における蒸気弁駆動装置および蒸気弁装置が適用可能な蒸気タービンプラントの一例について説明する。
図1に示すように、蒸気タービンプラント1は、蒸気を発生させるボイラー2と、ボイラー2で発生した蒸気で回転駆動力を得る蒸気タービン3と、蒸気タービン3から排出された蒸気を凝縮する復水器4と、を備えている。
ボイラー2は、復水器4から供給された復水を加熱して蒸気を発生させる蒸気発生器5と、後述する高圧タービン7で膨張仕事を終えた主蒸気S1を再加熱する再熱器6と、を有している。ボイラー2は、供給される燃料を、空気を混合させて燃焼させて燃焼ガスを生成し、生成された燃焼ガスの熱で、蒸気発生器5において復水から蒸気を発生させるとともに、再熱器6において蒸気を再加熱している。
蒸気タービン3は、高圧タービン7と、中圧タービン8と、低圧タービン9と、を有している。高圧タービン7のタービンロータ、中圧タービン8のタービンロータおよび低圧タービン9のタービンロータ(いずれも図示せず)は、互いに連結されている。
蒸気発生器5において発生した蒸気は、主蒸気S1として、主蒸気ライン10を介して高圧タービン7に供給される。主蒸気ライン10は、主蒸気止め弁20と、主蒸気止め弁20の下流側に設けられた蒸気加減弁21と、を有している。このうち、主蒸気止め弁20は、主に蒸気タービン3の非常時に主蒸気S1の流れを止めるための弁であり、蒸気加減弁21は、主に高圧タービン7に供給される主蒸気S1の流量を調整(制御)するための弁である。高圧タービン7は、蒸気発生器5から供給される主蒸気S1を用いて回転駆動される。すなわち、高圧タービン7に供給された主蒸気S1は膨張仕事を行い、高圧タービン7は回転駆動力を得る。膨張仕事を終えた主蒸気S1は、逆止弁11を有する低温再熱ライン12を通って再熱器6に供給される。
再熱器6において再加熱された蒸気は、再熱蒸気S2として、再熱蒸気ライン13を介して中圧タービン8に供給される。再熱蒸気ライン13は、再熱蒸気止め弁22と、再熱蒸気止め弁22の下流側に設けられたインターセプト弁23(再熱蒸気加減弁)と、を有している。このうち、再熱蒸気止め弁22は、主に蒸気タービン3の非常時に再熱蒸気S2の流れを止めるための弁であり、インターセプト弁23は、主に中圧タービン8に供給される再熱蒸気S2の流量を調整(制御)するための弁である。中圧タービン8に供給された再熱蒸気S2は膨張仕事を行い、中圧タービン8は回転駆動力を得る。膨張仕事を終えた再熱蒸気S2は、低圧タービン9に供給されて更に膨張仕事を行い、その後、タービン排気として復水器4に供給される。
復水器4に供給されたタービン排気は、凝縮されて復水となる。復水器4とボイラー2の蒸気発生器5は、給水ライン14によって連結されており、この給水ライン14が、給水ポンプ15を有している。このことにより、復水器4内の復水は、給水ポンプ15によって加圧されてボイラー2の蒸気発生器5に供給される。
蒸気タービンプラント1は、蒸気タービン3の回転駆動力で発電を行う発電機16を更に備えている。上述したように、高圧タービン7、中圧タービン8および低圧タービン9の回転駆動力を得ることにより、発電機16が駆動されて、発電が行われる。
上述した主蒸気ライン10のうち主蒸気止め弁20の上流側の部分から、高圧タービンバイパスライン17が分岐している。この高圧タービンバイパスライン17は、高圧タービンバイパス弁24を有し、低温再熱ライン12に合流している。このようにして、主蒸気S1が、高圧タービン7に供給されることなく低温再熱ライン12に供給可能になっている。例えば、タービン起動時等に主蒸気S1の圧力や温度が所定の値に達していない場合、または負荷遮断時等に主蒸気S1の流量が過剰になった場合に、高圧タービンバイパス弁24を開いて、余剰の主蒸気S1を低温再熱ライン12に供給するという運用が行われる。
再熱蒸気ライン13のうち再熱蒸気止め弁22の上流側の部分から、低圧タービンバイパスライン18が分岐している。この低圧タービンバイパスライン18は、低圧タービンバイパス弁25を有し、復水器4に連結されている。このようにして、再熱蒸気S2が、中圧タービン8および低圧タービン9に供給されることなく復水器4に供給可能になっている。例えば、高圧タービンバイパス弁24と同様に、タービン起動時等に再熱蒸気S2の圧力や温度が所定の値に達していない場合、または負荷遮断時等に再熱蒸気S2の流量が過剰になった場合に、低圧タービンバイパス弁25が開いて、余剰の再熱蒸気S2を復水器4に供給するという運用が行われる。
このような高圧タービンバイパスライン17および低圧タービンバイパスライン18が設けられていることにより、蒸気タービン3に蒸気を供給させることなく、ボイラー2単独の循環運転が可能になっている。
このように、蒸気タービンプラント1においては、ボイラー2で発生した蒸気の種々の機器に向う流れが形成されている。このような蒸気タービンプラント1における蒸気の流れは、蒸気弁装置30によって制御される。蒸気弁装置30は、図2に示すように、弁体34を有する蒸気弁31と、高圧の作動油を用いて蒸気弁31の弁体34を開閉駆動する蒸気弁駆動装置40と、を備えている。
