JP7275650B2 - 難接着被着体用粘着剤組成物、難接着被着体用粘着剤および難接着被着体用粘着テープ - Google Patents

難接着被着体用粘着剤組成物、難接着被着体用粘着剤および難接着被着体用粘着テープ Download PDF

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Description

本発明は、難接着被着体用粘着剤組成物に関し、さらに詳しくは、高極性の被着体や低極性の被着体、ゴム系の難接着被着体、特にはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)に対する接着力が高い難接着被着体用粘着剤組成物、および、それを用いてなる難接着被着体用粘着剤および難接着被着体用粘着テープに関するものである。
従来、アクリル系樹脂を用いた粘着剤や粘着テープは、例えば、クラフトテープ、OPP(Oriented Poly Propylene)テープ、布粘着テープ等の包装用テープ、軽包装用セロハン粘着テープ、仮止め用テープ、自動車用発泡テープ、制振シート、難燃接着テープ、再剥離両面テープ、住宅用養生テープ、防音シール、カーペット固定用両面テープ、仮止め用テープ、電気絶縁用ビニルテープ、屋外防食テープ、屋内表示用テープ、スリップ防止用テープ、各種マスキングテープ、各種表面保護用テープ、気密防水用粘着テープ、医療用救急絆創膏等の貼付基材、サージカルテープ、粘着包帯、電気・電子機器用テープ、光学用両面テープ、表面保護フィルム、半導体用ダイシングテープ、熱伝導テープ、耐熱テープ、導電性テープ等として、幅広い用途に用いられている。
上記粘着剤や粘着テープに用いられるアクリル系樹脂としては、アルキル(メタ)アクリレートを主成分として共重合してなるアクリル系樹脂が一般的である。また、被着体との接着性を改善するためにカルボキシ基含有モノマーを共重合成分として用いたアクリル系樹脂が知られている。
さらに、被着体との接着性を向上させるために、カルボキシ基含有モノマーとして、特定構造のアクリル酸付加物を用いることが提案されている(例えば、特許文献1~3参照。)。
特開平2-196879号公報 特開2008-127431号公報 特開2014-40500号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、特定のアクリル酸付加物を共重合成分として比較的多く含有させることにより、極性が高い被着体、極性が低い被着体に対する接着力を向上させているが、極性の低い被着体として具体的に評価されているのはポリプロピレンであり、より粘着力を向上させるのが困難なエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の難接着被着体では評価されていない。
上記特許文献2の開示技術では、アクリル酸付加物を共重合させた、酸価1~50mgKOH/g、水酸基価10~60mgKOH/g、数平均分子量5万~50万のアクリル系樹脂と、ポリイソシアネート化合物を含む粘着剤組成物において、経時での粘・接着力保持性、耐湿熱性、耐熱性、リワーク粘着性に優れた粘着剤組成物が得られることが記載されているが、具体的にはアクリル酸付加物の含有量は共重合成分に対して1重量%と比較的少ない含有量であり、これでは接着力の向上が不充分となるものである。また、特許文献2における被着体はガラス基板等への粘着であり、難接着性の被着体とは異なるものである。
上記特許文献3の開示技術では、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシ基を有する(メタ)アクリル単量体および水酸基を有する(メタ)アクリル単量体を用いて得られたアクリル系樹脂(A)、溶媒(B)および架橋剤(C)を含有する粘着剤組成物であって、上記カルボキシ基を有する(メタ)アクリル単量体が、(メタ)アクリル酸およびカルボニル基を2~6個の範囲で有する(メタ)アクリル単量体を含有する場合に、高温環境下でも接着力や保持力の低下が少ない粘着剤が得られることが記載されているが、難接着性の被着体に対する接着力や保持力については考慮されておらず、まだまだ満足のいくものではなかった。
一般的にアクリル系樹脂を用いた粘着テープは極性の高い被着体に対しては優れた粘着性を示すが、ゴム系の難接着被着体、特にはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)のような低極性の被着体に対しては充分な粘着性を示さない。
このことから、ポリマーの屋根シート材料(例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、熱可塑性ポリオレフィンゴム、改質アスファルト等の難接着部材からなるシートおよびポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンからなるシート等)等の継ぎ目の気密・防水を目的として粘着テープを用いる場合、これらの難接着性被着体に対して、接着性が高いブチルゴムを用いた粘着テープやアスファルトを用いた粘着テープが用いられている。しかし、ブチルゴムを用いた粘着テープやアスファルトを用いた粘着テープは、耐久性や耐熱性が悪く、また、せん断力に対して弱いことや、一定の応力下におけるクリープ性(保持力)が弱くシートがずれる等の問題点がある。そして、従来のアクリル系粘着剤組成物を用いたテープは、ポリマーの屋根シート材料等の難接着性被着体に対する接着性に劣るため、ほとんど用いられることがなかった。しかし、市場からは、ポリマーの屋根シート材料等の難接着性被着体に対して、ブチルゴムを用いた粘着テープやアスファルトを用いた粘着テープと同等の接着性を有し、保持力が改善されたアクリル系粘着剤組成物を用いたテープが望まれている。
また、上記粘着テープはEPDMのような低極性の難接着被着体に対して強固に接着するとともに、テープで固定したシート等がずれないような高い保持力が求められている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、熱可塑性ポリオレフィンゴムおよび改質アスファルト等の難接着性の被着体に対して強固に接着するとともに、保持力が高い難接着被着体用粘着剤組成物、とりわけ、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)に対して有用な粘着剤組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アクリル系樹脂を用いた粘着剤組成物において、アクリル系樹脂を構成する共重合成分として、特定の末端カルボキシ基含有モノマーおよび(メタ)アクリル酸を含有する場合に、ゴム系の難接着被着体、特にはEPDMのような難接着性の被着体に対して強固に接着する粘着剤組成物となることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1)および(メタ)アクリル酸(a2)を含む共重合成分(a)を共重合してなるアクリル系樹脂(A)を含有する難接着被着体用粘着剤組成物を第1の要旨とするものである。
〔式〕 CH2=CR1-CO-O-(R2-COO-)nH ・・・(1)
(ここで、R1は水素またはメチル基、R2は飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、飽和脂環族、または2価の不飽和脂環族炭化水素、nは1以上の正数を示す。)
さらに、本発明は、上記第1の要旨の難接着被着体用粘着剤組成物が架橋されてなる難接着被着体用粘着剤を第2の要旨とし、上記第2の要旨の難接着被着体用粘着剤が基材上に形成されてなる難接着被着体用粘着テープを第3の要旨とするものである。
粘着剤組成物において、一般的には、上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1)を共重合成分とすることにより、接着力を向上させることは知られている。しかし、かかる末端カルボキシ基含有モノマー(a1)を含有させることにより、架橋点の距離が伸びる等の理由から、通常保持力等が低下してしまうことが懸念されるため、接着性と保持力の両立は困難とされていた。しかしながら、本発明では、ゴム系等の難接着被着体、とりわけエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を被着体とする場合においては、かかる末端カルボキシ基含有モノマー(a1)を共重合成分とするアクリル系樹脂を用いることにより、意外にも保持力を低下させることなく接着性にも優れた粘着剤組成物となることを見出したものである。
