JP7192781B2 - 積層フィルム、バリア性積層フィルム及び該バリア性積層フィルムを用いたガスバリア性包装材料、ガスバリア性包装体 - Google Patents
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Description
そのため、プラスチック基材と、酸化ケイ素蒸着膜あるいは酸化アルミニウム蒸着膜等の蒸着膜との層間において、高温多湿の厳しい環境下等において、しばしば層間剥離現象が生じ、更に、クラックやピンホ-ル等も発生する。
その結果、本来のバリア性能を著しく棄損し、そのバリア性能を保持することが極めて困難であるという問題がある。
また、上記プラズマ処理は空気中で発生させたプラズマ雰囲気下をフィルムが通過するだけであることから基材と蒸着膜間で十分な高温多湿の厳しい環境下等における密着性が得られていないのが実情である。
前記プラズマRIE法は、基材の表面に官能基を持たせるなどの化学的効果と、表面をイオンエッチングして不純物等を飛ばし平滑化するという物理的効果の、2つの効果を同時に得ることで密着性を発現するものである。
しかし、RIE法では、プラスチック基材上に官能基を持たせるため、界面での加水分解等を生じる耐水、耐熱水性が依然として不十分である。また、RIE法で十分な密着性を得るためには、一定値以上のEd値(=プラズマ密度×処理時間)が必要である。
同法で一定値以上のEd値を得るためにはプラズマ密度を高くする方法と、処理時間を長くする方法が考えられるが、プラズマ密度を高くする場合は、高出力の電源が必要であり、基材のダメージが大きくなる問題があり、処理時間を長くする場合は、生産性の低下が問題となる(特許文献4、特許文献5参照)。
一方で、水酸化アルミニウムは、その化学構造によりプラスチック基材との密着性がよく、またそれ自体がネットワークを作り緻密なため、高い水蒸気バリア性を有する。しかし、レトルト処理のような強力な環境に対して、水酸化アルミニウムと基材との水素結合に基づく結合構造は微視的に崩れやすい。また、水酸化アルミニウムのネットワークに対しても、水分子と水酸化アルミニウムの粒界面の親和性から膜中に浸透しやすい。
したがって、本発明の酸化アルミニウム蒸着膜は、プラスチック基材との界面における密着性を改善できるだけでなく、バリア性能においてもレトルト処理後の耐湿熱性、耐熱水性に優れており耐レトルト性を改善できるものである。
1.プラスチック基材の表面に酸化アルミニウムを主成分とする酸化アルミニウム蒸着膜を形成したバリア性を備える積層フィルムにおいて、基材フィルム表面と形成された酸化アルミニウム蒸着膜を主体する蒸着膜との密着強度を規定する該蒸着膜の遷移領域が形成されており、該遷移領域は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al2O4Hを含み、TOF-SIMSを用いてエッチングを行うことで規定される酸化アルミニウム蒸着膜に対する、TOF-SIMSを用いて規定される該変成される遷移領域の割合により定義される遷移領域の変成率が45%以下とする、上記積層フィルム。
2.プラスチック基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、上記1に記載の積層フィルム。
3.プラスチック基材が、リサイクルポリエチレンテレフタレートフィルムを含む、上記1に記載の積層フィルム。
4.プラスチック基材が、ポリブチレンテレフタレートフィルムである、上記1に記載の積層フィルム。
5.プラスチック基材が、バイオマス由来のポリエステルフィルムである、上記1に記載の積層フィルム。
6.プラスチック基材が、高スティフネスポリエステルフィルムである、上記1に記載の積層フィルム。
7.プラスチック基材表面が酸素プラズマ処理面である、上記1~6のいずれかに記載の積層フィルム。
8.酸素プラズマ処理面にインラインで酸化アルミニウム蒸着膜が積層された、上記7に記載の積層フィルム。
9.上記1~8のいずれかに記載の積層フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜表面上にバリア性被覆層が積層されてなる、バリア性積層フィルム。
10.バリア性被覆層が、金属アルコキシドと水溶性高分子の混合溶液を塗布し、加熱乾燥してなる層である、上記9に記載のバリア性積層フィルム。
11.バリア性被覆層が、金属アルコキシドとシランカップリング剤と水溶性高分子の混合溶液を塗布し、加熱乾燥してなる層である、上記9に記載のバリア性積層フィルム。
12.上記9~11のいずれかに記載のバリア性積層フィルムにヒートシール性を有する熱可塑性樹脂が積層されてなる、ガスバリア性包装材料。
13.レトルト殺菌用包装に用いられる、上記12に記載のガスバリア性包装材料。
