JP7215447B2 - コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、コイル部品に関する。
従来のコイル部品としては、特開平11-219821号公報(特許文献1)に記載されたものがある。このコイル部品は、積層体と、積層体内に設けられたコイルとを備え、積層体は、積層された複数の磁性体層を有し、コイルは、積層された複数の導体層を有する。そして、磁性体層と導体層の間に空隙部を設け、磁性体層と導体層とが接触しないようにすることで、磁性体層と導体層との間の応力を緩和している。
特開平11-219821号公報
ところで、前記従来のコイル部品では、空隙部は、導体層の全周に設けられているため、導体層は、磁性体層に直接に接触しておらず、導体層の位置、つまり、コイルの位置が安定しないおそれがあった。
そこで、本開示は、コイル配線と磁性層との間の応力を緩和しつつ、かつ、コイルの位置を安定できるコイル部品を提供することにある。
前記課題を解決するため、本開示の一態様であるコイル部品は、
素体と、
素体内に設けられたコイルと
を備え、
素体は、第1方向に積層された複数の磁性層を有し、
コイルは、第1方向に積層された複数のコイル配線を有し、
コイル配線は、第1方向に直交する平面に沿って延在し、
コイル配線は、コイル配線の延在方向に直交する断面において、第1方向の両側の2つの面と、第1方向に直交する方向の両側の2つの側面とを有し、
2つの面と、2つの側面のうちの一方の側面とは、磁性層との間に、空隙部を設け、2つの側面のうちの他方の側面は、磁性層に接触する。
前記態様によれば、コイル配線の2つの面および一方の側面は、磁性層との間に、空隙部を設けているので、コイル配線と磁性層との間の応力を緩和できる。また、コイル配線の他方の側面は、磁性層に接触しているので、コイル配線の位置、つまり、コイルの位置が安定する。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、コイルは、第1方向に沿って、螺旋状に巻き回され、コイル配線の一方の側面は、コイルの内磁路側の側面である。
前記実施形態によれば、コイル配線の一方の側面は、コイルの内磁路側の側面であるので、コイル配線の内磁路側の側面と磁性層との間に空隙部が設けられる。これにより、素体におけるコイルの内磁路となる部分に対する応力を緩和して、インピーダンス値およびインダクタンス値を確保できる。また、コイル配線の外磁路側の側面と磁性層との間に空隙部が設けられないので、空隙部と素体の表面との間の距離を確保でき、コイル部品の製造時の磁性層のデラミの発生を抑制できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、コイルは、第1方向に沿って、螺旋状に巻き回され、コイル配線の一方の側面は、コイルの外磁路側の側面である。
前記実施形態によれば、コイル配線の一方の側面は、コイルの外磁路側の側面であるので、コイル配線の外磁路側の側面と磁性層との間に空隙部が設けられる。これにより、素体の表面に外部電極を設ける場合、外部電極とコイル配線との間に発生する浮遊容量を低減できる。
また、コイル配線の内磁路側の側面と磁性層との間に空隙部が設けられないので、素体におけるコイルの内磁路となる部分の断面積を大きくすることができる。コイルから発生する磁束は、コイルの外磁路に比べコイルの内磁路の方が集中しやすく、コイルの内磁路を大きくすることで、インピーダンスの取得効率を向上できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、コイル配線の2つの側面は、凹凸状に形成されている。
前記実施形態によれば、コイル配線の2つの側面は、凹凸状に形成されており、2つの側面のうちの他方の側面は、磁性層に接触するので、コイル部品の製造時(特に焼成時)において、コイル配線は、コイル配線の側面と磁性層とが接触する方向に収縮する。つまり、コイル配線は、コイル配線の凹凸状の側面と磁性層との噛み合いに邪魔されない方向に収縮するので、コイル配線や空隙部の形状が安定して、応力の緩和状態を安定できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、コイル配線の延在方向に直交する断面において、コイル配線のアスペクト比は、0.3以上1.0未満である。
ここで、コイル配線のアスペクト比とは、コイル配線の断面において、(コイル配線の第1方向の厚み)/(コイル配線の第1方向に直交する方向の最大幅)である。
前記実施形態によれば、コイル配線のアスペクト比は、0.3以上1.0未満であるので、コイル配線の第1方向の厚みは、コイル配線の第1方向に直交する方向の最大幅よりも小さくなる。この状態において、コイル配線の側面が磁性層に接触するため、コイル配線の第1方向の面が磁性層に接触する場合に比べて、コイル配線と磁性層との接触面積を小さくでき、より応力を緩和できる。
