JP7168902B2 - ボビンおよびコイル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえばトランスなどとしても好適に用いることができるコイル装置と、それに用いられるボビンに関する。
たとえばトランスなどに用いられるボビンとしては、特許文献1に示すボビンが知られている。この従来のボビンでは、一対の鍔部の間に一本のワイヤのみが入り込む隙間が形成してあり、鍔部の間に多層巻きが可能になっている。
しかしながら、従来のボビンでは、巻き軸方向に多数の鍔部を形成し、各鍔部に連絡溝を設け、鍔部間でワイヤを掛け渡してボビンの外周に巻軸方向に沿って多数回ワイヤを巻回しようとする場合に問題が生じることが判明した。すなわち、従来のボビンでは、各鍔部に形成してある連絡溝が巻軸方向に沿って直線状に形成することが一般的であるために、連絡溝の部分でワイヤの交差部が巻軸方向に重なり、鍔部を変形させてしまうなどの課題がある。
巻回されるワイヤの線径に比較して、近接する鍔部の間の隙間を大きくすれば、このような問題は生じないが、その場合には、ワイヤの巻乱れが生じやすくなり、インダクタンスなどのコイル特性値のばらつきが大きくなる。また、ワイヤの巻乱れを防止するために、近接する鍔部の隙間を小さくすると、連絡溝の部分でワイヤの交差部が膨らみ、その外側にワイヤカバーを密着して取り付けることが困難になるおそれもある。
すなわち、ワイヤカバーの外側に巻回されるワイヤ(コイル)と、内側に巻回されるワイヤ(コイル)との距離を一定にすることが困難になり、コイル相互間の結合係数が低下したり、ばらついたりするおそれがある。また、コイル装置の小型化が困難になる。
特開2008-66539号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、小型化が可能であると共に、ワイヤの巻乱れが少なく、コイル特性値のばらつきが小さいコイル装置と、それに適したボビンを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るボビンは、
ワイヤが巻回される外周部を持つボビンであって、
前記ボビンの外周部には、前記ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を各巻回区画毎に分離する複数の巻回隔壁鍔が形成してあり、
それぞれの前記巻回隔壁鍔には、隣接する各巻回区画相互を連絡する少なくとも1の連絡溝が形成してあり、
それぞれの前記連絡溝の周方向幅を規定するように前記巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部の少なくともいずれか一方の周方向位置が、前記巻軸方向に沿って隣接する前記巻回隔壁鍔の相互間で、異なることを特徴とする。
本発明に係るボビンでは、連絡溝の周方向幅を規定するように前記巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部の少なくともいずれか一方の周方向位置が、前記巻軸方向に沿って隣接する前記巻回隔壁鍔の相互間で、異なる。このため、各巻回区画に二層以上にワイヤを巻回したとしても、巻軸方向に沿って近接する連絡溝をそれぞれ通過するワイヤの交差部の周方向位置を、周方向に沿ってずらすことが可能になる。
すなわち、本発明のボビンでは、各巻回区画に二層以上にワイヤを巻回したとしても、連絡溝の近くでワイヤの交差部による膨らみや巻乱れが無くなり、コイル特性値のばらつきも小さくなる。また、コイル装置の小型化も容易になる。
前記巻軸方向に沿って相互に隣接する前記連絡溝の周方向幅が、相互に異なっていてもよい。また、巻軸方向に沿って中央から外側に向けて前記連絡溝の周方向幅が、大きくなっていてもよい。
あるいは、それぞれの前記巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部のうちの一方側の周方向位置が、前記巻軸方向に沿って、前記中央から上方向に向けて広がる位置にあってもよく、
それぞれの前記巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部のうちの他方側の周方向位置が、前記巻軸方向に沿って、前記中央から下方向に向けて広がる位置にあってもよい。
このように構成することで、特に、ボビンの巻軸方向の中央部からワイヤのα巻きを行う場合に、連絡溝において、巻軸方向に沿って、ワイヤの交差部を周方向にずらしやすくなる。
前記巻軸方向に沿って前記連絡溝の周方向幅が略同一であっても良い。ただし、一対の切欠縁部の少なくともいずれか一方の周方向位置が、前記巻軸方向に沿って隣接する前記巻回隔壁鍔の相互間で、異なることが必要である。前記連絡溝が、前記ボビンの外周部で斜めに形成してあってもよい。
本発明に係るコイル装置は、
上記に記載のボビンと、
前記ボビンの外周部に巻回してある第1ワイヤと、
前記第1ワイヤが巻回してあるボビンの周囲を覆うワイヤカバーと、
前記ワイヤカバーの外周に巻回してある第2ワイヤと、を有する。