14.上記12または13に記載のガスバリア性包装材料から作製された、ガスバリア性包装体。
本発明のバリア性積層フィルムは、プラスチック基材と酸化アルミニウム蒸着膜との界面における密着強度が、ハイレトルト処理、セミレトルト処理後においても、2.1N/15mm以上で、かつ、ハイレトルト処理、セミレトルト後の酸素透過度、水蒸気透過度が、それぞれ、0.2cc/m2・24hr以下、0.9g/m2・24hr以下のバリア性能を有し、耐レトルト性に優れている。
図1aは、本発明の積層フィルムの一例を示す断面図であり、図1bは、該積層フィルムを含み、表面にバリア性被覆層を積層したバリア性積層フィルムの一例を示す断面図であり、図1cは基材層が多層で構成されている積層フィルムの一例を示す断面図であり、図2は、本発明のバリア性を有する積層フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜を成膜するに好適なローラー式連続蒸着成膜装置の構成を模式的に示す図である。なお、バリア性被覆層を積層したバリア性積層フィルムを形成するために、バリアコート剤塗布装置が蒸着膜成膜装置に連続して配置されるが、公知のローラー塗布装置を連設するものであり、ここでは図示するのを省略した。
ポリブチレンテレフタレートフィルムは、熱変形温度が高く、機械的強度、電気的特性にすぐれ、成型加工性も良いことなどから、食品などの内容物を収容する包装袋に用いると、レトルト処理を施す際に包装袋が変形したり、その強度が低下したりすることを抑制することができる。
また、ポリブチレンテレフタレートフィルムは、高温高湿度環境下で加水分解するためレトルト処理後の密着強度、バリア性の低下がみられるが、ナイロンに比べて水分を吸収しにくいという特性を有する。このため、ポリブチレンテレフタレートフィルムを包装用材料の外面に配置した場合であっても、包装袋の包装用材料間のラミネート強度が低下してしまうことを抑制することができる。このような性質を持つので、ポリブチレンテレフタレートフィルムをレトルト包装袋に用いると、従来のポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロンフィルムの貼り合せ包装材に置き換えることができることから、好ましく用いられる。
主たる構成成分として用いるPBTは、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸が90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは98モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。グリコール成分として1,4-ブタンジオールが90モル%以上であることが好ましく、より好ましくは95モル%以上であり、さらに好ましくは97モル%以上である。
バイオマス由来のポリエステルフィルムは、ジオール単位とジカルボン酸単位とからなるポリエステルを主成分として含んでなる樹脂組成物からなり、前記樹脂組成物が、ジオール単位がバイオマス由来のエチレングリコールであり、ジカルボン酸単位が化石燃料由来のジカルボン酸であるポリエステルを、樹脂組成物全体に対して、50~95質量%、好ましくは50~90質量%含んでなるものである。
Pbio(%)=P14C/105.5×100
ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエステル中のバイオマス由来の炭素の含有量Pbioは20%となる。本発明においては、樹脂組成物中の全炭素に対して、放射性炭素(14C)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量が、10~19%であることが好ましい。樹脂組成物中のバイオマス由来の炭素含有量が10%未満であると、カーボンオフセット材料としての効果が乏しくなる。一方、上記したように、樹脂組成物中のバイオマス由来の炭素含有量は20%に近いほど好ましいが、フィルムの製造工程上の問題や物性面から、樹脂中には上記したようなリサイクルポリエステルや添加剤を含む方が好ましいため、実際の上限は18%となる。
本発明の樹脂基材として、メカニカルリサイクルによりリサイクルされたポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエチレンテレフタレートをPETとも記す)を含むものを使用できる。
具体的には、樹脂基材は、PETボトルをメカニカルリサイクルによりリサイクルしたPETを含み、このPETは、ジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸を含む。
イソフタル酸成分の含有量が0.5モル%未満であると柔軟性が向上しない場合があり、一方、5モル%を超えるとPETの融点が下がり耐熱性が不十分となる場合がある。
