以下に図面を参照して、本発明に係る駆動輪及び台車の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
[第1実施形態]
図12は、第1実施形態の台車の構成例を表す概略図である。
第1実施形態において、図12に示すように、台車100は、本体101と、取手部102と、4個の駆動輪103と、電源部104と、制御装置105と、操作部106とを備えている。
本体101は、例えば、平板材であり、平面視が矩形形状をなしている。本体101は、長手方向の一方側に取手部102が固定されている。本体101は、裏面側に4個の駆動輪103が四隅に装着されている。4個の駆動輪103は、回転可能であると共に操舵可能となっている。また、本体101は、前後の駆動輪103の間の裏面に電源部104と制御装置105が装着され、取手部102に操作部106が装着されている。
以下、駆動輪103について詳細に説明する。図1は、第1実施形態の駆動輪の構成例を表す斜視図、図2は、駆動輪を表す正面図、図3は、駆動輪を表す側面図である。
第1実施形態において、図1から図3に示すように、駆動輪103は、入力部11と、旋回部12と、平歯車機構13と、出力部14と、動力変換機構としての傘歯車機構15と、車輪16とを有する。
入力部11は、本体101の上方に配置され、上端部が基板21に固定され、基板21が複数(本実施形態では、4本)の支柱22により本体101に支持されている。入力部11は、下部が本体101を貫通して下方に延出している。旋回部12は、入力部11の下部の外側に配置され、下部が本体101を貫通して下方に延出している。平歯車機構13は、入力部11の回転力を伝達するものである。出力部14は、入力部11から入力された回転力により回転する。傘歯車機構15は、出力部14の回転力を車輪16に伝達するものである。車輪16は、入力された回転力により回転可能であると共に、操舵可能となっている。
以下、入力部11、旋回部12、平歯車機構13、出力部14、傘歯車機構15、車輪16について詳細に説明する。図4は、図2のIV-IV断面図、図5は、図4のV-V断面図、図6は、図4のVI-VI断面図である。
図4から図6に示すように、入力部11は、2軸一体型モータ30を有し、車輪16の旋回軸心上に2つの回転力を入力することができる。即ち、基板21の下部に円筒形状をなす支持筒31が固定され、この支持筒31の内側に第1回転筒32Aが軸受33Aにより軸心O1を中心として回転自在に支持されると共に、外側に第2回転筒32Bが軸受33Bにより軸心O1を中心として回転自在に支持される。支持筒31は、内周面と外周面にそれぞれコイル(図示略)が設けられる。第1回転筒32Aは、外周面に磁石(図示略)が設けられ、下部に軸心O1方向に沿って延出する第1入力軸34Aが設けられる。第2回転筒32Bは、内周面に磁石(図示略)が設けられ、下部に軸心O1方向に沿って延出する第2入力軸34Bが設けられる。第2入力軸34Bは、円筒形状をなし、第1入力軸34Aの外側に配置される。第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bは、本体101を貫通して下方まで延出される。入力部11は、支持筒31、第1回転筒32A、第2回転筒32Bからなるモータ30と、第1入力軸34Aと、第2入力軸34Bにより構成される。そのため、支持筒31の各コイルに通電すると、第1回転筒32Aを介して第1入力軸34Aを回転可能であると共に、第2回転筒32Bを介して第2入力軸34Bを回転可能である。一方、支持筒31の各コイルに通電しないときは、支持筒31に対して第1回転筒32Aおよび第1入力軸34Aが回転自在であると共に、第2回転筒32Bおよび第2入力軸34Bが回転自在である。
旋回軸35は、円筒形状をなし、第2入力軸34Bの外側に配置され、軸心O1方向に沿って延出されると共に、軸心O1を中心として回転自在に支持される。即ち、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bと旋回軸35は、軸心O1に沿う同軸上に回転自在に配置される。第1入力軸34Aと第2入力軸34Bとの間に軸受43が設けられ、第2入力軸34Bと旋回軸35との間に軸受44が設けられ、旋回軸35と本体101の間に軸受45が設けられる。旋回軸35は、円筒形状をなす本体35aと、本体35aの下部に一体に設けられるフランジ部35bとを有し、フランジ部35bの下部にカバー部材35cが設けられている。旋回軸35は、カバー部材35cの下部で車輪16の水平方向の両側に第1支持部材36Aと第2支持部材36Bが下方に延出するように設けられる。車輪16は、中心部に軸心O1方向に直交する軸心O2方向に沿う車軸37が一体に設けられる。車軸37は、軸心O2方向に沿う一端部が第1支持部材36Aの下部に回転自在に支持されると共に、軸心O2方向に沿う他端部が第2支持部材36Bの下部に回転自在に支持される。旋回部12は、旋回軸35、第1支持部材36A、第2支持部材36Bにより構成される。そのため、車軸37の軸心O2方向の交差する鉛直方向に沿う前記車輪の回転軸心は、旋回軸35の軸心O1と同軸上に配置される。
