JP7224557B1 - 三次元光造形用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

硬化後に200℃程度の比較的低温で溶融し、かつ、造形性に優れる三次元光造形用樹脂組成物を提供する。分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料を含む、三次元光造形用樹脂組成物に関する。

Description

本発明は、三次元光造形用樹脂組成物、該組成物を光硬化させた三次元造形物、および、該組成物を使用した鋳造品の製造方法に関する。
従来、歯科、宝飾等の用途に使用される金属製の鋳造品は、ワックスで作製した三次元造形物を埋没材に埋没させた後に埋没材を固化し、700~800℃の高温で焼成することによってワックスを除去して鍛造品用鋳型を作製し、該鋳型に金属を流し込んで作製する。ここで、ワックスで作製した三次元造形物は、ワックスを所望の形状の型に流し込み、固化させて作製するが、そのために金型を別途作製する必要があった。該金型の作製には、職人による加工が必要であり、少量の鍛造品の作製には、不向きであった。
光硬化性の材料を用い、3Dプリンタによって三次元造形物を作製すれば、ワックス製の三次元造形物を作製するための金型は不要となる。3Dプリンタに使用する光硬化性の材料として、例えば特許文献1には、犠牲型の製造に用いられる、溶解性樹脂を配合した光硬化性材料が開示されている。しかしながら、犠牲型には、造形中に表面の溶解や膨潤が生じず高精度の鋳型を得られることや、200℃以下の比較的低温で膨張や気化を生じることなく溶融して埋没材から容易に除去できることが求められる。従来の光硬化性材料の硬化物では、これらの要求を満たすことができなかった。
特表2020-526413号公報
本発明は、硬化後に200℃程度の比較的低温で溶融し、かつ、造形性に優れる三次元光造形用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討したところ、特定の化学構造を有する反応性材料を含む三次元光造形用樹脂組成物が、硬化後に200℃程度の比較的低温で溶融し、かつ、造形性に優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料を含む、三次元光造形用樹脂組成物に関する。
前記反応性材料が、架橋性二重結合を2以上有する化合物と、架橋性二重結合を有するアルコール化合物または架橋性二重結合を有するカルボン酸化合物との反応物であることが好ましい。
前記反応性材料の熱重量示差熱分析測定による熱分解温度が80~200℃であることが好ましい。
三次元光造形用樹脂組成物は、さらに、反応性モノマー、融点が20~150℃である非反応性化合物、および光重合開始剤を含むことが好ましい。
三次元光造形用樹脂組成物は、さらに、重合禁止剤を含むことが好ましい。
三次元光造形用樹脂組成物は、さらに、連鎖移動剤を含むことが好ましい。
硬化物のtanδの主ピーク温度が40℃以上であることが好ましい。
反応性モノマーが、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が40℃以上となる反応性モノマーであることが好ましい。
また、本発明は、前記三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させた三次元造形物に関する。
三次元造形物は、鋳型作製のための原型として用いられることが好ましい。
また、本発明は、
(1)前記三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させた三次元造形物を形成する工程と、
(2)三次元造形物を埋没材に埋没させて、埋没材を固化させる工程と、
(3)三次元造形物を除去して、鋳造品を得るための埋没材の鋳型を形成する工程と、
(4)鋳型に金属材料を流し込み、固化させて鋳造品を得る工程と、
を含む、鋳造品の製造方法に関する。
本発明の三次元光造形用樹脂組成物は、硬化後に200℃程度の比較的低温で溶融させることができ、かつ、造形性に優れる。この三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させた三次元造形物は、特に少量の鍛造品を作製するための鋳型作製の原型として好適に用いられる。
本発明の一実施形態に係る三次元光造形用樹脂組成物を用いて、光造形により三次元造形物を形成する工程を説明するための模式図である。
<<三次元光造形用樹脂組成物>>
本発明の三次元光造形用樹脂組成物は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料を含むことを特徴とする。
<分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料>
反応性材料は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有していれば特に限定されない。三次元光造形用樹脂組成物に、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料を配合することにより、硬化後に200℃程度の比較的低温で溶融させることが可能となる。また、架橋性二重結合を有するため、硬化物は表面の溶解や膨潤が生じにくく造形性に優れる。さらに、三次元光造形用樹脂組成物は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料を用いるため、水または水を含む水溶液に溶解させることもできる。
