JP7194279B2 - 遠心機 - Google Patents

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Description

本発明は、遠心力を利用して、血球等の生体細胞の洗浄を自動で行う遠心機に関し、特に上澄液排出工程で多数の試験管から排出された上澄液の残量(デカント残量)を精度良く調整可能としたものである。
従来の細胞洗浄遠心機においては、上澄液排出工程において磁気装置により試験管ホルダを吸着させて、試験管をほぼ鉛直方向に保持したまま回転させ、遠心力によって試験管内の上澄み液を排出させる。このような上澄み液を排出させる細胞洗浄遠心機として特許文献1の技術が知られている。特許文献1では、ロータ上に円形列に回動自在に装着され、かつロータの回転による遠心力によって円形列の外側水平方向に回動する複数の試験管ホルダと、ロータの内側に装着される複数の試験管内に洗浄液を供給する洗浄液分配素子と、磁気コイルへの通電に基づいて発生する磁気吸引力によって試験管ホルダを垂直または垂直に近い角度に吸着する磁気素子(保持手段)とを備えている。洗浄液の分配素子は、内面が円錐形状容器の底面外周から放射状に設置されたノズル(洗浄液注入口)を有し、ロータと共に回転する洗浄液分配素子の中央から遠心力で注入された洗浄液を等分に分配し、ノズルより試験管ホルダによって保持された多数の試験管内に洗浄液を供給する。細胞洗浄遠心機の、洗浄液注入工程、遠心工程、上澄液排出工程、および揺動工程を含む洗浄プロセスは、順次、自動的に実行される。このうち上澄液排出工程では、ロータに試験管ホルダを磁気素子によって垂直方向より小さな角度で外向きに傾いた状態に保持し、ロータを低速の一定速度で回転させることによって、遠心力により試験管の上部開口から洗浄液の上澄液を排出させる。
特開2009-2777号公報
従来の細胞洗浄遠心機の上澄液排出工程においては、試験管ホルダを吸着させて試験管をほぼ垂直状態に保持してロータを加速して整定させる際の遠心力によって試験管内の上澄液を排出するため、上澄液の排出量は、ロータの整定時の回転速度と加速時間を含めた遠心時間で決定される。このように従来の上澄液排出制御ではモータの回転速度制御に大きく依存するため、整定時の回転速度をオーバーシュートさせない等の高精度なモータ制御技術が必要となる。また、上澄液排出工程の完了後に、ユーザの希望する量の洗浄液を試験管内に残すこと、つまり上澄液の排出量の細かい制御は困難であった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、上澄液の排出量を精度良く制御できる遠心機を提供することにある。本発明の他の目的は、上澄液排出工程を、試験管ホルダを吸着状態で実行する第一のデカント運転と、ロータの回転中に保持手段による試験管ホルダの吸着状態を解除して、試験管ホルダをスイングさせるようにした第二のデカント運転とで実行するようにした遠心機を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、上澄液排出工程の途中(ロータの回転途中)で試験管ホルダの吸着解除を行うタイミングを移動可能として試験管内に残る洗浄液の量を調整可能にした遠心機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的な特徴を説明すれば次のとおりである。本発明の一つの特徴によれば、モータと、モータの駆動軸に装着されるロータと、ロータの周方向に並んで配置されロータの回転による遠心力によって径方向に回動可能(揺動可能)な複数の試験管ホルダと、ロータに保持されて試験管ホルダに保持される複数の試験管内に洗浄液を供給する洗浄液分配素子と、試験管ホルダの回動を阻止する保持手段と、モータの回転と保持手段の動作を制御する制御装置と、を有する細胞洗浄用の遠心機において、制御装置は、ロータの回転中に洗浄液分配素子により洗浄液を試験管へ注入する洗浄液注入工程と、ロータの回転による遠心力によって試験管ホルダを回動させる遠心工程と、試験管ホルダを保持手段によって保持した状態でロータを回転させて試験管から洗浄液の上澄液を排出する上澄液排出工程を実行する。この上澄液排出工程において、ロータの回転中、特に加速時において保持手段による試験管ホルダの保持状態を解除することによって、試験管ホルダを固定状態からスイングさせるようにして、上澄液の排出を途中で停止できるようにした。このように本発明では、試験管内に残留する上澄液の量を、試験管ホルダを保持状態から解除するタイミングによって調整することができる。
本発明の他の特徴によれば、上澄液排出工程には、ロータの“加速-整定-減速”の制御を含み、さらに、ロータの加速中に保持手段による試験管ホルダの保持を解除した際には、その後にロータの回転を整定させずに減速させるように制御する。ロータの加速中に試験管ホルダの保持を解除する際には、試験管ホルダの保持を解除する時のロータの回転速度によって試験管に残存する洗浄液の量が調整できる。この構成によって、試験管ホルダの保持を解除するタイミングを前後に変更させることによって、洗浄液の残存量をユーザの希望の量に調整可能である。保持手段は電磁石を含んで構成され、制御装置は、磁性体を含んで構成された試験管ホルダを電磁石によって吸着させることによって試験管ホルダを固定(スイング阻止)する。この構成により、制御装置からの電気的な信号によって容易に試験管ホルダの吸着又は解除を制御できる。さらに、ロータには、遠心時における試験管ホルダの駆動軸に対する揺動角を制限するストッパを形成し、遠心分離運転時の最大揺動角が一定になるようにした。