本発明は、下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1)および(メタ)アクリル酸(a2)を含む共重合成分(a)を共重合してなるアクリル系樹脂(A)を含有する難接着被着体用粘着剤組成物であることから、ゴム系の難接着被着体、特にはEPDM等のような難接着性の被着体に対して良好な接着性を有し、さらに保持力にも優れるものである。そのため、難接着被着体に用いられる各種粘着剤、粘着テープとして有用であり、特には建築物等に用いられるEPDMシートなどを固定するための粘着テープとして好適に用いることができる。
〔式〕 CH2=CR1-CO-O-(R2-COO-)nH ・・・(1)
(ここで、R1は水素またはメチル基、R2は飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、飽和脂環族、または2価の不飽和脂環族炭化水素、nは1以上の正数を示す。)
そして、本発明のなかでも、特に、上記アクリル系樹脂(A)が、下記(a1)~(a4)を含む共重合成分(a)を共重合してなるアクリル系樹脂であると、被着体に対する接着性、保持力をより優れたものとすることができる。
(a1)上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー 1~20重量%
(a2)(メタ)アクリル酸 0.1~5重量%
(a3)炭素数4~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(但し、t-ブチル(メタ)アクリレートを除く) 55~97重量%
(a4)炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、環状構造含有モノマーおよび炭素数3~10のビニルエステル系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種 11重量%以下
また、本発明のなかでも、特に、上記炭素数4~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3)が、炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-1)、および炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-2)を含有すると、被着体に対する接着性をより優れたものとすることができる。
さらに、本発明のなかでも、特に、上記炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-1)の炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-2)に対する含有割合が、重量比で、(a3-1)/(a3-2)=1/99~85/15であると、被着体に対する接着性をより優れたものとすることができる。
そして、本発明のなかでも、特に、上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1)100重量部に対する上記(メタ)アクリル酸(a2)の含有量が10~400重量部であると、被着体に対する接着性をより優れたものとすることができる。
また、本発明のなかでも、特に、上記共重合成分(a)として、さらに水酸基含有モノマー(a5)を含有すると、被着体に対する接着性をより優れたものとすることができる。
そして、上記難接着被着体用粘着剤組成物が架橋されてなる難接着被着体用粘着剤は、被着体に対する接着性をより優れたものとすることができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、「アクリル系樹脂」とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明の難接着被着体用粘着剤組成物は、特定のモノマー成分を含む共重合成分(a)を共重合してなるアクリル系樹脂(A)を含有するものである。
<アクリル系樹脂(A)>
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1)および(メタ)アクリル酸(a2)を含む共重合成分(a)を共重合してなるものである。
〔(a1)成分〕
本発明で用いる(a1)成分は、下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマーである。
〔式〕 CH2=CR1-CO-O-(R2-COO-)nH ・・・(1)
(ここで、R1は水素またはメチル基、R2は飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、飽和脂環族、または2価の不飽和脂環族炭化水素、nは1以上の正数を示す。)
上記R2の炭化水素は、メチレン基等の炭素数1~10、好ましくは1~5のアルキレン、フェニル、フェニレンであることが好ましく、上記nは1~10であることが好ましく、さらに好ましくは1~5である。
上記(a1)成分の含有割合としては、共重合成分(a)全体に対して1~20重量%であることが好ましく、特には1.5~15重量%、さらには2~8.5重量%であることが好ましい。含有割合が少なすぎると難接着被着体に対する接着性が低下する傾向があり、多すぎても難接着被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
〔(a2)成分〕
(メタ)アクリル酸(a2)の含有割合としては、共重合成分(a)全体に対して0.1~5重量%であることが好ましく、特には0.5~4.5重量%、さらには1~4重量%であることが好ましい。含有割合が少なすぎると難接着被着体に対する接着性が低下する傾向があり、多すぎても難接着被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
また、(a1)成分と(a2)成分との含有割合は、重量比で、(a1)成分100重量部に対して(a2)成分が、通常10~400重量部、特には20~200重量部、さらには25~100重量部、殊には30~75重量部であることが好ましい。(a2)成分が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると難接着被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
本発明においては、接着性の観点から共重合成分(a)の主成分として、炭素数4~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(但し、t-ブチル(メタ)アクリレートを除く)(a3)を含有することが好ましい。また、接着性の観点からさらに共重合成分(a)として炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、環状構造含有モノマーおよび炭素数3~10のビニルエステル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種(a4)を含有することが好ましい。。
〔(a3)成分〕
上記炭素数4~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(但し、t-ブチル(メタ)アクリレートを除く)(a3)としては、炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-1)、および、炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-2)を含有することが好ましい。
上記炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-1)としては、例えば、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも入手が容易で経済性に優れる点でn-ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-2)としては、例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、べヘニル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも極性が低く、ガラス転移温度が低い点で炭素数8~12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、特には2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(a3)成分の含有割合としては、共重合成分(a)全体に対して55~97重量%であることが好ましく、特には70~95重量%、さらには80~93重量%であることが好ましい。含有量が少なすぎると難接着被着体に対する接着性が低下する傾向があり、多すぎると接着性が低下するとともに保持力が低下する傾向がある。