第1入力軸34Aは、下端部に第1駆動平歯車38Aが固定され、第2入力軸34Bは、下端部に第2駆動平歯車38Bが固定される。第1駆動平歯車38Aは、第1従動平歯車39Aに噛み合い、第2駆動平歯車38Bは、第2従動平歯車39Bに噛み合う。第2駆動平歯車38Bと第1駆動平歯車38Aは、上下に積層されて軸心O1を中心として回転する。第1従動平歯車39Aは、第1出力軸40Aの上部に固定される。第1出力軸40Aは、上部が旋回軸35のフランジ部35bおよびカバー部材35cを貫通して支持され、下部が第1支持部材36Aに支持され、軸心O3を中心として回転自在に支持される。第2従動平歯車39Bは、第2出力軸40Bの上部に固定される。第2出力軸40Bは、上部が旋回軸35のフランジ部35bおよびカバー部材35cを貫通して支持され、下部が第2支持部材36Bに支持され、軸心O4を中心として回転自在に支持される。ここで、第1駆動平歯車38Aと第2駆動平歯車38Bと第1従動平歯車39Aと第2駆動平歯車38Bは、旋回軸35及びカバー部材35cにより被覆される。なお、軸心O3と軸心O4は、軸心O1と平行をなす。
第1従動平歯車39Aと第1駆動平歯車38Aおよび第2駆動平歯車38Bと第2従動平歯車39Bは、軸心O1方向に直交する水平方向に沿って直線状に配置される。即ち、第1従動平歯車39Aおよび第1出力軸40Aと、第2従動平歯車39Bおよび第2出力軸40Bは、車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に配置される。なお、各平歯車38A,38B,39A,39Bは、ピッチ円直径、歯形、歯数など同形状であるが、異なる形状であってもよく、例えば、各駆動平歯車38A,38Bと各従動平歯車39A,39Bを異なる形状としてもよい。平歯車機構13は、第1平歯車機構13Aと第2平歯車機構13Bを有し、第1平歯車機構13Aは、第1駆動平歯車38A、第1従動平歯車39Aにより構成され、第2平歯車機構13Bは、第2駆動平歯車38B、第2従動平歯車39Bにより構成される。また、出力部14は、第1出力軸40A、第2出力軸40Bにより構成される。
第1出力軸40Aは、下部に第1駆動傘歯車41Aが固定され、第2出力軸40Bは、下部に第2駆動傘歯車41Bが固定される。一方、車軸37は、軸心O2方向の一端部に第1従動傘歯車42Aが固定され、軸心O2方向の他端部に第2従動傘歯車42Bが固定される。第1駆動傘歯車41Aは、第1従動傘歯車42Aに噛み合い、第2駆動傘歯車41Bは、第2従動傘歯車42Bに噛み合う。傘歯車機構15は、第1動力変換機構としての第1傘歯車機構15Aと第2動力変換機構としての第2傘歯車機構15Bを有し、第1傘歯車機構15Aは、第1駆動傘歯車41A、第1従動傘歯車42Aにより構成され、第2傘歯車機構15Bは、第2駆動傘歯車41B、第2従動傘歯車42Bにより構成される。
第1実施形態の駆動輪103は、モータ30により第1回転筒32Aと第2回転筒32Bを介して第1入力軸34Aと第2入力軸34Bを回転することで車輪16の回転と操舵を行うことができる。即ち、第1入力軸34Aを回転し、第2入力軸34Bを第1入力軸34Aと逆方向に回転すると共に、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bの回転数(回転速度)を同じにすることで、車輪16を操舵せずに回転することができる。このとき、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bの回転数(回転速度)を異ならせることで、車輪16を回転または停止した状態で操舵することができる。
ここで、駆動輪103の作動について説明する。図7は、駆動輪の駆動力伝達経路を表す模式図である。
駆動輪103において、図7に示すように、第1入力軸34Aを第1方向A1に回転すると、第1駆動平歯車38Aが同方向に回転し、第1駆動平歯車38Aに噛み合う第1従動平歯車39Aが第2方向A2に回転する。第1従動平歯車39Aが第2方向A2に回転すると、第1従動平歯車39Aに第1出力軸40Aを介して一体に設けられた第1駆動傘歯車41Aが同方向に回転する。すると、第1駆動傘歯車41Aに噛み合う第1従動傘歯車42Aが第3方向A3に回転し、第1従動傘歯車42Aと一体の車軸37を同方向に回転させる。一方、第2入力軸34Bを第1方向A1と逆方向の第1方向B1に回転すると、第2駆動平歯車38Bが同方向に回転し、第2駆動平歯車38Bに噛み合う第2従動平歯車39Bが第2方向B2に回転する。第2従動平歯車39Bが第2方向B2に回転すると、第2従動平歯車39Bに第2出力軸40Bを介して一体に設けられた第2駆動傘歯車41Bが同方向に回転する。すると、第2駆動傘歯車41Bに噛み合う第2従動傘歯車42Bが第3方向B3に回転し、第2従動傘歯車42Bと一体の車軸37を同方向に回転させる。ここで、第3方向A3と第3方向B3同じ回転方向であることから、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bが同回転数であれば、車輪16が旋回せずに回転する。