本発明のコイル装置では、各巻回区画に二層以上に第1ワイヤを巻回したとしても、巻軸方向に沿って近接する連絡溝をそれぞれ通過するワイヤの交差部の周方向位置を、周方向に沿ってずらすことが可能になる。すなわち、本発明のコイル装置では、各巻回区画に二層以上に第1ワイヤを巻回したとしても、連絡溝の近くでワイヤの交差部による膨らみや巻乱れが無くなり、コイル特性値のばらつきも小さくなる。また、コイル装置の小型化も容易になる。なお、第1ワイヤによるコイルは、1次ワイヤであってもよく、あるいは2次ワイヤであってもよい。
前記ボビンの外周部の前記巻軸方向の上端部または下端部には、前記第1ワイヤが巻回されない非巻回区画を形成するための巻回規制鍔が形成してあっても良い。また、前記非巻回区画に位置する前記ボビンの外周部には、前記ワイヤカバーを前記ボビンに対して位置決めして取り付けるための位置決め部が形成してあってもよい。位置決め部が形成してあることで、ボビンとワイヤカバーとの位置決めが容易になる。
前記ワイヤカバーの外周部には、前記非巻回区画に対応する位置を含めて、前記第2ワイヤが前記巻回軸に沿って所定範囲の長さ範囲で巻回されることを規定する位置決め鍔部が形成してあってもよい。このように構成することで、第1ワイヤが巻回されていない非巻回区画の外側に、第2ワイヤの巻回部を位置させることが可能になり、たとえばコイル装置のリーケージ特性の調整が容易になる。
前記ワイヤカバーの内周部には、前記第1ワイヤのリード部を前記巻軸方向の上部に引き出すための通路用凹部が形成してあってもよい。このようにすることで、コイル装置の小型化を図ることができる。
好ましくは、前記通路用凹部と前記連絡溝の位置以外の部分では、前記巻回隔壁鍔の外周縁が前記ワイヤカバーの内周部に接触可能になっている。このように構成することで、ワイヤカバーの内側と外側に巻回されるワイヤのコイル間距離を一定にし易くなり、コイル特性値のばらつきが少なくなる。
前記ワイヤカバーの外周部には、前記巻軸方向の下端部に巻回してある前記第2ワイヤのリード部を引っ掛けて前記巻軸方向の上部に向けるための偏向用凸部が形成してあってもよい。このように構成することで、端子台をボビンの巻軸方向の上部に形成しやすくなる。
本発明のコイル装置では、前記巻回区画に前記第1ワイヤが二層以上に巻回されている場合に特に有効である。また、巻回区画の前記巻軸方向の幅は、単一の前記第1ワイヤが入り込める幅に設定してある場合に特に有効であり、巻乱れを有効に防止することができる。
図1は本発明の一実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図2Aは図1に示すコイル装置の分解斜視図である。 図2Bは図2Aに示すワイヤカバーを分解したボビンの斜視図である。 図3Aは図2Bに示すボビンにワイヤを巻回するための斜視図である。 図3Bは図3Aに示すボビンの左側面図である。 図3Cは図3Aに示すボビンの正面図である。 図3Dは図3Cに示すに示すIIID-IIID線に沿う要部断面図である。 図3Eは図3Bに示すボビンの変形例に係る左側面図である。 図4Aは図2Bに示すワイヤ巻回後のボビンをX軸の逆方向から見た斜視図である。 図4Bは図2Bに示すボビンの左側面図である。 図4Cは図4Bに示すボビンの変形例を示す左側面図である。 図4Dは図4Bに示すボビンの比較例を示す左側面図である。 図5は図2Bに示すコイルカバーの異なる角度から見た斜視図である。 図6Aは図1Aに示すVIA-VIA線に沿う要部断面図である。 図6Bは図1Aに示すVIB-VIB線に沿う要部断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るコイル装置10は、4つのコア12と、ボビン40と、ワイヤカバー50と、2つのコアカバー60とを有する。本実施形態では、図において、X軸とY軸とZ軸とは、相互に垂直であり、コイル装置10の実装面に対して垂直方向がZ軸であり、ボビン40に形成してある一対のリード引出部49が相互に反対側に位置する方向がX軸である。
図2Aに示すように、4つのコア12は、組み立てられて、後述するコイルにより発生する磁束を通過させる磁路を形成する。これらのコア12は、対称な形状を有しており、ワイヤカバー50およびボビン40を上下方向(図においてZ軸方向)から挟むようにして互いに連結される。
各コア12は、それぞれ縦断面(Y軸およびZ軸を含む切断面)が略E字形状コアである。各コア12は、たとえばフェライト、金属磁性体などの軟磁性体で構成され、Y軸方向に延びる平板状のベース13と、各ベース13のY軸方向の両端からZ軸方向に突出する一対の側脚16,16と、各ベース13のY軸方向の中間位置からZ軸方向に突出する中脚14とを有する。
本実施形態では、各コア12の中脚14がボビン40の第1中空筒部44に形成してある第1貫通孔44aの内部に入り込み、第1中空筒部44の内周壁に形成してある分離用凸部44bにより、X軸方向に隣り合うコア12,12には、相互に隙間が形成される。この隙間に、後述する放熱性樹脂が入り込むことにより、コイル装置10の内部に発生する熱の放熱性が向上する。
