JP7161035B2 - モールドフラックス及びこれを用いた鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モールドフラックス及びこれを用いた鋳造方法に係り、さらに詳しくは、鋳片の品質及び生産性を向上させることのできるモールドフラックス及びこれを用いた鋳造方法に関する。
鋳造工程は、所定の形状の内部空間を有するモールド(鋳型)に溶鋼を注入し、モールド内において半凝固された鋳片を連続して引き抜いてスラブ、ブルーム、ビレット、ビームブランクなどの様々な形状の鋳片を製造する工程である。
このような鋳造工程に際して、モールド内の溶鋼の上部にモールドフラックスが投入され、投入されたモールドフラックスは、モールドと凝固シェルとの隙間の間に流れ込む。流れ込んだモールドフラックスは、モールドの内壁と凝固シェルまたは半凝固済みの鋳片との間で潤滑作用をする。なお、モールドフラックスは、潤滑作用の他にも、溶鋼から分離されて浮き上がる非金属介在物を吸収して溶解し、溶鋼の再酸化を防ぎ、かつ、大気への熱の放出を抑えて溶鋼を保温する役割を果たす。
一方、電気鋼板は、電気エネルギーと磁気エネルギーの間の交換に際して熱として損失するエネルギーの量を示す鉄損を減らした鋼材であって、他の鋼材に比べて電磁気的な特性を良好にする軟質の磁性材料である。このような電気鋼板は、アルミニウム(Al)が高含量にて含有された鋼材であって、これを製造するために高含量のアルミニウム(Al)が含有された溶鋼が用いられる。
ところが、高含量のアルミニウム(Al)が含有された溶鋼を用いて鋳造するとき、モールドフラックスの主成分である酸化ケイ素(SiO)と溶鋼中のアルミニウム(Al)とが反応して、モールドフラックス内の酸化ケイ素(SiO)の含量が減り、酸化アルミニウム(Al)の含量が増えるといった成分の変化が起こる。成分が変化されたモールドフラックス内の酸化アルミニウム(Al)は、前記モールドフラックス内の他の成分である酸化カルシウム(CaO)、酸化ケイ素(SiO)及び酸化ナトリウム(NaO)と反応してCa-Al-O、Ca-Na-Al-O及びNa-Al-Si-Oなどの高融点結晶相を生成する。
そして、高融点結晶相によりモールドフラックスの融点及び粘度が急激に増加し、これにより、溶融されたモールドフラックスの液状の割合が低くなる。このため、モールドと凝固シェルとの間へのモールドフラックスの流れ込みが円滑ではないこと、あるいは、低い液状の割合のモールドフラックスにより潤滑能が足りないことに起因して、凝固シェルが破れたり引きちぎれたりするブレークアウト(break out)が生じる虞がある。
したがって、高含量のアルミニウム(Al)を含有する溶鋼を用いて鋳造をする場合、溶鋼成分の厳しい制御、鋳片の連続生産量の制限及び鋳造速度の制御の少なくとも一つを行うことで、モールドフラックスの成分の変化を極力抑えていた。
ところが、鋳片の連続生産量及び鋳造速度を制限する場合、生産量が減ってしまうという不都合がある。また、電気鋼板の場合、低い鉄損と高い磁束密度を確保するために、さらに高いアルミニウム(Al)の含量が求められるが、溶鋼中のアルミニウム(Al)の含量が高くなるにつれて、モールドフラックスの成分の変化の度合いが次第に大きくなるという不都合がある。
大韓民国公開特許第10-2002-0044233号公報
本発明は、鋳片の生産性を向上させることのできるモールドフラックス及びこれを用いた鋳造方法を提供する。
本発明は、潤滑能を確保することのできるモールドフラックス及びこれを用いた鋳造方法を提供する。
本発明の実施形態に係るモールドフラックスは、全体の重量%に対して、酸化アルミニウム(Al)を32重量%~38重量%、酸化ストロンチウム(SrO)を8重量%~12重量%、酸化カリウム(KO)を8重量%~12重量%、フッ素(F)を8重量%~12重量%、酸化ホウ素(B)を5重量%~8重量%、酸化リチウム(LiO)を3重量%~5重量%及び不可避な不純物からなることを特徴とする。
前記モールドフラックスは、酸化ケイ素(SiO)を含まないことがよい。
前記モールドフラックスの融点は、1000℃~1300℃であることができる。
全体の重量%に対して、前記酸化ストロンチウム(SrO)が9重量%~10重量%含まれることが好ましい。
全体の重量%に対して、前記酸化カリウム(KO)が9重量%~10重量%含まれることがよい。
前記モールドフラックスは、酸化カルシウム(CaO)を含み、前記酸化カルシウム(CaO)は、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6になるように含量が調節されることが好ましい。
前記酸化カルシウム(CaO)は、塩基度(CaO/Al)が0.45~0.55になるように含量が調節されることが好ましい。
前記モールドフラックスは、5重量%以下の酸化ナトリウム(NaO)を含むことができる。
本発明の実施形態に係る鋳造方法は、モールドフラックスを用意する過程と、モールドに溶鋼を供給する過程と、前記溶鋼の上部に前記モールドフラックスを投入して鋳片を鋳造する過程と、を含むことを特徴とする。
前記溶鋼は、溶鋼の全体の重量%に対して0.7重量%以上のアルミニウム(Al)を含むことがよい。
