JP7205014B2 - 信号処理装置、レーダ装置、レーダ運用方法およびレーダ運用プログラム - Google Patents
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Description
FMCW方式は、レーダ計測の一方式であり、安価でありながら距離及び速度を計測する能力が優れている。特に、ファストFMCW方式は、従来のスローFMCW方式よりも高い分解能を持つ。ファストFMCW方式は、チャープ信号の掃引時間が数マイクロ秒と比較的短い。
FMCWは、Frequency Modulated Continuous Waveの略称である。
従来の電子攻撃はファストチャープに対してスローチャープを送信する攻撃であり、CFARと呼ばれる対象検出アルゴリズムにより電子攻撃の影響がある程度抑圧される。
CFARは、Constant False Alarm Rateの略称である。
カバーチャープ妨害は、CFARを騙すことを目的としており、これまでに議論されていない新しい電子攻撃である。
そのため、カバーチャープ妨害に対して従来の対策は有効でない。
対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積部と、
フレーム単位のビート信号を使ってレンジビンのヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する距離算出部と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはレンジビン別のドップラビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する速度算出部と、を備える。
図中の矢印は信号の流れ、データの流れ又は処理の流れを主に示している。また、信号またはデータが複数の方向へ流れる分岐箇所に黒丸を記している。
レーダ装置100について、図1から図24に基づいて説明する。
対象物は、レーダ計測によって検出する対象である。
対象物の相対距離は、レーダ装置100から対象物までの距離である。
対象物の相対速度は、レーダ装置100に対する対象物の速度である。レーダ装置100がレーダ計測中に移動しない場合、対象物の相対速度は単に対象物の速度を意味する。
図1に基づいて、レーダ装置100の構成を説明する。
レーダ装置100は、アナログフロントエンド110と、信号処理装置200と、を備える。
アナログフロントエンド110は、アナログ回路であり、波形発生器111とVCO112と送信アンテナ113と受信アンテナ114とミキサ115とローパスフィルタ116とADC117といった回路を備える。これらの回路は、信号線を介して互いに接続されている。
VCOは、電圧制御発振器(Voltage―Controlled Ocillator)の略称である。
ADCは、アナログ-デジタルコンバータ(Analog-to-Digital Converter)の略称である。
信号処理装置200は、プロセッサ201とメモリ202と入出力インタフェース203といったハードウェアを備えるコンピュータである。これらのハードウェアは、信号線を介して互いに接続されている。
ICは、Integrated Circuitの略称である。
CPUは、Central Processing Unitの略称である。
DSPは、Digital Signal Processorの略称である。
GPUは、Graphics Processing Unitの略称である。
RAMは、Random Access Memoryの略称である。
ROMは、Read Only Memoryの略称である。
HDDは、Hard Disk Driveの略称である。
SPIは、Serial Peripheral Interfaceの略称である。
UARTは、Universal Asynchronous Receiver Transmitterの略称である。
I2Cは、Inter-Integrated Circuitの略称である。
メモリ202には、さらに、OSが記憶されている。OSはプロセッサ201によって実行される。
プロセッサ201は、OSを実行しながら、レーダ運用プログラムを実行する。
OSは、Operating Systemの略称である。
レーダ装置100の動作の手順はレーダ運用方法に相当し、信号処理装置200の動作の手順は信号処理方法に相当する。また、信号処理装置200の動作の手順はレーダ運用プログラムによる処理の手順に相当する。
ステップS110において、アナログフロントエンド110は、ローカル波S3を送信する。
ステップS111において、波形制御部210は制御信号S1を生成し、生成した制御信号S1を出力する。制御信号S1は、ランプ信号S2の生成を指示するための信号である。
出力された制御信号S1は、波形発生器111に入力される。