アセタール構造は、アルデヒドとアルコールから形成されるアセタール構造、ケトンとアルコールから形成されるケタール構造のいずれであってもよい。架橋性二重結合は、(メタ)アクリル基、ビニル基、(メタ)アクリロキシ基などが挙げられる。
反応性材料の分子内のアセタール構造の数は1以上であるが、2以上が好ましい。反応性材料の分子内の架橋性二重結合の数は1以上であるが、2以上が好ましい。反応性材料が2以上の架橋性二重結合を有する場合、それぞれの架橋性二重結合は互いに同一でもよく、異なっていてもよい。
反応性材料は、架橋性二重結合を2以上有する化合物と、架橋性二重結合を有するアルコール化合物または架橋性二重結合を有するカルボン酸化合物との反応物であることが好ましい。当該反応物では、架橋性二重結合を2以上有する化合物の架橋性二重結合と、架橋性二重結合を有するアルコール化合物の水酸基、または架橋性二重結合を有するカルボン酸化合物のカルボキシ基との結合により、アセタール構造が形成される。アセタール構造を形成する具体的な結合としては、ビニル基と水酸基との結合、(メタ)アクリル基とカルボキシル基との結合が挙げられる。
架橋性二重結合を2以上有する化合物としては、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)、ジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(DEGDVE)、2-ビニロキシエチルメタクリラート、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDVE)、ブタンジオールジビニルエーテル(BDVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル(TEGDVE)、1,4―シクロヘキサンジオールジビニルエーテル(CHODVE)、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル(NPGDVE)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(TMPTVE)、ペンタエリシリトールテトラビニルエーテル(PETTVE)などが挙げられ、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、ジ(エチレングリコール)ジビニルエーテルが好ましい。
架橋性二重結合を有するカルボン酸化合物としては、2-アクリロイルオキシエチル-コハク酸(HOA-MS(N))、2-アクリロイルオキシエチル-シクロヘキサンジカルボン酸(HOA-HH(N))、(メタ)アクリル酸などが挙げられ、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸が好ましい。
架橋性二重結合を有するアルコール化合物としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートなどが挙げられる。
架橋性二重結合を2以上有する化合物と、架橋性二重結合を有するアルコール化合物との反応は、架橋性二重結合を2以上有する化合物に対し、架橋性二重結合を有するアルコール化合物を0.9~1.1当量混合し、加熱することにより行われる。該反応により、アセタール構造を1個有する反応性材料を合成することができる。
分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料は、架橋性二重結合を2以上有する化合物に対し、架橋性二重結合を有するアルコール化合物を1.8~2.2当量混合し、加熱することにより合成することもできる。また、架橋性二重結合を2以上有する化合物に対し、ジカルボン酸を0.45~0.55当量混合し、加熱することにより合成することもできる。該反応により、アセタール構造を2個以上有する反応性材料を合成することができる。
分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料は、架橋性二重結合とカルボキシル基を有する化合物に対し、架橋性二重結合を3個以上有する化合物を0.30~0.36当量混合し、加熱することにより合成することもできる。該反応により、アセタール構造を3個以上有する反応性材料を合成することができる。架橋性二重結合を3個以上有する化合物としては、トリメチロールプロパントリビニルエーテル(TMPTVE)などが挙げられる。
加熱温度は40~120℃が好ましく、60~100℃がより好ましい。加熱時間は1~24時間が好ましく、2~12時間がより好ましい。加熱温度が40℃未満、あるいは加熱時間が1時間未満では、目的とする反応性材料が得られないことがある。加熱温度が120℃を超える場合、あるいは加熱時間が24時間を超える場合には、反応産物中のアセタール結合の分解や、架橋性二重結合の副反応などにより収率が低下することがある。
また、架橋性二重結合を2以上有する化合物と、架橋性二重結合を有するアルコール化合物との反応には反応溶媒を用いることもできるが、用いずとも所定の反応性材料を得ることができる。架橋性二重結合を2以上有する化合物と、架橋性二重結合を有するアルコール化合物とを反応溶媒を用いずに反応させた場合、得られた反応物を抽出工程や精製工程を経ずにそのまま三次元光造形材料用樹脂組成物に用いることができる。