このとき、第1入力軸34Aの回転数に対して第2入力軸34Bの回転数を低下させると、第2駆動傘歯車41Bから第2従動傘歯車42Bを介して車軸37に入力する回転数が、第1駆動傘歯車41Aから第1従動傘歯車42Aを介して車軸37に入力する回転数より低くなる。すると、その回転数差だけ旋回軸35が回転し、車輪16を旋回して操舵する。また、第2入力軸34Bの回転を停止すると、第2駆動傘歯車41Bから第2従動傘歯車42Bを介して車軸37に入力する回転数が0となり、車輪16が回転せずに旋回して操舵する。
即ち、各平歯車38A,38B,39A,39Bの歯車比が同じで、各傘歯車41A,41B,42A,42Bの歯車比が同じであるとき、第1入力軸34Aの回転数をNA、第2入力軸34Bの回転数をNB、旋回軸35の回転数をNS、車輪16の回転数をNWとすると、旋回軸35の回転数NSと車輪16の回転数NWは、下記数式の関係となる。
NW=(1/2)NA-(1/2)NB
NS=-(1/2)NA-(1/2)NB
NA=NW-NS
NB=-NW-NS
このように第1実施形態の駆動輪にあっては、同軸上に配置される第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bと、別軸上に配置される第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bと、第1入力軸34Aの回転力を第1出力軸40Aに伝達する第1平歯車機構13Aと、第2入力軸34Bの回転力を第2出力軸40Bに伝達する第2平歯車機構13Bと、車軸37に連結される車輪16と、車軸37を介して車輪16を旋回可能に支持する旋回軸35と、第1出力軸40Aの回転力を車軸37の一端部に伝達する第1傘歯車機構15Aと、第2出力軸40Bの回転力を車軸37の他端部に伝達する第2傘歯車機構15Bとを備える。
そのため、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転力は、第1平歯車機構13Aおよび第2平歯車機構13Bを介して第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bに伝達され、第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bから第1傘歯車機構15Aおよび第2傘歯車機構15Bを介して車軸37の各端部に伝達される。ここで、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、車軸37の各端部にそれぞれ傘歯車機構15A,15Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができると共に、十分な最低地上高を確保することができる。
第1実施形態の駆動輪では、第1出力軸40Aと第2出力軸40Bを車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に配置する。そのため、回転力を車軸37における軸心O2方向の両側から入力することとなり、車輪16を操舵するための差動機構の簡素化を図ることができる。
第1実施形態の駆動輪では、第1傘歯車機構15Aと第2傘歯車機構15Bを車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に配置する。従って、回転力を車軸37における軸心O2方向の両側から入力することとなり、車輪16を操舵するための差動機構の簡素化を図ることができる。
第1実施形態の駆動輪では、第1傘歯車機構15Aと第2傘歯車機構15Bを車軸37の軸心O2方向に交差する鉛直方向における上方に配置する。従って、車軸37の軸心O2方向における両側に各傘歯車機構15A,15Bを配置する必要がない。
第1実施形態の駆動輪では、旋回軸35に車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に第1支持部材36Aおよび第2支持部材36Bを連結し、車軸37の軸心O2方向の各端部を第1支持部材36Aおよび第2支持部材36Bに回転自在に支持する。そのため、車輪16を操舵するための差動機構の簡素化を図ることができる。
第1実施形態の駆動輪では、旋回軸35を第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bと同軸上に配置する。そのため、小型化および構造の簡素化を図ることができる。