レーダ計測の方式にFMCWと呼ばれる方式がある。FMCWが使用される場合、ランプ信号S2の電圧波形の傾きは「Bw/Ts」と表される。「Bw」は帯域幅を意味し、「Ts」は掃引時間を意味する。
出力されたランプ信号S2は、VCO112に入力される。
出力されたローカル波S3は、送信アンテナ113とミキサ115とのそれぞれに入力される。
ステップS120において、アナログフロントエンド110は、受信波S4を得て、ビート信号S7を生成する。
ステップS121において、受信アンテナ114は、電波を受信波S4として受信し、受信した受信波S4を出力する。
受信波S4は、対象物などに反射したローカル波S3(電波)に相当する。電波が対象物に反射した場合、電波の周波数が変化する。そのため、受信波S4には、対象物の相対距離および対象物の相対速度に起因して生じた周波数変化の情報が含まれる。
出力された受信波S4は、ミキサ115に入力される。
cos(fst)・cos(frt)=[cos{(fs-fr)t}+cos{(fs+fr)t}]/2 式(1)
「fs」はローカル波S3の周波数を表す。「fr」は受信波S4の周波数を表す。「cos」は余弦関数を表す。「t」は時間を表す。「fs」と「fr」は、典型的には、時間の経過と共に変化する周波数を表す。具体的には、「fs」と「fr」は、チャープ信号に対応する周波数を表す。
ミキサ115は、生成したミキシング信号S5を出力する。
出力されたミキシング信号S5は、ローパスフィルタ116に入力される。
フィルタ信号S6は、式(1)に基づいて式(2)で表すことができる。
cos{(fs-fr)t}/2 式(2)
つまり、フィルタ信号S6は、ローカル波S3と受信波S4との周波数の差分の情報を持つ。
出力されたフィルタ信号S6は、ADC117に入力される。
これによって生成されるデジタル信号をビート信号S7と称する。ビート信号S7は、デジタル化されたフィルタ信号S6に相当する。
ADC117は、生成したビート信号S7を出力する。
出力されたビート信号S7は、信号処理装置200に入力される。
ステップS130において、波形蓄積部230は、ビート信号S8をフレーム単位で蓄積する。
ステップS131において、波形整形部220はビート信号S7を整形する。
整形の具体例はブランキングと呼ばれる処理である。ブランキングは、信号の両端をサンプル時間ずつ削る処理である。ブランキングにより、ビート信号S7の繰り返し区間において周波数の差分が大きい箇所が除外され、(fs-fr)の周波数にのみ着目することができる。
整形されたビート信号S7をビート信号S8と称する。
レーダ計測の方式にファストFMCWと呼ばれる方式がある。ファストFMCWでは、あるまとまった複数の波形に基づいて相対距離および相対速度が算出される。この複数の波形が1つのフレームを構成する。
フレーム単位のビート信号S8をビート信号S9と称する。
ステップS140において、攻撃判定部251は、ビート信号S9に基づいてカバーチャープ妨害の有無を判定し、攻撃判定結果S10を出力する。
カバーチャープ妨害は電子攻撃の一種である。
ステップS140の詳細について後述する。
攻撃判定結果S10がカバーチャープ妨害が無いことを示す場合、処理はステップS150に進む。
具体的には、情報算出部240は、ビート信号S9に対して2D-FFTを行うことによって、対象物の相対距離と対象物の相対速度とを算出する。
2D-FFTは、2次元高速フーリエ変換(2 Dimensional-Fast Fourier Transform)の略称である。2D-FFTは、後述のレンジFFTと後述のドップラーFFTを両方適用するFFT処理方式を指す。
FFTは、フーリエ変換の一種である。
また、速度算出部253は、ビート信号S9に基づいて対象物の相対速度を算出する。但し、算出方法は、ステップS150における方法とは異なる。
ステップS160の詳細について後述する。
ステップS141において、攻撃判定部251は、ビート信号S9に対して2D-FFTを行う。これにより、RDマップが生成される。
RDは、レンジ-ドップラーを意味する。
RDマップ300において、縦軸は連続するドップラビンを示し、横軸は連続するレンジビンを示す。ドップラビンはドップラーの範囲の単位であり、レンジビンはレンジの範囲の単位である。FFTでは信号が2冪の単位(NFFTと言われる)で処理され、この単位に従ってレンジ(距離)とドップラー(速度)が分解される。ビンはヒストグラムを描くときに使う等間隔の区間と同じである。
より具体的には、ドップラビンは、FFTにより周波数領域に変換した際の周波数(ドップラ周波数)を、式(3)に基づいてドップラ情報に変換したものである。同様に、レンジビンは、FFTにより周波数領域に変換した際の周波数(レンジ周波数)を、式(4)に基づいてレンジ情報に変換したものである。
fd=2vd/λ 式(3)
fr=2R/c×Bw/Ts 式(4)