前記反応性材料は、熱重量示差熱分析測定による熱分解温度が80~200℃であることが好ましく、120~180℃であることがより好ましい。熱分解温度が80℃未満では、三次元光造形用樹脂組成物の硬化物の造形性が低下することがあり、200℃を超えると、硬化物を埋没材の鋳型から除去するときに200℃を超える高温での加熱が必要となることがある。
前記反応性材料としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007224557000001
(式中、RとRは、それぞれ独立に酸素原子を有していてもよい炭素数1~20、好ましくは2~10の炭化水素基である。nは1または2である。)
より具体的には、下記式の化合物が挙げられる。
Figure 0007224557000002
Figure 0007224557000003
Figure 0007224557000004
Figure 0007224557000005
Figure 0007224557000006
Figure 0007224557000007
Figure 0007224557000008
Figure 0007224557000009
Figure 0007224557000010
Figure 0007224557000011
Figure 0007224557000012
Figure 0007224557000013
Figure 0007224557000014
Figure 0007224557000015
Figure 0007224557000016
本発明の三次元光造形用樹脂組成物中の反応性材料の含有量は、特に限定されないが、40~95質量%が好ましく、60~90質量%がより好ましい。95質量%を超えると硬化物の鋳造性が低下する傾向があり、40質量%未満では硬化物の造形性が低下する傾向がある。
三次元光造形用樹脂組成物が前記反応性材料に加えて、後述する反応性モノマーを含む場合、反応性モノマーと前記反応性材料の配合比は、重量比で99.9/0.1~80/20が好ましく、99.8/0.2~90/10がより好ましい。反応性モノマーが99.9よりも多いと、三次元光造形用樹脂組成物の硬化物からなる三次元造形物を加熱により溶融させることが困難となることがあり、80よりも少ないと、光硬化が不充分となり、三次元造形物を形成することが困難となることがある。
<反応性モノマー>
三次元光造形用樹脂組成物は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料に加えて、反応性モノマーを含むことが好ましい。反応性モノマーは、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が40℃以上となるモノマーが好ましい。ガラス転移温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。40℃未満では、耐熱性に劣ることになる。ここで、ガラス転移温度は、実際にホモポリマーを重合してガラス転移温度を測定しても良く、原子団寄与法により計算で求めることもできる。
反応性モノマーは、光照射により発生したラジカルやイオンなどの作用により硬化または重合可能な光硬化性モノマーである。光硬化性モノマーとしては、重合性の官能基を有するモノマーが好ましい。光硬化性モノマーにおける重合性官能基の個数は、1個である。重合性官能基としては、ビニル基、アリル基などの重合性炭素-炭素不飽和結合を有する基、エポキシ基などが挙げられる。
より具体的には、例えば、(メタ)アクリル系モノマーなどのラジカル重合性モノマー、エポキシ系モノマー、ビニル系モノマー、ジエン系モノマーなどのカチオン重合性モノマーなどが挙げられる。なかでも、反応速度の点で、(メタ)アクリル系モノマー、ビニル系モノマーが好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリロイル基を有するモノマーが挙げられる。たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリル酸エステル、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸アミド、スチレン、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、3-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリジノンなどが挙げられる。なかでも、ホモポリマーのTgの観点から、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミドが好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステルの中では、(メタ)アクリル酸イソボルニルが好ましく、(メタ)アクリル酸アミドの中では、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドが好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーとして、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸アミドを併用してもよい。