本発明のさらに他の特徴によれば、モータによって回転されるロータと、ロータの回転中に洗浄液をロータに装着された試験管内へ注入する洗浄液分配素子と、ロータに対する試験管の揺動角を切り替え可能とした揺動角変更手段と、モータの回転と洗浄液の注入と揺動角の変更を制御する制御装置を有する遠心機において、制御装置は2種類のデカント運転を実行する。第一のデカント運転は、試験管の揺動角度を制限した状態で、ロータを“加速-整定-減速”の順に回転させて試験管から洗浄液の上澄液を排出させる。第二のデカント運転は、ロータを加速させて、加速の途中に揺動角の制限を解除してからロータを減速させる。つまり第二のデカント運転ではロータの“整定”運転が含まれない。第二のデカント運転後に試験管内に残す洗浄液の量は、ロータの加速時における揺動角の切り替えタイミングによって容易に調整するが可能となる。第二のデカント運転は、第一のデカント運転よりも後工程で実行されるものであって、好ましくは最後のデカント運転として実行されると良い。さらに、第二のデカント運転時における揺動角の切り替えタイミングを、ユーザによってあらかじめ設定可能としたので、ユーザは試験管内に残留する洗浄液の量を任意に設定することが可能となった。
本発明によれば、上澄液排出工程における試験管ホルダの吸着解除のタイミング、即ち解除する時の回転速度を調整することによって、試験管にから排出する上澄液の量(デカント量)の制御を実現できる。特に、ロータの回転加速中に試験管ホルダを揺動(スイング)させることで、従来のような整定時の回転速度と時間に依存したデカント量の調整とは異なるので、制御装置10によってデカント量を精度良く調整することが可能となった。さらに従来の制御ではデカント後の上澄液の残量を精度良く残せるのは少量(1mL未満)のみであったが、この方法では吸着解除のタイミングを自由に変更することによって、デカント後の上澄液の残量を多量(1mL以上)でも精度良く残せることが可能となった。
本発明に係る遠心機1の全体構成を示す縦断面図である。 図1のロータ20の部分縦断面図であって、(A)は試験管ホルダ31のスイングが制限されている状態であり、(B)は試験管ホルダ31のスイングが許容され、矢印35の方向にスイングしている状態である。 試験管40を装着した状態の試験管ホルダ31の、(A)部分上面図と、(B)部分側面図である(静止状態)。 洗浄サイクルにおけるロータ20の回転速度を示すタイムチャートである。 洗浄サイクルにおける各プロセスと試験管40の状態を示す図である。 本実施例の遠心機による輸血検査等を行う際の生体細胞洗浄プロセス実行時の、ロータ20の回転状態を示すタイムチャートである。 図6の丸3-2に示す上澄液排出工程部分(時刻t13~t15部分)を抜粋した図である。 本実施例の輸血検査等を行う際の生体細胞洗浄プロセスの全体手順を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
図1は本発明に係る遠心機1の全体構成を示す縦断面図である。細胞洗浄用の遠心機1は、上面から見た断面形状が四角形を有する筐体(フレーム)2と、筐体2の上部を開閉するドア6と、この筐体2内に配置されたチャンバ3を有し、チャンバ3の内部(ロータ室4)でロータ20を回転させる。筐体2は複数の脚部5を有し、床等に設置される。ドア6は後方側に設けた蝶番6aを中心にして、前方側が上下方向に揺動可能な開閉式である。チャンバ3の下側には、駆動軸9を有するモータ8が配置され、ロータ20は駆動軸9の上端に装着される。モータ8は、例えばブラシレスモータより成り、その回転数(回転速度)は制御装置10によって制御できる。モータ8を筐体2のベース部2aに固定するために、円柱状の支柱(ポール)13が設けられ、モータ8と支柱13の間にはロータ20やモータ8の振動を低減されるためのゴム製のダンパ14が配置される。筐体2の前側側面には、タッチ式の液晶表示パネル等により構成される操作表示パネル12が設けられる。操作表示パネル12は、ユーザからの情報の入力手段であり、また、制御装置10からの情報の表示手段である。
ロータ20は細胞洗浄を行うための専用のロータであり、上面から見て周方向に等間隔で並べて配置された複数(例えば、24個)の試験管ホルダ31を有する。試験管ホルダ31は、内周側側面をロータ20のロータプレート22(符号は図2を参照)によって軸支されることによって、遠心方向(径方向)にスイング(回動)自在に保持される。試験管ホルダ31は磁性体部材より構成され、試験管40(図2を参照)を上から下方向に挿入するようにして保持する。図示しない各試験管40の内部には、予め赤血球等の生体細胞が入った試料(液体)が入れられ、遠心分離運転の開始前に、試料を入れた試験管40がオペレーターの手によって試験管ホルダ31のそれぞれにセットされる。
