JP7214203B2 - 粘稠性食品 - Google Patents

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Description

本発明は、粘稠性食品に関する。
従来、マシュマロは菓子として広く知られており、そのふわふわとした食感は老若男女問わず親しまれている。
またマシュマロは常温において固形であるが、温度を上げると溶け出す性質を有しており、例えばバーベキューの際にたき火などで炙って溶かして食べることもあり、流動性を有する粘稠状ながらも空気を含んだエアリーな食感が人気である。
しかし、そもそもマシュマロは固化した食品であるため、炙った際に呈する食感は常温では得ることができない。
そこで、常温下においても粘稠でエアリーな食感が楽しめるよう、シロップと卵白をホイップしてなる粘稠状のスプレッド食品が知られている。
ところが、このスプレッド食品は、製造時に攪拌によって抱き込ませた微細気泡の経時的な安定性(以下、気泡安定性とも称する。)が極めて悪く、時間の経過と共に液相と泡とが分離する。
このことは、例えば絞り袋を用いてケーキなどにトッピングされる造形体(以下、絞り造形体ともいう。)を形成する場合、生クリームの代替としてスプレッド食品を使用すると、徐々に分離して崩壊してしまうことを意味している。
また、例えば特許文献1に示すように、卵白や増粘多糖類などを添加して保形性を備えた食品素材も提案されている。
特表2004-538015号公報
しかしながら、特許文献1には食品素材に空気を含ませることについては何ら言及されておらず、また、温度に応じた状態変化が著しいことから、常温時には固形である反面、高温下では軟化又は溶け出すなどして保形性に欠ける。
従って、絞り袋などを用いて絞り造形体の形成を行うのは困難であり、低温下、ましてや0℃以下の温度においても固化せず粘稠性を保持可能な態様については一層困難である。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、クリームに似た食感を有し、気泡安定性が高く、また、常温下では勿論、0℃以下でも凍結せず粘稠性を保つことができ、しかも、低温から常温乃至は80℃程度の高温域においても硬さの変化が少なく良好な保形性を有し、更には100℃以上の温度で焼き目の形成も可能な粘稠性食品を提供する。
上記従来の課題を解決するために、本実施形態に係る粘稠性食品では、(1)カラギーナンと、キサンタンガムと、ローカストビーンガムとを少なくとも含む増粘多糖類と、デキストリンと、卵白と、液状シロップとを含有する15~35重量%の水分を含んだ基材に、後記粘稠性食品の比重が0.2~0.8となる量の空気を微細気泡状に抱き込ませてなることとした。
また、本実施形態に係る粘稠性食品では、以下の点にも特徴を有する。
(2)前記増粘多糖類に含まれるカラギーナンと、キサンタンガムと、ローカストビーンガムとの配合重量比率は、前記カラギーナンがκ-カラギーナンである場合には、0.1~5:0.1~2:0.1~5であり、ι-カラギーナンである場合には5~10:0.1~3.4:0.1~5としたこと。
(3)前記カラギーナンとしての0.01~0.5重量%のκ-カラギーナン又は0.016~0.034重量%のι-カラギーナンと、0.0003~0.007重量%の前記キサンタンガムと、0.0003~0.017重量%の前記ローカストビーンガムと、0.2~4.0重量%の前記デキストリンと、乾燥状態で0.3~1.5重量%に相当する前記卵白と、Brix値を70~80とした場合に80~98重量%を占める液状シロップと、を含むこと。