また、上記(a3-1)成分の上記(a3-2)成分に対する含有割合は、重量比で、(a3-1)/(a3-2)=1/99~85/15、特には2/98~75/25、さらには3/97~70/30、殊には5/95~60/40であることが好ましい。上記(a3-1)成分の含有割合が小さすぎると保持力が低下する傾向があり、大きすぎると難接着被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
〔(a4)成分〕
上記(a4)成分は、炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、環状構造含有モノマーおよび炭素数3~10のビニルエステル系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である。なかでも、炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート等があげられる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記環状構造含有モノマーは、通常、環状構造を含有する置換基を有するアクリル系モノマーであり、例えば、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン等のモルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等の複素環を有する複素環含有(メタ)アクリレートや、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、ビフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、その他、スチレン、α-メチルスチレン等があげられる。なかでも各種物性のバランスが良いことからモルホリン環を有する複素環含有(メタ)アクリレート、特には入手が容易さ、安全性の点からN-(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましい。
また、上記炭素数3~10のビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル等があげられる。なかでも、入手が容易な点で、酢酸ビニルが好ましい。
上記(a4)の含有割合としては、共重合成分(a)全体に対して、11重量%以下であることが好ましく、特には10重量%以下、さらには8重量%以下、殊には5重量%以下であることが好ましい。(a4)成分の含有量が多すぎると被着体に対する接着性が低下する傾向がある。なお、共重合成分(a)における(a4)成分の含有量の下限は、通常1重量%である。
〔(a5)成分〕
本発明で用いる共重合成分(a)には、さらに水酸基含有モノマー(a5)を共重合成分として含有させることが望ましい。
上記水酸基含有モノマー(a5)としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸等の1級水酸基含有モノマー;2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-クロロ2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2-ジメチル2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマーをあげることができる。
これらの中でも、架橋剤との反応性に優れる点で1級水酸基含有モノマーが好ましく、特には2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート好ましい。
上記水酸基含有モノマー(a5)は架橋剤を配合する場合に架橋点となることから有用であり、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合に特に有効である。かかる場合においては、共重合成分(a)全体に対して、通常0.01~5重量%、特には0.05~3重量%、さらには0.05~2重量%であることが好ましい。(a5)成分が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると難接着被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
〈その他の重合性モノマー(a6)〉
本発明では必要に応じて、その他の重合性モノマー(a6)を用いてもよく、その他の重合性モノマー(a6)としては、例えば、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー等の官能基含有モノマーやその他の共重合性モノマーがあげられる。
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、2-(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等があげられる。
上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等があげられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等があげられる。
上記アミノ基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合およびアミノ基(無置換または置換アミノ基)を有するモノマーがあげられ、例えば、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノイソプロピル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルや(メタ)アクリル酸N-(t-ブチル)アミノエチル等のN-アルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の一置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル等のN,N-ジアルキルアミノアルキルの(メタ)アクリル酸エステル等の二置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、これらアミノ基含有単量体の四級化塩等;p-アミノスチレン等のアミノ基含有スチレン類;3-(ジメチルアミノ)スチレン、ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;N,N-ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N-ジエチルアミノエチルビニルエーテル等のジアルキルアミノアルキルビニルエーテル類;アリルアミン、4-ジイソプロピルアミノ-1-ブテン、トランス-2-ブテン-1,4-ジアミン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-1,3,5-トリアジン等があげられる。