前記溶鋼の上部に投入されたモールドフラックスは、前記溶鋼の熱により溶融され、溶融されたモールドフラックスは、0.5 poise(ポアズ)~3 poiseの粘度を有することができる。
前記鋳片を鋳造する過程において、前記モールドフラックスは、前記溶鋼から形成される凝固シェルと前記モールドとの間に流れ込み、前記凝固シェルとモールドとの間に流れ込んだモールドフラックスは、測定面積内において液状が占める面積の割合が70%~85%であることが好ましい。
本発明の実施形態に係るモールドフラックスによれば、酸化ケイ素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)による成分の変化を従来に比べて抑止または防止することができる。
また、実施形態に係るモールドフラックスは、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の含量を従来に比べて減らし、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化カリウム(KO)を含むようにモールドフラックスを用意する。したがって、潤滑能を阻害する高融点結晶相の生成を抑止または防止することができ、モールドフラックスによる欠陥の発生を防ぐことができる他、ブレークアウト(break out)などの操業事故を防いで安定的な操業を行うことができる。
さらに、成分の変化及び高融点結晶相の生成が抑止されることから、たとえ長時間にわたって用いるとしても、モールドフラックスは、その潤滑能を保持することができる。このため、実施形態に係るモールドフラックスを用いると、長時間にわたって安定的に連続鋳造を行うことができる。そして、鋳片の連続生産量及び鋳造速度を制限しなくても、モールドフラックスの成分の変化を抑止することができて、鋳片の生産量を向上させることができる。
鋳造工程の間にモールドフラックスが流れ込む様子を示す図である。 鋳造した鋳片の写真及び一部を拡大して示す図であり、(a)は、表1の第2の比較例に係るモールドフラックスを用いて鋳造した鋳片、(b)は、表1の第1の実施例に係るモールドフラックスを用いて鋳造した鋳片である。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明の実施形態を正確に説明するために図面は誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
図1は、鋳造工程の間にモールドフラックスが流れ込む様子を示す図である。
図1に示したとおり、鋳造工程は、タンディッシュ(図示せず)内に受鋼されている溶鋼Mが浸漬ノズル10を介してモールド20に流れ込むと、冷却されているモールド20内において溶鋼Mの凝固が行われ始めて中間製品である半凝固状態の鋳片が得られる工程である。
このような鋳造工程に際して、モールド20内の溶鋼Mの上にはモールドフラックスFが投入されて溶融され、溶融されたモールドフラックスFは、モールド20と凝固シェルIとの隙間の間に流れ込む。モールド20と凝固シェルIとの隙間の間に流れ込んだモールドフラックスFは、モールド20の下側に引き抜かれる鋳片とともに連れて降りていきながら、鋳片を冷却させるために噴射される冷却水により洗い流されて消失する。
モールド20に投入されるモールドフラックスFは、粉末または顆粒の状態の固相であって、溶鋼Mの上部に投入されれば、溶鋼Mの熱により溶融される。そして、溶融されたモールドフラックスFは、モールド20と凝固シェルIとの間の隙間に流れ込んで潤滑作用をする。
そして、モールドフラックスFが適切な潤滑能を有するとき、凝固シェルIが破れたり引きちぎれたりして、溶鋼Mが漏れ出るといったブレークアウト(break out)の発生を防ぐことができる。なお、モールドフラックスFが適切な潤滑能を有するとき、モールドフラックスが凝固シェルの内側、すなわち、溶鋼に浸透して鋳片の欠陥を生じさせるという不都合を防ぐことができる。
モールドフラックスFの潤滑能は、モールドフラックスFの融点、溶鋼に投入されたモールドフラックスの粘度及び液状の割合(または、液状率)に応じて決定される。ここで、モールドフラックスFの液状の割合とは、測定面積内において液状物質が占める面積を比率にて示したものであってもよい。
本発明においては、ブレークアウト(break out)及び鋳片の欠陥の発生が防止または抑止されるように潤滑能を確保することのできるモールドフラックスを提供する。このとき、本発明の実施形態においては、アルミニウム(Al)が0.7重量%以上、より好ましくは、1.0重量%以上である高含量アルミニウム(Al)含有溶鋼を用いて鋳片を鋳造するに当たって、潤滑能を確保することのできるモールドフラックスを提供する。
一方、モールドに装入される溶鋼及び溶鋼の湯面の温度は、約1300℃~1350℃であり、冷却されているモールドの内壁と隣り合う部分における溶鋼の温度は、約1000℃内外である。
粉末または顆粒の状態のモールドフラックスは、溶鋼の湯面に投入されて溶鋼の熱により溶融された後、モールドと凝固シェルとの間の隙間に流れ込む。このとき、溶鋼の湯面上において溶融されたモールドフラックスの粘度が確保されなければ、モールドと凝固シェルとの隙間に流れることができず、モールドと凝固シェルとの間に流れ込んだモールドフラックスの液体状態(液状ともいう)の割合が確保されなければ、モールドと凝固シェルとの間の潤滑性能を確保することができない。