次に、図2を用いて、本実施の形態による蒸気弁31について説明する。本実施の形態による蒸気弁31の例としては、上述した蒸気タービンプラント1における主蒸気止め弁20、蒸気加減弁21、再熱蒸気止め弁22、インターセプト弁23、高圧タービンバイパス弁24および低圧タービンバイパス弁25などが挙げられる。
図2に示すように、本実施の形態による蒸気弁31は、弁ケーシング32と、弁ケーシング32内に設けられた弁座33と、弁座33に対して接離可能に設けられた弁体34と、を備えている。弁体34には、弁棒35が一体的に接続されている。弁棒35は、カップリング36を介して蒸気弁駆動装置40に連結されている。蒸気弁駆動装置40によって弁体34が弁座33に対して進退可能に移動するようになっている。蒸気弁31の開状態では、弁体34が弁座33から離間し、蒸気弁31の閉状態では、弁体34が弁座33に当接する。
弁ケーシング32の上部に、スタンド37が取り付けられている。このスタンド37の上方には、蒸気弁駆動装置40が配置されている。蒸気弁駆動装置40は、スタンド37に取り付けられている。弁棒35は、スタンド37を貫通している。スタンド37には、弁棒リークオフライン38が設けられており、弁棒35とスタンド37との間の隙間に連通している。弁棒リークオフライン38は、図示しない弁棒リークオフ系統に接続されている。このことにより、弁ケーシング32の内部から当該隙間を通って漏洩するリーク蒸気を回収し、リーク蒸気が外部に放出されることを抑制している。
次に、図2~図5を用いて、本実施の形態における蒸気弁駆動装置40について説明する。ここに示す蒸気弁駆動装置40は、高圧の作動油を用いて蒸気弁31の弁体34を開閉駆動するための油圧駆動装置(油圧アクチュエータ)である。本実施の形態による蒸気弁駆動装置40は、弁棒35を大気側に引き抜くようにして弁体34を弁座33から後退させて蒸気弁31を開くように構成されている。なお、以下では、便宜上、蒸気弁31の上方に蒸気弁駆動装置40が配置され、その上下関係に基づいて蒸気弁駆動装置40の構成について説明する。しかしながら、蒸気弁31と蒸気弁駆動装置40との配置関係は、これに限られることはなく、任意である。例えば、蒸気弁駆動装置40は、蒸気弁31の下方に配置される場合もある。
図2に示すように、本実施の形態による蒸気弁駆動装置40は、蒸気弁31の弁体34を閉方向に押圧する閉鎖ばね50と、蒸気弁31の弁体34を開方向に押圧する複数の油圧シリンダ60と、各々の油圧シリンダ60のピストンロッド63(後述)を弁体34に連結する連結ロッド70と、を備えている。本実施の形態では、一例として、1つの閉鎖ばね50と、2つの油圧シリンダ60と、1つの連結ロッド70とにより構成されている蒸気弁駆動装置40について説明する。
閉鎖ばね50は、円筒状のばね箱51に収容されている。ばね箱51内には、ばね受け52が摺動可能に設けられている。ばね受け52は、カップリング36に取り付けられている。ばね箱51の上端に、ばね蓋53が固定されている。閉鎖ばね50は、ばね受け52とばね蓋53との間に介在されている。閉鎖ばね50の閉方向(弁体34の側、下向き)の押圧力(ばね力)は、常時、ばね受け52およびカップリング36を介して弁棒35に伝達されるように構成されている。ばね蓋53には、ブッシュ54が貫通して設けられている。ブッシュ54には連結ロッド70が貫通しており、連結ロッド70はブッシュ54に支持されている。
油圧シリンダ60は、シリンダ本体61と、シリンダ本体61内に摺動可能に設けられたピストン62と、ピストン62から上方(弁体34とは反対側)にシリンダ本体61の外部に延び出るピストンロッド63と、ロッド側シリンダ室64と、開方向シリンダ室65と、を有している。油圧シリンダ60は、油筒と称される場合もある。
ロッド側シリンダ室64は、ピストン62よりも上方(ピストンロッド63の側)に設けられている。ロッド側シリンダ室64には、ピストンロッド63が配置され、ピストンロッド63は、ロッド側シリンダ室64を貫通している。シリンダ本体61の上端部には、ブッシュ66が設けられている。このブッシュ66をピストンロッド63が貫通して外部(大気側)に延び出ている。ロッド側シリンダ室64には、図3に示すように、開方向シリンダ室65から排出された作動油の一部が供給されるようになっている。ロッド側シリンダ室64に供給される作動油は、無圧力で、ピストンを移動させるための圧力を有していない。しかしながら、作動油の漏洩を抑制するために、図2に示すように、ピストンロッド63とブッシュ66との間には、ゴム材料等で作製されたパッキン67が設けられている。このパッキン67は、シリンダ本体61の上端部に配置されている。このため、パッキン67は、リーク蒸気が放出されるスタンド37から遠い位置に配置されている。