また、重縮合反応は、重合触媒の存在下で行うことが好ましい。重合触媒の添加時期は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。
具体的には、固相重合は、PETをチップ化して乾燥させた後、100℃以上180℃以下の温度で1時間から8時間程度加熱してPETを予備結晶化させ、続いて、190℃以上230℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気下または減圧下において1時間~数十時間加熱することにより行われる。
ヴァージンPETとしては、上記したようなジオール成分がエチレングリコールであり、ジカルボン酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸を含むPETであってもよく、また、ジカルボン酸成分がイソフタル酸を含まないPETであってもよい。また、樹脂基材層は、PET以外のポリエステルを含んでいてもよい。例えば、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸およびイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸以外にも、脂肪族ジカルボン酸等が含まれていてもよい。
図1cに示すように、樹脂基材に上記したようなリサイクルPETを用いる場合は、第1層1a、第2層1b、および第3層1cの3層を備えた樹脂基材としてもよい。
この場合、第2層1bをリサイクルPETのみから構成される層またはリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、第1層1aおよび第3層1cは、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。
また、樹脂基材層は、図1cに示す第1層1aを設けることなく、第2層1bおよび第3層1cの2層を備えた樹脂基材層としてもよい。さらに、樹脂基材層は、図1cに示す第3層1cを設けることなく、第1層1aおよび第2層1bの2層を備えた樹脂基材層としてもよい。これらの場合においても、第2層1bをリサイクルPETのみから構成される層またはリサイクルPETとヴァージンPETとの混合層とし、第1層1aおよび第3層1cは、ヴァージンPETのみから構成される層とすることが好ましい。
高スティフネスポリエステルフィルムとは、流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)において0.0017N/15mm以上のループスティフネスを有し、且つ51質量%以上のポリエステルを含む延伸プラスチックフィルムである。
ループスティフネスとは、フィルムのこしの強さを表すパラメータである。以下、フィルムのループスティフネスの測定方法を説明する。
高スティフネスポリエステルフィルムの突き刺し強度は、好ましくは9.5N以上であり、より好ましくは10.0N以上である。
例えば、垂直方向(TD)における高スティフネスフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは2.0MPa/%以上であり、より好ましくは2.2MPa/%以上である。そして、流れ方向(MD)における高スティフネスフィルムの引張強度を引張伸度で割った値は、好ましくは1.8MPa/%以上であり、より好ましくは2.0MPa/%以上である。
高スティフネスポリエステルフィルムに用いられるポリエステルの種類としては、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
特にプラスチック基材に高スティフネスポリエステルフィルムを用いた場合には、積層フィルムの厚さと重量を小さくした上で同等以上の剛性、引張強度、突き刺し強度を有する積層フィルムを得ることができる。
(特殊酸素プラズマ前処理)
前処理ローラー20は、前処理ローラー内を循環させる温度調節媒体の温度を調整することにより、-20℃から100℃の間で、一定温度に調節することが可能であることが好ましい。
それにより、該空隙の空間にプラズマ供給ノズル22a~22cを開口させてプラズマを基材表面に向かって噴射し、該空隙内をプラズマ形成領域とし、さらに、前処理ローラー20とプラスチック基材Sの表面近傍にプラズマ密度の高い領域を形成することで、プラスチック基材Sの片面にプラズマ処理面を形成する本発明の特殊酸素プラズマ前処理が行えるように構成されている。
そのノズル開口は前処理ローラー20上のプラスチック基材Sに向けられ、プラスチック基材Sの表面全体に均一に酸素プラズマPを拡散、供給させることが可能となるように配置、構成され、プラスチック基材Sの大面積の部分に均一なプラズマ前処理が可能となる。