ロータ20は、試験管ホルダ31の長手方向中心軸を垂直または垂直に近い小さい揺動角度に保持するための保持手段27を備える。保持手段27は、磁力によって金属製の試験管ホルダ31を吸着することによってスイングできないような状態を維持するもので、電磁石等の磁気素子を用いる。保持手段27は、試験管ホルダ31の吸着状態(固定状態又はスイング不能状態)と、解放状態(スイング可能状態)を電気的に切り替えることができる。試験管ホルダ31が吸着状態の時は、いわゆる負のスイング角を有するアングルロータとして機能し、試験管ホルダ31が解放状態の時は、いわゆるスイングロータとして機能する。解放状態時の試験管のスイング角θは、図2にて後述するように約45度である。
細胞洗浄用のロータ20は、駆動軸9に対して着脱可能である。従って、駆動軸9には回転中に洗浄液を供給できない通常のアングルロータや、スイングロータを装着することも可能である。駆動軸9に本実施例のような細胞洗浄用のロータ20を装着する場合は、ロータ20の上部に洗浄液分配素子25を取り付け、ドア6内に設けられた洗浄液供給管18を用いてロータ20の回転時(スイング時)に図2で後述する試験管40内に洗浄液等の液体を供給する。洗浄液分配素子25は、円形列の試験管ホルダ31を搭載するロータ20と一体に回転するようにロータ20上に設置され、洗浄液分配素子25およびロータ20は一体となって回転する。
洗浄液分配素子25の上部には、回転軸線A1上に洗浄液供給管18の出口となるノズル19が配置され、ノズル19から落下する液体が、洗浄液分配素子25の上側に位置する洗浄液流入口25aに流入する。洗浄液流入口25aは、上部の回転軸線A1上に洗浄液流入口25aを有し、円錐状の内部空間を有する洗浄液通路25bに接続される空間を形成する。洗浄液通路25bの外縁部は、周方向に分割されるものであって、径方向に延在する複数の洗浄液注入口25c(後述する図3(A)も参照)が形成される。
洗浄液分配素子25に洗浄液を供給する洗浄液供給管18の外側の端部(ノズル19から離れた端部)には、図示しないポンプが結合される。制御装置10によってポンプの動作電源をオン(ON)させることにより、図示しない外部の洗浄液タンクから、洗浄液17を、洗浄液供給管18を通して遠心機1の上部に位置するノズル19に供給できる。後述する洗浄液注入工程では、ノズル19から下方に噴出した洗浄液は、ロータ20と一体で高速回転する洗浄液分配素子25の中央部内に入り、洗浄液分配素子25内の遠心力により外周に分流され、試験管ホルダ31に保持された試験管40と同数(24本)の各流路に分岐され、洗浄液分配素子25の洗浄液注入口25cから勢い良く各試験管40内に注入される。
ロータ20の下部には、ボウル状の底面部23が形成される。底面部23は試験管40に入らずにこぼれた洗浄液を受け止めるための容器であり、また、試験管ホルダ31のスイング角を制限するためのストッパの役割を果たす。つまり、試験管を保持する試験管ホルダ31は、ロータ20の円周の放射水平方向に回動し、試験管ホルダ31の下部(後述する保持底部31c)が底面部23の外縁部に当たるまで傾き、その当たった状態にて試験管40内の血球などの試料を遠心分離する。
ロータ20を回転させた状態で洗浄液を注入し、また、試験管40の内部から余剰の洗浄液を排出されるため、チャンバ3の底面部にはこぼれた洗浄液がたまる。そのため、チャンバ3の底面の一部にドレンホース7が接続され、その排出口7aは筐体2の外側に至るように配置される。ユーザは排出口7aの先にホース等を用いて余剰の洗浄液(廃液)を回収又は廃棄する。
図2は図1のロータ20の部分縦断面図であって、(A)は試験管ホルダ31のスイングが保持手段27によって制限されている状態であり、(B)は試験管ホルダ31のスイングが許容されている状態である。ここでは図1と違って試験管40を試験管ホルダ31に装着した状態を図示している。図2(A)、(B)共にロータ20の回転時の状態を示しているが、図2(A)の状態は、試験管ホルダ31に加わる遠心力よりも保持手段27が発生する吸着力(磁力)が強いため、試験管ホルダ31がほぼ垂直状態を維持している。一方、図2(B)の状態は、保持手段27による吸着を遮断したあとであって、吸着力(磁力)が作用しないため、遠心力によって試験管ホルダ31が矢印35の方向にスイングしている。
試験管ホルダ31はガラス又は合成樹脂製の試験管40を停止時及び遠心分離運転時に落ちないように保持する部材である。試験管ホルダ31は磁性体材料、例えばSUS430材による磁石に吸着されるステンレス合金によって製造され、その長手方向の途中には、保持挿入部31a、31bが形成され、長手方向下側端部が試験管40の底部を支持する保持底部31cが形成される。保持挿入部31a、31bは、金属板の一部をリング状に曲げて形成された部分であり、保持底部31cはプレス加工で切り抜かれた金属板の一部を径方向外側に曲げることによって試験管40の底部を保持する部分である。各々の試験管ホルダ31は、回動軸30によってスイング可能な状態で円形保持部(ロータプレート22)の外周縁に保持される。回動軸30にはねじりバネ32が設けられ、遠心力による外力が試験管ホルダ31に加わっていないときに、試験管ホルダ31が(A)に示す位置に移動するように、即ち、保持手段27に当接する方向に付勢する。