ここで、fdはドップラ周波数、vdは相対速度(ドップラ情報)、λは波長、frはレンジ周波数、Rは距離(レンジ情報)、cは光速である。
各ドップラビンの識別子をドップラビン番号と称し、各レンジビンの識別子をレンジビン番号と称する。
図9において、(A)部分はカバーチャープ妨害の影響を受けた範囲を表しており、(T)部分は対象物が位置する箇所を表している。もう一つの対象物の位置は(A)部分に含まれている。
ステップS142において、攻撃判定部251は、RDマップに対して走査窓を設定する。例えば、走査窓はRDマップの左上隅に設定される。
走査窓は特定の大きさを有する枠である。例えば、走査窓の大きさは、ドップラビンの解像度およびレンジビンの解像度に基づいて決められる。走査窓はドップラビンの解像度およびレンジビンの解像度に対して十分に大きい。
図10に、左上隅に走査窓301が設定されたRDマップ300を示す。
具体的な平滑化処理はメディアンを求める処理(メディアン処理)である。但し、相加平均値を求める処理(相加平均処理)など、他の平滑化処理が行われてもよい。
例えば、代表値は、最大値、相加平均値、メディアン、分散または標準偏差などの値である。
走査が完了した場合、処理はステップS147に進む。
走査が完了していない場合、処理はステップS146に進む。
具体的には、攻撃判定部251は、RDマップにおいて走査窓をレンジビン方向とドップラビン方向との少なくとも一方に特定量だけずらす(図10を参照)。例えば、レンジビン方向の特定量はレンジビン方向の1単位であり、ドップラビン方向の特定量はドップラビン方向の1単位である。但し、走査窓は例えば5単位ずつ大きくずらしてもよい。
ステップS146の後、処理はステップS143に進む。
例えば、攻撃判定部251は、各走査領域の代表値に基づいて、RDマップの全体の代表値を算出する。そして、攻撃判定部251は全体の代表値を閾値と比較する。全体の代表値が閾値より大きい場合、攻撃判定部251は、カバーチャープ妨害が有ると判定する。
例えば、攻撃判定部251は、各走査領域の代表値を第1閾値と比較し、第1閾値よりも大きい代表値の数を数える。そして、攻撃判定部251は、数えた数を第2閾値と比較する。数えた数が第2閾値より大きい場合、攻撃判定部251は、カバーチャープ妨害が有ると判定する。
RDマップ300では、カバーチャープ妨害のパワーが対象物のパワーよりも広がって見える。そのため、カバーチャープ妨害の影響を受けている領域(A)に走査窓301がある場合、走査窓301の全域にカバーチャープ妨害のパワーが存在することになり、メディアンが大きい値となる。一方、カバーチャープ妨害の影響を受けていない領域に走査窓301がある場合、対象物が存在していたとしても、走査窓301が十分に大きければ、メディアンは小さい値となる。
そのため、RDマップ300の全領域に対して走査窓301をずらしながらメディアンを求めると、図11および図12に示すようなメディアン処理結果302が得られる。
そして、メディアン処理結果302の各領域の代表値と閾値を比較することにより、カバーチャープ妨害の影響を受けている領域を検出することができる。
ステップS170において、距離算出部252は、ビート信号S9に基づいて対象物の相対距離を算出する。
ステップS171において、距離算出部252は、ビート信号S9から1波形のビート信号を選択する。選択されたビート信号を「選択ビート信号」と称する。
そして、距離算出部252は、レンジFFTによって得られたデータに対してレンジビンごとにパワーを算出し、レンジビンのパワースペクトルを生成する。
ビート信号S9は、波形別のビート信号を複数含む。つまり、ビート信号S9は、波形が異なる複数のビート信号を含んでいる。
距離算出部252は、ビート信号S9から1波形ずつビート信号を選択し(S171)、1波形のビート信号ずつレンジFFTを行う(S172)。
ステップS173において、距離算出部252は、レンジビンのパワースペクトルの中の各ピークを特定し、各ピークに対応するレンジビンを特定し、各ピークに対応するレンジビン番号を記憶する。
各ピークは局所ピークまたはレンジピークともいう。
各ピークは山登り法などの方法によって特定される。例えば、距離算出部252は、単調増加が単調減少に転じる点を局所ピークとして特定する。
パワースペクトル310は、各レンジビンのパワーを示している。下向きの黒三角は局所ピークを指している。局所ピーク(A)はカバーチャープ妨害に対応する局所ピークであり、局所ピーク(T1)(T2)は対象物に対応する局所ピークである。
パワースペクトル310が表す状況は、RDマップ300(図8および図9を参照)が表す状況と同じである。つまり、2つの対象物が存在し、片方の対象物に対してカバーチャープ妨害が行われている。そして、カバーチャープ妨害のパワーが支配的であり、片方の対象物に対応する局所ピーク(T2)が埋もれている。
ステップS174において、距離算出部252は、未選択の波形のビート信号があるか判定する。