第1実施形態の駆動輪では、車軸37の軸心O2方向に交差する鉛直方向に沿う車輪16の回転軸心O5を旋回軸35と同軸上に配置する。そのため、小型化および構造の簡素化を図ることができる。
また、第1実施形態の台車は、駆動輪103と、駆動輪103が取付けられる本体101とを備える。そのため、構造の簡素化を図ることができると共に、十分な最低地上高を確保することができる。
図8は、動力変換機構の一例を表す部分斜視図である。図9は、動力変換機構の一例を表す部分斜視図である。図10は、動力変換機構の一例を表す部分斜視図である。図11は、動力変換機構の一例を表す部分正面図である。
上述したように、動力変換機構は、第1傘歯車機構15Aと第2傘歯車機構15Bを有する傘歯車機構15であることを説明したが、この限りではない。
図8では、傘歯車機構15から替えた動力変換機構の一例として、はすば歯車機構17を示している。はすば歯車機構17は、出力部14の回転力を車輪16に伝達するものである。はすば歯車機構17は、第1動力変換機構としての第1はすば歯車機構17Aと第2動力変換機構としての第2はすば歯車機構17Bを有する。第1はすば歯車機構17Aは、第1出力軸40Aの下部に固定された第1駆動はすば歯車51Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端部に固定されて第1駆動はすば歯車51Aに噛み合う第1従動はすば歯車52Aとにより構成されている。第2はすば歯車機構17Bは、第2出力軸40Bの下部に固定された第2駆動はすば歯車51Bと、車軸37の軸心O2方向の他端部に固定されて第2駆動はすば歯車51Bに噛み合う第2従動はすば歯車52Bとにより構成されている。
そして上述したように、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転力は、第1平歯車機構13Aおよび第2平歯車機構13Bを介して第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bに伝達され、第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bから第1はすば歯車機構17Aおよび第2はすば歯車機構17Bを介して車軸37の各端部に伝達される。ここで、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、車軸37の各端部にそれぞれはすば歯車機構17A,17Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができると共に、十分な最低地上高を確保することができる。
図9では、傘歯車機構15から替えた動力変換機構の一例として、ウォーム歯車機構18を示している。ウォーム歯車機構18は、出力部14の回転力を車輪16に伝達するものである。ウォーム歯車機構18は、第1動力変換機構としての第1ウォーム歯車機構18Aと第2動力変換機構としての第2ウォーム歯車機構18Bを有する。第1ウォーム歯車機構18Aは、第1出力軸40Aの下部に固定された第1ウォーム61Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端部に固定されて第1ウォーム61Aに噛み合う第1ウォームホイール62Aとにより構成されている。第2ウォーム歯車機構18Bは、第2出力軸40Bの下部に固定された第2ウォーム61Bと、車軸37の軸心O2方向の他端部に固定されて第2ウォーム61Bに噛み合う第2ウォームホイール62Bとにより構成されている。
そして、上述したように、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転力は、第1平歯車機構13Aおよび第2平歯車機構13Bを介して第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bに伝達され、第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bから第1ウォーム歯車機構18Aおよび第2ウォーム歯車機構18Bを介して車軸37の各端部に伝達される。ここで、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、車軸37の各端部にそれぞれウォーム歯車機構18A,18Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができると共に、十分な最低地上高を確保することができる。
なお、第1ウォーム歯車機構18Aは、第1出力軸40Aの下部に第1ウォームホイール62Aが固定され、車軸37の軸心O2方向の一端部に第1ウォーム61Aが固定されて構成されていてもよい。また、第2ウォーム歯車機構18Bは、第2出力軸40Bの下部に第2ウォームホイール62Bが固定され、車軸37の軸心O2方向の他端部に第2ウォーム61Bが固定されて構成されていてもよい。
