JP7212459B2 - 変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法 - Google Patents

変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7212459B2
JP7212459B2 JP2018106678A JP2018106678A JP7212459B2 JP 7212459 B2 JP7212459 B2 JP 7212459B2 JP 2018106678 A JP2018106678 A JP 2018106678A JP 2018106678 A JP2018106678 A JP 2018106678A JP 7212459 B2 JP7212459 B2 JP 7212459B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin resin
modified polyolefin
dispersion composition
peak height
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018106678A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019210359A (ja
Inventor
史泰 榊原
竜二 土井
圭 近藤
貴夫 吉元
千明 平岡
俊司 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2018106678A priority Critical patent/JP7212459B2/ja
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to CA3101465A priority patent/CA3101465A1/en
Priority to CN201980037179.9A priority patent/CN112166129B/zh
Priority to PCT/JP2019/021580 priority patent/WO2019235359A1/ja
Priority to EP19815560.8A priority patent/EP3805274A4/en
Priority to KR1020207034834A priority patent/KR20210016371A/ko
Priority to US15/734,320 priority patent/US20210221926A1/en
Priority to TW108119162A priority patent/TWI799593B/zh
Priority to TW109106763A priority patent/TW202021992A/zh
Publication of JP2019210359A publication Critical patent/JP2019210359A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7212459B2 publication Critical patent/JP7212459B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法に関する。
特許文献1には、ポリオレフィン樹脂(A)40~99重量部と、不飽和カルボン酸誘導体を0.1~50質量%含有するエチレン系化合物-不飽和カルボン酸共重合体(B)1~60重量部とからなる混合樹脂が、不飽和カルボン酸誘導体及び/又はその無水物(C)でグラフト変性された、重量平均分子量が20,000~150,000かつ(C)のグラフト重量が0.1~20質量%である変性ポリオレフィン樹脂組成物が記載されている。
特開2001-279048号公報
特許文献1の変性ポリオレフィン樹脂組成物を用いて被膜形成用組成物を調製し、塗装機によって、上記被膜形成用組成物の被膜を形成することがある。この場合、塗装機の使用後には、塗装機内に、上記被膜形成用組成物と、成膜した状態の変性ポリオレフィン樹脂組成物とが残っており、これらを洗浄する必要がある。しかしながら、水を含む洗浄溶剤で洗浄する際には、洗浄性に改善の余地がある。
そこで、本発明は、水を含む洗浄溶剤で塗装機内を洗浄する際の洗浄性を向上できる変性ポリオレフィン系樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂を、特定の変性成分により変性してなる変性ポリオレフィン系樹脂により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下を提供する。
[1] ポリオレフィン樹脂(I)を、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)と、一級又は二級のアミノ基を有するアミノアルコール(III)とにより変性してなる変性ポリオレフィン系樹脂であって、
赤外分光スペクトル測定において観察されるアミド結合由来のピーク高さをAとし、メチレン結合由来のピーク高さをBとしたときに、ピーク高さ比A/B×100が2.0%以上である、変性ポリオレフィン系樹脂。
[2] 上記ポリオレフィン樹脂(I)が、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、及びエチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載の変性ポリオレフィン系樹脂。
[3] 上記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)が、無水マレイン酸、無水イタコン酸、及びマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の変性ポリオレフィン系樹脂。
[4] 変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリスチレン標準によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量が、10,000~200,000である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン系樹脂。
[5] [1]~[4]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂を含むプライマー。
[6] [1]~[4]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂を含む塗料。
[7] [1]~[4]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂を含むインキ。
[8] [1]~[4]のいずれか1つに記載の変性ポリオレフィン樹脂を含む接着剤。
[9] 赤外分光スペクトル測定において観察されるアミド結合由来のピーク高さをAとし、メチレン結合由来のピーク高さをBとしたときに、ピーク高さ比A/B×100が2.0%以上である、変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法であって、
ポリオレフィン樹脂(I)を、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)と、一級又は二級のアミノ基を有するアミノアルコール(III)とにより変性して変性ポリオレフィン系樹脂を得る工程を含む、変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂によれば、水を含む洗浄溶剤で塗装機内を洗浄する際の洗浄性を向上できる。
<変性ポリオレフィン系樹脂>
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィン樹脂(I)を、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)と、一級又は二級のアミノ基を有するアミノアルコール(III)とにより変性してなる。本明細書において、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)及び一級又は二級のアミノ基を有するアミノアルコール(III)を、それぞれ成分(II)及び成分(III)ともいう。