本発明に係る粘稠性食品によれば、カラギーナンと、キサンタンガムと、ローカストビーンガムとを少なくとも含む増粘多糖類と、デキストリンと、卵白と、液状シロップとを含有する15~35重量%の水分を含んだ基材に、後記粘稠性食品の比重が0.2~0.8となる量の空気を微細気泡状に抱き込ませてなることとしたため、クリームに似た食感を有し、気泡安定性が高く、また、常温下では勿論、0℃以下でも凍結せず粘稠性を保つことができ、しかも、低温から常温乃至は80℃程度の高温域においても硬さの変化が少なく良好な保形性を有し、更には100℃以上の温度で焼き目の形成も可能な粘稠性食品を提供することができる。
本発明は、粘稠性を有する食品に関するものであり、特にクリームに似た食感を有し、気泡安定性が高く、また、常温下では勿論、0℃以下でも凍結せず粘稠性を保つことができ、しかも、低温から常温乃至は80℃程度の高温域においても硬さの変化が少なく良好な保形性を有し、更には100℃以上の温度で焼き目の形成も可能な粘稠性食品、付言するならば上記特徴を備えた流動性を有するマシュマロ様食品を提供するものである。
ここで本実施形態に係る食品に関し粘稠性とは、ホイップクリームの如く絞り袋等に収容して絞り造形体の形成が可能な程度の保形性と流動性とを兼ね備えた状態をいい、例えばまんじゅうのフィリングとして使用される餡の如き性状も含む概念である。
本実施形態に係る粘稠性食品は、増粘多糖類と、デキストリンと、卵白と、液状シロップとを含有しており、任意でゼラチンを添加することもできる。
増粘多糖類は、カラギーナンと、キサンタンガムと、ローカストビーンガムが少なくとも含まれる。
カラギーナンは直鎖含硫黄多糖類の一種であり、一般に紅藻類からアルカリ抽出により得られるものを使用することができる。カラギーナンの種類は特に限定されるものではないが、κ-カラギーナンや、ι-カラギーナンを好適に使用することができる。
また、カラギーナンの使用量は特に限定されるものではないが、例えばκ-カラギーナンの場合には、調製した粘稠性食品の概ね0.01~0.5重量%程度であり、ι-カラギーナンの場合には、0.016~0.034重量%程度である。
キサンタンガムは、Xanthomonas campestrisによりでんぷん等を発酵させて作られる多糖類であり、その使用量は調製した粘稠性食品の概ね0.0003~0.007重量%程度である。
ローカストビーンガムは、カロブ樹の種子から得られた主成分をガラクトマンナンとする多糖類であり、その使用量は調製した粘稠性食品の概ね0.0003~0.017重量%程度である。
また、増粘多糖類としては、その他にも寒天やグアガム、ジェランガム、グルコマンナン、アルギン酸等を含むことができ、またこれらと塩類との相互作用を得るために適宜カルシウムやカリウム等の塩類を添加することもできる。例えば、グアガムの使用量は、調製した粘稠性食品の概ね0.01~1.0重量%程度である。
また、増粘多糖類のうち、κ-カラギーナン(又はι-カラギーナン)と、キサンタンガムと、ローカストビーンガムとの配合重量比率は、概ね0.1~5(5~10):0.1~2:0.1~5であるのが望ましい。このような配合比率とすることにより、クリームに似た食感を呈し、気泡安定性が高く、しかも保形性に優れた粘稠性食品とすることができる。また、任意であるがグアガムを加える場合には、κ-カラギーナン(又はι-カラギーナン)と、キサンタンガムと、ローカストビーンガムと、グアガムとの配合割合は、0.1~5(5~10):0.1~2(0.1~3.4):0.1~5:0.1~1とすることができ、ジェランガムを加える場合には、κ-カラギーナン(又はι-カラギーナン)と、キサンタンガムと、ローカストビーンガムと、ジェランガムとの配合割合は、0.1~5(5~10):0.1~2(0.1~3.4):0.1~5:0.5~0.9とすることができる。なお、グアガムやジェランガムは、両方添加することもできる。グアガムやジェランガムの一方又は双方を添加した場合、これらを添加しない場合に比して更に良好な食感や気泡安定性、保形性を実現することができる。