好ましくは、コイル部品の一実施形態では、コイル配線の延在方向に直交する断面において、前記コイル配線のアスペクト比は、1.0以上である。
ここで、コイル配線のアスペクト比とは、(コイル配線の第1方向の厚み)/(コイル配線の第1方向に直交する方向の最大幅)である。
前記実施形態によれば、コイル配線のアスペクト比は、1.0以上であるので、コイル配線の第1方向の厚みは、コイル配線の第1方向に直交する方向の最大幅と同じかそれよりも大きくなる。これにより、コイル配線の直流抵抗Rdcを低減できる。
本開示の一態様であるコイル部品によれば、コイル配線と磁性層との間の応力を緩和しつつ、かつ、コイルの位置を安定できる。
コイル部品の第1実施形態を示す斜視図である。 図1のX-X断面図である。 コイル部品の分解平面図である。 図2のA部の拡大断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明のコイル部品の第2実施形態を示す断面図である。 本発明のコイル部品の第3実施形態を示す断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 コイル部品の製造方法の一例を説明する断面図である。 本発明のコイル部品の第4実施形態を示す断面図である。 本発明のコイル部品の第5実施形態を示す断面図である。 本発明のコイル部品の第6実施形態を示す断面図である。 コイル配線が1層のコイル導体層から構成されるコイル部品であって、コイル配線の外側面が磁性層に接触しているコイル部品における応力分布図である。 コイル配線が1層のコイル導体層から構成されるコイル部品であって、コイル配線の内側面が磁性層に接触しているコイル部品における応力分布図である。 コイル配線が1層のコイル導体層から構成されるコイル部品であって、コイル配線の下面が磁性層に接触しているコイル部品における応力分布図である。 コイル配線が3層のコイル導体層から構成されるコイル部品であって、コイル配線の外側面が磁性層に接触しているコイル部品における応力分布図である。 コイル配線が3層のコイル導体層から構成されるコイル部品であって、コイル配線の内側面が磁性層に接触しているコイル部品における応力分布図である。 コイル配線が3層のコイル導体層から構成されるコイル部品であって、コイル配線の下面が磁性層に接触しているコイル部品における応力分布図である。
以下、本開示の一態様であるコイル部品を図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
図1は、コイル部品の第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1のX-X断面図であり、W方向の中心を通るLT断面図である。図3は、コイル部品の分解平面図であり、下図から上図にわたってT方向に沿った図を表している。なお、L方向は、コイル部品1の長さ方向であり、W方向は、コイル部品1の幅方向であり、T方向は、コイル部品1の高さ方向(第1方向)である。以下、T方向の順方向を上側といい、T方向の逆方向を下側ともいう。
図1と図2と図3に示すように、コイル部品1は、素体10と、素体10の内部に設けられたコイル20と、素体10の表面に設けられコイル20に電気的に接続された第1外部電極31および第2外部電極32とを有する。
コイル部品1は、第1、第2外部電極31、32を介して、図示しない回路基板の配線に電気的に接続される。コイル部品1は、例えば、ノイズ除去フィルタとして用いられ、パソコン、DVDプレーヤー、デジタルカメラ、TV、携帯電話、カーエレクトロニクスなどの電子機器に用いられる。
素体10は、略直方体状に形成されている。素体10の表面は、第1端面15と、第1端面15の反対側に位置する第2端面16と、第1端面15と第2端面16の間に位置する4つの側面17とを有する。第1端面15および第2端面16は、L方向に対向している。
素体10は、複数の磁性層11を含む。複数の磁性層11は、T方向に交互に積層される。磁性層11は、例えば、Ni-Cu-Zn系のフェライト材料などの磁性材料からなる。磁性層11の厚みは、例えば、5μm以上でかつ30μm以下である。なお、素体10は、部分的に非磁性層を含んでいてもよい。
第1外部電極31は、素体10の第1端面15の全面と、素体10の側面17の第1端面15側の端部とを覆う。第2外部電極32は、素体10の第2端面16の全面と、素体10の側面17の第2端面16側の端部とを覆う。第1外部電極31は、コイル20の第1端に電気的に接続され、第2外部電極32は、コイル20の第2端に電気的に接続される。なお、第1外部電極31は、第1端面15と1つの側面17に渡って形成されるL字形状であってもよく、第2外部電極32は、第2端面16と1つの側面17に渡って形成されるL字形状であってもよい。