本発明で採用する単位面積あたりのプラズマ強度として50~8000W・sec/m2であり、50W・sec/m2以下では、プラズマ前処理の効果がみられず、また、8000W・sec/m2以上では、基材の消耗、破損着色、焼成などプラズマによる基材の劣化が起きる傾向にある。特に、本発明の酸化アルミウム蒸着膜の遷移領域の変成率とするため特殊酸素プラズマ前処理のプラズマ強度としては、100~1000W・sec/m2が好ましい。
したがって、マグネットケースと電極は電気的に絶縁されており、マグネットケースを減圧チャンバ12内に設置、固定しても電極は電気的にフローティングレベルとすることが可能である。
マグネット21は、電極兼プラズマ供給手段であるプラズマ供給ノズル22a~22cからの酸素プラズマPが基材Sに集中して適用するために設けられる。マグネット21を設けることにより、基材表面近傍での反応性が高くなり、良好なプラズマ前処理面を高速で形成することが可能となる。
特殊酸化プラズマ処理されたプラスチック基材Sは、次の成膜室12Cに導くためのガイドロール14a~14dにより基材搬送室12Aから成膜室12Cに移動し、成膜区画で酸化アルミニウム蒸着膜が形成される。
さらに、酸化アルミニウム蒸着膜は、前記アルミニウム化合物を主成分として含み、ケイ素酸化物、ケイ素窒化物、ケイ素酸化窒化物、ケイ素炭化物、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物、またはこれらの金属窒化物、炭化物及びその混合物などを含むことができる。
酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率は、バリア性を有する積層フィルムAの酸化アルミニウム蒸着膜2に対し、Cs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて、アルミニウム蒸着膜由来のイオンと、プラスチック基材に由来するイオンを測定することにより図3のようなグラフ解析図が得られるものである。
具体的には、飛行時間型二次イオン質量分析計を用いてCsにより、一定の条件で酸化アルミニウム蒸着膜の最表面からエッチングを行い、酸化アルミニウム蒸着膜とプラスチック基材との界面の元素結合及び酸化アルミニウム蒸着膜の元素結合を測定し、測定された元素および元素結合についてそれぞれのグラフを得(図3 グラフ解析図)、1)元素C6のグラフの強度が半分になる位置を、プラスチック基材と酸化アルミニウムの界面として、表面から界面までを酸化アルミニウム蒸着膜として求め、2)元素結合Al2O4Hを表すグラフにおけるピークを求め、そのピークから界面までを遷移領域とし、求め、3)(元素結合Al2O4Hのピークから界面までの遷移領域/酸化アルミニウム蒸着膜)×100(%)と遷移領域の変成率を定め、求めたものである。
従って、レトルト耐性を得るためには、基材との界面を強固に、蒸着膜を被覆することが重要である。
水酸化アルミニウムは、その化学構造によりプラスチック基材との密着性がよく、またそれ自体がネットワークを作り緻密なため、高い水蒸気バリア性を有する。しかし、レトルト処理のような強力な環境に対して、水酸化アルミと基材との水素結合に基づく結合構造は微視的に崩れやすい。また、水酸化アルミニウムのネットワークに対しても、水分子と水酸化アルミニウムの粒界面の親和性から膜中に浸透しやすい。
物理蒸着法としては、蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、クラスターイオンビーム法からなる群から選ぶことができ、化学蒸着法としては、プラズマCVD法、プラズマ重合法、熱CVD法、触媒反応型CVD法からなる群から選ぶことができる。本発明においては、物理蒸着法の蒸着法が好適である。
蒸着膜成膜手段24は抵抗加熱方式であり、アルミニウムを蒸発源としてアルミニウムの金属線材を用い、 酸素を供給ししてアルミニウム蒸気を酸化しつつ、プラスチック基材Sの表面に酸化アルミニウム蒸着膜を成膜させる。
本発明の積層フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜の表面上に積層されるバリア性被覆層は、酸化アルミニウム蒸着膜を機械的・化学的に保護するとともに、バリア性を有する積層フィルムのバリア性能を向上させるものである。以下、バリア性に優れたレトルト耐性を備えるバリア性積層フィルムを形成するためコートされるバリア性被覆層について説明する。
上記アルコキシドは、2種以上を併用してもよい
例えば、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではない。ただし、バリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが好ましい。
