JP7213201B2

JP7213201B2 - シフト装置

Info

Publication number: JP7213201B2
Application number: JP2020061189A
Authority: JP
Inventors: 大毅木村; 悟司河野; 文隆安部; 勇樹本澤
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2020-03-30
Filing date: 2020-03-30
Publication date: 2023-01-26
Anticipated expiration: 2040-03-30
Also published as: JP2021162033A; US20210301921A1; CN113464643A; CN113464643B

Description

本発明は、自動車に搭載される変速機の走行レンジを切り替えるためのシフト装置に関し、特に、シフトポジションの不定時にユーザに通知する手段を備えたシフト装置に関する。

従来より、自動車において運転者の前方の表示パネルや走行用操作ハンドル周辺に設けられ、回動操作で走行レンジを切り替えることができるシフト装置が知られている。シフト装置の各レンジの選択時には、各レンジに入ったことを認識させるためにクリック感を与えることもできる。

特許文献１には、運転者が一回の操作で切り替えることができるシフトレンジの選択に制限を設け、運転者が意図しないシフトレンジの切り替えが回避できるシフト装置が記載されている。

特開２０１３－４７０７４号公報

しかしながら、各レンジの選択時にクリック感を与えるものにおいても、誤操作などによって、クリック感が発生する手前の各レンジの中間に位置する場合や、シフト装置の故障によってレンジ位置が特定できない場合が生じ得る。また、特許文献１のシフト装置においても、シフトレンジの選択に制限のない範囲のレンジの切り替えにおいては、故障等によってレンジ位置が各レンジの中間の位置に止まり、レンジ位置が特定できない場合が生じ得る。レンジ位置が各レンジ位置の中間に止まることにより、レンジ位置が特定できない状態においては、運転者がシフト操作を行ったにも関わらず、車両としては運転者の操作を認識していないため、異走状態となる。

本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解決するべく案出されたものであり、レンジ位置が各レンジ位置の中間に止まることにより、又は故障により、レンジ位置が特定できない状態が生じた場合においても、車両が異走状態になることがないようにすることを目的とする。

このような課題を解決するため、本発明においては、ダイヤル式の操作部材を回動操作することによって、複数の所定のレンジへ切り替えることが可能となるシフト部材と、前記シフト部材の前記所定のレンジ位置を検出するレンジ位置検出手段と、を備えた車両のシフト装置において、前記レンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合には、前記回動操作に関わらず、報知手段を作動させ、車両の電源がオフからオンに切り替わった場合の初回は、最初にレンジ位置の検出信号を受信する前は、所定時間以上、レンジ位置を検出できない状態が継続しても、報知手段の作動を行うことなく、最初にレンジ位置の検出信号を受信した後においては、レンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合には、前記回動操作に関わらず、報知手段を作動させることを特徴とする。

この構成によれば、レンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合には、
運転者の操作に関わらず、報知手段を作動させることによって、運転者はシフト操作が受
け付けられなかったことを認識できる。また、車両の電源がオフからオンに切り替わったときは、車両の電源オフ中にダイヤルを操作されていたり、車両のバッテリ自体が外されていたりするなどの影響で、車両の電源オン時の直後にレンジ位置を特定できない可能性もある。このようなときにも報知手段を作動させると運転者にとって煩わしいため、車両の電源がオフからオンに切り替わった場合においては、最初にレンジ位置の検出信号を受信する前は、所定時間以上、レンジ位置を検出できない状態が継続しても、報知手段の作動を行うことなく、所定のレンジ位置が確定した後に、前記のレンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合に報知手段を作動させる制御を再開させることとする。

また、この場合に本発明において、前記報知手段は、車両のレンジ位置と前記シフト部材のレンジ位置とが同じになるまで作動することを特徴とする。

この構成によって、車両のレンジ位置とシフト部材のレンジ位置が異なる場合に報知手段を作動させて運転者にシフト操作が受け付けられなったことを認識させることができるとともに、車両のレンジ位置とシフト部材のレンジ位置が同じになった後の不必要な報知手段の作動を防止することができる。

このように、本発明によれば、レンジ位置が各レンジ位置の中間に止まることにより、又は故障により、レンジ位置が特定できない状態が生じた場合においても、レンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合には、運転者の操作に関わらず、報知手段を作動させることによって、運転者はシフト操作が受け付けられなかったことを認識でき、車両が異走状態となることを回避できる。

