JP7216129B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
特許文献1のブリーザチューブの一端は、減速機室の天井部の通孔に接続されている。ブリーザチューブは、天井部の通孔から上方へ延びている。ブリーザチューブの上端開口は、グロメットにより保護されている。
特許文献2のブリーザチューブは、後部歯車機構収納部のウェット室内から上方へ延びている。ブリーザチューブの上端部は、円筒状のブリーザ本体の内周面内側に設けられた複数のフィンにより支持されている。
特許文献3のブリーザチューブの一端は、減速機室内の上部に通じる導出管部に接続されている。ブリーザチューブは、伝動ケースの上部に沿って前上がりに傾斜して延出している。ブリーザチューブの他端は、エアクリーナに対応する部分で上方に立ち上がり、上方に向けて開口している。
特許文献2の場合、ブリーザ本体においてブリーザチューブが入る入口部分は、後部歯車機構収納部の上方に配置されている。
特許文献3の場合、ブリーザチューブにおいてエアクリーナに対応する部分と導出管部との間の部分は、車幅方向外方に露出している。
これら特許文献1から3では、ブリーザチューブが車幅方向に露出しているため、車幅方向の外乱によりブリーザチューブが抜けてしまう可能性が高い。そのため、外乱によりブリーザチューブが抜けてしまう可能性を低くする技術が求められている。
(1)本発明の態様に係る鞍乗型車両は、駆動輪(4)へ動力を伝達する伝動ユニット(39)と、一端が前記伝動ユニット(39)の内部に連通し、他端が大気開放されている大気開放部(60)と、前記大気開放部(60)が入る開放部入口(72h)を有し、前記大気開放部(60)の他端を覆うカバー(70)と、を備え、前記開放部入口(72h)は、車両側面視で前記伝動ユニット(39)の少なくとも一部と重なり、前記カバー(70)は、電装品(80)を保護する電装保護部(71)を備える。
例えば仮に、開放部入口が車両側面視で伝動ユニットと重ならない場合、大気開放部において開放部入口に入る部分は車幅方向に露出するため、車幅方向の外乱により大気開放部が抜けてしまう可能性が高い。これに対し本構成によれば、開放部入口が車両側面視で伝動ユニットの少なくとも一部と重なることで、伝動ユニットの少なくとも一部により開放部入口が車幅方向から覆われるため、大気開放部において開放部入口に入る部分を車幅方向の外乱から保護することができる。したがって、外乱により大気開放部が抜けてしまう可能性を低くすることができる。
伝動ケースの少なくとも一部により開放部入口が車幅方向から覆われるため、大気開放部において開放部入口に入る部分を車幅方向の外乱から保護することができる。したがって、外乱により大気開放部がギアケースから抜けてしまう可能性を低くすることができる。
第二管において開放部入口に入る部分を車幅方向の外乱から保護することができるため、外乱により第二管が第一管から抜けてしまう可能性を低くすることができる。加えて、第二管の一端は第一管の他端に対して着脱可能に取り付けられていることで、要求仕様に応じて第二管を変更することができる。例えば、金型で成形した第一管をギアケースに対して一体に結合した場合には、要求仕様に応じて第二管のみを変更すればよく、第一管の金型を流用することができるため、汎用性が高まる。
カバーが電装品の保護と大気開放部の保護とを兼ねるため、電装保護部をカバーとは別に設ける場合と比較して、部品点数を削減することができる。
開放部入口が電装保護部よりも車幅方向外側に設けられている場合と比較して、大気開放部において開放部入口に入る部分に対して車幅方向外方の外乱が及びにくくすることができる。したがって、外乱により大気開放部が抜けてしまう可能性をより一層低くすることができる。
カバーの大きさを電装本体の大きさ及び配線の大きさに適した大きさとすることができる。
ところで、本体保護部の車幅方向の長さが配線保護部の車幅方向の長さよりも大きい場合、本体保護部と配線保護部との境は他の部位よりも剛性が低くなりやすい。これに対し本構成によれば、開放保護部が本体保護部と配線保護部との境に設けられていることで、開放保護部により本体保護部と配線保護部との境の剛性を高めることができる。
大気開放部を開放保護部の奥まで入れることができるため、外乱により大気開放部が抜けてしまう可能性をより一層低くすることができる。