まず、上記金属アルコキシド、必要に応じて添加するシランカップリング剤、水溶性高分子、ゾルゲル法触媒、酸、及び溶媒としての水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等のアルコール等の有機溶媒を混合し、バリアコート剤を調製する。
次いで、酸化アルミニウム蒸着膜の上に、常法により、上記のバリアコート剤を塗布し、乾燥する。この乾燥工程によって、上記金属アルコキシド、シランカップリング剤および水溶性高分子の重縮合が更に進行し、塗膜が形成される。第一の塗膜の上に、更に上記塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗膜を形成してもよい。
さらに、20~200℃、かつプラスチック基材の融点以下の温度、好ましくは、50~180℃の範囲の温度で、3秒~10分間加熱処理する。これによって、酸化アルミニウム蒸着膜の上に、上記バリアコート剤によるバリア性被覆層を形成することができる。
本発明のバリア性積層フィルムは、熱水処理、特に高温熱水処理のレトルト処理後においても、プラスチック基材と酸化アルミニウム蒸着膜との密着性が良好で、かつガスバリア性にも優れているので、食品用のレトルト包装材、医療用の高温熱水処理包装材だけでなく、ペットフード等のレトルト処理を行う内容物の包装材として好適に使用できる。
本発明のガスバリア性包装材料は、バリア性積層フィルムに少なくとも1層のヒートシール可能な層を積層したものであって、ヒートシール可能な熱可塑性樹脂が接着層を介して、あるいは介することなく、最内層として積層され、ヒートシール性が付与されたものである。ガスバリア性包装材料としは、さらに必要に応じて、包装材料として付与したい機能、例えば、遮光性を付与するための遮光性層、装飾性、印字を付与するための印刷層、絵柄層、レーザー印刷層、臭気を吸収又は吸着する吸収性・吸着性層など各種機能層を層構成として追加し、ガスバリア性包装材料とすることもできる。
特にプラスチック基材に高スティフネスポリエステルフィルムを用いた積層フィルムから作製された包装材料の場合には、包装材料の厚さと重量を小さくした上で同等以上の剛性、引張強度、突き刺し強度を有する積層フィルムを得ることができる。
そして、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、α-オレフィン共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンープロピレン共重合体、エラストマー等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することが好ましく、中でも、食品等の内容物に接する層としては、衛生性、耐熱性、耐薬品性、保香性を有するポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することがより好ましい。
その厚さとしては3~100μm位が好ましく、15~70μm位がより好ましい。
本発明のガスバリア性包装体は、本発明のガスバリア性包装材料から作製される包装体である。
例えば、多層フィルムからなるガスバリア性包装材料のシーラント層を熱融着させるようなヒートシール加工によって、ピロー包装袋、三方シール、四方シール、ガセットタイプ等の形態のガスバリア性包装体を作製できる。また、紙を積層した積層フィルムからなるガスバリア性包装材料であれば、酒、ジュース等のゲーベルトップ型の液体紙容器包装体を作製できる。
上記各実施例又は比較例に示した条件下で製造した密着性が改善されたバリア性を備える酸化アルミニウム蒸着膜を有する積層フィルム又は該積層フィルムにバリア性被覆層を有するバリア性積層フィルムを測定用のサンプルとし、蒸着膜の遷移領域の変成率、酸素透過度、水蒸気透過度、及び密着強度について、下記の方法を用いて測定した。
本発明において、蒸着膜の遷移領域の変成率は、積層フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜表面にCs(セシウム)イオン銃により一定の速度でソフトエッチングを繰り返しながら、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いて、酸化アルミウム蒸着膜由来のイオンと、プラスチック基材に由来するイオンを測定することにより図3のグラフ解析図が得られる。ここで、グラフの縦軸の単位(intensity)は、測定されたイオンの強度、横軸の単位(cycle)は、エッチングの回数である。
上記TOF-SIMSに用いられる飛行時間型二次イオン質量分析計としてはION TOF社製、TOF.SIMS5を用い、下記測定条件で測定を行なった。
・一次イオン種類:Bi3 ++(0.2pA,100μs)
・測定面積:150×150μm2