コイル20は、T方向に沿って、螺旋状に巻回されている。コイル20は、例えば、AgまたはCuなどの導電性材料からなる。コイル20は、複数のコイル配線21,22,23,24と複数の引出導体層61,62とを有する。
2層の第1引出導体層61と、複数のコイル配線21,22,23,24と、2層の第2引出導体層62とは、T方向に順に配置され、接続部25を介して電気的に順に接続される。接続部25は、磁性層11を積層方向に貫通して設けられる。
具体的に述べると、第1コイル配線21と第2コイル配線22と第3コイル配線23と第4コイル配線24とは、T方向に順に接続されて、T方向に沿った螺旋を形成する。複数のコイル配線21,22,23,24は、それぞれ、T方向に直交する平面に沿って延在する。複数のコイル配線21,22,23,24は、それぞれ、1ターン未満に巻回された形状に形成されている。第1引出導体層61は、素体10の第1端面15から露出して第1外部電極31に接続され、第2引出導体層62は、素体10の第2端面16から露出して第2外部電極32に接続される。
複数のコイル配線21,22,23,24は、それぞれ、1層のコイル導体層210から構成される。コイル導体層210の厚みは、例えば、10μm以上40μm以下である。コイル導体層210は、例えば、導電ペーストを印刷し乾燥して形成される。
図4は、図2のA部の拡大断面図である。つまり、図4は、第1コイル配線21の延在方向に直交する断面を示す。
図4に示すように、第1コイル配線21は、第1コイル配線21の延在方向に直交する断面において、T方向の両側の2つの面21a,21bと、T方向に直交する方向(幅方向)の両側の2つの側面21c,21dとを有する。具体的に述べると、第1コイル配線21は、T方向の上側の上面21aと、T方向の下側の下面21bと、幅方向のコイル20の内磁路側(コイル20の中心軸側)の内側面21cと、幅方向のコイル20の外磁路側(素体10のサイドギャップ側)の外側面21dとを有する。上面21aは、下面21bよりも短く、第1コイル配線21(コイル導体層210)の断面形状は、台形である。なお、第2コイル配線22、第3コイル配線23、第4コイル配線24についても、第1コイル配線21と同様の構成であり、その説明を省略する。
上面21aと下面21bと内側面21cは、磁性層11との間に、空隙部40を設けている。外側面21dは、磁性層11に接触する。空隙部40は、上面21aと下面21bと内側面21cに沿って、連続して形成される。空隙部40の最大厚みは、例えば、0.5μm以上でかつ8.0μm以下である。
これによれば、上面21aと下面21bと内側面21cは、磁性層11との間に、空隙部40を設けているので、第1コイル配線21と磁性層11との間の応力を緩和できる。また、外側面21dは、磁性層11に接触しているので、第1コイル配線21の位置、つまり、コイル20の位置が安定する。
さらに、第1コイル配線21は、外側面21dにおいて、磁性層11と接触しているので、コイル配線の上面あるいは下面で磁性層に接触している場合に比べて、残留応力が少なく、より大きなインピーダンス値およびインダクタンス値を確保できる。
さらに、第1コイル配線21は、上面21aにおいて、磁性層11に接触していないので、T方向に隣り合う第1コイル配線21と第2コイル配線22の間に位置する磁性層11に対する応力を緩和できる。これにより、この配線間の磁性層11の厚みを小さくできるので、コイル配線の数量を増加して、コイル20のターン数を増加できる。同様に、第2コイル配線22は、下面22bにおいて、磁性層11に接触していないので、T方向に隣り合う第1コイル配線21と第2コイル配線22の間に位置する磁性層11に対する応力をより緩和できる。
また、第1コイル配線21の内側面21cと磁性層11との間に空隙部40が設けられているので、素体10におけるコイル20の内磁路となる部分に対する応力を緩和して、インピーダンス値およびインダクタンス値を確保できる。また、第1コイル配線21の外側面21dと磁性層11との間に空隙部40が設けられないので、空隙部40と素体10の表面との間の距離、つまり、素体10におけるコイル20の外磁路となる部分の厚みを確保でき、コイル部品1の製造時の磁性層11のデラミの発生を抑制できる。
第1コイル配線21の延在方向に直交する断面において、第1コイル配線21のアスペクト比は、好ましくは、0.3以上1.0未満である。第1コイル配線21のアスペクト比とは、第1コイル配線21の断面において、(第1コイル配線21のT方向の厚みt)/(第1コイル配線21のT方向に直交するL方向の最大幅w)である。
