JP7172335B2 - イオンビーム処理手段を備えた金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置の一具体例として、真空中においてロールツーロール方式で長尺の耐熱性樹脂フィルムを搬送しながら熱負荷のかかる成膜処理により金属膜の成膜を行う真空成膜装置について図1を参照しながら詳細に説明する。この図1の示す真空成膜装置はスパッタリングウェブコータとも称され、長尺の樹脂フィルムAに対して熱負荷の掛かる成膜処理であるスパッタリング成膜により金属膜を連続的に成膜する装置である。なお、図1において、長尺の樹脂フィルムを所定の経路に沿って搬送させる役割を担う各種ロールのうち、モータで駆動するロールにはモータを意味するMが、張力測定ロールにはテンションピックアップを意味するTPが、フリーロールにはフリーを意味するFが円内に付されている。
上記したように、本発明の一具体例の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置は、イオンビーム処理室30にイオンビーム照射手段34が設けられている。このイオンビーム照射手段34は、図2に示すように、2基の棒状のイオンビーム照射装置1a、1bから構成されており、これら2基のイオンビーム照射装置1a、1bは、冷却駆動ロール32の外周面上の樹脂フィルムAの搬送経路における幅方向中央部と該中央部よりも搬送方向下流側の幅方向両端部とを結ぶ2条の線状領域R1、R2に向けてそれぞれイオンビームを照射するように全体として略V字状に配置されている。
前述したように、本発明の一具体例の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置は、上記のイオンビーム照射手段34でイオンビーム処理される際に樹脂フィルムAを冷却する冷却駆動ロール32が設けられている。この冷却駆動ロール32は、図7に示すように軸方向両端部から軸方向中央部に向かって徐々に外径が小さくなるいわゆる逆クラウン形状の外周面を備えているのが好ましい。これにより、該逆クラウン形状の冷却駆動ロール32の外周面に巻き付いた樹脂フィルムAは、その幅方向中央部と幅方向両端部の周速度差により幅方向に伸びる拡幅効果が生じるので、シワの発生をより一層効果的に抑制することができる。
図1に示すような真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用いて金属膜付長尺耐熱性樹脂フィルムを作製した。基材となる長尺の樹脂フィルムAには、幅600mm、長さ1000m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)」を使用した。この樹脂フィルムAの両面に、各々、下地金属層としてのNi-Cr膜と、その上のCu薄膜層とからなる積層構造の金属膜を成膜するため、マグネトロンスパッタカソード46のターゲットにはNi-Crターゲットを用い、マグネトロンスパッタカソード47、48、49のターゲットにはCuターゲットを用いた。
図3に示すように、イオンビーム照射手段35に樹脂フィルムAの幅方向に延在する照射有効幅650mmのアノードレイヤーソース型のイオンビーム照射装置2を用い、アルゴンガスを130sccm導入しながら、印加する電力を0.65kW、1.3kW、1.95kW、及び2.6kWに段階的に変化させた以外は上記実施例と同様にして、樹脂フィルムAの両面の各々にNi-Cr層25nm、Cu層100nmを成膜した。
実施例と比較例とのイオンビーム処理直後のシワの発生状況の結果を、イオンビーム照射装置への印加電力と共に下記表1に示す。なお、下記表1には、該イオンビーム照射装置に印加したイオンビーム電力に加えて、該イオンビーム照射装置の有効幅1m当たりに換算したイオンビーム電力も記載した。この有効幅1m当たりのイオンビーム電力から分かるように、実施例の各段階での有効幅1m当たりの印加電力はそれぞれ比較例のものと同等であり、よって該イオンビーム照射装置の長さ方向のイオンビームのエネルギー密度は同じとなるため、樹脂フィルムAの幅方向の単位長さ当たりの照射時間が比較例に比べて実施例が若干長くなった。
10 巻出室
20 乾燥室
30 イオンビーム処理室
40 成膜室
50 巻取室
11 巻出ロール
12、14、22、24、25、31、33、51、53、56 フリーロール
13、23、42、44、52 張力測定ロール
21、41、45 駆動ロール
26a、26b、26c、26d、26e ヒータ
32 冷却駆動ロール
34 イオンビーム照射手段
43 キャンロール
46、47、48、49 マグネトロンスパッタリングカソード
54 巻取ロール
55 合紙巻出ロール
A 樹脂フィルム
B 合紙フィルム
R1、R2、R3 線状領域
Claims (8)
- 真空中においてロールツーロール方式で搬送される長尺の樹脂フィルムの表面に金属膜を成膜する真空成膜手段を備えた金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置であって、該真空成膜手段よりも上流側に設けた冷却ロールと、該冷却ロールの外周面上の樹脂フィルムの搬送経路において、幅方向中央部と該中央部よりも搬送方向下流側の幅方向両端部とを結ぶ2条の線状領域に向けてイオンビームを照射する、略V字状に配置した2基のイオンビーム照射装置又は略V字形状を有する1基のイオンビーム照射装置からなるイオンビーム照射手段とを有していることを特徴とする金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記冷却ロールが、軸方向両端部から軸方向中央部に向かって徐々に外径が小さくなる形状の外周面を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記イオンビーム照射手段が2基の棒状のイオンビーム照射装置によって構成され、これら2基のイオンビーム照射装置によって同時に照射される前記樹脂フィルムの搬送経路における幅方向中央部の位置が、該搬送方向に互いにずれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記2基の棒状のイオンビーム照射装置が、各々前記冷却ロールの外周面沿って同心円状に湾曲していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、トリアセテート、及び液晶ポリマーうちのいずれか1種の単体品あるいは貼り合わせ品であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造装置。
- 真空中においてロールツーロール方式で搬送される長尺の樹脂フィルムの表面に金属膜を成膜する金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法であって、該成膜前に該樹脂フィルムを冷却しながらその幅方向中央部と該中央部よりも搬送方向下流側の幅方向両端部とを結ぶ2条の線状領域に向けて、略V字状に配置した2基のイオンビーム照射装置又は略V字形状を有する1基のイオンビーム照射装置からなるイオンビーム照射手段を用いて同時にイオンビームを照射することを特徴とする金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法。
- 軸方向両端部から軸方向中央部に向かって徐々に外径が小さくなる形状の外周面を備えた冷却ロールに巻き付けることで前記冷却を行うことを特徴とする、請求項6に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法。
- 前記樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、トリアセテート、及び液晶ポリマーのうちのいずれか1種の単体品あるいは貼り合わせ品であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の金属膜付樹脂フィルム基板の製造方法。
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