上記アミド基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合およびアミド基(アミド結合を有する基)を有するモノマーがあげられ、例えば、(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-イソブチル(メタ)アクリルアミド、N-s-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジイソブチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(s-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(t-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジペンチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジヘプチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアリル(メタ)アクリルアミド、N,N-エチルメチルアクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド;N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;N-ビニルアセトアミド、N-ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミドエチルエチレンウレア、(メタ)アクリルアミド-t-ブチルスルホン酸等の置換アミド基含有モノマー;N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリルアミド;N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のアルコキシ基含有(メタ)アクリルアミド;これらアミド基含有モノマーの四級化塩等があげられる。
上記その他の共重合性モノマーとしては、例えば、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基またはオキシアルキレン基を含有するモノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等があげられる。
上記その他の重合性モノマー(a6)は、用途に応じて物性を調整するために本発明の効果を阻害しない程度、共重合成分(a)に含有される。
かくして、上記(a1)~(a2)成分、好ましくはさらに(a3)、(a4)成分、必要に応じてさらに(a5)、(a6)成分を共重合成分(a)として重合することによりアクリル系樹脂(A)が得られる。なお、これら(a1)~(a6)の各成分は、それぞれ単独でもしくは2種類以上を併用してもよい。
上記重合にあたっては、溶液重合で製造することが、安全に、安定的に、任意のモノマー組成でアクリル系樹脂(A)を製造できる点で好ましい。
かかる溶液重合は、常法にしたがって、例えば、有機溶媒中に、(a1)~(a6)の共重合成分(a)、および、重合開始剤を混合あるいは滴下し、還流状態あるいは50~98℃で0.1~20時間重合すればよい。
かかる重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等が具体例としてあげられる。これらは単独でもしくは2種以上を併用してもよい。
このようにして得られるアクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、通常10万~500万、好ましくは30万~150万、特に好ましくは50万~90万である。重量平均分子量が小さすぎると、耐久性能が低下する傾向があり、大きすぎると粘着力が低下する傾向がある。
また、アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、20以下であることが好ましく、特には15以下が好ましく、さらには10以下が好ましく、殊には7以下が好ましい。かかる分散度が高すぎると粘着剤層の耐久性能が低下し、発泡等が発生しやすくなる傾向にある。なお、分散度の下限は、製造の限界の点から、通常1.1である。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフ(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF-806L(排除限界分子量:2×107、分離範囲:100~2×107、理論段数:10000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)を3本直列にして用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法を用いることができる。
また、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、通常-80~10℃、特には-70~-10℃、さらには-65~-20℃であることが好ましく、ガラス転移温度が高すぎるとタックが不足する傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
上記ガラス転移温度(Tg)は、アクリル系樹脂(A)を構成するそれぞれのモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度および重量分率を、下記のFoxの式に当てはめて算出した値である。
Figure 0007275650000001
ここで、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーをホモポリマーとした際のガラス転移温度は、通常、JIS K7121-1987や、JIS K 6240に準拠した方法で示差走査熱量計(DSC)により測定される値、およびカタログの記載値を用いる。
アクリル系樹脂(A)は通常、溶媒等により粘度調整され、アクリル系樹脂(A)溶液として塗工に供せられる。上記アクリル系樹脂(A)溶液の粘度としては、取扱い易さの点から500~20000mPa・sであることが好ましく、特には1000~18000mPa・sが好ましく、さらには2000~15000mPa・sが好ましい。かかる粘度が高すぎると流動性が低下して取り扱いにくくなる傾向にあり、低すぎると粘着剤の塗工が困難となる傾向がある。
上記溶媒としては、アクリル系樹脂(A)を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶媒等を用いることができる。これらのなかでも、溶解性、乾燥性、価格等の点から酢酸エチル、メチルエチルケトンが好適に用いられる。これら上記の溶媒は、単独でもしくは2種以上を併用してもよい。
上記アクリル系樹脂(A)溶液の粘度は、JIS K5400(1990)の4.5.3 回転粘度計法に準じて測定することができる。
<架橋剤(B)>
本発明の難接着被着体用粘着剤組成物は、上記アクリル系樹脂(A)に加え、架橋剤(B)を含有することが接着性および保持力の点から好ましい。
上記架橋剤(B)は、アクリル系樹脂(A)中の官能基と反応し、架橋構造を形成させるものであり、例えば、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤があげられる。これらの中でも各種被着体に対する接着性と保持力をバランスよく両立させることができる点では、エポキシ系架橋剤を用いることが好ましい。また、高温環境下においても粘着テープとしての経時安定性に優れ、さらに接着性に優れた効果を得るためにはイソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、1,3-ビス(N,N’-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等があげられる。