このため、モールド内の溶鋼の湯面の温度である1300℃~1350℃におけるモールドフラックスの粘度、モールドの内壁と隣り合う溶鋼の温度である1000℃における液体状態(液状)の割合が確保されたモールドフラックスを用意する必要がある。
本発明の実施形態においては、1300℃における粘度が0.5 poise~3 poiseであり、かつ、1000℃における液状の割合が70%~85%であるモールドフラックスを提供する。また、モールドフラックスの粘度及び液状の割合は、その融点に応じて異なるため、本発明の実施形態においては、融点が1000℃~1300℃であるモールドフラックスを提供する。
ここで、「0.5 poise~3 poise」とは、「0.5 poise以上、かつ、3 poise以下」であることを意味する。そして、後述するモールドフラックスの粘度、モールドフラックスの成分の含量、温度、液状の割合などについて説明するに当たって、「下限値~上限値」の形で説明されるが、これらは、「下限値以上、かつ、上限値以下」を意味する。
一方、モールドフラックスの融点が1000℃未満である、粘度が0.5 poise未満である、あるいは、液状の割合が85%を超える場合、モールドフラックスの潤滑能が高過ぎて 、モールドと凝固シェルとの隙間にモールドフラックスが過剰に流れ込んでしまう虞がある。この場合、モールドフラックスが凝固シェルの内側、すなわち、溶鋼に浸透してしまう虞があり、これにより、鋳片の欠陥が生じてしまう虞がある。
そして、溶鋼は、冷却されているモールドにより凝固されるが、このとき、モールドの温度がモールドフラックスを経て凝固シェル及び溶鋼に伝達される。ところが、モールドフラックスの液状の割合が85%を超える場合、モールドフラックスから凝固シェルまたは溶鋼への熱の伝達が過剰に行われて、モールド内において凝固シェルの厚さが厚くなり過ぎてしまう虞がある。この場合、半凝固済みの鋳片がモールドの外部に引き抜かれて曲げられる(bending)とき、過度なストレスを受けて品質が低下してしまう虞がある。
また、モールドフラックスの融点が1300℃を超える、粘度が3 poiseを超える、あるいは、液状の割合が70%未満である場合、モールドと凝固シェルとの隙間へのモールドフラックスの流れ込みが足りないか、あるいは、流れ込んだモールドフラックスの潤滑能が足りなくなる虞がある。このように潤滑能が足りないと、凝固シェルが破れたり引きちぎれたりして溶鋼が漏れ出るといったブレークアウト(break out)が生じてしまう虞があり、これにより、モールドの下側に溶鋼が降り注がれるという不都合が生じる虞がある。
したがって、本発明の実施形態においては、融点が1000℃~1300℃であり、1300℃における粘度が0.5 poise~3 poiseであり、かつ、1000℃における液状の割合が70%~85%であるモールドフラックスを用意する。より好ましくは、融点が1100℃~1250℃であり、1300℃における粘度が0.7 poise~1.5 poiseであり、かつ、1000℃における液状の割合が75重量%~80重量%であるモールドフラックスを用意する。
以下では、本発明の実施形態に係るモールドフラックスの成分について詳しく説明する。
本発明の実施形態に係るモールドフラックスは、溶鋼内のアルミニウム(Al)との反応主体物質である酸化ケイ素(SiO)を含まず、酸化アルミニウム(Al)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カリウム(KO)、フッ素(F)、酸化ホウ素(B)及び酸化リチウム(LiO)を含み、これらの他に不可避な不純物が含まれてもよい。また、モールドフラックスは、酸化ナトリウム(NaO)及び酸化マグネシウム(MgO)を含んでもよい。ここで、モールドフラックスは、不可避な不純物を含んでもよい。すなわち、意図しない様々な成分が含まれてもよい。ここで、微量の酸化ケイ素(SiO)が含まれた状態を排除しない。
より具体的に、実施形態に係るモールドフラックスは、全体の重量%に対して、酸化アルミニウム(Al)を32重量%~38重量%、酸化ストロンチウム(SrO)を8重量%~12重量%、酸化カリウム(KO)を8重量%~12重量%を含む。また、モールドフラックスは、全体の重量%に対して、フッ素(F)を8重量%~12重量%、酸化ホウ素(B)を5重量%~8重量%及び酸化リチウム(LiO)を3重量%~5重量%含む。
より好ましく、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化カリウム(KO)のそれぞれは、9重量%~10重量%で含まれてもよい。
そして、酸化カルシウム(CaO)は、モールドフラックスの塩基度(CaO/Al)を調節する役割を果たすが、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6になるように投入される。ここで、酸化アルミニウム(Al)の含量が32重量%~38重量%であるため、0.4~0.6の塩基度(CaO/Al)を有するために、酸化カルシウム(CaO)は、12.8重量%~22.8重量%の含量を有するように用意されてもよい。より好ましくは、塩基度(CaO/Al)が0.45~0.55になるように酸化カルシウム(CaO)の含量が調節されてもよい。
