JP7224384B2 - 展開機構を備えたヘッドレスト - Google Patents

Description

本発明は、展開機構が備わっているヘッドレストに関する。本ヘッドレストは、斜め衝突または側面衝突の場合にさえ、頭部および頸部を保護する。

車両内のヘッドレストは現在、主に中心衝突の場合に頭部を保護するように設計されている。交通事故の分析から明らであるように、ドライバーの頭部および頸椎の重傷は多くの場合、側面および斜め衝突時に起こる。現在使用されているほとんどのレストは、側面および斜め衝突時に、または車両が回転している時に、頭部および頸椎を保護することができない。これらのタイプの衝突では、怪我が発生するメカニズムは異なる。

文書ＥＰ３１８８９３０から知られているヘッドレストは、中心軸を通して連結されている一対の上側レールおよび下側レールを有することを主に特徴とする。各対のガイドレール間の間隙内に、ガイドトラックが摺動自在に配置される。中心軸と支持カップリングとの間に、圧縮ばねが配置される。さらに、展開可能なクッション材脚が拡張支持ブラケットの周囲に配置される。展開構造の安全機能がレスト内のセンサーを使用して作動され、それは、ある角度の衝撃および加速度値に対して調整可能である。しかし、展開構造のサイド部の拡張角度は説明されたソリューションではかなり制限される。

文書ＫＲ２００７０１１４３３１から知られているヘッドレストは２つのサイドセグメントを含み、それらはヘッドレストへの頭部の衝突の結果として、ばねによって作動される。ヘッドレスト上の負荷が低減した後、セグメントは、ばねによって再度、それらの元の状態に戻る。しかし、前記サイドセグメントは、後突の場合に乗客の頭部または頤を固定するようにだけ適合される。

調整可能な側方サイドを備えたレストも知られており、主に、より大きな乗客快適性を確実にするのに役立ち、車両内での彼／彼女の安全性を高めるためではない。例えば、文書ＵＳ２０１９２１０５０１は、ロックできる、レストを調整するための摺動および回転機構が備わったヘッドレストを開示する。同様のヘッドレストが文書ＫＲ１０１８７８２８０内で開示されており、このレストも中央ブロックに取り付けられた調整可能な側方サイドを有し、駆動ユニット（エンジン）の助けを借りて側方サイドの単純な調整を可能にする摺動ガイドが取り付けられる。文書ＤＥ１０２０１２００９３６６は、空圧ユニットの助けを借りて調整可能なサイド部材（支持）を有するレストを開示する。文書ＤＥ１０２００９０２１２６７内では別の選択肢が開示されており、その文書中ではヘッドレストは快適なサイドウイングを備えており、それは、ジョイントによってレストに連結され、必要に応じて、サイド部（ウイング）が回転運動を通して所望の位置に移動され得る。しかし、これらの文書は、側面衝突の場合に備えて乗客の保護に対処しない。

従って、十分な拡張間隔および十分な強度を備えた展開または拡張要素を含み、かつ斜め衝突または側面衝突の場合にさえ、乗客の頭部および頸部を確実に保護するのを可能にする、ヘッドレストを提案することが適切であろう。

前述した欠点は、その真ん中に垂直軸をもつ中央部および少なくとも１つのサイド部を含む展開機構を備えたヘッドレストにより、ある程度まで除外される。中央部は、支持構造および制御装置に接続された作動要素を含む。サイド部は、支持構造内に摺動自在に配置された弓形形状のガイド構造を含み、このガイド構造は格納位置および拡張位置を含む。格納位置では、少なくとも１つのサイド部のガイド構造は中央部の垂直軸を越えて延出する。

制御装置は、車両の制御装置または追加の制御装置であり得る。サイド部の格納位置における垂直軸を越えての延出、すなわち、所与のサイド部が中央部のそれぞれの側方サイドから中央部の真ん中の垂直軸までずっと、そしてそれを越えて延出するという事実は、拡張位置においてサイド部のさらなる拡張を可能にする。しかし、サイド部は、拡張位置においてさえ支持構造内に十分にしっかりと固定され得、そのため拡張されたサイド部は、衝突の場合に備えて、頭部および／または頸部に対して堅固な支持を提供する。本発明のヘッドレストのサイド部は従って、当技術分野で既知の展開構造をもつヘッドレストの事例におけるよりも拡張し得、その事例では、両方のサイド部は相互に位置合わせされて、拡張を画定するためのレールを共有し、それ故、それらは中央部の垂線を越えて延出せず、延出できない。

