JP7210624B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents
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Description
(1)本発明の態様に係る鞍乗型車両は、車両に設けられたヘッドパイプ(21)と、前記ヘッドパイプ(21)から車両後方へ延びるメインフレーム(22)と、を含む車体フレーム(20)と、前記ヘッドパイプ(21)の中心軸(HL)回りに転舵可能に前記ヘッドパイプ(21)に支持された操舵系(40)と、前記操舵系(40)に取り付けられ、前記操舵系(40)の転舵に伴い移動する電装品(50)と、前記電装品(50)から延びる配線(60)と、を備え、前記配線(60)は、前記電装品(50)の第一固定点(P1)にて固定され、前記配線(60)は、前記第一固定点(P1)から車幅方向の一方側へ延びた後に湾曲して他方側へ延び、前記配線(60)において前記他方側へ延びた後の部分は、前記車体フレーム(20)の第二固定点(P2)にて固定され、前記ヘッドパイプ(21)の中心軸(HL)は、車両側面視で、車両前側ほど車両下方に位置するように傾斜し、前記第一固定点(P1)と前記第二固定点(P2)とを通る直線(KL)は、車両側面視で、車両前側ほど車両上方に位置するように傾斜し、前記中心軸(HL)及び前記直線(KL)は、車両側面視で、互いに略垂直に交わり、前記操舵系(40)が転舵されていない状態では、前記配線(60)において前記第一固定点(P1)の配策部と前記第二固定点(P2)の配策部とは、車両上面視で、互いに車幅方向に沿うように配置されている。
第一固定点と第二固定点とを通る直線とヘッドパイプの中心軸とが車両側面視で略垂直に交わることで、操舵系を転舵したときに前記直線を含む平面上で配線を動かすことができる。加えて、配線が第一固定点から車幅方向の一方側へ延びた後に湾曲して他方側へ延びていることで、操舵系を転舵したときに配線を車幅方向及び車両前後方向の2方向のみで動かすことができる。そのため、配線が車両上下方向、車幅方向及び車両前後方向の3方向へ動く場合と比較して、配線の移動範囲が小さくなり、配線が車両部品と当接しないために確保するスペースを小さくすることができる。したがって、車両部品のレイアウトの自由度を高めることができる。加えて、車両部品のレイアウトの自由度が高まることに伴い、外観性を向上させることができる。加えて、配線の移動範囲が小さくなる分だけ配線長が短くなるため、低コスト化を図ることができる。
操舵系を転舵したときに動く配線の2つの固定点がヘッドパイプの中心軸を基準として互いに車幅方向の同じ側にあるため、操舵系が転舵されていない状態では2つの固定点がヘッドパイプの中心軸を基準として互いに車幅方向の反対側にある場合と比較して、配線長を短くすることができる。
操舵系が2つの固定点のある車幅方向側へフル転舵された状態では2つの固定点の車両前後方向の距離が操舵系の転舵前の前記距離よりも長い場合と比較して、配線長を短くすることができる。
操舵系が2つの固定点のない車幅方向側へフル転舵された状態では2つの固定点がヘッドパイプの中心軸を基準として互いに車幅方向の同じ側にある場合と比較して、配線長を短くすることができる。
操舵系が転舵されていない状態では配線において2つの固定点の配策部が車両上面視で互いの中心線が交差して配置されている場合と比較して、操舵系を転舵したときに動く配線に対して圧縮方向へ加わる力が小さくなるため、配線の変形を抑制することができる。
操舵系を転舵したときに動く配線に対して圧縮方向へ加わる力がより小さくなるため、配線の変形をより効果的に抑制することができる。
仮に配線が延出部の開口部で反対側へ折り返されている場合、操舵系を転舵したときに配線が開口部を支点として動くことにより、配線の耐久性が低下することを防ぐために端子の強度を向上させる必要があった。これに対し本構成によれば、操舵系を転舵したときに配線が開口部を支点として動くことがないため、端子の強度を向上させることなく配線の耐久性を向上させることができる。
配線において2つの固定点の間の部分がヘッドパイプの前方にまとめて配置されるため、外観性を向上させることができる。
操舵系を転舵したときにステーに当接することなく配線を動かすことができる。
配線において操舵系の転舵に伴い動く部分をヘッドパイプの周辺にまとめて配置することができるため、車両部品のレイアウトの自由度を高めることができる。加えて、車両部品のレイアウトの自由度が高まることに伴い、外観性を向上させることができる。加えて、配線の移動範囲が車両前後方向において小さくなり、その分だけ配線長が短くなるため、低コスト化を図ることができる。
