JP5974832B2 - コイル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、たとえば車載用などの用途に用いられる比較的に大きなトランスなどとしても好適に用いることができるコイル装置に関する。
トランスなどとして用いられるコイル装置では、たとえば下記の特許文献1に示すように、コイル装置を樹脂封止することがある。
一方、車載用などの用途に用いられる比較的に大きなトランスなどに用いられるコイル装置のコアとして、小型化、ノイズ低減、低コスト化および作業性などの理由から、E型コアを用いることが検討されている。
しかしながら、E型コアを用いる場合には、コアの中脚とコアの外脚との間で放熱性が異なり温度差が生じることなどが原因による熱応力の集中などにより、E型コアにおける中脚とベースとの交差部でクラックが発生しやすいという課題があることが、本願発明者等により見出された。
特開2010−267932号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、比較的に大きなトランスなどとして用いる場合に、コアにクラックなどを発生させることなく、しかも磁気特性に優れたコイル装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るコイル装置は、
E型コアとボビンと前記ボビンの外周に装着してあるコイルとを有するコイル装置であって、
前記E型コアが、
相互に垂直な第1軸、第2軸および第3軸の内、前記第1軸および第2軸を含む平面に略平行なベースと、
前記第2軸方向に沿って前記ベースの両端から前記第3軸方向にそれぞれ突出する一対の側脚と、
前記一対の側脚の間で、前記ベースから前記第3軸方向に突出する中脚と、を有し、
一対の前記側脚が、分離された一対の分割コアのそれぞれに形成されるように、前記中脚およびベースは、前記分割コアの分割面で分離されており、
前記分割面の相互間には、所定の隙間が形成してあり、
分離された前記中脚が前記ボビンの貫通孔に差し込まれていることを特徴とする。
本発明者等の実験によれば、上述したような構成にすることで、従来のE型コアを用いる場合に比較して、中脚とベースとの交差部に発生する局所的な応力を、約1/2以下程度に半減できることが確認された。そのため、本発明に係るコイル装置では、コアに熱応力が発生してもクラックなどが発生することを効果的に抑制することができる。
また、E型コアにおける中脚およびベースは、分割コアの分割面で分離されており、分割面の相互間には所定の隙間が形成してあるために、放熱性も向上する。さらに、本発明では、E型コアを、それぞれが単純な形状を持つ一対の分割コアを組み合わせて構成することとなり、コアの製造も容易となり、製造コストの低減も図れる。しかも本発明に係る分割型のE型コアは、全体としては、E型コアと同様な磁力線を有することになるため、コアの磁気特性は、一般的なE型コアと同等である。
なお、本発明において、所定の隙間とは、好ましくは0.05〜5mm、さらに好ましくは、0.1〜3mmである。これらの所定の隙間は、分割コアの分割面の相互間において必ずしも全面に形成する必要はない。
好ましくは、前記コイル装置の前記第3軸方向に沿っての少なくとも下方部分が、ケース内に収容されて、放熱用樹脂に接触している。放熱用樹脂に接触させることで、中脚の放熱性がさらに向上する。
好ましくは、少なくとも前記中脚の突出先端に位置する分割面の相互間には、前記放熱用樹脂が充填してある。特に中脚の突出先端の部分において放熱用樹脂を介在させることで、その部分が効果的に放熱される。
本発明のコイル装置は、一対の前記E型コアを有しても良く、
前記ボビンの貫通孔には、一対の前記E型コアの分割された各中脚が、前記第3軸方向の相互に反対側から挿入され、
前記貫通孔の前記第3軸方向の途中において、分割された前記中脚の突出先端が、相互に向き合い、
前記ボビンの外側では、一対の前記E型コアの分離された側脚同士が、相互に突き合わされても良い。
このように一対のE型コアを用いた場合においても、本発明では、応力緩和特性および放熱性に優れ、しかも、製造コストの低減にも寄与する。
本発明のコイル装置は、前記E型コアと、I型コアとを有しても良く、
前記I型コアは、前記E型コアにおける前記ベースに対して、前記第3軸方向に沿って前記ベースと反対側に位置する前記ボビンの端部に、前記ベースと略平行に配置され、
前記貫通孔に挿入してある前記中脚の突出先端は、前記I型コアの中間部に向き合うように配置され、
前記E型コアの両端部に形成してある側脚の突出先端は、前記I型コアの前記第2軸方向の両端部に突き合わされていてもよい。
このようにE型コアとI型コアとを用いた場合においても、本発明では、応力緩和特性および放熱性に優れ、しかも、製造コストの低減にも寄与する。I型コアは、前記中間部において、所定の隙間で分離してあってもよい。
好ましくは、本発明に係るコイル装置は、
一次コイルまたは二次コイルの内のいずれか一方を構成する第1ワイヤが巻回される第1巻回部が外周に形成された第1ボビンと、
前記第1ボビンの外周に装着され、前記一次コイルまたは二次コイルの内のいずれか他方を構成する第2ワイヤが巻回される第2巻回部が外周に形成された第2ボビンと、を有するコイル装置であって、
前記第1巻回部または第2巻回部の少なくともいずれかには、前記第1ワイヤまたは第2ワイヤの巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ相互を分離する複数の隔壁が前記巻回軸に沿って所定間隔で形成してあり、