分離用凸部44bにより形成される隙間は、分離用凸部44bのX軸方向の厚みに対応する。分離用凸部44bは、貫通孔44aの内部で、X軸方向の中央部で、Y軸方向の両側に、Z軸に沿って形成してある。分離用凸部44bのX軸方向の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.05~5mm、さらに好ましくは、0.1~3mmである。
図2Bに示すように、ボビン40は、そのZ軸方向の下端部に、略楕円形平板状のボビン基板42を有する。ボビン基板42の略中央部には、図3A~図3Dに示すように、第1中空筒部44がZ軸方向の上部に伸びるように一体成形してある。
図3Aに示すように、第1中空筒部44のZ軸方向上部には、ボビン上鍔部48がY軸-X軸平面で第1中空筒部44から径方向に突き出るように一体成形してある。ボビン上鍔部48のX軸方向両端部には、それぞれリード引出部49が一体に成形してある。
図2Bに示すように、一方のリード引出部49は、内側コイル20を構成する第1ワイヤ22の両端部である一対のリード部22a,22aが共通してZ軸の上方向に引き出される共通引出溝49aが形成してある台座49cを有する。台座49cには、共通引出溝49aのZ軸方向の上部でY軸方向の反対側に導かれる個別引出溝49bが形成してある。各個別引出溝49bには、各リード部22a,22aが案内されるようになっている。各リード部22a,22aの先端には、図示省略してある端子が接続される。端子は、台座49cに埋め込まれて一体化されていてもよい。
図2Bに示す他方のリード引出部49は、外側コイル30を構成する第2ワイヤ32の両端部である一対のリード部32a,32aが共通してZ軸の上方向に引き出される共通引出溝49aが形成してある台座49cを有する。台座49cには、共通引出溝49aのZ軸方向の上部でY軸方向の反対側に導かれる個別引出溝49bが形成してある。各個別引出溝49bには、各リード部32a,32aが案内されるようになっている。各リード部32a,32aの先端には、図示省略してある端子が接続される。端子は、台座49cに埋め込まれて一体化されていてもよい。
また、それぞれのリード引出部49には、台座49cと第1中空筒部44との境界部からZ軸上方向に立ち上げられている絶縁壁49dが形成してある。絶縁壁49dは、リード部22aまたは32aと、図1に示すコア12,12との絶縁距離を向上させることができるようになっている。
図3A~図3Cに示すように、ボビン上鍔部48とボビン基板42との間に位置する第1中空筒部44の外周部には、第1巻回部45が形成してある。第1巻回部45では、図6Bに示すように、第1ワイヤ22の巻回軸(Z軸)に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する複数の巻回隔壁鍔46が巻回軸に沿って所定間隔で、ボビン基板42(およびボビン上鍔部48)と略平行に第1中空筒部44と一体に形成してある。巻回隔壁鍔46の詳細と第1ワイヤ22の巻回方法については後述する。
ボビン40におけるボビン基板42、第1中空筒部44、ボビン上鍔部48、リード引出部49および巻回隔壁鍔46は、射出成形などにより一体成形してあることが好ましい。
ボビン基板42における第1中空筒部44の内部には、Z軸方向に貫通する第1貫通孔44aが形成してある。第1貫通孔44aには、コア12における中脚14が、Z軸方向の上下から入り込み、貫通孔44aのZ軸方向の略中央部において中脚14の先端が突き合わされるようになっている。なお、図6Bに示すように、貫通孔44aのZ軸方向の略中央部において、Z軸の上下から挿入された中脚14の先端は、接触せずに所定間隔でギャップが形成されていてもよい。
図2Bに示すように、ワイヤカバー50は、X軸方向に2つに分割可能な一対の半割体50a,50bで構成してあり、巻回軸(Z軸)に平行な分割接続部53で組み合わされ、組み合わされた状態で、第2巻回部55が、カバー50の外周部に形成される。ワイヤカバー50は、ボビン40の第1巻回部に第1ワイヤ22が巻回されて内側コイル20が形成された後に、ボビン40の外周に装着され、分割接続部53で組み合わされる。
ワイヤカバー50は、内側コイル20を外側から覆う第2中空筒部54を有し、第2中空筒部54の外周部に、ワイヤカバー下鍔部52とワイヤカバー上鍔部58とがZ軸方向に所定間隔で周方向に沿って形成してある。下鍔部52および上鍔部58は、X-Y軸の平面に平行に設けられ、設置面と平行に延在する。
これらの下鍔部52と上鍔部58との間が、第2巻回部55となり、この第2巻回部55に、たとえば2次コイルとなる外側コイル30を構成する第2ワイヤ32が整列巻き(またはα巻き)される。整列巻とは、巻回軸の一方の端から他方の端に向けてワイヤが巻かれる通常の巻き方である。α巻きについては後述する。
図2Aに示すように、外側コイル30が装着してあるワイヤカバー50の第2巻回部55の外周には、Y軸方向の両側から一対のコアカバー60が装着される。コアカバー60は、たとえば合成樹脂などの絶縁部材で構成され、カバー本体62を有し、その外周面は、コア12における側脚16を案内する案内面となり、その内周面には、外側コイル30が位置する。
