JP7227689B2 - 高圧処理用包装材料 - Google Patents

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本発明は、内容物として飲食品を密封充填した包装容器に対して高圧処理を施しても、包装容器が内容物成分に対して低吸着性を維持する、高圧処理用包装材料に関するものである。
近年、高圧処理技術の飲食品への応用に注目が集まっている。飲食品の殺菌または加工に、高圧処理技術を利用することにより、従来加熱処理により損なわれていた、香り、栄養素、色素等の成分を保持することができる。
ところが、高圧処理による殺菌または加工が、包装容器に密閉充填された内容物に対して施される場合、数千気圧(数百MPa)もの高圧力がかかるため、香りや栄養素等の内容物成分が包装容器に吸着されやすくなり、このために内容物成分が損なわれるという問題が生じることが分かった。
この問題を解決するため、特許文献1には、高圧処理に供される包装容器材料にポリエステル系樹脂を用いることにより、高圧処理により促進される内容物成分の包装容器への吸着を低減させる方法が提案されている。しかしながら、引用文献1に記載の包装容器材料に用いられているポリエステル系樹脂は、結晶性であり、シール強度が弱いことから、内容量が少量のものにしか対応できない。
特開平4-23974号公報
本発明は、上記問題を解決する、内容物として飲食品を密封充填した包装容器に対して高圧処理を施しても、包装容器が内容物成分に対して低吸着性を維持する、さらに別の優れた包装材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくとも、基材層と、最内層となる低吸着性シーラント層を有する、高圧処理用包装材料であって、低吸着性シーラント層が、環状ポリオレフィン、非晶性ポリエステルまたはエチレンビニルアルコール共重合体から選択される少なくとも1種を含む、上記高圧処理用包装材料が、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.少なくとも、基材層と、最内層となる低吸着性シーラント層を有する、高圧処理用包装材料であって、低吸着性シーラント層が、環状ポリオレフィン、非晶性ポリエステルまたはエチレンビニルアルコール共重合体から選択される少なくとも1種を含む、上記高圧処理用包装材料。
2.低吸着性シーラント層が環状ポリオレフィンを含む、1.に記載の高圧処理用包装材料。
3.低吸着性シーラント層が非晶性ポリエステルを含む、1.に記載の高圧処理用包装材料。
4.低吸着性シーラント層がエチレンビニルアルコール共重合体を含む、1.に記載の高圧処理用包装材料。
5.基材層と低吸着性シーラント層との間にバリア層を有する、1.~4.のいずれかに記載の高圧処理用包装材料。
6.バリア層が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、酸化珪素蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルムからなる群より選択される、5.に記載の高圧処理用包装材料。
7.1.~6.のいずれかに記載の高圧処理用包装材料を用いてなる包装容器。
本発明によれば、内容物として飲食品を密封充填した包装容器に対して高圧処理を施しても、包装容器が内容物成分、例えば、香り、栄養素、色素等に対して低吸着性を維持し、内容物成分の損失を抑制できることから、高圧処理による飲食品の風味、品質等の低下を防止することができる。
本発明の高圧処理用包装材料の層構成について、一例を示す概略的断面図である。
本発明について、以下に更に詳しく説明する。
<1>高圧処理用包装材料の層構成
本発明の高圧処理用包装材料は、図1に示すように、基材層Aと、低吸着性シーラント層Bの2層を基本構成とし、低吸着性シーラント層Bが最内層、すなわち内容物と接する層を形成する。また、所望に応じて、基材層Aと低吸着性シーラント層Bとの間に、バリア層1を設けてもよく、これらの層はそれぞれ、接着剤層2、2’を介してラミネートすることにより積層することができる。
<2>基材層
本発明において、基材層としては、単層または多層積層構成の樹脂フィルムが用いられるが、高圧処理に耐え得るものであれば各種包装容器に用いられる任意の樹脂フィルムを使用することができる。
上記樹脂フィルムを構成する樹脂としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ハロゲン含有樹脂(塩化ビニル系樹脂など)、ビニルアルコール系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンアリレート系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ポリアミド6、ポリアミド66など)、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂、セルロースエステル類などが挙げられ、好ましくは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂である。これらの樹脂は、単独で用いても、2種またはそれ以上を混合して用いてもよい。
上記樹脂フィルムは無延伸であってもよく、一軸または二軸延伸フィルムであってもよい。
本発明において、基材層は、2またはそれ以上をラミネートした複合フィルムであってもよい。
さらに、これらの基材層の積層面は、バリア層との密着性を高めるため、表面処理(例えば、コロナ放電処理、アンカーコート処理やプライマー処理など)されていてもよい。
基材層の厚さは、適宜に決定し得るが、好ましくは5~30μm、より好ましくは10~30μmである。基材層が薄過ぎると、十分な強度が得られず、逆に厚過ぎると、コスト面から好ましくない。