例えば仮に、開放部入口がカバーの上下方向中心よりも下方に配置されていると(開放部入口の位置が下すぎると)、開放部入口に大気開放部を入れるときに大気開放部がたわみ、大気開放部の内部にオイルが溜まってしまう可能性が高い。これに対し本構成によれば、開放部入口がカバーの上下方向中心よりも上方に配置されていることで、開放部入口に大気開放部を入れるときに大気開放部がたわむことを抑制することができるため、大気開放部の内部にオイルが溜まってしまう可能性は低い。加えて、開放部入口がカバーの上下方向中心よりも下方に配置されている場合よりも、開放部入口に大気開放部を入れ易いため、作業性が向上する。
カバーが速度検出センサーの保護と大気開放部の保護とを兼ねるため、速度検出センサーの保護部材をカバーとは別に設ける場合と比較して、効率的なレイアウトとしつつ部品点数を削減することができる。
図1に示すように、自動二輪車1(鞍乗型車両)は、ハンドル2によって操向される前輪3(操向輪)と、動力源を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4(駆動輪)と、パワーユニット10を支持する車体フレーム20と、を備える。
パワーユニット10は、自動二輪車1の原動機であるエンジン11(内燃機関)と駆動輪である後輪4とが車体フレーム20(車体本体)に対して一体的に揺動するスイング式動力ユニットである。パワーユニット10は、エンジン11を前部に、エンジン11の出力を変速する変速機41を後部左側に、それぞれ配置した一体のユニットである。パワーユニット10の上方には、エアクリーナ15が設けられている。
伝動ユニット39は、駆動輪である後輪4へ動力を伝達する伝動装置40と、伝動装置40を収容する伝動ケース50と、を備える。
伝動装置40は、変速機41及び歯車減速機構42(図4参照)を備える。例えば、変速機41は、Vベルト式の無段変速機である。変速機41は、クランクシャフト12の一端部に装着された駆動プーリ43と、駆動プーリ43の後方に設けられた被動軸44に遠心クラッチを介して装着された被動プーリ45と、駆動プーリ43及び被動プーリ45に巻き掛けられた無端状のVベルト46と、を備える。
ギアケース53の上部には、オイル温度の上昇に伴う減速機室55内のガスの熱膨張時にブリーザガスを外部に排出するために、大気開放部60が設けられている。大気開放部60は、ギアケース53の内部を大気開放するために伝動ユニット39の外方へ延びている。大気開放部60の一端は、伝動ユニット39の内部に連通している。大気開放部60の他端は、大気開放されている。大気開放部60は、ギアケース53に一端が接続された第一管61と、第一管61の他端に対して一端が着脱可能に取り付けられた第二管62と、を備える。
図2に示すように、伝動ケース50には、大気開放部60を覆うカバー70が設けられている。カバー70は、伝動ケース50に対して着脱可能に取り付けられている。カバー70は、内側ケース51の右側上部にボルト等の締結部材により固定されている。図4に示すように、カバー70は、大気開放部60が入る開放部入口72hを有する。開放部入口72hは、図4の側面視(車両側面視)で伝動ケース50の後側上部と重なっている。開放部入口72hは、図4の側面視で伝動ケース50の上端よりも下方に配置されている。カバー70は、大気開放部60のうち第二管62の上端を覆っている。
図2に示すように、配線82は、速度検出センサー81から前方へ向かって湾曲しつつ延びている。例えば、速度検出センサー81の検出信号は、配線82を通じて不図示の電子制御ユニット(ECU)に送られる。
図4に示すように、本体保護部73は、ギアケース53の上方に配置されている。本体保護部73は、図4の側面視で内側ケース51の後部と重なっている。本体保護部73は、図4の側面視でギアケース53の後側上端から前上方へ向かって湾曲しつつ延びている。
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1は、後輪4へ動力を伝達する伝動ユニット39と、一端が伝動ユニット39の内部に連通し、他端が大気開放されている大気開放部60と、大気開放部60が入る開放部入口72hを有し、大気開放部60の他端を覆うカバー70と、を備え、開放部入口72hは、車両側面視で伝動ユニット39の少なくとも一部と重なる。