開方向シリンダ室65は、ピストン62よりも下方(ピストンロッド63とは反対側)に配置されている。開方向シリンダ室65は、ピストン62によって区画されており、シリンダ本体61の外部に延び出るような部品や構造が存在しない密閉空間として構成されている。開方向シリンダ室65には、図3に示すように、蒸気弁31を開く際に高圧の作動油が供給される。
図2に示すように、連結ロッド70は、後述する連結プレート71から下方(弁体34の側)に延びている。また、連結ロッド70は、カップリング36を介して弁棒35に連結されている。連結ロッド70、弁棒35および閉鎖ばね50は一軸上に配置されている。弁棒35の上方にカップリング36が配置され、カップリング36の上方に連結ロッド70が配置されている。
カップリング36の上方に、上述したばね受け52が配置されている。ばね受け52の上方に、閉鎖ばね50およびばね蓋53が配置されている。連結ロッド70は、ばね蓋53のブッシュ54、閉鎖ばね50およびばね受け52を貫通している。ばね蓋53の上方には、油圧シリンダ60が配置されている。すなわち、油圧シリンダ60は、閉鎖ばね50よりも上方(弁体34とは反対側)に配置されている。各々の油圧シリンダ60の下端部が、ばね蓋53に取り付けられている。
図4に示すように、複数の油圧シリンダ60は、連結ロッド70の軸方向(図2における上下方向)で見たときに、連結ロッド70の周囲に配置されている。例えば、複数の油圧シリンダ60は、連結ロッド70に対して対称(線対称、点対称など)に配置されていてもよい。また、複数の油圧シリンダ60は、連結ロッド70の周囲において周方向に均等に配置されていてもよい。図2および図4では、一例として、2つの油圧シリンダ60が、連結ロッド70の周囲に配置されている。この場合、2つの油圧シリンダ60は、図4に示すような連結ロッド70の軸方向で見たときに、連結ロッド70の周方向で、互いに180°の角度をなす位置に配置されている。すなわち、2つの油圧シリンダ60は、連結ロッド70に対して対称(図4における左右対称)に配置されていて、周方向に均等に配置されていてもよい。各々の油圧シリンダ60は、ばね箱51よりも外側にははみ出していない。このため、本実施の形態による油圧シリンダ60は、図8に示すような一般的な蒸気弁駆動装置における油圧シリンダ130よりも小型化されている。各々の油圧シリンダ60のシリンダ径(開方向シリンダ室65の内径)は同一である。
図2に示すように、各々の油圧シリンダ60のピストンロッド63と連結ロッド70は、連結プレート71(連結部材)によって連結されている。連結プレート71は、ピストンロッド63よりも上方(弁体34とは反対側)に配置されている。より具体的には、ピストンロッド63の上端部に、おねじ部(図示せず)が設けられており、このおねじ部の少なくとも一部が、連結プレート71よりも上方に延び出て、ナット72に螺合されている。このようにして、ピストンロッド63と連結プレート71とがナット72によって締結されている。同様に、連結ロッド70の上端部にもおねじ部が設けられており、このおねじ部の少なくとも一部が、連結プレート71よりも上方に延び出て、ナット73に螺合されている。
このような構成により、油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65に高圧の作動油が供給されると、作動油の圧力を受けたピストン62およびピストンロッド63が、閉鎖ばね50の押圧力に打ち勝って上方に移動する。このことにより、弁棒35を大気側に引き抜くようにして、弁体34を上方(開方向)に駆動させることができる。このため、弁体34を弁座33から後退させて離間させ、蒸気弁31を開くことができる。蒸気弁31を閉じる際には、開方向シリンダ室65から作動油が排出され、閉鎖ばね50の押圧力で、ピストン62が下方に移動する。このことにより、弁体34を下方(閉方向)に駆動させることができる。このため、弁体34を弁座33に進出させて当接させ、蒸気弁31を閉じることができる。
次に、本実施の形態による蒸気弁駆動装置40において、油圧シリンダ60への作動油の給排機構について説明する。図3に示すように、蒸気弁駆動装置40は、作動油を供給する供給口80と、作動油を排出する排出口81と、各々の油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65への作動油の供給を許可または阻止するサーボ弁82(供給制御弁)と、を更に備えている。
供給口80は、図示しない作動油供給系統に接続されており、この作動油供給系統から高圧の作動油が供給口80に供給されるようになっている。排出口81は、図示しないドレン系統に接続されており、排出口81から排出される作動油は、このドレン系統に排出される。