カバー本体62のZ軸方向の両端には、取付縁64,64が一体に形成してある。Z軸上側の取付縁64は、ボビン上鍔部48の上面に係合し、Z軸下側の取付縁64は、ボビン基板42の下面に係合し、コアカバー60はボビン40に取り付けられる。
カバー本体62は、コアカバー60の外周面形状に対応した内周面形状を有し、そのX軸方向の両端には、絶縁板部66が一体に成形してある。絶縁板部66のZ軸方向の上下には、Y軸方向の内側に突出する係合凸部66aが形成してある。Z軸上方側の係合凸部66aは、リード引出部49の絶縁壁49dの内面に係合し、Z軸下側の係合凸部66aは、ボビン基板42のX軸両端からZ軸下方に向けて一体成形してある脚部42aの内面に係合する。
その結果、図1に示すように、コアカバー60の絶縁板部66は、絶縁壁49dおよび脚部42と組み合わされて、コア12と外側コイル30との絶縁を向上させる。絶縁板部66の内面は、コア12と接触していてもよく、コア12の外形状に合わせた形状を有していてもよい。
図2Bに示すワイヤカバー50を構成する一方の半割体50aの第2中空筒部54の外周面には、X軸方向の外側位置で、Z軸方向の下端部近くに、偏向用凸部54aがX軸方向の外側に向けて突出して形成してある。偏向用凸部54aは、半割体50aと共に、射出成形などにより一体成形してある。図1に示すように、外側コイル30を構成する第2ワイヤ32の一方のリード部32aは、Z軸方向の下側で偏向用凸部54aに係止可能になっており、Z軸上方向に導き、リード引出部49の共通引出溝49aへと案内されるようになっている。
図2Bに示すワイヤカバー50を構成する他方の半割体50bの第2中空筒部54の内周面には、図5に示すように、X軸方向の外側に向けて凹む通路用凹部56がZ軸方向に沿って形成してある。また、通路用凹部56の底壁には、位置決め凹部51が形成してある。図6Aおよび図6Bに示すように、通路用凹部56には、Z軸下側から引き出される第1ワイヤ22のリード部22aがZ軸上方向に案内される。図6Bに示すように、位置決め凹部51には、位置決め凸部47cが嵌合し、ワイヤカバー50とボビン40との位置決めがなされる。
なお、図2Bに示すワイヤカバー50を構成する一方の半割体50aの第2中空筒部54の内周面にも、図5に示す半割体50bの位置決め凹部51と同様な位置決め凹部(図示省略)が形成してあり、図2Bに示す位置決め凸部47bに嵌合可能になっている。半割体50aの第2中空筒部54の内周面には、図5に示す半割体50bとは異なり、通路用凹部56は形成されていない。
図3A~図3Cに示すように、本実施形態では、略楕円筒形状の第1中空筒部44の外周部に、Z軸方向に沿って所定間隔の巻回区画47が形成されるように、楕円リング形状の巻回隔壁鍔46がX-Y軸に略平行な平面で形成してある。本実施形態では、Z軸方向に沿って所定間隔で7つの巻回隔壁鍔46が略平行に形成してあるが、その数は特に限定されない。これらの巻回隔壁鍔46が形成してある領域が、第1巻回部45となる。
本実施形態では、第1中空筒部44の外周部のZ軸方向の下端部(上端部でもよい)には、図4Aに示す第1ワイヤ22が巻回されない非巻回区画47aを形成するための巻回規制鍔43が形成してある。すなわち、本実施形態では、第1中空筒部44の外周部で、ボビン上鍔部48と巻回規制鍔43との間が、第1巻回部となり、その部分に、複数の巻回隔壁鍔46がZ軸方向に沿って所定間隔で形成してある。
巻回隔壁鍔46で分離される各巻回区画47における巻回軸(Z軸)に沿っての巻回区画幅は、1本のみのワイヤ22が入り込める幅に設定してある。すなわち、巻回区画幅w1(図3B参照)は、ワイヤ22の線径d1に対して、好ましくは、d1<w1<(2×d1)、さらに好ましくはd1<w1<(1.2×d1)の関係にあることが好ましい。線径d1に対して巻回区画幅w1が広すぎると、巻乱れが生じやすくなると共に、コイル装置のコンパクト化の要請に反する。
なお、各巻回区画47において、巻回区画幅は、全て同一であることが好ましいが、多少異なっていてもよい。また、ボビン上鍔部48と最上位置の巻回隔壁鍔46との間の巻回区画幅は、巻回隔壁鍔46の相互間の巻回区画幅よりも大きくてもよい。また、同様に、巻回規制鍔43と最下位置に位置する巻回隔壁鍔46との間の巻回区画幅は、巻回隔壁鍔46の相互間の巻回区画幅よりも大きくてもよい。
各巻回隔壁鍔46の高さh1は、各巻回区画47に巻回される予定の総巻回数をmとすると、巻回隔壁鍔46の高さh1は、m×d1よりも大きいことが好ましい。その場合には、巻回隔壁鍔46の頂部を、図2Bに示すワイヤカバー50の内周面に当接させ、第1巻回部45と第2巻回部55とを略同芯状に位置決めすることができる。本実施形態では、各巻回区画47に巻回される予定の総巻回数mは、2であるが、3以上であってもよい。