前記隔壁で分離される各区画における前記巻回軸に沿っての区画幅は、1本のみの前記ワイヤが入り込める幅に設定してあり、
前記隔壁の高さは、1本以上の前記ワイヤが入り込める高さに設定してあり、
それぞれの隔壁には、隣接する各区画相互を連絡する少なくともひとつの連絡溝が形成してあっても良い。
このようなコイル装置では、隔壁が形成してある巻回部にワイヤを一層以上に巻回する場合には、各区画において、一層以上に巻回した後に、隣の区画において、一層以上巻回し、順次、連絡溝を通して隣の区画にワイヤを移動させて一層以上に巻回する。そのため、各区画において重なるワイヤ相互の電圧差は少なく、しかも巻回軸方向に隣接するワイヤ相互は隔壁により絶縁され、コイル間の耐電圧特性が向上すると共に高周波特性が向上する。
しかも各区画においては巻回軸方向に沿って単一のワイヤのみが存在するようにワイヤを巻回するために、一層当たりのワイヤの巻回位置のバラツキを防止することが容易になり、リーケージ特性の安定化に寄与する。すなわち、一次コイルと二次コイルとの結合係数Kを厳密に制御することが容易になり、本発明のコイル装置をリーケージトランスとして好適に用いることができる。
また、コイル装置は、実装基板面に対して、コイルの巻軸が垂直に配置される縦タイプのコイル装置として用いることができるので、第1ボビンの中空部に挿入されるコアを冷却しやすい。
好ましくは、内周側に配置される第1ワイヤが、
前記一次コイルに比較して高電圧が作用する前記二次コイルを構成し、
前記第1巻回部に、複数の隔壁が前記巻回軸に沿って形成してある。
この場合には、高電圧が作用する二次コイルを、比較的に低電圧が作用する一次コイルの内側に配置することで絶縁が容易になる。また、この場合には、前記第2巻回部では、第2ワイヤが通常の整列巻きしてあってもよい。
好ましくは、前記第2ボビンは、前記巻回軸に平行な分割ラインで分割可能である。このように構成することで、第1ボビンの外周に、第2ボビンを配置することが容易になる。
前記第1巻回部における前記巻回軸方向の第1全幅と、前記第2巻回部における前記巻回軸方向の第2全幅とは異なっていても良い。第1全幅と第2全幅とを異ならせることでも、リーケージ特性を調整することができる。第1巻回部と第2巻回部とで全幅を同じにして、巻回層数を異ならせることでも、リーケージ特性を調整することができる。
好ましくは前記隔壁にそれぞれ形成される前記連絡溝は、前記巻回軸方向に沿って直線状に連通するように配置してある。また、好ましくは、前記隔壁には、それぞれ2以上の前記連絡溝が形成してある。いずれか一つの連絡溝を、ワイヤにおける区画間の移動用通路として用い、他の一つは、ワイヤにおける巻始め端または巻き終わり端を、巻回軸の一端に形成してある端子に戻すための戻り通路として用いることができる。戻り通路が直線状であれば、ワイヤの端部を最短距離で端子に接続することができる。
前記隔壁の内の少なくとも一つは、前記第2ボビンの内周面に当接し、前記第1巻回部と前記第2巻回部とを略同芯状に位置決めするようになっていても良い。この場合には、第1ボビンと第2ボビンとの位置決めのための部材を別に設ける必要がなくなる。
なお、ワイヤの巻回部と、その上に巻回されるワイヤの巻回部との間には、絶縁テープが巻かれていても良い。
図1Aは本発明の一実施形板に係るコイル装置の斜視図である。 図1Bは図1Aに示すケースを取り除いたコイル装置の斜視図である。 図2は図1に示すコイル装置の分解斜視図である。 図3Aは図1Aに示すIIIA−IIIA線に沿う要部断面図である。 図3Bは図1Aに示すIIIB−IIIB線に沿う要部断面図である。 図4は図1に示すコアのみの斜視図である。 図5は図1に示すコイル装置における一次コイルと二次コイルとの関係を示す概略図である。 図6は図5に示す隔壁の寸法関係を示す概略図である。 図7は本発明の他の実施形態に係るコイル装置における一次コイルと二次コイルとの関係を示す概略図である。 図8は図7に示す実施形態に係るコイル装置の全体斜視図である。 図9Aは本発明のさらに他の実施形態に係るコイル装置における一次コイルと二次コイルとの関係を示す概略図である。 図9Bは本発明のさらに他の実施形態に係るコイル装置における一次コイルと二次コイルとの関係を示す概略図である。 図9Cは本発明のさらに他の実施形態に係るコイル装置における一次コイルと二次コイルとの関係を示す概略図である。 図10は本発明の他の実施形態に係るコイル装置の要部断面図である。 図11は本発明のさらに他の実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図12は図11のXII−XII線に沿う概略断面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1〜図4に示すように、本発明の一実施形態に係るコイル装置10は、一対のE型コア12と、第1ボビン40と、第2ボビン50と、ケース90とを有する。
一対のE型コア12は、組み立てられて、後述するコイルにより発生する磁束を通過させる磁路を形成する。これらのコア12は、対称な形状を有しており、第2ボビン50および第1ボビン40を上下方向(図1においてZ軸方向)から挟むようにして互いに連結される。