具体的には、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂では、成分(II)が、ポリオレフィン樹脂(I)にグラフト重合している。さらに、成分(II)のグラフト重合箇所で、成分(II)に由来するカルボニル基と、成分(III)に由来する窒素原子とが結合したアミド結合を生成していると考えられる。従って、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂では、ポリオレフィン樹脂(I)に、成分(II)のグラフト重合箇所を介して、成分(III)に由来する水酸基が導入されていると考えられる。
また、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂において、成分(III)に由来する水酸基が導入されていることは、赤外分光スペクトル測定からも確認できる。すなわち、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂の赤外分光スペクトルにおいて、アミド結合由来のピークが観察される。ここで、アミド結合由来のピークは、波数1610~1680cm-1に現れるピークであり、C=O伸縮振動に帰属される。
また、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂の赤外分光スペクトルにおいて、ポリオレフィン樹脂(I)骨格のメチレン結合由来のピークも観察される。ここで、メチレン結合に由来するピークは、波数1420~1500cm-1に現れるピークであり、C-H変角振動に帰属される。上記赤外分光スペクトルにおいて、アミド結合由来のピーク高さをAとし、メチレン結合由来のピーク高さをBとしたとき、ピーク高さ比A/B×100から、ポリオレフィン樹脂(I)に対する成分(III)の付加量を評価することができる。
すなわち、上記赤外分光スペクトルにおいて、アミド結合由来のピーク高さをAとし、メチレン結合由来のピーク高さをBとしたときに、ピーク高さ比A/B×100の下限は2.0%以上であり、好ましくは3.0%以上であり、より好ましくは5.0%以上である。ピーク高さ比A/B×100が上記範囲にあると、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、好ましい量で水酸基が導入されているといえる。
ところで、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含む被膜形成用組成物を調製し、塗装機によって、この被膜形成用組成物の被膜を形成することがある。この場合、塗装機の使用後には、塗装機内に、上記被膜形成用組成物と、成膜した状態の変性ポリオレフィン樹脂とが残っており、これらを洗浄する必要がある。本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、好ましい量で水酸基が導入されているため、水を含む洗浄溶剤で塗装機内を洗浄する際の洗浄性に優れる。これは、成膜した状態の変性ポリオレフィン樹脂であっても、被膜表面に水酸基が存在していることから、水を含む洗浄溶剤との親和性が確保されるためと推測される。
また、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を含む被膜形成用組成物をプライマーとして用い、上記プライマーから得られた被膜の上に、上塗り塗料により、上塗り層を設けることがある。上塗り塗料としては、ウレタン樹脂系塗料が好適に用いられる。このウレタン樹脂系塗料は、通常複数の水酸基を有するポリオール等の主剤成分とイソシアネート等の硬化剤成分とを含む。これらは焼付け工程で加熱されると架橋反応を起こし、ウレタン結合を形成する。本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、好ましい量で水酸基が導入されているため、この水酸基が被膜界面で、上塗り塗料中の上記硬化剤成分と架橋反応を起こす可能性がある。これにより、上塗り層の付着性及び耐水付着性が向上し得る。あるいは、架橋反応を起こさないとしても、極性基である水酸基により、極性物質であるウレタン塗料との親和性が向上し、上塗り層の付着性及び耐水付着性が向上し得る。このように、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂をプライマーに用いると、上塗り層の塗膜性能を向上し得る。
上記赤外分光スペクトルにおいて、ピーク高さ比A/B×100の上限は、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下である。ピーク高さ比A/B×100が上記範囲にあると、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂に、より好ましい量で水酸基が導入されているといえる。ピーク高さ比A/B×100が上記範囲を超えると、水酸基の付加により変性ポリオレフィン系樹脂の極性が高くなりすぎてしまい、ポリオレフィン基材等の非極性樹脂基材への付着性が十分でなくなる可能性があるため、基材と上塗り層の双方への付着性のバランスを考慮すると、上記範囲にあることが好ましい。
本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリスチレン標準によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量が、10,000~200,000であることが好ましく、30,000~150,000であることがより好ましい。
〔ポリオレフィン樹脂(I)〕
本発明に用いるポリオレフィン樹脂(I)は、特に限定されず、1種のオレフィンの単独重合体であっても、2種以上のオレフィンの共重合体であってもよい。また、上記共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。上記オレフィンとしては、α-オレフィンが好適に用いられる。上記α-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテンが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂(I)としては、ポリプロピレン基材等の非極性樹脂基材への十分な付着性を発現させるという観点から、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体がより好適に用いられる。
なお、本明細書において、ポリプロピレンとは、基本単位がプロピレン由来の構成単位である重合体を表す。エチレン-プロピレン共重合体とは、基本単位がエチレン及びプロピレン由来の構成単位である共重合体を表す。プロピレン-ブテン共重合体とは、基本単位がプロピレン及びブテン由来の構成単位である共重合体を表す。これらの重合体は、上記基本単位以外の他のオレフィン由来の構成単位を少量含有していてもよい。この含有量は、樹脂本来の性能を著しく損なわない量であればよい。このような他のオレフィン由来の構成単位は、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂の製造までの工程で混入することがある。
ポリオレフィン樹脂(I)は、構成単位100モル%中、プロピレン由来の構成単位を60モル%以上含むことが好ましい。プロピレン由来の構成単位を上記範囲で含むと、プロピレン樹脂等の非極性樹脂成型品に対する接着性を保持できる。
ポリオレフィン樹脂(I)は、好ましくは重合触媒としてメタロセン触媒を用いて得られる。
メタロセン触媒としては、公知のものが使用できる。メタロセン触媒は、好ましくは、以下に述べる成分(1)及び(2)と、さらに必要に応じて(3)とを組み合わせて得られる。
・成分(1);共役五員環配位子を少なくとも一個有する周期律表4~6族の遷移金属化合物であるメタロセン錯体;
・成分(2);イオン交換性層状ケイ酸塩;
・成分(3);有機アルミニウム化合物。
メタロセン触媒を用いて得られるポリオレフィン樹脂(I)は、分子量分布が狭い。また、ポリオレフィン樹脂(I)が共重合体の場合は、ランダム共重合性に優れ組成分布が狭く、さらに、共重合し得るコモノマーの範囲が広い。これらの特徴を有するポリオレフィン樹脂(I)は、本発明に好適に用いられる。