・Et(エッチング)銃種類:Cs(1keV、60nA)
・Et(エッチング)面積:600×600μm2
・Et(エッチング)レート:3sec/Cycle
・真空引き時間:1×10-6mbar以下で15h以上
・真空引き開始後、30h以内に測定
次に、測定された元素結合Al2O4Hを表すグラフにおけるピークを求め、そのピークから界面までを遷移領域とし、求めることができる。
以上の操作を行い、酸化アルミニウム蒸着膜の遷移領域の変成率を
(元素結合Al2O4Hのピークから界面までの遷移領域/酸化アルミニウム蒸着膜)×100(%)
として求めた。
酸素透過度測定装置(モダンコントロール(MOCON)社製〔機種名:オクストラン(OX-TRAN)2/21〕)を用いて、測定のために作製したバリア性積層フィルム/接着剤/ナイロンフィルム15μm/接着剤/CPP70μmの複合積層フィルムとし、酸素供給側がバリア性積層フィルムのフィルム面となるように上記試験用サンプルをセットし、23℃、100%RH雰囲気下の測定条件で、JIS K 7126 B法に準拠して測定した。
測定サンプルとして、
1)レトルト処理前の複合積層フィルム
2)ハイレトルト処理条件:135℃、40分間の処理をした袋の状態にした複合積層フィルムの袋片面の複合積層フィルム
3)セミレトルト処理条件:121℃、40分間の処理をした袋の状態にした複合積層フィルムの袋片面の複合積層フィルム
を用いた。
水蒸気透過度測定装置(モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パーマトラン(PERMATRAN)3/33〕)を用いて、センサー側がバリア性積層フィルムのフィルム面となるように上記試験用サンプルをセットし、37.8℃、100%RH雰囲気下の測定条件で、JIS K 7126 B法に準拠し、測定した。
測定サンプルとして、
1)レトルト処理前の複合積層フィルム
2)ハイレトルト処理条件:135℃、40分間の処理をした袋の状態にした複合積層フィルムの袋片面の複合積層フィルム
3)セミレトルト処理条件:121℃、40分間の処理をした袋の状態にした複合積層フィルムの袋片面の複合積層フィルム
を用いた。
<密着強度の測定(1);ハイレトルト・セミレトルト処理前の密着強度>
バリア性積層フィルムのバリア性被覆層側に2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗工し、乾燥処理したものと、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムに2液硬化型ポリウレタン系接着剤と厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムと貼り合わせたフィルムとをドライラミネートした積層複合フィルムを作製した。
上記積層複合フィルムを48時間エージング処理した後、15mm巾の短冊状にカットしたサンプルについて、引張試験機(株式会社オリエンテック社製[機種名:テンシロン万能材料試験機])を用いてJIS K6854-2に準拠し、バリア性積層フィルム基材と酸化アルミウム蒸着膜との強度を測定した。
剥離は積層複合フィルムで密着強度が最も弱いバリア性積層フィルムのプラスチックス基材と酸化アルミニウム蒸着膜との間で生じており、上記の測定値を、バリア性積層フィルムのプラスチック基材と酸化アルミニウム蒸着膜の密着強度とした。
バリア性積層フィルムのバリア性被覆層側に2液硬化型ポリウレタン系接着剤を塗工し、乾燥処理したものと、厚さ70μmの無延伸ポリプロピレンフィルムに2液硬化型ポリウレタン系接着剤と厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムと貼り合わせたフィルムとをドライラミネートし、積層複合フィルムを作製した。
上記積層複合フィルムを用いてB5サイズに作製した四方パウチに水100mLを注入し、135℃、40分間で熱水式レトルト処理を行った。該レトルト処理後、中身の水を抜いた四方パウチから15mm巾の短冊状にカットしたサンプルを作成した。このサンプルを用いて密着強度の測定(1)と同様にして、密着強度を測定した。
密着強度の測定(2)の構成にいて、ナイロンフィルムを使わずに、ポリプロピレンフィルムの厚みを70μmにして積層複合フィルムを作製した。
上記積層複合フィルムを用いてB5サイズに作製した四方パウチに水100mLを注入し、121℃、40分間で熱水式レトルト処理を行った。該レトルト処理後、中身の水を抜いた四方パウチから15mm巾の短冊状にカットしたサンプルを作成した。このサンプルを用いて密着強度の測定(1)と同様にして、密着強度を測定した。
<酸化アルミニウム蒸着膜>
まず、基材である厚さ12μmのポリエステルフィルム(以下、PETフィルム)を巻き取ったロールを準備した。
