JP7052121B1 - 電解セル、及び電解水生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間の使用が可能な電解セルを備えた電解水生成装置を得る。【解決手段】 実施形態に係る電解水生成装置は、電解液室、第1隔膜により電解液室に対して仕切られた陽極室、第2隔膜により電解液室に対して仕切られた陰極室、第1隔膜に対向して陽極室に設けられた陽極、第2隔膜に対向して陰極室に設けられた第1陰極、電解液室に設けられ、第1隔膜を介して陽極に対向する第2陰極、及び第2陰極と第1隔膜との間に設けられ、電解液室内を、陽極室側の第1電解液室、及び陰極室側の第2電解液室に分離する第3隔膜を備える第1電解セルと、陽極、第1陰極、及び第2陰極に給電する第1給電部と、給電部から第1陰極及び/または第2陰極へ通電するスイッチと、第1電解セルにおいて電解液を電解することで得られる陽極生成水と陰極生成水を混合して第1混合生成水を作成する第1生成水混合部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電解セル、及び電解水生成装置に関する。
近年、水を電解して様々な機能を付与した電解水が知られている。例えば、殺菌除臭の機能を有する電解水として次亜塩素酸水を生成する電解水生成装置が、また飲料や洗浄防錆の機能を有する電解水としてアルカリイオン水を生成する電解水生成装置が提案されている。
電解水生成装置は、電解液中あるいは水中の電解質を電解して得た電解生成物により、様々な機能を付与した電解水を生成している。電解質としては、水に含まれるイオン成分以外にも、人為的に添加した塩化物、酸化物、アルカリ塩、炭酸塩、有機酸などがある。
次亜塩素酸水を生成する電解水生成装置には、例えば、1対の電極の間に2つの隔膜を設け、陽極室と陰極室の間に2つの隔膜で区切られた電解液室を備えた3室型電解セルを用いたものがある。次亜塩素酸水を生成する3室型電解セルでは、塩素イオンを含む電解液を中央の電解液室だけに供給し、陽極室及び陰極室にはそれぞれ水を流通する。陽極生成物及び陰極生成物を電解液から分離した形態で、陽極室から陽極生成水、及び陰極室から陰極生成水を生成する。
生成された陽極生成水(次亜塩素酸水)は基本的に酸性である。しかしながら、次亜塩素酸水は、酸性が強いほど、塩分(残留塩素イオン濃度)が濃いほど塩素ガスを発生しやすい。一方、pH8を超えるアルカリ性では、次亜塩素酸は次亜塩素酸イオンへと変わってしまい、殺菌能力が低下する。
特開2018-30041号公報 特開2018-30043号公報 特開2018-30044号公報 特開2018-30045号公報 特開2019-162607号公報
3室型電解水生成装置で生成された陰極生成水と陽極生成水を混合することで、陰極生成水に含まれる水酸化物イオンOHで陽極生成水に含まれる水素イオンHを中和し、混合水のpHを中性付近に制御する方法が提案されている。陽極室及び陰極室に流通する水の硬度やpHの変動に追随して陰極生成水に含まれる水酸化物イオンOHの量を正確に制御する方法として、電解液室に第2陰極を設けて、陰極室の第1陰極と切り替えながら、電解を行う方法が提案されている。しかし、このような構成の場合、電解液室が強アルカリとなり、陽極に接して設けられた隔膜が使用とともに劣化し破膜してしまうなど、電解セルが長期間の実用に耐えられないという課題がある。
本発明の課題は、長期間の使用が可能な電解セル、及び当該電解セルを備えた電解水生成装置を得ることにある。
本発明の実施形態によれば、電解液を収容する電解液室と、第1隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陽極室と、第2隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陰極室と、前記第1隔膜に近接対向して前記陽極室に設けられた陽極と、前記第2隔膜に近接対向して前記陰極室に設けられた第1陰極と、前記電解液室に設けられ、前記第1隔膜を介して前記陽極に対向する第2陰極と、前記第2陰極と前記第1隔膜との間に設けられ、前記電解液室内を、前記陽極室側の第1電解液室、及び前記陰極室側の第2電解液室に分離する第3隔膜と、を備え
前記第2電解液室には、前記第3隔膜に近接対向して前記第2陰極が設けられる電解セルが提供される。
また、本発明の実施形態によれば、電解液を収容する電解液室、第1隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陽極室、第2隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陰極室、前記第1隔膜に近接対向して前記陽極室に設けられた陽極、前記第2隔膜に近接対向して前記陰極室に設けられた第1陰極、前記電解液室に設けられ、前記第1隔膜を介して前記陽極に対向する第2陰極、前記第2陰極と前記第1隔膜との間に設けられ、前記電解液室内を、前記陽極室側の第1電解液室、及び前記陰極室側の第2電解液室に分離する第3隔膜、を備え
前記第2電解液室には、前記第3隔膜に近接対向して前記第2陰極が設けられる第1電解セルと、
前記陽極、前記第1陰極、及び前記第2陰極に給電する第1給電部と、
前記第1給電部から前記第1陰極及び/または第2陰極へ通電するスイッチと、
前記第1電解セルにおいて前記電解液を電解することで得られる陽極生成水と陰極生成水を混合して第1混合生成水を作成する第1生成水混合部と、を備える電解水生成装置が提供される。
本発明によれば、長期間の使用が可能な電解セル及び電解水生成装置を得ることができる。
第1実施形態に使用可能な電解セルを概略的に表す図である。 第1実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に表す図である。 第1実施形態に用いられる第1陰極と第2陰極の切り替えの一例を表すタイミングチャートである。 第1実施形態における通電比率による水質変更試験の結果を表すグラフ図である。 第1実施形態に係る電解水生成装置の連続稼働試験結果を表すグラフ図である。 第1実施形態に係る電解水生成装置の応用例を表す概略図である。 第2実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。 第2実施形態における通電比率による水質変更試験の結果を表すグラフ図である。 第3実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。 第3実施形態における通電比率による水質変更試験の結果を表すグラフ図である。 第4実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。 第5実施形態に用いられる電解セルを概略的に表す図である。 第5実施形態に係る貯水式の電解水生成装置を概略的に表す図である。 第5実施形態における通電比率による水質変更試験の結果を表すグラフ図である。 第5実施形態における連続稼働試験結果を表すグラフ図である。 第5実施形態に係る貯水式の電解水生成装置の応用例を概略的に表す図である。 第6実施形態に係る貯水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略することがある。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態に使用可能な電解セルを概略的に表す図を示す。
図示するように、この電解セル2’は、いわゆる3室型の電解セルであり、その内部は、陽極側の隔膜として陰イオン交換膜からなる第1隔膜3a、及び陰極側の隔膜として陽イオン交換膜からなる第2隔膜4aにより、隔膜間に規定された中間室としての電解液室5と、電解液室の両側に位置する陽極室3及び陰極室4との3室に仕切られている。陽極室3内部には第1隔膜3aと近接対向して陽極3bが設けられ、陰極室4内部には第2隔膜4aと近接対向して第1陰極4bが設けられている。なお、ここで、近接とは、一方が他方に、隣接、接触、または密着していることをいう。また、ここで、隣接とは、一方が他方に一定の距離を保って対向している状態で、互いの距離は0.3mm以下、好ましくは0.2mm以下で対向している状態をいう。陽極3bと第1陰極4bは、ほぼ等しい大きさの矩形形状に形成され、電解液室5及び第1隔膜3a、第2隔膜4aを間に挟んで、互いに対向している。
電解液室5は、イオン透過の選択性がなく陽イオン及び陰イオンの通過が可能な微細孔を有する中性膜からなる第3隔膜5aで陽極室3側の第1電解液室5cと陰極室4側の第2電解液室5dに仕切られている。中性膜としては、イオン選択性を持たないものであることが好ましく、例えば、めっき用電解隔膜(ユアサメンブレンシステム社製)を用いることができる。第2電解液室5dには、第3隔膜5aと近接対向して第2陰極5bが設けられている。第2陰極5bは、陽極3bと第1陰極4bと同様に、陽極3bと第1陰極4bとほぼ等しい大きさの矩形形状に形成されている。また、第2陰極5bは、例えば多数の透孔が形成されたチタン(Ti)の金属板を用いることができるが、多数の透孔が形成されたTiからなる金属板に例えばIr、Ptなどの触媒を塗布したいわゆる不溶性電極を用いても構わない。
第1実施形態に係る電解セル2’によれば、第2陰極5bと第1隔膜3aとの間に第3隔膜5aを設け、電解液室5内を、陽極室3側の第1電解液室5c及び陰極室4側の第2電解液室5dに分離することにより、電解液室5内の電解液の流れを、第1電解液室5cの第1電解液の流れと、第2電解液室5dの第2電解液の流れの2つの流れに分けることができる。第2陰極5bに通電したとき、第2電解液室5dの電解液のpHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5cのpHは第2電解液室5dのpHよりも中性付近に維持できる。このため、第1電解液室5cと陽極室3を仕切る第1隔膜3aは劣化しにくくなり、長期間の使用が可能な電解セルが得られる。
実施形態に使用される陽極3b、第1陰極4b、及び第2陰極5b等の電極として、例えば、多数の透孔が形成されたTiからなる金属板基材と、Tiからなる金属板基材に形成された触媒層とを有する不溶性電極を使用することができるが、第1陰極4b、及び第2陰極5b等の電極は触媒層を設けなくても構わない。
電極としては、金属板、あるいは、金属板表面に触媒層を設けたものなどを使用することができるが、次亜塩素酸水の生成する電解水生成装置に使用できる金属材料及び触媒材料は、JIS B 8701に記載されているものに限定される。すなわち、金属板材料としては、JIS H 4650に規定された1~13種のTiを使用することができる。
触媒としては、例えば、Pt及び/またはIrを含む貴金属触媒、あるいは酸化イリジウムを主成分とし五酸化タンタルなどの安定化物質をさらに含む酸化物触媒などを使用することができる。好ましくは、酸化イリジウムを主成分とする酸化物触媒を使用することができる。触媒層は、貴金属触媒はメッキ液中で所定時間メッキすることにより、酸化物触媒は金属板材料表面に触媒を含む塗付液の塗布及び乾燥を繰り返し、その後焼成を行うことにより、形成することができる。
陽極3bとしては、市販の塩素発生用不溶性電極を使用することができる。市販の塩素発生用不溶性電極としては、Ti板にPt及び/またはIrの触媒層を塗布して設けたものや酸化イリジウムを主体とする触媒層を設けたものがあげられる。Ti板として例えば多数の透孔が形成されたTi板を使用することができる。
第1陰極4b、及び第2陰極5bとしては、Ti板、あるいは市販の塩素発生用不溶性電極を使用することができる。市販の塩素発生用不溶性電極として、例えばTi板に、Pt及び/またはIrの触媒層、あるいは酸化イリジウムを主体とする触媒層を設けたものなどがあげられる。Ti板として例えば多数の透孔が形成されたTi板を使用することができる。
実施形態に使用される第1隔膜3aとしては、例えば炭化水素系ポリマーなどからなる多孔質のポリマーに陽イオン基を固定し、正帯電させ、陰イオンだけが通過可能とした陰イオン交換膜を使用することができる。このような陰イオン交換膜として、例えばネオセプタAMX(アストム製)などを用いることができる。