展開機構を備えたヘッドレストは好ましくは、各々が中央部の反対側に配置された、２つのサイド部を含み、両方のサイド部のガイド構造は相互に離間されて、中央部の垂直軸を越えて延出する。サイド部の間隔は、サイド部の各々が中央部の垂直軸を越えて、他方のサイド部の方に延出する場合でさえ、格納されたサイド部が相互に妨げないことを確実にする。

好ましくは、支持構造はスタンドに連結される。スタンドが備わっている支持構造は、従来型のヘッドレストの場合と同様に、ヘッドレストが座席に格納されるのを可能にする。

好ましくは、少なくとも１つのサイド部のガイド構造は、中央部の垂直軸をその長さの少なくとも４分の１だけ越えて延出する。中央部の垂直軸を越えたサイド部の延出のサイズが増大するにつれて、ガイド構造と中央部との間の摺動連結の長さが増大し、従って、サイド部の最大拡張サイズ（すなわち、長さまたは角度）が増大する。しかし、ガイド構造の拡張位置で、ガイド構造は中央部内に十分に安定して固定される。

好ましくは、第１のサイド部の第１のガイド構造の少なくとも一部は、第２のサイド部の第２のガイド構造よりも高く取り付けられる。ガイド構造の間隔は従って、非ゼロ垂直成分をもつ方向である。

好ましくは、ガイド構造は突起部を含み、かつ支持構造はバックストップを含み、突起部およびバックストップは、ガイド構造の拡張位置において一方が他方を止めるように、相互に関して位置付けられる。バックストップは支持構造上の突起部、ねじ、または支持構造に固定されたピンなど、であり得る。バックストップをもつ突起部は従って、サイド部の最大拡張を画定して、サイド部が場合により中央部から落ちるのを防ぐ。

作動要素は好ましくは、中央部の垂直軸の位置に配置され、各サイド部のガイド構造は圧縮構造を含み、各圧縮構造は作動要素に隣接する。従って、単一の作動要素が両方のサイド部の拡張を確実にする。

好ましくは、本発明のヘッドレストは２つの作動部材を含み、各サイド部のガイド構造は圧縮構造を含み、異なるサイド部の圧縮構造は各作動要素に隣接する。そのおかげで、サイド部は個々に拡張し得、すなわち、一例として、衝撃の方向に応じて、一方のサイド部だけが拡張し得る。

好ましくは、作動要素は、パイロカートリッジ、エンジン、電子的に作動可能なロックを備えた空圧要素、電子的に作動可能なロックを備えた油圧要素、および電子的に作動可能なロックを備えたばねから成る群から選択された展開要素として具現化される。

好ましくは、ガイド構造の拡張位置で、サイド部は、中央部の支持構造の幅の少なくとも４分の１または少なくとも半分または少なくとも４分の３の距離だけ中央部から拡張される。

中央部は外側に中央部のクッション材が備わっていて、サイド部は外側にサイド部のクッション材が備わっている場合、好ましい。

さらに、展開機構を備えたヘッドレストは好ましくは、強度ファブリックを含み、それはその面の一方で中央部に、その面の他方でサイド部に連結される。強度ファブリックは乗客の頭部または頸部が、ガイドまたは支持構造の硬い、非クッション性構成要素と接触するのを防ぐ。

サイド部は、それが相互に関して摺動する少なくとも２つのガイド構造を含むように、入れ子式として設計され得、これらのガイド構造の各々はサイド部のクッション材が備わっている。

好ましくは、各ガイド構造は、上側アーム、下側アーム、中心パイプとして具現化された圧縮構造を含み、上側アーム、下側アーム、および中心パイプは相互に平行であり、垂直連結によってサイドに相互連結され、それは同時にサイド部のクッション材を支え、中心パイプはアームの一方により近接して延出される。さらに、支持構造は好ましくは、支持構造の幅全体にわたって延在する４つのガイド空洞を含むプロファイルによって形成されて、一対のガイド空洞が上部に配置され、一対のガイド空洞が下部に配置され、そのために中心パイプのための開口部がこれら２対のガイド空洞の間に延在するようになる。