図1に示すように、自動二輪車1(鞍乗型車両)は、ハンドル2によって操向される前輪3と、動力源を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4と、パワーユニット10を支持する車体フレーム20と、を備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
エンジン11は、車体フレーム20に固定的に支持されている。エンジン11は、不図示のクランクシャフトを収容するクランクケース12と、クランクケース12の前側上部から上方に向かってやや前傾して起立するシリンダ13と、を備える。クランクケース12は、エンジン11の下部を構成する。クランクケース12の前端部は、ハンガーブラケット15に支持されている。クランクケース12の後端部は、メインフレーム22の下端部に支持されている。
図2に示すように、自動二輪車1は、ヘッドパイプ軸HL回りに転舵可能なハーネス首振り構造30を備える。ここで、「ヘッドパイプ軸HL回りに転舵可能」とは、ヘッドパイプ軸HLを中心として回転可能であることを意味する。ハーネス首振り構造30は、フロントカウル及びサイドカバー等を含む車体カバー31(図1参照)により覆われている。なお、図2は、車体カバー等が取り外された状態を示している。
操舵系40は、前輪3(図1参照)、左右のフロントフォーク41L,41R(図3参照)、ステアリングステム42(図4参照)、ハンドル2(図1参照)等を備えた前輪操舵系である。
ハンドル2(図1参照)は、ステアリングステム42のトップブリッジ43にハンドルポスト46(図2参照)を介して取り付けられた操向用のバーハンドルである。
図4に示すように、電装品50は、トップブリッジ43の車幅方向中央部の前部に取り付けられている。電装品50は、コンビネーションスイッチ(メインスイッチ)を備えるハンドルロックモジュールである。コンビネーションスイッチは、イグニッションスイッチ及びステアリングロックとしての機能を持つ。コンビネーションスイッチには、車体側に設けられた不図示のバッテリから配線60等を介して電流が供給される。
シリンダ錠51の上端には、イグニッションキーが上方から差し込まれるキー穴51aが設けられている。
ハウジング52には、不図示のステアリングロック機構及びイグニッションスイッチ本体(スイッチ本体)が内蔵されている。
配線60の第一端部(一端部)は、延出部53の開口部53aを通じてハウジング52に内蔵されたスイッチ本体に接続されている。配線60の第二端部(他端部)は、カプラ65等を介して、車体側に設けられた不図示のバッテリに接続されている。配線60は、第一端部と第二端部との間において複数箇所(例えば本実施形態では3箇所)で固定されている。配線60は、電装品50に設けられた第一固定点P1と、車体フレーム20に設けられた第二固定点P2及び第三固定点P3と、にて固定されている。
図2に示すように、ステー71,72は、ヘッドパイプ21とヘッドライト70との間に複数設けられている。複数のステー71,72は、ヘッドライト70のブラケット74等に連結された第一ステー71と、第一ステー71とヘッドパイプ21とを繋ぐ第二ステー72と、を含む。
図2の側面視で、第一固定点P1及び第二固定点P2は、互いにヘッドパイプ21よりも前方に配置されている。図2の側面視で、第一固定点P1及び第二固定点P2は、互いにヘッドライト70よりも後方に配置されている。図2の側面視で、第一固定点P1及び第二固定点P2は、互いにトップブリッジ43よりも下方に配置されている。図2の側面視で、第一固定点P1及び第二固定点P2は、互いに第三ステー73よりも上方に配置されている。
図2の側面視で、第三固定点P3は、ヘッドパイプ21の下部と重なる位置に配置されている。図2の側面視で、第三固定点P3は、第三ステー73よりも後下方に配置されている。
図4の前面視で、配線60は、延出部53の開口部53aから車幅方向の右側へ延びた後に湾曲して反対側(すなわち車幅方向の左側)へ折り返されている。配線60において反対側へ折り返された後の部分は、第一固定部材61により、延出部53と共に第一固定点P1にて固定されている。本実施形態では、配線60において反対側へ折り返された後の部分は、第一固定部材61によって延出部53に束ねられている。
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1は、車両に設けられたヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21から車両後方へ延びるメインフレーム22と、を含む車体フレーム20と、ヘッドパイプ21の中心軸HL回りに転舵可能にヘッドパイプ21に支持された操舵系40と、操舵系40に取り付けられ、操舵系40の転舵に伴い移動する電装品50と、電装品50から延びる配線60と、を備え、配線60は、電装品50の第一固定点P1にて固定され、配線60は、第一固定点P1から車幅方向の左側へ延びた後に湾曲して右側へ延び、配線60において車幅方向の右側へ延びた後の部分は、車体フレーム20の第二固定点P2にて固定され、ヘッドパイプ21の中心軸HLは、車両側面視で、車両前側ほど車両下方に位置するように傾斜し、第一固定点P1と第二固定点P2とを通る直線KLは、車両側面視で、車両前側ほど車両上方に位置するように傾斜し、中心軸HL及び直線KLは、車両側面視で、互いに略垂直に交わる。