上記イソシアネート系架橋剤は、イソシアネート基を2個以上含むものであり、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート等、およびこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体等があげられる。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカーボキサミド)、トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカーボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル-1-(2-メチルアジリジン)、トリス-1-(2-メチルアジリジン)フォスフィン、トリメチロールプロパントリ-β-(2-メチルアジリジン)プロピオネート等があげられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるアミノ基含有メチロールメラミン、イミノ基含有メチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメチロールメラミン誘導体、メチロールメラミン誘導体にメチルアルコールやブチルアルコール等の低級アルコールを反応させて部分的または完全にエーテル化した、部分または完全アルキル化メチロールメラミン、イミノ基含有部分または完全アルキル化メチロールメラミン等のアルキル化メチロールメラミン等があげられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒドデンプン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4-ジオキサン-2,3-ジオール、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-2-イミダゾリジン、ジメチロール尿素、N-メチロールアクリルアミド、尿素ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂等の水溶液中でアルデヒドを遊離するアルデヒド系化合物、または、ベンズアルデヒド、2-メチルベンズアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、p-ヒドロキシベンズアルデヒド、m-ヒドロキシベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド系化合物があげられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)(以下、「MOCA」と略記する)、変性MOCA、ジエチルトルエンジアミンがあげられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、金属原子がアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、鉄、スズ等のキレート化合物があげられ、性能の点からアルミニウムキレート化合物が好ましい。アルミニウムキレート化合物としては、例えば、ジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート等があげられる。
上記架橋剤(B)は、単独でもしくは2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤(B)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、通常0.01~5重量部、特には0.01~4重量部、さらには0.02~3重量部であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると各種被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
上記架橋剤(B)の中でも、被着体に対する接着性と保持力をバランスよく両立させることができる点で、上記エポキシ系架橋剤を使用することが好ましい。上記エポキシ系架橋剤を使用する場合における、上記架橋剤(B)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、通常0.005~1重量部、特には0.01~0.5重量部、さらには0.02~0.1重量部であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
また、上記架橋剤(B)の中でも、結合が強固で耐久性に優れる点から、上記イソシアネート系架橋剤を使用することが好ましい。上記イソシアネート系架橋剤を使用する場合における、上記架橋剤(B)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、通常0.1~5重量部、特には0.1~3重量部、さらには0.3~2重量部であることが好ましい。上記含有量が少なすぎると保持力が低下する傾向があり、多すぎると低極性の被着体に対する接着性が低下する傾向がある。
<粘着付与剤(C)>
粘着付与剤(C)は、アクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるために用いられるものであり、本発明の難接着被着体用粘着剤組成物に含有されることが好ましい。粘着付与剤(C)としては、アクリル系樹脂(A)に相溶性を示す樹脂、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、キシレン系樹脂、フェノール系樹脂、クマロン系樹脂、石油系樹脂等があげられる。これらの粘着付与剤(C)は、単独でもしくは2種類以上を併せて用いることができる。なかでも、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂が好ましい。
上記ロジン系樹脂としては、例えば、原料ロジンを、水素化(水添)、不均化、二量化、酸付加したものを、グリセリンやペンタエリスリトールを用いてエステル化したロジンエステル樹脂や、フェノールを付加したロジンフェノール樹脂があげられる。いずれのロジン系樹脂を用いてもアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、なかでも、原料ロジンを不均化し、グリセリンまたはペンタエリスリトールでエステル化を行い軟化点が70℃~130℃の範囲にある不均化ロジンエステルや、原料ロジンを二量化してペンタエリスリトールでエステル化を行い軟化点が110℃~170℃の範囲にある重合ロジンエステルや、原料ロジンにフェノールを付加し、軟化点が120~160℃の範囲にあるロジンフェノールが好ましい。
上記テルペン系樹脂は、分子式(C58nで表されるイソプレン則に基づく化合物の総称であり、本発明で用いる粘着付与剤(C)としては、モノテルペン(例:α-ピネン、β-ピネン、リモネン等)を原料とし、フリーデルクラフト触媒により単独または共重合した樹脂があげられる。具体的には、モノテルペンが単独または共重合した樹脂として、例えば、α-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂やこれらを水素添加した水添テルペン樹脂等があげられる。これらのなかでも、アクリル系樹脂(A)と相溶性が良いことから、テルペンフェノール樹脂が好ましく、いずれのテルペンフェノール樹脂もアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、特には、軟化点が90℃~170℃、水酸基価が20~250mgKOH/gの範囲のものが好ましく、更には軟化点が100℃~150℃、水酸基価が50~150mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
上記石油系樹脂は、例えば、ナフサなどの熱分解により生成するC4-C5およびC9-C11留分モノマーの重合、さらには水添によって得られ、原料留分の種類によって、純モノマー系樹脂、脂肪族系(C5)石油樹脂、芳香族系(C9)石油樹脂、水添石油系樹脂等があげられる。いずれの石油系樹脂を用いてもアクリル系樹脂(A)の良好な物性をさらに発揮させるが、なかでも、軟化点が90℃~130℃の範囲のものが好ましく、さらにはスチレン系モノマーと脂肪族系モノマーとの共重合系樹脂を用いることが好ましい。
上記粘着付与剤(C)の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して通常1~50重量部、特には5~30重量部、さらには5~20重量部であることが好ましく、要求物性に応じて適量配合する。
さらに、本発明の難接着被着体用粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分として、アクリル系樹脂(A)以外の樹脂成分、アクリル系モノマー、重合禁止剤、酸化防止剤、腐食防止剤、架橋促進剤、ラジカル発生剤、過酸化物、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、安定化剤、充填剤、ラジカル捕捉剤、難燃剤等の各種添加剤、金属および樹脂粒子等を配合することができる。また、上記の他にも、難接着被着体用粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。
