JP7193172B2 - 床版架設機 - Google Patents
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Description
かつては、床版の設置には、クレーン車が利用されていた。高速道路の高架部では、山間部などクレーン車を建設現場に進入させるのが困難なところもある。このため、橋桁上に進入できないクレーン車に替わって、専用の床版架設機が開発されるようになってきている(例えば、特許文献1)。
図1は、本発明の実施形態による床版架設機の側面を示す図である。図1には、橋桁10の上で組み立てられた床版架設機の全体を示されている。参照番号12は、橋桁10の上にこれから取り付けられる新設床版を示している。13は、古い既設床版である。本実施形態の床版架設機は、大きく分けると、3つの部分、すなわち床版作業車14と、床版搬出入車15と、運搬台車16と、から構成されている。
既設の床版13の路面上には、狭軌軌道の内側レール17a、17bが敷設されている。この内側レール17a、17bの外側には、広軌軌道の外側レール18a、18bが平行に敷設されている。内側レール17a、1bには、床版作業車14と運搬台車16が走行するようになっている。外側レール18a、18bには、床版搬出入車15が走行する。
図1と図2において、床版作業車14は、長方体の床版作業車トラス構造20を本体としている。トラス構造20の前後左右の4箇所の端部には、シリンダ21A、21Bが前後の脚部を構成するように配置され、このシリンダ21A、21Bによって水平に支持されている。シリンダ21A、21Bのピストンロッドの先端には、内側レール17a、17bを転動する走行車輪22A、22Bが取り付けられている。トラス構造20には、後述する吊り装置40が走行するトロリーレール23a、23bが水平に担持されている。
床版搬出入車15も、床版作業車14と同様に長方体の床版搬出入車トラス構造25を本体としている。床版搬出入車トラス構造25の前後左右の4箇所の端部には、シリンダ26A、26Bが前後の脚部を構成するように配置され、このシリンダ26A、26Bによって水平に支持されている。シリンダ26A、26Bのピストンロッドの先端には、外側レール18a、18bを走行する自走式の走行車輪28A、28Bと連結されている。床版搬出入車トラス構造25には、後述する吊り装置が走行するトロリーレール30a、30bが水平に支持されている。このトロリーレール30a、30bは、連結金具31、32により床版作業車14のトロリーレール23a、23bと連続するレールになっている。
吊り装置40は、トロリーレール23a、23bとトロリーレール30a、30bに沿って走行する自走式の揚重装置である。
図3は、吊り装置40を正面から見た図である。
まず、本実施形態による床版架設機の現地での組立について説明する。
図4は、床版作業車14の搬入作業を示す図である。
図4(A)では、床版作業車14を積んだトレーラー50が道路の作業場所に停止している。ここには、内側レール17a、17bを敷設しておく。この時、床版作業車14は、トレーラー50の荷台に運搬用架台51を介して載せられている。次いで、図4(A)において、床版作業車トラス構造20を支える脚としてシリンダ21A、21Bが伸びる。
図4(B)に示されるように、シリンダ21A、21Bのピストンロッドの下端にある走行車輪22A、22Bが内側レール17a、17bに着地するので、自立させることができる。トレーラー50を退去させれば、床版作業車14を設置することができる。
図5(A)では、床版搬出入車15を積んだ別のトレーラー50が床版作業車14の後側に停車している。この時、床版搬出入車15は、トレーラー50の荷台に運搬用架台51を介して載せられている。次いで、床版搬出入車トラス構造25を支える脚としてシリンダ26A、26Bが延びると、走行車輪28A、28Bが外側レール18a、18bに着地し自立する。その後、図5(B)に示されるように、トレーラー50を退去させる。
このように、本実施形態によれば、床版架設機は、床版作業車14と床版搬出入車15に分割されているので、トレーラー50に積んで各々を搬入でき、自立できるので、クレーン車などの重機を必要としない。
図6(A)に示されるように、旋回アーム44、旋回ビーム46、吊り梁49を積んだトレーラー50、床版搬出入車15のトラス構造25の下に進入する。その後、荷台にある旋回アーム44、旋回ビーム46、吊り梁49を吊り装置40に順次取り付けていく。