本発明の要約は、その例示的な実施形態によってさらに明確にされ、それは、添付の図面を参照して説明される。

本発明の展開機構を備えたヘッドレストの断面を、ヘッドレストの両方のスタンドを通る垂直面で概略的に示す。 本発明のヘッドレストの拡張されたサイド部をもつ側面からの図を概略的に示す。 ヘッドレストの斜視図を概略的に示しており、一方のサイド部が拡張されていて、他方のサイド部は拡張されていない。 図３のヘッドレストの断面を概略的に示しており、この断面はサイド部の中心パイプを通って水平に作成されている。 図３のヘッドレストの断面を概略的に示しており、この断面はサイド部のアームを通って水平に作成されている。 正面から見て概略的に示された本発明の代替実施形態を概略的に示しており、一方のサイド部のアームが他方のサイド部のアームに格納されている。 正面から見て概略的に示された代替実施形態を概略的に示しており、各サイド部のガイド構造は単一のアームを有する。 代替実施形態を正面から概略的に示しており、ここでは、一方のガイド構造の両方のアームが、他方のガイド構造のアームの間に配置されている。 一実施形態を正面から概略的に示しており、ここでは、左サイド部のガイド構造のアームが、右サイド部のガイド構造のアームから上方に離間されている。 水平方向に離間されたアームをもつ一実施形態におけるレストの概略的な斜視図である。 水平方向に離間されたアームをもつレストの別の代替実施形態における概略的な斜視図である。

本発明の例示的な実施形態
本発明は、例示的な実施形態により、それぞれの図面を参照してさらに明確にされるであろう。

図１は、本発明の展開機構を備えたヘッドレスト１の例示的な実施形態を示す。ヘッドレスト１は、中央部２および２つの同一のサイド部３を含み、中央部２は支持構造６および中央部のクッション材４を含む。各サイド部３はガイド構造７およびサイド部のクッション材５を含み、格納位置および拡張位置に調節可能である。スタンド８が次いで、支持構造６に下から取り付けられ、それは、ヘッドレスト１を座席に格納する働きをする。図１では、両方のサイド部３は格納位置にあり、その位置でそれらは中央部の垂直軸９を部分的に越えて延出している、すなわち、左サイド部３の一部、具体的には、そのガイド構造７の一部が、正面から見た場合（図１を参照）、中央部の垂直軸９の右側に位置しており、右サイド部３に対しても同様である。

図示した実施形態では、各ガイド構造７は上側アーム１４、下側アーム１４、中心パイプ１３の形で作動要素と相互作用する圧縮構造を含み、それらは相互に平行であり、垂直連結によってサイドで相互連結され、それは同時にサイド部のクッション材５を支える。中心パイプ１３はアーム１４の一方により近接して延出される（図１を参照）。上から見ると、各アーム１４は弓形形状に曲げられる。

支持構造６は、正面から見た場合、図１で見られるように、ほぼ長方形であり、上から見た場合は、図３および図４で見られるように、弧に曲げられている、プロファイルによって形成される。プロファイルは、支持構造６の幅全体にわたって延在する４つのガイド空洞１５－上部の一対のガイド空洞１５および下部の一対のガイド空洞１５－を含む。図２では、これらのガイド空洞１５は、ほぼ長方形の横断面を有し、相互の上に配置される。これら２対のガイド空洞１５の間に、中心パイプ１３のための開口部が延在し、それは仕切板（ｄｉｖｉｄｅｒ）を使用して真ん中で分割されている。ガイド空洞１５は、サイド部３を中央部２内に摺動自在に固定する働きをし、各ガイド空洞１５内には、一方のサイド部３のアーム１４が他方のサイド部３のアーム１４に影響を及ぼすことなく、アーム１４が中央部２の垂直軸９を越えて延出し得るように、一方のサイド部３の１つのアーム１４だけが固定される。従って、ガイド空洞１５は、アーム１４の摺動運動のためのレールとして機能し、それらと共に、ガイド構造７全体も同様である。しかし、ガイド空洞１５は、全周囲を取り囲まれる必要はなく、それらは部分的に開いていることもできる。

図示した支持構造６は、上から見た場合、どこで半径が測定されるかに応じて、１２５ｍｍ～１６５ｍｍの半径を有する。支持構造６の水平軸の半径を測定する場合、この半径は１４５ｍｍである。この半径に沿って、サイド部３は拡張する。拡張のサイズはこの軸上でも測定される。支持構造６の最大幅、すなわち、図１において左から右に測定された寸法は、この実施形態では、ほぼ２２８ｍｍ、すなわち、支持構造６の弧はおよそ８５°である。代替実施形態では、これらの寸法は異なり得、例えば、車両のタイプ、他の安全要素の存在および形など、によって異なり得る。例えば、支持構造６の水平軸の半径は、１００ｍｍ～２５０ｍｍ、好ましくは、１２０ｍｍ～２００ｍｍ、の範囲であり得る。従って、水平軸は弧になるはずであり、それは、支持構造６をそのほぼ真ん中で通って延在し、それはその曲がりに倣う。図５では、支持構造６の水平軸が破線を使用して示されており、その半径は矢印を使用して示されている。ガイド構造７上のサイド部３の拡張サイズは、安全性にとって極めて重要であり、従って、拡張の弧は、２０°より大きい値、またはより好ましくは、３５°より大きく、好ましくは、しかし、５０°より大きい値に達し得る。ガイド構造７上のサイド部３の拡張のサイズを中央部２の支持構造６の幅に対して表現すると、ガイド構造７は各サイド上で、以下で定義される水平軸に従って測定された、この幅の少なくとも４分の１だけ、または好ましくは、半分だけ、または少なくとも４分の３だけ拡張され得る。