併用する場合、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸アミドとの配合比は、重量比で1/99~60/40が好ましく、5/95~50/50がより好ましい。(メタ)アクリル酸エステルが60よりも多いと、柔らかくなり造形が困難となることがあり、1よりも少ないと、熱で溶解が困難となることがある。なお、本明細書において、アクリル酸およびメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と称し、アクリル酸エステル(またはアクリレート)およびメタクリル酸エステル(またはメタクリレート)を、(メタ)アクリル酸エステル(または(メタ)アクリレート)と称することがある。
ビニル系モノマーとしては、ポリオールポリ(ビニルエーテル)などのビニルエーテル、スチレンなどの芳香族ビニルモノマー、ビニルアルコキシシランなどが例示できる。ポリオールポリ(ビニルエーテル)を構成するポリオールとしては、アクリル系モノマーについて例示したポリオール(ブタンジオール)が例示される。ジエン系モノマーとしては、例えば、イソプレン、ブタジエンなどが挙げられる。
エポキシ系モノマーとしては、分子内に1個のエポキシ基を有する化合物を挙げることができる。エポキシ系モノマーは、例えば、エポキシシクロヘキサン環または2,3-エポキシプロピロキシ基を含む化合物が挙げられる。
本発明の三次元光造形用樹脂組成物中の反応性モノマーの含有量は、特に限定されないが、1~99.5質量%が好ましく、50~90質量%がより好ましい。1質量%未満では、樹脂が高粘度になる傾向があり、99.5質量%を超えると、硬化収縮が大きくなる傾向がある。
<非反応性化合物>
三次元光造形用樹脂組成物は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料に加えて、融点が20~150℃である非反応性化合物を含むことが好ましい。非反応性化合物は、反応性モノマーと反応しない化合物であれば、特に限定されない。非反応性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。非反応性モノマーとしては、例えば、エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。これら以外の非反応性化合物としては、イソシアネート化合物、フェノール化合物などが挙げられる。
非反応性化合物の融点は、20~150℃であれば特に限定されないが、30~120℃が好ましく、40~100℃がより好ましい。非反応性化合物の融点が20℃未満であると、三次元光造形用樹脂組成物の硬化物からなる三次元造形物が常温で溶融してしまい、鋳造作製のための原型として使用できなくなることがあり、150℃を超えると、該三次元造形物を加熱により溶融させて除去することが困難となることがある。
非反応性ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、500~30000が好ましく、800~10000がより好ましい。重量平均分子量が500未満であると、硬化後にブリードアウトしやすくなることがあり、30000を超えると、三次元光造形用樹脂組成物の硬化物からなる三次元造形物の溶融後の粘度が高くなり、除去することが困難となることがある。
反応性モノマーと非反応性化合物の配合比は、重量比で90/10~30/70が好ましく、80/20~50/50がより好ましい。反応性モノマーが90よりも多いと、三次元光造形用樹脂組成物の硬化物からなる三次元造形物を加熱により溶融させることが困難となることがあり、30よりも少ないと、光硬化が不充分となり、三次元造形物を形成することが困難となることがある。
非反応性化合物の含有量は、特に限定されないが、10~70質量%が好ましく、20~50質量%がより好ましい。10質量%未満であると、三次元光造形用樹脂組成物の硬化物からなる三次元造形物を加熱により溶融させることが困難となることがあり、70質量%を超えると、三次元光造形用樹脂組成物の固化が進行し液状を保つことができなくなることがある。
<光重合開始剤>
三次元光造形用樹脂組成物は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料に加えて、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、光の作用により活性化して、反応性モノマーの重合を開始させる。光重合開始剤としては、例えば、光の作用によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤のほか、光の作用により塩基(またはアニオン)や酸(またはカチオン)を生成するもの(具体的には、アニオン発生剤、カチオン発生剤)が挙げられる。光重合開始剤は、光硬化性モノマーのタイプ、例えば、ラジカル重合性であるか、イオン重合性であるかなどに応じて選択することができる。ラジカル重合開始剤(ラジカル光重合開始剤)としては、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤などが挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンなどが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、反応性モノマー100重量部に対して0.01~10重量部が好ましく、0.1~5重量部がより好ましい。0.01重量部未満では、硬化不良となる傾向となり、10重量部を超えると、貯蔵安定性の不良や吸収による硬化不良となる傾向がある。