また、第2隔膜4aとしては、例えば炭化水素系ポリマー、フッ素系ポリマーなどからなる多孔質のポリマーに陰イオン基を固定し負に帯電させ陽イオンだけが通過可能とした陽イオン交換膜を使用することができる。このような陽イオン交換膜として、例えば、フッ素樹脂の共重合体の陽イオン交換膜であるナフィオン(登録商標)(デュポン社製)を用いることができる。
また、第3隔膜5aとしては、不織布や、ガラス布等の多孔質基材に例えばアルミニウム酸化物を含む被覆層を設けたイオンの選択通過性を持たない多孔質隔膜を使用することができる。多孔質隔膜は、例えば、不織布や、ガラス布等の多孔質基材にアルミニウム酸化物を含浸、乾燥することにより形成することができる。
図1の電解セルは電解水生成装置に組み入れることができる。
図2に、第1実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に表す図を示す。
図示のように、電解水生成装置1は、電解セル2を備えている。一例では、電解セル2は、図1に示した電解セル2’と同様の構成を有する電解セルを用いている。電解水生成装置1において、第1電解液室5cの下部には、電解液を供給するための第1電解液供給口5f、その上部には、第1電解液室5cを流れた電解液を排出するための第1電解液排出口5h、第2電解液室5dの下部には、電解液を供給するための第2電解液供給口5g、その上部には、第2電解液室5dを流れた電解液を排水するための第2電解液排出口5iが設けられている。また、陽極室3の下部には、水を供給するための第1給水口3f、その上部には、陽極室3を流れた水を排水するための第1排水口3h、陰極室4の下部には、水を供給するための第2給水口4f、その上部には、陰極室4を流れた水を排水するための第2排水口4hが設けられている。
第1電解液室5cには第1電解液供給口5fおよび第1電解液排出口5hが設けられ、第2電解液室5dにおいては第2電解液供給口5gおよび第2電解液排出口5iが設けられていることから、両室に対する電解液の供給及び排出を各々独立して行うことが可能である。従って、両室に対する電解液の供給量を別々に制御できるという利点がある。
電解水生成装置1は、電解セル2の電解液室5に、電解液として、塩素イオンを含む電解質、例えば、塩水を供給する電解液供給部8と、陽極室3及び陰極室4に電解原水、例えば、水を供給する給水部21と、陽極3bに正電圧、第1陰極4b及び/または第2陰極5bに負電圧をそれぞれ印加する電源7aを有する給電部7を備えている。
給電部7は、電解に必要な電流を供給する電源7aと、電源7aから第1陰極4b及び/または第2陰極5bに通電するスイッチ7bと、電源7aとスイッチ7bを制御する制御部7cとを有する。ここではスイッチ7bとして、第1陰極4bまたは第2陰極5bへ給電を切り替える切替スイッチが使用される。電源7aとしては定電流電源が望ましい。電源7aの正極は配線を介して電解セル2の陽極3bと接続されている。電源7aの負極は、スイッチ7b及び2本の配線を介して第1陰極4b及び第2陰極5bと接続されており、スイッチ7bを切り替えることにより、第1陰極4b及び第2陰極5bに選択的に負電圧を印加することができる。スイッチ7bを用いると、例えば第1陰極4bと第2陰極5bに供給する電流を固定し、第1陰極4bまたは第2陰極5bへの通電を時間的に切り替えることにより、第1陰極4bと第2陰極5bの通電比率を調整することができる。
また、第1陰極4b及び/または第2陰極5bに通電するスイッチの他の例として、例えば、第1陰極4b及び第2陰極5bのそれぞれに対し、電源7aに種々の値の電流出力が得られる複数のマイナス端子を有したスイッチ装置を用いることができる。このスイッチ装置では、第1陰極4b及び第2陰極5bと、複数のマイナス端子との間に、各々ON/OFFスイッチを配置する。これらのON/OFFスイッチを制御部7cにより選択的にON/OFF制御することにより、第1陰極4b及び第2陰極5bの電流量比としての通電比率を任意に変更することができる。
電解液供給部8は、電解液25aとして例えば20質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)を貯溜した塩水タンク(電解液タンク)25と、塩水タンク25から電解液室5の下方に塩水を導く供給配管8aと、供給配管8a中に設けられた送液ポンプ29と、電解液室5の上方から塩水を排出する排水配管8fとを備えている。
供給配管8aは、電解液室5の第1電解液室5cの下部に設けられた第1電解液供給口5fに接続して電解液を供給する第1電解液供給ラインとしての供給配管8bと、電解液室5の第2電解液室5dの下部に設けられた第2電解液供給口5gに接続して電解液を供給する第2電解液供給ラインとしての供給配管8cに分岐しており、第1電解液室5cと第2電解液室5dには電解液が別々に供給される。第1電解液室5cの上部には、第1電解液排出口5hと接続され、第1電解液室5c内を流れた電解液を排水する第1電解液排出ラインとしての排水配管8d、第2電解液室5dの上部には、第2電解液排出口5iと接続され、第2電解液室5d内を流れた電解液を排水する第2電解液排出ラインとしての排水配管8eが各々設けられている。このため、電解液室5に第3隔膜5aを設けることにより分離された第1電解液室5cにおける第1電解液(塩水)の流れと、第2電解液室5dにおける第2電解液(塩水)の流れとは別になっている。排水配管8dと排水配管8eは合流されて排水配管8fとなり、排水配管8dと排水配管8eの電解液は混合して排出される。排水配管8dと排水配管8eは合流させず、そのまま排出しても構わないが、合流して排出させたほうが、排水配管8fを流れる電解液のアルカリ度を下げることができる。
第1電解液室5c及び第2電解液室5dでは、第1電解液供給ライン及び第2電解液供給ラインによって両室に各々別々に独立して電解液を供給することができる。このため、両室に対する電解液の供給量を別々に制御できるという利点がある。
給水部21は、水を供給する給水源9と、給水源9の出口付近に設けられた開閉バルブ28と、給水源9から陽極室3及び陰極室4の下部に水を導く第1給水配管21aと、第1排水口3hと接続され、陽極室3を流れた水を陽極室3の上部から排出する第1排水ラインとしての第1排水配管21bと、第2排水口4hと接続され、陰極室4を流れた水を陰極室4の上部から排出する第2排水ラインとしての第2排水配管21cと、を備えている。第1給水配管21aは、第1給水ラインとしての第2給水配管21eと、第2給水ラインとしての第3給水配管21fに分岐している。第2給水配管21eは第1給水口3fと接続されて陽極室3に水を供給する。第3給水配管21fは第2給水口4fと接続されて陰極室4に水を供給する。第1排水配管21bは、第2排水配管21cの中途部に接続され、第1生成水混合部10を構成している。これにより、第1排水配管21bから排水される陽極生成水と、第2排水配管21cから排水される陰極生成水とが混合され、混合生成水(第1混合生成水)として排水される。排水される混合生成水は、微酸性・中性付近にpH制御された次亜塩素酸水である。
その他、各配管に開閉バルブあるいは流量調整弁を設けてもよい。
上記のように構成された電解水生成装置により、実際に塩水を電解して酸性成分である次亜塩素酸水を含む酸性水(陽極生成水)と、アルカリ性物質である水酸化ナトリウムを含むアルカリ性水(陰極生成水)を生成し、混合生成水を得る動作について説明する。
なお、ここに使用される陽極生成水は酸性電解水の次亜塩素酸水であり、以下、酸性水ということがある。また、陰極生成水は強アルカリ性電解水であり、以下、アルカリ性水ということがある。
図2に示すように、送液ポンプ29を作動させ、塩水タンク25から電解セル2の電解液室5の第1電解液室5c及び第2電解液室5dに塩水を供給する。また、給水源9から陽極室3及び陰極室4に水を給水する。
スイッチ7bを第1陰極4bに切り替えて給電するとき、正電圧及び負電圧は電源7aから陽極3b及び第1陰極4bにそれぞれ印加される。第1電解液室5c及び第2電解液室5dへ流入した塩水中に電離しているナトリウムイオンは、第1陰極4bに引き寄せられ、第2隔膜4aを通過して、第1陰極4bに到達する。第3隔膜5aはイオンの選択透過性がない中性膜であるため、ナトリウムイオンは透過可能である。
その後、通過したナトリウムイオンの量に対応した水の電気分解が第1陰極4bで起こり、陰極室4内に水素ガスが発生する。ナトリウムイオンは水酸化ナトリウムとして陰極室4内に残る。陰極室4におけるトータルの反応式を下記式(1)に示す、
2HO+2Na→2e+H+2NaOH…(1)
これにより、陰極室4のpHはアルカリ側にシフトする。生成されたアルカリ性水としての水素ガスを含む水酸化ナトリウム水溶液及び水素ガスは、陰極室4から第2排水配管21cに流出する。
第1電解液室5c及び第2電解液室5dの塩水中に電離している塩素イオンは、陽極3bに引き寄せられ、第1隔膜3aを通過して、陽極3bに到達する。そして、下記式(2)に示すように、陽極3bにて塩素イオンが酸化され塩素ガスが生成する。
2Cl→Cl+2e…(2)
その後、下記式(3)に示すように塩素ガスは陽極室3内で直ちに水と反応して次亜塩素酸と塩酸を生じる。
Cl+HO→HClO+HCl…(3)
このようにして生成された酸性水(次亜塩素酸水)は、陽極室3から第1排水配管21bに流出する。第2排水配管21cに流出したアルカリ性水と、第1排水配管21bに流出した酸性水は、第1生成水混合部10で混合され、混合生成水として、pHを調整した次亜塩素酸水が排水される。
また、スイッチ7bを第2陰極5bに切り替えて給電するとき、正電圧及び負電圧は電源7aから陽極3b及び第2陰極5bにそれぞれ印加される。第1電解液室5c及び第2電解液室5dへ流入した塩水中に電離しているナトリウムイオンは、第2陰極5bに引き寄せられる。このとき、第1電解液室5cの塩水中に電離しているナトリウムイオンは第3隔膜5aを透過して第2陰極5bに到達することができる。第2陰極5bにおける塩水の電気分解により、第2電解液室5dにおいて水素ガスを含む水酸化ナトリウム水溶液が生成される。これにより、第2電解液室5d内は、強アルカリ側にシフトする。アルカリ性水としての水素ガスを含む水酸化ナトリウム水溶液は、供給配管8cから供給された第2電解液室5dにおける第2電解液(塩水)の流れによって第2電解液室5dから排水配管8eに流出した後、排水配管8dの電解液と混合して排水配管8fにより外に排出される。第3隔膜5aにより、第1電解液室5cにおける塩水の流れと、第2電解液室5dにおける塩水の流れとは別になっているため、第2電解液室5dで生成したアルカリ性水は、陰極室4及び第1電解液室5cにほとんど流入せず、第1電解液室5cは、アルカリ側にシフトしない。このため、第1電解液室5c内の第1隔膜3aは強アルカリに晒されることがなく、劣化しにくくなる。また、このとき陰極室4から排出される陰極生成水は、給水源9から供給された水そのものとなる。
第1電解液室5c及び第2電解液室5d内の塩水中に電離している塩素イオンは、陽極3bに引き寄せられる。このとき、第2電解液室5d内の塩水中に電離している塩素イオンは、第1隔膜3aを通過して、陽極3bに到達することができる。そして、陽極3bにて塩素イオンが酸化され塩素ガスが発生する。その後、塩素ガスは陽極室3内で水と直ちに反応して次亜塩素酸と塩酸を生じる。このようにして生成された酸性水(次亜塩素酸水)は、陽極室3から第1排水配管21bを通って流出する。第1生成水混合部10では、酸性水は第2排水配管21cからの排水と混合されるが、第2排水配管21cからの排水にアルカリ性水は混入していない。このため、第2陰極5bに給電するときに混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHは、第1陰極4bに給電するときに混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHよりも低くなる。
原水として用いられる水は地域、場所により含まれる不純物が異なり、特に炭酸成分には弱アルカリ性に向かう干渉効果がある。そのため、用いる水によってはpH調整点が合わず、僅かにずれてしまうことが考えられる。一般的には、炭酸イオンはアルカリ成分のカウンターイオンとして水に溶解しているため、硬水ほどアルカリ側にずれ易く、軟水(究極は純水)ほど酸側にずれ易い。