エチレン-プロピレン共重合体及びプロピレン-ブテン共重合体がランダム共重合体である場合は、構成単位100モル%中、エチレン由来の構成単位又はブテン由来の構成単位を5~50モル%の量で含み、プロピレン由来の構成単位を50~95モル%の量で含むことが好ましい。
ポリオレフィン樹脂(I)の分子量は、特に限定されない。しかしながら、上述のように、変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量は、好ましくは10,000~200,000であり、より好ましくは30,000~150,000である。このため、ポリオレフィン樹脂(I)の重量平均分子量が200,000以上である場合は、得られる変性ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が上記範囲となるように、調整することが好ましい。具体的には、熱やラジカルの存在下で減成して、分子量を適当な範囲、例えば200,000以下となるように調整する。なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、標準物質:ポリスチレン)によって測定した値である。
ポリオレフィン樹脂(I)は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いるときは、その割合は特に限定されない。
〔α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)(成分(II))〕
成分(II)のうち、α,β-不飽和カルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、アコニット酸、ナジック酸が挙げられる。これらのうちで、不飽和ジカルボン酸が好ましい。また、成分(II)のうち、α,β-不飽和カルボン酸の誘導体としては、前記α,β-不飽和カルボン酸の酸無水物、及びフマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプロピル、フマル酸モノブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイミド、N-フェニルマレイミド等が挙げられる。これらのうちで、酸無水物が好ましい。
成分(II)としては、変性ポリオレフィン系樹脂に好ましい量で水酸基を導入する観点から、すなわち、上記洗浄性を向上する観点から、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸がより好適に用いられ、無水マレイン酸がさらに好適に用いられる。
成分(II)は、α,β-不飽和カルボン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である。成分(II)は、α,β-不飽和カルボン酸を1種単独で用いてもよく、上記誘導体を1種単独で用いてもよい。また、α,β-不飽和カルボン酸を2種以上組み合わせて用いてもよく、上記誘導体を2種以上組み合わせて用いてもよい。さらに、α,β-不飽和カルボン酸1種以上とその誘導体1種以上とを組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いるときは、その割合は特に限定されない。
〔アミノアルコール(III)(成分(III))〕
成分(III)は、水酸基とともに、一級又は二級のアミノ基を有する。成分(III)は、一級のアミノ基を有することが好ましい。
成分(III)としては、2-アミノエタノール、3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、5-アミノ-1-ペンタノール、2-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチルアミノ-2-メチル-1-プロパノール、N-アミノエチルエタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノールが挙げられる。これらのうちで、2-アミノエタノール、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、3-アミノ-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールが好適に用いられる。
成分(III)は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いるときは、その割合は特に限定されない。
〔変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法〕
上記変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法は、ポリオレフィン樹脂(I)を、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)と、一級又は二級のアミノ基を有するアミノアルコール(III)とにより変性して変性ポリオレフィン系樹脂を得る工程を含む。
上記変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法は、上記変性ポリオレフィン系樹脂が製造できる限り、特に限定されない。しかしながら、上記工程は、具体的には、ポリオレフィン樹脂(I)を、成分(II)で変性して、酸変性ポリオレフィン樹脂を得る工程(A)と、得られた酸変性ポリオレフィン樹脂を成分(III)で変性して、変性ポリオレフィン系樹脂を得る工程(B)とから構成されていてもよい。このような製造方法について、以下に詳しく説明する。
酸変性ポリオレフィン樹脂を得る工程(A)では、成分(II)がポリオレフィン樹脂(I)に導入されればよく、成分(II)がポリオレフィン樹脂(I)にグラフト重合により導入されることが好ましい。グラフト重合反応の際には、ラジカル発生剤を用いてもよい。酸変性ポリオレフィン樹脂を得る工程(A)としては、例えば、トルエン等の溶剤に成分(II)を加熱溶解し、ラジカル発生剤を添加する溶液法;バンバリーミキサー、ニーダー、押出機等の機器に、成分(II)及びラジカル発生剤を添加し混練する溶融混練法等が挙げられる。ここで、2種以上の成分(II)を用いる場合、これらは一括添加しても、逐次添加してもよい。逐次添加の場合、いずれの成分(II)を先にグラフト重合させるかの順序は、特に限定されない。また、2種以上の成分(II)を用いる場合、その割合は特に限定されない。
グラフト重合反応の際には、成分(II)は、好ましい量で成分(II)をグラフトする観点から、ポリオレフィン樹脂(I)100質量部に対して、0.5~20質量部の量で用いることが好ましい。
ラジカル発生剤は、公知のものより適宜選択できるが、有機過酸化物系化合物が好ましい。有機過酸化物系化合物としては、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-シクロヘキサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクトエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンが挙げられる。これらのうちで、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
ラジカル発生剤の添加量は、使用する成分(II)の合計100質量%に対し、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。1質量%以上であるとグラフト率を保つことができる。添加量の上限は、好ましくは100質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。100質量%以下であると経済的である。
酸変性ポリオレフィン樹脂を得る工程(A)において、ポリオレフィン樹脂(I)にグラフト重合しない成分(II)、すなわち未反応物は、例えば貧溶媒で抽出して除去してもよい。
このようにして、工程(A)により、酸変性ポリオレフィン樹脂が得られる。成分(II)のグラフト量は、特に制限されないが、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量%に対し、0質量%を超え20質量%以下が好ましく、0質量%を超え10質量%以下であることがより好ましい。グラフト量は、アルカリ滴定法又はフーリエ変換赤外分光法により求められる。グラフト量が上記範囲にあると、最終的に得られる変性ポリオレフィン系樹脂に対して、より好ましい量で水酸基を導入できる。従って、上記洗浄性をより向上できる。