ゼラチンは、一般に食品用として使用されるもの、例えば菓子用に臭気が低減された豚やウシ、魚由来のものが好適であり、その使用は任意であるものの、使用する場合の量は調製した粘稠性食品の概ね0重量%を越え1.2重量%以下、より好ましくは0.1~1.0重量%程度である。
ゼラチンの使用量が1.2重量%を上回るとシロップが分離するなど安定性に乏しくなると共に、例えば2.0重量%を上回ると常温下において粘稠性食品が固化してしまう場合があり好ましくない。ゼラチンの使用量を0重量%を越え1.2重量%以下、より好ましくは0.1~1.0重量%とすることにより、軽く滑らかな食感を有しながらも常温において固化することのない粘稠性食品とすることができる。
デキストリンは、増粘多糖類に由来する粘稠性と共に生起される曳糸性を低減し、さっくりとした口溶け感を実現するために添加される。デキストリンはDE値が20未満の低糖化デキストリンが好ましい。その使用量は調製した粘稠性食品の概ね0.2~4.0重量%程度である。
卵白は、鳥由来、中でも鶏卵由来のものが望ましく、生卵から得られた液状の卵白でも良いが、卵白由来成分の粘稠性食品中での高濃度化を図るべく乾燥加工され卵白がより好ましい。例えば乾燥された卵白を使用する場合には、その使用量は調製した粘稠性食品の概ね0.3~1.5重量%程度である。
液状シロップは、粉状(結晶粒状)の糖類や液状の糖類を混合してなるシロップであり、各種デンプン糖化物や砂糖、糖蜜、その他が配合される。
粉状(結晶粒状)の糖類としては、例えばグラニュー糖や白双糖、トレハロース、ブドウ糖などのほか、エリスリトールなどの糖アルコールを使用することができる。
また、液状の糖類としては、ブドウ糖果糖液糖やソルビトールなどを使用することができ、中でも二糖類~四糖類までの糖類を主成分とする混合麦芽糖水飴や、単糖~六糖類までの混合還元水飴の使用が望ましい。
液状シロップは、糖度が70%以上(Brix値で70~80程度)であり、その使用量は調製した粘稠性食品の概ね80~98重量%程度である。なお、液状シロップの糖度やBrix値は一例であり、次に述べる水分との兼ね合いで適宜調整することができる。すなわち、液状シロップの添加量は、Brix値を70~80とした場合に80~98重量%を占める量であれば良い。
また、本実施形態に係る粘稠性食品は、水分を含有する。水分は、液状シロップを構成する水分や、生卵の卵白由来の水分、その他粉体が含有する水分等を含め、概ね15~35重量%の範囲内である。
そして、本実施形態に係る粘稠性食品は、上述した増粘多糖類と、ゼラチンと、デキストリンと、卵白と、液状シロップとを含有する20~35重量%の水分を含んだ基材に、空気を微細気泡状に抱き込ませることで調製している。
基材に対し混入させる空気の量は、粘稠性食品の比重が0.2~0.8、好ましくは0.4~0.7となる量とすることで、クリームに似た食感を有し、安定して気泡を保持することができ、また、エアリーな食感を楽しむことのできる粘稠性食品とすることができる。
以下、本実施形態に係る粘稠性食品に関し、その製造方法を参照しつつ詳説する。
〔1.粘稠性食品の調製1〕
まず、ゼラチンを溶解し易くするために、0.18重量部のゼラチンに対し0.54重量部の水を添加して予め膨潤させた。
次いで、液状シロップの調製を行った。41.0重量部のグラニュー糖と、8.8重量部のハイマルと、14.8重量部のマルトテトラオースを主成分とするオリゴ糖水飴(株式会社林原製 テトラップ(登録商標))と、11.7重量部のSOシロップと、11.7重量部の水とを混合し75~110℃程度に昇温して調製した。