サーボ弁82は、供給口80から2つの開方向シリンダ室65への作動油の供給を許可する状態と、当該作動油の供給を阻止する状態とに切替可能に構成されている。より具体的には、サーボ弁82のPポートは、第1供給口側ライン83を介して供給口80に連通されている。第1供給口側ライン83には、作動油から異物を除去するための第1油フィルター84が設けられている。サーボ弁82のBポートは、2つの油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65にそれぞれ連通され、Tポートは、後述するカートリッジ弁89のBポートを介して排出口81に連通されている。
各々の油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65は、供給側連通ライン85によって連通している。サーボ弁82のBポートと供給側連通ライン85は、供給ライン86によって連通している。このことにより、Bポートから供給ライン86を介して供給側連通ライン85に作動油が供給され、供給側連通ライン85において作動油が分流する。このようにして、各々の開方向シリンダ室65に供給される作動油の圧力の均等化を図っている。
サーボ弁82は、図示しない制御装置から送信される電気信号を受けるコイル82aを有している。また、サーボ弁82のスプール弁用のXポートには、供給口80から第2供給口側ライン87を介して、パイロット油としての作動油が常時供給される。第2供給口側ライン87は、第1供給口側ライン83のうち第1油フィルター84の上流側の部分から分岐しており、第2供給口側ライン87には、作動油から異物を除去するための第2油フィルター88が設けられている。本実施の形態においては、サーボ弁82が、コイル82aに入力される電気信号の大きさによって、スプール弁の位置が制御される位置制御機能を有している例を示している。
例えば、サーボ弁82のコイル82aに開方向の電気信号が入力されると、図7に示すように、スプール弁が移動し、サーボ弁82のPポートとBポートとが連通する。このことにより、供給口80から各々の開方向シリンダ室65への作動油の供給が許可され、供給口80から各々の開方向シリンダ室65に作動油が供給される。一方、コイル82aに閉方向の電気信号が入力されると、図3に示すように、スプール弁が移動する。この場合、サーボ弁82のPポートとBポートは遮断され、供給口80から各々の開方向シリンダ室65への作動油の供給が阻止される。一方、BポートとTポートとが連通するようになる。
各々の油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65には、カートリッジ弁89(排出制御弁)がそれぞれ連通されている。カートリッジ弁89は、対応する油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65からの作動油の排出を阻止または許可するように構成されている。すなわち、カートリッジ弁89は、対応する開方向シリンダ室65からの作動油の排出を阻止する状態と、当該作動油の排出を許可する状態とに切替可能に構成されている。より具体的には、カートリッジ弁89のAポートは、対応する開方向シリンダ室65に連通されている。カートリッジ弁89のXポートは、対応する急速作動電磁弁94(後述)のAポートに連通され、Bポートは、排出口81に連通されている。
カートリッジ弁89は、弁体89aと、AポートとBポートが遮断される方向(図3における右方向)に弁体89aを押圧するリセットばね89bと、を含んでいる。弁体89aがAポートやXポートに供給される作動油から圧力を受けていない場合には、リセットばね89bの押圧力によってAポートとBポートとが遮断されるように構成されている。
各々のカートリッジ弁89は、排出側連通ライン90によって連通している。より具体的には、排出側連通ライン90は、カートリッジ弁89の作動油を排出するポートであるBポートに連通している。このことにより、各々のカートリッジ弁89のBポート内における作動油の圧力の均等化を図っている。
各々の排出側連通ライン90には、2つのロッド側ライン91が連通している。各々のロッド側ライン91は、対応する油圧シリンダ60のロッド側シリンダ室64に連通している。このことにより、排出側連通ライン90に排出された作動油の一部が、ロッド側シリンダ室64に供給されるようになっている。
また、排出側連通ライン90には、排出口81に連通する排出口側ライン92が連通している。このことにより、カートリッジ弁89から排出側連通ライン90に排出された作動油が排出口81に排出されるようになっている。
また、各々のカートリッジ弁89は、電磁弁側連通ライン93によって連通している。より具体的には、電磁弁側連通ライン93は、カートリッジ弁89のうち後述する急速作動電磁弁94に連通されたパイロットポートであるXポートに連通している。このことにより、各々のカートリッジ弁89のXポート内における作動油の圧力の均等化を図っている。