これによれば、第1コイル配線21の断面において、第1コイル配線21の厚みtは、第1コイル配線21の最大幅wよりも小さくなる。この状態において、第1コイル配線21の外側面21dが磁性層11に接触するため、コイル配線の上面あるいは下面が磁性層に接触する場合に比べて、第1コイル配線21と磁性層11との接触面積を小さくでき、より応力を緩和できる。
次に、図5A~図5Eを用いて、コイル部品1の製造方法について説明する。図5A~図5Eは、第1コイル配線21の延在方向に直交する断面を示す。
図5Aに示すように、第1磁性ペースト層111上に第1焼失部51を積層する。第1磁性ペースト層111は、例えば、磁性ペーストを印刷し乾燥して形成される。第1磁性ペースト層111は、磁性層11の焼成前の状態である。焼失部は、焼成により焼失する材料からなり、例えば、樹脂材料からなる。
図5Bに示すように、第1焼失部51上にコイル導体ペースト層220を積層する。コイル導体ペースト層220の下面220bは、第1焼失部51に接触する。コイル導体ペースト層220は、例えば、導電ペーストを印刷し乾燥して形成される。コイル導体ペースト層220は、コイル導体層210の焼成前の状態である。1層のコイル導体ペースト層220は、焼成前の第1コイル配線21を形成する。
図5Cに示すように、コイル導体ペースト層220の内側面220cに、第2焼失部52を設け、コイル導体ペースト層220の上面220aに、第3焼失部53を設ける。コイル導体ペースト層220の外側面220dには、焼失部を設けない。
図5Dに示すように、第3焼失部53を露出し、コイル導体ペースト層220の外側面220dと第2焼失部52とを覆うように、第1磁性ペースト層111上に第2磁性ペースト層112を積層する。コイル導体ペースト層220の外側面220dは、第2磁性ペースト層112に接触している。
図5Eに示すように、第3焼失部53を覆うように、第2磁性ペースト層112上に第3磁性ペースト層113を積層する。以上の積層工程を複数回繰り返して焼成前の第2コイル配線22、第3コイル配線23および第4コイル配線24を形成し、その後、焼成する。これにより、第1から第3焼失部51~53は焼失して、空隙部40が形成され、図2に示すコイル部品1を製造する。
(第2実施形態)
図6は、本発明のコイル部品の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態は、第1実施形態(図4)とは、空隙部の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図6に示すように、第2実施形態のコイル部品1Aでは、空隙部40Aは、第1コイル配線21の上面21aと下面21bと外側面21dに沿って、連続して形成される。つまり、上面21aと下面21bと外側面21dは、磁性層11との間に、空隙部40Aを設けている。内側面21cは、磁性層11に接触する。なお、第2コイル配線22、第3コイル配線23、第4コイル配線24についても、第1コイル配線21と同様の構成であり、その説明を省略する。
第2実施形態によれば、第1コイル配線21の空隙部40A側の側面は、外側面21dであるので、第1コイル配線21の外側面21dと磁性層11との間に空隙部40Aが設けられる。これにより、素体10の表面(外側面21dに対向する面)に外部電極31,32を設ける場合、外部電極31,32と第1コイル配線21との間に発生する浮遊容量を低減できる。
また、第1コイル配線21の内側面21cと磁性層11との間に空隙部40Aが設けられないので、素体10におけるコイル20の内磁路となる部分の断面積を大きくすることができる。コイル20から発生する磁束は、コイル20の外磁路に比べコイル20の内磁路の方が集中しやすく、コイル20の内磁路を大きくすることで、インピーダンスの取得効率を向上できる。
(第3実施形態)
図7は、本発明のコイル部品の第3実施形態を示す断面図である。第3実施形態は、第1実施形態(図4)とは、コイルおよび空隙部の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第3実施形態において、第1実施形態と同一の符号は、第1実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図7に示すように、第3実施形態のコイル部品1Bでは、コイル20Bの第1コイル配線21Bの内側面21cおよび外側面21dは、凹凸状に形成されている。第1コイル配線21Bの上面21a、下面21bおよび内側面21cは、磁性層11との間に、空隙部40Bを設けている。第1コイル配線21Bの外側面21dは、磁性層11に接触する。空隙部40Bは、上面21aと下面21bと内側面21cに沿って、連続して形成される。なお、第2コイル配線、第3コイル配線、第4コイル配線についても、第1コイル配線21Bと同様の構成であり、その説明を省略する。