次に、調製した液状シロップの一部を分取し、0.025重量部のι-カラギーナン(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製 ゲルリッチ(登録商標)No.3)と、0.063重量部の増粘多糖類混合製剤(株式会社タイショーテクノス製 TSゲルBON)と、2.4重量部の低糖化デキストリン(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製 スマートテイスト(登録商標))とを分散させ、8.0重量部の水を添加した上で70℃以上に加温して溶解させ、更に膨潤させたゼラチンを添加して溶解させることで粘性液を得た。なお、増粘多糖類混合製剤中には、キサンタンガムとローカストビーンガムとが少なくとも含まれており、粘性液中におけるカラギーナンとキサンタンガムとローカストビーンガムとの配合重量比率は7.5:0.96:2.64である。
一方、調製した液状シロップの残部は、0.8重量部の乾燥卵白を添加して分散させた上で、50~55℃程度に冷却された上述の粘性液と混合して基材と成し、更にこの基材を攪拌起泡させることで比重が0.4~0.6の粘稠性食品Aを得た。
〔2.粘稠性食品の調製2〕
次に、上述の〔1.粘稠性食品の調製1〕と同様の手順にて、粘性液中のカラギーナンとキサンタンガムとローカストビーンガムとの配合重量割合を変化させることで、食感の異なる粘稠性食品の調製を行った。
具体的には、粘稠性食品Aよりも流動性の高い食品として、カラギーナンとキサンタンガムとローカストビーンガムとの配合重量比率を2:1:2とした粘稠性食品Bと、粘稠性食品Aよりも流動性の低い餡状の食品としてカラギーナンとキサンタンガムとローカストビーンガムとの配合重量比率を3:2:3とした粘稠性食品Cを得た。
〔3.テクスチャの確認〕
次に、得られた粘稠性食品A~Cについて試食を行い、テクスチャの確認を行った。具体的には、マシュマロ菓子の製造に長年従事する3名のパネラーに粘稠性食品A~Cを試食させ、マシュマロやホイップクリームと比較した場合の食感について検討させた。
その結果、粘稠性食品A~Cのいずれについても、マシュマロ独特のエアリーな食感は保持しいてることが確認された。
また、粘稠性食品Aについてはホイップクリームに良く似た食感であり、粘稠性食品Bや粘稠性食品Cについては、ホイップクリームには似ているものの、それぞれ弛めの食感やしっかりした食感が得られ、これまでにない新たな食感を有する食品であることが確認された。
〔4.気泡安定性試験〕
次に、粘稠性食品A~Cについて、気泡安定性の確認試験を行った。具体的には、500ml容量の蓋付きガラス瓶に粘稠性食品A~Cをそれぞれ収容し、冷蔵温度下において1ヶ月間保持することで気泡部分と液相との分離の有無について確認を行った。
その結果、粘稠性食品A~Cのいずれについても、1ヶ月経過時点において分離は観察されず、十分な気泡安定性を有することが確認された。
〔5.絞り造形体形成試験〕
次に、粘稠性食品A~Cについて、絞り造形体の形成試験を行った。具体的には、-18℃、4℃、常温(20℃)とした粘稠性食品A~Cをケーキトッピング用の絞り袋に収容し、スポンジケーキ上に巻き貝状の絞り造形体を形成し、その成形性について確認を行った。
その結果、粘稠性食品A~Cに関し、いずれの温度帯のものについても、意図した形状の絞り造形体の形成を行うことができた。
また、粘稠性食品A~Cの各食品毎の温度の違いによる成形性、特に粘度に由来する成形性の違いは殆ど確認されなかった。
〔6.焼成試験〕
次に、粘稠性食品A~Cに関し、焼成時の保形性について確認を行った。具体的には、食パン上に粘稠性食品A~Cを用いて巻き貝状の絞り造形体を形成し、予熱したオーブントースターにて3分間焼成し目視確認を行った。
その結果、粘稠性食品A~Cのいずれの絞り造形体についても、ややふっくらとした膨張は確認されたものの、溶け出して形状が失われるようなことはなく、高温下においても十分な保形性を有することが確認された。