工程(A)で得られた酸変性ポリオレフィン樹脂は、変性ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量が上述した好適な範囲となるよう、ポリスチレン標準によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量が、10,000~200,000であることが好ましい。また、酸変性ポリオレフィン樹脂は、示差走査型熱量計(DSC)によって測定した融点が、50~150℃であることが好ましい。また、酸変性ポリオレフィン樹脂は、アルカリ滴定法によって測定した酸価が5~50mgKOH/gであることが好ましい。酸価が上記範囲にあると、最終的に得られる変性ポリオレフィン系樹脂に対して、より好ましい量で水酸基を導入できる。従って、上記洗浄性をより向上できる。
変性ポリオレフィン系樹脂を得る工程(B)では、融点以上の温度、通常50~200℃で、工程(A)で得られた酸変性ポリオレフィン樹脂を加熱攪拌し、次いで、成分(III)を添加する。これにより、変性ポリオレフィン系樹脂が得られる。すなわち、成分(II)のグラフト重合箇所で、成分(II)に由来するカルボニル基と、成分(III)に由来する窒素原子とが結合したアミド結合を生成すると考えられる。あるいは、成分(II)のグラフト重合箇所で、成分(III)により、カルボン酸のアンモニウム塩が生成すると考えられる。このように、変性ポリオレフィン系樹脂では、成分(II)のグラフト重合箇所を介して、成分(III)に由来する水酸基が導入されると考えられる。
より具体的には、変性ポリオレフィン系樹脂を得る工程(B)では、水分散媒中に変性ポリオレフィン系樹脂が分散した水分散体組成物として、変性ポリオレフィン系樹脂を調製してもよい。この場合は、まず、トルエン、キシレン等の有機溶媒に、工程(A)で得られた酸変性ポリオレフィン樹脂を添加して混合液を得る。
この混合液には、さらに両親媒性溶剤を添加してもよい。両親媒性溶剤は、例えば下記一般式(1)で表される化合物である。
R-O-(Cl2lO)mH (1)
式(1)中、RはCn2n+1であり、nは1以上10以下の整数である。nは8以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、5以下であることが特に好ましく、4以下であることがとりわけ好ましい。lは1以上5以下の整数である。lは4以下の整数であることが好ましく、3以下の整数であることがより好ましく、2以下の整数であることがさらに好ましく、1であることが特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、グリコール類アルキル基とエーテル結合した構造を有し、一分子中に疎水基と親水基を有する。このため、両親媒性溶剤を添加すると、変性ポリオレフィン樹脂を容易に水中に分散、乳化させられ、得られる水分散体組成物が良好な保存安定性を示す。
一般式(1)で表される化合物としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノデシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。これらのうちで、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルが好ましく、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテルがより好ましい。
一般式(1)で表される化合物の分子量は、200未満である。これにより、得られる水分散体組成物の沸点の上昇を抑えられ、該組成物を用いて被膜を作製した後、被膜の高温乾燥又は長時間乾燥を省略できる。一般式(1)で表される化合物の分子量とは、IUPAC原子量委員会で承認された、12C=12とする相対原子質量から求めた分子量である。
両親媒性溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いるときは、その割合は特に限定されない。
上記混合液は、通常50~200℃で、所定の時間加熱攪拌する。
次に、加熱攪拌した混合液に、さらに成分(III)を添加し、所定の時間加熱攪拌する。次いで、界面活性剤又は両親媒性溶剤を添加し、所定の時間加熱攪拌してもよい。成分(III)は、好ましい量で水酸基を導入する観点から、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、1~20質量部の量で用いることが好ましい。
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤のいずれも使用できる。ノニオン界面活性剤は、得られる水分散体組成物の耐水性がより良好になるため、好適に用いられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのうちで、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンが好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、メチルタウリル酸塩、スルホコハク酸塩、エーテルスルホン酸塩、エーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシドが挙げられる。これらのうちで、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸塩が好ましい。
次に、上記混合液を、通常100℃未満とした後、水、好ましくは熱水を添加する。さらに、有機溶媒又は両親媒性溶剤を留去して、あるいは、水を添加して、固形分を調製してもよい。水分散体組成物の固形分は、例えば15~50質量%である。
なお、水分散体組成物を調製する際に両親媒性溶剤を用いるときは、両親媒性溶剤が、水分散体組成物中で、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上となる量で用いる。また、両親媒性溶剤が、水分散体組成物中で、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下となる量で用いる。すなわち、両親媒性溶剤は、水分散体組成物中で、好ましくは0.5~15質量%、より好ましくは1~10質量%となる量で用いる。
また、水分散体組成物を調製する際に界面活性剤を用いるときは、界面活性剤の添加量は、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量%に対して、好ましくは0.1~30質量%であり、より好ましくは3~20質量%である。30質量%を超える場合は、過剰な乳化剤により、被膜を作製する際の被膜性能を低下させることがある。また、乾燥被膜とした際に可塑効果、ブリード現象を引き起こし、ブロッキングが発生することがある。
変性ポリオレフィン系樹脂について、赤外分光スペクトル測定により求められるピーク高さ比(A/B×100)は、水分散体組成物を調製する際の溶媒の種類、混合液の攪拌温度、攪拌時間を適宜変更することで、調整可能である。具体的には、例えば、攪拌温度を高くする、あるいは攪拌時間を長くする等を行えばアミド結合の生成は促進され、A/B×100は大きくなる。また、成分(III)の添加後、さらに水を加えると、アミド結合を生成しない成分(III)が存在する場合は、成分(III)によるアンモニウム塩の形成を促進できる。これにより、アンモニウム塩の静電反発効果を促し、水分散体組成物としての安定性を向上し得る。
<変性ポリオレフィン系樹脂を含む被膜形成用組成物>
変性ポリオレフィン系樹脂を含む被膜形成用組成物は、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂と、必要に応じて他の成分とを含む。上記被膜形成用組成物は、具体的には、プライマー、塗料、インキ、接着剤として好適に用いられる。
上記被膜形成用組成物は、例えば、分散媒中に変性ポリオレフィン系樹脂が分散した分散体組成物であってもよい。分散媒は、非水系であっても水系(水分散体組成物)であってもよい。非水系溶媒としては、キシレン、トルエン、ベンゼン等の有機溶媒が挙げられる。