本発明のシフト装置の制御経路の系統の概観を車両上に示す図である。本発明の運転者前面におけるシフト装置の配置を示す図である。本発明のシフト装置に関する制御経路の系統を示すブロック線図である。本発明のシフト装置の概観構成図である。本発明の制御ユニットによる報知手段の作動の制御のフロー図である。

以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。

車両Ｖのシフト装置１は、車両Ｖの運転者３がトランスミッション２のレンジ位置を選択するための装置であり、図１および図２に示されるように、シフト部材１１、表示部１２、及び、レンジ位置検出手段１３を備える。シフト部材１１は、運転者３がレンジ位置を選択する際に回動操作する操作部材であり、運転者３の前面の表示パネル４上であって、走行用操作ハンドル５の左側の下方に配置される。表示部１２は、選択されたレンジ位置や異常時の警報メッセージなどを表示するもので、表示パネル４上のシフト部材１１の上方及び右側に配置される。レンジ位置検出手段１３は、シフト部材１１が選択したレンジの位置を検出するもので、シフト部材１１の背後に設けられている。また、走行用操作ハンドル５の後ろ側には、車両の電源スイッチ６が設けられている。そして、車両Ｖ内には、各検出器などから送られる信号を受信して、ＣＰＵなどの処理装置で信号処理を行い、処理後の信号を各装置へ送信する制御ユニット７が設けられている。

図３は制御ユニット７と車両Ｖ内の各検出器や各装置の間での信号の授受を示すブロック線図である。制御ユニット７は、マイクロコンピュータなどからなる処理装置（ＣＰＵ）、ＲＯＭやＲＡＭなどからなる記憶装置、入出力インターフェース、タイマーなどその他の機器から構成され、シフト装置１のレンジ位置検出手段１３、車両の電源スイッチ６、及び、トランスミッション２における車両（トランスミッション）レンジ位置検出手段２１から、信号を受信し、ＣＰＵにより適宜の信号処理がなされた信号を、シフト装置１の表示部１２及びトランスミッション２に送信する。

図４に示すように、シフト装置１のシフト部材１１はダイヤル式の円柱状のつまみ部材からなる回動操作部材である。表示部１２は、シフト部材１１の上方に配置され、切り替わったシフトレンジの位置を表示するレンジ位置表示部１２１と、シフト装置１において故障などの異常が生じたときに異常の発生や対処方法などをメッセージで報知する警報表示部１２２を備える。

レンジ位置表示部１２１において表示するレンジ位置には、駐車時のＰ（パーキング）レンジ、車両を後進走行させるＲ（リバース）レンジ、駆動力の伝達を遮断するＮ（ニュートラル）レンジ、車両を前進走行させるＤ（ドライブ）レンジの他、Ｌ（ロー（１速））レンジ、２（セカンド）レンジ、Ｓ（スポーツモード）レンジやＢ（回生制動）レンジなどがある。本実施形態のシフト装置１においては、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，Ｓの各レンジを有し、それぞれのレンジを示す表示位置が、レンジ位置表示部１２１において左側から、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，Ｓの順に各文字が記される。各文字の上には、選択されたときに点灯する長方形の窓枠が設けられている。

警報表示部１２２は、レンジ位置表示部１２１の右側に配置され、ＬＥＤなどで構成されたメッセージ表示装置からなり、シフト装置１に異常がみとめられたときに運転者３に異常事態の発生や異常状態解消の対処方法を報知するものである。本実施形態においては、例えば、シフト装置１のレンジ位置検出手段１３が、所定時間以上レンジ位置を検出できない場合に、「適切な位置に操作してください」という警告のメッセージを表示する。なお、この場合、警告メッセージ表示とともに図示しないスピーカから警報音が発され、これにより、運転者３は、車両の故障などによってシフト装置１のシフト部材１１による操作が受け付けられなかったことを認識でき、車両が異走状態で走行を続けることを防止することができる。

また、制御ユニット７は、トランスミッション２のレンジ位置検出手段２１から、トランスミッション２のレンジ位置（車両のレンジ位置）の信号を受信する。そして、異常発生の場合の警告メッセージ表示と警報音による異常発生報知は、シフト装置１のレンジ位置検出手段１３が検出したレンジ位置と、トランスミッション２のレンジ位置検出手段２１が検出したレンジ位置（車両Ｖのレンジ位置）が異なる限りにおいて継続される。シフト装置１のレンジ位置検出手段１３が検出したレンジ位置と、トランスミッション２のレンジ位置検出手段２１が検出したレンジ位置（車両Ｖのレンジ位置）が一致した場合には、制御ユニット７は、警告メッセージ表示と警報音による異常発生報知を終了させる。これにより、車両のレンジ位置とシフト装置１のレンジ位置検出手段１３が検出したレンジ位置が一致した後の不必要な異常発生報知を防止することができる。