例えば仮に、開放部入口72hが車両側面視で伝動ユニット39と重ならない場合、大気開放部60において開放部入口72hに入る部分は車幅方向に露出するため、車幅方向の外乱により大気開放部60が抜けてしまう可能性が高い。これに対し本構成によれば、開放部入口72hが車両側面視で伝動ユニット39の少なくとも一部と重なることで、伝動ユニット39の少なくとも一部により開放部入口72hが車幅方向から覆われるため、大気開放部60において開放部入口72hに入る部分を車幅方向の外乱から保護することができる。したがって、外乱により大気開放部60が抜けてしまう可能性を低くすることができる。
伝動ケース50の少なくとも一部により開放部入口72hが車幅方向から覆われるため、大気開放部60において開放部入口72hに入る部分を車幅方向の外乱から保護することができる。したがって、外乱により大気開放部60がギアケース53から抜けてしまう可能性を低くすることができる。
第二管62において開放部入口72hに入る部分を車幅方向の外乱から保護することができるため、外乱により第二管62が第一管61から抜けてしまう可能性を低くすることができる。加えて、第二管62の一端は第一管61の他端に対して着脱可能に取り付けられていることで、要求仕様に応じて第二管62を変更することができる。例えば、金型で成形した第一管61をギアケース53に対して一体に結合した場合には、要求仕様に応じて第二管62のみを変更すればよく、第一管61の金型を流用することができるため、汎用性が高まる。
カバー70が電装品80の保護と大気開放部60の保護とを兼ねるため、電装保護部71をカバー70とは別に設ける場合と比較して、部品点数を削減することができる。
開放部入口72hが電装保護部71よりも車幅方向外側に設けられている場合と比較して、大気開放部60において開放部入口72hに入る部分に対して車幅方向外方の外乱が及びにくくすることができる。したがって、外乱により大気開放部60が抜けてしまう可能性をより一層低くすることができる。
カバー70の大きさを電装本体81の大きさ及び配線82の大きさに適した大きさとすることができる。
ところで、本体保護部73の車幅方向の長さW1が配線保護部74の車幅方向の長さW2よりも大きい場合、本体保護部73と配線保護部74との境は他の部位よりも剛性が低くなりやすい。これに対し本構成によれば、開放保護部72が本体保護部73と配線保護部74との境に設けられていることで、開放保護部72により本体保護部73と配線保護部74との境の剛性を高めることができる。
大気開放部60を開放保護部72の奥まで入れることができるため、外乱により大気開放部60が抜けてしまう可能性をより一層低くすることができる。
例えば仮に、開放部入口72hがカバー70の上下方向中心HCよりも下方に配置されていると(開放部入口72hの位置が下すぎると)、開放部入口72hに大気開放部60を入れるときに大気開放部60がたわみ、大気開放部60の内部にオイルが溜まってしまう可能性が高い。これに対し本構成によれば、開放部入口72hがカバー70の上下方向中心HCよりも上方に配置されていることで、開放部入口72hに大気開放部60を入れるときに大気開放部60がたわむことを抑制することができるため、大気開放部60の内部にオイルが溜まってしまう可能性は低い。加えて、開放部入口72hがカバー70の上下方向中心HCよりも下方に配置されている場合よりも、開放部入口72hに大気開放部60を入れ易いため、作業性が向上する。
カバー70が速度検出センサー81の保護と大気開放部60の保護とを兼ねるため、速度検出センサー81の保護部材をカバー70とは別に設ける場合と比較して、効率的なレイアウトとしつつ部品点数を削減することができる。
なお、上記実施形態では、開放部入口が車両側面視で伝動ケースの後側上部と重なっている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、開放部入口は、車両側面視でギアケースと重なっていてもよい。例えば、開放部入口は、車両側面視で伝動ケースの少なくとも一部と重なっていてもよい。例えば、開放部入口は、車両側面視で伝動ユニットの少なくとも一部と重なっていてもよい。例えば、開放部入口の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