上記被膜形成用組成物に配合してもよい他の成分としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、硝化綿等のその他の樹脂が挙げられる。その他の樹脂は、水性化物として配合してもよい。
さらに、上記被膜形成用組成物に配合してもよい成分としては、水性アクリル樹脂、水性ウレタン樹脂、低級アルコール類、低級ケトン類、低級エステル類、防腐剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、金属塩、酸類が挙げられる。
また、上記被膜形成用組成物が水分散体組成物である場合は、他の成分として、架橋剤を配合してもよい。架橋剤とは、変性ポリオレフィン系樹脂、界面活性剤、成分(III)等に存在する水酸基、カルボキシ基、アミノ基等と反応し、架橋構造を形成する化合物を意味する。架橋剤としては、ブロックイソシアネート化合物、脂肪族又は芳香族のエポキシ化合物、アミン系化合物、アミノ樹脂が挙げられる。架橋剤の添加方法は特に限定されない。例えば、水性化工程途中に添加しても、水性化後に添加してもよい。
上記被膜形成用組成物が水分散体組成物である場合、水分散体組成物のpHは、5以上が好ましく、pH6~11がより好ましい。pH5未満では、中和が不十分で、変性ポリオレフィン系樹脂が水に分散しないことがある。また、分散しても経時的に沈殿、分離が生じ易く、貯蔵安定性が悪化することがある。一方、pH11を超えると、他成分との相溶性や作業上の安全性に問題を生じることがある。pHは、水分散体組成物を調製する際に添加する成分(III)の量によって調整できる。
上記被膜形成用組成物が水分散体組成物である場合、水中に乳化、分散した樹脂の平均粒子径は、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下である。300nmを超えると、水分散体組成物の貯蔵安定性や他樹脂との相溶性が悪化することがある。また、被膜を形成したときの基材への付着性、耐溶剤性、耐水性、耐ブロッキング性等の被膜物性が低下することがある。なお、乳化剤の添加量を多くすると、粒子径を限りなく小さくし得る。しかしながら、この場合は、基材への付着性、耐水性、耐ガスホール性等の被膜物性が低下する傾向がある。本明細書において、平均粒子径は光拡散法を用いた粒度分布測定により得られる値である。粒子径は、乳化剤の添加量、種類、水中で樹脂を乳化する際の撹拌力等により調整できる。
ところで、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン樹脂は、成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性等に優れるため、シート、フィルム等の成形物として広く利用されている。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂基材は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の極性基材とは異なり、非極性でかつ結晶性を有しているため、インキや塗料との付着が困難である。
付着性を改善する方法としては、基材表面にポリオレフィン系樹脂と接着可能なプライマーを下塗りし、この下塗り層上にウレタン樹脂系塗料等を塗布する方法が提案されている。このプライマーには、従来、極性基(カルボキシ基、酸無水基等)を付加した変性ポリオレフィン系樹脂が使用されている。極性基を付加することでポリオレフィン系樹脂基材だけでなくウレタン樹脂系塗料等との親和性を高め、付着性を向上させている。従来の変性ポリオレフィン系樹脂は、通常、有機溶媒の溶液、又は水への分散体等の形態で塗布される。しかしながら、近年では、安全衛生及び環境汚染の低減の面から、水分散体が好ましく用いられている。
従来の変性ポリオレフィン系樹脂の水分散体は、自動車バンパー等の樹脂基材向けのプライマーとして広く使用されている。これは、自動車業界においても安全衛生や環境汚染を低減する動きが拡大しており、塗装工場から発生する揮発性有機化合物(VOC)を削減するためである。
塗装工場において、同一の塗装機で複数の塗色を塗装する場合、塗装機内の塗料を廃液する、塗料経路をシンナーで洗浄する、次の塗色を経路に供給する、という手順を繰り返す。この色替え時に廃棄される塗料、シンナーがVOC排出量増加の一因となっている。このため、使用する塗料がシンナーで容易に洗浄できれば、洗浄用シンナーを節約でき、VOC削減に大きく貢献できる。
しかしながら、一般的にプライマー用の樹脂には、塗膜の強度や仕上がり性を向上させるために高い成膜性が求められる。溶剤系塗料であれば、塗装機内で樹脂が成膜しても、洗浄用シンナーで比較的容易に洗い流すことができるが、水系塗料では、水系エマルションと成膜した樹脂との両方を洗い流す必要がある。このため、洗浄溶剤として水とエーテル系溶剤との混合液が用いられる。この場合、成膜した樹脂と洗浄溶剤との親和性が低く、成膜性を向上させた樹脂ほど洗浄性が悪化し、多量の洗浄溶剤を使用せざるを得なくなる。従って、従来の変性ポリオレフィン系樹脂では、塗膜性能と塗装機洗浄性との両立は困難であった。
これに対して、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を用いた被膜形成用組成物(具体的には水分散体組成物)によれば、塗装機洗浄性を向上できる。また、上塗り層の付着性、上塗り層の耐水付着性等の塗膜性能にも優れる。すなわち、塗膜性能と塗装機洗浄性との両立が可能である。これは、上述のように、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂は、好ましい量で水酸基が導入されているためである。
より具体的には、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を用いた被膜形成用組成物(具体的には水分散体組成物)は、接着性が低く塗料等の塗工が困難な基材、例えば非極性樹脂成型品に対し、中間媒体として機能できる。例えば、接着性の乏しいポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系基材同士の接着剤としても有用である。非極性樹脂成型品等の基材の表面のプラズマ、コロナ等による表面処理の有無を問わず用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の極性基材に対しても適する。従って、上述のように、上記被膜形成用組成物は、接着剤、プライマー、塗料用バインダー、インキ用バインダー等として好適に用いられる。
なお、上記被膜形成用組成物が水分散体組成物である場合、上記変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法で説明した方法で製造できる。具体的には、さらに、適宜用途に応じて上記他の成分を配合して製造できる。あるいは、上記被膜形成用組成物は、本発明の変性ポリオレフィン系樹脂を、後から乳化して製造してもよい。例えば、強制乳化法、転相乳化法、D相乳化法、ゲル乳化法等の公知の方法により製造できる。具体的には、トルエンやキシレン等の有機溶剤と界面活性剤又は両親媒性溶剤とを、変性ポリオレフィン系樹脂と混合し、水を添加する方法が挙げられる。水以外の成分を混合する際には、必要に応じて加熱(例えば50~200℃)してもよい。次いで、適宜用途に応じて上記他の成分も配合することができる。ここで、界面活性剤及び両親媒性溶剤の詳細については、上記変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法で説明したとおりである。