図3Aに示すように、各コア12,12は、それぞれ縦断面(Y軸およびZ軸を含む切断面)が略E字形状コアである。各コア12,12は、フェライトコアで構成され、Y軸方向に延びる平板状のベース13,13と、各ベース13,13のY軸方向の両端からZ軸方向に突出する一対の側脚16,16と、各ベース13,13のY軸方向の中間位置からZ軸方向に突出する中脚14,14とを有する。
本実施形態では、各コア12は、Y軸方向の両端に配置された一対の側脚16が、分離された一対の分割コア12a,12aのそれぞれに形成されるように、中脚14およびベース13は、分割コア12a,12aの分割面で分離されている。分割面12b,12bの相互間には、所定の隙間15が形成してあり、分離された中脚14がボビン40の第1貫通孔44aに差し込まれている。
隙間15のX軸方向の幅t(図4参照)は、好ましくは0.05〜5mm、さらに好ましくは、0.1〜3mmである。幅tが小さすぎると、本発明の効果が小さく、幅tが大きすぎると、不必要にサイズが大きくなる傾向にある。なお、隙間15を形成しても、E型コアとしての磁気特性はほとんど変化しない。全体として、磁力線の流れの変化が少ないからである。
また、所定の隙間15は、分割コア12a,12aの分割面12b,12bの相互間において必ずしも全面に形成する必要はなく、分割面12b,12b相互間の全面積を100%とした場合には、所定の隙間15は、50〜100%、好ましくは80〜100%の割合で形成すれば良い。また、所定の隙間15は、全面で均一である必要はなく、0〜5mmの範囲、好ましくは0.1〜5mmの範囲でばらついても良い。
なお、図面において、Z軸は、コイル装置10の高さ方向であり、コイル装置10におけるZ軸方向の高さが短くなるほど、コイル装置の低背化が可能となる。また、Y軸とX軸は、相互に垂直であり、しかもZ軸に垂直であり、この実施形態では、X軸がボビン40,50の長手方向に一致し、分割面12b,12bと略平行になり、Y軸が分割面12b,12bに対して略垂直である。
ただし、本発明においては、分割面12b,12bは、必ずしも平面である必要はなく、曲面であっても良い。また、分割面12b,12bは、必ずしもX軸と平行である必要はなく、所定角度で傾斜しても良く、あるいは、X軸に沿ってジグザグ形状、あるいは波形形状であっても良い。いずれの場合でも、分割面12b,12b間の分割方向における隙間幅tは、前述した関係を有する。
図2に示すように、第1ボビン40は、略矩形平板状の第1ボビン基板42を有する。第1ボビン基板42の略中央部には、図3Aおよび図3Bに示すように、第1中空筒部44がZ軸方向の上部に伸びるように一体成形してある。
図2に示すように、第1中空筒部44のZ軸方向上部には、第1ボビン上鍔部48がY軸−X軸平面で第1中空筒部44から径方向に突き出るように一体成形してある。第1ボビン上鍔部48の4つの角部には、端子ブロック部49が一体に成形してあり、それぞれ一対の第1端子70および72が着脱自在に装着可能になっている。もちろん、これらの端子70および72は、ボビン40に一体成形してあっても良い。
これらの端子70および72は、たとえば金属端子で構成され、後述するように、第1端子70には、二次コイルとなる内側コイル20を構成する第1ワイヤ22のリード部22a(図1および図3B参照)がハンダ部24を介して接続され、第2端子72には、一次コイルとなる外側コイル30を構成する第2ワイヤ32のリード部32a(図1参照)がハンダ部34を介して接続される。
図2,図3および図5に示すように、第1ボビン上鍔部48と第1ボビン基板42との間に位置する第1中空筒部44の外周には、第1巻回部45が形成してある。第1巻回部45では、第1ワイヤ20の巻回軸(Z軸)に沿って相互に隣り合うワイヤ相互を分離する複数の隔壁46が巻回軸に沿って所定間隔で、第1ボビン上鍔部48と平行に第1中空筒部44と一体に形成してある。隔壁46の詳細と第1ワイヤの巻回方法については後述する。
第1ボビン40における第1ボビン基板42、第1中空筒部44、第1ボビン上鍔部48、端子ブロック部49および隔壁46は、射出成形などにより一体成形してあることが好ましい。
第1ボビン基板42における第1中空筒部44の内部には、Z軸方向に貫通する第1貫通孔44aが形成してある。第1貫通孔44aには、コア12における分割された中脚14が、Z軸方向の上下から入り込み、貫通孔44aのZ軸方向の略中央部において中脚14の先端18が突き合わされるようになっている。
図2に示すように、第2ボビン50は、巻回軸(Z軸)に平行な分割ライン51で組み合わされており、2つに分割可能であり、第2巻回部55が外周に形成してある。なお、図2では、コイル20および30の図示を省略してある。第2ボビン50は、第1ボビン40の第1巻回部に第1ワイヤ22が巻回されて内側コイル20が形成された後に、第1ボビン40の外周に装着され、分割ライン51で組み合わされる。
第2ボビン50は、内側コイル20を外側から覆う第2中空筒部54を有し、第2中空筒部54の外周部に、第2ボビン下鍔部52と第2ボビン上鍔部58とがZ軸方向に所定間隔で周方向に沿って形成してある。下鍔部52および上鍔部58は、X−Y軸の平面に平行に設けられ、設置面と平行に延在する。
これらの下鍔部52と上鍔部58との間が、第2巻回部55となり、この第2巻回部55に、図5に示すように、一次コイルとなる外側コイル30を構成する第2ワイヤ32(32〜32)が整列巻きされる。整列巻とは、一層目が巻かれてから二層目が巻かれる巻き方であり、一層目の巻始めのワイヤ32と二層目の巻き終わりのワイヤ32とが重なることになる。