未選択の波形のビート信号がある場合、処理はステップS171に進む。
未選択の波形のビート信号がない場合、処理はステップS175に進む。
レンジピークグラフ311は、各波形のビート信号から得られたパワースペクトルの中の各局所ピークに対応するレンジビンを表すグラフの具体例であり、ステップS173の結果を用いて生成される。
レンジビン(T1)(T2)は、対象物に対応する局所ピークのレンジビンであり、波形によって変化しない。そのため、レンジピークグラフ311において、各対象物に対応する点群が波形方向に並んでいる。
レンジビン(A)は、カバーチャープ妨害に対応する局所ピークのレンジビンであり、波形に応じて変化する。レンジピークグラフ311において、カバーチャープ妨害に対応する点群は斜め方向に直線状に並んでいる。これは、カバーチャープ妨害では、周波数が徐々にずらされるためである。
ステップS175において、距離算出部252は、レンジビンごとにピークに対応するレンジビンとして特定された回数を算出する。具体的には、距離算出部252は、レンジビンごとにステップS173でレンジビン番号が記憶された回数を算出する。
算出される回数は、総和または相加平均を意味し、「ピーク回数」「出現回数」または「局所ピーク出現回数」と称する。
平滑化処理された暫定ヒストグラムをレンジビンのヒストグラムと称する。
そして、距離算出部252は、ピークに対応するレンジビン番号に基づいて、対象物の相対距離を算出する。
ヒストグラム312を使うことにより、カバーチャープ妨害の強いパワーを無視し、ピークの出現頻度に着目し、対象物(T1)(T2)に対応するレンジビン番号を特定することができる。
ステップS180において、速度算出部253は、ビート信号S9に基づいて対象物の相対速度を算出する。
ステップS181において、速度算出部253は、ビート信号S9から1サンプル時間のビート信号を抽出する。サンプル時間は予め決められた時間であり、1サンプル時間のビート信号は1つの時間帯のビート信号である。
抽出されたビート信号を「抽出ビート信号」と称する。
そして、速度算出部253は、ドップラFFTによって得られたデータに対してドップラビンごとにパワーを算出し、ドップラビンのパワースペクトルを生成する。
ビート信号S9は、波形が異なる複数のビート信号を含み、一定の時間長を有する
速度算出部253は、ビート信号S9から1サンプル時間ずつビート信号を抽出し(S181)、1サンプル時間のビート信号ずつドップラFFTを行う(S182)。
ステップS183において、速度算出部253は、連続する2つの時間帯のパワースペクトルを比較し、連続する2つの時間帯のパワースペクトルの差分を算出し、算出した差分を記憶する。これにより、時間変化に伴って急激に速度が変化している攻撃に起因するピークと速度が大きく変化しない検出対象のピークとを振り分けることができる。
具体的には、速度算出部253は、ステップS182で今回生成したパワースペクトルとステップS182で前回生成したパワースペクトルの差分を算出する。
なお、1巡目のステップS183では比較対象が無いため、1巡目のステップS183の実行は不要である。
パワースペクトル320は、各ドップラビンのパワーを示している。局所ピーク(A)はカバーチャープ妨害に対応する局所ピークであり、局所ピーク(T1)(T2)は対象物に対応する局所ピークである。
各パワースペクトル320が表す状況は、RDマップ300(図8および図9を参照)が表す状況と同じである。つまり、2つの対象物が存在し、片方の対象物に対してカバーチャープ妨害が行われている。そして、カバーチャープ妨害のパワーが支配的であり、片方の対象物に対応する局所ピーク(T2)が埋もれている。
速度算出部253は、2つのパワースペクトル320を比較して差分を算出する。
差分グラフ321では、2つのパワースペクトル320の局所ピークに対応するドップラビンのパワーが小さい。
パワー(T1)(T2)は対象物に対応する局所ピークのパワーの差分であり、いずれの連続する2つの時間帯であってもパワー(T1)(T2)に対応するドップラビンは変化しない。
パワー(A)はカバーチャープ妨害に対応する局所ピークのパワーの差分であり、連続する2つの時間帯によってパワー(A)に対応するドップラビンは変化する。これは、カバーチャープ妨害では、周波数が徐々にずらされるためである。
ステップS184において、速度算出部253は、未選択の時間帯のビート信号があるか判定する。
未選択の時間帯のビート信号がある場合、処理はステップS181に進む。
未選択の時間帯のビート信号がない場合、処理はステップS185に進む。
具体的には、速度算出部253は、ドップラビンごとに差分の標準偏差または分散を算出する。
差分統計グラフは、ドップラビン同士の差分の統計量を示すグラフである。統計量の具体例は、標準偏差、平滑化された標準偏差、分散または平滑化された分散である。
次に、速度算出部253は、ピークに対応するドップラビンを特定する。