そして、モールドフラックスは、5重量%以下の酸化ナトリウム(NaO)、2重量%以下の酸化マグネシウム(MgO)を含んでもよい。また、モールドフラックスは、酸化ナトリウム(NaO)及び酸化マグネシウム(MgO)の少なくとも一方を含まなくても良い(0重量%)。
このような実施形態に係るモールドフラックスは、融点が1000℃~1300℃であり、1300℃における粘度が0.5 poise~3 poiseであり、1000℃における液状の割合が70%~85%となる。
酸化アルミニウム(Al)は、中性酸化物であって、全体的なモールドフラックスの組成に応じて塩基性もしくは酸性として作用することができる。当該組成においては、SiO成分がないため、主として酸性酸化物として作用してモールドスラグ内のガラス質構造の主体となって、溶鋼の上に投入されたモールドフラックスを非晶質またはガラス質の状態にする役割を果たす。
このような酸化アルミニウム(Al)は、モールドフラックスの全体の重量%に対して32重量%以上、38重量%以下で含まれてもよい。
ここで、酸化アルミニウム(Al)の含量が32重量%未満である場合、溶鋼に投入されたモールドフラックスが非晶質化しなかったり足りなかったりして粘度が上昇し、このため、求められる潤滑能が得られ難い虞がある。
一方、モールドフラックス内の酸化アルミニウム(Al)は、前記モールドフラックス内の酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の少なくとも一方と反応してCa-Al-O系及びCa-Na-Al-O系の少なくとも一方の高融点結晶相を生成し、このため、モールドフラックスの融点が急激に上昇する。そして、モールドフラックスは、モールド内の溶鋼に投入されて溶融されるが、モールドフラックス内の高融点結晶相の含量が多くなるにつれて、その粘度が次第に増加するという不都合がある。
したがって、酸化アルミニウム(Al)の含量が38重量%を超えると、モールドフラックス内の酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の少なくとも一方と酸化アルミニウム(Al)との間の反応量が多いため、多量の高融点結晶相が生成される虞がある。そして、これにより、モールドフラックスの融点が上がり、粘度が増加して、潤滑能が低下する虞がある。
酸化カルシウム(CaO)は、モールドフラックスが0.4以上、かつ、0.6以下の塩基度(CaO/Al)を有するようにその含量が制御されてもよい。モールドフラックスの塩基度(CaO/Al)が0.4未満であれば、モールドフラックスの粘度が増加して凝固シェルとモールドとの間へのモールドフラックスの流れ込みが低減され、これにより、拘束性ブレークアウト(Break Out)などの操業事故が起こる虞がある。また、モールドフラックスの塩基度(CaO/Al)が0.6を超えると、モールドフラックスの融点が高くなって、潤滑能が阻害される。
フッ素(F)は、モールドフラックスの全体の重量%に対して8重量%以上、かつ、12重量%以下で含まれてもよい。一方、フッ素(F)の含量が8重量%未満である場合、モールドフラックスの粘度が増加して潤滑能が低下する虞がある。逆に、フッ素(F)の含量が12重量%を超える場合、粘度が低過ぎて潤滑能を確保することができなくなる。なお、フッ素(F)が12重量%を超える場合、冷却媒体として水を用いる鋳造操業の間に水(HO)と反応して多量のフッ化水素(HF)を生成する虞があり、これにより、連続鋳造設備の腐食を引き起こす虞がある。
酸化ホウ素(B)は、モールドフラックスの全体の重量%に対して5重量%以上、かつ、8重量%以下で含まれてもよい。酸化ホウ素(B)は、高融点結晶相の生成を抑える効果がある物質である。ところが、酸化ホウ素(B)が5重量%未満である場合、結晶相の生成を抑える効果が微小であり、これにより、モールドフラックスの融点が上昇し、液状の割合が減少して十分な潤滑能を確保することが困難である。また、酸化ホウ素(B)が8重量%を超えると、液状の割合及び潤滑能が過剰に増加する。このため、モールドと凝固シェルとの隙間にモールドフラックスが過剰に流れ込んでしまう虞がある。この場合、モールドフラックスが凝固シェルの内側、すなわち、溶鋼に浸透してしまい、これにより、鋳片の欠陥が生じてしまう虞がある。そして、酸化ホウ素(B)が8重量%を超える場合、モールド内の上部領域においてモールドの内壁と隣り合う付近にモールドフラックスが凝固されて固着されるスラグリム(slag rim)が形成される虞がある。そして、このようなスラグリムにより、モールドと凝固シェルとの間にモールドフラックスが流れ込む隙間が狭くなるという不都合が生じる。
酸化リチウム(LiO)は、十分な液状の割合の確保のために添加される成分であって、モールドフラックスの全体の重量%に対して3重量%以上、かつ、5重量%以下で含まれてもよい。酸化リチウム(LiO)が3重量%未満であれば、モールドフラックスの融点が1500℃以上と高いため、1300℃の温度においても溶融されず、このため、1000℃において液状がないか、あるいは、液状の割合が非常に低いため、潤滑能の確保が不可能である。なお、酸化リチウム(LiO)が5重量%を超える場合、3重量%未満であるときに比べて融点及び粘度が低下し、液状の割合が増加するが、融点が1300℃を超え、かつ、粘度が3 poiseを超えて潤滑能の確保が困難である。