次に、図５のフロー図を参照して、制御ユニット７による異常発生報知の制御、すなわち、制御ユニット７によるシフト装置１の警報表示部１２２における警告メッセージ表示及び警報音発生の報知手段の作動の制御について説明する。

図５に示すように、まず、制御ユニット７は、シフト装置１のレンジ位置検出手段１３からレンジ位置信号を受信しレンジ位置（Ｒｓ）を取得する（ステップＳＴ１）。また、制御ユニット７は、車両Ｖのトランスミッション２のレンジ位置検出手段２１から車両Ｖのレンジ位置信号を受信しレンジ位置（Ｒｖ）を取得する（ステップＳＴ２）。また、制御ユニット７は、シフト装置１の警報表示部１２２から表示状態の信号を受信し警報表示部１２２の表示状態を観測し、報知手段が作動状態を識別する（ステップＳＴ３）。

次に、制御ユニット７は、報知手段が作動して警報表示部１２２の表示状態が警告メッセージを表示している状態であるか否かを判定する（ステップＳＴ４）。判定結果がＹＥＳの場合、すなわち、警報表示部１２２の表示状態が警告メッセージを表示している状態であれば、ステップＳＴ８へ移る。判定結果がＮＯの場合、すなわち、警報表示部１２２の表示状態が警告メッセージを表示している状態でなく異常が発生していなければ、ステップＳＴ５へ進む。

ステップＳＴ５では、制御ユニット７は、タイマーを用いてシフト装置１のレンジ位置検出手段１３からレンジ位置信号を受信する時間の間隔（Ｔ１）を計測する（ステップＳＴ５）。そして、次に、制御ユニット７は、ステップＳＴ５で計測したレンジ位置検出手段１３から送られるレンジ位置信号の受信間隔（Ｔ１）が所定の時間（Ｔ０）より大きいか否かを判定する（ステップＳＴ６）。判定結果がＹＥＳの場合、すなわち、レンジ位置検出手段１３から送られるレンジ位置信号の受信間隔（Ｔ１）が所定の時間（Ｔ０）より大きいときは、ステップＳＴ７へ進む。判定結果がＮＯの場合、すなわち、レンジ位置検出手段１３から送られるレンジ位置信号の受信間隔（Ｔ１）が所定の時間（Ｔ０）より小さいときは、ステップＳＴ１へ戻る。

ステップＳＴ７では、制御ユニット７は、報知手段を作動させてシフト装置１の警報表示部１２２に警告メッセージを表示させるとともにスピーカから警報音を発生させる。（ステップＳＴ７）。これは、前のステップＳＴ６でレンジ位置検出手段１３から送られるレンジ位置信号の受信間隔（Ｔ１）が所定の時間（Ｔ０）より大きいと判定されたとき、すなわち、シフト装置１のレンジ位置検出手段１３において、レンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合に、報知手段を作動させ運転者３に異常状態を報知するものである。

次に、制御ユニット７は、ステップＳＴ１で取得したシフト装置１のレンジ位置（Ｒｓ）と、ステップＳＴ２で取得したトランスミッション２（車両Ｖ）のレンジ位置（Ｒｖ）とが一致しているか否かを判定する（ステップＳＴ８）。判定結果がＹＥＳの場合、すなわち、シフト装置１のレンジ位置（Ｒｓ）と、トランスミッション２（車両Ｖ）のレンジ位置（Ｒｖ）とが一致しているときは、ステップＳＴ９へ移る。判定結果がＮＯの場合、すなわち、シフト装置１のレンジ位置（Ｒｓ）と、トランスミッション２（車両Ｖ）のレンジ位置（Ｒｖ）とが異なるときは、ステップＳＴ１へ戻る。