上記その他の成分の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して5重量部以下であることが好ましく、特に好ましくは1重量部以下、さらに好ましくは0.5重量部以下である。かかる含有量が多すぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下し、耐久性が低下する傾向がある。ただし、顔料、充填剤、難燃剤、金属および樹脂粒子等の上記の含有量では、その効果を発揮しない添加剤等に関しては添加剤の効果を発揮しつつ本発明の効果を阻害しない範囲で適量を添加する場合がある。
本発明の難接着被着体用粘着剤組成物は、上記のように、アクリル系樹脂(A)に加え、好ましくは、架橋剤(B)、および粘着付与剤(C)、さらに必要に応じて、その他の成分等を含有するものである。
上記各成分を混合することにより、本発明の難接着被着体用粘着剤組成物を得ることができる。また、この難接着被着体用粘着剤組成物が架橋されることにより、本発明の難接着被着体用粘着剤が得られる。そして、この難接着被着体用粘着剤は、本発明の難接着被着体用粘着テープの粘着剤層として好適に用いることができる。
<難接着被着体用粘着テープ>
本発明の難接着被着体用粘着テープは、上記難接着被着体用粘着剤組成物を架橋することにより得られた難接着被着体用粘着剤を、粘着剤層として含有するものである。具体的には、上記難接着被着体用粘着剤組成物を、酢酸エチル等の溶媒に溶解させて、固形分濃度が10~70重量%になるように塗工用の難接着被着体用粘着剤組成物溶液を調液し、この溶液を基材に塗工、乾燥することにより難接着被着体用粘着テープとすることができる。
かかる粘着テープの製造方法については、公知一般の粘着テープの製造方法を用いればよく、例えば、基材の一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面にリリースライナーを重ねる方法、あるいはリリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に基材を重ねる方法によって製造することができる。なかでも、リリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工・乾燥し、形成された粘着剤層の表面に基材を重ねる方法がハンドリング等の点から好ましい。
また、上記基材は、手切れ性を有するものが好ましく、手切れ性を有する基材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理等の公知慣用の表面処理を適宜施してもよい。
上記基材としては、従来公知の基材であれば特に限定されることはないが、例えば、レーヨン布、綿布、ポリエステル布、レーヨンとポリエステルの混紡糸からなる布、不織布、フラットヤーンクロス、フラットヤーンクロスにプラスチックフィルムがラミネートされた積層フィルム等があげられる。これらのなかでも長手方向の引張強度が高い点から、フラットヤーンクロスを含有するものが好ましい。
上記フラットヤーンクロスとは、フラットヤーンと呼ばれるポリエチレンやポリプロピレンのフィルムを、短冊状にカットし延伸することにより強度を持たせた平らな糸を織って織布としたものであり、この織布の縦と横に交差するフラットヤーンの交差部を熱融着により固定して目ずれしないようにしたものが用いられる。
上記リリースライナーとしては、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、セロハン等のプラスチックからなるプラスチックフィルム;クラフト紙、和紙等の紙;天然ゴム、ブチルゴム等からなるゴムシート;ポリウレタン、ポリクロロプレンゴム等を発泡させてなる発泡体シート;アルミニウム箔、銅箔等の金属箔;これらの複合体等があげられる。また、これらはその片面または両面にコロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、上記リリースライナーとしては、例えば、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙にポリエチレン等のフィルムをラミネートした紙、ポリビニルアルコールやアクリル酸エステル共重合体等の樹脂を塗工した紙、ポリエステルやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム等に、剥離剤であるフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂等を塗工してなるものもあげられる。
これらのなかでも、容易に手で引き裂けやすいという点で紙製のリリースライナーが好ましく、原紙の坪量が40~120g/m2、好ましくは50~80g/m2である紙製リリースライナーが特に好ましい。さらに、かかるリリースライナーの厚みとしては、40~180μmであることが好ましく、特には60~140μm、さらには80~120μmであることが好ましい。かかる厚みが薄すぎると巻き取り時にシワが入る等、製造が困難になる傾向があり、厚すぎると手切れ性が低下する傾向がある。
上記基材またはリリースライナーの一方の面に粘着剤を塗工する際に用いる塗工装置としては、通常使用されている塗工装置を用いればよく、例えば、ロールナイフコーター、ダイコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディッピング、ブレードコーター等があげられる。
また、粘着剤層の乾燥後の厚みは、5~200μmであることが好ましく、特に好ましくは10~150μm、さらに好ましくは15~130μmである。
かかる厚みが厚すぎると粘着剤の塗工が困難になる傾向があり、薄すぎると充分な粘着力が得られない傾向がある。
また、本発明の難接着被着体用粘着テープは、片面粘着テープであってもよいし、両面粘着テープであってもよい。また、両面粘着テープの粘着剤層は、ともに同一の粘着剤層であってもよいし、異なる組成の粘着剤層であってもよい。
なお、両面粘着テープの粘着剤層上にリリースライナーを積層する場合においては、作業性の向上のために、両面に積層されるリリースライナーの剥離力が異なるようにそれぞれのリリースライナーを選択することが好ましい。例えば、両面粘着テープの初めに貼着する面側のリリースライナーの剥離力は、次に貼着する面側のリリースライナーの剥離力より軽剥離であるリリースライナーを選択すると作業性が向上する。
上記乾燥条件は、乾燥時に粘着剤中の溶媒や残留モノマーが乾燥し除去され、かつ、架橋剤(B)を使用する場合にはアクリル系樹脂(A)が有する官能基と架橋剤(B)とが反応し、架橋構造が形成され得る条件であればよい。乾燥条件として、例えば、60~120℃、1~5分間程度が好ましい。乾燥後、シート状基材で粘着剤層を挟んだ状態で熟成(エージング)し、さらに架橋反応を進行させることができる。
本発明の難接着被着体用粘着テープは、ロール状であってもよいし、枚葉状態であってもよいし、あるいはさらに種々の形状に加工されたものであってもよい。
そして、難接着被着体用粘着テープが、両面粘着テープであり、枚葉状態である場合には、2つの粘着剤層の両方の表面にリリースライナーが設けられることが好ましく、また、ロール状態の場合には、2つの粘着剤層の一方の表面のみにリリースライナーが設けられることが好ましい。
かくして本発明の難接着被着体用粘着テープが得られるものであるが、本発明の難接着被着体用粘着テープは、粘着性能を低下させる被着体や基材に対しても粘着性能の低下もなく、また、良好な保持力を有するものである。さらに、基材として、手切れ性を有する基材を用いた場合には、テープの幅方向に対してテープカッター等を使用することなく任意の位置において手で容易に切断することができ、粘着テープとして特に有用なものとなる。
上記難接着被着体用粘着テープにおける粘着剤層の粘着力としては、使用される被着体に対して、180°剥離強度が、通常1~100N/25mmである。
なかでも、被着体として難接着性被着体であるエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)の試験板を使用した場合は、180°剥離強度が10N/25mm以上であることが好ましく、特に好ましくは15N/25mm以上、さらに好ましくは17N/25mm以上である。なお、上限は通常100N/25mm程度である。
また、被着体として比較的極性が高いSUS304鋼の試験板を使用した場合は、180°剥離強度が25N/25mm以上であることが好ましく、特に好ましくは30N/25mm以上、さらに好ましくは35N/25mm以上である。なお、上限は通常100N/25mm程度である。
なお、粘着力は被着体の組成(材質)や表面状態(表面粗さ)、処理(洗浄)条件等で変わるため、上記剥離強度の範囲に限定されるものではない。