本実施形態では、第2ボビン50における第2中空筒部54の外周に形成する上鍔部52および下鍔部58の形成位置と形成間隔とを変化させることで、図5に示すように、第1巻回部45における巻回軸方向の第1全幅L1に比較して、第2巻回部55における巻回軸方向の第2全幅L2を短くさせることができる。
図2および図3Aに示すように、外側コイル30が装着してある第2ボビン50の第2巻回部55の外周には、Y軸方向の両側から一対の絶縁カバー部材60が装着される。絶縁カバー部材60は、たとえば合成樹脂で構成され、その外周面は、コア12における側脚16を案内する案内面となり、その内周面には、外側コイル30が位置する。
図2に示すように、第2ボビン50における上鍔部58の周方向の2カ所位置には、第2端子72に対応する位置で、リード挿通用切り欠き58aが形成してある。図1Bに示すように、切り欠き58aには、第2ワイヤ32の巻始め端と巻き終わり端であるリード部32aが通され、それぞれのハンダ部34において、第2端子72に接続される。
図2に示すように、鍔部52,58と第2中空筒部54ととからなる二分割型の第2ボビン50は、それぞれ射出成形などにより一体成形される。また、カバー部材60も射出成形などにより形成することができる。
図5および図6に示すように、本実施形態では、隔壁46で分離される各区画47における巻回軸(Z軸)に沿っての区画幅w1は、1本のみのワイヤ22(22〜22)が入り込める幅に設定してある。すなわち、区画幅w1は、ワイヤ22の線径d1に対して、w1<(2×d1)の関係にあることが好ましい。線径d1に対して区画幅w1が広すぎると、各区画47に対して巻回軸方向に1本のみの巻回が困難になるおそれがある。
各隔壁46の高さh1は、各区画47に巻回される予定の総数をmとすると、隔壁46の高さh1は、m×d1よりも大きいことが好ましい。その場合には、隔壁46の頂部を、図3Aおよび図3Bに示すように、第2ボビン50の内周面に当接させ、第1巻回部45と第2巻回部55とを略同芯状に位置決めすることができ、第1ボビン40と第2ボビン50との位置決めのための部材を別に設ける必要がなくなる。
なお、全ての隔壁46の頂部を第2ボビン50の内周面に当接させる必要はなく、いずれか一つ、好ましくは巻回軸方向に離れた2つ以上の隔壁の長さを、他の隔壁よりも長く設定し、それらの隔壁の頂部のみを、第2ボビン50の内周面に当接させるようにして位置決めしても良い。あるいは、第1ボビン40と第2ボビン50との位置決めは、隔壁46以外の部材で行っても良い。
このような場合において、図6の点線に示すように、隔壁46の高さh1は、m×d1よりも小さくしても良い。ただし、ワイヤ22が隣の区画47に移動しないように、はみ出し部の長さΔh(=m×d1−h1)は、d1/2よりも小さいことが好ましい。また、第1ボビン基板42および鍔部48の飛び出し高さは、隔壁46の高さよりも高いことが好ましい。
第1ワイヤ22は、単線で構成されても良く、あるいは撚り線で構成されても良く、絶縁被覆導線で構成されることが好ましい。ワイヤ22の外径d1は、特に限定されないが、大電流を流す場合には、たとえばφ1.0〜φ3.0mmが好ましい。第2ワイヤ32は、第1ワイヤ22と同じであっても良いが、異なっていても良い。
この実施形態では、第1ワイヤ22は、トランスの二次コイルを構成するために、高電圧が印加されることから、第2ワイヤ32に比較して線径を太くしてあるが、線径は、特に限定されず、線径を同じにしても良いし、逆に異ならせても良い。また、第1ワイヤ22および第2ワイヤ32の材質に関しても同一でも異なっていても良い。
図5に示すように、本実施形態では、第1ボビン40では、第1ワイヤ22(22〜22)が、たとえばZ軸方向の最下部に位置する区画47から2巻(22と22)で巻回され、その次に、その上に位置する区画47に、3巻目のワイヤ22が巻回される。以下、同様にして、第1ワイヤ22の巻き終わり22は、巻始めのワイヤ22から最も離れたZ軸方向の最上部に位置する区画47に位置することになる。
これに対して、前述したように、第2ボビン50では、その第2巻回部55に、一次コイルとなる外側コイル30を構成する第2ワイヤ32(32〜32)が整列巻きされる。整列巻とは、一層目が巻かれてから二層目が巻かれる巻き方であり、一層目の巻始めのワイヤ32と二層目の巻き終わりのワイヤ32とが重なることになる。
図1および図2に示すように、第1ボビン40においては、周方向に連続する各隔壁46のX軸方向の両側には、Z軸方向に直線状に伸びる一対の連絡溝46aが形成してある。一対の連絡溝46aの内の一つは、図3Bに示すように、隣接する区画47の間をワイヤ22を移動させるために用いられる。また、一対の連絡溝46aの内の他の一つは、巻始めあるいは巻き終わり端であるワイヤ22のリード部22aを、端子70のハンダ部24方向に案内するために用いられる。
本実施形態に係るコイル装置10は、図2に示す各部材を組み立てると共に、第1ボビン40および第2ボビン50にワイヤを巻回することによって製造され、図1A,図3Aおよび図3Bに示すように、端子70および72を含むZ軸方向の上方部分が露出するように、ケース90の内部に収容される。ケース90の内部には、放熱用樹脂92が充填してある。放熱用樹脂92としては、特に限定されないが、たとえば熱伝導率が0.5〜5、好ましくは1〜3W/m・Kである放熱性に優れた樹脂が好ましい。