これに対し、実施形態に係る電解水生成装置1を用いると、電解液室5に第2陰極5bを設けて、スイッチ7bを第1陰極4bまたは第2陰極5bに切り替えて給電することにより、陰極室4内の第1陰極4bと第2電解液室5dの第2陰極5bを選択的に切り換えて通電し、陰極生成水をアルカリ側あるいは中性側にシフトさせ、陰極生成水と陽極生成水との混合生成水のpHを調整することができる。これにより、原水の水質に変動があっても混合生成水のpHは随時調整可能となり、混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHを微酸性・中性付近に制御することが可能となる。また、第2陰極5bと第1隔膜3aとの間に第3隔膜5aを設け、電解液室5を、陽極室3側の第1電解液室5c及び陰極室4側の第2電解液室5dに分離することにより、給電部7からの通電を第2陰極5bに切り替えたとき、第2電解液室5dの電解液pHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5cのpHは第2電解液室5dのpHよりも中性に近くに維持できるため、第1電解液室5cの第1隔膜3aは劣化しにくく耐久性が良好となる。このため、実施形態によれば、長期間の使用が可能な電解水生成装置が得られる。
図3に、給電部7における電流印加経路の切替の一例を表すタイミングチャートを示す。
これは、電解電流を2Aに固定し、第1陰極4b及び第2陰極5bへの電流印加経路を、1サイクルを10秒として、第1陰極4bに4秒の印加と、第2陰極5bに6秒の印加とを切り替えた制御例である。パルス波形101は、このときの第1陰極4bへの通電時間と電圧との関係を表し、パルス波形102は第2陰極5bへの通電時間と電圧との関係を表す。電解電流を同じ2Aに固定しているのに、第1陰極4bに印加した時の電圧と、第2陰極5bに印加した時の電圧が異なるのは陽極3bとの距離が異なるためである。
電解電流、サイクル、第1陰極及び第2陰極における通電比率は、ユーザーにより操作可能に構成されている。この例の場合、第1陰極4bへの印加時間を10秒、第2陰極5bへの印加時間を0秒と設定すると、通常の3室型の動作となり、この時生成される酸性水とアルカリ性水を混合するとpH8.5付近の混合水となる。逆に第1陰極4bへの印加時間を0秒、第2陰極5bへの印加時間を10秒と設定すると、陰極室4では電解反応が起きず、陰極室4には電解セルに供給された原水が流れるだけであり、この時生成される酸性水と混合すると強酸性から弱酸性の混合水となる。
第1実施形態に係る電解水生成装置1を用い、以下のように、通電比率による水質変更試験、及び連続稼働試験を行った。
通電比率による水質変更試験
電解水生成装置1を用い、日本では標準的な硬度のCa硬度55mg/Lの水道水を原水として0.5L/分で流水し、電解電流を2Aに固定し、1サイクルを10秒とし、1サイクルにおける第1陰極4b及び第2陰極5bへの通電時間の比率を種々変更し、混合生成水の水質変化(pH及び有効塩素濃度)を測定した。
図4は、第1実施形態に係る電解水生成装置における第2陰極5bの通電比率(デューティ比)と混合生成水の水質(pH及び有効塩素濃度)との関係を表すグラフ図である。
図中、特性線104は、第2陰極5bの通電比率に対する混合生成水のpHを表すグラフである。特性線103は、第2陰極5bの通電比率に対する混合生成水の有効塩素濃度を示している。
第2陰極5bの通電比率は、1サイクルの時間に対する第2陰極5bの通電時間の比率である。すなわち、第2陰極5bの通電比率は、全電流量に対する第2陰極5bへの通電量の比率を示すことになる。第2陰極5bの通電比率0%は、第1陰極4bのみの通電、100%は第2陰極5bのみの通電を示し、第2陰極5bの通電比率50%は、第1陰極4bへの通電時間5秒、第2陰極5bヘの通電時間5秒を繰り返したことになる。混合生成水の水質(pH及び有効塩素濃度)の測定は、通電切替による水質差異が十分に積算されて影響しないように、サイクル時間より十分に長い時間で混合生成水を採水して行なった。また電解水の生成中、第1電解液室5c、第2電解液室5dには、それぞれ20%塩化ナトリウム水溶液を3mL/分送液した。
特性線104に示すように、第2陰極5bを用いないとき(通電比率0%)は、混合生成水はアルカリ性にあることがわかる。これは第1陰極4bで生成されたアルカリ物質がすべて生成水に混合されるためである。
これに対し、第2陰極5bの通電比率を0から上げていくと、特性線103に示すように、混合生成水の有効塩素濃度はほぼ一定ながら、特性線104に示すように、pHは酸性化していく。これは、第2陰極5bで生成されたアルカリ性物質が第2電解液室5d中にだけ放出され、混合生成水には混合されないためである。第1実施形態に使用される原水の場合は、第2陰極の通電比率が55%付近から大きくpHが変動し、酸性化する。第2陰極5bの通電比率を55%から60%に設定すると、腐食等の影響が少なく、活性成分であるHClOの存在比率の高い微酸性域(pH5~6.5)の酸性水(次亜塩素酸水)を得ることができる。さらに、第2陰極5bの通電比率を上げ、第1陰極4bを用いず第2陰極5bだけを用いると(通電比率100%)では、混合生成水は弱酸性から強酸性にあることがわかる。これは第1陰極ではアルカリ物質は生成されず、原水がそのまま酸性水と混合され、陽極室3で生成した酸性水の水質がそのまま表れる。
本実施形態では、Ca硬度55g/Lの水道水を原水に用いた。これより軟水を用いると微酸性域を示す第2陰極5bの通電比率は小さい方に、これより硬水を用いると微酸性域を示す第2陰極5bの通電比率は大きい方にシフトする。
連続稼働試験
第1実施形態に係る電解水生成装置1を用いて、以下の連続稼働試験を行った。
日本では標準的なCa硬度55mg/Lを有する水道水を原水として、0.5L/分で、流水した。電解水の生成中、第1電解液室5c、第2電解液室5dには、各々、20%塩化ナトリウム水溶液を3mL/分で送液した。電解電流を2Aに固定し、1サイクルを10秒とし、混合生成水のpHが6となるように、第2陰極の通電比率を60%(第1陰極4bへの通電時間4秒、第2陰極5bの通電時間6秒)と設定した。電解水生成装置1を約700時間運転し、混合生成水を連続して得た。得られた混合生成水のpH及び有効塩素濃度を初期は24時間ごとに測定し、その後は1週間ごとに測定した。
また、比較例1及び比較例2として、電解セル2の電解液室5に第3隔膜5aを設けないこと以外は第1実施形態と同様の構成を有する電解水生成装置を用意し、上記と同様の条件で電解水生成装置を約700時間運転し、混合生成水を得た。得られた混合生成水の水質の変化として、pH及び有効塩素濃度を同様に測定した。
図5は、第1実施形態に係る電解水生成装置の連続稼働試験結果を表すグラフ図を示す。
図において、横軸は、動作時間である。特性線110は、得られた混合生成水のpHを示す。また、特性線105は、得られた混合生成水の有効塩素濃度を示す。特性線106、107は、比較例1及び比較例2の有効塩素濃度、特性線108、109は比較例1及び比較例2のpHを示す。
比較例1では、48時間を超えたところから、特性線108に示すように、pHが上昇し、特性線106に示すように、有効塩素濃度が減少する現象が確認された。また、比較例2では、168時間を超えたところから、特性線109に示すように、pHが上昇し、特性線107に示すように、有効塩素濃度が減少する現象が確認された。比較例1及び比較例2の電解セルを分解して調査したところ、陽極室の第1隔膜が白濁し、ところどころ膜が破けていることが確認された。このことから、第2陰極で生成されたアルカリ性物質により、電解液室がアルカリ化して、電解液室と接する第1隔膜が変質して、破断に至ったと考えられる。一方、第1実施形態に係る電解水生成装置1では、特性線110、及び105に示すように、長時間稼働しても有効塩素濃度及びpHは一定であり、混合生成水の水質の変化は認められない。これは、電解液室5を、イオン透過の選択性のない中性膜からなる第3隔膜5aで陽極室3側の第1電解液室5cと陰極室4側の第2電解液室5dに仕切り、第2電解液室5d内に第3隔膜5aと近接対向して第2陰極5bを設けたことにより、第2陰極5bで生成されたアルカリ性物質は第1隔膜3aと接しない第2電解液室5dのみで生成、排出され、第1隔膜3aへのアルカリ性物質への作用が抑制されたためであると考えられる。
このように、電解液室5を、イオン透過の選択性のない中性膜からなる第3隔膜5aで陽極室3側の第1電解液室5cと陰極室4側の第2電解液室5dに仕切り、第2電解液室5d内に第3隔膜5aと近接対向して第2陰極5bを設けたことにより、Ca硬度が異なる原水を使用しても、第2陰極5bの通電比率を変えることで微酸性の混合生成水を生成することが可能で、しかも長時間動作しても、安定して微酸性の混合生成水を生成することが可能である。また、季節変動などで、原水の水質が変動し、混合生成水のpH微酸性域から外れた場合、第2陰極5bの通電比率を変更することで容易に微酸性域に調整が可能である。
電解水生成装置の応用例
第2陰極5bの通電比率の変更は、混合生成水のpH測定値に応じて自動的に行うことができる。
図6に、第1実施形態に係る電解水生成装置の応用例を表す概略図を示す。
図示するように、第1実施形態の応用例に係る電解水生成装置1-1は、電解セル2の第1生成水混合部10の後段に混合生成水41を収容し、底部11a及び側壁11bを有する貯水部11がさらに設けられ、貯水部11中にpH測定部としてのオンラインpHメーター12と貯水部11から混合生成水を排出する第3排水配管21dが設置されている。オンラインpHメーター12は制御部7cに接続されている。貯水部11は、通電切替による水質の差異が十分に積算されて影響しないように、サイクル時間より十分に長い時間で混合生成水を貯水できる容量を有することができる。電解水生成装置1-1の他の構成は、図2に示した電解水生成装置1と同様である。
電解水生成装置1-1では、第1生成水混合部10からの混合生成水41を貯水部11に導入して、オンラインpHメーター12にてpHを随時測定し、第3排水配管21dから排出する。季節変動などで原水の水質が変動して、混合生成水41のpH測定値が微酸性域からずれた場合に、オンラインpHメーター12からのpH測定信号を制御部7cで演算して、第2陰極5bの通電比率を自動的に変更するアルゴリズムを組むことで、混合生成水の自動的なpH制御が可能となる。また、それ以外にも、電解水生成装置1と同様の作用効果を有する。この応用例においては、貯水部11の混合生成水41のpH測定を自動で行えるオンラインpHメーター12を用いたが、作業者が貯水部11の混合生成水41のpH測定を随時手動で測定し、その値を制御部7cにインプットし、その値をもとに制御部7cで演算して、第2陰極5bの通電比率を自動的に変更するアルゴリズムを組むことも可能である。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。
図示するように、電解水生成装置1-2は、所謂3室型の電解槽(電解セル)2-2を用いている。その内部は、第1隔膜(陽極側隔膜、陰イオン交換膜)3a及び第2隔膜(陰極側隔膜、陽イオン交換膜)4aにより、隔膜間に規定された電解液室5と、電解液室5の両側に位置する陽極室3及び陰極室4との3室に仕切られている。陽極室3内に陽極3bが設けられ、第1隔膜3aに近接対向している。陰極室4内に第1陰極4bが設けられ、第2隔膜4aに近接対向している。陽極3b及び陰極4bは、ほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、電解液室5及び第1、第2隔膜3a、4aを間に挟んで、互いに対向している。
電解液室5は、イオン透過の選択性がなく陽イオン及び陰イオンの通過が可能な中性膜からなる第3隔膜5aで陽極室3側の第1電解液室5cと陰極室4側の第2電解液室5dに仕切られている。第2電解液室5dには、第3隔膜5aと近接対向して第2陰極5bが設けられている。第2陰極5bは、陽極3bと第1陰極4bと同様に、陽極3bと第1陰極4bとほぼ等しい大きさの矩形形状に形成されている。
さらに、陽極室3側の第1電解液室5cの少なくとも一部に、アルカリ性物質の拡散を制御する「透水性の拡散抑制部材」として、多孔質部材5eが設けられている。