保持手段27は、電力によって磁気を発生させる磁気素子(電磁石)を含んで構成される。保持手段27は、円盤状の上部磁性体部材27aと下部磁性体部材27bを備え、さらに、これら上部磁性体部材27aと下部磁性体部材27bとによって挟み込まれるように設置された絶縁導線のリング状コイル(磁気コイル)27cによって構成される。保持手段27はロータ20に固定されるため、ロータ20と共に回転することになる。また、ロータ20を駆動軸9から取り外すと、保持手段27も一緒に取り外すことになる。保持手段27の磁気コイル27cへの配線は、スリップリング16によってチャンバ3の底面側から行われ、ロータ20の停止中だけでなく回転中においても磁気コイル27cへの電流の供給が可能である。この電流の供給のオン又はオフは、マイコンを有する制御装置10によって制御される。磁気コイル27cに電流を通電すると上部磁性体部材27aと下部磁性体部材27bを通る強い磁力を発生させることができる。試験管ホルダ31は磁性体で構成されるので、上部磁性体部材27aと下部磁性体部材27bと共に磁気回路を形成する。すなわち、磁気コイル27cに電流を通電することによって、保持手段27(磁性体部材27a及び27b)はひとつの磁石として作用し、磁性体材料から成る試験管ホルダ31を吸着する。
上部磁性体部材27aの外径は、下部磁性体部材27bに比べ大きい外径を持つ。これによって、上部磁性体部材27aおよび27bの吸着面は、試験管40が鉛直線(ロータ回転軸線A1と完全な平行)に対して、底部側が内側にやや傾いた状態、換言すれば上部開口が径方向外側にわずかに傾いた状態(揺動角θ=-7度程度)にて試験管ホルダ31を保持することができる。下部磁性体部材27bの底面には、ラビリンス部29が形成され、軸受15とロータ室4の間の空気の流通を制限する。
図2(B)は、ロータ20が高速回転数にて回転中の状態であり、この状態では遠心力によって試験管40を保持する試験管ホルダ31が、ねじりバネ32の付勢力に抗して回動軸30を中心に矢印35の方向にスイング(揺動)する。スイング角θの最大値は、試験管ホルダ31の保持底部31cがカップ状の底面部23の外周部に当接することによって制限される。つまり、底面部23の内側外縁壁23aが試験管ホルダ31のスイング状態のストッパとして機能する。このスイングにあたり、リング状コイル27cには通電されていない。図2(B)のように試験管ホルダ31が大きくスイングすると、試験管ホルダ31の保持底部31cがゴム製の内側外縁壁(ストッパ面)23aに当接することによってスイング量が制限される。ここでは揺動角θが45度程度であり、この状態にて遠心分離運転が行われる。
このようなスイング可能なロータ20を用いて洗浄液注入工程を実施すると、試験管ホルダ31は、ロータ20の回転による遠心力で円形列の外側水平方向に回動する。図2(B)のような回動状態では、試験管40の開口が回転軸線A1側に向くため、洗浄液分配素子25の洗浄液注入口25c(共に図1参照)から洗浄液が試験管40内に注入可能である。洗浄液注入工程後の上澄液排出工程では、図2(A)に示すように試験管ホルダ31を保持手段27によってほぼ垂直状態に固定させてロータ20を回転させることで、余剰の上澄液17aを試験管40から外部に排出させることができる。
図3は試験管40を装着した状態の試験管ホルダ31の、(A)部分上面図と、(B)部分側面図であり、ロータ20の静止時、又は、試験管ホルダ31のスイングが阻止された状態での回転中を示す。図3(A)に示すように、試験管ホルダ31は回転方向に等間隔で複数本並べて配置される。試験管ホルダ31にはそれぞれガラス又は合成樹脂製の試験管40が装着される。試験管ホルダ31のスイングが阻止された状態、即ち、保持手段27によって試験管ホルダ31が吸着されている状態では、試験管40の開口がロータ20の回転軸線A1側にわずかに傾いた状態とされる。試験管40の開口よりも内周側には、洗浄液分配素子25が設けられ、洗浄液通路25bから複数の洗浄液注入口25cに至る通路が形成される。洗浄液注入口25cはそれぞれの試験管40に対応して配置される。洗浄液注入口25cと試験管40の開口は、径方向に距離をおいて配置されるが、これはロータ20の固定された低速回転時に洗浄液注入口25cから排出される洗浄液が、遠心力と重力によって試験管40の開口に注入されるような位置関係としたためである。
図3(B)は1つの試験管40と試験管ホルダ31の側面図である。試験管ホルダ31は、保持する試験管40が遠心運転時に外れないように、その底部を保持底部31cによって固定し、試験管40の軸方向のほぼ中央よりもやや上側にリング状の保持挿入部31aが形成され、リング状の保持挿入部31aと保持底部31cの間にはリング状の保持挿入部31bが形成される。保持挿入部31a、31bと保持底部31cは、磁性体金属の一体品で形成される。ここで中心軸B1は、側面視においてロータ20の回転軸線A1に沿う垂直線方向と一致するように保持される。主軸部21の下側には、保持手段27の下部磁性体部材27bが位置する。尚、図3ではよく見えないが、保持挿入部31aの内周側には上部磁性体部材27aに接する。