<添加剤>
本発明の三次元光造形用樹脂組成物は、重合禁止剤、連鎖移動剤、ワックス粒子、硬化性樹脂、染料、紫外線増感剤、可塑剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤などの公知の添加剤を含むことができる。
重合禁止剤としては、例えば、4-メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert-ブチル-ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、4-メチルキノリン、フェノチアジン、2,6-ジイソブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、アンモニウム-N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム等が挙げられる。重合禁止剤の配合量は、全組成物中0.001~1.0質量%が好ましく、0.01~0.3質量%がより好ましい。
連鎖移動剤を配合することにより、反応性モノマーの重合度(反応性モノマーからなるポリマーの分子量)を制御することができる。連鎖移動剤としては、例えば、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)等のチオール基含有化合物等が挙げられる。連鎖移動剤の配合量は、全組成物中0.00001~5質量%が好ましく、0.0001~1質量%がより好ましい。
<三次元光造形用樹脂組成物および硬化物の物性>
本発明の三次元光造形用樹脂組成物は、室温で液状であることが好ましい。室温で液状であることで、3Dプリンタなどを用いて容易に光造形することができる。本発明の三次元光造形用樹脂組成物の25℃における粘度は5000mPa・s以下が好ましく、2000mPa・s以下がより好ましい。なお、樹脂組成物の粘度は、コーンプレート型のE型粘度計を用いて、20rpmの回転速度で測定することができる。
本発明の三次元光造形用樹脂組成物の硬化物のtanδの主ピーク温度は特に限定されないが、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、80℃以上がさらにより好ましい。40℃未満では、耐熱性が不十分となる。tanδは、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて測定されるTgである。硬化物を低温側から高温側(例えば、-100℃から+200℃)まで昇温しながら測定することができる。ピークが複数存在する場合には、大きい方のピーク(主ピーク)のピーク温度とする。
本発明の三次元光造形用樹脂組成物の硬化物のショアD硬度は特に限定されないが、30以上が好ましく、45以上がより好ましく、60以上がさらに好ましい。30未満では、強度が不十分となる傾向がある。ここで、ショアD硬度は、タイプDデュロメータを用い、JIS K7215:1986に準拠して測定する。
<<三次元造形物>>
本発明の三次元光造形用樹脂組成物は、様々な造形方法により、二次元や三次元などの造形物(またはパターン)を形成することができ、特に、光造形に適している。三次元光造形用樹脂組成物は、室温で液状であるため、例えば、バット方式の光造形に用いてもよく、インクジェット式の光造形に用いてもよい。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させて得られる造形物(硬化物)であり、150℃程度に加熱することで溶融するなどして埋没材の鋳型から容易に除去することが可能なため、鋳型作製のための原型として好適に用いられる。なかでも少量の鍛造品の鋳型の原型に最適である。さらに、本発明の三次元造形物は、分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料を含有するため、水または水を含む水溶液に溶解させ、除去することもできる。これらの特徴を用いて、本発明の三次元造形物を犠牲型として使用することもできる。
<<鋳造品の製造方法>>
本発明の鋳造品の製造方法は、
(1)本発明の三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させて三次元造形物を形成する工程と、
(2)三次元造形物を埋没材に埋没させて、埋没材を固化させる工程と、
(3)三次元造形物を除去して、鋳造品を得るための埋没材の鋳型を形成する工程と、
(4)鋳型に金属材料を流し込み、固化させて鋳造品を得る工程と、
を含む。
(1)本発明の三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させて三次元造形物を形成する工程(1)は、
(1-1)本発明の三次元光造形用樹脂組成物からなる第1液膜を形成し、第1液膜を硬化させて第1パターンを形成する工程、および、