第1コイル配線21Bは、複数(この実施形態では4層)のコイル導体層210を有し、複数のコイル導体層210は、T方向に積層され、T方向に隣り合うコイル導体層210,210は、互いに面接触している。具体的に述べると、T方向に隣り合うコイル導体層210,210において、下側のコイル導体層210の上面210aは、上側のコイル導体層210の下面210bと面接触している。
第1コイル配線21Bの上面21aは、最上層のコイル導体層210の上面210aから構成されている。第1コイル配線21Bの下面21bは、最下層のコイル導体層210の下面210bから構成されている。第1コイル配線21Bの内側面21cは、複数のコイル導体層210の内側面210cと複数のコイル導体層210の下面210bの端部とから構成されている。第1コイル配線21Bの外側面21dは、複数のコイル導体層210の外側面210dと複数のコイル導体層210の下面210bの端部とから構成されている。
T方向に隣り合うコイル導体層210,210の間に、凹部が形成されている。具体的に述べると、T方向に隣り合うコイル導体層210,210において、下側のコイル導体層210の内側面21cおよび外側面21dと、上側のコイル導体層210の下面210bの端部との間に、凹部が設けられている。
第3実施形態によれば、第1コイル配線21Bの内側面21cおよび外側面21dは、凹凸状に形成されており、第1コイル配線21Bの外側面21dは、磁性層11に接触するので、コイル部品1Bの製造時(特に焼成時)において、第1コイル配線21Bは、第1コイル配線21Bの外側面21dと磁性層11とが接触する方向に収縮する。つまり、第1コイル配線21Bは、第1コイル配線21Bの凹凸状の内側面21cおよび外側面21dと磁性層11との噛み合いに邪魔されない方向(L方向)に収縮するので、第1コイル配線21Bや空隙部40Bの形状が安定して、応力の緩和状態を安定できる。
これに対して、比較例として、第1コイル配線の下面が、磁性層に接触する場合、コイル部品の製造時(特に焼成時)において、第1コイル配線は、第1コイル配線の下面と磁性層とが接触する方向(下方向)に収縮する。このため、第1コイル配線の凹凸状の内側面および外側面と磁性層との噛み合い部分に大きな応力がかかる問題がある。具体的に述べると、コイル導体層の下面の両端部と磁性層との接触部分に大きな応力がかかる。
図7に示すように、第1コイル配線21Bの延在方向に直交する断面において、第1コイル配線21Bのアスペクト比(t/w)は、好ましくは、1.0以上である。これによれば、第1コイル配線21Bの厚みtは、第1コイル配線21Bの最大幅wと同じかそれよりも大きくなる。これにより、第1コイル配線21Bの直流抵抗Rdcを低減できる。
次に、図8A~図8Iを用いて、コイル部品1Bの製造方法について説明する。図8A~図8Iは、第1コイル配線21Bの延在方向に直交する断面を示す。
図8Aに示すように、第1磁性ペースト層111上に第1焼失部51を積層する。第1磁性ペースト層111は、例えば、磁性ペーストを印刷し乾燥して形成される。第1磁性ペースト層111は、磁性層11の焼成前の状態である。焼失部は、焼成により焼失する材料からなり、例えば、樹脂材料からなる。
図8Bに示すように、第1焼失部51上に1層目のコイル導体ペースト層220を積層する。1層目のコイル導体ペースト層220の下面220bは、第1焼失部51に接触する。1層目のコイル導体ペースト層220は、例えば、導電ペーストを印刷し乾燥して形成される。コイル導体ペースト層220は、コイル導体層210の焼成前の状態である。
図8Cに示すように、1層目のコイル導体ペースト層220の内側面220cに、第2焼失部52を設ける。1層目のコイル導体ペースト層220の上面220aおよび外側面220dには、焼失部を設けない。
図8Dに示すように、1層目のコイル導体ペースト層220の上面220aを露出し、1層目のコイル導体ペースト層220の外側面220dと第2焼失部52とを覆うように、第1磁性ペースト層111上に第2磁性ペースト層112を積層する。1層目のコイル導体ペースト層220の外側面220dは、第2磁性ペースト層112に接触している。
図8Eに示すように、第2磁性ペースト層112上に、第2焼失部52に接続するように第3焼失部53を設ける。
図8Fに示すように、1層目のコイル導体ペースト層220上に2層目のコイル導体ペースト層220を積層する。このとき、2層目のコイル導体ペースト層220の下面220bは、1層目のコイル導体ペースト層220の上面220a、第2磁性ペースト層112および第3焼失部53に接触する。つまり、2層目のコイル導体ペースト層220の下面220bのうちの外側面220d側の端部は、第2磁性ペースト層112に接触し、2層目のコイル導体ペースト層220の下面220bのうちの内側面220c側の端部は、第3焼失部53に接触する。