ステップＳＴ９では、制御ユニット７は、シフト装置１の警報表示部１２２の警報メッセージ表示及び警報音発生を終了させる（解除する）（ステップＳＴ９）。これは、前のステップＳＴ８で、シフト装置１のレンジ位置（Ｒｓ）と、トランスミッション２（車両Ｖ）のレンジ位置（Ｒｖ）とが一致していると判定した場合には、シフト装置１での報知手段の作動を終了させる（解除する）ことを意味している。一方で、前のステップＳＴ８で、シフト装置１のレンジ位置（Ｒｓ）と、トランスミッション２（車両Ｖ）のレンジ位置（Ｒｖ）とが異なると判定した場合には、ステップＳＴ１に戻り、ステップＳＴ２、ステップＳＴ３と経て、ステップＳＴ４では、シフト装置１の警報表示部１２２は警報メッセージ表示状態となっているので、ステップＳＴ４の判定結果がＹＥＳとなり、ステップＳＴ８へ移るから、ステップＳＴ８でＹＥＳと判定されない限りは、すなわち、シフト装置１のレンジ位置（Ｒｓ）と、トランスミッション２（車両Ｖ）のレンジ位置（Ｒｖ）とが一致すると判定されるまでは、ステップＳＴ８、ステップＳＴ１、ステップＳＴ２、ステップＳＴ３、ステップＳＴ４、ステップＳＴ８の順に移行するループを繰り返し、シフト装置１での報知手段の作動が継続されることになる。

次に、車両の電源がオンになった直後における、制御ユニット７による報知手段の作動の制御、すなわち、制御ユニット７によるシフト装置１の警報表示部１２２における警報メッセージ表示及び警報音発生の制御について述べる。

本発明の１つの実施態様において、車両の電源スイッチ６が、オフからオンに切り替わった場合においては、前記の制御ユニット７で行われた、報知手段の作動の制御については、制御ユニット７がシフト装置１のレンジ位置検出手段１３から、最初にレンジ位置の検出信号を受信した後に行われる。制御ユニット７がシフト装置１のレンジ位置検出手段１３から、最初にレンジ位置の検出信号を受信する前は、シフト装置１のレンジ位置検出手段１３が、所定時間以上、レンジ位置を検出できない状態が継続しても、報知手段の作動を行わない。電源スイッチ６によりの電源がオフからオンに切り替わったときは、車両の電源オフ中にシフト装置１の操作がなされていたり、車両のバッテリが外されていたりするなどの影響で、車両の電源がオフからオンへ切り替わった直後にシフト装置１のレンジ位置が特定できない可能性もある。このようなときにシフト装置１の警報表示部１２２に警報メッセージを表示し、警報音を発生させると、運転者３にとっては煩わしいため、車両の電源がオフからオンに切り替わった場合においては、シフト装置１において所定のレンジ位置が確定した後に、報知手段を作動をさせる制御を再開させることとする。

本発明の別の実施形態においては、車両の電源スイッチ６が、オンからオフに切り替わった場合には、シフト装置１のレンジ位置を車両のレンジ位置（トランスミッション２のレンジ位置）として採用することとする。これによって、シフト装置１のレンジ位置が検出できないまま車両の電源がオフとなり、その後にオンに切り替わったような場合においても、電源がオフからオンに切り替わった後のシフト装置１のレンジ位置と車両（トランスミッション２）のレンジ位置が異なることを防止することができる。

以上、本発明を実施する態様について、実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施できるものであることは勿論である。

１ … シフト装置
１１… シフト装置のシフト部材（回動操作部材）
１２… シフト装置の表示部
１２１…レンジ位置表示部
１２２…警報表示部
１３…シフト装置のレンジ位置検出手段
２ … トランスミッション
２１… トランスミッションのレンジ位置検出手段
３ … 運転者
４ … 車両の表示パネル
５ … 走行用操作ハンドル
６ …車両の電源スイッチ
７ … 制御ユニット

Claims

ダイヤル式の操作部材を回動操作することによって、複数の所定のレンジへ切り替えることが可能となるシフト部材と、前記シフト部材の所定のレンジ位置を検出するレンジ位置検出手段と、を備えた車両のシフト装置において、
レンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合には、前記回動操作に関わらず、報知手段を作動させ、
車両の電源がオフからオンに切り替わった場合の初回は、最初にレンジ位置の検出信号を受信する前は、所定時間以上、レンジ位置を検出できない状態が継続しても、報知手段の作動を行うことなく、最初にレンジ位置の検出信号を受信した後においては、レンジ位置が検出できない状態が所定時間以上継続した場合には、前記回動操作に関わらず、報知手段を作動させることを特徴とするシフト装置。
前記報知手段は、車両のレンジ位置と前記シフト部材のレンジ位置とが同じになるまで作動することを特徴とする、請求項１に記載のシフト装置。