次に図4及び図5を用いて洗浄サイクルの実行手順を説明する。図4は洗浄サイクルにおけるロータ20の回転速度を示すタイムチャートである。図5は洗浄サイクルにおける各プロセスと試験管40の状態を示す図である。最初に時刻0~時刻tでモータ8を起動してロータ20を遠心分離回転速度Rにまで加速させる。この際の試験管ホルダ31のスイングは可能の状態、即ち、保持手段27(図2参照)による試験管ホルダ31の吸着が行われていない状態である。ロータ20の加速途中に矢印38aの時点で試験管ホルダ31のスイング量が最大になったら、洗浄液を洗浄液注入口25cから下方向に落下させて、洗浄液流入口25aから洗浄液分配素子25の内部に洗浄液を注入する。洗浄液分配素子25の内部に入った洗浄液は、洗浄液通路25bを通ってスイングした状態の試験管40の上側開口から、複数の試験管40の内部に供給される。この洗浄液を供給する加速区間(丸1の区間)は、図5の丸1で示す洗浄液注入工程(WASH)であり、図5の丸1の欄で示している。具体的には、洗浄液注入工程(WASH)ではロータ20の回転速度が1200rpmに達した時点で、一定量の洗浄液(例えば生理食塩水)が図示しないポンプにより洗浄液分配素子(ディストリビュータ)25に送り込まれる。生理食塩水は洗浄液分配素子25から遠心力で勢いよく各試験管40に注入される。このとき試験管40内の血球は生理食塩水で十分に懸濁される。
加速区間の途中で洗浄液の注入が終わって、時刻tにおいてロータ20の回転速度が遠心分離運転の設定回転速度Rに到達したら、設定された時間(遠心分離運転時間=t―t)の運転を行う。ここで、試験管40の内部に注入された余剰の洗浄液は、図5の丸2の欄に示すように液面が鉛直方向に向くことにより試験管40の上側開口から外に漏れ落ちる。また、洗浄液内において試料が底部に移動する。図4の丸2の遠心工程において時刻tに到達したら、モータ8を減速してロータ20の回転を停止させる。
図4の時刻tにおいてロータ20の回転が停止したら、丸3で示す上澄液排出工程を行う。この排出工程では保持手段27(図2参照)のリング状コイル27cに通電することによって試験管ホルダ31を吸着させる。この時の試験管40の状態は、図5の丸3の上澄液排出工程(DECANT)工程に示すように揺動角がわずかにマイナスとなるように、開口部40aが外側にわずかに向くように傾け、この状態で、ロータ20を整定速度Rまで加速させ、一定時間だけ整定させて、ロータ20を減速させる。このように試験管40の揺動角をわずかにマイナス状態としてロータ20を回転させることで、上澄液は遠心力により試験管40の壁面を上昇し、外部へ排出されるため、大部分の上澄液が試験管40の外部に排出されることになる。
時刻tにおいてロータ20が停止したら、次に揺動工程を実行する。揺動工程は短時間に試験管ホルダを複数回揺動させることによって残存する洗浄液と試料を攪拌する工程(AGITATE)である。ここではロータ20の回転速度をRまで加速して、短い時間整定させてからすぐに減速し、この加速-整定-停止の小刻みに回転、停止を繰り返す運転を複数回(ここでは5回)実行する。以上、丸1から丸4までの洗浄サイクルを複数回、例えば3~4回程度繰り返し、図5に示すように最後の洗浄サイクルの揺動工程(丸4)の後に、丸5の追加の遠心工程(“遠心分離2”)を実行して終了する。丸5の工程では、数秒程度ロータ20を回転させる。
図6は本実施例の遠心機による輸血検査等行う際の生体細胞洗浄プロセス実行時の、ロータ20の回転状態(モータ8の回転状態)を示すタイムチャートであって、図4及び図5で説明した全体の運転を示したものである。この例では、3サイクル分の洗浄プロセスを行う。1~3サイクル目の、洗浄液注入工程(丸1)、遠心分離工程(丸2)、揺動工程(丸4)はそれぞれ同じ駆動パターンである。遠心分離工程での設定されるモータ8の回転速度(R)は3,000rpmで共通である。1サイクル目と2サイクル目の上澄液排出工程(丸3-1で示す第一のデカント運転)は、図4で示した通りであり、“加速-整定-減速”の運転パターンにて、定速の回転速度(R=400rpm)で回転させることにより、上澄液が排出される。ここで、上澄液排出工程(丸3-1)は従来の制御方法と同じであり、上澄液排出工程の全体にわたってリング状コイル27cを通電したままとすることにより、試験管ホルダ31を吸着した状態(図2(B)の状態)とする。一方、最後の上澄液排出工程(ここでは3サイクル目の工程であって丸3-2で示す工程)の運転方法を変更した。
3サイクル目の丸3-2に示す上澄液排出工程では、以下の4つの特徴を有する。(1)ロータ20の運転のうち整定区間を無くして、“加速-減速”だけの運転パターンとした。(2)加速の開始は、試験管ホルダ31を保持手段27に吸着された状態とし、加速の終了時(R=400rpmに到達)までの途中の段階、即ち矢印に示す解放タイミング51で、保持手段27(図2参照)による試験管ホルダ31の吸着を解除する。(3)矢印51以降は、試験管ホルダ31の内周側への固定が解放されるので、遠心力によって図2(A)で示した試験管40の位置から、図2(B)で示した試験管40の位置に、試験管ホルダ31及び試験管40が揺動する。(4)(3)の状態以降も加速を続けて、規定の回転速度、即ちR=400rpmに到達したらすぐにロータ20を減速させて回転を停止させる。