放熱性に優れた樹脂としては、たとえばシリコーン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂などがあるが、中でも、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。また、放熱性を高めるために、樹脂中には、熱伝導性の高いフィラーを充填させても良い。
また、本実施形態の放熱用樹脂92は、ショアA硬度が100以下、好ましくは60以下であることが好ましい。コア12が熱により変形したとしても、その変形を吸収し、コア12に過大な応力を発生させないようにするためである。このような樹脂としては、ポッティング樹脂が例示される。
ケース90の下方には、金属プレートなどを介して、あるいは、直接に冷却パイプ、冷却フィンなどの冷却装置を装着しても良い。
以下に、コイル装置10の製造方法の一例を、図2などを用いて説明する。コイル装置10の作製においては、まず、第1端子70および第2端子72を取り付けた第1ボビン40を準備する。第1ボビン40の材質は特に限定されないが、第1ボビン40は、樹脂等の絶縁材料によって形成される。
次に、第1ボビン40の第1中空筒部44の外周に第1ワイヤ22を巻回し、内側コイル20を形成する。内側コイル20の形成に使用される第1ワイヤ22としては、特に限定されないが、リッツ線等が好適に使用される。また、内側コイル20を形成する際の第1ワイヤ22の末端部であるリード部22aは、第1端子70の一部に絡げられてハンダ付けされて接続される。
次に、内側コイル20が形成された第1ボビン40に対して、第2ボビン50を取り付ける。第2ボビン50における第2中空筒部54の外周には、外側コイル30を構成する第2ワイヤ32を巻回する。
その後に、カバー60を第2ボビン50におけるY軸方向の両側に取り付け、その後に、Z軸方向の上下方向から、それぞれ分割コア12a、12aからなるコア12を取り付ける。すなわち、コア12の分割された中脚14,14の先端18同士、側脚16,16の先端19同士を突き合わせる。なお、中脚14,14の先端18同士の間には、ギャップを持たせても良い。
各コア12の材質としては、金属、フェライト等の軟磁性材料が挙げられるが、特に限定されない。コア12は、接着材を用いて接着されるか、または外周をテープ状部材80で巻かれることによって、第2ボビン50および第1ボビン40に固定される。ただし、図4に示す分割面12b,12b相互間の隙間幅tは、所定の範囲に維持されるように、分割されたコア12a,12aは、第2ボビン50および第1ボビン40に固定される。
本実施形態では、一連の組み立て工程の後に、コイル装置10に対してワニス含浸処理が施されても良い。以上のような工程により、本実施形態に係るコイル装置10を製造することができる。
その後に、コイル装置10は、図1A,図3Aおよび図3Bに示すように、端子70および72を含むZ軸方向の上方部分が露出するように、放熱用樹脂92が充填されたケース90の内部に収容される。樹脂92の充填は、コイル装置10をケース90の内部に収容する前でも後でも良い。いずれにしても、樹脂92は、分割面12b相互間の隙間15の少なくとも一部にも充填され、好ましくは、中脚14,14の先端18同士および側脚16,16の先端19同士よりもZ軸方向の上部位置まで、隙間15が樹脂92で充填される。
特に、中脚14,14の先端18同士の位置では、熱が籠もりやすく、その部分に隙間15があり、その部分に放熱用樹脂が存在することで、中脚14の内部の熱を、Z軸方向の下方に伝熱させ、ケース90を通して、放熱させやくなる。ケース90は、放熱性に優れた金属などで構成しても良く、あるいは樹脂で構成し、Z軸方向の下方に装着する冷却手段で冷却しても良い。
本実施形態のコイル装置10では、一対の側脚16が、分離された一対の分割コア12a,12aのそれぞれに形成されるように、中脚14およびベース13は、分割コア12a,12aの分割面12b,12bで分離されている。しかも分割面12a,12aの相互間には、所定の隙間15が形成してあり、分離された中脚14がボビン40の貫通孔44aに差し込まれている。
本実施形態では、上述したような構成にすることで、従来のE型コアを用いる場合に比較して、中脚14とベース13との交差部に発生する局所的な応力を、約1/2以下程度に半減できる。そのため、本実施形態に係るコイル装置10では、コア12,12に熱応力が発生してもクラックなどが発生することを効果的に抑制することができる。
特に、図4に示すように、一対のE型コア12を組み合わせた場合において、そのY軸方向の長さLyが50mm以上、X軸方向の長さLxが20mm以上、Z軸方向の長さLzが10mm以上の大型コアの使用が検討されている。従来では、このような大型コアにおいては、特に熱応力が大きくなりクラックが発生することから使用することが困難であったが、本実施形態では、隙間15を設けることで、中脚14とベース13との交差部に発生する局所的な応力を従来の約1/2以下程度に半減できることから使用が可能になった。
また、E型コアにおける中脚14およびベース13は、分割コア12a,12aの分割面12b,12bで分離されており、分割面12a,12aの相互間には所定の隙間15が形成してあるために、放熱性も向上する。さらに、本実施形態では、E型コア12,12を、それぞれが単純な形状を持つ一対の分割コア12a,12aを組み合わせて構成することとなり、コア12,12の製造も容易となり、製造コストの低減も図れる。各分割コア12aは、断面がコ字形状を有し、その成形が容易である。しかも本実施形態に係る分割型のE型コア12,12は、全体としては、E型コアと同様な磁力線を有することになるため、コア12,12の磁気特性は、一般的なE型コアと同等である。