拡散抑制部材は透水性である。すなわち、供給配管8bを介して第1電解液供給口5fより電解液が供給された場合、その電解液は拡散抑制部材の内部を通過する必要がある。このため、拡散抑制部材は透水性を有するのである。
このような拡散抑制部材においては、内部に電解液が通液している状態で陰陽両極に通電すると、電解液中のナトリウムイオンや塩素イオンは電気的な力によって電極方向に移動する。しかし、通電を停止している状態では電気的な力は生じない。この場合でも、電解セル2-2の内部において、例えば濃度勾配等に起因して物質が自然に移動することがある。このように電気的な力によらない自然な物質の移動を「拡散」と称する。拡散抑制部材は、このような拡散を起こりにくくする機能、すなわち電気的な力によらない自然な物質の移動を抑制する機能を有する。
以上のような透水性の拡散抑制部材の作用は、次のとおりである。まず、電解水生成装置1-2が稼働しているときは、拡散抑制部材が透水性であるため電解液が拡散抑制部材の内部を通過し、陰陽両極への通電によって電解水が生成される。一方、電解水生成装置1-2が停止しているときは、拡散によって第2電解液室5d側から第1電解液室5cにアルカリ性物質が流入することがある。この場合、拡散抑制部材が設置されていれば、第1電解液室5cへのアルカリ性物質の流入を抑制することができる。これにより第1隔膜3aはさらに劣化しにくくなるのである。
第2実施形態に使用可能な多孔質部材5eとしては、例えば、プラスチック焼結多孔質体(富士ケミカル社製)、セラミック焼結多孔質等があげられる。
給電部7は、電源7a、この電源7aを制御する制御部7c、及び第1陰極4b及び第2陰極5bへの給電を切り替えるスイッチ7b(切替スイッチ)を有している。電源7aの正極は、配線を介して陽極3bに接続されている。電源7aの負極は、スイッチ7b及び2本の配線を介して、第1陰極4b及び第2陰極5bに接続されている。すなわち、スイッチ7bを切り替えることにより、第1陰極4bまたは第2陰極5bに選択的に負電圧を印加することができる。スイッチ7bは、ユーザーにより操作可能に構成されている。
その他、電解水生成装置1-2は、電解セル2-2の第1及び第2電解液室5c、5dに電解液、例えば、塩水を供給する電解液供給部8と、陽極室3及び陰極室4に水を供給する給水部21と、第1生成水混合部10と、を備え、前述した第1実施形態に係る電解水生成装置1と同様に構成されている。
第2実施形態において、電解水生成装置1-2から排水される混合生成水は、微酸性・中性付近にpH制御した次亜塩素酸水である。すなわち、通常の生成動作において、陽極3bに正電圧、第1陰極4bまたは第2陰極5bに選択的に負電圧が印加される。本実施形態によれば、スイッチ7b(切替スイッチ)を切り替えて、第2陰極5bに電圧を印加することにより、接続デューティによる更になるpH調整を行うことが可能となる。さらに、多孔質部材5eを設けることにより、第2電解液室5d内で生成したアルカリ性物質が、電解水生成装置を停止した際に、第3隔膜5aを透過して第1電解液室5c及び第1電解液室5cと接している第1隔膜3aへ拡散することを抑制できる。
また、第2実施形態に係る電解水生成装置1-2を用いると、第1実施形態と同様に、原水の水質に変動があっても混合生成水のpHが随時調整可能となり、混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHを微酸性・中性付近に制御することが可能となる。また、第3隔膜5aにより電解液室5を第1電解液室5cと第2電解液室5dに分離することにより、給電部7からの通電を第2陰極5bに切り替えたとき、第2電解液室5dの電解液pHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5cの第1隔膜3aが劣化しにくく耐久性が良好となる。このため、第2実施形態によれば、長期間の使用が可能な電解水生成装置が得られる。
第2実施形態に係る電解水生成装置1-2を用い、以下のように、通電比率による水質変更試験、及び連続稼働試験を行った。
通電比率による水質変更試験
電解水生成装置1-2を用い、0.5L/分で純水を原水として流水し、電解電流を2Aに固定し、1サイクルを10秒とし、1サイクルにおける第1陰極及び第2陰極の通電を切り替えて通電時間の比率を種々変更し、混合生成水の水質変化(pH及び有効塩素濃度)を測定した。
図8は、第2実施形態に係る電解水生成装置1-2における第2陰極5bの通電比率(デューティ比)と混合生成水の水質との関係を表すグラフ図である。
特性線112は、第2陰極5bの通電比率に対するpHの変化を示し、特性線111は、第2陰極5bの通電比率に対する有効塩素濃度の変化を示している。
第2陰極5bの通電比率は、第1実施形態と同様に、1サイクルの時間に対する第2陰極5bの通電時間の比率である。混合生成水の水質(pH及び有効塩素濃度)の測定は、通電切替による水質差異が十分に積算されて影響しないように、サイクル時間より十分に長い時間で混合生成水を採水して行った。また電解水の生成中、第1電解液室5c及び第2電解液室5dには、各々、20%塩化ナトリウム水溶液を3mL/分送液した。
純水を原水にした場合は、特性線112に示すように、第2陰極5bの通電比率が25%付近から大きくpHが変動し、酸性化する。また、第2陰極5bの通電比率を25%から30%に設定すると、腐食等の影響が少なく、活性成分であるHClOの存在比率の高い微酸性域(pH5~6.5)の酸性水(次亜塩素酸水)を得ることができる。一方、特性線111に示すように、混合生成水の有効塩素濃度はほぼ一定である。このように、第2実施形態に電解水生成装置1-2では、第1電解液室5c内に、アルカリ性物質が第1隔膜3aへ拡散するのを抑制する多孔質部材5eを設けた場合でも、第2陰極5bの通電比率で混合生成水のpHを十分に制御できることが分かった。第1電解液室5c内に、多孔質部材5eを設けた場合、電解セル停止中のアルカリ性物質の第1電解液室5cヘの拡散を抑制するだけでなく、第1隔膜3aが劣化した場合でも、多孔質部材5eと陽極3bで第1隔膜3aを機械的にサンドイッチする構造となっているため、第1隔膜3aの破断の進展を防止することができる。
また、第1電解液室5c内に多孔質部材5eを設けると、その多孔質部材5eが流路抵抗としても作用し、第1電解液室5cに流入する電解液の流量に比して第2電解液室5dに流入する電解液の流量のほうが大きくなることがある。その場合、第2電解液室5dで生成するアルカリ性水を効率よく排出できるという利点が生じる。なお、供給配管8b及び/または供給配管8cには流量調節弁を設けてもかまわない。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。
第3実施形態に係る電解水生成装置1-3は、少なくとも2台の電解セル2、2-1を直列に接続し、例えば第2電解セル2-1に供給する原水として第1電解セル2の第1混合生成水を用い、段階的にpH調整を行うようにしたものである。
図示するように、電解水生成装置1-3は、所謂3室型の第1電解セル2及び第2電解セル2-1を用いている。
第1電解セル2の内部は、第1隔膜(陽極側隔膜、陰イオン交換膜)3a及び第2隔膜(陰極側隔膜、陽イオン交換膜)4aにより、隔膜間に規定された電解液室5と、電解液室5の両側に位置する陽極室3及び陰極室4との3室に仕切られている。陽極室3内に陽極3bが設けられ、第1隔膜3aに近接対向している。陰極室4内に第1陰極4bが設けられ、第2隔膜4aに近接対向している。陽極3b及び第1陰極4bは、ほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、電解液室5及び第1、第2隔膜3a、4aを間に挟んで、互いに対向している。
電解液室5は、イオン透過の選択性がなく陽イオン及び陰イオンの通過が可能な中性膜からなる第3隔膜5aで陽極室3側の第1電解液室5cと陰極室4側の第2電解液室5dに仕切られている。第2電解液室5dには、第3隔膜5aと近接対向して第2陰極5bが設けられている。第2陰極5bは、陽極3bと第1陰極4bと同様に、陽極3bと第1陰極4bとほぼ等しい大きさの矩形形状に形成されている。
第1電解セル2に接続された給電部7は、電解に必要な電流を供給する電源7aと、第1陰極4b及び/または第2陰極5bに通電するスイッチ7bと、電源7aとスイッチ7bを制御する制御部7cとを有する。ここではスイッチ7bとして、第1陰極4b及び第2陰極5bへの給電を切り替える切替スイッチが使用される。電源7aとしては定電流電源が望ましい。電源7aの正極は配線を介して第1電解セル2の陽極3bと接続されている。電源7aの負極は、スイッチ7b及び2本の配線を介して第1陰極4b及び第2陰極5bと接続されており、スイッチ7bを切り替えることにより、第1陰極4b及び第2陰極5bに選択的に負電圧を印加することができる。スイッチ7bは、ユーザーにより操作可能に構成されている。
第1陰極4b及び/または第2陰極5bに通電するスイッチとして、スイッチ7bのような切替スイッチを用いる場合、第1陰極4bと第2陰極5bに印加する電圧を固定し、第1陰極4bと第2陰極5bへの通電を時間的に切り替えることにより、通電比率を調整することができる。
第2電解セル2-1は、第1電解セル2と、混合生成水供給ライン10sに使用される第1生成水混合部10-1と接続されて、第1電解セル2の後段に設けられ、第1電解セル2とほぼ同様の構成を有する。
第2電解セル2-1の内部は、第1隔膜(陽極側隔膜、陰イオン交換膜)3-1a及び第2隔膜(陰極側隔膜、陽イオン交換膜)4-1aにより、隔膜間に規定された電解液室5-1と、電解液室5-1の両側に位置する陽極室3-1及び陰極室4-1との3室に仕切られている。陽極室3-1内に陽極3-1bが設けられ、第1隔膜3-1aに対向している。陰極室4-1内に第1陰極4-1bが設けられ、第2隔膜4-1aに対向している。陽極3-1b及び第1陰極4-1bは、ほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、電解液室5-1及び第1、第2隔膜3-1a、4-1aを間に挟んで、互いに対向している。
電解液室5-1は、イオン透過の選択性がなく陽イオン及び陰イオンの通過が可能な中性膜からなる第3隔膜5-1aで陽極室3側の第1電解液室5-1cと陰極室4側の第2電解液室5-1dに仕切られている。第2電解液室5-1dには、第3隔膜5-1aと近接対向して第2陰極5-1bが設けられている。第2陰極5-1bは、陽極3-1bと第1陰極4-1bと同様にして、陽極3-1bと第1陰極4-1bとほぼ等しい大きさの矩形形状に形成されている。
陽極3-1bは、陽極3bと同様の構成を有する。第1陰極4-1bは、第1陰極4bと同様の構成を有する。第2陰極5-1bは、第2陰極5bと同様の構成を有する。
第2電解セル2-1に接続された給電部7-1は、電源7-1a、この電源7-1aを制御する制御部7-1c、及び第1陰極4-1b及び第2陰極5-1bへの給電を切り替えるスイッチ7-1b(切替スイッチ)を有している。電源7-1aの正極は、配線を介して陽極3-1bに接続されている。電源7-1aの負極は、スイッチ7-1b及び2本の配線を介して、第1陰極4-1b及び第2陰極5-1bに接続されている。すなわち、スイッチ7-1bを切り替えることにより、第1陰極4-1bまたは第2陰極5-1bに選択的に負電圧を印加することができる。スイッチ7-1bは、ユーザーにより操作可能に構成されている。
さらに、電解水生成装置1-3は、第1電解セル2の第1及び第2電解液室5c、5d、及び第2電解セル2-1の第1及び第2電解液室5-1c、5-1dに、電解液、例えば塩水を供給する電解液供給部8-1と、第1電解セル2の陽極室3及び陰極室4に水を供給する給水部21とを備えるとともに、陽極室3及び陰極室4から排出された陽極生成水及び陰極生成水を混合して得られた第1混合生成水を第2電解セル2-1の陽極室3-1及び陰極室4-1に供給する第1生成水混合部10-1を備える。第1生成水混合部10-1は、混合生成水供給ライン10sとして使用される。