上記の要件を満たす基材は、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、東洋紡株式会社製の二軸延伸PETフィルムE5100(厚さ12μm)、E5102(厚さ12μm)、ユニチカ株式会社製の二軸延伸NyフィルムON(厚さ15μm)が挙げられる。
<3>低吸着性シーラント層
本発明における低吸着性シーラント層は、環状ポリオレフィン、非晶性ポリエステルまたはエチレンビニルアルコール共重合体から選択される少なくとも1種を含む。
本発明における低吸着性シーラント層は、低吸着性シーラント層を形成する樹脂成分の全質量に対して、上記少なくとも1種の成分を合計65質量%以上含有し、好ましくは90質量%以上含有する。
低吸着性シーラント層の層厚は、適宜に決定し得るが、好ましくは10~250μm、より好ましくは30~150μmであり、フィルムが薄過ぎると、十分なシール強度が得られず、逆に厚過ぎると、剛性が上がりすぎ、またコスト面からも好ましくない。
<4>環状ポリオレフィン
本発明において、環状ポリオレフィンは、環状オレフィンをメタセシス開環重合反応によって重合した開環メタセシス重合体(COP)、および、環状オレフィンとα-オレフィン(鎖状オレフィン)との共重合体、すなわち環状オレフィンコポリマー(COC)を包含する。
環状オレフィンとしては、エチレン系不飽和結合およびビシクロ環を有する任意の環状炭化水素を使用することができるが、特にビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エン(ノルボルネン)骨格を有するものが好ましい。
具体的には、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンおよびその誘導体、トリシクロ[4.3.0.12.5]-3-デセンおよびその誘導体、トリシクロ[4.4.0.12.5 ]-3-ウンデセンおよびその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]-3-ドデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]-4-ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]-3-ペンタデセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]-4,10-ペンタデカジエンおよびその誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]-3-ヘキサデセンおよびその誘導体等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を用いてもよい。環状オレフィンは、置換基として、エステル基、カルボキシル基、およびカルボン酸無水物基等の極性基を有していてもよい。
環状オレフィンと共重合するα-オレフィンとしては、エチレン、炭素数3~20のα-オレフィンを使用することができ、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン等が挙げられ、好ましくはエチレンであり、これらは、単独で用いても、2種以上を用いてもよい。
本発明において、開環メタセシス重合体の製造は、例えば、開環メタセシス重合反応であってよく、上記の環状オレフィンを、重合触媒を用いて開環重合させることによって製造することができる。
また、環状オレフィンコポリマーの製造は、25~45モル%のα-オレフィンと、5
5~75モル%の環状オレフィンとを、メタロセン触媒等のシングルサイト系触媒やマルチサイト系触媒を用いてランダム重合させることによりなされる。
本発明において好適に使用される開環メタセシス重合体および環状オレフィンコポリマーは、いくつか市販されており、例えば、日本ゼオン株式会社製のZEONOR(登録商標)、ポリプラスチック株式会社製のTOPAS(登録商標)等が挙げられる。
<5>非晶性ポリエステル
本発明において、非晶性ポリエステルは、ガラス転移点が70~90℃、好ましくは70~80℃である非晶性の共重合ポリエステルである。
本発明における非晶性ポリエステルは、共重合ポリエステルであり、テレフタル酸とエチレングリコールとを主成分とし、これに、共重合成分としてテレフタル酸以外の多価カルボン酸および/またはエチレングリコール以外の多価アルコールを、非晶性を示し且つガラス転移点が70~90℃となるように添加し、共重合して得られる変性PETが用いられる。
なお、本発明において、非晶性とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて-100℃から300℃まで20℃/分の速度で昇温した際に、融解ピークを持たないことを意味する。
また、本発明において、ガラス転移点は、JIS K7121に準拠して測定される。
共重合成分として添加される多価カルボン酸としては、イソフタル酸、オルトフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸(不飽和脂肪酸の二量体またはその水素添加物を主体とするもの)、ジフェニルカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5-スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
また、共重合成分として添加される多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ペンタエリスリトール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