図10では、傘歯車機構15から替えた動力変換機構の一例として、冠歯車機構19を示している。冠歯車機構19は、出力部14の回転力を車輪16に伝達するものである。冠歯車機構19は、第1動力変換機構としての第1冠歯車機構19Aと第2動力変換機構としての第2冠歯車機構19Bを有する。第1冠歯車機構19Aは、第1出力軸40Aの下部に固定された第1冠歯車71Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端部に固定されて第1冠歯車71Aに噛み合う第1平歯車72Aとにより構成されている。第2冠歯車機構19Bは、第2出力軸40Bの下部に固定された第2冠歯車71Bと、車軸37の軸心O2方向の他端部に固定されて第2冠歯車71Bに噛み合う第2平歯車72Bとにより構成されている。
そして、上述したように、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転力は、第1平歯車機構13Aおよび第2平歯車機構13Bを介して第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bに伝達され、第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bから第1冠歯車機構19Aおよび第2冠歯車機構19Bを介して車軸37の各端部に伝達される。ここで、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、車軸37の各端部にそれぞれ冠歯車機構19A,19Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができると共に、十分な最低地上高を確保することができる。
なお、第1冠歯車機構19Aは、第1出力軸40Aの下部に第1平歯車72Aが固定され、車軸37の軸心O2方向の一端部に第1冠歯車71Aが固定されて構成されていてもよい。また、第2冠歯車機構19Bは、第2出力軸40Bの下部に第2平歯車72Bが固定され、車軸37の軸心O2方向の他端部に第2冠歯車71Bが固定されて構成されていてもよい。
図11では、傘歯車機構15から替えた動力変換機構の一例として、自在継手機構(ユニバーサルジョイント機構)20を示している。自在継手機構20は、出力部14の回転力を車輪16に伝達するものである。自在継手機構20は、第1動力変換機構としての第1自在継手機構20Aと第2動力変換機構としての第2自在継手機構20Bを有する。第1自在継手機構20Aは、第1出力軸40Aの下端に固定された第1駆動継手81Aと、車輪16に設けられた車軸37の軸心O2方向の一端に固定された第1従動継手82Aと、第1駆動継手81Aおよび第1従動継手82Aを連結する第1連結部83Aとにより構成されている。第2自在継手機構20Aは、第2出力軸40Bの下端に固定された第2駆動継手81Bと、車軸37の軸心O2方向の他端に固定された第2従動継手82Bと、第2駆動継手81Bおよび第2従動継手82Bを連結する第2連結部83Bとにより構成されている。なお、図には明示しないが、第1自在継手機構20Aは、第1連結部83Aの一端が第1出力軸40Aの下端に固定され、第1連結部83Aの他端が車軸37の軸心O2方向の一端に固定され、中間部に第1駆動継手81Aおよび第1従動継手82Aに相当する単一または複数の継手が設けられた構成であってもよい。同様に、図には明示しないが、第2自在継手機構20Bは、第2連結部83Bの一端が第2出力軸40Bの下端に固定され、第2連結部83Bの他端が車軸37の軸心O2方向の他端に固定され、中間部に第2駆動継手81Bおよび第2従動継手82Bに相当する単一または複数の継手が設けられた構成であってもよい。
そして、上述したように、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転力は、第1平歯車機構13Aおよび第2平歯車機構13Bを介して第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bに伝達され、第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bから第1自在継手機構20Aおよび第2自在継手機構20Bを介して車軸37の各端部に伝達される。ここで、第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転数を調整することで、車輪16の回転と操舵を切替えることができる。そのため、車軸37の各端部にそれぞれ自在継手機構20A,20Bを配置することから、車輪16への回転力の伝達系統を簡素化することとなり、構造の簡素化を図ることができると共に、十分な最低地上高を確保することができる。