(1-2)第1パターンに接するように、本発明の三次元光造形用樹脂組成物からなる第2液膜を形成し、第2液膜を硬化させて第2パターンを積層し、三次元造形物を形成する工程
を含む。
以下に、図1を参照しながら、バット式の光造形の手順について説明する。図1は、樹脂槽(バット)を備える光造形装置(パターニング装置)を用いて三次元造形物を形成する場合の一例である。図示例では、吊り下げ方式の造形について示したが、三次元光造形用樹脂組成物を用いて三次元光造形することができる方法であれば特に制限されない。また、光照射(露光)の方式についても特に制限されず、点露光でも、面露光でもよい。
光造形装置1は、パターン形成面2aを備えるプラットフォーム2と、三次元光造形用樹脂組成物5を収容した樹脂槽3と、面露光方式の光源としてのプロジェクタ4とを備える。
(1-1)第1液膜を形成し、硬化させて第1パターンを形成する工程
工程(1-1)では、(a)に示すように、まず、樹脂槽3に収容された三次元光造形用樹脂組成物5に、プラットフォーム2のパターン形成面2aを、プロジェクタ4(樹脂槽3の底面)に向けた状態で浸漬させる。このときに、パターン形成面2aとプロジェクタ4(または樹脂槽3の底面)との間に液膜7a(液膜a)が形成されるように、パターン形成面2a(またはプラットフォーム2)の高さを調整する。次いで、(b)に示すように、プロジェクタ4から液膜7aに向けて、光Lを照射(面露光)することで、液膜7aを光硬化させて第1パターン8a(パターンa)を形成する。
光造形装置1では、樹脂槽3が、三次元光造形用樹脂組成物5の供給ユニットとしての役割を有する。液膜に光源から光が照射されるように、樹脂槽の少なくとも、液膜とプロジェクタ4との間に存在する部分(図1では底面)は露光波長に対して透明であることが望ましい。プラットフォーム2の形状、材質、およびサイズなどは特に制限されない。
液膜aを形成した後、光源から液膜aに向かって光照射することにより、液膜aを光硬化させる。光照射は、公知の方法で行うことができる。露光方式は、特に制限されず、点露光でも面露光でもよい。光源としては、光硬化に使用される公知の光源が使用できる。点露光方式の場合には、例えば、プロッター式、ガルバノレーザ(またはガルバノスキャナ)方式、SLA(ステレオリソグラフィー)方式などが挙げられる。面露光方式の場合には、光源としては、簡便性の点でプロジェクタが好ましい。プロジェクタとしては、LCD(透過型液晶)方式、LCoS(反射型液晶)方式、およびDLP(登録商標、Digital Light Processing)方式などが挙げられる。露光波長は、三次元光造形用樹脂組成物の構成成分(特に、光重合開始剤の種類)に応じて適宜選択できる。
(1-2)第1パターンに接するように、第2液膜を形成し、第2液膜を硬化させて第2パターンを積層し、三次元造形物を作製する工程
工程(1-2)では、工程(1-1)で得られたパターンaと、光源との間に、三次元光造形用樹脂組成物5を供給して、液膜(液膜b)を形成する。つまり、パターン形成面に形成されたパターンa上に液膜bを形成する。三次元光造形用樹脂組成物5の供給は、工程(1-1)と同様である。
例えば、図1の(c)に示すように、第1パターン8a(二次元パターンa)を形成した後、第1パターン形成面2aをプラットフォーム2ごと上昇させてもよい。そして、第1パターン8aと樹脂槽3の底面との間に三次元光造形用樹脂組成物5を供給することにより、液膜7b(液膜b)を形成することができる。
形成した液膜bに対して、光源から露光して、液膜bを光硬化させ、第1パターンaに別のパターン(液膜bの光硬化により得られるパターンb)を積層する。このようにパターンが厚み方向に積層されることで、三次元造形パターンを形成することができる。
例えば、図1の(d)に示すように、第1パターン8a(パターンa)と樹脂槽3の底面との間に形成された液膜7b(液膜b)に、プロジェクタ4から露光して、液膜7bを光硬化させる。この光硬化により、液膜7bが第2パターン8b(パターンb)に変換される。このようにして、第1パターン8aに第2パターン8bを積層することができる。光源や露光波長などは、工程(1-1)についての記載を参照できる。
工程(1-2)は複数回繰り返すことができる。繰り返すことにより、複数のパターンbが厚み方向に積層されることになり、さらに立体的な造形パターンが得られる。繰り返し回数は、所望する三次元造形物(三次元造形パターン)の形状やサイズなどに応じて適宜決定できる。
例えば、図1の(e)に示すように、パターン形成面2a上に第1パターン8a(パターンa)および第2パターン8b(パターンb)が積層された状態のプラットフォーム2を上昇させる。このとき、第2パターン8bと樹脂槽3の底面との間に液膜7b(液膜b)が形成される。そして、図1の(f)に示すように、プロジェクタ4から液膜7bに対して露光し、液膜7bを光硬化させる。これにより、第1パターン8b上に別のパターン8b(パターンb)が形成される。そして、(e)と(f)とを交互に繰り返すことで、複数のパターン8b(二次元パターンb)を積層させることができる。