図示した実施形態では、図１における左サイド部３は、支持構造６内の各一対のガイド空洞１５の下側のもの内に固定され、右サイド部３は、各一対のガイド空洞１５の上側のもの内に固定される。拡張された右サイド部３の右側からの図が図２に示されており、図２では、各一対のガイド空洞１５の上側のもの内のこのサイド部３の両方のアーム１４の摺動固定が見られる。同時に、両方の中心パイプ１３が相互に軸方向に位置合わせされており、それは、垂直方向に離間されているサイド部３のアーム１４およびそれに応じてアーム１４の一方の方にオフセットされている中心パイプ１３によって提供される。同時に、両方のサイド部３のアーム１４は支持構造６内のガイド空洞１５の半分の長さよりも長く、サイド部３のアーム１４は一部、重なり合うことを意味する。そのおかげで、拡張後の十分な安定性を維持しながら、サイド部３のさらなる拡張が可能にされる。最大拡張の長さは、ガイド構造７のアーム１４の重なり合った部分の長さの増加に伴って増加する。アーム１４の長さは支持構造６内のガイド空洞１５の長さにも等しい可能性があり、そのため各サイド部３はその結果、概ねガイド空洞１５の長さだけ拡張可能である。アーム１４の長さ、ガイド空洞１５、および従ってサイド部３の拡張の長さも、本明細書では支持構造６の水平軸に沿って測定されるこれら要素の長さとして理解され、この軸は弧に曲げられ、従って、これらの長さも弧の長さである。サイド部３の拡張の長さは、ガイド空洞１５の長さの半分よりも大きい。好ましい実施形態では、拡張の長さは少なくともガイド空洞１５の長さの８分の５であり、それは、両方のサイド部３上に等しい長さのアーム１４をもつ一実施形態では、アームは、各アーム１４の長さの少なくとも４分の１にわたって重なり合うことを意味する。より好ましくは、拡張の長さは少なくともガイド空洞１５の長さの少なくとも４分の３である。

いくつかの実施形態では、ガイド空洞１５は、支持構造６の幅全体にわたって延在していない可能性があり、代わりに、それらは一方の端部で閉じている可能性がある。サイド部３の拡張の長さはその結果、それぞれのガイド空洞１５の長さにほぼ等しい可能性がある。

止め具（ｓｔｏｐ）は、サイド部３が支持構造６から落ちるのを、すなわち、アーム１４がガイド空洞１５から完全に拡張するのを防ぐ。図示した実施形態では、止め具は、各アーム１４の自由端における突起部およびそれぞれのガイド空洞１５の端部で開口部内に固定されたねじの形でのバックストップとして実装され、そのためこのねじの一部はガイド空洞１５内部に延出する。サイド部の最大拡張で、突起部はねじと接触し、それによりサイド部のさらなる拡張を防ぐ。ねじ開口部は図２で見られ、図２ではこれらの開口部は一番上および一番下のガイド空洞１５の右側に位置付けられている。ガイド構造７上の突起部は図５で見られる。図５ではねじ開口部さえ見られるが、明確にするために、開口部はガイド空洞１５の両方の端部に示されているが、少なくとも図示した実施形態では、図示したサイド部３に近い開口部だけが機能的に重要である。

代替として、止め具は任意の他の方法で具現化され得、例えば、ねじがサイド部３の一方もしくは両方のアーム１４上に位置付けられ得、そして突起部がガイド空洞１５の端部に配置されるか、またはねじがピンもしくは他の突起部で置き換えられ得る。従って、支持構造６上のバックストップは任意の要素であり得、それは、ガイド構造７上の突起部または別の要素と一緒に、サイド部３の最大拡張を画定する。例えば、アーム１４の自由端が閉じられたアーム１４の表面上に溝が形成され得、拡張中、支持構造６上のバックストップが所与の溝内で誘導されるか、または溝がバックストップ上で誘導され、そして最大拡張時には、溝の端部がバックストップと接触してさらなる拡張を防ぐ。

中心パイプ１３のための開口部内の仕切板は、両側上にラッチ突起部が備わっており、少なくとも一部中空の中心パイプ１３の自由端が、サイド部３の格納状態でそれに固定される。代替実施形態も可能であり、代替実施形態では中心パイプ１３の代わりにロッドが使用される、すなわち、中心パイプ１３は完全に塞がれて、仕切板上にラッチ突起部はない。