各々のカートリッジ弁89は、急速作動電磁弁94によって制御されている。すなわち、各々の急速作動電磁弁94のAポートからカートリッジ弁89のXポートに作動油が供給されている状態では、Xポートが作動油によって加圧される。このため、カートリッジ弁89は閉じて、カートリッジ弁89のAポートとBポートとが遮断される。このことにより、対応する開方向シリンダ室65から排出口81への作動油の排出が阻止される。一方、カートリッジ弁89のXポートから作動油が排出されている状態では、カートリッジ弁89は開き、カートリッジ弁89のAポートとBポートとが連通する。このことにより、開方向シリンダ室65から排出口81への作動油の流れが許可され、開方向シリンダ室65から排出側連通ライン90に作動油が排出される。
各々の急速作動電磁弁94は、カートリッジ弁89への作動油の供給を許可、またはカートリッジ弁89からの作動油の排出を許可するように構成されている。すなわち、各々の急速作動電磁弁94は、カートリッジ弁89への作動油の供給を許可する状態と、カートリッジ弁89からの作動油の排出を許可する状態とに切替可能に構成されている。このように急速作動電磁弁94がカートリッジ弁89を制御することにより、カートリッジ弁89は、油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65からの作動油の排出を阻止または許可する。より具体的には、急速作動電磁弁94のPポートは、上述した第1供給口側ライン83を介して供給口80に連通されている。急速作動電磁弁94のAポートは、カートリッジ弁89のXポートに連通され、Tポートは、カートリッジ弁89のBポートを介して排出口81に連通されている。
急速作動電磁弁94は、図示しない制御装置から送信される電気信号を受けて励磁されるコイル94aを有している。このコイル94aに電気信号が入力されると、コイル94aが励磁され、図7に示すように、急速作動電磁弁94のPポートとAポートとが連通し、供給口80からカートリッジ弁89のXポートへの作動油の供給が許可される。このことにより、供給口80からカートリッジ弁89のXポートに作動油が供給される。一方、コイル94aに電気信号が入力されない状態では、コイル94aの励磁が解かれる。すると、図3に示すように、急速作動電磁弁94のAポートとTポートとが連通し、カートリッジ弁89のXポートから排出口81への作動油の排出が許可される。このことにより、カートリッジ弁89のXポートから、急速作動電磁弁94のAポートおよびTポートを介するととともにカートリッジ弁89のBポートを介して排出口81に作動油が排出される。
図5に示すように、本実施の形態による蒸気弁駆動装置40は、マニホールドブロック95を更に備えている。マニホールドブロック95は、上述した供給口80および排出口81と、各種ラインと、を有している。各種ラインは、マニホールドブロック95内に形成されている。また、図5では示していないが、各種弁82、89、94およびフィルター84、88等は、マニホールドブロック95の外面に取り付けられている。マニホールドブロック95は、2つの油圧シリンダ60の側面に取り付けられていてもよいが、いずれか一方の油圧シリンダ60の側面に取り付けられていれば、他方の油圧シリンダ60に取り付けられていなくてもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、ここでは、蒸気弁の運転方法について説明する。図2は、蒸気弁装置30の閉状態の断面図を示し、図3は、蒸気弁装置30の閉状態の系統図を示し、図6は、蒸気弁装置30の開状態の断面図を示し、図7は、蒸気弁装置30の開状態の系統図を示している。
まず、蒸気弁31の開状態および閉状態のいずれの場合においても、供給口80から供給される高圧の作動油は、第1供給口側ライン83を通って、各々の急速作動電磁弁94のPポートにそれぞれ常時供給される。また、第1供給口側ライン83を通った高圧の作動油の一部は、サーボ弁82のPポートにも常時供給されている。第1供給口側ライン83のうち第1油フィルター84の上流側の部分から分岐した第2供給口側ライン87にも高圧の作動油が供給され、サーボ弁82のスプール弁用のXポートに、作動油が常時供給される。
蒸気弁31を開く(リセットする)場合、各々の急速作動電磁弁94が励磁される。すると、図7に示すように、急速作動電磁弁94のPポートとAポートとが連通し、供給口80から急速作動電磁弁94を介して、各々のカートリッジ弁89のXポートに、作動油がパイロット油としてそれぞれ供給される。このことにより、各々のカートリッジ弁89のXポートが加圧されて、各々のカートリッジ弁89のAポートとBポートとが遮断されて、カートリッジ弁89は閉じる。このため、各々の油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65から排出口81への作動油の排出が阻止される。なお、各々のカートリッジ弁89のXポートは、電磁弁側連通ライン93によって連通しているため、2つのカートリッジ弁89のXポートで圧力差が生じることが抑制されている。このことにより、各々のカートリッジ弁89の弁体89aの動きを同期させることができる。