なお、全ての巻回隔壁鍔46の頂部をワイヤカバー50の内周面に当接させる必要はなく、いずれか一つ、好ましくは巻回軸方向に離れた2つ以上の巻回隔壁鍔の長さを、他の巻回隔壁鍔よりも長く設定し、それらの巻回隔壁鍔の頂部のみを、ワイヤカバー50の内周面に当接させるようにして位置決めしても良い。あるいは、巻回規制鍔43の外周がワイヤカバー50の内周面に当接させるようにしてもよい。
なお、巻回隔壁鍔46の高さh1は、m×d1よりも小さくしても良い。ただし、ワイヤ22が隣の巻回区画47に移動しないように、はみ出し部の長さΔh(=m×d1-h1)は、d1/2よりも小さいことが好ましい。また、ボビン基板42およびボビン上鍔部48の飛び出し高さは、巻回隔壁鍔46の飛び出し高さよりも高いことが好ましい。
第1ワイヤ22は、単線で構成されても良く、あるいは撚り線で構成されても良く、絶縁被覆導線で構成されることが好ましい。第1ワイヤ22の外径d1は、特に限定されないが、大電流を流す場合には、たとえばφ1.0~φ3.0mmが好ましい。第2ワイヤ32は、第1ワイヤ22と同じであっても良いが、異なっていても良い。
この実施形態では、図2Bに示す第1ワイヤ22から成る内側コイル20は、トランスの一次コイルを構成し、ワイヤカバー50の回りに巻回される第2ワイヤ32から成る外側コイル30が二次コイルを構成する。そのため、本実施形態では、図6Bに示すように、外側コイル30を構成する第2ワイヤ32の線径が、第1ワイヤ22に比較して線径を太くしてあるが、線径は、特に限定されず、線径を同じにしても良いし、逆に異ならせても良い。また、第1ワイヤ22および第2ワイヤ32の材質に関しても同一でも異なっていても良い。
図3Aおよび図3Bに示すように、本実施形態のボビン40では、各巻回隔壁鍔46には、隣接する各巻回区画47相互を連絡する少なくとも1の連絡溝46aが形成してある。本実施形態では、それぞれの連絡溝46aの周方向幅w2を規定するように巻回隔壁鍔46に形成してある一対の切欠縁部46b,46cの少なくともいずれか一方の周方向位置が、Z軸方向(巻軸)に沿って隣接する巻回隔壁鍔46の相互間で、異なる。なお、周方向とは、中空筒部44の楕円状外周面に沿った方向である。
本実施形態では、Z軸方向に沿って相互に隣接する連絡溝46aの周方向幅w2が、相互に異なっており、しかもZ軸方向に沿って中央から外側に向けて連絡溝46aの周方向幅w2が、大きくなっている。さらに、それぞれの巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部46b,46cのうちの一方側の切欠縁部46bの周方向位置が、Z軸方向に沿って、中央から上方向に向けて広がる位置にある。他方側の切欠縁部46cの周方向位置は、Z軸方向に沿って、中央から上方向に向けて同じ位置にある。
また、それぞれの巻回隔壁鍔46aに形成してある一対の切欠縁部46b,46cのうちの他方側の切欠縁部46c周方向位置は、Z軸方向に沿って、中央から下方向に向けて広がる位置にある。また一方側の切欠縁部46bの周方向位置は、Z軸方向に沿って、中央から下方向に向けて同じ位置にある。切欠縁部46b,46cの中空筒部44の外周面に対する切欠角度は、特に限定されないが、図3Dに示すように、Z軸中央部の切欠縁部46b,46cと同じ周方向位置にある切欠縁部46b,46cのみを、X軸に平行に近い角度とし、その他の切欠縁部46b,46cを、Y軸に近い角度にしてもよい。
図3Aおよび図3Bに示すように、本実施形態のボビン40では、第1ワイヤ22が、たとえば第1巻回部45のZ軸方向の中央部からα巻きされる。すなわち、第1ワイヤ22の中央部22cを、第1巻回部45のZ軸方向の中央部に位置する連絡溝46aを通過するように配置し、第1ワイヤ22の中央部から端に向けて一方の下巻回部分22dを、中央から一段下の巻回区画47に通す。また、第1ワイヤ22の中央部から端に向けて他方の上巻回部分22dを、下巻回部分22dが通された巻回区画47の一つ上に位置する巻回区画47に通す。
その後に、下巻回部分22dは、同じ巻回区画47で、Z軸上から見て左巻きで2回巻回し、上巻回部分22eは、上の段の同じ巻回区画47で、Z軸上から見て右巻きで2回巻回する。その後に、下巻回部分22dは、2巻した巻回区画47から、連絡溝46aを通し、Z軸方向の一段下の巻回区画47に移動し、その巻回区画47で、同様に同じ方向に巻回される。また、上巻回部分22eは、2巻した巻回区画47から、連絡溝46aを通し、Z軸方向の一段上の巻回区画47に移動し、その巻回区画47で、同様に同じ方向に巻回される。
その動作を繰り返すことで、第1巻回部45の周囲に、第1ワイヤがα巻きされる。α巻き後の第1ワイヤ22が巻回してあるボビン40の状態を図4Aおよび図4Bに示す。図4Aに示すように、α巻き後の第1ワイヤ22の下巻回部分22dからのリード部22aは、偏向用凸部46dに係止されてZ軸方向の上部に持ち上げられ、リード引出部49の共通引出溝49aに導かれる。また、α巻き後の第1ワイヤ22の上巻回部分22eからのリード部22aは、リード引出部49の共通引出溝49aに直接に導かれ、個別引出溝49bを通して、他のリード部22aと異なる方向に引き出される。