4 後輪(駆動輪)
39 伝動ユニット
40 伝動装置
41 変速機
42 歯車減速機構
50 伝動ケース
53 ギアケース
60 大気開放部
61 第一管
62 第二管
70 カバー
71 電装保護部
72 開放保護部
72h 開放部入口
73 本体保護部
74 配線保護部
80 電装品
81 速度検出センサー(電装本体)
82 配線
HC カバーの上下方向中心
W1 本体保護部の車幅方向の長さ
W2 配線保護部の車幅方向の長さ
Claims (9)
- 駆動輪(4)へ動力を伝達する伝動ユニット(39)と、
一端が前記伝動ユニット(39)の内部に連通し、他端が大気開放されている大気開放部(60)と、
前記大気開放部(60)が入る開放部入口(72h)を有し、前記大気開放部(60)の他端を覆うカバー(70)と、を備え、
前記開放部入口(72h)は、車両側面視で前記伝動ユニット(39)の少なくとも一部と重なり、
前記カバー(70)は、電装品(80)を保護する電装保護部(71)を備えることを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記伝動ユニット(39)は、
前記駆動輪(4)へ動力を伝達する伝動装置(40)と、
前記伝動装置(40)を収容する伝動ケース(50)と、を備え、
前記伝動装置(40)は、変速機(41)及び歯車減速機構(42)を備え、
前記伝動ケース(50)は、前記歯車減速機構(42)を収容するギアケース(53)を備え、
前記大気開放部(60)の一端は、前記ギアケース(53)に接続され、
前記カバー(70)は、前記大気開放部(60)の他端を覆い、
前記開放部入口(72h)は、車両側面視で前記伝動ケース(50)の少なくとも一部と重なることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。 - 前記大気開放部(60)は、
前記ギアケース(53)に一端が接続された第一管(61)と、
前記第一管(61)の他端に対して一端が着脱可能に取り付けられた第二管(62)と、を備え、
前記カバー(70)は、前記第二管(62)の他端を覆っていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両。 - 前記開放部入口(72h)は、前記電装保護部(71)の少なくとも一部よりも車幅方向内側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 前記電装保護部(71)は、
電装本体(81)を保護する本体保護部(73)と、
前記電装本体(81)から延びる配線(82)を保護する配線保護部(74)と、を備え、
前記本体保護部(73)の車幅方向の長さ(W1)は、前記配線保護部(74)の車幅方向の長さ(W2)よりも大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。 - 前記カバー(70)は、前記大気開放部(60)のうち前記開放部入口(72h)に入った部分を保護する開放保護部(72)を備え、
前記開放保護部(72)は、前記本体保護部(73)と前記配線保護部(74)との境に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の鞍乗型車両。 - 前記開放保護部(72)の上端は、前記本体保護部(73)及び前記配線保護部(74)よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両。
- 前記カバー(70)は、車両側面視で上方に向かって湾曲する弧状を有し、
前記開放部入口(72h)は、前記カバー(70)の上下方向中心(HC)よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗型車両。 - 前記電装品(80)は、前記駆動輪(4)の回転速度を検出する速度検出センサー(81)を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
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