また、蒸気弁31を開く場合、サーボ弁82に開方向の電気信号が入力される。すると、図7に示すように、サーボ弁82のPポートとBポートとが連通し、供給口80からサーボ弁82のPポートを介してBポートに高圧の作動油が供給される。この高圧の作動油は、供給側連通ライン85で分流されて、各々の油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65にそれぞれ供給される。なお、高圧の作動油が供給される開方向シリンダ室65は、上述したようにシリンダ本体61の外部に延び出るような部品や構造が存在しない密閉空間として構成されている。このため、開方向シリンダ室65内の作動油が外部に漏洩することが抑制されている。
各々の開方向シリンダ室65に作動油が供給されると、作動油は、対応するカートリッジ弁89のAポートにも供給される。上述したように各々のカートリッジ弁89のAポートとBポートとは遮断されているため、開方向シリンダ室65から排出口81への作動油の排出が阻止されている。このため、開方向シリンダ室65内の作動油の圧力が高まる。なお、各々のカートリッジ弁89において、Xポートに高圧の作動油が供給されるとともにAポートにも高圧の作動油が供給されている。このことにより、カートリッジ弁89の弁体89aは、Xポートに供給された作動油と、Aポートに供給された作動油とから圧力をそれぞれ受ける。このため、カートリッジ弁89の弁体89aは、移動することが防止されて、AポートとBポートとが遮断された状態を安定的に維持することができる。
開方向シリンダ室65内の作動油の圧力が高まると、各々のピストン62が開方向シリンダ室65内の作動油の圧力で押圧される。すると、閉鎖ばね50のばね力に打ち勝って、ピストン62は、上方(開方向)に移動する。このようにして、1つのサーボ弁82によって、2つの油圧シリンダ60のピストンロッド63を開方向に同時に移動させることができる。また、上述したように、2つの油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65は、供給側連通ライン85によって連通しているため、2つの開方向シリンダ室65で圧力差が生じることが抑制されている。このため、2つのピストンロッド63の動きを同期させて同時に移動させることができる。
作動油からピストン62およびピストンロッド63が受ける駆動力(または推力)は、連結プレート71、連結ロッド70およびカップリング36を介して弁棒35に伝達される。このようにして、図6に示すように、弁体34を上方に移動させて、蒸気弁31を開くことができる。
一方、蒸気弁31を急閉する(トリップする)場合、各々の急速作動電磁弁94の励磁が解かれ、急速作動電磁弁94のばねの作用によって急速作動電磁弁94がトリップする。すると、図3に示すように、各々の急速作動電磁弁94のAポートとTポートとが連通し、各々のカートリッジ弁89のXポート内の作動油が、急速作動電磁弁94のAポートおよびTポート並びにカートリッジ弁89のBポートを介して、排出口81に排出される。この際、Xポート内の作動油は、カートリッジ弁89のBポートから、排出側連通ライン90の一部および排出口側ライン92を通って排出口81に排出される。このことにより、各々のカートリッジ弁89の弁体89aが、Aポートに供給されていた作動油の圧力によって移動し、各々のカートリッジ弁89が開く。この際、各々のカートリッジ弁89のXポートは、電磁弁側連通ライン93によって連通しているため、2つのカートリッジ弁89のXポートで圧力差が生じることが抑制されている。このことにより、2つのカートリッジ弁89の弁体89aの動きを同期させて、2つのカートリッジ弁89を同時に開くことができる。
各々のカートリッジ弁89が開くと、カートリッジ弁89のAポートとBポートとが連通する。このことにより、対応する油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65内の作動油は、カートリッジ弁89を介して、排出口81に排出される。各々のカートリッジ弁89のBポートは、排出側連通ライン90によって連通しているため、2つのカートリッジ弁89のBポートで圧力差が生じることが抑制されている。このため、2つのピストンロッド63の動きを同期させて同時に移動させることができる。
この際、カートリッジ弁89から排出された作動油の一部は、対応するロッド側ライン91を介して油圧シリンダ60のロッド側シリンダ室64に供給される。このことにより、排出口側ライン92の流路に流体抵抗がある場合であっても、カートリッジ弁89に排出された作動油を、比較的大きな空間であるロッド側シリンダ室64に流すことができ、開方向シリンダ室65から作動油を迅速に排出することができる。ロッド側シリンダ室64に供給された作動油は、その後、排出口81から排出される。