この構成によれば、第一固定点P1と第二固定点P2とを通る直線KLとヘッドパイプ21の中心軸HLとが車両側面視で略垂直に交わることで、操舵系40を転舵したときに直線KLを含む平面上で配線60を動かすことができる。加えて、配線60が第一固定点P1から車幅方向の左側へ延びた後に湾曲して右側へ延びていることで、操舵系40を転舵したときに配線60を車幅方向及び車両前後方向の2方向のみで動かすことができる。そのため、配線60が車両上下方向、車幅方向及び車両前後方向の3方向へ動く場合と比較して、配線60の移動範囲が小さくなり、配線60が車両部品と当接しないために確保するスペースを小さくすることができる。したがって、車両部品のレイアウトの自由度を高めることができる。加えて、車両部品のレイアウトの自由度が高まることに伴い、外観性を向上させることができる。加えて、配線60の移動範囲が小さくなる分だけ配線長が短くなるため、低コスト化を図ることができる。
操舵系40を転舵したときに動く配線60の2つの固定点P1,P2がヘッドパイプ21の中心軸HLを基準として互いに車幅方向の同じ側にあるため、操舵系40が転舵されていない状態では2つの固定点P1,P2がヘッドパイプ21の中心軸HLを基準として互いに車幅方向の反対側にある場合と比較して、配線長を短くすることができる。
操舵系40が2つの固定点P1,P2のある車幅方向側へフル転舵された状態では2つの固定点P1,P2の車両前後方向の距離が操舵系40の転舵前の前記距離よりも長い場合と比較して、配線長を短くすることができる。
操舵系40が2つの固定点P1,P2のない車幅方向側へフル転舵された状態では2つの固定点P1,P2がヘッドパイプ21の中心軸HLを基準として互いに車幅方向の同じ側にある場合と比較して、配線長を短くすることができる。
操舵系40が転舵されていない状態では配線60において2つの固定点P1,P2の配策部が車両上面視で互いの中心線が交差して配置されている場合と比較して、操舵系40を転舵したときに動く配線60に対して圧縮方向へ加わる力が小さくなるため、配線60の変形を抑制することができる。
操舵系40を転舵したときに動く配線60に対して圧縮方向へ加わる力がより小さくなるため、配線60の変形をより効果的に抑制することができる。
仮に配線60が延出部53の開口部53aで反対側へ折り返されている場合、操舵系40を転舵したときに配線60が開口部53aを支点として動くことにより、配線60の耐久性が低下することを防ぐために端子の強度を向上させる必要があった。これに対し本構成によれば、操舵系40を転舵したときに配線60が開口部53aを支点として動くことがないため、端子の強度を向上させることなく配線60の耐久性を向上させることができる。
配線60において2つの固定点P1,P2の間の部分がヘッドパイプ21の前方にまとめて配置されるため、外観性を向上させることができる。
操舵系40を転舵したときに第二ステー72に当接することなく配線60を動かすことができる。
配線60において操舵系40の転舵に伴い動く部分をヘッドパイプ21の周辺にまとめて配置することができるため、車両部品のレイアウトの自由度を高めることができる。加えて、車両部品のレイアウトの自由度が高まることに伴い、外観性を向上させることができる。加えて、配線60の移動範囲が車両前後方向において小さくなり、その分だけ配線長が短くなるため、低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、配線60は、第一固定点P1から車幅方向の左側へ延びた後に湾曲して右側へ延び、配線60において車幅方向の右側へ延びた後の部分は、車体フレーム20の第二固定点P2にて固定されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、配線60は、第一固定点P1から車幅方向の右側へ延びた後に湾曲して左側へ延び、配線60において車幅方向の左側へ延びた後の部分は、車体フレーム20の第二固定点P2にて固定されていてもよい。すなわち、配線60は、第一固定点P1から車幅方向の一方側へ延びた後に湾曲して他方側へ延び、配線60において他方側へ延びた後の部分は、車体フレーム20の第二固定点P2にて固定されていればよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