次に、このPETフィルムの蒸着膜を設ける面に、プラズマ前処理装置を配置した前処理区画と成膜区画を隔離した連続蒸着膜成膜装置を用いて、前処理区画において下記プラズマ条件下でプラズマ供給ノズルからプラズマを導入し、搬送速度400m/minで特殊酸素プラズマ前処理を施し、連続搬送した成膜区画内で、プラズマ処理面上に下記条件において真空蒸着法の加熱手段として反応性抵抗加熱方式により、厚さ12nmの酸化アルミニウム蒸着膜をPETフィルムに形成した。
・プラズマ強度:150W・sec/m2
・プラズマ形成ガス:アルゴン1200(sccm)、酸素3000(sccm)
・磁気形成手段:1000ガウスの永久磁石
・前処理ドラム-プラズマ供給ノズル間印加電圧:340V
・前処理区画の真空度:3.8Pa
(酸化アルミニウム成膜条件)
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・波長366nmの光線透過率:92%
水385g、イソプロピルアルコール67g及び0.5N塩酸9.1gを混合し、pH2.2に調整した溶液にテトラエトキシシラン175gとグリシドキシプロピルトリメトキシシラン9.2gを10℃となるよう冷却しながら混合させて溶液Aを調製した。
ケン価度99%以上の重合度2400のポリビニルアルコール14.7g、水324g、イソプロピルアルコール17gを混合した溶液Bを調製した。
A液とB液を重量比6.5:3.5となるよう混合して得られた溶液をバリアコート剤とした。
上記のPETフィルムの酸化アルミニウム蒸着膜上に、上記で調製したバリアコート剤をスピンコート法によりコーティングした。その後、180℃で60秒間、オーブンにて加熱処理して、厚さ約400nmのバリア性被覆層を酸化アルミニウム蒸着膜上に形成して、バリア性積層フィルムを得た。
酸化アルミニウム蒸着膜厚の厚さを14nmに変更した以外は、実施例1と同じにして、バリア性積層フィルムを得た。
(酸化アルミニウム成膜条件)
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:340m/min
・波長366nmの光線透過率:92%
基材として厚さ12μmのバイオマス由来のポリエステルフィルムを使用したこと以外は、実施例1と同じにして、バリア性積層フィルムを得た。
(酸化アルミニウム成膜条件)
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・波長366nmの光線透過率:92%
基材として厚さ12μmのポリブチレンテレフタレートフィルムを使用したことと、酸化アルミニウム蒸着膜厚の厚さを10nmに変更した以外は、実施例1と同じにして、バリア性積層フィルムを得た。
(酸化アルミニウム成膜条件)
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・波長366nmの光線透過率:92%
基材として高スティフネスポリエステルフィルムの東レ株式会社製のXP-55(厚み16μm)を使用したこと以外は、実施例1と同じにして、バリア性積層フィルムを得た。
プラズマ前処理を行わなかった以外は、実施例1と同じにしてバリア性積層フィルムを得た。
まず、基材である厚さ12μmのPETフィルムを巻き取ったロールを準備した。次に、このPETフィルムの蒸着層を設ける面に、ダイレクトプラズマ方式を用いて下記の条件でプラズマ処理し、プラズマ処理したPETフィルムの巻き取りロールを得た。次に、このPETフィルムのプラズマ処理面に、反応性抵抗加熱方式により、厚さ12nmの酸化アルミニウム蒸着膜を下記の条件で形成した。
・直流プラズマ強度:150W・sec/m2
・プラズマ形成ガス:アルゴン1200(sccm)、酸素3000(sccm)
・磁気形成手段:なし
・前処理ドラム-プラズマ供給ノズル間印加電圧:なし
・真空度:8.1×10-2Pa
・搬送速度:400m/min
・波長366nmの光線透過率:92%
これらの結果に見られるように、本発明の酸化アルミニウムの遷移領域の変成率を制御した積層フィルムでは、優れたレトルト耐性を示すものが得られる。
蒸着膜とプラスチック基材間のレトルト処理前後における密着強度の劣化を改善することで、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性及び密着性を有するバリア性積層フィルムとすることができ、例えば、レトルト処理、殺菌処理等の加工に伴う処理に耐える積層材を必要とする食品、医薬品などの包装材、及び電気・電子部品の包装、保護シートなどの耐久性、バリア性を必要とする使用環境が厳しい分野の産業資材等に適用できる。
2 ………酸化アルミニウム蒸着膜
3………バリア性被覆層
A ………積層フィルム又は蒸着膜フィルム
B ………バリア性積層フィルム
P ………プラズマ