〔実施例1〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン-ブテンランダム共重合体〔P-B〕(プロピレン成分70モル%、ブテン成分30モル%)の無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕7万、Tm=75℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン9.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)28.8gを添加し、室温にてフラスコ内の空気を窒素置換した後、窒素下を維持したままフラスコ内温125℃で30分攪拌した。次に、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール〔AMP〕4.3gを添加し、120分攪拌した後、フラスコ内温95℃でアルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、30分攪拌した。その後、フラスコ内温75℃で90℃の脱イオン水209gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、フラスコ内温が30℃になるまで攪拌しながら冷却した。続いて、フラスコ内温が95℃になるまで攪拌しながら加熱し、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、変性ポリオレフィン系樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔実施例2〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン-ブテンランダム共重合体〔P-B〕(プロピレン成分80モル%、ブテン成分20モル%)の無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕7万、Tm=85℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン9.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)28.8gを添加し、室温にてフラスコ内の空気を窒素置換した後、窒素下を維持したままフラスコ内温125℃で30分攪拌した。次に、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール〔AMP〕3gを添加し、120分攪拌した後、フラスコ内温95℃でアルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、30分攪拌した。その後、フラスコ内温75℃で90℃の脱イオン水211gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、フラスコ内温が30℃になるまで攪拌しながら冷却した。続いて、フラスコ内温が95℃になるまで攪拌しながら加熱し、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、変性ポリオレフィン系樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔実施例3〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン-ブテンランダム共重合体〔P-B〕(プロピレン成分65モル%、ブテン成分35モル%)の無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕10万、Tm=85℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン9.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)28.8gを添加し、室温にてフラスコ内の空気を窒素置換した後、窒素下を維持したままフラスコ内温125℃で30分攪拌した。次に、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール〔AMP〕3gを添加し、120分攪拌した後、フラスコ内温95℃でアルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、30分攪拌した。その後、フラスコ内温75℃で90℃の脱イオン水211gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、フラスコ内温が30℃になるまで攪拌しながら冷却した。続いて、フラスコ内温が95℃になるまで攪拌しながら加熱し、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、変性ポリオレフィン系樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔実施例4〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、プロピレン-ブテンランダム共重合体〔P-B〕(プロピレン成分65モル%、ブテン成分35モル%)の無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕12万、Tm=85℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン9.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)28.8gを添加し、室温にてフラスコ内の空気を窒素置換した後、窒素下を維持したままフラスコ内温125℃で30分攪拌した。次に、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール〔AMP〕5.4gを添加し、120分攪拌した後、フラスコ内温95℃でアルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、30分攪拌した。その後、フラスコ内温75℃で90℃の脱イオン水208gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、フラスコ内温が30℃になるまで攪拌しながら冷却した。続いて、フラスコ内温が95℃になるまで攪拌しながら加熱し、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、変性ポリオレフィン系樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔比較例1〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕7万、Tm=75℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン6.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)19.8gを添加し、フラスコ内温95℃で30分攪拌した。次に、N,N-ジメチルエタノールアミン〔DMEA〕4.4gを添加し、30分攪拌した後、アルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、さらに30分攪拌した。その後、90℃の脱イオン水221gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔比較例2〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕7万、Tm=85℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン9.6g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)28.8gを添加し、フラスコ内温95℃で30分攪拌した。次に、N,N-ジメチルエタノールアミン〔DMEA〕3gを添加し、30分攪拌した後、アルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、さらに30分攪拌した。その後、90℃の脱イオン水211gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔比較例3〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕10万、Tm=85℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン12g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)36gを添加し、フラスコ内温95℃で30分攪拌した。次に、N,N-ジメチルエタノールアミン〔DMEA〕3gを添加し、30分攪拌した後、アルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、さらに30分攪拌した。その後、90℃の脱イオン水257gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔比較例4〕