なお、本実施形態では、コイル装置10のZ軸方向に沿っての少なくとも下方部分が、ケース90内に収容されて、放熱用樹脂92に接触している。放熱用樹脂92に接触させることで、放熱性がさらに向上する。
しかも、本実施形態では、中脚14の突出先端18に位置する分割面12b,12bの相互間には、放熱用樹脂32が充填してある。特に中脚14の突出先端18の部分において、熱がこもりやすいため、その部分に放熱用樹脂92を介在させることで、その部分が効果的に放熱される。
本実施形態のコイル装置10は、一対のE型コア12,12を有しており、ボビン40の貫通孔44aには、一対のE型コア12,12の分割された各中脚14が、Z軸方向の相互に反対側から挿入される。しかも貫通孔44aのZ軸方向の途中において、分割された中脚14の突出先端18が、相互に向き合い、ボビン50の外側では、一対のE型コア12の分離された側脚16同士が、相互に突き合わされている。このように一対のE型コア12,12を用いた場合においても、本実施形態では、応力緩和特性および放熱性に優れ、しかも、製造コストの低減にも寄与する。
また、本実施形態のコイル装置10は、中脚14のZ軸方向(磁束が流れる方向)が設置面(ケース90の下面)に対して垂直な縦型である。縦型であるコイル装置10は、コイル20,30のZ軸上下方向にコア12のベース13,13が配置され、これらのベース13,13が上下方向への漏れ磁束を抑制する効果を奏する。したがって、コイル装置10は、コイルの上下方向がコアによってほとんど遮蔽されない横型に比べて、コイル装置10の上下方向への漏れ磁束を有効に抑制することができる。
なお、テープ状部材80は、主としてコア12を固定するために用いられる。テープ状部材80は、たとえばポリエステル、ポリイミド、紙などの材料などで構成される。テープ状部材80に放熱性をも持たせる場合には、テープ状部材80は、コア12よりも熱導電性に優れる材料で構成されることが好ましく、具体的には、たとえばアルミニウム、銅などの金属、あるいはこれらの合金などの熱導電性に優れる材料などにより構成される。もちろん、テープ状部材80としては、上述した各種材料から成るテープ状部材を組み合わせて使用しても良い。
また本実施形態では、コア12のそれぞれのベース13,13および側脚16,16とで、第1ボビン40および第2ボビン50の組み合わせを外側から覆っている。このような構造にすることで、漏洩磁束の防止を図ることができる。コア12の中脚14,14におけるX軸方向に沿った長さに対して、ベース12,12および側脚16,16のX軸方向に沿った幅は、同一でも異なっていても良いが、略同一にすることで、リーケージ特性の調整が容易である。
本実施形態に係るコイル装置10では、図5に示すように、隔壁46が形成してある第1巻回部45に第1ワイヤ22を一層以上に巻回する場合に、各区画47において、一層以上に巻回した後に、隣の区画47において、一層以上巻回する。そして、図2に示すように、順次、連絡溝46aを通して隣の区画47にワイヤ22を移動させて一層以上に巻回する。そのため、図5に示すように、各区画47において重なる第1ワイヤ22の巻順が近く、これらの電圧差は少なく、しかも巻回軸(Z軸)方向に隣接するワイヤ相互は隔壁46により絶縁され、耐電圧特性が向上すると共に高周波特性が向上する。
しかも各区画47においては巻回軸方向に沿って単一のワイヤ22〜22のみが存在するようにワイヤ22を巻回するために、一層当たりのワイヤ22の巻回数のバラツキを防止することが容易になり、リーケージ特性の安定化に寄与する。すなわち、一次コイルを構成する外側コイル30と二次コイルを構成する内側コイル20との結合係数Kを厳密に制御することが容易になり、本実施形態のコイル装置10をリーケージトランスとしても好適に用いることができる。
また、本実施形態のコイル装置10は、実装基板面(ケース90の下面)に対して、コイルの巻軸が垂直に配置される縦タイプのコイル装置として用いることができるので、第1ボビン40の中空部に挿入されるコア12を冷却しやすい。
しかも本実施形態では、内周側に配置される第1ワイヤ20が、トランスの一次コイルに比較して高電圧が作用する二次コイル(内側コイル20)を構成してある。このため、高電圧が作用する二次コイル(内側コイル20)を、比較的に低電圧が作用する一次コイル(外側コイル30)の内側に配置することで絶縁が容易になる。また、第2巻回部55では、第2ワイヤ32が通常の整列巻きしてあるが、第2ワイヤ32は、比較的に低電圧が印加される一次コイルとなる外側コイル30であるため問題は無い。
さらに本実施形態では、第2ボビン50は、図2に示すように、巻回軸に平行な分割ライン51で分割可能であるため、第1ボビン40の外周に、第2ボビン50を容易に配置することができる。
また本実施形態では、図5に示すように、第1巻回部45における巻回軸方向の第1全幅L1と、第2巻回部55における巻回軸方向の第2全幅L2とを異ならせることで、リーケージ特性を容易且つ正確に調整することができる。