また、蒸気弁31を急閉する場合、サーボ弁82のコイル82aには閉方向の電気信号が入力される。この場合、図3に示すように、サーボ弁82のPポートとBポートとが遮断され、供給口80から開方向シリンダ室65への作動油の供給が阻止される。また、サーボ弁82のBポートとTポートとが連通するため、各々の油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65内の作動油の一部は、サーボ弁82のBポートおよびTポートを介してカートリッジ弁89のBポートに排出される。このことにより、作動油の排出を助勢することができる。
すると、油圧シリンダ60のピストン62が作動油から受けていた押圧力が喪失され、閉鎖ばね50のばね力で、弁体34は下方に移動する。このようにして、蒸気弁31を急速に閉じることができる。
また、蒸気弁31を急閉する場合、開方向シリンダ室65内の作動油は、排出容量が大きいカートリッジ弁89から排出されるため、開方向シリンダ室65内の作動油を急速に排出することができる。このことにより、弁体34を、閉鎖ばね50のばね力で閉方向に急速に移動させることができ、蒸気弁31の急閉が可能になる。
ところで、蒸気タービンプラント1の運転中、図2に示すように、蒸気弁31の弁ケーシング32内に、高温かつ高圧の蒸気が充填されている(または流れている)。この蒸気は、弁棒35とスタンド37との間の隙間を上昇して、多くは弁棒リークオフライン38で回収されるが、一部は、スタンド37から外部に上方に放出される。しかしながら、油圧シリンダ60のピストンロッド63とブッシュ66との間の隙間から作動油の漏洩を抑制するためのパッキン67は、シリンダ本体61の上端部に配置されている。このことにより、パッキン67は、リーク蒸気が放出されるスタンド37から離れている。このため、油圧シリンダ60のブッシュ66が高温のリーク蒸気に晒されることが抑制され、パッキン67の劣化が抑制されている。
このように本実施の形態によれば、高圧の作動油が供給される開方向シリンダ室65は、ピストン62よりもピストンロッド63とは反対側に設けられている。このことにより、開方向シリンダ室65を、シリンダ本体61の外部に延び出るような部品や構造が存在しない密閉空間として構成することができ、開方向シリンダ室65から外部に作動油が漏洩することを抑制することができる。また、弁体34は、閉鎖ばね50によって閉方向に押圧されるため、ピストンロッド63が貫通するロッド側シリンダ室64に、高圧の作動油が供給されることを不要にすることができる。このことにより、油圧シリンダ60から外部に作動油が漏洩することを抑制することができる。このため、蒸気弁駆動装置40の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、弁体34を開方向に押圧する油圧シリンダ60のピストンロッド63が、ピストン62から上方(弁体34とは反対側)にシリンダ本体61の外部に延び出ている。このことにより、ピストンロッド63をシリンダ本体61の上端部から外部に上方に延び出させることができる。このため、ピストンロッド63が外部に延び出る部分(ブッシュ66に相当する部分)を、蒸気弁31から遠ざけることができ、蒸気弁31から漏洩する高温のリーク蒸気に晒すことを抑制することができる。このため、当該部分に設けられるパッキン67が劣化することを抑制でき、油圧シリンダ60のピストンロッド63の周囲から作動油が外部に漏洩することを抑制できる。この結果、蒸気弁駆動装置40の信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、油圧シリンダ60は、閉鎖ばね50よりも上方に配置されている。このことにより、ピストンロッド63が外部に延び出る部分を、蒸気弁31からより一層遠ざけることができ、蒸気弁31から漏洩する高温のリーク蒸気に晒すことをより一層抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、2つの油圧シリンダ60が、連結ロッド70の軸方向で見たときに、連結ロッド70の周囲に配置されている。このことにより、2つの油圧シリンダ60をスペース効率良く配置することができ、蒸気弁駆動装置40が大型化することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、2つの油圧シリンダ60は、連結ロッド70の軸方向で見たときに、連結ロッド70の周方向に均等に配置されている。このことにより、油圧シリンダ60の押圧力が、連結ロッド70に偏って伝達されることを抑制できる。このため、蒸気弁31を開く際に、連結ロッド70をスムースに移動させることができる。