撹拌機、冷却管、滴下漏斗、窒素送気チューブを取り付けた4つ口フラスコ中に、無水マレイン酸〔MAH〕変性ポリオレフィン樹脂(重量平均分子量〔Mw〕12万、Tm=85℃、MAHグラフト量=2~5質量%)60g、トルエン12g、エチレングリコールモノブチルエーテル(分子量=118.2)36gを添加し、フラスコ内温95℃で30分攪拌した。次に、N,N-ジメチルエタノールアミン〔DMEA〕6gを添加し、30分攪拌した後、アルキルアミン系乳化剤(商品名:ピュアミール(登録商標)CCS-80、三洋化成工業株式会社製)3gを添加し、さらに30分攪拌した。その後、90℃の脱イオン水254gを120分かけて添加した。脱イオン水の添加が終了した後、トルエン及びエチレングリコールモノブチルエーテルの一部を減圧化にて留去した。その後、室温まで攪拌しながら冷却し、脱イオン水にて固形分を30wt%となるよう調整した。これにより、酸変性ポリオレフィン樹脂を含む水分散体組成物を得た。
〔物性の測定方法〕
重量平均分子量、融点、酸価は、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いて測定した。赤外分光スペクトル、平均粒子径は、変性ポリオレフィン系樹脂水分散体組成物を用いて測定した。
(1)重量平均分子量(Mw):GPC(東ソー株式会社製、標準物質:ポリスチレン樹脂)にて測定した。
(2)融点(Tm):DSC(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製)にて測定した。
(3)酸価:アルカリ滴定法にて求めた。
(4)赤外分光スペクトル:変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物を40℃、24時間乾燥させ、得られた乾燥物を有機溶剤に溶解して溶液を得た。KBr板に上記溶液を塗布、乾燥して薄膜を形成させ、FT-IR(日本分光株式会社製)にて測定した。これにより、400cm-1~4000cm-1の赤外吸光スペクトルを得た。付属ソフトウェア(Spectro Manager、日本分光株式会社)によって解析を行った。
波数1610~1680cm-1に現れるピークは、アミド結合由来のピークに帰属され、波数1420~1500cm-1に現れるピークは、メチレン結合由来のピークに帰属される。
アミド結合由来のピーク高さをAとし、メチレン結合由来のピーク高さをBとし、ピーク高さ比A/B×100を求めた。
(5)平均粒子径:粒度分布測定装置(Malvern Instruments製)にて測定した。
〔洗浄性試験〕
[塗料調製]
ディスパーを用いて水系ウレタン塗料を約1,000rpmで20分攪拌した。その後、塗料をマヨネーズ瓶に約67g分取し、約1,200rpmで攪拌しながらピペットを用いて変性ポリオレフィン系樹脂水分散体組成物約13gを添加後、5分間攪拌することで試験用塗料を得た。
[試験手順]
調温・調湿(23℃、50%Rh)した実験室にて、#30のバーコーターで基材(鋼板:ハイトップ)に試験用塗料を塗布した(目標wet膜厚:50μm)。60分風乾後、洗浄溶剤(n-ブチルセロソルブ/脱イオン水=30/70)に5分間浸漬した。その後、試験片を取り出し、立て掛けた状態で1時間静置し、静置後の塗膜の状態を評価した。
以下の基準で評価した。
○:塗膜3/4以上剥れ
△:塗膜一部(3/4未満)剥れ
×:剥れ無し
〔碁盤目付着試験〕
[試験片の作製]
超高剛性ポリプロピレン板の表面をイソプロピルアルコールで脱脂し、乾燥塗膜が10以上15μm以下となるよう変性ポリオレフィン系樹脂水分散体組成物をスプレー塗装し、80℃で5分間プレヒートを行った。次に、ベース塗料をスプレー塗装し10分静置後、クリアー塗料を塗装し、10分静置した。その後、90℃で30分間の焼付け処理を行い、試験片を作製した。
[試験手順]
試験片を室温で3日間静置した後、カッターナイフで塗膜上に2mm間隔で素地に達する100個の碁盤目状の切り込みを入れ、その上にセロハン粘着テープを密着させて180°の角度で10回剥離し、塗膜の残存を判定した。具体的には残マス数を数えた。
〔耐水付着性試験〕
碁盤目付着試験の場合と同様にして試験片を作製した。試験片を40℃の温水に10日間浸漬後、塗膜表面の膨れ状態(ブリスター)を目視で観察し、更に、カッターナイフで塗膜上に2mm間隔で素地に達する100個の碁盤目状に切り込みを入れ、その上にセロハン粘着テープを貼った後、180°の角度で剥離し、塗膜の残存する程度で判定した。また、該試験で全て剥離しなかったサンプルについては、同様の試験を連続で10回行い、10回剥離後の塗膜の残存を判定した。具体的には残マス数を数えた。
ブリスターは以下の基準で評価した。
径:(大)1~10(小)
頻度:(少)F,FM,M,MD,D,DD(多)
○:ブリスター無し
×:ブリスター有り
表1に、実施例及び比較例について評価結果を示す。
Figure 0007212459000001

Claims (9)

  1. ポリオレフィン樹脂(I)を、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)と、一級又は二級のアミノ基を有するアミノアルコール(III)とにより変性してなる変性ポリオレフィン系樹脂であって、
    赤外分光スペクトル測定において観察されるアミド結合由来のピーク高さをAとし、メチレン結合由来のピーク高さをBとしたときに、ピーク高さ比A/B×100が2.0~15%である、変性ポリオレフィン系樹脂が水系分散媒に分散している分散体組成物
  2. 前記ポリオレフィン樹脂(I)が、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、及びエチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の分散体組成物
  3. 前記α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)が、無水マレイン酸、無水イタコン酸、及びマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の分散体組成物
  4. 変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリスチレン標準によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量が、10,000~200,000である、請求項1~3のいずれか1項に記載の分散体組成物
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の分散体組成物を含むプライマー。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の分散体組成物を含む塗料。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載の分散体組成物を含むインキ。
  8. 請求項1~4のいずれか1項に記載の分散体組成物を含む接着剤。
  9. 赤外分光スペクトル測定において観察されるアミド結合由来のピーク高さをAとし、メチレン結合由来のピーク高さをBとしたときに、ピーク高さ比A/B×100が2.0~15%である、変性ポリオレフィン系樹脂が水系分散媒に分散している分散体組成物の製造方法であって、
    ポリオレフィン樹脂(I)を、α,β-不飽和カルボン酸又はその誘導体(II)と、一級又は二級のアミノ基を有するアミノアルコール(III)とにより変性して、ピーク高さ比A/B×100が2.0~15%である変性ポリオレフィン系樹脂を得る工程、及び
    前記変性ポリオレフィン系樹脂を水系分散媒へ分散させる工程
    を含む、分散体組成物の製造方法。