その後、電動チェーンブロック42a、42bを操作して、旋回ビーム46、吊り梁49を吊り上げて、図6(B)に示されるように、トレーラー50を退去させる。
図7は、運搬台車16に新設床版12を載せて、図示しない資材ヤードから新設床版12を搬入する作業を示す図である。
まず、図7(A)において、新設床版12を積んだ運搬台車16を床版搬出入車15の下まで進入させる。そして、図7(B)において、吊り梁49を床版12に固定すれば、電動チェーンブロック42a、42bにより、新設床版12を吊り上げることができる。その後、運搬台車16は退去し、次回の新設床版12を資材ヤードに取りに行く。
新設床版12は、長尺な部材であり、橋桁10と平行な前後方向に向けて吊られて搬入される。新設床版12がこの方向を向いたままでは、新設床版12を橋桁10に設置することができない。新設床版12を90度旋回させてやらなければならない。そこで、図8(B)に示されるように、前もって、後側の脚であるシリンダ21Bのピストンロッド先端を走行車輪22Bから外し、ピストンロッドを引き込ませる。これにより、新設床版12を床版作業車14の下に引き込んでから、床版12を旋回させても、後側の脚と干渉しなくなり、旋回スペースを確保することができる。その後、回転装置45を作動させながら新設床版12を90度旋回させる。
電動チェーンブロック42a、42bにより、新設床版12を降ろせば、橋桁10上の決められた位置に新設床版12を設置することができる。この間、次の新設床版12を載せた運搬台車16は、床版搬出入車15の後に待機しており、新設床版12の設置が終了次第、床版搬出入車15に進入する。電動チェーンブロック42a、42bは、運搬台車16の上に移動し、次の新設床版12を吊って、次の設置位置まで搬送する。
この場合、隣接する次の区画まで床版作業車14を移動することになる。準備として、床版作業車トラス構造20の脚となるシリンダ21A、21Bおよび床版搬出入車トラス構造25のシリンダ26A、26Bのそれぞれにおいてピストンロッドは、引き込ませ、車高は最小高さにしておく。床版作業車14のトラス構造20を補強する筋交いとして、ターンバックル52を前後左右の走行車輪22A、22Bの間に取り付けておく。床版作業車14は、床版搬出入車15に牽引されていくので、水平方向の力がかかるからである。しかる後、床版作業車14を床版搬出入車15に牽引させて、隣りの区画まで移動させることになる。
既設床版13の撤去作業の場合、新設床版12の設置と手順が逆になる。すなわち、既設床版13の吊り上げ(図9)、既設床版13の旋回(図8)既設床版13の床版搬出入車15への搬送および搬送台車16への吊り降ろし(図7)の順で、繰り返し行われる。なお、上述の説明では、床版更新の説明として、分かりやすくなるために、新設床版12の設置を便宜的に先に説明したが、実際の作業では、既設床版13の撤去、新設床版12の設置の順に繰り返される。
Claims (6)
- 伸縮する脚によって単独で自立可能であり、橋桁上に床版を設置または撤去する作業のための床版作業車と、
伸縮する脚によって単独で自立可能であり、前記床版作業車に搬出入する床版の吊り上げ、吊り降ろし作業のための床版搬出入車と、
前記床版作業車と前記床版搬出入車とを連続するトロリーレールを走行する吊り装置と、
を備えたことを特徴とする床版架設機。 - 前記吊り装置は、前記床版を吊ったまま旋回させる回転装置を有することを特徴とする請求項1に記載の床版架設機。
- 前記床版作業車の後側の脚は、前記脚を引き込むことにより、前記床版の旋回スペースを確保することを特徴とする請求項2に記載の床版架設機。
- 前記床版搬出入車の脚は、自走式の走行装置に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の床版架設機。
- 前記床版作業車は狭軌軌道を走行し、前記床版搬出入車は、前記狭軌軌道の外側の広軌軌道を走行することを特徴とする請求項4に記載の床版架設機。
- 前記狭軌軌道には、前記床版搬出入車に床版を搬出入する自走式の搬送台車が走行することを特徴とする請求項5に記載の床版架設機。
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