これに対して、図2Aおよび図2Bに示すように、ワイヤカバー50では、その第2巻回部55に、二次コイルとなる外側コイル30を構成する第2ワイヤ32が整列巻きされる。整列巻とは、巻回部55の外周面に対して、Z軸方向の一端から他端に向けて順次にワイヤ32が巻回される巻き方であり、本実施形態では、一層のみで整列巻きしてある。仮に、二層で整列巻きする場合には、整列巻の場合には、一層目が全て巻かれてから、その上に二層目が巻かれる。
本実施形態に係るコイル装置10は、図2Aに示す各部材を組み立てると共に、ボビン40およびワイヤカバー50にワイヤを巻回することによって製造される。このコイル装置10は、ケースの内部に収容されていてもよい。また、ケースの内部には、放熱用樹脂が充填してあってもよい。放熱用樹脂としては、特に限定されないが、たとえば熱伝導率が0.5~5、好ましくは1~3W/m・Kである放熱性に優れた樹脂が好ましい。
放熱性に優れた樹脂としては、たとえばシリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などがあるが、中でも、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。また、放熱性を高めるために、樹脂中には、熱伝導性の高いフィラーを充填させても良い。
また、本実施形態の放熱性樹脂は、ショアA硬度が100以下、好ましくは60以下であることが好ましい。コア12が熱により変形したとしても、その変形を吸収し、コア12に過大な応力を発生させないようにするためである。このような樹脂としては、ポッティング樹脂が例示される。
ケースの下方には、金属プレートなどを介して、あるいは、直接に冷却パイプ、冷却フィン、などの冷却装置を装着しても良い。
以下に、コイル装置10の製造方法の一例を、図2Aおよび図2Bなどを用いて説明する。コイル装置10の作製においては、まず、ボビン40を準備する。ボビン40の材質は特に限定されないが、ボビン40は、樹脂等の絶縁材料によって形成される。
次に、ボビン40の第1中空筒部44の外周に第1ワイヤ22を巻回し、内側コイル20を形成する。内側コイル20の形成に使用される第1ワイヤ22としては、特に限定されないが、リッツ線等が好適に使用される。
次に、内側コイル20が形成されたボビン40に対して、ワイヤカバー50を取り付ける。ワイヤカバー50における第2中空筒部54の外周には、外側コイル30を構成する第2ワイヤ32を巻回する。
その後に、コアカバー60をワイヤカバー50におけるY軸方向の両側に取り付け、その後に、Z軸方向の上下方向から、コア12を取り付ける。すなわち、コア12の中脚14,14の先端同士、側脚16,16の先端同士を突き合わせる。なお、中脚14,14の先端同士の間には、ギャップを持たせても良い。
各コア12の材質としては、金属、フェライト等の軟磁性材料が挙げられるが、特に限定されない。コア12は、接着材を用いて接着されるか、または外周をテープ状部材で巻かれることによって、ワイヤカバー50およびボビン40に固定される。
本実施形態では、一連の組み立て工程の後に、コイル装置10に対してワニス含浸処理が施されても良い。以上のような工程により、本実施形態に係るコイル装置10を製造することができる。
その後に、コイル装置10は、放熱用樹脂が充填されたケースの内部に収容されてもよい。樹脂の充填は、コイル装置10をケースの内部に収容する前でも後でも良い。
また、本実施形態のコイル装置10は、実装基板面に対して、コイルの巻軸が垂直に配置される縦タイプのコイル装置として用いることができるので、ボビン40の中空部に挿入されるコア12を冷却しやすい。
さらに本実施形態では、ワイヤカバー50は、図2に示すように、巻回軸に平行な分割接続部53で分割可能であるため、ボビン40の外周に、ワイヤカバー50を容易に配置することができる。
本実施形態のコイル装置10では、各巻回区画47においては巻回軸方向に沿って単一のワイヤ巻回部分のみが存在するようにワイヤ22を巻回するために、一層当たりのワイヤ22の巻回数のバラツキを防止することが容易になり、リーケージ特性の安定化に寄与する。すなわち、二次コイルを構成する外側コイル30と一次コイルを構成する内側コイル20との結合係数を厳密に制御することが容易になり、本実施形態のコイル装置10をリーケージトランスとしても好適に用いることができる。
また本実施形態では、図6Bに示すように、第1巻回部45における内側コイル20の巻回軸方向の第1全幅と、第2巻回部55における外側コイル30の巻回軸方向の第2全幅とを異ならせてある。しかも、ワイヤカバー50の外周部には、非巻回区画47aに対応する位置を含めて、第2ワイヤ32が巻回軸に沿って所定範囲の長さ範囲で巻回されることを規定する位置決め鍔部52,58が形成してある。このように構成することで、第1ワイヤ22が巻回されていない非巻回区画47aの外側に、第2ワイヤ32の巻回部を位置させることが可能になり、この点でも、コイル装置10のリーケージ特性を容易且つ正確に調整することができる。