仕切板に近接して、作動要素１１がその面の各々上に設置され、それは、それぞれのサイド部の拡張を実行する。作動要素１１は、中心パイプ１３の内部に配置され得、例えば、それはパイロカートリッジ、膨張可能バッグ、ピストン、加圧された泡で充填された拡張可能バッグ、または与圧ばね（ｐｒｅｌｏａｄｅｄ ｓｐｒｉｎｇ）であり得る。代替として、作動要素１１は、中心パイプ１３の外側、例えば、中心パイプ１３の端部と仕切板との間に配置され得るか、またはそれは中心パイプ１３の外表面上の突起部および中心パイプ１３の開口部内部の別の突起部によって、もしくは仕切板によって、固定され得る。ばねは、例えば、コイル状、空気圧式など、にできる。

図示した例示的な実施形態では、作動要素は、それぞれのサイド部３を支持構造６から永続的に押し出す与圧ばねである。ばねは図４に概略的に示されており、図４では、ヘッドレスト１は右サイド部３を拡張させて示されている。一方の端部で、ばねは仕切板に圧力をかけ、他方の端部では、中心パイプ１３内部の、図示していない、リムまたは中心パイプ１３内の空洞の底部に圧力をかける。この作動要素１１の一部は安全機能、例えば、電子的に作動可能なロック１６であり、それは、サイド部３の拡張を防ぐ。作動要素１１はその結果、安全機能を解除することによって作動される。作動は、例えば、衝撃の方向および力などを評価するセンサー（複数可）または検出器（複数可）からのデータに基づき車両の制御装置を使用して制御され得る。

作動要素１１が作動された後、すなわち、安全機能が解除された後、それぞれのサイド部３は、支持構造６内のガイド空洞１５の形状に沿って与えられた弓状経路に沿って拡張される。同時に、ヘッドレスト１に対して制御装置１０によって実行された評価に応じて、図３および図４に示すように、サイド部３の一方だけが拡張され得るか、または両方のサイド部３が同時に拡張され得る。制御装置１０は、作動要素１１と、例えば、ガイド構造７をロックおよび解除するために電子的に作動可能なロック１６と、または最終的には衝突を検出するセンサーもしくは検出器と、ならびに／または車両の制御装置と、相互接続される。いくつかの実施形態では、１つの作動要素１１だけが、両方のサイド部３にとって共通のヘッドレスト１の部分であり得る。図４では、ロック１６は、概略的に示された制御装置１０と相互接続されて、概略的に示されている。ガイド空洞１５の垂直方向の間隔空けを所与として、空洞の１つだけ、および１つだけのロック１６、および１つのばねがここで見られる。図４の実施形態では、ガイド空洞１５およびアーム１４は、中央部２の垂直軸９、および従って、支持構造６の垂直軸も、わずかにだけ越えて延出する。中央部の垂直軸９は、図１では破線を使用して示されている。

強度ファブリック１２がサイド部３と中央部２との間に配置され、それは、サイド部３が拡張された場合に、伸びて、それにより頭部がサイド部３の非クッション性部品、すなわち、アーム１４または中心パイプ１３と恐らく接触するのを防ぐ。強度ファブリック１２は図４に概略的に示されており、図４では、中央部のクッション材４とサイド部のクッション材５との間に取り付けられている。代替として、強度ファブリック１２は支持構造６および／またはガイド構造７に連結され得る。強度ファブリック１２は、例えば、適切な織物もしくはフィルム、または別の発泡体もしくは弾性材料であり得る。

展開機構を備えたヘッドレスト１の代替実施形態では、支持構造内のガイド空洞１５は、任意の他の横断面、例えば、楕円形もしくは円形、を有し得るか、またはＩ、Ｔ、もしくはＬ字型の横断面をもつ開口部であり得る。アーム１４は、ガイド空洞１５内部の摺動固定のための対応する横断面形状を有し得る。代替として、ガイド空洞１５の数およびサイド部３のガイド構造７のアーム１４の関連数は、任意の他の数であり得る。例えば、各サイド部３はそのガイド構造７上に１つだけのアーム１４を有し得、そのため支持構造６は２つだけのガイド空洞１５および中心パイプ１３のための１つの開口部を含む。

代替実施形態では、支持構造６内のガイド空洞１５の配置は異なり得る。例えば、一方のサイド部３のアーム１４のためのガイド空洞１５は、他方のサイド部３のアーム１４のためのガイド空洞１５から水平方向に離間されている。例えば、一方のサイド部３の両方のアーム１４は、他方のサイド部３の両方のアーム１４よりももっと前方にあり得るか、または一方のサイド部３は、下側アーム１４よりももっと前方に上側アーム１４を有し得、他方のサイド部３はその結果、上側アーム１４を下側アーム１４よりももっと後方に有し得るか、または逆もまた同様である。