さらに本発明では、隔壁46にそれぞれ形成される連絡溝46aは、巻回軸方向に沿って必ずしも直線上に配置する必要はないが、好ましくは、図2に示すように、直線状に連通するように配置してある。特にリード部22aの戻り通路となる連絡溝46aがZ軸方向に直線状であれば、ワイヤ22のリード部22aの端部を最短距離で端子70に接続することができる。また、ワイヤ22を各区画47から隣の区画47に移動させるための連絡溝46aを周方向に同じ位置で各隔壁46に形成することで、ワイヤ22の巻線工程が容易になる。
第2実施形態
図7および図8に示す第2実施形態に係るコイル装置10aは、図1〜図6に示す第1実施形態に係るコイル装置に比較して、第2ボビン50aの構造が異なるのみであり、その他は同様であり、以下、相違する部分について説明する。
このコイル装置10aでは、第2ボビンの巻回軸方向の途中に、1つ以上の隔壁56が形成してあり、巻回軸方向に沿って第2巻回部55を2つ以上の区画57に分割してある。各区画57には、第2ワイヤ32〜32および32k+1 〜32)が整列巻きしてある。隔壁56には、周方向に沿って1以上の連絡溝56aが形成してある。連絡溝56aは、連絡溝46aと同様な機能を有する。
この実施形態のコイル装置10aでは、一次コイルを構成する外側コイル30を分割して配置することができる。なお、各区画57毎に分割して配置された一次コイルは、それぞれ異なるワイヤで構成してある分離独立したコイルであっても良い。
第3実施形態
第1実施形態では、図5に示すように、第1巻回部45における巻回軸方向の中心に対して、第2巻回部55における巻回軸方向の中心位置を合わせてあるが、それのみでなく、図9Aに示すように構成しても良い。この実施形態に係るコイル装置10bでは、第1巻回部45における巻回軸方向の下端位置に対して、第2巻回部55の下端を位置合わせするようにしても良い。
このようにすることで、コイル20および30からの放熱効果を高めることが期待できる。なぜなら、放熱部をコイル装置10bの下端部に設けることで、コイル20のみでなく、コイル30からの伝熱特性も向上するからである。なお、図9Aに示す実施形態では、巻回軸の上端から第1ワイヤ22(22〜22)を巻始めているが、逆でも良い。その他の構成および作用効果は、第1実施形態に係るコイル装置と同様である。
また、図9Bに示すコイル装置10cのように、第1巻回部45と第2巻回部55とで全幅を同じにして、巻回層数を異ならせることでも、リーケージ特性を調整しても良い。図9Bに示すコイル装置10cは、図1〜図6に示す第1実施形態に係るコイル装置に比較して、第2ボビン50cの巻回軸方向の長さが異なり、第2ワイヤ32の巻回層数が異なるのみであり、その他は同様である。
また図9Cに示すコイル装置10dでは、第1ボビン40aには、隔壁46を形成することなく、第1ワイヤ22(22〜22)を整列巻として、第1巻回部45に形成される内側コイル20aを、トランスにおける一次コイルとしてもよい。その場合には、第2ボビン50dの第2巻回部55に、第1実施形態における隔壁46と同様な隔壁56dを形成し、外側コイル30dを構成する第2ワイヤ32(32〜32)を、第1実施形態における第1ワイヤ22と同様な巻回方法を採用する。この実施形態では、外側コイル30dがトランスの二次コイルを構成する。その他の構成および作用効果は、第1実施形態と同様である。
また、上述した実施形態において、外側コイル30と内側コイル20とは、同芯状に位置決めする必要はなく、リーケージ特性を調整するために、ずらしても良い。
第4実施形態
図10に示すように、この実施形態のコイル装置10eは、E型コア12Aと、I型コア17とを有している。E型コア12Aは、縦断面(Y軸およびZ軸を含む切断面)が略E字形状コアである。コア12Aは、Y軸方向に延びる平板状のベース13aと、ベース13aのY軸方向の両端からZ軸方向に突出する一対の側脚16a,16aと、ベース13aのY軸方向の中間位置からZ軸方向に突出する中脚14aとを有する。
本実施形態では、コア12Aは、Y軸方向の両端に配置された一対の側脚16a,16aが、分離された一対の分割コア12a1,12a1のそれぞれに形成されるように、中脚14aおよびベース13aは、分割コア12a1,12a1の分割面12b,12bで分離されている。分割面12b,12bの相互間には、所定の隙間15が形成してあり、分離された中脚14がボビン40の第1貫通孔44aに差し込まれている。
Y軸方向に直線状に伸びるI型コア17は、そのY軸方向の略中央部に形成された分割面17b,17bで二分割された分割コア17a,17aで構成してある。分割面17b,17bは、分割面12b,12bとY軸方向の略同じ位置に形成してあり、第1実施形態と同様な隙間幅を有している。
I型コア17は、E型コア12Aにおけるベース13aに対して、Z軸方向に沿ってベース13aと反対側に位置するボビン40の端部に、ベース13aと略平行に配置してある。ボビン40の貫通孔44aに挿入してある中脚14aの突出先端18aは、貫通孔44aのZ軸方向の下端面と面一にまで伸び、そこで、I型コア17の中間部(分割面17bの近く)に向き合うように配置してある。また、E型コア12Aの両端部に形成してある側脚16aの突出先端19aは、I型コア17のY軸方向の両端部に突き合わされている。
このようにE型コア12AとI型コア17とを用いた場合においても、本実施形態では、応力緩和特性および放熱性に優れ、しかも、製造コストの低減にも寄与する。I型コア17は、図10に示すように、Y軸方向の中間部において、所定の隙間で分離してあってもよいが、分離せずに、Y軸方向に伸びる単一のI型コアであっても良い。