工程(1)は、さらに、第1パターンおよび第2パターンを、溶剤で洗浄する工程を含むことが好ましい。得られた三次元造形パターンには、未硬化の三次元光造形用樹脂組成物が付着しているため、該組成物を取り除くために行われる。溶剤は、ハンセン溶解度パラメータが25MPa0.5以下のものが好ましい。具体的な溶剤としては、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールなどが挙げられる。
得られた三次元造形パターンには、必要に応じて、後硬化を施してもよい。後硬化は、パターンに光照射することで行うことができる。光照射の条件は、三次元光造形用樹脂組成物の種類や得られたパターンの硬化の程度などに応じて適宜調節できる。後硬化は、パターンの一部に対して行ってもよく、全体に対して行ってもよい。
(2)三次元造形物を埋没材に埋没させて、埋没材を固化させる工程
埋没材としては、特に限定されないが、クリストバライト埋没材、石英埋没材などの石膏系埋没材、リン酸塩系埋没材などが挙げられる。三次元造形物の埋没材への埋没は常温で行うことが好ましい。埋没材の固化は常温で行ってもよく、水の除去を促進するために加温して行ってもよい。加温時の温度は120℃以下が好ましい。その他の条件は、従来公知の条件を採用することができる。
(3)三次元造形物を除去して、鋳造品を得るための埋没材の鋳型を形成する工程
三次元造形物を加熱により除去する場合、加熱温度は、特に限定されないが、100~1000℃が好ましく、150~800℃がより好ましい。加熱温度が100℃未満であると、三次元造形物が十分に溶融せず、埋没材の鋳型から除去することが困難となることがあり、1000℃以上であると、埋没材が耐えられなくなることがある。また、三次元造形物の除去は、水または水を含む水溶液に溶解させることでも行うことができる。
(4)鋳型に金属材料を流し込み、固化させて鋳造品を得る工程
金属材料としては、特に限定されないが、例えば、チタン、コバルト、ニッケル、クロム、金、銀、白金、これらの合金等が挙げられる。鋳型に金属材料を流し込む方法、および、金属材料を固化させる方法としては、従来公知の方法を採用することができる。
本発明の鋳造品の製造方法により得られた鋳造品は、歯科、宝飾などの分野での用途に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
以下に、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
<<反応性材料>>
ポリテトラメチレングリコール#650ジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、A-PTMG65、熱分解温度258℃)
アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(株式会社日本触媒製、VEEA、熱分解温度348℃)
シクロヘキサンジビニルエーテル(日本カーバイド工業株式会社製、CHDVE、熱分解温度350℃)
アセタール化合物1(合成例1、熱分解温度169℃)
アセタール化合物2(合成例2、熱分解温度160℃)
アセタール化合物3(合成例3、熱分解温度140℃)
アセタール化合物4(合成例4、熱分解温度140℃)
アセタール化合物5(合成例5、熱分解温度140℃)
<<反応性モノマー>>
イソボルニルアクリレート(IBXA)(大阪有機化学工業株式会社製、ホモポリマーのTg97℃)
<<非反応性化合物>>
エポキシ化合物(三菱ケミカル株式会社製、YL6810、融点45℃)
<<光重合開始剤>>
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(IGM resin社製、Omnirad 819)
<<連鎖移動剤>>
ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製、Karenz PE1)
<<埋没材>>
クリストバライト埋没材(株式会社ユーデント製、ユーデントクリストバライトF30)
<<金属材料>>
Ag925(井嶋金銀工業株式会社製)
合成例1
4-ヒドロキシブチルアクリレート7.74gに対して、触媒としてPM-21(リン酸含有アクリレート:日本化薬株式会社製)を0.2g混合して攪拌し、さらにVEEA(アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル)を10g添加し、80℃に昇温して6時間攪拌することにより、アセタール結合を1個有する下記式(I)のアセタール化合物1を得た。
Figure 0007224557000017
合成例2
2-アクリロイロキシエチル-コハク酸5.805gに対して、VEEA(アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル)を5g添加し、80℃に昇温して6時間攪拌することにより、アセタール結合を1個有する下記式(II)のアセタール化合物2を得た。
Figure 0007224557000018
合成例3
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDVE)5gに対して、重合禁止剤4-メトキシフェノールを0.07g溶解させたあとに、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸11.014g添加し、80℃に昇温して12時間攪拌することにより、アセタール結合を2個有する下記式のアセタール化合物3を得た。
Figure 0007224557000019