図8Gに示すように、2層目のコイル導体ペースト層220の内側面220cに、第4焼失部54を設ける。2層目のコイル導体ペースト層220の上面220aおよび外側面220dには、焼失部を設けない。
図8Hに示すように、2層目のコイル導体ペースト層220の上面220aを露出し、2層目のコイル導体ペースト層220の外側面220dと第4焼失部54とを覆うように、第2磁性ペースト層112上に第3磁性ペースト層113を積層する。2層目のコイル導体ペースト層220の外側面220dは、第3磁性ペースト層113に接触している。
図8Iに示すように、以上の積層工程を繰り返して、3層目のコイル導体ペースト層220、4層目のコイル導体ペースト層220、第4磁性ペースト層114、第5磁性ペースト層115および第6磁性ペースト層116を積層する。
このとき、3層目のコイル導体ペースト層220の下面220bのうちの外側面220d側の端部は、第3磁性ペースト層113に接触する。3層目のコイル導体ペースト層220の下面220bのうちの内側面220c側の端部は、第5焼失部55に接触する。3層目のコイル導体ペースト層220の内側面220cは、第6焼失部56に接触する。3層目のコイル導体ペースト層220の外側面220dは、第4磁性ペースト層114に接触する。
また、4層目のコイル導体ペースト層220の下面220bのうちの外側面220d側の端部は、第4磁性ペースト層114に接触する。4層目のコイル導体ペースト層220の下面220bのうちの内側面220c側の端部は、第7焼失部57に接触する。4層目のコイル導体ペースト層220の内側面220cは、第8焼失部58に接触する。4層目のコイル導体ペースト層220の上面220aは、第9焼失部59に接触する。4層目のコイル導体ペースト層220の外側面220dは、第5磁性ペースト層115に接触する。
これにより、1層目から4層目のコイル導体ペースト層220は、焼成前の第1コイル配線21Bを形成する。
以上の積層工程を複数回繰り返して焼成前の第2コイル配線、第3コイル配線および第4コイル配線を形成して、その後、焼成する。これにより、第1から第9焼失部51~59は焼失して、空隙部40Bが形成され、図7に示すコイル部品1Bを製造する。
(第4実施形態)
図9は、本発明のコイル部品の第4実施形態を示す断面図である。第4実施形態は、第3実施形態(図7)とは、空隙部の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第4実施形態において、第3実施形態と同一の符号は、第3実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図9に示すように、第4実施形態のコイル部品1Cでは、空隙部40Cは、第1コイル配線21Cの上面21aと下面21bと外側面21dに沿って、連続して形成される。つまり、上面21aと下面21bと外側面21dは、磁性層11との間に、空隙部40Cを設けている。内側面21cは、磁性層11に接触する。なお、第2コイル配線、第3コイル配線、第4コイル配線についても、第1コイル配線21Cと同様の構成であり、その説明を省略する。コイル20C(第1コイル配線21C、第2コイル配線、第3コイル配線、第4コイル配線)は、第3実施形態のコイル20B(第1コイル配線21B、第2コイル配線、第3コイル配線、第4コイル配線)と同様の構成である。
第4実施形態によれば、第1コイル配線21Cの空隙部40C側の側面は、外側面21dであるので、第1コイル配線21Cの外側面21dと磁性層11との間に空隙部40Cが設けられる。これにより、素体10の表面(外側面21dに対向する面)に外部電極31,32を設ける場合、外部電極31,32と第1コイル配線21Cとの間に発生する浮遊容量を低減できる。
また、第1コイル配線21Cの内側面21cと磁性層11との間に空隙部40Cが設けられないので、素体10におけるコイル20Cの内磁路となる部分の断面積を大きくすることができる。コイル20Cから発生する磁束は、コイル20Cの外磁路に比べコイル20Cの内磁路の方が集中しやすく、コイル20Cの内磁路を大きくすることで、インピーダンスの取得効率を向上できる。
(第5実施形態)
図10は、本発明のコイル部品の第5実施形態を示す断面図である。第5実施形態は、第3実施形態(図7)とは、コイルおよび空隙部の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第5実施形態において、第3実施形態と同一の符号は、第3実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図10に示すように、第5実施形態のコイル部品1Dでは、コイル20Dの第1コイル配線21Dは、複数のコイル導体層210を有する。コイル導体層210の断面において、上面21aは、下面21bよりも長く、コイル導体層210の断面形状は、逆台形である。つまり、第1コイル配線21Dは、第3実施形態の第1コイル配線21Bの上下を反転した形状である。空隙部40Dは、第1コイル配線21Dの上面21aと下面21bと内側面21cに沿って、連続して形成される。なお、第2コイル配線、第3コイル配線、第4コイル配線についても、第1コイル配線21Dと同様の構成であり、その説明を省略する。