以上の制御の結果、最後の上澄液排出工程(丸3-2で示す第二のデカント運転)では、試験管40からの上澄み液の排出が、加速途中(矢印51で示すタイミング)で中断されることになる。本実施例では、この試験管ホルダ31を解放するタイミング(矢印51の回転速度)を、調整することによって上澄液排出工程(丸3-2)後に試験管40内に残る洗浄液の量を所望の量に精度良く調整できる。
図7は、図6の丸3-2に示す上澄液排出工程部分(時刻t13~t15部分)を抜粋したものである。時刻t13において試験管ホルダ31を保持手段27に吸着させた状態のままロータ20を加速させたら、時刻t14に示す所定の解放タイミング51にて保持手段27(図2参照)のリング状コイル27cへの通電を停止する。すると、電磁石として機能する保持手段27の磁力は消失するため、試験管ホルダ31の保持手段27への吸着状態が解除される。試験管ホルダ31はねじりバネ32(図2参照)により保持手段27側に付勢されているものの、ロータ20の回転時には遠心力の方がねじりバネ32の負勢力よりも十分大きいため、試験管ホルダ31は図2(B)の矢印35に示したようにスイングして、試験管ホルダ31の保持底部31cがストッパゴム24に当接する。その後、ロータ20の加速を続けて矢印53に示す回転速度R=400rpmに到達したらロータ20の減速を開始し、時刻t15にてロータ20が停止する。このように本実施例ではロータ20の加速途中(解放タイミング51)で、試験管ホルダ31の保持手段27への吸着を解除するので、その時点で試験管40内に残留する洗浄液が、そのまま試験管40の内部に残ることになる。従って、解放タイミング51を適切に設定すれば、試験管40の内部に残留する洗浄液の量を精度良く制御できる。尚、解放タイミング51で試験管ホルダ31がスイングして、その状態が落ち着いた時点、例えば解放タイミング51から一定時間が経過した矢印54のタイミングにて点線55のようにロータ20を減速させるように制御しても良い。
試験管40の内部に残留する洗浄液の量を多くしたい場合は、解放タイミング51よりも早い時点、例えばタイミング51aで試験管ホルダ31の吸着を解放すれば良いし、洗浄液の量を少なくしたい場合は、解放タイミング51よりも遅いタイミング、例えばタイミング51bで試験管ホルダ31の吸着を解放すれば良い。試験管ホルダ31の吸着解放は、リング状コイル27cへの給電を解除するだけで良いので、制御装置10により容易に制御可能である。このように、解放タイミング51をロータ20の加速途中に割り当てたので、解放タイミング51を矢印52aの方向にずらす(解放タイミングを早くする)ことで残留洗浄液の量を多くでき、逆に矢印52bの方向にずらす(解放タイミングを遅くする)ことで残留洗浄液の量を少なくできる。本実施例による残留洗浄液量の調整は、ユーザが任意に指定できるように構成することも可能である。例えば、標準的な解放タイミングを51とした場合、実際の解放タイミングを矢印52a方向に2段階設定(残量の調整レベル+1、+2)し、同様に矢印52b方向に2段階設定(残量の調整レベル-1、-2)とすれば、残留洗浄液の量を合計5段階設定できる。この5段階の設定レベルは、操作表示パネル12からユーザが設定可能に構成すれば良い。尚、解放タイミングを何段階に設定可能とするかは任意であり、段階的に設定でなくて連続可変に設定可能としても良い。
図8は本実施例の輸血検査等を行う際の生体細胞洗浄プロセスの全体手順を示すフローチャートである。先ず各サイクルの工程の実行に先立ち、ユーザは、血球等の生体細胞を入れた試験管40をロータの試験管ホルダ31にセットし、遠心分離運転の条件(設定温度、設定回転速度)等を入力する。また、洗浄液供給管18に供給する洗浄液17を準備し、それらの準備が完了したら、ユーザが操作表示パネル12に表示されるスタートアイコンを押す。すると、図8の洗浄プロセスが開始される。まず、制御装置10は、図6で示した丸1の洗浄液注入工程を実行する(図6の時刻0~t)。ここでは、ロータ20を駆動するモータ8を加速させ、その遠心力によって試験管ホルダ31の下部を径方向外側に回動させ、試験管40をほぼ垂直方向から水平方向近くまでに一定の角度に傾けた状態にする。このロータ20の加速途中において、制御装置10は図示しないポンプ動作をオン(ON)にすることにより、洗浄液供給管18に洗浄液17を供給し、ロータ20の回転と共に回転する洗浄液分配素子25を介して試験管40の内部へ洗浄液を注入する(ステップ61)。制御装置10は試験管40内に十分な量の洗浄液が注入された頃に図示しないポンプ動作をオフ(OFF)として、洗浄液の注入を停止する。洗浄液が注入された試験管40の内部では、血球等の生体細胞が洗浄液注入の勢いにより攪拌され、洗浄される。