合成例4
シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル(CHDVE)10gに対して、重合禁止剤4-メトキシフェノールを0.14g溶解させたあとに、アクリル酸6.865g添加し、80℃に昇温して12時間攪拌することにより、アセタール結合を2個有する下記式のアセタール化合物4を得た。
Figure 0007224557000020
合成例5
トリメチロールプロパントリビニルエーテル(TMPTVE)3gに対して、重合禁止剤4-メトキシフェノールを0.05g溶解させたあとに、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸9.165g添加し、80℃に昇温して12時間攪拌することにより、アセタール結合を3個有する下記式のアセタール化合物5を得た。
Figure 0007224557000021
実施例1~7および比較例1~3
表1に示す配合量(重量比)で、各成分を混合した。攪拌しながら80℃のオーブンで加熱して、固形成分を溶解させることにより均一な液状の樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<熱溶融性>
LCD方式の3Dプリンタ(Phrozen社製、Phrozen sonic mini)を用いて、1層当たりの照射時間15秒およびz軸(高さ方向)のピッチ50μmの条件で、短冊状のサンプル(縦35mm×横20mm×厚み(高さ)6mm)を作製した。その造形物を、150℃、200℃、または250℃に加温したオーブンに1時間入れた後の変化を目視で確認することにより、下記の基準で熱溶融性を評価した。
◎:低粘度液状化
〇:液状化
△:形状変化
×:無変形
<造形性>
LCD方式の3Dプリンタ(Phrozen社製、Phrozen sonic mini)を用いて、1層当たりの照射時間12秒およびz軸(高さ方向)のピッチ50μmの条件で、箱状のサンプル(縦20mm×横20mm×厚み(高さ)20mm)を作製した。得られた造形物を観察し、造形物の角の精度により、下記の基準で造形性を評価した。
○:造形物の角が角張っている
×:造形物の角が丸まっている
<鋳造性>
LCD方式の3Dプリンタ(Phrozen社製、Phrozen sonic mini)を用いて、1層当たりの照射時間15秒およびz軸(高さ方向)のピッチ50μmの条件で、短冊状のサンプル(縦35mm×横20mm×厚み(高さ)6mm)を作製した。得られた造形物、埋没材、および金属材料を用いて、前述の鋳造品の製造方法にしたがって鋳造品を製造し、下記の基準で鋳造性を評価した。
○:鋳造品にバリの発生なし
×:鋳造品にバリの発生あり
Figure 0007224557000022
比較例1~3の造形物は250℃以下では溶融できなかった。これに対し、実施例1~7の造形物は250℃以下で溶融でき、造形性、鋳造性にも優れていた。なかでも、アセタール結合を2個以上有する反応性材料を用いて作製した実施例5~7の造形物は特に優れていた。
1:光造形装置
2:プラットフォーム
2a:パターン形成面
3:樹脂槽
4:プロジェクタ
5:三次元造形用樹脂組成物
6:離型剤層
7a:液膜a
7b:液膜b
8a:第1パターンa
8b:第2パターンb
L:光

Claims (9)

  1. 分子内にアセタール構造と架橋性二重結合を有する反応性材料、反応性モノマー、融点が20~150℃である非反応性化合物、および光重合開始剤を含み、前記反応性モノマーと前記反応性材料の配合比が99.9/0.1~80/20であって、
    前記反応性材料が、架橋性二重結合を2以上有する化合物と、架橋性二重結合を有するアルコール化合物または架橋性二重結合を有するカルボン酸化合物との反応物である、三次元光造形用樹脂組成物。
  2. 前記反応性材料の熱重量示差熱分析測定による熱分解温度が80~200℃である、請求項1に記載の三次元光造形用樹脂組成物。
  3. さらに、重合禁止剤を含む請求項1または2に記載の三次元光造形用樹脂組成物。
  4. さらに、連鎖移動剤を含む請求項1または2に記載の三次元光造形用樹脂組成物。
  5. 硬化物のtanδの主ピーク温度が40℃以上である、請求項1または2に記載の三次元光造形用樹脂組成物。
  6. 反応性モノマーが、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度が40℃以上となる反応性モノマーである請求項1または2に記載の三次元光造形用樹脂組成物。
  7. 請求項1または2に記載の三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させた三次元造形物。
  8. 鋳型作製のための原型として用いられる、請求項7に記載の三次元造形物。
  9. (1)請求項1または2に記載の三次元光造形用樹脂組成物を光硬化させて三次元造形物を形成する工程と、
    (2)三次元造形物を埋没材に埋没させて、埋没材を固化させる工程と、
    (3)三次元造形物を除去して、鋳造品を得るための埋没材の鋳型を形成する工程と、
    (4)鋳型に金属材料を流し込み、固化させて鋳造品を得る工程と、
    を含む、鋳造品の製造方法。
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