10 ………ローラー式連続蒸着膜成膜装置
12 ………減圧チャンバ
12A ………基材搬送室
12B ………プラズマ前処理室
12C ………成膜室
14a~d ………ガイドロール
18 ………原料ガス揮発供給装置
20 ………前処理ローラー
21 ………マグネット
22 ………プラズマ供給ノズル
23 ………成膜ローラー
24 ………蒸着膜成膜手段
31 ………電力供給配線
32 ………電源
35a~35c ………隔壁
Claims (14)
- プラスチック基材の表面に酸化アルミニウムを主成分とする酸化アルミニウム蒸着膜を形成したバリア性を備える積層フィルムにおいて、
該バリア性を備える積層フィルムは、プラスチック基材と、基材フィルム表面に形成された酸化アルミニウム蒸着膜を主体する蒸着膜からなり、
基材フィルム表面と形成された酸化アルミニウム蒸着膜を主体する蒸着膜との密着強度を規定する該蒸着膜の遷移領域が形成されており、
該遷移領域は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF-SIMS)を用いてエッチングを行うことで検出される水酸化アルミニウムに変成する元素結合Al2O4Hを含み、TOF-SIMSを用いてエッチングを行うことで規定される酸化アルミニウム蒸着膜に対する、TOF-SIMSを用いて規定される該変成される遷移領域の割合により定義される遷移領域の変成率が45%以下であり、
測定のために作製した、上記積層フィルム/テトラエトキシシランとグリシドキシプロピルトリメトキシシランからなる溶液Aと、ポリビニルアルコールと水とイソプロピルアルコールからなる溶液Bを、A液とB液を重量比6.5:3.5となるよう混合してなる溶液よりゾルゲル法により得られたバリア性被覆層400nm/ 接着剤/ ナイロンフィルム15μm/接着剤/ CPP70μmからなる複合積層フィルムを試験用サンプルとし、
酸素供給側がバリア性積層フィルムのフィルム面となるように該試験用サンプルをセットし、23℃、100% RH雰囲気下の測定条件で、JISK7126B法に準拠して測定した、135℃、40分間のハイレトルト熱水処理後の、酸素透過度が0.2cc/m2・24hr以下であって、
上記試験用サンプルを、センサー側がバリア性積層フィルムのフィルム面となるようにセットし、37.8℃、100%RH雰囲気下の測定条件で、JISK 7126B法に準拠し測定した、135℃、40分間のハイレトルト熱水処理後の水蒸気透過度が0.9g/m2・24hr以下である、
上記積層フィルム。 - プラスチック基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1に記載の積層フィルム。
- プラスチック基材が、リサイクルポリエチレンテレフタレートフィルムを含む、請求項1に記載の積層フィルム。
- プラスチック基材が、ポリブチレンテレフタレートフィルムである、請求項1に記載の積層フィルム。
- プラスチック基材が、バイオマス由来のポリエステルフィルムである、請求項1に記載の積層フィルム。
- プラスチック基材が、高スティフネスポリエステルフィルムであり、
該高スティフネスポリエステルフィルムは、流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)において0.0017N/15mm以上のループスティフネスを有し、且つ51質量%以上のポリエステルを含む延伸プラスチックフィルムである、
請求項1に記載の積層フィルム。 - プラスチック基材表面が酸素プラズマ処理面である、請求項1~6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
- 酸素プラズマ処理面にインラインで酸化アルミニウム蒸着膜が積層された、請求項7に記載の積層フィルム。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の積層フィルムの酸化アルミニウム蒸着膜表面上にバリア性被覆層が積層されてなる、バリア性積層フィルム。
- バリア性被覆層が、金属アルコキシドと水溶性高分子の混合溶液を塗布し、加熱乾燥してなる層である、請求項9に記載のバリア性積層フィルム。
- バリア性被覆層が、金属アルコキシドとシランカップリング剤と水溶性高分子の混合溶液を塗布し、加熱乾燥してなる層である、請求項9に記載のバリア性積層フィルム。
- 請求項9~11のいずれか1項に記載のバリア性積層フィルムにヒートシール性を有する熱可塑性樹脂が積層されてなる、ガスバリア性包装材料。
- レトルト殺菌用包装に用いられる、請求項12に記載のガスバリア性包装材料。
- 請求項12または13に記載のガスバリア性包装材料から作製された、ガスバリア性包装体。
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