JP2018106678A 2018-06-04 2018-06-04 変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法 Active JP7212459B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018106678A JP7212459B2 (ja) 2018-06-04 2018-06-04 変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法
CN201980037179.9A CN112166129B (zh) 2018-06-04 2019-05-30 改性聚烯烃树脂、以及其用途和制造方法
PCT/JP2019/021580 WO2019235359A1 (ja) 2018-06-04 2019-05-30 変性ポリオレフィン樹脂、並びにその用途及び製造方法
EP19815560.8A EP3805274A4 (en) 2018-06-04 2019-05-30 MODIFIED POLYOLEFIN RESIN, ITS USE AND PROCESS OF PRODUCTION
CA3101465A CA3101465A1 (en) 2018-06-04 2019-05-30 Modified polyolefin resin, and use and production method of same
KR1020207034834A KR20210016371A (ko) 2018-06-04 2019-05-30 변성 폴리올레핀 수지, 및 이의 용도 및 제조 방법
US15/734,320 US20210221926A1 (en) 2018-06-04 2019-05-30 Modified polyolefin resin, and use and production method of same
TW108119162A TWI799593B (zh) 2018-06-04 2019-06-03 改質聚烯烴樹脂、與其用途及製造方法
TW109106763A TW202021992A (zh) 2018-06-04 2019-06-03 改質聚烯烴樹脂、與其用途及製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018106678A JP7212459B2 (ja) 2018-06-04 2018-06-04 変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019210359A JP2019210359A (ja) 2019-12-12
JP7212459B2 true JP7212459B2 (ja) 2023-01-25

Family

ID=68843975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018106678A Active JP7212459B2 (ja) 2018-06-04 2018-06-04 変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7212459B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW202402829A (zh) * 2022-03-29 2024-01-16 日商東洋紡Mc股份有限公司 改性聚烯烴水分散體

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003327761A (ja) 2002-03-05 2003-11-19 Nippon Paper Industries Co Ltd 水性分散液、その製造方法及び用途
JP2007204681A (ja) 2006-02-03 2007-08-16 Nippon Paper Chemicals Co Ltd 改質プロピレン系重合体の製造方法、その製造方法により得られた改質プロピレン系重合体及び該改質プロピレン系重合体からなる組成物
WO2010018863A1 (ja) 2008-08-14 2010-02-18 日本製紙ケミカル株式会社 分散樹脂組成物、それを含有する塗料組成物、インキ組成物、接着剤組成物及びプライマー組成物
JP2015067784A (ja) 2013-09-30 2015-04-13 日本製紙株式会社 変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物
JP2016216635A (ja) 2015-05-22 2016-12-22 大日精化工業株式会社 ハードコート膜形成用組成物、硬化膜、及び帯電防止性物品

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH107725A (ja) * 1996-06-25 1998-01-13 Mitsui Petrochem Ind Ltd 極性基含有オレフィン系重合体およびその製造方法ならびにその用途
JP3543588B2 (ja) * 1997-11-05 2004-07-14 東亞合成株式会社 可視光又は活性エネルギー線硬化型防曇性組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003327761A (ja) 2002-03-05 2003-11-19 Nippon Paper Industries Co Ltd 水性分散液、その製造方法及び用途
JP2007204681A (ja) 2006-02-03 2007-08-16 Nippon Paper Chemicals Co Ltd 改質プロピレン系重合体の製造方法、その製造方法により得られた改質プロピレン系重合体及び該改質プロピレン系重合体からなる組成物
WO2010018863A1 (ja) 2008-08-14 2010-02-18 日本製紙ケミカル株式会社 分散樹脂組成物、それを含有する塗料組成物、インキ組成物、接着剤組成物及びプライマー組成物
JP2015067784A (ja) 2013-09-30 2015-04-13 日本製紙株式会社 変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物
JP2016216635A (ja) 2015-05-22 2016-12-22 大日精化工業株式会社 ハードコート膜形成用組成物、硬化膜、及び帯電防止性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019210359A (ja) 2019-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7100456B2 (ja) 変性ポリオレフィン樹脂
JP7322207B2 (ja) 塩素化ポリオレフィン系樹脂組成物
JP2008214414A (ja) 変性ポリオレフィン分散樹脂組成物およびそれを含有するプライマー
JP7212459B2 (ja) 変性ポリオレフィン系樹脂及びその製造方法
JP2015067784A (ja) 変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物
CN112166129B (zh) 改性聚烯烃树脂、以及其用途和制造方法
JP7193266B2 (ja) 変性ポリオレフィン樹脂、水性分散体、及びプライマー
KR20190063693A (ko) 자동차 내장재용 수성 코팅 조성물
WO2021039729A1 (ja) 変性ポリオレフィン樹脂及び分散体組成物
JP7451118B2 (ja) 変性ポリオレフィン樹脂
KR20210105805A (ko) 변성 폴리올레핀 수지
JP7505662B2 (ja) 水性分散体組成物
TWI830890B (zh) 分散樹脂組合物
JP7412112B2 (ja) 変性ポリオレフィン樹脂及びその用途
JP2022115493A (ja) 分散体組成物
US20240228761A9 (en) Aqueous dispersion
US20240132708A1 (en) Aqueous dispersion
KR20210105900A (ko) 변성 폴리올레핀 수지
JP2015067785A (ja) 変性ポリオレフィン樹脂水分散体組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7212459

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150