第5実施形態によれば、第3実施形態(図8A~図8I)のコイル部品の製造方法とは異なる順番で、コイル部品1Dを製造することができる。例えば、第3実施形態の図8A~図8Dと比較して、第5実施形態では、第1磁性ペースト層111上に、第2磁性ペースト層112を設け、その後、1層目のコイル導体ペースト層220を設ける。このように、第2磁性ペースト層112とコイル導体ペースト層220の順番を変えて、コイル部品1Dを製造することができる。
(第6実施形態)
図11は、本発明のコイル部品の第6実施形態を示す断面図である。第6実施形態は、第5実施形態(図10)とは、空隙部の形状が相違する。この相違する構成を以下に説明する。なお、第6実施形態において、第5実施形態と同一の符号は、第5実施形態と同じ構成であるため、その説明を省略する。
図11に示すように、第6実施形態のコイル部品1Eでは、空隙部40Eは、第1コイル配線21Dの上面21aと下面21bと外側面21dに沿って、連続して形成される。つまり、上面21aと下面21bと外側面21dは、磁性層11との間に、空隙部40Eを設けている。内側面21cは、磁性層11に接触する。なお、第2コイル配線、第3コイル配線、第4コイル配線についても、第1コイル配線21Dと同様の構成であり、その説明を省略する。
第6実施形態によれば、第1コイル配線21Dの空隙部40E側の側面は、外側面21dであるので、第1コイル配線21Dの外側面21dと磁性層11との間に空隙部40Eが設けられる。これにより、素体10の表面(外側面21dに対向する面)に外部電極31,32を設ける場合、外部電極31,32と第1コイル配線21Dとの間に発生する浮遊容量を低減できる。
また、第1コイル配線21Dの内側面21cと磁性層11との間に空隙部40Eが設けられないので、素体10におけるコイル20Dの内磁路となる部分の断面積を大きくすることができる。コイル20Dから発生する磁束は、コイル20Dの外磁路に比べコイル20Dの内磁路の方が集中しやすく、コイル20Dの内磁路を大きくすることで、インピーダンスの取得効率を向上できる。
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第6実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。コイル配線の数量やコイル導体層の数量の増減は、設計変更可能である。
(第1実施例)
図12A~図12Cは、コイル配線が1層のコイル導体層から構成されるコイル部品における応力分布図である。図12Aは、コイル配線の外側面が磁性層に接触しているコイル部品(第1実施形態(図4)に相当)における応力分布図である。図12Bは、コイル配線の内側面が磁性層に接触しているコイル部品(第2実施形態(図6)に相当)における応力分布図である。図12Cは、コイル配線の下面が磁性層に接触しているコイル部品(比較例)における応力分布図である。
第1実施例の測定条件として、コイル部品のW寸法は、0.5mmであり、コイル部品のT寸法は、0.5mmである。上下のコイル配線の間の層間厚は、0.015mmであり、コイルの内径幅は、0.100mmであり、コイル導体層(コイル配線)の厚みは、0.030mmであり、コイル導体層(コイル配線)の最大幅(下面の幅)は、0.120mmであり、コイル導体層(コイル配線)の最大幅と最小幅の差は、0.020mmであり、空隙部の厚みは、0.005mmである。この条件のもと、ミーゼスの相当応力分布を求めた。
図12Aに示すように、コイル配線の外側面と磁性層との接触部分に応力が発生しているが、応力の大きさは、0.2~0.4GPaと小さく、応力の範囲も小さいことが分かった。このとき、素体の歪エネルギーは、1.03E-6[J]であった。
図12Bに示すように、コイル配線の内側面と磁性層との接触部分に応力が発生しているが、応力の大きさは、0.2~0.4GPaと小さく、応力の範囲も小さいことが分かった。このとき、素体の歪エネルギーは、1.03E-6[J]であった。
図12Cに示すように、コイル配線の下面と磁性層との接触部分に応力が発生しており、応力の大きさは、0.2~1.0GPaと大きく、応力の範囲も大きいことが分かった。このとき、素体の歪エネルギーは、8.78E-6[J]であった。
以上、コイル配線の外側面または内側面が磁性層に接触する場合では、コイル配線の下面が磁性層に接触する場合に比べて、コイル配線と磁性層との間の応力を緩和できることがわかった。