酸化マグネシウム(MgO)は、モールドフラックスの全体の重量%に対して2重量%以下で含まれてもよい。好ましくは、酸化マグネシウム(MgO)が含有されなくてもよい(0重量%)。一方、酸化マグネシウム(MgO)は、酸化アルミニウム(Al)と反応してマグネシウム(Mg)とアルミニウム(Al)を含む高融点のスピネル(spinel)相を形成することもある。このため、酸化マグネシウム(MgO)が2重量%を超える場合、高融点のスピネル(spinel)相が多量生成され、このため、モールドフラックスの融点及び粘度が上昇するという不都合がある。したがって、モールドフラックスの全体の重量%に対して酸化マグネシウム(MgO)が2重量%以下で含まれるようにする。
一方、高含量のアルミニウム(Al)が含有された溶鋼を用いて鋳片を鋳造するとき、従来のモールドフラックスを用いると、モールドフラックス内の酸化ケイ素(SiO)と溶鋼中のアルミニウム(Al)とが反応して、モールドフラックス内の酸化ケイ素(SiO)の含量が減り、酸化アルミニウム(Al)の含量が増えるといった成分の変化が起こる(反応式を参照されたい)。
[反応式]
SiO(モールドフラックス)+Al(溶鋼)→Si(溶鋼)+Al(モールドフラックス)
これに対し、実施形態に係るモールドフラックスは、溶鋼中のアルミニウム(Al)との反応主体である酸化ケイ素(SiO)を含まないように用意される。このため、モールドフラックスの成分の変化を従来に比べて抑止または防止することができる。
そして、従来のモールドフラックスは、酸化カルシウム(CaO)が24重量%以上、酸化ナトリウム(NaO)が6重量%以上で含有されている。そして、上記のとおり、モールドフラックス内の酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)は、酸化アルミニウム(Al)と反応して、Ca-Al-O及びCa-Na-Al-Oのような高融点結晶相を生成する。
ところが、モールドフラックス内の酸化アルミニウム(Al)が高含量で含有されれば、モールドフラックス内の酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の少なくとも一方と酸化アルミニウム(Al)との間の反応による高融点結晶相が形成される虞がある。そして、これに起因して、モールドフラックスの融点及び粘度が上昇し、液状の割合が減少して潤滑能が低下するという不都合が生じる虞がある。
したがって、酸化アルミニウム(Al)が高含量で含有されるモールドフラックスを製造するに当たって、前記酸化アルミニウム(Al)と反応して高融点結晶相を生成する酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の含量を制限する必要がある。
ここで、酸化カルシウム(CaO)は、モールドフラックスの塩基度(CaO/Al)を0.4以上、かつ、0.6以下に調節するためにモールドフラックス内に含まれなければならない。ところが、酸化アルミニウム(Al)との反応を通じた高融点結晶相の生成を抑制または減少させなければならないため、酸化カルシウム(CaO)の含量を従来に比べて減らす。
このとき、酸化カルシウム(CaO)の含量は、モールドフラックスの塩基度(CaO/Al)が0.4以上、かつ、0.6以下になるように調節されるので、実施形態に係る酸化カルシウム(CaO)の含量は、12.8重量%~22.8重量%であってもよく、これは、従来に比べて低含量である。
酸化ナトリウム(NaO)は、上記のとおり、酸化アルミニウム(Al)と反応して高融点結晶相を生成する成分であって、実施形態においては、従来に比べてその含量を減らして、モールドフラックスの全体の重量%に対して5重量%以下で含まれるように、あるいは、含まれないように製造する。酸化ナトリウム(NaO)の含量が5重量%を超えると、酸化アルミニウム(Al)との反応を通じた高融点結晶相が多量生成されて融点及び粘度を上昇させ、これにより、潤滑能を確保することができないという不都合がある。
このように、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の含量が減るように、あるいは、含有されないようにモールドフラックスを用意することにより、モールドフラックス内の酸化アルミニウム(Al)との反応が抑制または低減されることが可能になる。したがって、酸化アルミニウム(Al)の含量が高くても、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の少なくとも一方と酸化アルミニウム(Al)との間の反応を通じた高融点結晶相の生成を抑制することができる。
このように、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の含量を減らすため、前記酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の代替材料が必要である。このとき、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)に比べて酸化アルミニウム(Al)との反応性が低く、融点及び粘度の低下させる機能を有する代替材料が必要である。