電解液供給部8-1は、電解液25aとして例えば20%塩化ナトリウム水溶液を貯溜した塩水タンク(電解液タンク)25と、塩水タンク25から第1電解セル2の第1及び第2電解液室5c、5dの下方に塩水を導く供給配管8aと、供給配管8a中に設けられた送液ポンプ29と、第1電解セル2の第1及び第2電解液室5c、5dの上方から塩水を排出する排水配管8fとを有する。塩水タンク25の出口付近では供給配管8aから供給配管8-1aが分岐し、第1及び第2電解液室5-1c、5-1dの下方に塩水を導いている。供給配管8-1a中には送液ポンプ29-1が設けられている。
また、供給配管8aは、電解液室5の第1電解液室5cの下部に設けられた第1電解液供給口5fに接続して塩水を供給する第1電解液供給ラインとしての供給配管8bと、電解液室5の第2電解液室5dの下部に設けられた第2電解液供給口5gに接続して塩水を供給する第2電解液供給ラインとしての供給配管8cに分岐し、第1電解液室5c及び第2電解液室5dに別々に電解水を供給している。第1電解液室5cの上部には、第1電解液排出口5hと接続され、第1電解液室5c内を流れた電解液を排水する第1電解液排出ラインとしての排水配管8dが接続され、第2電解液室5dの上部には、第2電解液排出口5iと接続され、第2電解液室5d内を流れた電解液を排水する第2電解液排出ラインとしての排水配管8eが各々設けられている。このため、第1電解液室5cにおける塩水の流れは、第2電解液室5dにおける塩水の流れとは別になっている。排水配管8dと排水配管8eは合流されて排水配管8fとなり、排水配管8dと排水配管8eの電解液は混合して排出される。
供給配管8-1aは、電解液室5-1の第1電解液室5-1cの下部に設けられた第1電解液供給口5-1fに接続して塩水を供給する第1電解液供給ラインとしての供給配管8-1bと、電解液室5-1の第2電解液室5-1dの下部に設けられた第2電解液供給口5-1gに接続して塩水を供給する第2電解液供給ラインとしての供給配管8-1cに分岐しており、第1電解液室5-1cと第2電解液室5-1dには電解液が別々に供給される。第1電解液室5-1cの上部には、第1電解液排出口5-1hと接続され、第1電解液室5-1c内を流れた電解液を排水する第1電解液排出ラインとしての排水配管8-1dが接続され、第2電解液室5-1dの上部には、第2電解液排出口5-1iと接続され、第2電解液室5-1d内を流れた電解液を排水する第2電解液排出ラインとしての排水配管8-1eが接続されている。このため、第1電解液室5-1cにおける塩水の流れは、第2電解液室5-1dにおける塩水の流れとは別になっている。排水配管8-1dと排水配管8-1eは合流されて排水配管8-1fとなり、排水配管8-1dと排水配管8-1eの電解液は混合して排出される。
給水部21は、水を供給する給水源9と、給水源9の出口付近に設けられた開閉バルブ28と、給水源9から陽極室3及び陰極室4の下部に水を導く第1給水配管21aと、第1排水口3hと接続され、陽極室3を流れた水を陽極室3の上部から排出する第1排水ラインとしての第1排水配管21bと、第2排水口4hと接続され、陰極室4を流れた水を陰極室4の上部から排出する第2排水ラインとしての第2排水配管21cと、を備えている。第1給水配管21aは、第1給水ラインとしての第2給水配管21eと、第2給水ラインとしての第3給水配管21fに分岐している。第2給水配管21eは第1給水口3fと接続されて陽極室3に水を供給する。第3給水配管21fは第2給水口4fと接続されて陰極室4に水を供給する。第1排水配管21bは、第2排水配管21cの中途部に接続され、混合生成水供給ライン10sとして使用される第1生成水混合部10-1を構成している。これにより、第1排水配管21bから排水される陽極生成水と第2排水配管21cから排水される陰極生成水とが混合され、第1混合生成水となる。第1混合生成水は、弱アルカリ酸から中性域にpH制御された次亜塩素酸水である。
第1電解セル2から得られた第1混合生成水は、第1生成水混合部10-1により第2電解セル2-1に送られる。第1生成水混合部10-1の下流は、陽極室3-1の下部に設けられた第1給水口3-1fと接続され、第1混合生成水を供給する第3排水配管10-1aと、陰極室4-1の下部に設けられた第2給水口4-1fと接続され、第1混合生成水を供給する第4排水配管10-1bに分岐している。この電解水生成装置1-3では、第1生成水混合部10-1、第3排水配管10-1a、及び第4排水配管10-1bは、陽極室3-1及び陰極室4-1に第1混合生成水を供給するための混合生成水供給ライン10sとして使用することができる。
陽極室3-1の上部に設けられた第1排水口3-1hには陽極室3-1を流れた陽極生成水を排水する第5排水配管10-1cが接続される。陰極室4-1の上部に設けられた第2排出口4-1hには陰極室4-1を流れた陰極生成水を排水する第6排水配管10-1dが接続され、第6排水配管10-1dは、第5排水配管10-1cの中途部に接続されて、第2電解セル2-1の陽極生成水と陰極生成水を混合して第2混合生成水とする第2生成水混合部10-1eを構成している。第2混合生成水は、さらに第2電解セル2-1により微酸性・中性付近にpH制御された次亜塩素酸水である。
その他、各配管に開閉バルブあるいは流量調整弁を設けてもよい。
このように、第3実施形態に係る電解水生成装置によれば、第2電解セル2-1の陽極室3-1と陰極室4-1に供給する原水として第1電解セル2の混合生成水(第1混合生成水)を用いることにより、第1電解セル2と第2電解セル2-1とで段階的に生成水のpH調整を行って最終的な混合生成水(第2混合生成水)を得ることができる。
電解セルとしては、第1実施形態または第2実施形態に用いられる電解セル2、または2-2などを使用することが可能である。ここでは、第1実施形態に用いられる電解セル2を使用している。ここでは、第1電解セル2と第2電解セル2-1は、材質、形状、大きさ等が同じ構成であるものを使用しているが、異なる構成を有することもできる。なお、図9では、電解液供給部8では、第1の電解セル2及び第2の電解セル2-1の電解液供給部を共用としているが、別々であっても構わない。
また、第3実施形態に係る電解水生成装置1-3を用いると、第1実施形態と同様に、原水の水質に変動があっても混合生成水のpHが随時調整可能となり、混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHを微酸性・中性付近に制御することが可能となる。また、第3隔膜5a、5-1aにより電解液室5、5-1を第1電解液室5c、5-1cと第2電解液室5d、5-1dに分離することにより、給電部7からの通電を第2陰極5b、5-1bに切り替えたとき、第2電解液室5d、5-1dの電解液pHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5c、5-1cの第1隔膜3a、3-1aが劣化しにくく耐久性が良好となる。これに加えて、第1電解セル2と第2電解セル2-1とで段階的にpH調整を行うことで、第2電解液室5d、5-1dのアルカリ度を抑えることができる。このため、第3実施形態によれば、第1実施形態及び第2実施形態よりさらに長期間の使用が可能な電解水生成装置が得られる。
通電比率による水質変更試験
電解水生成装置1-3を用い、0.5mL/分で、Ca硬度45g/Lの水道水を第1電解セル2の原水として流水し、第1電解セル2の電解電流を1.0Aに固定し、1サイクルを10秒とし、第1陰極4bの通電時間を7秒及び第2陰極5bの通電時間3秒に設定して、pH6.9、有効塩素濃度48mg/Lの混合生成水を得た。続いて、この混合生成水を、第2電解セル2-1の原水として用い、第2電解セル2-1の電解電流を1.0Aに固定し、1サイクルを10秒とし、第1陰極4-1b及び第2陰極5-1bへの通電を切り替えて通電時間の比率を種々変更し、第2電解セル2-1の混合生成水の水質(pH及び有効塩素濃度)を測定した。
図10は、第3実施形態に係る電解水生成装置における第2電解セル2-1の第2陰極5-1bの通電比率(デューティ比)と混合生成水の水質との関係を表すグラフ図である。
特性線113は、第2電解セル2-1の第2陰極5-1bの通電比率に対する有効塩素濃度、特性線114は、第2電解セル2-1の第2陰極5-1bの通電比率に対するpHをそれぞれ示している。
第2陰極の通電比率は、1サイクルの時間に対する第2陰極5-1bの通電時間の比率である。第2電解セル2-1の混合生成水の水質(pH及び有効塩素濃度)の測定は、通電切替による水質差異が十分に積算されて影響しないように、サイクル時間より十分に長い時間で混合生成水を採水して行った。また電解水の生成中、第1電解液室5c、第2電解液室5d、第1電解液室5-1c、第2電解液室5-1dには、各々20%塩化ナトリウム水溶液を3mL/分送液した。
第1電解セル2の電解電流を1.0Aに固定し、第1陰極4b通電時間を7秒及び第2陰極5bの通電時間3秒に設定して得られたpH6.9、有効塩素濃度48mg/Lの混合生成水を、第2電解セル2-1に供給する原水として用いた場合、特性線114に示すように、第2陰極5-1b通電比率が40%付近から大きくpHが変動し、酸性化する。第2陰極5-1bの通電比率を40%から45%に設定すると、腐食等の影響が少なく、活性成分であるHClOの存在比率の高い微酸性域(pH5~6.5)の酸性水(次亜塩素酸水)を得ることができる。特性線113に示すように、混合生成水の有効塩素濃度はほぼ一定である。
このように、第3実施形態に係る電解水生成装置1-3を用いて少なくとも2台の電解セル2、2-1を直列に接続し、第2電解セル2-1に供給する原水として第1電解セル2の混合生成水を用い、段階的にpH調整を行うことにより、単独の電解セルを使用した第1実施形態及び第2実施形態に係る電解水生成装置1、1-2よりも低い電解電流、すなわち電極への負荷が少ない条件で、電解セル1台当たりのアルカリ性物質の生成量を抑えて、活性成分であるHClOの存在比率がより高く、微酸性域(pH5~6.5)の酸性水(次亜塩素酸水)を得ることができる。これにより、腐食等の影響が少なく、より長時間の稼働が可能となる。
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係る流水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。
第4実施形態に係る電解水生成装置には、2台またはそれ以上の電解セルを並列に接続し、電解水生成量の大量化を図るものである。
図示するように、電解水生成装置1-4は、所謂3室型の第1電解セル2及び第2電解セル2-1を用いている。第1電解セル2及び第2電解セル2-1の構成は、図9に示した電解セルと同様であるため、ここでは説明を省略する。
さらに、電解水生成装置1-4は、第1電解セル2の第1及び第2電解液室5c、5d、及び第2電解セル2-1の第1及び第2電解液室5-1c、5-1dに、電解液例えば塩水を供給する電解液供給部8-1と、第1電解セル2の陽極室3及び陰極室4、及び第2電解セル2-1の陽極室3-1及び陰極室4-1に水を供給する給水部21と、陽極室3及び陰極室4から排出された陽極生成水及び陰極生成水を混合する第1生成水混合部10と、陽極室3-1及び陰極室4-1から排出された陽極生成水及び陰極生成水を混合する第3生成水混合部10-2と、第1生成水混合部10と第3生成水混合部10-2をさらに混合する第4生成水混合部10-2aを備える。
電解液供給部8-1は、図9に示した電解液供給部と同様の構成を有する。
給水部21は、水を供給する給水源9と、給水源9の出口付近に設けられた開閉バルブ28と、給水源9から陽極室3及び陰極室4の下部に水を導く第1給水配管21aと、第1排水口3hと接続され、陽極室3を流れた水を陽極室3の上部から排出する第1排水ラインとしての第1排水配管21bと、第2排水口4hと接続され、陰極室4を流れた水を陰極室4の上部から排出する第2排水ラインとしての第2排水配管21cと、を備えている。
第1給水配管21aは、第1給水ラインとしての第2給水配管21eと、第2給水ラインとしての第3給水配管21fに分岐している。第2給水配管21eは第1給水口3fと接続されて陽極室3に水を供給する。第3給水配管21fは第2給水口4fと接続されて陰極室4に水を供給する。
給水部21は、さらに、開閉バルブ28の下流で第1給水配管21aから分岐して陽極室3-1及び陰極室4-1に水を導く第4給水配管21-1aと、陽極室3-1を流れた水を陽極室3-1の上部から排出する第5排水配管21-1bと、陰極室4を流れた水を陰極室4-1の上部から排出する第6排水配管21-1cと、を備えている。