(第2実施例)
図13A~図13Cは、コイル配線が3層のコイル導体層から構成されるコイル部品における応力分布図である。図13Aは、コイル配線の外側面が磁性層に接触しているコイル部品(第3実施形態(図7)に相当)における応力分布図である。図13Bは、コイル配線の内側面が磁性層に接触しているコイル部品(第4実施形態(図9)に相当)における応力分布図である。図13Cは、コイル配線の下面が磁性層に接触しているコイル部品(第3実施形態の比較例)における応力分布図である。
第2実施例の測定条件として、コイル部品のW寸法は、0.5mmであり、コイル部品のT寸法は、0.5mmである。上下のコイル配線の間の層間厚は、0.015mmであり、コイルの内径幅は、0.100mmであり、1層のコイル導体層の厚みは、0.030mmであり、1層のコイル導体層の最大幅(下面の幅)は、0.120mmであり、1層のコイル導体層の最大幅と最小幅の差は、0.020mmであり、空隙部の厚みは、0.005mmである。この条件のもと、ミーゼスの相当応力分布を求めた。
図13Aに示すように、コイル配線の外側面と磁性層との接触部分に応力が発生しているが、応力の大きさは、主として0.2~0.4GPaと小さく、応力の範囲も小さいことが分かった。このとき、素体の歪エネルギーは、2.99E-6[J]であった。
図13Bに示すように、コイル配線の内側面と磁性層との接触部分に応力が発生しているが、応力の大きさは、主として0.2~0.4GPaと小さく、応力の範囲も小さいことが分かった。このとき、素体の歪エネルギーは、3.03E-6[J]であった。
図13Cに示すように、コイル配線の下面と磁性層との接触部分に応力が発生しており、応力の大きさは、0.2~1.0GPaと大きく、応力の範囲も大きいことが分かった。さらに、図13Cに示すように、1層のコイル導体層の下面の両端部と磁性層との接触部分の応力の大きさは、主として0.6~1.0GPaと大きいことが分かった。このとき、素体の歪エネルギーは、9.96E-6[J]であった。
以上、コイル配線の外側面または内側面が磁性層に接触する場合では、コイル配線の下面が磁性層に接触する場合に比べて、コイル配線と磁性層との間の応力を緩和できることがわかった。
1,1A~1E コイル部品
10 素体
11 磁性層
20,20B,20C,20D コイル
21,21B,21C,21D 第1コイル配線
21a 上面
21b 下面
21c 内側面
21d 外側面
22 第2コイル配線
23 第3コイル配線
24 第4コイル配線
25 接続部
31 第1外部電極
32 第2外部電極
40,40A~40E 空隙部
51~59 第1~第9焼失部
111~116 第1~第6磁性ペースト層
210 コイル導体層
210a 上面
210b 下面
210c 内側面
210d 外側面
220 コイル導体ペースト層
220a 上面
220b 下面
220c 内側面
220d 外側面
t コイル配線の厚み
w コイル配線の最大幅

Claims (6)

  1. 素体と、
    前記素体内に設けられたコイルと
    を備え、
    前記素体は、第1方向に積層された複数の磁性層を有し、
    前記コイルは、前記第1方向に積層された複数のコイル配線を有し、
    前記コイル配線は、前記第1方向に直交する平面に沿って延在し、
    前記コイル配線は、前記コイル配線の延在方向に直交する断面において、前記第1方向の両側の2つの面と、前記第1方向に直交する方向の両側の2つの側面とを有し、
    前記2つの面と、前記2つの側面のうちの一方の側面とは、前記磁性層との間に、空隙部を設け、前記2つの側面のうちの他方の側面は、前記磁性層に接触する、コイル部品。
  2. 前記コイルは、前記第1方向に沿って、螺旋状に巻き回され、
    前記コイル配線の前記一方の側面は、前記コイルの内磁路側の側面である、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記コイルは、前記第1方向に沿って、螺旋状に巻き回され、
    前記コイル配線の前記一方の側面は、前記コイルの外磁路側の側面である、請求項1に記載のコイル部品。
  4. 前記コイル配線の前記2つの側面は、凹凸状に形成されている、請求項1から3の何れか一つに記載のコイル部品。
  5. 前記コイル配線の延在方向に直交する断面において、前記コイル配線のアスペクト比は、0.3以上1.0未満である、請求項1から4の何れか一つに記載のコイル部品。
  6. 前記コイル配線の延在方向に直交する断面において、前記コイル配線のアスペクト比は、1.0以上である、請求項4に記載のコイル部品。
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