そして、速度算出部253は、ピークに対応するドップラビン番号に基づいて、対象物の相対速度を算出する。
差分統計グラフ322を使うことにより、カバーチャープ妨害の急激な位相ずれを無視し、緩やかな位相変化に着目し、対象物(T1)(T2)に対応するドップラビン番号を特定することができる。
距離算出処理(図14のS170)において、ステップS175からステップS177は以下のような処理であってもよい。
距離算出部252は、各レンジビンに対して、ピークに対応するレンジビンとして特定された回数のばらつきを算出する。ばらつきの具体例は、分散または標準偏差などである。
次に、距離算出部252は。各レンジビンのばらつきに対してCFARを求める処理を行う。
そして、距離算出部252は、この処理によって得られたデータにおいて変化が閾値よりも小さいレンジビンを特定し、特定したレンジビンのレンジビン番号に基づいて相対距離を算出する。
CFARは、Constant False Alarm Rateの略称である。
距離算出部252は、ビート信号S9に対してドップラFFTを行う。そして、距離算出部252は、ドップラFFTで得られたデータに対してドップラビンごとにレンジFFTを行うことによって、ドップラビンごとにレンジビンのパワースペクトルを生成する。
つまり、ステップS172以降の処理がRDマップに対して適用されてもよい。
速度算出部253は、ドップラビンごとに差分の総和または相加平均を算出する。
次に、速度算出部253は、ドップラビンごとの総和またはドップラビンごとの相加平均に対してCFARを求める処理を行う。
そして、速度算出部253は、この処理によって得られたデータにおいて変化が閾値よりも小さいドップラビンを特定し、特定したドップラビンのドップラビン番号に基づいて相対速度を算出する。
速度算出部253は、ビート信号S9に対してレンジFFTを行う。そして、速度算出部253は、レンジFFTで得られたデータに対してレンジビンごとにドップラFFTを行うことによって、レンジビンごとにドップラビンのパワースペクトルを生成する。
つまり、ステップS182以降の処理がRDマップに対して適用されてもよい。
すなわち、距離算出処理(図14のS170)の1波形を1サンプル時間に、レンジFFTをドップラFFTに、レンジビンをドップラビンに置き換えることで速度算出処理としても良い。
また、速度算出処理(図20のS180)の1サンプル時間を1波形に、ドップラFFTをレンジFFTに、時間帯を波形に、ドップラビンをレンジビンに置き換えることで距離算出処理としても良い。
具体的には、距離算出部252は、ビート信号S9から各時間帯のビート信号を抽出し、各時間帯のビート信号に対してフーリエ変換を行って時間帯別のパワースペクトルを生成し、連続する2つの時間帯の組ごとにパワースペクトル同士を比較して各レンジビンのパワーの差分を算出し、算出した差分に基づいて差分統計グラフを生成する。
具体的には、距離算出部252は、ビート信号S9に対してフーリエ変換を行って得られるドップラー-レンジマップを使ってドップラビン別のパワースペクトルを生成し、連続する2つのドップラビンの組ごとにパワースペクトル同士を比較して各レンジビンのパワーの差分を算出し、算出した差分に基づいて差分統計グラフを生成する。
具体的には、距離算出部252は、レンジビンごとに差分の標準偏差または差分の分散を算出し、各レンジビンの標準偏差または各レンジビンの分散に対して平滑化処理を行って差分統計グラフを生成する。
具体的には、速度算出部253は、波形ごとにビート信号に対してフーリエ変換を行ってドップラビンのパワースペクトルを生成し、波形ごとにパワースペクトルの中のピークに対応するドップラビンを特定し、各ドップラビンの特定された回数に基づいてヒストグラムを生成する。
具体的には、速度算出部253は、ビート信号S9に対してフーリエ変換を行って得られるドップラー-レンジマップを使ってレンジビンごとにドップラビンのパワースペクトルを生成し、レンジビンごとにパワースペクトルの中のピークに対応するドップラビンを特定し、各ドップラビンの特定された回数に基づいてヒストグラムを生成する。
具体的には、速度算出部253は、ドップラビンごとにドップラビンが特定された回数を算出してドップラビンの暫定ヒストグラムを生成し、暫定ヒストグラムに対して平滑化処理を行ってヒストグラムを生成する。
その場合、レーダ装置100は、送信アンテナ113と受信アンテナ114とのそれぞれを複数備える。また、レーダ装置100は、ローパスフィルタ116とADC117とのそれぞれを受信アンテナ114の数と同じ数備える。
MIMOは、Multi-Input Multi-Outputの略称である。
レーダ装置100は、従来のFMCW方式の枠組みの中でビート信号S9から情報を抽出する信号処理を工夫したことにより、以下のような効果を奏する。