かかる粘着力の測定は、JIS Z0237に準じて測定する値である。具体的には、後記実施例に記載の方法で測定することができる。
なお、試験片が両面粘着テープである場合には、試験しない方の粘着面をJIS C 2318に規定される呼び厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラー S10)で覆った状態で、目的とする粘着面の粘着力を測定することができる。
また、本発明の難接着被着体用粘着テープにおける粘着剤層の保持力としては、後記実施例に記載の方法で測定した場合、24時間経過後に試験片が試験板から落下しないことが特に好ましく、試験片が24時間以内に落下したとしても、その保持時間は、80分間以上であることが好ましく、さらには150分間以上であることがより好ましい。
さらに、上記難接着被着体用粘着テープにおける粘着剤層のゲル分率については、接着性と保持力の点から10~70重量%であることが好ましく、特に好ましくは20~60重量%であり、さらに好ましくは25~50重量%である。ゲル分率が低すぎると被着体に対する保持力が低下する傾向にあり、高すぎても被着体に対する接着性が低下する傾向にある。
上記ゲル分率は、架橋度(硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、難接着被着体用粘着テープから粘着剤層をピッキングにより採取し、この粘着剤層を200メッシュのSUS製金網で包み、23℃に保ったトルエン中に48時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。
なお、粘着剤のゲル分率を上記範囲に調整するにあたっては、架橋剤(B)の種類と量を調整すること等により達成される。
また、本発明の難接着被着体用粘着テープは引張強度の大きいものが好ましく、難接着被着体等に貼り付ける際、歪まない様に引っ張ったり、位置補正のために剥がしたりするために必要な強度が求められる。難接着被着体用粘着テープの引張強度としては、通常20N/25mm以上であり、さらには30N/25mm以上が好ましく、特には50N/25mm以上が好ましい。なお、引張強度の上限としては、通常250N/25mmである。引張強度の大きい両面粘着テープとするには、基材の引張強度が、目的とする粘着テープの引張強度と同等、もしくはそれ以上の引張強度をもつ基材を用いることで達成することができる。
本発明の難接着被着体用粘着テープは、例えば、クラフトテープ、OPPテープ、布粘着テープ等の包装用テープ、軽包装用セロハン粘着テープ、自動車用発泡テープ、制振シート、難燃接着テープ、住宅用養生テープ、防音シール、カーペット固定用両面テープ、電気絶縁用ビニルテープ、屋外防食テープ、屋内表示用テープ、スリップ防止用テープ、気密防水用粘着テープ、医療用救急絆創膏等の貼付基材、サージカルテープ、粘着包帯、電気・電子機器用テープ、光学用両面テープ、半導体用ダイシングテープ、熱伝導テープ、耐熱テープ、導電性テープ等として、幅広い用途に用いることができる。
上記粘着テープは、例えば、住宅の構造体やその部材、部材間の間隙等に用いることができる。そして、被着体としては、特に限定されるものではないが、粘着テープとして用いられる場合は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、熱可塑性ポリオレフィンゴムおよび改質アスファルト等の難接着被着体からなるシート材料等に好適に用いることができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂(A)を調製した。
なお、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度、および粘度に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
<アクリル系樹脂(A)>
アクリル系樹脂(A)の製造に先立ち、製造に用いる共重合成分(a)として以下のものを用意した。
(a1)成分
下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー
CH2=CR1-CO-O-(R2-COO-)nH ・・・(1)
上記一般式(1)においてR1は水素、R2はエチレン鎖、nは1~5
(a2)成分
・アクリル酸(AAc)
(a3-1)成分
・n-ブチルアクリレート(BA)
(a3-2)成分
・2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)
(a-4)成分
・メチルアクリレート(MA)
(a-5)成分
・2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)
なお、上記(a1)成分については、ソルベイ日華社製の「サイポマーH」を使用した。
サイポマーHは、一般式(1)のR1が水素、R2がエチレン鎖、n=1~5の化合物(a1)を75%と、アクリル酸(a2)を25%含有する混合物である(以下、サイポマーHを「β-CEA」と称し、サイポマーHに含まれる、一般式(1)の化合物をまとめて「CAO」と称することがある)。
〔アクリル系樹脂(A-1)の製造〕
温度計、撹拌機および還流冷却機を備えた反応器内に、サイポマーH5部〔CAO(a1)3.75部、アクリル酸(a2)1.25部〕、n-ブチルアクリレート(a3-1)26.7部、2-エチルヘキシルアクリレート(a3-2)65.2部、メチルアクリレート(a4)3部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(a5)0.1部、酢酸エチル55部、および重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.15部を仕込み、撹拌しながら昇温し、酢酸エチル還流温度にて7時間重合させた後、酢酸エチルで希釈して、固形分50%のアクリル系樹脂(A-1)溶液を得た。
得られたアクリル系樹脂(A-1)の重量平均分子量は55万、分散度4.3、ガラス転移温度は-61℃であった。
〔アクリル系樹脂(A-2)~(A-4)および(A’-1)の製造〕
アクリル系樹脂(A-1)の製造において、共重合成分の組成を下記表1の示すように変更した以外は同様に行い、アクリル系樹脂(A-2)~(A-4)および(A’-1)の溶液を得た。
Figure 0007275650000002
<架橋剤(B)>
架橋剤(B)として以下のものを用意した。
・B-1:エポキシ系架橋剤:三菱ガス化学社製、テトラッドC(1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン)
<粘着付与剤(C)>
粘着付与剤として以下のものを用意した。
・C-1:不均化ロジンエステル:荒川化学工業社製、スーパーエステルA-100(不均化ロジンのグリセリンエステル、軟化点95~105℃)
・C-2:石油系樹脂:三井化学社製、FTR6100(スチレン系モノマーと脂肪族モノマーの共重合樹脂、軟化点95℃)
<実施例1>
上記のようにして調製、準備したアクリル系樹脂(A-1)溶液について、その固形分100部に対して、架橋剤(B-1)〔エポキシ系架橋剤(テトラッドC)〕を0.04部、粘着付与剤(C-1)〔不均化ロジンエステル(スーパーエステルA-100)〕を15部混合した。その後、酢酸エチルにて固形分濃度を40%になるように調液し、均一になるまで撹拌して、難接着被着体用粘着剤組成物の溶液を得た。
<実施例2~5および比較例1>
上記実施例1において、難接着被着体用粘着組成物の組成を後記表2の示すように変更した以外は同様に行い、実施例2~5および比較例1の難接着被着体用粘着剤組成物の溶液を得た。
得られた実施例1~5および比較例1の難接着被着体用粘着剤組成物について、以下の通り難接着被着体用粘着テープを作製し、以下の評価を行った。評価結果を後記の表2に示す。
〔難接着被着体用粘着テープの作製〕
上記のようにして準備した難接着被着体用粘着剤組成物の溶液を紙製リリースライナー〔SS-70-SBX(シノムラ化学工業社製)〕の剥離面に対して乾燥後の厚みが110μmになるようにアプリケーターを用いて塗工し、その後80℃で5分間乾燥し、フラットヤーン(ダイヤテックス社製、厚み130μm)を貼り合わせた。その後、40℃の乾燥機中で7日間加熱エージング処理を行い、難接着被着体用粘着テープを作製した。
<ゲル分率>