なお、I型コアは、コイル装置10eにおけるZ軸方向の下方に配置されることが好ましい。このように配置することで、E型コア12Aにおける中脚14aにおける突出先端18aがケース90のZ軸方向の下部側に配置される。そのため、温度が上昇しやすい部分が、ケース90の下側に配置されると共に、隙間15には確実に放熱用樹脂が充填され、さらに放熱性が向上する。ケース90の下方に冷却手段が装着されるからである。その他の構成および作用効果は、第1実施形態に係るコイル装置と同様である。
第5実施形態
図11および図12に示すように、この実施形態のコイル装置10fでは、貫通孔44aが形成してあるボビン40の第1貫通孔44aを構成する第1中空筒部44の内周壁に、そのY軸方向の両端で、Z軸方向の両端位置の4箇所に、位置決め凸部41が一体的に形成してある。位置決め凸部41のY軸方向の厚みは、図4に示す隙間幅tと同じであり、凸部41は、隙間幅tを確保するためのものである。
凸部41をY軸方向から挟み込むように、分割コア12aの中脚14を貫通孔44aにZ軸方向の上下から差し込むことで、分割コア12aの分割面12bは、相互に、凸部41のY軸方向の厚みに対応する所定の隙間幅tで分離された状態を保持する。凸部41は、ボビン40の第1貫通孔44aを構成する第1中空筒部44の内周壁に、Z軸方向に断続的に複数形成しても良く、あるいは、Z軸方向に連続的に形成しても良い。その他の構成および作用効果は、第1実施形態に係るコイル装置と同様である。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、第1ワイヤ22または第2ワイヤ32の巻回軸に沿って相互に隣り合うワイヤ相互を分離する複数の隔壁46,56,56dが巻回軸に沿って所定間隔で形成してあるが、本発明では、隔壁は、必ずしも必要としない。すなわち、本発明では、第1ワイヤ22および第2ワイヤ32の巻回方法は、特に限定されず、両者共に隔壁を必要としない通常の巻き方であっても良い。
また、本発明に係るコイル装置では、放熱用樹脂92が充填してあるケース90は、必ずしも必要とはしない。
10,10a〜10f…コイル装置
12,12A…E型コア
12a…分割コア
12b…分割面
13…ベース
14…中脚
15…隙間
16…側脚
17…I型コア
17a…分割コア
17b…分割面
18,19,18a,19a…先端
20,20a…内側コイル
22(22〜22)…第1ワイヤ
22a…リード部
24…ハンダ部
30…外側コイル
32(32〜32,32k+1 〜32)…第2ワイヤ
32a…リード部
34…ハンダ部
40…第1ボビン
42…第1ボビン基板
44…第1中空筒部
44a…第1貫通孔
45…第1巻回部
46…隔壁
46a…連絡溝
47…区画
48…第1ボビン上鍔部
50…第2ボビン
52…第2ボビン下鍔部
54…第2中空筒部
55…第2巻回部
56,56d…隔壁
56a…連絡溝
57d…区画
58…第2ボビン上鍔部
60…カバー
70…第1端子
72…第2端子
80…テープ状部材
90…ケース
92…放熱用樹脂

Claims (6)

  1. E型コアとボビンと前記ボビンの外周に装着してあるコイルとを有するコイル装置であって、
    前記E型コアが、
    相互に垂直な第1軸、第2軸および第3軸の内、前記第1軸および第2軸を含む平面に略平行なベースと、
    前記第2軸方向に沿って前記ベースの両端から前記第3軸方向にそれぞれ突出する一対の側脚と、
    前記一対の側脚の間で、前記ベースから前記第3軸方向に突出する中脚と、を有し、
    一対の前記側脚が、分離された一対の分割コアのそれぞれに形成されるように、前記中脚およびベースは、前記分割コアの分割面で分離されており、
    前記分割面の相互間には、所定の隙間が形成してあり、
    分離された前記中脚が前記ボビンの貫通孔に差し込まれており、
    前記ボビンの貫通孔を構成する中空筒部の内周壁には、前記隙間の幅を確保するための位置決め凸部が形成されていることを特徴とするコイル装置。
  2. 前記コイル装置の前記第3軸方向に沿っての少なくとも下方部分が、ケース内に収容されて、放熱用樹脂に接触している請求項1に記載のコイル装置。
  3. 少なくとも前記中脚の突出先端に位置する分割面の相互間には、前記放熱用樹脂が充填してある請求項2に記載のコイル装置。
  4. 一対の前記E型コアを有し、
    前記ボビンの貫通孔には、一対の前記E型コアの分割された各中脚が、前記第3軸方向の相互に反対側から挿入され、
    前記貫通孔の前記第3軸方向の途中において、分割された前記中脚の突出先端が、相互に向き合い、
    前記ボビンの外側では、一対の前記E型コアの分離された側脚同士が、相互に突き合わされる請求項1〜3のいずれかに記載のコイル装置。
  5. 前記E型コアと、I型コアとを有し、
    前記I型コアは、前記E型コアにおける前記ベースに対して、前記第3軸方向に沿って前記ベースと反対側に位置する前記ボビンの端部に、前記ベースと略平行に配置され、
    前記貫通孔に挿入してある前記中脚の突出先端は、前記I型コアの中間部に向き合うように配置され、
    前記E型コアの両端部に形成してある側脚の突出先端は、前記I型コアの前記第2軸方向の両端部に突き合わされている請求項1〜3のいずれかに記載のコイル装置。
  6. 前記I型コアは、前記中間部において、所定の隙間で分離してある請求項5に記載のコイル装置。
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