図3Bに示すように、本実施形態に係るボビン40では、連絡溝46aの周方向幅を規定するように巻回隔壁鍔46に形成してある一対の切欠縁部46b,46cの少なくともいずれか一方の周方向位置が、Z軸方向に沿って隣接する巻回隔壁鍔46の相互間で異なる。このため、各巻回区画47に二層以上に第1ワイヤ22を巻回したとしても、図4Bに示すように、Z軸方向に沿って近接する連絡溝46aをそれぞれ通過するワイヤ22の交差部22bの周方向位置を、周方向に沿ってずらすことが可能になる。
すなわち、本実施形態のボビン40では、各巻回区画47に二層以上にワイヤを巻回したとしても、連絡溝46aの近くでワイヤ22の交差部22bによる膨らみや巻乱れが無くなり、コイル特性値のばらつきも小さくなる。また、コイル装置10の小型化も容易になる。
また、本実施形態では、Z軸方向に沿って相互に隣接する連絡溝46aの周方向幅が、相互に異なっている。さらに、Z軸方向に沿って中央から外側に向けて連絡溝46aの周方向幅が、大きくなっている。さらにまた、それぞれの巻回隔壁鍔46に形成してある一対の切欠縁部46b,46cのうちの一方側の周方向位置が、Z軸方向に沿って、中央から上方向に向けて広がる位置にある。さらに、
それぞれの巻回隔壁鍔46に形成してある一対の切欠縁部46b,46cのうちの他方側の周方向位置が、Z軸方向に沿って、中央から下方向に向けて広がる位置にある。
このように構成することで、特に、ボビン40の巻軸方向の中央部からワイヤのα巻きを行う場合に、連絡溝46aにおいて、巻軸方向に沿って、ワイヤの交差部を周方向にずらしやすくなる。
さらに本実施形態では、図6Aおよび図6Bに示すように、ワイヤカバー50の内周部には、第1ワイヤ22のリード部22aを巻軸方向の上部に引き出すための通路用凹部56が形成してあるので、コイル装置10の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、通路用凹部56と連絡溝46aの位置以外の部分では、巻回隔壁鍔46の外周縁がワイヤカバー50の内周部に接触可能になっている。このように構成することで、ワイヤカバー50の内側と外側に巻回されるワイヤのコイル20,30間距離を一定にし易くなり、コイル特性値のばらつきが少なくなる。
さらに本実施形態では、ワイヤカバー50の外周部には、Z軸方向の下端部に巻回してある第2ワイヤ2のリード部32aを引っ掛けてZ軸方向の上部に向けるための偏向用凸部54aが形成してある。このため、リード引出部49または端子台をボビン40の巻軸方向の上部に形成しやすくなる。
本実施形態のコイル装置10では、巻回区画47に第1ワイヤ22が二層以上に巻回されている場合に特に有効である。また、巻回区画47の巻軸方向の幅は、単一の第1ワイヤ22が入り込める幅に設定してある場合に特に有効であり、巻乱れを有効に防止することができる。
なお本実施形態では、内周側に配置される第1ワイヤ22が、トランスの一次コイルであるが、その逆に、さらに高電圧が作用する二次コイル(内側コイル20)であってもよい。その場合には、高電圧が作用する二次コイル(内側コイル20)を、比較的に低電圧が作用する一次コイル(外側コイル30)の内側に配置することで絶縁が容易になる。
第2実施形態
図3Eおよび図4Cに示すように、本発明の第2実施形態に係るボビン40aは、第1実施形態に係るボビン40に比較して、以下の点が異なるのみであり、その他は同様であり、以下、相違する部分について説明する。
本実施形態のボビン40aでは、巻軸方向であるZ軸に沿って連絡溝46aの周方向幅が略同一である。ただし、連絡溝46aが、ボビン40の外周部で斜めに形成してある。すなわち、図3Eに示すように、一対の切欠縁部46b,46cのうちの一方側の切欠縁部46bの周方向位置が、Z軸方向に沿って上から下に向けて階段状に位置ずれする位置にある。また、一対の切欠縁部46b,46cのうちの他方側の切欠縁部46cの周方向位置も同様に、Z軸方向に沿って上から下に向けて階段状に位置ずれする位置にある。
このように構成することで、図4Cに示すように、Z軸方向に沿って近接する連絡溝46aをそれぞれ通過するワイヤ22の交差部22bの周方向位置を、周方向に沿ってずらすことが可能になる。
すなわち、本実施形態のボビン40aでは、各巻回区画47に二層以上にワイヤを巻回したとしても、連絡溝46aの近くでワイヤ22の交差部22bによる膨らみや巻乱れが無くなり、コイル特性値のばらつきも小さくなる。また、コイル装置の小型化も容易になる。
従来例に係るボビンでは、図4Dに示すように、連絡溝46aを規定する巻回隔壁鍔46の切欠縁部46b,46cの周方向位置が、Z軸に沿って直線状に形成してある。このため、図4Dに示すように、連絡溝46aの部分でワイヤ22の交差部22bが巻軸方向に重なり、鍔部46を変形させてしまうなどの課題があった。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、第1ワイヤ22は、α巻きである必要は無く、整列巻でもよい。整列巻でも、本発明の作用効果を期待することができる。さらに、ボビン40,40aの具体的な形状、あるいはコア12の具体的な形状は、上述した実施形態に限らず、種々に改変することができる。