ところで、第1実施形態の駆動輪にあっては、第1出力軸40Aと車軸37とは、相互の軸心方向が90度異なる。このため、第1出力軸40Aの回転力を車軸37の一端部に伝達する第1動力変換機構(第1傘歯車機構15A、第1はすば歯車機構17A、第1ウォーム歯車機構18A、第1冠歯車機構19A、第1自在継手機構20A)は、第1出力軸40Aの回転力を第1出力軸40Aに対して軸心方向の異なる車軸37の一端部に伝達する。また、第2出力軸40Bと車軸37とは、相互の軸心方向が90度異なる。このため、第2出力軸40Bの回転力を車軸37の一端部に伝達する第2動力変換機構(第2傘歯車機構15B、第2はすば歯車機構17B、第2ウォーム歯車機構18B、第2冠歯車機構19B、第2自在継手機構20B)は、第2出力軸40Bの回転力を第2出力軸40Bに対して軸心方向の異なる車軸37の一端部に伝達する。
第1実施形態の駆動輪では、上述したように、入力部11が2軸一体型モータ30を有し、車輪16の旋回軸心上に2つの回転力を入力する構成とするため、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bと旋回軸35とを軸心O1に沿う同軸上に回転自在に配置している。さらに、第1実施形態の駆動輪では、これら第1入力軸34Aおよび第2入力軸34Bの回転力を第1平歯車機構13Aおよび第2平歯車機構13Bを介して第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bに伝達するため、第1出力軸40Aの軸心O3および第2出力軸40Bの軸心O4を軸心O1と平行にしている。さらに、車輪16の車軸37は、軸心O1方向に直交する軸心O2方向に沿うため、第1出力軸40Aおよび第2出力軸40Bの回転力を軸心方向が90度異なる車軸37に伝達するために、第1動力変換機構(第1傘歯車機構15A、第1はすば歯車機構17A、第1ウォーム歯車機構18A、第1冠歯車機構19A、第1自在継手機構20A)および第2動力変換機構(第2傘歯車機構15B、第2はすば歯車機構17B、第2ウォーム歯車機構18B、第2冠歯車機構19B、第2自在継手機構20B)を要している。
なお、動力変換機構は、上述した構成に限らず、出力軸40A,40Bの回転力を、出力軸40A,40Bに対して軸心方向の異なる車軸37に伝達する構成であればよい。
[第2実施形態]
図13は、第2実施形態の駆動輪の構成例を表す斜視図、図14は、駆動輪を表す正面図で、図15は、駆動輪を表す側面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態において、図13から図15に示すように、駆動輪111は、入力部11と、旋回部61と、平歯車機構13と、出力部14と、動力変換機構としての傘歯車機構15と、車輪16とを有する。
入力部11は、本体101の上方に配置され、上端部が基板21に固定され、基板21が複数(本実施形態では、4本)の支柱22により本体101に支持されている。入力部11は、下部が本体101を貫通して下方に延出している。旋回部61は、入力部11の下部の外側に配置され、水平方向にずれた下部が本体101を貫通して下方に延出している。平歯車機構13は、入力部11の回転力を伝達するものである。出力部14は、入力部11から入力された回転力により回転する。傘歯車機構15は、出力部14の回転力を車輪16に伝達するものである。車輪16は、入力された回転力により回転可能であると共に、操舵可能となっている。
以下、入力部11、旋回部61、平歯車機構13、出力部14、傘歯車機構15、車輪16について詳細に説明する。図16は、図14のX11-X11断面図、図17は、図16のXIII-XIII断面図、図18は、図16のXIV-XIV断面図である。
図14から図18に示すように、入力部11は、2軸一体型モータ30を有し、第1回転筒32Aは、支持筒31の内側に軸受33Aにより軸心O1を中心として回転自在に支持されると共に、第2回転筒32Bは、支持筒31の外側に軸受33Bにより軸心O1を中心として回転自在に支持される。第1回転筒32Aは、下部に第1入力軸34Aが設けられ、第2回転筒32Bは、下部に第2入力軸34Bが設けられる。
旋回軸71は、円筒形状をなし、第2入力軸34Bの外側に配置され、軸心O1方向に沿って延出されると共に、軸心O1を中心として回転自在に支持される。即ち、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bと旋回軸71は、軸心O1に沿う同軸上に回転自在に配置される。旋回軸71は、円筒形状をなす本体71aと、本体71aの下部に一体に設けられるフランジ部71bとを有し、フランジ部71bの下部にカバー部材71cが設けられている。旋回軸71は、カバー部材71cの下部で車輪16の水平方向の両側に第1支持部材36Aと第2支持部材36Bが下方に延出するように設けられる。車輪16は、中心部から水平方向にずれた位置に軸心O1方向に直交する軸心O2方向に沿う車軸37が一体に設けられる。車軸37は、軸心O2方向に沿う一端部が第1支持部材36Aの下部に回転自在に支持されると共に、軸心O2方向に沿う他端部が第2支持部材36Bの下部に回転自在に支持される。旋回部61は、旋回軸71、第1支持部材36A、第2支持部材36Bにより構成される。そのため、車軸37の軸心O2方向に交差する鉛直方向に沿う車輪16の回転軸心O5は、旋回軸71の軸心O1に対して車軸37の軸心O2方向に直交する水平方向にずれて配置される。