洗浄液の注入が完了し、ロータ20が規定の遠心回転速度に到達したら、丸2の遠心工程が実行される。遠心工程では、遠心回転速度Rにて設定された時間だけ定速運転される。ここでは、例えばロータ20を3000rpmとして45秒間遠心する。これによって、血球は試験管40の底部に沈殿し、血清等の不要物質は上澄状態で残る(ステップ62)。次に、制御装置10は、実行された遠心工程が複数サイクルのうちの最終サイクルであるか否かを判定する(ステップ63)。ここで、最終サイクルではない場合、即ち図6の時刻t又は時刻tの時は、従来の遠心機と同じ“上澄液排出工程1”を実行する(ステップ64)。ここでは、磁気コイル27cへの通電をオン(ON)状態として磁界を発生させて、試験管ホルダ31を吸着してほぼ垂直状態に固定する。このように試験管ホルダ31をほぼ垂直に保持した状態で、ロータ20を加速させて、400rpm程度に整定させて、短い時間一定速度で回転させて、その後にロータ20を減速して停止させる(ステップ64)。次に、揺動工程としてロータ20の回転と停止を交互に小刻みに繰り返すか、又は正回転と逆回転を交互に小刻みに繰り返すことにより、試験管ホルダ31内の試験管40に揺動を与え、試験管40の底に沈殿して固着した血球を解し(ステップ65)、ステップ61に戻る。
ステップ63において、時刻t13の場合は3サイクルで実行される洗浄運転のうちの最終サイクルであるので、ステップ66にて本実施例による“上澄液排出工程2”を実行する。ここでは、磁気コイル27cへの通電をオン(ON)状態として磁界を発生させて、試験管ホルダ31を吸着してほぼ垂直状態に固定する。このように試験管ホルダ31をほぼ垂直に保持した状態で、ロータ20を加速させて、400rpmの規定回転に到達する途中の段階、即ち図7のタイミング51において磁気コイル27cへの通電をオフ(OFF)状態として磁界を消失させる。タイミング51の到来は、モータ8の回転速度によって制御装置10によって正確に判別可能である。図1では示していないが、遠心機1のモータ8には回転検出手段が設けられている。
ロータ20の加速中に磁気コイル27cの通電がオフになると、試験管40の下部が遠心力によって径方向外側に揺動する。このとき試験管40の上部開口面は、ロータ20の内周側に向くため上澄液の試験管40からの流出が阻止される(ステップ66)。この後、試験管40の下部がロータ20の径方向外側に揺動したまま、ロータ20の加速を続けて400rpmの規定回転に到達したら、制御装置10はロータ20を減速させる。
次に、揺動工程として制御装置10はロータ20の回転と停止を交互に小刻みに繰り返すか、又は正回転と逆回転を交互に小刻みに繰り返すことにより、試験管ホルダ31内の試験管40に揺動を与え、試験管40の底に沈殿して固着した血球を解する(ステップ67)。最後に、試験管40を取り出すときに試験管40の外壁に水滴などがついている場合があるので、その水滴を落とすために、その水滴を落とすのに十分な回転速度まで加速してからロータ20を停止させる(ステップ68)。ステップ68の加減速によって、試験管40内で沈殿した血球を底面の中央に位置づけることができ、この結果、運転終了後に試験管40から沈殿物を取り出しやすくなる。以上の工程により、輸血検査等を行う洗浄プロセスを終了する。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上述の実施例の上澄液排出工程では、加速時の途中において試験管ホルダの保持状態を解除するようにし、解除のタイミングを前後にずらすことによって残留する洗浄液の量を調整するようにした。これを、加速-整定-減速で実行される上澄液排出工程の整定時に試験管ホルダの保持状態を解除すると共に、整定時の回転速度を残留する洗浄液の量に併せて増減させるように制御しても良い。また、上述の実施例では複数のサイクルのうち最後のサイクルだけ、加速途中で試験管ホルダ31を解放するようにしたが、全サイクルの上澄液排出口工程の加速途中で試験管ホルダ31を解放するようにしても良い。
1…(細胞洗浄)遠心機、2…筐体(フレーム)、2a…ベース部、3…チャンバ、4…ロータ室、5…脚部、6…ドア、6a…蝶番、7…ドレンホース、7a…排出口、8…モータ、9…駆動軸、10…制御装置、12…操作表示パネル、13…支柱(ポール)、14…ダンパ、15…軸受、16…スリップリング、17…洗浄液、17a…上澄液、18…洗浄液供給管、19…ノズル、20…ロータ、21…主軸部、22…ロータプレート、23…底面部、23a…内側外縁壁(ストッパ面)、24…ストッパゴム、25…洗浄液分配素子、25a…洗浄液流入口、25b…洗浄液通路、25c…洗浄液注入口、27…保持手段、27a…上部磁性体部材、27b…下部磁性体部材、27c…リング状コイル(磁気コイル)、29…ラビリンス部、30…回動軸、31…試験管ホルダ、31a,31b…保持挿入部、31c…保持底部、32…ねじりバネ、35…スイング方向、40…試験管、40a…開口部、51…解放タイミング、A1…(ロータの)回転軸線、B1…(試験管の)中心軸

Claims (11)

  1. モータと、
    前記モータの駆動軸に連結され、前記モータで回転されるロータと、