また、各絞り造形体の表面には、食欲をそそるような香りを有する焼き色の形成が確認された。この焼き色は、タンパクの熱変性により絞り造形体の表面が固化すると同時にアミノ酸や糖類によるメーラード反応により形成されたものと考えられる。
〔7.カラギーナンの有無による性状確認試験〕
次に、粘稠性食品Aを代表例として、カラギーナンを使用した場合としない場合とについて、その性状の違いを比較した。
具体的には、カラギーナンを使用した本実施形態に係る粘稠性食品Aと、カラギーナンを使用しない比較食品X1とを調製し、成形性の確認と気泡安定性の確認とを行った。
先述の〔5.絞り造形体形成試験〕と同様に粘稠性食品Aと比較食品X1とについて絞り造形体の形成を行ったところ、成形性については、特に差異は確認されなかった。
一方、先述の〔4.気泡安定性試験〕と同様に500ml容量の蓋付きガラス瓶に収容し、30℃での***試験条件下にて気泡安定性の確認を行ったところ、比較食品X1は12時間後に僅かに分離が観察され始め、24時間後には明らかな分離が認められたが、粘稠性食品Aは48時間後においても気泡部分と液相との分離は観察されなかった。
これらのことから、本実施形態に係る粘稠性食品A~Cにおいてカラギーナンは、気泡安定性の観点において大きく寄与していることが確認された。
〔8.デキストリンの有無による食感の検討〕
次に、粘稠性食品Aを代表例として、デキストリンを添加した場合としない場合とについて、その食感の違いを比較した。
具体的には、低糖化デキストリンを使用した本実施形態に係る粘稠性食品Aと、デキストリンを使用しない比較食品X2とを調製し、先述の〔3.テクスチャの確認〕にて指名したパネラーに試食させて食感の確認を行った。
その結果、低糖化デキストリンを添加した粘稠性食品Aは、ホイップクリームに似たさっくりとした歯切れ感が確認されたが、デキストリンを添加しない比較食品X2は曳糸性を有しており、口内でべたつくなど食感の低下が見られた。
〔9.調理例〕
次に、粘稠性食品A~Cを用いた調理例を示す。
(9-1.フルーツデザート)
粘稠性食品Aの調製時又は調製後の粘稠性食品Aに対し、適量の赤色色素及び桃フレーバーを添加して一様に攪拌した後に、シロップ漬けのカットフルーツをさっくりと混ぜ合わせ、ガラス製の器に盛りつけてシリアルを散らすことで粘稠性食品Aを用いたフルーツデザートを調製した。
粘稠性食品Aと混合されたカットフルーツは、器の下方に沈下することなく粘稠性食品Aにしっかりと支えられており、一様な分散状態を保持していた。
また、粘稠性食品Aのエアリーな食感は、カットフルーツのジューシーさと、シリアルのかりかりとした食感とが相俟って、大人から子供まで楽しめるデザートになるものと考えられた。
(9-2.カップアイス)
まず、120ml容量の紙蓋つきアイスクリームカップの中央に直径2cm程度で円柱状の型部材を載置し、カップ内にアイスクリームベースを注ぎ込んで冷凍処理を施した。
次に、固化したアイスクリームベース(以下、単にアイスクリームと称する。)の中央部から型部材を除き、形成された凹部に粘稠性食品Bを充填し、紙蓋を配して再度冷凍処理を施すことで粘稠性食品Bを用いたカップアイスの調製を行った。
本カップアイスについて試食を行ったところ、アイスクリーム部分は木べらの匙を差し込んで掬うためにかなりの力を要する程度に固化していたが、凹部に充填した粘稠性食品Bは、充填時の固さとほぼ変化なく、木べらの匙を容易に差し込み掬うことができた。
また、掬ったアイスクリームを中央部の粘稠性食品Bにディップして食べたところ、アイスクリームの固さや濃厚なボディ感と共に、粘稠性食品Bの柔らかでふわふわとした食感が得られた。
特に、粘稠性食品Bは-10℃程度のしっかりとした冷感を有しながらも、温度から想定する固さのイメージに反して柔らかであり、アイスクリームの固さと相俟ってこれまでにない新たな食感のカップアイスが得られた。