第1入力軸34Aは、下端部に第1駆動平歯車38Aが固定され、第2入力軸34Bは、下端部に第2駆動平歯車38Bが固定される。第1駆動平歯車38Aは、第1従動平歯車39Aに噛み合い、第2駆動平歯車38Bは、第2従動平歯車39Bに噛み合う。第2駆動平歯車38Bと第1駆動平歯車38Aは、上下に積層されて軸心O1を中心として回転する。第1従動平歯車39Aは、第1出力軸40Aの上部に固定される。第1出力軸40Aは、上部が旋回軸71を貫通して支持され、下部が第1支持部材36Aに支持され、軸心O3を中心として回転自在に支持される。第2従動平歯車39Bは、第2出力軸40Bの上部に固定される。第2出力軸40Bは、上部が旋回軸71を貫通して支持され、下部が第2支持部材36Bに支持され、軸心O4を中心として回転自在に支持される。軸心O3と軸心O4は、軸心O1と平行をなす。
第1従動平歯車39Aと第1駆動平歯車38Aおよび第2駆動平歯車38Bと第2従動平歯車39Bは、軸心O1と軸心O3と軸心O4が三角形をなすように配置される。即ち、車輪16の回転軸心O5は、旋回軸71の軸心O1に対して車軸37の軸心O2方向に直交する水平方向にずれて配置される。そして、第1従動平歯車39Aおよび第1出力軸40Aと、第2従動平歯車39Bおよび第2出力軸40Bは、車輪16に対して車軸37の軸心O2方向における両側に配置される。
第1出力軸40Aは、下部に第1駆動傘歯車41Aが固定され、第2出力軸40Bは、下部に第2駆動傘歯車41Bが固定される。一方、車軸37は、軸心O2方向の一端部に第1従動傘歯車42Aが固定され、軸心O2方向の他端部に第2従動傘歯車42Bが固定される。第1駆動傘歯車41Aは、第1従動傘歯車42Aに噛み合い、第2駆動傘歯車41Bは、第2従動傘歯車42Bに噛み合う。傘歯車機構15は、第1動力変換機構としての第1傘歯車機構15Aと第2動力変換機構としての第2傘歯車機構15Bを有し、第1傘歯車機構15Aは、第1駆動傘歯車41A、第1従動傘歯車42Aにより構成され、第2傘歯車機構15Bは、第2駆動傘歯車41B、第2従動傘歯車42Bにより構成される。なお、第1実施形態で説明したように、第1動力変換機構は、第1傘歯車機構15Aに替えて、第1はすば歯車機構17A、第1ウォーム歯車機構18A、第1冠歯車機構19A、第1自在継手機構20Aを適用でき、第2動力変換機構は、第2傘歯車機構15Bに替えて、第2はすば歯車機構17B、第2ウォーム歯車機構18B、第2冠歯車機構19B、第2自在継手機構20Bを適用できる。
第2実施形態の駆動輪111は、モータ30により第1回転筒32Aと第2回転筒32Bを介して第1入力軸34Aと第2入力軸34Bを回転することで車輪16の回転と操舵を行うことができる。即ち、第1入力軸34Aを回転し、第2入力軸34Bを第1入力軸34Aと逆方向に回転すると共に、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bの回転数(回転速度)を同じにすることで、車輪16を操舵せずに回転することができる。このとき、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bの回転数(回転速度)を異ならせることで、車輪16を回転または停止した状態で操舵することができる。
なお、駆動輪111の回転と操舵の作動は、第1実施形態の駆動輪103とほぼ同様であることから、説明は省略する。
このように第2実施形態の駆動輪にあっては、車軸37の軸心O2方向に交差する鉛直方向に沿う車輪16の回転軸心O5を旋回軸71の軸心O1に対して車軸37の軸心O2方向に直交する水平方向にずれて配置する。そのため、車輪16を駆動しないとき、車輪16は水平方向から作用する外力により受動的に旋回することができる。即ち、台車100を自動走行及び自動操舵することができると共に、作業者が手動走行及び手動操舵することができる。
[第3実施形態]
図19は、第3実施形態の駆動輪を表す要部正面図、図20は、駆動輪を表す要部側面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態において、図19及び図20に示すように、駆動輪121は、入力部11と、旋回部12と、平歯車機構13と、出力部14(14A,14B)と、動力変換機構としての傘歯車機構15(15A,15B)と、動力伝達機構81と、車輪16とを有する。ここで、入力部11、旋回部12、平歯車機構13は、図1及び図4に示すように、第1実施形態と同様である。