20 車体フレーム
21 ヘッドパイプ
22 メインフレーム
40 操舵系
50 電装品
53 延出部
53a 開口部
60 配線
62 第二固定部材(固定部材)
70 ヘッドライト(車両部品)
72 第二ステー(ステー)
HL ヘッドパイプ軸(ヘッドパイプの中心軸)
KL 第一固定点と第二固定点とを通る直線
P1 第一固定点
P2 第二固定点
Claims (9)
- 車両に設けられたヘッドパイプ(21)と、前記ヘッドパイプ(21)から車両後方へ延びるメインフレーム(22)と、を含む車体フレーム(20)と、
前記ヘッドパイプ(21)の中心軸(HL)回りに転舵可能に前記ヘッドパイプ(21)に支持された操舵系(40)と、
前記操舵系(40)に取り付けられ、前記操舵系(40)の転舵に伴い移動する電装品(50)と、
前記電装品(50)から延びる配線(60)と、を備え、
前記配線(60)は、前記電装品(50)の第一固定点(P1)にて固定され、
前記配線(60)は、前記第一固定点(P1)から車幅方向の一方側へ延びた後に湾曲して他方側へ延び、
前記配線(60)において前記他方側へ延びた後の部分は、前記車体フレーム(20)の第二固定点(P2)にて固定され、
前記ヘッドパイプ(21)の中心軸(HL)は、車両側面視で、車両前側ほど車両下方に位置するように傾斜し、
前記第一固定点(P1)と前記第二固定点(P2)とを通る直線(KL)は、車両側面視で、車両前側ほど車両上方に位置するように傾斜し、
前記中心軸(HL)及び前記直線(KL)は、車両側面視で、互いに略垂直に交わり、
前記操舵系(40)が転舵されていない状態では、前記配線(60)において前記第一固定点(P1)の配策部と前記第二固定点(P2)の配策部とは、車両上面視で、互いに車幅方向に沿うように配置されていることを特徴とする鞍乗型車両。 - 前記操舵系(40)が転舵されていない状態では、前記第一固定点(P1)及び前記第二固定点(P2)は、車両正面視で、前記ヘッドパイプ(21)の中心軸(HL)を基準として互いに車幅方向の同じ側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
- 前記操舵系(40)が前記第一固定点(P1)及び前記第二固定点(P2)の配置された車幅方向側へ少なくともフル転舵された状態では、前記第一固定点(P1)及び前記第二固定点(P2)の車両前後方向の距離は、前記操舵系(40)が転舵されていない状態の前記距離よりも短いことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両。
- 前記操舵系(40)が前記第一固定点(P1)及び前記第二固定点(P2)の配置されていない車幅方向側へ少なくともフル転舵された状態では、前記第一固定点(P1)及び前記第二固定点(P2)は、車両正面視で、前記ヘッドパイプ(21)の中心軸(HL)を基準として互いに車幅方向の反対側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の鞍乗型車両。
- 前記操舵系(40)が転舵されていない状態では、前記配線(60)において前記第一固定点(P1)の配策部と前記第二固定点(P2)の配策部とは、車両上面視で、互いに平行に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 前記電装品(50)には、前記配線(60)が通る開口部(53a)を有する延出部(53)が設けられ、
前記配線(60)は、前記延出部(53)の前記開口部(53a)から一方側へ延びた後に湾曲して反対側へ折り返され、
前記配線(60)において前記反対側へ折り返された後の部分は、前記延出部(53)と共に前記第一固定点(P1)にて固定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。 - 前記第一固定点(P1)及び前記第二固定点(P2)は、車両側面視で、互いに前記ヘッドパイプ(21)よりも前方に配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
- 前記ヘッドパイプ(21)と車両部品(70)とを繋ぐステー(72)を更に備え、
前記第一固定点(P1)及び前記第二固定点(P2)は、互いに前記ステー(72)よりも車両上方に配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。 - 前記第二固定点(P2)を有する固定部材(62)は、前記ステー(72)に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の鞍乗型車両。
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