上記変性PETの具体例としては、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコール、テレフタル酸とエチレングリコールと1,4-シクロヘキサンジメタノール、テレフタル酸とイソフタル酸とプロピレングリコール等による組み合わせの共縮合重合体からなる変性PETが挙げられる。
上記主成分および共重合成分の混合比は、非晶性を示し且つ所望のガラス転移点を有するものが好ましく、例えば、原料となる多価カルボン酸の50モル%以上がテレフタル酸であり、また、原料となる多価アルコールの50モル%以上がエチレングリコールである。原料となるテレフタル酸およびエチレングリコールの量がこれより少ないと、耐衝撃性および非吸着性が損なわれ得る。
また、原料となる多価カルボン酸および多価アルコールの合計量100モル%に対して、主成分であるテレフタル酸およびエチレングリコールの合計量が、50~95モル%であり、共重合成分の合計量が5~50モル%であることが好ましい。共重合成分の合計量が5モル%より少ないと、非晶性が失われ、シール強度が損なわれる。
さらに、本発明においては、上記非晶性ポリエステルのうち、ガラス転移点が70~9
0℃となるように調製された共重合ポリエステルを用いる。この調製は、原料として使用する多価カルボン酸および多価アルコールの化学構造等に応じて、これらの混合比や重合度等を変化させることにより、当業者が適宜に行うことができる。
上記の要件を満たす、ガラス転移点が70~90℃である非晶性の共重合ポリエステルは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、東洋紡株式会社製のバイロン(登録商標)、EASTMAN CHEMICAL株式会社製のEastar(登録商標)PETG等が挙げられる。
<6>エチレンビニルアルコール共重合体
本発明において、エチレンビニルアルコール共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン-酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものである。このようなケン化物には、酢酸基が数十モル%残存する部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が全く残存していない完全ケン化物までが包含される。ガスバリア性の観点から、ケン化度が好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上であるものを使用することが望ましい。また、上記のエチレンビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0~50モル%、好ましくは20~45モル%であるものを使用することが好ましい。
上記のエチレンビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製のエバール(登録商標)EF-E(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製のソアノール(登録商標)D2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
<7>バリア層
本発明において、基材層と低吸着性シーラント層との間に、所望に応じて種々の機能層、例えばガスバリア性を有するガスバリア層を設けることができる。これにより、内部からの水分の蒸発、匂い漏れを防ぎ、また、外部からの酸素や水蒸気の浸入を防ぎ、内容物の劣化を防ぐことができる。
本発明において、バリア層は、例えば、アルミニウム箔等からなる金属箔、アルミニウム、酸化珪素、アルミナ等の無機物または無機酸化物の蒸着膜、アルミニウム蒸着フィルム、酸化珪素蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム等の樹脂フィルム上に蒸着膜を有する蒸着フィルム、または、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、MXD6等のガスバリア性樹脂からなる層、あるいはこれらの組み合わせであってよく、好ましくは、金属箔または蒸着フィルムである。
通常、バリア層の厚さは、ガスバリア性や透明性の観点から、好ましくは0.01~500μmであり、より好ましくは1~300μmの範囲である。そして、バリア層は、その少なくともいずれかの表面に、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の濡れ性を高める表面処理を行ってもよい。
<8>積層
本発明に置いて、基材層と(、所望に応じてバリア層と)、低吸着性シーラント層の積層方法としては、慣用のドライラミネート法、押し出しコーティング法、サンドラミネート法等を適宜選択することができる。
本発明において、積層のために好適に使用されるドライラミネート用接着剤としては、ウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤等を用いるこ
とができる。また、サンドイッチラミネート用接着性樹脂としては、任意のヒートシール性樹脂を用いることができる。
本発明において、積層体の具体例としては、例えば、基材層としての二軸延伸PETフィルムまたは二軸延伸ナイロンフィルム上に、バリア層としてアルミニウム箔を、次いで低吸着性シーラント層として環状ポリオレフィンフィルム、非晶性ポリエステルフィルムまたはエチレンビニルアルコール共重合体フィルムのいずれかを、接着剤層を介して貼り合わせたものが挙げられる。
<9>高圧処理
本発明において、高圧処理とは、内容物として飲食品を密封充填した包装容器に、等方的な静水圧を利用し、約1000気圧(約100MPa)以上の高圧をかけ、その内容物を殺菌または加工(例えば、飲食品中の薬理活性成分を増強)することである。高圧を利用することにより、従来加熱処理により損なわれていた飲食品の風味や栄養素を保持することができる。