また、本実施の形態によれば、各々の油圧シリンダ60のピストンロッド63は、連結プレート71を介して連結ロッド70に連結されており、連結プレート71は、ピストンロッド63よりも上方に配置されている。このことにより、シリンダ本体61の上端部から外部に延び出たピストンロッド63を、容易に連結プレート71に連結することができる。
また、本実施の形態によれば、サーボ弁82が供給ライン86を介して供給側連通ライン85に連通し、供給側連通ライン85が、2つの油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65に連通している。このことにより、1つのサーボ弁82から2つの開方向シリンダ室65に高圧の作動油をそれぞれ供給することができ、各々の開方向シリンダ室65で圧力差が生じることを抑制できる。このため、蒸気弁31を開く際に、2つのピストンロッド63の動きを同期させて同時に移動させることができる。その結果、連結ロッド70をスムースに移動させることができ、蒸気弁31をスムースに開くことができる。
また、本実施の形態によれば、各々のカートリッジ弁89の作動油を排出するBポートに、排出側連通ライン90が連通している。このことにより、2つのカートリッジ弁89のBポートで圧力差が生じることを抑制できる。このため、蒸気弁31を閉じる際に、2つのピストンロッド63の動きを同期させて同時に移動させることができる。この結果、連結ロッド70をスムースに移動させることができ、蒸気弁31をスムースに閉じることができる。
また、本実施の形態によれば、各々のカートリッジ弁89のうち急速作動電磁弁94に連通したXポートに、電磁弁側連通ライン93が連通している。このことにより、2つのカートリッジ弁89のXポートで圧力差が生じることを抑制でき、2つのカートリッジ弁89の弁体89aの動きを同期させて、2つのカートリッジ弁89を同時に開くことができる。蒸気弁31の開状態では、カートリッジ弁89の弁体89aを、AポートとBポートとを遮断する位置に安定的に維持することができる。蒸気弁31を急閉する際には、各々のカートリッジ弁89を同時に開くことができ、各々の開方向シリンダ室65内の作動油を同時に排出することができる。
また、本実施の形態によれば、内部に供給側連通ライン85等の各種ラインが設けられるとともにサーボ弁82等の各種弁82、89、94やフィルター84、88等が取り付けられたマニホールドブロック95が、油圧シリンダ60に取り付けられている。このことにより、マニホールドブロック95の支持を安定化させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、1つの油圧シリンダ60に対して、1つのカートリッジ弁89および1つの急速作動電磁弁94が組み合わされている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、油圧シリンダ60の容量や、要求される動作時間に応じて、1つの油圧シリンダ60に対して、2つ以上のカートリッジ弁89および2つ以上の急速作動電磁弁94が組み合わされるようにしてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、サーボ弁82が1つのコイル82aを有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、制御装置から送信される電気信号を複数のコイルで受けるようにしてもよい。この場合、信頼性を向上させることができる。急速作動電磁弁94についても同様である。
また、上述した本実施の形態においては、各々の油圧シリンダ60の開方向シリンダ室65への作動油の供給を許可または阻止する供給側制御弁として、スプール弁の位置制御機能を有するサーボ弁82が適用される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、供給側制御弁は、位置制御機能を有していなくても、オン/オフ機能を有する単純化された電磁弁(例えば、急速作動電磁弁94のような電磁弁)であってもよい。
また、上述した本実施の形態においては、2つの油圧シリンダ60によって蒸気弁駆動装置40が構成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、3つ以上の油圧シリンダ60によって蒸気弁駆動装置40が構成されていてもよい。この場合、3つ以上の油圧シリンダ60は、連結ロッド70の周囲において周方向に均等に配置されていてもよい。また、この場合においても、1つの油圧シリンダ60に対して、1つのカートリッジ弁89および1つの急速作動電磁弁94が組み合わされるようにしてもよい。そして、3つ以上の油圧シリンダ60の各々に1つのサーボ弁82から作動油が供給されるようにしてもよい。
以上述べた実施の形態によれば、油圧シリンダから作動油が漏洩することを抑制でき、信頼性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。