得られた難接着被着体用粘着テープから紙製リリースライナーを剥離し、粘着剤層面から粘着剤をピッキングし、SUS製の200メッシュ金網で包んだ後、23℃に保ったトルエンに48時間浸漬し、その後金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とした。
ゲル分率(%)
=不溶解の粘着剤成分の重量(g)/浸漬前の粘着剤成分の重量(g)×100
<180°剥離強度>
上記粘着テープを幅25mm、長さ150mmにカットして試験片を作製した。また、被着体としてエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)(エンジニアリングテストサービス社製、標準試験版EPDM-70)クロロプレンゴム(CR)(日本テストパネル社製、標準試験板)、天然ゴム(NR)(日本テストパネル社製、標準試験板)、スチレンブタジエンゴム(SBR)(日本テストパネル社製、標準試験板)およびブチルゴム(IIR)(日本テストパネル社製、標準試験板)の試験板をメタノールで表面を洗浄した後、23℃、50%RHの雰囲気化で一晩静置して用いた。上記試験片から紙製リリースライナーを剥離し、試験片の粘着剤層を上記試験板に、重さ2kgのローラーを圧着速さ10mm/sで2往復させて圧着させた。圧着後、23℃、50%RHの雰囲気下に30分間静置し、試験片の遊び部分を180°折り返し、30mm剥がした後、同雰囲気下で剥離強度試験機の下部のチャックに試験板を、上部のチャックに試験片の端をそれぞれ固定し、引き剥がし角度180°、300mm/minの速度で被着体から粘着テープを引き剥がし、剥離強度を測定し、下記のように評価した。
〔評価基準〕
A:剥離強度が17N/25mm以上
B:剥離強度が15N/25mm以上、17N/25mm未満
C:剥離強度が15N/25mm未満
<保持力>
上記粘着テープを幅25mm、長さ75mmにカットして試験片を作製した。また、被着体としてEPDMの試験板を用いた。この試験板に、紙製リリースライナーを剥離した試験片の粘着剤層と試験板との接触面積が幅25mm×長さ25mmになるように、上記試験片を重さ2kgのローラーを圧着速さ10mm/sで2往復させて圧着させた。また、試験片の粘着剤が露出する部分は折り返した。圧着後23℃、50%RHの環境にて30分間静置し、その後40℃の環境に移し20分間静置した。試験板に対し試験片が鉛直に垂れ下がるように1000gの錘を取り付け、その後40℃の環境にて試験片が落下した時間を測定し、その保持時間を下記のように評価した。
〔評価基準〕
A:150分間以上
B:80分間以上、150分間未満
C:80分間未満
<比較例2>
実施例1において、粘着テープを、ゴム系の難接着被着体固定によく用いられる市販のアスファルト系粘着テープに変更して同様の評価を行った。
<比較例3>
実施例1において、粘着テープを、ゴム系の難接着被着体固定によく用いられる市販のブチルゴム系粘着テープに変更して同様の評価を行った。
Figure 0007275650000003
上記表2の結果より、本発明の実施例品はいずれも、EPDM、CR、NR、SBR、IIRのような難接着被着体に対しても、高い剥離強度を有し、被着体に強固に接着していた。また、EPDMに対する保持力が高く一定の応力下におけるクリープ性に優れていた。
これに対し、比較例1はEPDM、CR、NR、SBR、IIRのような難接着被着体に対しては、剥離強度が低く、接着性に劣るものであった。
また、比較例2および3品はEPDMのような難接着被着体に対しては高い剥離強度を有するものの保持力が低く、一定の応力下におけるクリープ性が劣るものであった。
即ち、SUSのような極性が高い被着体ではアクリル系樹脂の選択性は不要であるところ、EPDM、CR、NR、SBR、IIRのような難接着被着体の場合においては、末端カルボキシ基含有モノマー(a1)および(メタ)アクリル酸(a2)を含む共重合成分(a)を共重合してなるアクリル系樹脂(A)を用いることにより優れた接着性を有するものであることがわかる。また、本発明の実施例品は、ブチルゴムを用いた粘着テープやアスファルトを用いた粘着テープよりも保持力が大幅に高く、優れた接着性と高い保持力を両立していた。
本発明の難接着被着体用粘着剤組成物は、ゴム系の難接着被着体、特にはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)のような難接着性の被着体に対する接着性に優れる。そのため、クラフトテープ、OPPテープ、布粘着テープ等の包装用テープ、軽包装用セロハン粘着テープ、自動車用発泡テープ、制振シート、難燃接着テープ、住宅用養生テープ、防音シール、カーペット固定用両面テープ、電気絶縁用ビニルテープ、屋外防食テープ、屋内表示用テープ、スリップ防止用テープ、気密防水用粘着テープ、医療用救急絆創膏等の貼付基材、サージカルテープ、粘着包帯、電気・電子機器用テープ、光学用両面テープ、半導体用ダイシングテープ、熱伝導テープ、耐熱テープ、導電性テープ等として、幅広い用途に用いることができる。

Claims (8)

  1. クリル系樹脂(A)と架橋剤(B)とを含有する接着被着体用粘着剤組成物であって、
    上記アクリル系樹脂(A)が、下記(a1)~(a4)を含む共重合成分(a)を共重合してなり、下記(a3)が炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-1)、および炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-2)を含有することを特徴とする難接着被着体用粘着剤組成物。
    (a1)下記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー 1~20重量%
    〔式〕 CH2=CR1-CO-O-(R2-COO-)nH ・・・(1)
    (ここで、R1は水素またはメチル基、R2は飽和脂肪族、不飽和脂肪族、芳香族、飽和脂環族、または2価の不飽和脂環族炭化水素、nは1以上の正数を示す。)
    (a2)(メタ)アクリル酸 0.1~5重量%
    (a3)炭素数4~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(但し、t-ブチル(メタ)アクリレートを除く) 55~97重量%
    (a4)炭素数1~3のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、環状構造含有モノマーおよび炭素数3~10のビニルエステル系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種 1~11重量%
  2. 上記炭素数4~7のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-1)の炭素数8~24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート(a3-2)に対する含有割合が、重量比で、(a3-1)/(a3-2)=1/99~85/15であることを特徴とする請求項記載の難接着被着体用粘着剤組成物。
  3. 上記一般式(1)で示される末端カルボキシ基含有モノマー(a1)100重量部に対する上記(メタ)アクリル酸(a2)の含有量が10~400重量部であることを特徴とする請求項1または2記載の難接着被着体用粘着剤組成物。
  4. 上記共重合成分(a)として、さらに水酸基含有モノマー(a5)を含有することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の難接着被着体用粘着剤組成物。
  5. さらに、粘着付与剤(C)を含有することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の難接着被着体用粘着剤組成物。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の難接着被着体用粘着剤組成物が架橋されてなることを特徴とする難接着被着体用粘着剤。
  7. 請求項記載の難接着被着体用粘着剤が基材上に形成されてなることを特徴とする難接着被着体用粘着テープ。
  8. 上記難接着被着体がエチレンプロピレンジエンゴムであることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の難接着被着体用粘着剤組成物。
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