<10>包装容器
本発明の包装材料を使用し、低吸着性シーラント層が最内層となるように製袋して、包装袋等の包装容器とすることができる。
包装容器を製造するには、上記包装材料を二つ折にするか、または包装材料2枚を用意し、そのシーラント層の面を対向させて重ね合わせ、その周辺端部を、例えば、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装容器とする。
上記において、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の方法で行うことができる。
本発明において、包装容器に密封充填される内容物としては、高圧処理に供することができる非乾燥性の飲食品であり、例えば、酒、果汁飲料等のジュース、ミネラルウォーター等の飲料品、醤油、ソース等の液体調味料、カレー、シチュー、スープ等の液体飲食物等が挙げられる。
次に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。
[実施例1]
2軸延伸PETフィルム(東洋紡株式会社製、東洋紡エステル(登録商標)フィルム、E5102;厚さ12μm)と、アルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製、1N30;厚さ7μm)と、環状ポリオレフィン樹脂(ポリプラスチック株式会社製、TOPAS(登録商標)8007F-600)をキャスト法で製膜した環状ポリオレフィンフィルム(厚さ30μm)とを、それぞれドライラミネート用接着剤(ロックペイント株式会社製、ロックボンドJ RU-77T/アドロックH-7;配合比10/1)を用いて貼り合せ、2軸延伸PETフィルム/アルミニウム箔/環状ポリオレフィンフィルムの積層体を得た。
[実施例2]
実施例1の積層体において、環状ポリオレフィンフィルムの代わりに、非晶性ポリエス
テル樹脂(東洋紡株式会社製、バイロン(登録商標)SI-173)をキャスト法で製膜した非晶性ポリエステルフィルム(厚さ30μm)を用いた以外は、実施例1と同様の、2軸延伸PETフィルム/アルミニウム箔/非晶性ポリエステルフィルムの積層体を得た。
[実施例3]
実施例1の積層体において、環状ポリオレフィンフィルムの代わりに、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(株式会社クラレ製、エバール(登録商標)EF-E;厚さ30μm)を用いた以外は、実施例1と同様の、2軸延伸PETフィルム/アルミニウム箔/エチレンビニルアルコール共重合体フィルムの積層体を得た。
[比較例1]
実施例1の環状ポリオレフィンフィルムの代わりに、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(三井化学東セロ株式会社製、T.U.X(登録商標)MC-S;厚さ30μm)を用いた以外は、実施例1と同様の、2軸延伸PETフィルム/アルミニウム箔/直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの積層体を得た。
(吸着性評価)
実施例1~3、比較例1で得られた積層体を用いて120mm×160mm(シール巾5mm)のパウチを作製し、オレンジジュースを充填して、高圧殺菌処理(600MPa、10℃、5min)し、40℃の恒温槽に入れて1週間保管した。その後、100cm2のフィルムを切り出し、酢酸エチルに3日間浸漬させた。フィルムを浸漬させた酢酸エチルに抽出されたリモネンを、ガスクロマトグラフィーによって測定した。高圧処理をせず、40℃の恒温槽に入れて1週間保管したもの(処理なし)についても同様に測定を行い、ピーク面積を比較した(表1参照)。
実施例1~3は、比較例1と比べてリモネンのフィルムへの吸着量が処理なし、処理後ともに少なく、高圧処理後であっても低吸着性が維持されている。
Figure 0007227689000001
A.基材層
B.低吸着性シーラント層
1.バリア層
2、2’.接着剤層

Claims (3)

  1. 基材フィルム層と、接着剤層と、バリア層と、接着剤層と、最内層となる低吸着性シーラントフィルム層がこの順に隣接して積層された、1000気圧以上の高圧による高圧処理用包装材料であって、
    内容物成分に対して低吸着性を維持するための低吸着性シーラント層が、低吸着性シーラント層を形成する樹脂成分の全質量に対して、エチレンビニルアルコール共重合体を90質量%以上含有し、
    基材層は、二軸延伸樹脂フィルムからなり、
    接着剤層用の接着剤は、ウレタン系接着剤、ビニル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤から選択されるものであり、
    バリア層は、金属箔または蒸着フィルムであり、
    エチレンビニルアルコール共重合体は、エチレン-酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものであってケン化度が90モル%以上であり、エチレンビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量が20~45モル%である、
    上記高圧処理用包装材料。
  2. バリア層が、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、酸化珪素蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルムからなる群より選択される、請求項1に記載の高圧処理用包装材料。
  3. 請求項1または2に記載の高圧処理用包装材料を用いてなる包装容器。
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