そして、攻撃判定結果S10に応じて、情報算出部240あるいは距離算出部252および速度算出部253が動作する。
これにより、対象物の相対距離と対象物の相対速度が得られる。
さらに、カバーチャープ妨害によるパワーの強いノイズに対象物のパワーが埋もれてしまっても、距離算出部252は対象物の相対距離を算出でき、速度算出部253は対象物の相対速度を算出できる。
レーダ装置100の変形例について、主に実施の形態1と異なる点を図25から図28に基づいて説明する。
***構成の説明***
図25に基づいて、レーダ装置100の構成を説明する。
レーダ装置100は、実施の形態1の構成に含まれる情報算出部240と攻撃判定部251とを備えない。
図26に基づいて、レーダ運用方法を説明する。
ステップS110からステップS130は、実施の形態1で説明した通りである。
ステップS130の後、処理はステップS170およびステップS180に進む。
レーダ装置100は、より小さな構成で対象物の相対距離および対象物の相対速度を算出することができる。
レーダ装置100の構成は、距離算出部252と速度算出部253とのいずれか一方を備えない構成であってもよい。
***構成の説明***
図27に基づいて、レーダ装置100の構成を説明する。
レーダ装置100は、実施の形態1の構成に加えて情報選択部260を備える。
図28に基づいて、レーダ運用方法を説明する。
ステップS110からステップS130は、実施の形態1で説明した通りである。
ステップS130の後、処理はステップS140、ステップS150およびステップS160に進む。
ステップS150で算出された相対距離および相対速度を対象情報S11と称する。
ステップS160で算出された相対距離を相対距離S12と称し、ステップS160で算出された相対速度を相対速度S13と称する。
カバーチャープ妨害が無い場合、処理はステップS192に進む。
カバーチャープ妨害が有る場合、処理はステップS193に進む。
レーダ装置100は、実施の形態1と同じく、対象物の相対距離および対象物の相対速度を算出することができる。
図29に基づいて、信号処理装置200のハードウェア構成を説明する。
信号処理装置200は処理回路209を備える。
処理回路209は、波形制御部210と波形整形部220と波形蓄積部230と情報算出部240と攻撃対策部250と情報選択部260とを実現するハードウェアである。
処理回路209は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリ202に格納されるプログラムを実行するプロセッサ201であってもよい。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
Claims (25)
- 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積部と、
フレーム単位のビート信号を使ってレンジビンのヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する距離算出部と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはレンジビン別のドップラビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する速度算出部と、
を備える信号処理装置。 - フレーム単位のビート信号は、波形別のビート信号を複数含み、
前記距離算出部は、波形ごとにビート信号に対してフーリエ変換を行ってレンジビンのパワースペクトルを生成し、波形ごとに前記パワースペクトルの中のピークに対応するレンジビンを特定し、各レンジビンの特定された回数に基づいて前記ヒストグラムを生成する
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記距離算出部は、フレーム単位のビート信号に対してフーリエ変換を行って得られるレンジ-ドップラーマップを使ってドップラビンごとにレンジビンのパワースペクトルを生成し、ドップラビンごとに前記パワースペクトルの中のピークに対応するレンジビンを特定し、各レンジビンの特定された回数に基づいて前記ヒストグラムを生成する
請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記距離算出部は、レンジビンごとにレンジビンが特定された回数を算出してレンジビンの暫定ヒストグラムを生成し、前記暫定ヒストグラムに対して平滑化処理を行って前記ヒストグラムを生成する