第1入力軸34Aと第2入力軸34Bと旋回軸35は、軸心O1に沿う同軸上に回転自在に配置される。第1入力軸34Aは、下端部に第1駆動平歯車38Aが固定され、第2入力軸34Bは、下端部に第2駆動平歯車38Bが固定される。第1駆動平歯車38Aは、第1従動平歯車39Aに噛み合い、第2駆動平歯車38Bは、第2従動平歯車39Bに噛み合う。第2駆動平歯車38Bと第1駆動平歯車38Aは、上下に積層されて軸心O1を中心として回転する。第1従動平歯車39Aは、第1出力軸40Aの上部に固定され、第1出力軸40Aは、旋回軸71に軸心O3を中心として回転自在に支持される。第2従動平歯車39Bは、第2出力軸40Bの上部に固定され、第2出力軸40Bは、旋回軸71に軸心O4を中心として回転自在に支持される。
第1出力軸40Aは、下部に第1駆動傘歯車41Aが固定され、第2出力軸40Bは、下部に第2駆動傘歯車41Bが固定される。第1駆動傘歯車41Aに噛み合う第1従動傘歯車42Aと第2駆動傘歯車41Bに噛み合う第2従動傘歯車42Bは、連結軸91に固定される。連結軸91は、軸心O1に直交すると共に軸心O2に平行をなす。第1傘歯車機構15Aと車軸37の一端部との間に第1動力伝達機構81Aが設けられ、第2傘歯車機構15Bと車軸37の他端部との間に第2動力伝達機構81Bが設けられる。
傘歯車機構15は、第1動力変換機構としての第1傘歯車機構15Aと第2動力変換機構としての第2傘歯車機構15Bを有し、第1傘歯車機構15Aは、第1駆動傘歯車41A、第1従動傘歯車42Aにより構成され、第2傘歯車機構15Bは、第2駆動傘歯車41B、第2従動傘歯車42Bにより構成される。なお、第1実施形態で説明したように、第1動力変換機構は、第1傘歯車機構15Aに替えて、第1はすば歯車機構17A、第1ウォーム歯車機構18A、第1冠歯車機構19A、第1自在継手機構20Aを適用でき、第2動力変換機構は、第2傘歯車機構15Bに替えて、第2はすば歯車機構17B、第2ウォーム歯車機構18B、第2冠歯車機構19B、第2自在継手機構20Bを適用できる。
即ち、連結軸91は、軸心O6方向の一端部に第1駆動プーリ92Aが固定され、軸心O6方向の他端部に第2駆動プーリ92Bが固定される。また、車軸37は、軸心O2方向の一端部に第1従動プーリ93Aが固定され、軸心O2方向の他端部に第2従動プーリ93Bが固定される。そして、第1駆動プーリ92Aと第1従動プーリ93Aとの間に無端の第1駆動ベルト94Aが掛け回され、第2駆動プーリ92Bと第2従動プーリ93Bとの間に無端の第2駆動ベルト94Bが掛け回される。ここで、第1動力伝達機構81Aは、第1駆動プーリ92Aと第1従動プーリ93Aと第1駆動ベルト94Aにより構成され、第2動力伝達機構81Bは、第2駆動プーリ92Bと第2従動プーリ93Bと第2駆動ベルト94Bにより構成される。
そのため、第1入力軸34Aを回転すると、第1駆動平歯車38Aが回転し、第1従動平歯車39Aが回転する。第1従動平歯車39Aが回転すると、第1出力軸40Aと共に第1駆動傘歯車41Aが回転する。すると、第1駆動傘歯車41Aに噛み合う第1従動傘歯車42Aが回転し、連結軸91が回転する。連結軸91の回転力は、第1駆動プーリ92A、第1駆動ベルト94A、第1従動プーリ93Aを介して車軸37に伝達され、車軸37が回転する。一方、第2入力軸34Bを第1入力軸34Aと逆方向に回転すると、第2駆動平歯車38Bが回転し、第2従動平歯車39Bが回転する。第2従動平歯車39Bが回転すると、第2出力軸40Bと共に第2駆動傘歯車41Bが回転する。すると、第2駆動傘歯車41Bに噛み合う第2従動傘歯車42Bが回転し、連結軸91が回転する。連結軸91の回転力は、第2駆動プーリ92B、第2駆動ベルト94B、第2従動プーリ93Bを介して車軸37に伝達され、車軸37が回転する。
第2実施形態の駆動輪121は、モータ30により第1回転筒32Aと第2回転筒32Bを介して第1入力軸34Aと第2入力軸34Bを回転することで車輪16の回転と操舵を行うことができる。即ち、第1入力軸34Aを回転し、第2入力軸34Bを第1入力軸34Aと逆方向に回転すると共に、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bの回転数(回転速度)を同じにすることで、車輪16を操舵せずに回転することができる。このとき、第1入力軸34Aと第2入力軸34Bの回転数(回転速度)を異ならせることで、車輪16を回転または停止した状態で操舵することができる。
なお、駆動輪121の回転と操舵の作動は、第1実施形態の駆動輪103とほぼ同様であることから、説明は省略する。
このように第3実施形態の駆動輪にあっては、第1傘歯車機構15Aと車軸37の一端部との間に第1動力伝達機構81Aを設け、第2傘歯車機構15Bと車軸37の他端部との間に第2動力伝達機構81Bを設けている。従って、傘歯車機構15A,15Bの駆動力を動力伝達機構81A,81Bにより容易に車軸37に伝達することができる。