第1給水配管21-1aは、第1給水ラインとしての第2給水配管21-1eと、第2給水ラインとしての第3給水配管21-1fに分岐している。第2給水配管21-1eは第1給水口3-1fと接続されて陽極室3-1に水を供給する。第3給水配管21-1fは第2給水口4-1fと接続されて陰極室4-1に水を供給する。
第1排水配管21bは、第2排水配管21cの中途部に接続され、第1生成水混合部10を構成している。これにより、第1排水配管21bから排水される陽極生成水と第2排水配管21cから排水される陰極生成水とが混合され、第1混合生成水となる。また、第5排水配管21-1bは、第6排水配管21-1cの中途部に接続され、第3生成水混合部10-2を構成している。これにより、第5排水配管21-1bから排水される陽極生成水と第6排水配管21-1cから排水される陰極生成水とが混合され、第3混合生成水となる。さらに、第1生成水混合部10と第3生成水混合部10-2の後段において、第2排水配管21cと第6排水配管21-1cが合流し、第4生成水混合部10-2aを構成している。第4生成水混合部10-2aでは、第1生成水混合部10の第1混合生成水と第3生成水混合部10-2の第3混合生成水が混合され、第4混合生成水となる。混合生成水は、中性付近にpH制御された次亜塩素酸水である。
このように、第4実施形態に係る電解水生成装置1-4によれば、少なくとも2台の電解セルを並列に接続することにより、電解水生成量の大量化を図ることができるとともに、2台の電解セルの第1陰極と第2陰極の切替のタイミングをずらすことが可能となり、より精密に第4生成水混合部10-2aでの混合が可能となり、第4生成水混合部10-2aの後段に貯水部を設けなくてもよい運用が可能となる。
また、第4実施形態に係る電解水生成装置1-4を用いると、第1実施形態と同様に、原水の水質に変動があっても混合生成水のpHが随時調整可能となり、混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHを微酸性・中性付近に制御することが可能となる。また、第3隔膜5、5-1aにより電解液室5、5-1を第1電解液室5c、5-1cと第2電解液室5d、5-1dに分離することにより、給電部7からの通電を第2陰極5b、5-1bに切り替えたとき、第2電解液室5d、5-1dの電解液pHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5c、5-1cの第1隔膜3a、3-1aが劣化しにくく耐久性が良好となる。このため、第4実施形態によれば、長期間の使用が可能な電解水生成装置が得られる。
電解セルとしては、第1実施形態または第2実施形態に用いられる電解セル2、または1-2などを使用することが可能である。第1電解セルと第2電解セルが異なる構成を有することもできる。また、図11では、電解液供給部8では、第1の電解セル2及び第2の電解セル2-1の電解液供給部を共用としているが、別々であっても構わない。
(第5実施形態)
図12に、第5実施形態に用いられる電解セルを概略的に表す図を示す。
図示するように、この電解セル2-3’は、いわゆる3室型の電解セルであり、その内部は、陽極側の隔膜として陰イオン交換膜からなる第1隔膜3-2a、及び陰極側の隔膜として陽イオン交換膜からなる第2隔膜4-2aにより、隔膜間に規定された電解液室5-2と、電解液室の両側に位置する陽極室3-2及び陰極室4-2との3室に仕切られている。陽極室3-2内部には第1隔膜3-2aと近接対向して陽極3-2bが設けられ、陰極室4-2内部には第2隔膜4-2aと近接対向して第1陰極4-2bが設けられている。陽極3-2bと第1陰極4-2bは、ほぼ等しい大きさの矩形形状に形成され、電解液室5-2及び第1、第2隔膜3-2a、4-2aを間に挟んで、互いに対向している。また、陽極3-2bは、図1の陽極3bと同様の構成を有する。第1陰極4-2bは、図1の第1陰極4bと同様の構成を有する。さらに、この電解セル2-3’では、陽極室3-2を区画するセル31aの一部が開放されている。また、同様に、陰極室4-2を区画するセル31bの一部が開放されている。セル31a、31bの材質としては、耐酸性、耐アルカリ性に優れた樹脂、例えば塩化ビニル、ポリプロピレン、あるいはポリエチレン等を使用することができる。
電解液室5-2は、イオン透過の選択性がなく陽イオン及び陰イオンの通過が可能な中性膜からなる第3隔膜5-2aで陽極室3-2側の第1電解液室5-2cと陰極室4-2側の第2電解液室5-2dに仕切られている。第2電解液室5-2dには、第3隔膜5-2aと近接対向して第2陰極5-2bが設けられている。第2陰極5-2bは、第1陰極4-2bと同様に、第1陰極4-2bとほぼ等しい大きさの矩形形状に形成されている。また、第2陰極5-2bは、図1の第2陰極5bと同様の構成を有する。
第5実施形態に用いられる電解セル2-3’によれば、第2陰極5-2bと第1隔膜3-2aとの間に第3隔膜5-2aを設け、電解液室5-2内を、陽極室3-2側の第1電解液室5-2c及び陰極室4-2側の第2電解液室5-2dに分離することにより、第2陰極5-2bに通電したとき、第2電解液室5-2dの電解液のpHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5-2cのpHは第2電解液室5-2dのpHよりも中性付近に維持できるため、第1電解液室5-2cの第1隔膜3-2aは劣化しにくくなる。これにより、長期間の使用が可能な電解セルが得られる。
また、第5実施形態に使用可能な電解セル2-3’は、陽極室3-2を区画するセル31aの一部、及び陰極室4-2を区画するセル31bの一部が開放されており、貯水型電解水生成装置に適している。
図12の電解セルは電解水生成装置に組み入れることができる。
図13に、図12の電解セルの一例を用いた第5実施形態に係る貯水式の電解水生成装置1-5を概略的に表す図を示す。
本実施形態で用いる電解セル2-3は、図12に示した電解セル2-3’と同様の構成に加えて、第1電解液室5-2cの下部には、電解液を供給するための第1電解液供給口5-2f、その上部には、第1電解液室5-2cを流れた電解液を排出するための第1電解液排出口5-2h、第2電解液室5-2dの下部には、電解液を供給するための第2電解液供給口5-2g、その上部には、第2電解液室5-2dを流れた電解液を排水するための第2電解液排出口5-2iが設けられている。
電解水生成装置1-5は、電解セル2-3の電解液室5-2に電解液、例えば、塩水を供給する電解液供給部8と、陽極室3-2及び陰極室4-2に供給する原水としての水、陽極生成水、及び陰極生成水を一緒に貯留する貯水槽32と、陽極3-2bに正電圧、第1陰極4-2b及び/または第2陰極5-2bに負電圧をそれぞれ印加する電源7aを有する給電部7と、を備えている。
給電部7は、電解に必要な電流を供給する電源7aと、第1陰極4-2b及び/または第2陰極5-2bに通電するスイッチ7bと、電源7aとスイッチ7bを制御する制御部7cとを有する。ここではスイッチ7bとして、第1陰極4-2b及び第2陰極5-2bへの給電を切り替える切替スイッチが使用される。電源7aとしては定電流電源が望ましい。電源7aの正極は配線を介して電解セル2-3の陽極3-2bと接続されている。電源7aの負極は、スイッチ7b及び2本の配線を介して第1陰極4-2b及び第2陰極5-2bと接続されており、切替スイッチを切り替えることにより、第1陰極4-2b及び第2陰極5-2bに選択的に負電圧を印加することができる。
電解液供給部8は、電解液25aとして例えば20%塩化ナトリウム水溶液(塩水)を貯溜した塩水タンク(電解液タンク)25と、塩水タンク25から電解液室5-2の下方に塩水を導く供給配管8aと、供給配管8a中に設けられた送液ポンプ29と、電解液室5-2の上方から塩水を排出する排水配管8fとを備えている。
供給配管8aは、電解液室5-2の第1電解液室5-2cの下部に設けられた第1電解液供給口5-2fに接続して塩水を供給する供給配管8bと、電解液室5-2の第2電解液室5-2dの下部に設けられた第2電解液供給口5-2gに接続して塩水を供給する供給配管8cに分岐しており、電解液は第1電解液室5-2cと第2電解液室5-2dに別々に供給されている。ここでは、塩水タンク25からの供給配管8b、及び供給配管8cを、貯水槽32の底に設けられた貫通孔32b、32cを通して、第1電解液室5-2cの下部及び第2電解液室5-2dの下部に接続している。
第1電解液室5-2cの上部には、第1電解液排出口5-2hと接続され、第1電解液室5-2c内を流れた電解液を排水する第1電解液排出ラインとしての排水配管8dが接続され、第2電解液室5-2dの上部には、第2電解液排出口5-2iと接続され、第2電解液室5-2d内を流れた電解液を排水する第2電解液排出ラインとしての排水配管8eが接続されている。このため、第1電解液室5-2cにおける塩水の流れは、第2電解液室5-2dにおける塩水の流れとは別になっている。排水配管8dと排水配管8eは合流されて排水配管8fとなり、排水配管8dと排水配管8eの電解液は混合して排出される。
貯水槽32内の貯水領域10-3には、初期状態では電解原水、例えば、水道水が貯留されている。電解を行うと、陽極生成水と陰極生成水は、電解原水に混合される。このように、貯水領域10-3は、給水源、陽極室に水を供給する第1給水ライン、陰極室に水を供給する第2給水ライン、陽極生成水と陰極生成水を混合して混合生成水(第1混合生成水)を作成する第1生成水混合部としての機能を兼ね備えている。貯水槽32によって得られる混合生成水は、微酸性・中性付近にpH制御された次亜塩素酸水である。貯水槽32には、必要に応じて、図示しない攪拌器を設置することができる。その他、各配管に開閉バルブあるいは流量調整弁を設けてもよい。
上記のように構成された電解水生成装置1-5により、実際に塩水を電解して酸性水(次亜塩素酸及び塩酸)とアルカリ性水(水酸化ナトリウム)を生成し、混合生成水を得る動作について説明する。
図13に示すように、送液ポンプ29を作動させ、塩水タンク25から電解セル2-3の第1電解液室5-2c及び第2電解液室5-2dに塩水を供給する。陽極室3-2及び陰極室4-2には貯水領域10-3の水が充填されている。
スイッチ7bを第1陰極4-2bに切り替えて給電するとき、正電圧及び負電圧は電源7aから陽極3-2b及び第1陰極4-2bにそれぞれ印加される。
第1電解液室5-2c及び第2電解液室5-2dへ流入した塩水中に電離しているナトリウムイオンは、第1陰極4-2bに引き寄せられ、第2隔膜4-2aを通過して、陰極室4-2へ流入する。第3隔膜5-2aは中性膜であるため、ナトリウムイオンは十分透過可能である。その後、第1陰極4-2bで水が電気分解されて陰極室4-2内に水素ガスと水酸化ナトリウムが生成される。生成された水酸化ナトリウム水溶液及び水素ガスは、陰極室4-2から貯水槽32内の原水に混入する。
第1電解液室5-2c及び第2電解液室5-2dの塩水中に電離している塩素イオンは、陽極3-2bに引き寄せられ、第1隔膜3-2aを通過して、陽極室3-2へ流入する。そして、陽極3-2bにて塩素が酸化されて、塩素ガスが生成する。その後直ちに塩素ガスが水と反応して次亜塩素酸と塩酸を生じる。
陽極室3で生成された次亜塩素酸と塩酸は、貯水槽32内の原水と混入する。このようにして、貯水槽32内に混合生成水としてpHが調整された次亜塩素酸水が得られる。
また、スイッチ7b(切替スイッチ)を第2陰極5-2bに切り替えて給電するとき、正電圧及び負電圧は電源7aから陽極3-2b及び第2陰極5-2bにそれぞれ印加される。第1電解液室5-2c及び第2電解液室5-2d内の塩水中に電離しているナトリウムイオンは、第2陰極5-2bに引き寄せられる。第1電解液室5-2cのナトリウムイオンは、第3隔膜5-2aを透過して第2電解液室5-2dの第2陰極5-2bに到達することができる。第2陰極5-2bにおける塩水の電気分解により、第2電解液室5-2dにおいて水素ガスと水酸化ナトリウム水溶液が生成される。これにより、第2電解液室5-2d内は、アルカリ側にシフトする。生成されたアルカリ性水としての水酸化ナトリウム水溶液及び水素ガスは、第2電解液室5-2dにおける塩水の流れによって第2電解液室5-2dから排水配管8eに流出した後、排水配管8dの電解液と混合して排水配管8fにより外に排出される。このように、第2電解液室5-2dで生成したアルカリ性水は、陰極室4-2及び第1電解液室5-2cに流入せずに第2電解液室5-2dから排出されるので、陰極室4-2及び第1電解液室5-2cは、アルカリ側にシフトしない。このため、第1電解液室5-2c内の第1隔膜3-2aは強アルカリに晒されることがなく、劣化しにくくなる。また、陰極室4-2では、貯水槽32の水に、アルカリ性水としての水素ガスと水酸化ナトリウム水溶液はほぼ混入しない。