請求項2または請求項3に記載の信号処理装置。 - 前記速度算出部は、フレーム単位のビート信号から各時間帯のビート信号を抽出し、各時間帯のビート信号に対してフーリエ変換を行って時間帯別の前記パワースペクトルを生成し、連続する2つの時間帯の組ごとにパワースペクトル同士を比較して各ドップラビンのパワーの差分を算出し、算出した差分に基づいて前記差分統計グラフを生成する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の信号処理装置。 - 前記速度算出部は、フレーム単位のビート信号に対してフーリエ変換を行って得られるレンジ-ドップラーマップを使ってレンジビン別の前記パワースペクトルを生成し、連続する2つのレンジビンの組ごとにパワースペクトル同士を比較して各ドップラビンのパワーの差分を算出し、算出した差分に基づいて前記差分統計グラフを生成する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の信号処理装置。 - 前記速度算出部は、ドップラビンごとに前記差分の標準偏差または前記差分の分散を算出し、各ドップラビンの前記標準偏差または各ドップラビンの前記分散に対して平滑化処理を行って前記差分統計グラフを生成する
請求項5または請求項6に記載の信号処理装置。 - フレーム単位のビート信号に対してフーリエ変換を行ってレンジ-ドップラーマップを生成し、前記レンジ-ドップラーマップに基づいてカバーチャープ妨害の有無を判定する攻撃判定部を備える
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の信号処理装置。 - 前記攻撃判定部は、前記レンジ-ドップラーマップの中の領域ごとに平滑化処理を行って前記レンジ-ドップラーマップの中の領域ごとに代表値を算出し、各領域の代表値に基づいてカバーチャープ妨害の有無を判定する
請求項8に記載の信号処理装置。 - フレーム単位のビート信号に対してフーリエ変換を行って前記対象物の相対距離と前記対象物の相対速度とを算出する情報算出部を備える
請求項8から請求項9のいずれか1項に記載の信号処理装置。 - 前記距離算出部は、カバーチャープ妨害が有ると判定された場合に前記相対距離を算出し、
前記速度算出部は、カバーチャープ妨害が有ると判定された場合に前記相対速度を算出し、
前記情報算出部は、カバーチャープ妨害が無いと判定された場合に前記相対距離と前記相対速度とを算出する
請求項10に記載の信号処理装置。 - カバーチャープ妨害が有ると判定された場合に、前記距離算出部によって算出された前記相対距離と前記速度算出部によって算出された前記相対速度とを選択し、カバーチャープ妨害が無いと判定された場合に、前記情報算出部によって算出された前記相対距離と前記情報算出部によって算出された前記相対速度とを選択する情報選択部を備える
請求項10に記載の信号処理装置。 - 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積部と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはレンジビン別のドップラビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する速度算出部と、
を備える信号処理装置。 - ローカル波を送信し、前記ローカル波に対応する反射波を受信波として受信し、前記ローカル波と前記受信波とをミキシングしてミキシング信号を生成し、前記ミキシング信号に対応するデジタル信号であるビート信号を生成するアナログフロントエンドと、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の信号処理装置と、
を備えるレーダ装置。 - 波形蓄積部が、対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積し、
距離算出部が、フレーム単位のビート信号を使ってレンジビンのヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出し、
速度算出部が、フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはレンジビン別のドップラビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する
レーダ運用方法。 - 波形蓄積部が、対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積し、
速度算出部が、フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはレンジビン別のドップラビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する
レーダ運用方法。 - 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積処理と、
フレーム単位のビート信号を使ってレンジビンのヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する距離算出処理と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはレンジビン別のドップラビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する速度算出処理と、