別の代替実施形態では、一方のサイド部３の両方のアーム１４は、図８に示すように、他方のサイド部３のアーム１４の間に垂直方向に配置され得る。図９は次いで、第１のガイド構造７の下側アーム１４が第２のものの下側アーム１４の上にあり、第１のガイド構造７の上側アーム１４が第２のガイド構造７の上側アーム１４の上にある一実施形態を示す。左側のガイド構造７がより高く設置される実施形態も可能であり、同様に、右側のガイド構造７がより高い代替実施形態も可能である。図８および図９は、各アーム１４が線分だけを使用してその中に示されている、略図であり、中心パイプ１３は示されていないか、またはそれらは図示された実施形態の部分ではなく、クッション材も示されていない。代替として、両方のサイド部３の格納状態で、一方のサイド部３の上側アーム１４は、第２のサイド部３の中空の上側アーム１４の内部に一部配置され得、かつ／または一方のサイド部３の下側アーム１４は、サイド部３の他方の少なくとも一部中空の下側アーム１４に部分的に格納され得る。この状況は図６に概略的に示されており、図６では左側のアーム１４は右側のアーム１４に格納される。この実施形態では、両方のサイド部３が同時に拡張されるように、１つの作動要素１１が下側アーム１４のために強い方のアーム１４の内部に配置され得、別の作動要素１１が他の対のアーム１４のために強い方のアーム１４の内部に配置され得る。各アーム１４がそれ自身の作動要素１を有し得るように、作動要素がアーム１４の外側、例えば、ガイド空洞１５内のフランジに圧力をかける実施形態も可能であるか、または作動要素は、図１の実施形態におけるように、中心パイプ１３の近くであり得る。一方のサイド部３のガイド構造７は、他方のサイド部３のガイド構造７からサイド部３の拡張の方向とほぼ垂直な任意の方向に離間され得る。

図１０は、本発明の一実施形態の斜視図を概略的に示しており、サイド部３、具体的にはそれらのアーム１４が、相互に水平に、すなわち、前方－後方の方向に、離間されている。図示した実施形態では、各サイド部３のガイド構造７は１つのアーム１４だけを有するか、または２つのアーム１４を有していて、上から見た場合に、それらの１つだけが見えるように、１つが別の上にある。図１１では、一実施形態の同様の概略斜視図が示されており、各ガイド構造７は、相互に水平に離間されている２つのアーム１４を有していて、各ガイド構造７が他方のガイド構造７のアーム１４の間に配置された１つのアーム１４を有するように、一方のガイド構造７のアーム１４は他方のガイド構造７のアーム１４よりももっと前方にある。かかる実施形態では、アーム１４およびガイド空洞１５の形状は、図２の実施形態と比べると、例えば、９０°だけ回転されている、すなわち、アーム１４が支持構造６に収まるように、それらの横断面は、上方－下方の方向に、前方－後方の方向より大きな寸法を有するか、またはアーム１４およびガイド空洞１５の形状は、例えば、円形であり得る。

代替または追加として、サイド部３と中央部２との間の摺動運動は、前述のとおり、ガイド空洞１５内に固定されたアーム１４よりも、他のガイド要素によって決定され得る。例えば、摺動運動を画定するために滑り軸受もしくはころ軸受または車輪が使用され得る。

いくつかの代替実施形態では、左サイド部３は、右サイド部３とは異なる形状であり得る。例えば、それらは、例えば、相互に格納されたアーム１４をもつ実施形態に関して前述したように、アーム１４の形状において、クッション材の形状、中心パイプ１３の形状、拡張の長さ（および従って、アーム１４の長さ）、拡張の軌道など、において異なり得る。支持構造７内のガイド空洞１５全てがそれ故、同じ形状を有する必要はない。いくつかの代替実施形態では、一方だけの拡張サイド部３のガイド構造７のアーム１４は、支持構造６の幅の半分よりも長い可能性がある、すなわち、一方だけのサイド部３上のアーム１４は支持構造６の垂直軸９を越えて延出する。従って、他方のサイド部３はその結果、もっと短い拡張長を有する。

本発明のヘッドレスト１の代替実施形態では、一方だけのサイド部３がヘッドレスト１の一部である。従って、この実施形態では、拡張は一方だけのサイド上で生じる。例えば、サイド部３はヘッドレスト１の内側上だけにあり得、乗客の頭部は、自動車のピラーに組み込まれた従来型のエアバッグを使用して、外側で保護され得る。