実施形態に係るモールドフラックスは、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化カリウム(KO)を含むが、これらが酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)と略同じ機能をする代替材料であってもよい。より具体的に、酸化カルシウム(CaO)の代替材料として酸化ストロンチウム(SrO)を用い、酸化ナトリウム(NaO)の代替材料として酸化カリウム(KO)を用いてもよい。これを通じて、Ca-Al-O及びCa-Na-Al-Oのような高融点結晶相の生成を抑止することができる。
ここで、酸化ストロンチウム(SrO)は、上記のとおり、酸化カルシウム(CaO)の代替材料として投入される成分であって、酸化カルシウム(CaO)に比べてモールドフラックス内の酸化アルミニウム(Al)との反応性が低い。例えば、モールドフラックス内に同じ含量の酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化カルシウム(CaO)が含有されているとき、酸化ストロンチウム(SrO)と酸化アルミニウム(Al)との間の反応による高融点結晶相の生成量の方が、酸化カルシウム(CaO)と酸化アルミニウム(Al)との間の反応による高融点結晶相の生成量に比べて少ない。このため、従来に比べて酸化カルシウム(CaO)の含量を減らし、酸化ストロンチウム(SrO)を含めることにより、従来に比べて高融点結晶相の生成量を減らすことができる。
また、酸化カリウム(KO)は、上記のとおり、酸化ナトリウム(NaO)の代替材料として投入される成分であって、酸化ナトリウム(NaO)に比べてモールドフラックス内の酸化アルミニウム(Al)との反応性が低い。例えば、モールドフラックス内に同じ含量の酸化カリウム(KO)及び酸化ナトリウム(NaO)があるとき、酸化カリウム(KO)と酸化アルミニウム(Al)との間の反応による高融点結晶相の生成量の方が、酸化ナトリウム(NaO)と酸化アルミニウム(Al)との間の反応による高融点結晶相の生成量に比べて少ない。このため、従来に比べて酸化ナトリウム(NaO)の含量を減らし、酸化カリウム(KO)を含めることにより、従来に比べて高融点結晶相の生成量を減らすことができる。
酸化ストロンチウム(SrO)は、モールドフラックスの全体の重量%に対して8重量%以上、かつ、12重量%以下で含まれてもよい。一方、酸化ストロンチウム(SrO)の含量が8重量%未満である場合、酸化カルシウム(CaO)の代替材料としての投入効果が微少である。すなわち、酸化ストロンチウム(SrO)は、酸化カルシウム(CaO)の代替材料として投入される成分であって、融点及び粘度を低下させ、液状の割合を増加させる。ところが、従来に比べて酸化カルシウム(CaO)の含量を減らした状態で、酸化ストロンチウム(SrO)の含量が8重量%未満と小さな場合、モールドフラックスの融点及び粘度が高くなるという問題がある。そして、このように高い融点及び粘度によりモールドフラックスの液状の割合が低くなり、これにより、適切な潤滑能が確保できなくなる虞がある。なお、酸化ストロンチウム(SrO)の含量が12重量%を超える場合、モールドフラックスの融点が1500℃以上と高いため、たとえモールドフラックスが溶鋼の上部に投入されるとしても、溶融されないという不都合がある。
酸化カリウム(KO)は、モールドフラックスの全体の重量%に対して8重量%以上、かつ、12重量%以下で含まれてもよい。ところが、酸化カリウム(KO)の含量が8重量%未満である場合、酸化カリウム(KO)の投入効果が微少である虞がある。より具体的に説明すれば、酸化カリウム(KO)は、酸化ナトリウム(NaO)の代替材料として投入される成分であって、融点及び粘度を低下させる機能を有する。ところが、従来に比べて酸化ナトリウム(NaO)の含量を減らした状態で、酸化カリウム(KO)の含量が8重量%未満と小さな場合、モールドフラックスの融点及び粘度が高くなるという不都合がある。そして、このように高い融点及び粘度によりモールドフラックスの液状の割合が低いため、潤滑能が低下し、その結果、適切な潤滑能が確保できなくなる虞がある。
逆に、酸化カリウム(KO)の含量が12重量%を超える場合、融点が1500℃以上と高いため、たとえモールドフラックスが溶鋼の上部に投入されるとしても、溶融されないという不都合がある。これは、カリウム(K)及びアルミニウム(Al)を含む高融点結晶相が多量生成されるためであると推察される。
以下では、図1に基づいて、本発明の実施形態に係る鋳造方法について詳しく説明する。ここで、本発明の実施形態に係るモールドフラックスと関連して上記した内容と重複する説明は省略する。
本発明の実施形態に係る鋳造方法は、上記のモールドフラックスを用意する過程と、モールド20に溶鋼Mを注入する過程及び前記溶鋼Mの上部にモールドフラックスFを投入して鋳片を鋳造する過程を含む。
まず、モールドフラックスを用意する過程は、モールドフラックスの全体の重量%に対して、酸化アルミニウム(Al)を32重量%~38重量%、酸化ストロンチウム(SrO)を8重量%~12重量%、酸化カリウム(KO)を8重量%~12重量%、フッ素(F)を8重量%~12重量%、酸化ホウ素(B)を5重量%~8重量%及び酸化リチウム(LiO)を3重量%~5重量%含むように用意する。