をコンピュータに実行させるためのレーダ運用プログラム。 - 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積処理と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはレンジビン別のドップラビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する速度算出処理と、
をコンピュータに実行させるためのレーダ運用プログラム。 - 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積部と、
フレーム単位のビート信号を使ってドップラビンのヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する速度算出部と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはドップラビン別のレンジビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する距離算出部と、
を備える信号処理装置。 - 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積部と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはドップラビン別のレンジビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する距離算出部と、
を備える信号処理装置。 - ローカル波を送信し、前記ローカル波に対応する反射波を受信波として受信し、前記ローカル波と前記受信波とをミキシングしてミキシング信号を生成し、前記ミキシング信号に対応するデジタル信号であるビート信号を生成するアナログフロントエンドと、
請求項19または請求項20に記載の信号処理装置と、
を備えるレーダ装置。 - 波形蓄積部が、対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積し、
速度算出部が、フレーム単位のビート信号を使ってドップラビンのヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出し、
距離算出部が、フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはドップラビン別のレンジビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する
レーダ運用方法。 - 波形蓄積部が、対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積し、
距離算出部が、フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはドップラビン別のレンジビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する
レーダ運用方法。 - 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積処理と、
フレーム単位のビート信号を使ってドップラビンのヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムの中のピークに対応するドップラビン番号に基づく速度を前記対象物の相対速度として算出する速度算出処理と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはドップラビン別のレンジビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する距離算出処理と、
をコンピュータに実行させるためのレーダ運用プログラム。 - 対象物を検出するために送信されるローカル波と、前記ローカル波に対応する反射波として受信される受信波と、をミキシングして得られるミキシング信号から得られるデジタル信号であるビート信号をフレーム単位で蓄積する波形蓄積処理と、
フレーム単位のビート信号を使って時間帯別またはドップラビン別のレンジビンのパワースペクトルを生成し、パワースペクトル同士の差分の統計量を示す差分統計グラフを生成し、前記差分統計グラフの中のピークに対応するレンジビン番号に基づく距離を前記対象物の相対距離として算出する距離算出処理と、
をコンピュータに実行させるためのレーダ運用プログラム。
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