代替実施形態では、作動要素１１は、リニアエンジンまたはロータリーエンジンの形であり得、このエンジンはサイド部３を拡張させるのに十分速い運動を生成するために適合される。

代替実施形態では、ガイド構造は異なる数の中心パイプ１３を含み得、かつ／またはこれらの中心パイプ１３は異なる形状を有し得る。いくつかの実施形態では、ガイド構造７は中心パイプ１３を含んでおらず、作動要素１１はアーム１４の自由端の近くに配置される。いくつかの実施形態では、ガイド構造７は単一の中心パイプ１３を含み、アーム１４は含んでいないか、または単一のアーム１４を含み、中心パイプ１３は含んでおらず（図７を参照）そのためサイド部３の摺動運動はその結果、単一の細長要素によって画定される。

別の代替実施形態では、様々なガイド構造７上の中心パイプ１３は相互に軸方向に位置合わせされない。別の実施形態では、中心パイプ１３のための開口部は仕切板を備えておらず、中心パイプ１３が相互接触し得るか、または一方が他方の内部に格納され得ることを意味する。かかる場合、中心パイプ１３は作動要素１１を共有し得る。相互に離間された中心パイプ１３または相互に格納可能な中心パイプ１３をもつ実施形態では、中心パイプ１３は、中心パイプ１３のための開口部の半分の長さよりも長い可能性があり、そのため中心パイプ１３は、たとえサイド部３が拡張された場合でさえ、支持構造６の内部に固定され得る。

いくつかの実施形態では、ヘッドレスト１の形状、例えば、拡張の軌道の形状は、特定の乗客、例えば、彼／彼女の身長または頭部のサイズ、に関して調整可能であり得る。ヘッドレスト１のパラメータは次いで、自動車のメモリ内に格納され得る。

本発明の代替実施形態では、サイド部３、または両方のサイド部３は、それ／それらが相互に関して摺動する少なくとも２つのガイド構造７を含むように、入れ子式として設計される。サイド部３が拡張される場合、一方のガイド構造７が次いで他方のものに関して摺動し、それは支持構造６にしっかりと連結され得るか、またはそれに関して摺動し得る。サイド部３は、相互に関して摺動するもっと多くのガイド構造７さえを含み得る。例えば、１つのガイド構造７は、垂直連結ならびにアーム１４および／または中心パイプ１３の第１のセクションを含み得、別のガイド構造７はその結果、アーム１４および／または中心パイプ１３の１つ以上の追加のセクションを含み、これらのセクションは相互に関して摺動し、例えば、あるセクションは一部、隣接したセクションに格納可能であるか、またはセクションは相互から離間されて、それらの表面上のガイド要素を摺動することによってなど、相互接続される。好ましくは、各ガイド構造７は次いで、サイド部のクッション材５と相互接続される。いくつかの実施形態では、一方のサイド部上の複数の支持構造７は垂直連結を有し得る。

サイド部３は、そのガイド構造７の全てに対して共通のサイド部の単一のクッション材５を有し得るか、またはそれは個々のガイド構造７に対して複数のサイド部のクッション材５を含み得る。代替として、所与のサイド部３のガイド構造７の１つだけがクッション材を備え、強度ファブリック１２は頭部が他のガイド構造７に衝突するのを防ぐ。前述して図面で示した実施形態の特徴の一部または全部は、入れ子式サイド部３を備えた実施形態でも含まれ得る。

上で提示された一部または全部の修正および代替実施形態は、他の提示された修正および実施形態と一緒に本発明のヘッドレスト１に関して使用され得る、すなわち、提示された修正および代替実施形態は相互に組み合わされ得る。

参照符号のリスト
１－ヘッドレスト
２－中央部
３－サイド部
４－中央部のクッション材
５－サイド部のクッション材
６－支持構造
７－ガイド構造
８－スタンド
９－中央部の垂直軸
１０－制御装置
１１－作動要素
１２－強度ファブリック
１３－中心パイプ
１４－アーム
１５－ガイド空洞
１６－ロック

Claims (13)