(9-3.まんじゅう)
100gの小麦粉と3gの膨張剤とを粉体混合して篩にかけた後、100gの70w/w%グラニュー糖水溶液を添加し、練り合わせることでまんじゅう生地を得た。
次いで、20gのまんじゅう生地を掌に広げ、約20gで球状の粘稠性食品Cを餡として包餡作業を行った。
そして、得られた包餡体を蒸し器に配して約7分間蒸し上げを行い、粘稠性食品Cを使用したまんじゅうを得た。
まず、蒸し上げ直後のまんじゅうについて目視確認を行ったところ、粘稠性食品Cがまんじゅうの皮から漏れ出ることなく、包餡作業を行ったときとほぼ同じ状態であった。
また試食を行ったところ、通常の小豆こしあんに比してよりふっくらとした食感の餡が感じられた。
また、常温程度に冷ました状態のまんじゅうについて試食したところ、まんじゅうの皮部分については、蒸し上げ直後に比してしっかりとした食感が感じられたが、粘稠性食品Cの餡部分については、温度の違いに由来する食感の違いは殆ど感じられずエアリー且つ重めのホイップクリームのような食感が得られた。
(9-4)トルコアイス風クリーム
粘稠性食品Aに対し、キサンタンガム等の増粘剤を0.01~0.06%添加することで、粘性が増大しトルコの氷菓であるドンドゥルマに類似したテクスチャを有するトルコアイス風クリームを調製した。
得られたトルコアイス風クリームは、氷温~常温での喫食が可能で副原料としてフルーツ類、シリアル等の固形物を混合でき、そのままあるいはスプレッド的な使用が可能であった。
上述してきたように、本実施形態に係る粘稠性食品によれば、カラギーナンと、キサンタンガムと、ローカストビーンガムとを少なくとも含む増粘多糖類と、デキストリンと、卵白と、液状シロップとを含有する15~35重量%の水分を含んだ基材に、後記粘稠性食品の比重が0.2~0.8となる量の空気を微細気泡状に抱き込ませてなることとしたため、クリームに似た食感を有し、気泡安定性が高く、また、常温下では勿論、0℃以下でも凍結せず粘稠性を保つことができ、しかも、低温から常温乃至は80℃程度の高温域においても硬さの変化が少なく良好な保形性を有し、更には100℃以上の温度で焼き目の形成も可能な粘稠性食品を提供することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。

Claims (3)

  1. カラギーナンと、キサンタンガムと、ローカストビーンガムとを少なくとも含む増粘多糖類と、デキストリンと、卵白と、液状シロップとを含有する15~35重量%の水分を含んだ基材に、後記粘稠性食品の比重が0.2~0.8となる量の空気を微細気泡状に抱き込ませてなる粘稠性食品。
  2. 前記増粘多糖類に含まれるカラギーナンと、キサンタンガムと、ローカストビーンガムとの配合重量比率は、前記カラギーナンがκ-カラギーナンである場合には、0.1~5:0.1~2:0.1~5であり、ι-カラギーナンである場合には5~10:0.1~3.4:0.1~5としたことを特徴とする請求項1に記載の粘稠性食品。
  3. 前記カラギーナンとしての0.01~0.5重量%のκ-カラギーナン又は0.016~0.034重量%のι-カラギーナンと、
    0.0003~0.007重量%の前記キサンタンガムと、
    0.0003~0.017重量%の前記ローカストビーンガムと、
    0.2~4.0重量%の前記デキストリンと、
    乾燥状態で0.3~1.5重量%に相当する前記卵白と、
    Brix値を70~80とした場合に80~98重量%を占める液状シロップと、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の粘稠性食品。
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