そして、モールドフラックスは、その塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6になるように酸化カルシウム(CaO)の含量が調節され、0重量%以上、かつ、5重量%以下の酸化ナトリウム(NaO)、0重量%以上、かつ、2重量%以下の酸化マグネシウム(MgO)を含んでもよく、これらの他に不可避な不純物が含まれてもよい。
溶鋼を用意する過程においては、転炉精錬などの精錬過程を通じて溶鋼の全体の重量%に対してアルミニウム(Al)が0.7重量%以上、より好ましくは、1.0重量%以上で多量含有された溶鋼を用意してもよい。そして、溶鋼は、電気鋼板の製造のための溶鋼であってもよい。
モールドフラックスを用意する過程と溶鋼を用意する過程は、時系列的な関係ではなく、モールドフラックスと溶鋼のどちらか一方を先に用意してもよく、あるいは、モールドフラックスと溶鋼を同時に用意してもよいことはいうまでもない。
モールドフラックスと溶鋼が用意されれば、取鍋とタンディッシュを経て浸漬ノズル10を用いてモールド20に溶鋼Mを注入する。そして、モールド20に溶鋼Mが注入されれば、溶鋼Mの上部にモールドフラックスFを供給して鋳片を鋳造する。
溶鋼Mの上部に供給されたモールドフラックスFは、少なくとも一部が溶融され、これは、モールド20と凝固シェルIとの間の隙間に流れ込んで、表面のみが凝固(凝固シェル)された鋳片とモールド20との間において潤滑作用を行いながら鋳片が鋳造される。
このとき、本発明の実施形態に係る鋳造方法においては、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の含量を従来に比べて減らし、代わりに酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化カリウム(KO)を含有するモールドフラックスを用いる。このため、モールドフラックス内の酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の少なくとも一方と酸化アルミニウム(Al)との間の反応を通じたモールドフラックスの成分の変化を効果的に抑止することができる。
また、Ca-Al-O系及びCa-Na-Al-O系のような高融点結晶相の生成を抑制または低減することができる。これにより、モールドフラックスの融点及び粘度の上昇、液状の割合の低下を抑えて潤滑能を確保することができる。
以下では、比較例及び本発明の実施形態に係る鋳造方法により鋳片を鋳造する実験例について説明する。
表1から表4は、比較例及び実施例に係るモールドフラックスにおいて、粘度、融点(℃)及び液状の割合(%)を示した表である。ここで、比較例及び実施例に係るモールドフラックスは、いずれも酸化アルミニウム(Al)が30重量%以上の高濃度で含有されている。
実験のために、比較例及び実施例に係るモールドフラックスを用意し、これらの融点、粘度及び液状の割合を測定した。
ここで、融点は、比較例及び実施例に係るモールドフラックスのそれぞれに対して加熱顕微鏡(heating microscope)を用いて測定した。
そして、粘度は、比較例及び実施例に係るモールドフラックスのそれぞれを1300℃の温度に加熱し、1300℃の温度条件下で、一般的な粘度測定器で測定したものである。
また、比較例及び実施例に係るモールドフラックスの液状の割合は、共焦点レーザー走査型顕微鏡(Confocal laser scanning microscope)で測定した。より具体的に説明すれば、坩堝にモールドフラックスを装入し、1500℃に加熱した後、100℃/minの速度で冷却させる条件で、リアルタイムにてモールドフラックスの溶融及び凝固の過程を録画した。そして、1000℃に達したとき、録画された映像内において液状が占める面積の割合を計算して導き出した。
その他の成分の含量(重量%)は、酸化マグネシウム(MgO)、酸化鉄(F)、酸化マンガン(MnO)、酸化リン(P)、酸化チタン(TiO)の含量を合算した値である。
表1は、第1の実施例及び第1乃至第7の比較例に係るモールドフラックスにおいて、粘度、融点及び液状の割合を示した表である。ここで、表1は、酸化ストロンチウム(SrO)の含有の有無に応じたモールドフラックスの特性を比較するための表である。
Figure 0007161035000001
表1を参照すると、酸化ストロンチウム(SrO)を含む第1の実施例、第4乃至第7の比較例の場合、融点が1300℃以下であり、液状の割合が70%以上である。しかしながら、酸化ストロンチウム(SrO)を含まない第1乃至第3の比較例の場合、融点が1300℃を超えるように高く、液状の割合が60重量%以下と低い。これは、第1乃至第3の比較例の場合、酸化ストロンチウム(SrO)を含まず、酸化カルシウム(CaO)の含量が24重量%以上と高いため、モールドフラックス内において酸化アルミニウム(Al)との反応による高融点結晶相が多量生成されるためである。これに対し、第1の実施例、第4乃至第7の比較例の場合、酸化ストロンチウム(SrO)を含むように製造され、酸化カルシウム(CaO)が23.2重量%以下であって、第1乃至第3の比較例に比べて相対的に低い。このため、第1の実施例、第4乃至第7の比較例は、第1乃至第3の比較例に比べて、モールドフラックス内における酸化アルミニウム(Al)との反応による高融点結晶相の生成量が相対的に少ないため、融点が低く、しかも、液状の割合が高い。