1. 衝突時の頭部および頸部の保護のための展開機構を備えたヘッドレスト（１）であって、前記ヘッドレスト（１）は、中央部（２）の真ん中に垂直軸（９）をもつ前記中央部（２）と少なくとも１つのサイド部（３）とを含み、前記中央部（２）は、支持構造（６）と衝突を検出するためのセンサーに接続された制御装置（１０）に接続された作動要素（１１）とを含み、前記制御装置（１０）は前記センサーからのデータに基づき前記作動要素（１１）を作動させるために配置され、前記サイド部（３）は、格納位置および拡張位置を有する、前記支持構造（６）内に摺動自在に配置されたガイド構造（７）を含む、ヘッドレスト（１）であり、前記格納位置において、前記少なくとも１つのサイド部（３）のガイド構造（７）は、前記中央部（２）の垂直軸（９）を越えて延出し、各ガイド構造（７）は、上側アーム（１４）と、下側アーム（１４）と、中心パイプ（１３）として具現化された圧縮構造とを含み、前記上側アーム（１４）、前記下側アーム（１４）、および前記中心パイプ（１３）は相互に平行であり、垂直連結によって前記サイド部（３）に互いに相互連結され、それは同時に前記サイド部（３）のクッション材（５）を支え、前記中心パイプ（１３）は前記アーム（１４）の一方により近接して延出し、さらに、前記支持構造（６）は、前記支持構造（６）の幅全体にわたって延在する４つのガイド空洞（１５）を含むプロファイルによって形成されて、一対の前記ガイド空洞（１５）が上部に配置され、一対の前記ガイド空洞（１５）が下部に配置されて、そのために前記中心パイプ（１３）のための開口部がこれら２対のガイド空洞（１５）の間に延出するようになることを特徴とする、ヘッドレスト（１）。
2. 前記ヘッドレスト（１）は、各々が前記中央部（２）の反対側に配置された、２つのサイド部（３）を含み、両方のサイド部（３）のガイド構造（７）は相互に離間されて、前記中央部（２）の垂直軸（９）を越えて延出することを特徴とする、請求項１に記載のヘッドレスト（１）。
3. 前記支持構造（６）は前記スタンド（８）に連結されていることを特徴とする、請求項１または２に記載のヘッドレスト（１）。
4. 前記少なくとも１つのサイド部（３）のガイド構造（７）は、前記中央部の垂直軸（９）をその長さの少なくとも４分の１だけ越えて延出することを特徴とする、請求項１乃至３のいずれか一項に記載のヘッドレスト（１）。
5. 前記第１のサイド部（３）の第１のガイド構造（７）の少なくとも一部は、前記第２のサイド部（３）の第２のガイド構造（７）よりも高く配置されていることを特徴とする、請求項２に記載のヘッドレスト（１）。
6. 前記ガイド構造（７）は突起部を含み、かつ前記支持構造（６）はバックストップを含み、前記突起部および前記バックストップは、前記ガイド構造（７）の拡張位置において一方が他方を止めるように相互に関して配置されることを特徴とする、請求項１乃至５のいずれか一項に記載のヘッドレスト（１）。
7. 前記作動要素（１１）は前記中央部（２）の垂直軸（９）の位置に配置され、各サイド部（３）のガイド構造（７）は圧縮構造を含み、各圧縮構造は前記作動要素（１１）に隣接することを特徴とする、請求項２に記載のヘッドレスト（１）。
8. 前記ヘッドレスト（１）は２つの作動要素（１１）を含み、各サイド部（３）のガイド構造（７）は前記圧縮構造を含み、異なるサイド部（３）の圧縮構造は各作動要素（１１）に隣接することを特徴とする、請求項２に記載のヘッドレスト（１）。
9. 前記作動要素（１１）は、パイロカートリッジ、エンジン、電子的に作動可能なロック（１６）を備えた空圧要素、電子的に作動可能なロック（１６）を備えた油圧要素、および電子的に作動可能なロック（１６）を備えたばねから成る群から選択された展開要素として具現化されることを特徴とする、請求項１乃至８のいずれか一項に記載のヘッドレスト（１）。
10. 前記ガイド構造（７）の拡張位置において、前記サイド部（３）は、前記中央部（２）の支持構造（６）の幅の少なくとも４分の１または少なくとも半分または少なくとも４分の３の距離だけ前記中央部（３）から拡張されることを特徴とする、請求項１乃至９のいずれか一項に記載のヘッドレスト（１）。
11. 前記中央部（２）は外側に前記中央部（２）のクッション材（４）が備わっていて、前記サイド部（３）は外側に前記サイド部（３）のクッション材（５）が備わっていることを特徴とする、請求項１乃至１０のいずれか一項に記載のヘッドレスト（１）。
12. 前記ヘッドレスト（１）は強度ファブリック（１２）をさらに含み、それはその面の一方で前記中央部（２）に、その面の他方で前記サイド部（３）に連結されることを特徴とする、請求項１１に記載のヘッドレスト（１）。
13. 前記サイド部（３）は、それが相互に関して摺動する少なくとも２つのガイド構造（７）を含むように、入れ子式として設計され、これらのガイド構造（７）の各々は前記サイド部（３）のクッション材（５）が備わっていることを特徴とする、請求項１１に記載のヘッドレスト（１）。

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