10…コイル装置
12…コア
13…ベース
14…中脚
16…側脚
20…内側コイル
22…第1ワイヤ
22a…リード部
22b…交差部
22c…中央部
22d…下巻回部分
22e…上巻回部分
30…外側コイル
32…第2ワイヤ
32a…リード部
40,40a,40b…ボビン
42…ボビン基板
42a…脚部
43…巻回規制鍔
44…第1中空筒部
44a…第1貫通孔
44b…分離用凸部
45…第1巻回部
46…巻回隔壁鍔
46a…連絡溝
46b,46c…切欠縁部
46d…偏向用凸部
47…巻回区画
47a…非巻回区画
47b,47c…位置決め凸部
48…ボビン上鍔部
49…リード引出部
49a…共通引出溝
49b…個別引出溝
49c…台座
49d…絶縁壁
50…ワイヤカバー
50a,50b…半割体
51…位置決め凹部
52…ワイヤカバー下鍔部
53…分割接続部
54…第2中空筒部
54a…偏向用凸部
55…第2巻回部
56…通路用凹部
58…ワイヤカバー上鍔部
60…コアカバー
62…カバー本体
64…取付縁
66…絶縁板部

Claims (13)

  1. ワイヤが巻回される外周部を持つボビン
    前記ボビンの外周部に巻回してある第1ワイヤと、
    前記第1ワイヤが巻回してあるボビンの周囲を覆うワイヤカバーと、
    前記ワイヤカバーの外周に巻回してある第2ワイヤと、を有し、
    前記ボビンは、
    外周部に、前記ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を各巻回区画毎に分離する複数の巻回隔壁鍔が形成してあり、
    それぞれの前記巻回隔壁鍔には、隣接する各巻回区画相互を連絡する少なくとも1の連絡溝が形成してあり、
    複数の前記巻回隔壁鍔に形成してあるそれぞれの前記連絡溝の周方向幅を規定するように前記巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部の少なくともいずれか一方の周方向位置が、前記巻回軸の方向に沿って隣接する前記巻回隔壁鍔の相互間で、異なり、
    前記ワイヤカバーの内周部には、前記第1ワイヤのリード部を前記巻回軸の方向の上部に引き出すための通路用凹部が形成してあることを特徴とするコイル装置
  2. 前記巻回軸の方向に沿って相互に隣接する前記連絡溝の周方向幅が、相互に異なっている請求項1に記載のコイル装置
  3. 前記巻回軸の方向に沿って中央から外側に向けて前記連絡溝の周方向幅が、大きくなっている請求項2に記載のコイル装置
  4. それぞれの前記巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部のうちの一方側の周方向位置が、前記巻回軸の方向に沿って、前記中央から上方向に向けて前記連絡溝の前記周方向幅が広がる位置にあり、
    それぞれの前記巻回隔壁鍔に形成してある一対の切欠縁部のうちの他方側の周方向位置が、前記巻回軸の方向に沿って、前記中央から下方向に向けて前記連絡溝の前記周方向幅が広がる位置にある請求項3に記載のコイル装置
  5. 前記巻回軸の方向に沿って前記連絡溝の周方向幅が略同一である請求項1に記載のコイル装置
  6. 複数の前記巻回隔壁鍔に形成してあるそれぞれの 前記連絡溝が、前記ボビンの外周部で前記巻回軸の方向に沿って上から下に向けて階段状に位置ずれする位置に形成してある請求項5に記載のコイル装置
  7. 前記ボビンの外周部の前記巻回軸の方向の上端部または下端部には、前記第1ワイヤが巻回されない非巻回区画を形成するための巻回規制鍔が形成してある請求項1~6のいずれかに記載のコイル装置。
  8. 前記非巻回区画に位置する前記ボビンの外周部には、前記ワイヤカバーを前記ボビンに対して位置決めして取り付けるための位置決め部が形成してある請求項に記載のコイル装置。
  9. 前記ワイヤカバーの外周部には、前記非巻回区画に対応する位置を含めて、前記第2ワイヤが前記巻回軸に沿って所定範囲の長さ範囲で巻回されることを規制する位置決め鍔部が形成してある請求項またはに記載のコイル装置。
  10. 前記通路用凹部と前記連絡溝の位置以外の部分では、前記巻回隔壁鍔の外周縁が前記ワイヤカバーの内周部に接触可能になっている請求項に記載のコイル装置。
  11. 前記ワイヤカバーの外周部には、前記巻回軸の方向の下端部に巻回してある前記第2ワイヤのリード部を引っ掛けて前記巻回軸の方向の上部に向けるための偏向用凸部が形成してある請求項10のいずれかに記載のコイル装置。
  12. 前記巻回区画に前記第1ワイヤが二層以上に巻回されている請求項11のいずれかに記載のコイル装置。
  13. 前記巻回区画の前記巻回軸の方向の幅は、単一の前記第1ワイヤが入り込める幅に設定してある請求項12のいずれかに記載のコイル装置。
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