第1電解液室5-2c及び第2電解液室5-2d内の塩水中に電離している塩素イオンは、陽極3-2bに引き寄せられ、第1隔膜3-2aを通過して、陽極室3-2へ流入する。このとき、第1電解液室5-2cの塩素イオンは、第3隔膜5-2aを透過することができる。そして、陽極3-2bにて塩素イオンが酸化され塩素ガスが発生する。その後、塩素ガスは陽極室3-2内で水と反応して次亜塩素酸と塩酸を生じる。生成された次亜塩素酸と塩酸は、陽極室3-2から貯水槽32の水に混入される。このとき、第2電解液室5-2dで生成したアルカリ性水は外へ排出され、陰極室4-2にはアルカリ性水はほとんど混入していない。このため、第2陰極5-2bに給電するときに、貯水槽32内に混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHは、第1陰極4-2bに給電するときに、貯水槽32内に混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHよりも低くなる。
原水として用いられる水は地域、場所により含まれる不純物が異なり、特に炭酸成分には弱アルカリ性に向かう干渉効果がある。そのため、用いる水によってはpH調整点が合わず、僅かにずれてしまうことが考えられる。一般的には、炭酸イオンはアルカリ成分のカウンターイオンとして水に溶解しているため、硬水ほどアルカリ側にずれやすく、軟水(究極は純水)ほど酸側にずれ易い。
これに対し、実施形態に係る電解水生成装置1-5を用いると、電解液室5-2に第2陰極5-2bを設けて、スイッチ7bを第1陰極4-2bまたは第2陰極5-2bに切り替えて給電することにより、陰極室4-2内の第1陰極4-2bと第2電解液室5-2dの第2陰極5-2bを選択的に切り替えて通電し、陰極室4-2における水酸化ナトリウム水溶液及び水素ガスの貯水部への混入を制御して、貯水槽32内の混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHを調整することができる。これにより、原水の水質に変動があっても混合生成水のpHは随時調整可能となり、混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHを微酸性・中性付近に制御することが可能となる。また、第2陰極5-2bと第1隔膜3-2aとの間に第3隔膜5-2aを設け、電解液室5-2を、陽極室3-2側の第1電解液室5-2c及び陰極室4-2側の第2電解液室5-2dに分離することにより、給電部7からの通電を第2陰極5-2bに切り替えたとき、第2電解液室5-2dの電解液pHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5-2cのpHは第2電解液室5-2dのpHよりも中性に近くに維持できるため、第1電解液室5-2cの第1隔膜3-2aは劣化しにくく耐久性が良好となる。このように、第5実施形態によれば、長期間の使用が可能な電解水生成装置が得られる。
陽極3-2b及び第1陰極4-2bに電圧が印加されているとき、陽極室3-2及び陰極室4-2は、各々、酸性水の濃度が高い領域、アルカリ性水の濃度が高い領域となるが、貯水槽32内に図示しない攪拌機を設けることにより、水のpHを微酸性・中性に近づけて水質を均一にすることが可能となる。
第5実施形態に係る電解水生成装置を用い、以下のように、通電比率による水質変更試験、及び連続稼働試験を行った。
通電比率による水質変更試験
電解水生成装置1-5を用い、純水を原水として貯水槽32に20L貯留し、電解電流を2Aに固定し、1サイクルを10秒とし、1サイクルにおける第1陰極4-2b及び第2陰極5-2bへの通電を切り替えて通電時間の比率を種々変更し、それぞれの通電比率で60分間電解し、混合生成水の水質変化(pH及び有効塩素濃度)を測定した。
図14は、第5実施形態1-5に係る電解水生成装置における第2陰極5-2bの通電比率(デューティ比)と混合生成水の水質との関係を表すグラフ図である。
特性線115は、第2陰極5-2bの通電比率に対するpHの変化を示し、特性線116は、第2陰極5-2bの通電比率に対する有効塩素濃度の変化を示している。
第2陰極の通電比率は、1サイクルの時間に対する第2陰極5-2bの通電時間の比率である。混合生成水の水質(pH及び有効塩素濃度)の測定は、通電切替による水質差異が十分に積算されて影響しないように、混合生成水を十分拡販したのちに行なった。また電解水の生成中、第1電解液室5-2c、第2電解液室5-2dには、各々20%塩化ナトリウム水溶液を3mL/分送液した。
特性線115に示すように、第2陰極5-2bを用いないとき(通電比率0%)は、混合生成水はアルカリ性にあることがわかる。これは第1陰極4-2bで生成されたアルカリ物質がすべて生成水に混合されるためである。
これに対し、第2陰極5-2bの通電比率を0から上げていくと、特性線116に示すように混合生成水の有効塩素濃度はほぼ一定ながら、特性線115に示すようにpHは酸性化していく。これは、第2陰極5-2bで生成されたアルカリ性物質が第2電解液室5-2d中にだけ放出され、混合生成水には混合されないためである。第5実施形態に使用される原水の場合は、第2陰極5-2bの通電比率が20%付近から大きくpHが変動し、酸性化する。第2陰極5-2bの通電比率を22%から27%に設定すると、腐食等の影響が少なく、活性成分であるHClOの存在比率の高い微酸性域(pH5~6.5)の酸性水(次亜塩素酸水)を得ることができる。さらに、第2陰極5-2bの通電比率を上げ、第1陰極4-2bを用いず第2陰極5-2bだけを用いると(通電比率100%)では、混合生成水は強酸性にあることがわかる。これは第1陰極4-2bではアルカリ物質は生成されず、原水がそのまま次亜塩素酸と塩酸と混合され、陽極室3-2で生成した酸性水の水質がそのまま表れる。
本実施形態では、純水を原水に用いた。これより硬水を用いると微酸性域を示す第2陰極5-2bの通電比率は大きい方にシフトする。
連続稼働試験
電解水生成装置1-5を用い、以下のように連続稼働試験を行った。
原水として、純水を貯水槽32に20L貯留した。電解水の生成中、第1電解液室5-2c、第2電解液室5-2dには、20%塩化ナトリウム水溶液を3mL/分で送液した。電解電流を2Aに固定し、1サイクルを10秒とし、混合生成水のpHが6となるように、第2陰極5-2bの通電比率を60%(第1陰極4-2bへの通電時間4秒、第2陰極5-2bの通電時間6秒)と設定し、60分間電解した。60分ごとに貯水槽の水を入れ替えながら、電解水生成装置を約700時間運転し、得られた第1混合生成水のpH及び有効塩素濃度を初期は24時間毎に、その後は1週間ごとに測定した。
また、比較例3として、電解セル2-3の電解液室5-2に第3隔膜5-2aを設けないこと以外は第5実施形態と同様の構成を有する電解水生成装置を用意し、同様の条件で電解水生成装置を約700時間運転し、得られた混合生成水の水質の変化として、pH及び有効塩素濃度を同様に測定した。
得られた結果を図15に示す。
図15は、第5実施形態に係る電解水生成装置1-5の連続稼働試験結果を表すグラフ図を示す。
図において、横軸は、動作時間である。特性線117は、電解水生成装置1-5により得られた混合生成水のpHの変化を示す。また、特性線118は、電解水生成装置1-5により得られた混合生成水の有効塩素濃度の変化を示す。特性線120は、比較例3の有効塩素濃度、特性線119は比較例3のpHをそれぞれ示す。
比較例3では、48時間を超えたところから、特性線119に示すようにpHが上昇し、特性線120に示すように有効塩素濃度が減少するという現象が確認された。比較例3の電解セルを分解して調査したところ、陽極室の第1隔膜が白濁し、ところどころ膜が破けていることが確認された。このことから、第2陰極で生成されたアルカリ性物質により、電解液室がアルカリ化して、電解液室と接する第1隔膜が変質して、破断に至ったと考えられる。一方、第5実施形態に係る電解水生成装置1-5では、長時間稼働しても、特性線118、及び117に示すように、有効塩素濃度及びpHは一定であり、混合生成水の水質の変化は認められない。これは、電解液室5-2を、イオン透過の選択性のない中性膜からなる第3隔膜5-2aで陽極室3-2側の第1電解液室5-2cと陰極室4-2側の第2電解液室5-2dに仕切り、第2電解液室5-2d内に第3隔膜5-2aと近接対向して第2陰極5-2bを設けたことにより、第2陰極5-2bで生成されたアルカリ性物質は第2電解液室5-2d内だけで生成され、ただちに第2電解液室5-2dから排出され、第1隔膜3-2aへのアルカリ性物質への作用が抑制されたためであると考えられる。
このように、電解液室5-2を、イオン透過の選択性のない中性膜からなる第3隔膜5-2aで陽極室3-2側の第1電解液室5-2cと陰極室4-2側の第2電解液室5-2dに仕切り、第2電解液室5-2d内に第3隔膜5-2aと近接対向して第2陰極5-2bを設けたことにより、原水のCa硬度が異なる原水を使用しても、第2陰極5-2bの通電比率を変えることで微酸性の混合生成水を生成することが可能で、しかも長時間動作しても、安定して微酸性の混合生成水を生成することが可能である。また、季節変動などで、原水の水質が変動し、混合生成水のpH微酸性域から外れた場合、第2陰極5-2bの通電比率を変更することで容易に微酸性域に調整が可能である。
第5実施形態の応用例
図16に、第5実施形態に係る貯水式の電解水生成装置の応用例を概略的に表す図を示す。
図16に示す電解水生成装置1-6は、塩水タンク(電解液タンク)25からの供給配管8a、及び供給配管8bを、第1電解液室5-2cの下部及び第2電解液室5-2dの下部に、直接接続して、貫通孔32b、32cを持たない貯水容器32-1内に投入して設置していることが図13の電解水生成装置1-5とは異なり、それ以外は、図13に示した電解水生成装置と同様の構成を有し、同様の作用効果を有する。
電解水生成装置1-6を用いると、貯水槽32の代わりに、貯水領域10-3が確保可能な任意の貯水容器32-1を使用することが可能となり、電解セル2-3を貯水槽32に設置する工事を行わなくても、単に、電解セル2-3を任意の貯水容器32-1に投入するだけで簡単に使用することができるので低コストである。このような構成は、電解セル2-3をより小型化した場合により好適である。なお、この場合には、供給配管8a及び排水配管8fを柔軟性がある材料によって構成すると、電解セル2-3の取り扱いが容易になるため好ましい。
(第6実施形態)
図17は、第6実施形態に係る貯水式の電解水生成装置を概略的に示す図である。
図示するように、電解水生成装置1-7は、所謂3室型の電解槽(電解セル)2-4を用いている。電解セル2-4の内部は、第1隔膜(陽極側隔膜、陰イオン交換膜)3-2a及び第2隔膜(陰極側隔膜、陽イオン交換膜)4-2aにより、隔膜間に規定された電解液室5-2と、電解液室5-2の両側に位置する陽極室3-2及び陰極室4-2との3室に仕切られている。陽極室3-2内に陽極3-2bが設けられ、第1隔膜3-2aに対向している。陰極室4-2内に陰極4-2bが設けられ、第2隔膜4-2aに対向している。陽極3-2b及び陰極4-2bは、ほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、電解液室5-2及び第1、第2隔膜3-2a、4-2aを間に挟んで、互いに対向している。