    前記ロータの周方向に並んで配置され、前記ロータの回転による遠心力によって径方向に回動可能な複数の試験管ホルダと、
    前記ロータに保持され、前記試験管ホルダに保持される複数の試験管内に洗浄液を供給する洗浄液分配素子と、
    前記試験管ホルダの回動を阻止する保持手段と、
    前記モータの回転と、前記保持手段の動作を制御する制御装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記ロータの回転中に前記洗浄液分配素子により洗浄液を前記試験管へ注入する洗浄液注入工程と、前記ロータの回転による遠心力によって前記試験管ホルダを回動させる遠心工程と、前記試験管ホルダを前記保持手段によって保持した状態で前記ロータを回転させて前記試験管から前記洗浄液の上澄液を排出する上澄液排出工程と、を実行する遠心機において、
    前記上澄液排出工程において、前記ロータの回転中に、前記保持手段による前記試験管ホルダを保持状態から解除することによって前記試験管ホルダをスイングさせ、前記保持状態から解除するタイミングによって前記試験管の洗浄液の残量を調整することを特徴とする遠心機。
  2. 前記上澄液排出工程には、前記ロータの加速-整定-減速の制御を含み、
    前記ロータの加速中に前記保持手段による前記試験管ホルダの保持を解除した際には、その後にロータの回転を整定させずに減速させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の遠心機。
  3. 前記ロータの加速中に前記試験管ホルダの保持を解除する際の、前記試験管に残存する洗浄液の量は前記試験管ホルダの保持を解除する時の前記ロータの回転速度によって調整することを特徴とする請求項に記載の遠心機。
  4. 前記保持手段は電磁石を含んで構成され、前記制御装置は、磁性体を含んで構成された前記試験管ホルダを前記電磁石によって吸着させることによって前記試験管ホルダの回動を阻止することを特徴とする請求項に記載の遠心機。
  5. 前記ロータは、遠心時における前記試験管ホルダの前記駆動軸に対する揺動角を制限するストッパを有することを特徴とする請求項に記載の遠心機。
  6. 前記試験管ホルダを保持状態から解除されるのは、前記ロータが加速中であることを特徴とすることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の遠心機。
  7. モータによって回転されるロータと、前記ロータの回転中に洗浄液を前記ロータに装着された試験管内へ注入する洗浄液分配素子と、前記ロータに対する前記試験管の揺動角を切り替え可能とした揺動角変更手段と、前記モータの回転と前記洗浄液の注入と前記揺動角の変更を制御する制御装置を有する遠心機において、
    前記制御装置は、
    前記試験管の揺動角度を制限した状態で、前記ロータを加速-整定-減速の順に回転させて前記試験管から前記洗浄液の上澄液を排出させる第一のデカント運転を実行し、
    前記第一のデカント運転の後に、前記ロータを加速させて、加速途中に前記揺動角の制限を解除してから前記ロータの減速させる第二のデカント運転を実行することを特徴とする遠心機。
  8. 前記第二のデカント運転は、前記ロータの整定を含まない運転とされることを特徴とする請求項に記載の遠心機。
  9. 第二のデカント運転後に前記試験管内に残す前記洗浄液の量を、前記ロータの加速時における前記揺動角の切り替えタイミングによって調整することを特徴とする請求項に記載の遠心機。
  10. 前記第二のデカント運転時における前記揺動角の切り替えタイミングを、ユーザによってあらかじめ設定可能としたことを特徴とする請求項に記載の遠心機。
  11. モータと、
    前記モータの駆動軸に連結され、前記モータで回転されるロータと、
    前記ロータの周方向に並んで配置され、前記ロータの回転による遠心力によって径方向に回動可能な複数の試験管ホルダと、
    前記ロータに保持され、前記試験管ホルダに保持される複数の試験管内に洗浄液を供給する洗浄液分配素子と、
    前記試験管ホルダの回動を阻止する保持手段と、
    前記モータの回転と、前記保持手段の動作を制御する制御装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記ロータの回転中に前記洗浄液分配素子により洗浄液を前記試験管へ注入する洗浄液注入工程と、前記ロータの回転による遠心力によって前記試験管ホルダを回動させる遠心工程と、前記遠心工程が終了して前記ロータが停止した後に前記試験管ホルダを前記保持手段によって保持した状態で前記ロータを再び回転させて前記試験管から前記洗浄液の上澄液を排出する上澄液排出工程と、を実行する遠心機において、
    前記上澄液排出工程において、前記ロータが回転を開始してから停止するまでの回転中に、前記保持手段による前記試験管ホルダを保持状態から解除することによって前記試験管ホルダをスイングさせることを特徴とする遠心機。
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