電解液室5-2は、イオン透過の選択性がなく陽イオン及び陰イオンの通過が可能な中性膜からなる第3隔膜5-2aで陽極室3-2側の第1電解液室5-2cと陰極室4-2側の第2電解液室5-2dに仕切られている。第2電解液室5-2dには、第3隔膜5-2aと近接対向して第2陰極5-2bが設けられている。第2陰極5-2bは、陽極3-2bと第1陰極4-2bと同様に、陽極3-2bと第1陰極4-2bとほぼ等しい大きさの矩形形状に形成されている。また、第2陰極5-2bは、Tiに多数の透孔が形成された金属板もしくは多数の透孔が形成されたTiからなる金属板にIr、Ptなどの触媒を塗布したいわゆる不溶性電極で構成することができる。
この電解セル2-4では、陽極室3-2を区画するセル31aの一部が開放されている。また、同様に、陰極室4-2を区画するセル31bの一部が開放されている。
さらに、陽極室3-2側の第1電解液室5-2cの少なくとも一部に、アルカリ性物質の拡散を制御する透水性の拡散抑制部材である多孔質部材5-2eを備える。この多孔質部材5-2eとしては、プラスチック焼結多孔質体(富士ケミカル社製)が設けられている。
給電部7は、電源7a、この電源7aを制御する制御部7c、及び第1陰極4-2b及び第2陰極5-2bへの給電を切り替えるスイッチ7b有している。電源7aの正極は、配線を介して陽極3-2bに接続されている。電源7aの負極は、スイッチ7b及び2本の配線を介して、第1陰極4-2b及び第2陰極5-2bに接続されている。すなわち、スイッチ7bを切り替えることにより、第1陰極4-2bまたは第2陰極5-2bに選択的に負電圧を印加することができる。スイッチ7bは、ユーザーにより操作可能に構成されている。
その他、電解水生成装置1-7は、電解セル2-4の第1及び第2電解液室5-2c、5-2dに電解液、例えば、塩水を供給する電解液供給部8を備え、前述した第5実施形態に係る電解水生成装置1-5と同様に構成されている。
第6実施形態において、電解水生成装置1-7から排水される混合生成水は、中性付近にpH制御した次亜塩素酸水である。すなわち、通常の生成動作において、陽極3-2bに正電圧、第1陰極4-2bまたは第2陰極5-2bに選択的に負電圧が印加される。本実施形態によれば、スイッチ7bを切り替えて、第2陰極5-2bに電圧を印加することにより、接続デューティによる更になるpH調整を行うことが可能となる。さらに、多孔質部材5-2eを設けることにより、第2電解液室5-2d内で生成したアルカリ性物質が、電解水生成装置1-7を停止した際に、第1電解液室5-2c及び第1電解液室5-2cと接している第1隔膜3-2aへ拡散することを抑制できる。
また、第6実施形態に係る電解水生成装置1-7を用いると、第1実施形態と同様に、原水の水質に変動があっても混合生成水のpHが随時調整可能となり、混合生成水として得られる次亜塩素酸水のpHを微酸性・中性付近に制御することが可能となる。また、第3隔膜5-2aにより電解液室5-2を第1電解液室5-2cと第2電解液室5-2dに分離することにより、給電部7からの通電を第2陰極5-2bに切り替えたとき、第2電解液室5-2dの電解液pHはアルカリ側にシフトするが、アルカリ性物質は第2電解液の流れにより排出され、第1電解液の流れにはほとんど混入しないので、第1電解液室5-2cの第1隔膜3-2aが劣化しにくく耐久性が良好となる。このため、第6実施形態によれば、長期間の使用が可能な電解水生成装置が得られる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。また、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記各実施形態及び各変形例で挙げた構成を取捨選択すること、及び他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明は、業務用の電解水生成装置、及び家庭用の小型化された電解水生成装置として利用可能である。
1、1-1、1-2、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7…電解水生成装置、2、2’、2-1、2-2、2-3、2-3’、2-4…電解セル、3、3-1、3-2…陽極室、3a、3-1a、3-2a…第1隔膜、3b、3-1b、3-2b…陽極、4、4-1、4-2…陰極室、4a、4-1a、4-2a…第2隔膜、4b、4-1b、4-2b…第1陰極、5、5-1、5-2…電解液室、5a、5-1a、5-2a…第3隔膜、5b、5-1b、5-2b…第2陰極、5c、5-1c、5-2c…第1電解液室、5d、5-1d、5-2d…第2電解液室、5e、5-2e…拡散抑制部材(多孔質部材)、7…給電部、7-1…給電部(第2給電部)、7b…スイッチ、7-1b…スイッチ(第2スイッチ)、7c、7-1c…制御部、8a、8-1a…供給配管、8b、8-1b…供給配管(第1電解液供給ライン)、8c、8-1c…供給配管(第2電解液供給ライン)、10…第1生成水混合部、10-1…第1生成水混合部、10-1e…第2生成水混合部、10-2…第3生成水混合部、10-2a…第4生成水混合部、10-3…貯水領域、10s…混合生成水供給ライン、12…オンラインpHメーター(pH測定部)

Claims (13)

  1. 電解液を収容する電解液室と、
    第1隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陽極室と、
    第2隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陰極室と、
    前記第1隔膜に近接対向して前記陽極室に設けられた陽極と、
    前記第2隔膜に近接対向して前記陰極室に設けられた第1陰極と、
    前記電解液室に設けられ、前記第1隔膜を介して前記陽極に対向する第2陰極と、
    前記第2陰極と前記第1隔膜との間に設けられ、前記電解液室内を、前記陽極室側の第1電解液室、及び前記陰極室側の第2電解液室に分離する第3隔膜と、を備え
    前記第2電解液室には、前記第3隔膜に近接対向して前記第2陰極が設けられる電解セル。
  2. 前記第1電解液室に設けられた第1電解液供給口と、前記第2電解液室に設けられた第2電解液供給口とをさらに備えた請求項1に記載の電解セル。
  3. 前記第1隔膜は陰イオン交換膜を含み、前記第2隔膜は陽イオン交換膜を含み、前記第3隔膜は中性膜を含む請求項1または2に記載の電解セル。
  4. 前記第1電解液室の少なくとも一部に、透水性の拡散抑制部材をさらに含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電解セル。
  5. 前記陽極室の一部、及び前記陰極室の一部が開放されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電解セル。
  6. 電解液を収容する電解液室、
    第1隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陽極室、
    第2隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陰極室、
    前記第1隔膜に近接対向して前記陽極室に設けられた陽極、
    前記第2隔膜に近接対向して前記陰極室に設けられた第1陰極、
    前記電解液室に設けられ、前記第1隔膜を介して前記陽極に対向する第2陰極、及び
    前記第2陰極と前記第1隔膜との間に設けられ、前記電解液室内を、前記陽極室側の第1電解液室、及び前記陰極室側の第2電解液室に分離する第3隔膜、を備え
    前記第2電解液室には、前記第3隔膜に近接対向して前記第2陰極が設けられる第1電解セルと、
    前記陽極、前記第1陰極、及び前記第2陰極に給電する第1給電部と、
    前記第1給電部から前記第1陰極及び/または第2陰極へ通電するスイッチと、
    前記第1電解セルにおいて電解液を電解することで得られる陽極生成水と陰極生成水を混合して第1混合生成水を作成する第1生成水混合部と、を備える電解水生成装置。
  7. 前記第1電解セルの第1電解液室に接続され、前記第1電解液室に電解液を供給する第1電解液供給ラインと、前記第1電解セルの第2電解液室に接続され、前記第2電解液室に電解液を供給する第2電解液供給ラインとをさらに備えた請求項6に記載の電解水生成装置。
  8. 前記第1混合生成水のpHを測定するpH測定部と、前記pH測定部に接続され、前記第1混合生成水のpH測定結果に基づき、前記第1陰極及び/または第2陰極へ通電するスイッチを制御する制御部とをさらに備える請求項6または7に記載の電解水生成装置。
  9. 電解液を収容する電解液室、
    第1隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陽極室、
    第2隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陰極室、
    前記第1隔膜に近接対向して前記陽極室に設けられた陽極、
    前記第2隔膜に近接対向して前記陰極室に設けられた第1陰極、
    前記電解液室に設けられ、前記第1隔膜を介して前記陽極に対向する第2陰極、及び
    前記第2陰極と前記第1隔膜との間に設けられ、前記電解液室内を、前記陽極室側の第1電解液室、及び前記陰極室側の第2電解液室に分離する第3隔膜、を備え、前記第2電解液室には、前記第3隔膜に近接対向して前記第2陰極が設けられ、前記第1電解セルの前記第1生成水混合部の後段に設けられる第2電解セルと、
    前記第2電解セルの陽極、第1陰極、及び第2陰極に給電する第2給電部と、
    前記第2電解セルの前記給電部から前記第1陰極及び/または前記第2陰極へ通電する第2スイッチと、
    前記第2電解セルにおいて電解液を電解することで得られる陽極生成水と陰極生成水を混合して第2混合生成水とする第2生成水混合部と、をさらに備え、
    前記第1生成水混合部は、前記第2電解セルの前記陽極室及び前記陰極室に接続され、前記第1混合生成水を供給する混合生成水供給ラインとして使用される請求項6ないし8のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  10. 電解液を収容する電解液室、
    第1隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陽極室、
    第2隔膜により前記電解液室に対して仕切られた陰極室、
    前記第1隔膜に近接対向して前記陽極室に設けられた陽極、
    前記第2隔膜に近接対向して前記陰極室に設けられた第1陰極、
    前記電解液室に設けられ、前記第1隔膜を介して前記陽極に対向する第2陰極、及び
    前記第2陰極と前記第1隔膜との間に設けられ、前記電解液室内を、前記陽極室側の第1電解液室、及び前記陰極室側の第2電解液室に分離する第3隔膜、を備え、前記第2電解液室には、前記第3隔膜に近接対向して前記第2陰極が設けられ、前記第1電解セルと並列して配置された第2電解セルと、
    前記第2電解セルの前記陽極、前記第1陰極、及び前記第2陰極に給電する第2給電部と、
    前記第2電解セルの前記給電部から前記第1陰極及び/または第2陰極へ通電する第2スイッチと、をさらに備え、
    前記第1生成水混合部は、前記第2電解セルにおいて電解液を電解することで得られる陽極生成水と陰極生成水がさらに混合される請求項6ないし8のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  11. 前記第1隔膜は陰イオン交換膜を含み、前記第2隔膜は陽イオン交換膜を含み、前記第3隔膜は中性膜を含む請求項6ないし10のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  12. 前記第1電解液室の少なくとも一部に、透水性の拡散抑制部材をさらに含む請求項6ないし11のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  13. 前記陽極室の一部、及び前記陰極室の一部が開放されている請求項6ないし12のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
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