酸化ストロンチウム(SrO)を含む第1の実施例、第4乃至第7の比較例を比較すれば、たとえ酸化ストロンチウム(SrO)を含むとしても、塩基度(CaO/Al)、各成分の含量に応じて、粘度、融点及び液状の割合のそれぞれが目標粘度(0.5 poise~3 poise)、融点(1000℃~1300℃)及び液状の割合(70%~85%)を満たす場合もあれば、満たさない場合もある。
第1の実施例に係るモールドフラックスの組成をみると、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6、酸化アルミニウム(Al)が32重量%~38重量%、酸化ナトリウム(NaO)が5重量%以下、フッ素(F)が8重量%~12重量%以下、酸化リチウム(LiO)が3重量%~5重量%、酸化ホウ素(B)が5重量%~8重量%、酸化カリウム(KO)が8重量%~12重量%、酸化ストロンチウム(SrO)が8重量%~12重量%を満たし、SiOを含まない(0重量%)。このため、第1の実施例の場合、粘度が0.74 poiseであって、0.5 poise~3 poise以下の範囲を満たし、融点が1237℃であって、1000℃~1300℃の範囲を満たし、液状の割合が79重量%であって、70%~85%の範囲を満たす。
したがって、第1の実施例に係るモールドフラックスをモールド内の溶鋼の上に投入して鋳片を鋳造する場合、モールドフラックスの適切な潤滑能を確保することができる。このため、モールドフラックスの潤滑能の不足によるブレークアウトのような操業事故、潤滑能の過剰による鋳片の欠陥の発生を防ぐことができる。
一方、第5の比較例の場合、塩基度(CaO/Al)が0.6を超え、酸化ケイ素(SiO)を含み、酸化カリウム(KO)及び酸化ストロンチウム(SrO)のそれぞれの含量が8重量%未満と低い。このため、第5の比較例に係るモールドフラックスは、液状の割合が85%を超えて高い。
また、第4及び第6の比較例の場合、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6を満たすが、酸化ケイ素(SiO)を含み、酸化カリウム(KO)及び酸化ストロンチウム(SrO)のそれぞれの含量が8重量%未満と低い。このため、第4及び第6の比較例は、両方とも粘度が3 poiseを超え、第6の比較例は、液状の割合が85%を超える。
そして、第7の比較例は、第1の実施例と同様に、塩基度(CaO/Al)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、フッ素(F)、酸化リチウム(LiO)、酸化ホウ素(B)、酸化カリウム(KO)、酸化ストロンチウム(SrO)のそれぞれが目標範囲を満たすが、酸化ケイ素(SiO)を含んでいる。このため、第7の比較例の液状の割合が87重量%であって、85%を超える。そして、第7の比較例は、2.8重量%の酸化ケイ素(SiO)を含むが、これは、モールドフラックスの製造の際に意図的に追加したものである。
上記の第4乃至第7の比較例に係るモールドフラックスをモールド内の溶鋼の上に投入して鋳片を鋳造する場合、モールドフラックスによる適切な潤滑能を確保することができない。すなわち、モールドと凝固シェルとの間へのモールドフラックスの流れ込みが少ないか、あるいは、流れ込んだモールドフラックスの液状の割合が小さなため、潤滑能が足りない虞がある。この場合、凝固シェルが破れたり引きちぎれたりするブレークアウト(break out)などの操業事故が起こる虞がある。また、モールドと凝固シェルとの間に過剰な量のモールドフラックスが流れ込んだり、流れ込んだモールドフラックスの液状の割合が大き過ぎたりして、モールドフラックスが凝固シェルの内側の溶鋼に流入して鋳片の欠陥を生じさせる虞がある。
図2の(a)は、表1の第2の比較例に係るモールドフラックスを用いて鋳造した鋳片の写真及び一部を拡大して示す図であり、図2の(b)は、表1の第1の実施例に係るモールドフラックスを用いて鋳造した鋳片の写真及び一部を拡大して示す図である。
モールドに溶鋼を供給して鋳片を鋳造するとき、モールドを振動させ、これにより、鋳片の表面にオシレーションマーク(OSM;Oscillation Mark)が形成される。
ところが、第2の比較例に係るモールドフラックスを用いて製造された鋳片(図2の(a))の場合、その間隔またはその高さが揃っていないオシレーションマーク(OSM;Oscillation Mark)が形成された。また、オシレーションマークが連続して形成されていない面積が大きい。これは、第2の比較例に係るモールドフラックスの場合、モールドと凝固シェルとの間に流れ込んだモールドフラックスの潤滑能がよくないためである。これに対し、第1の実施例に係るモールドフラックスを用いて製造された鋳片(図2の(b))の場合、その間隔またはその高さが揃っているオシレーションマーク(OSM;Oscillation Mark)が形成された。そして、オシレーションマークが連続して形成されていない面積が図2の(a)に比べて小さい。これは、第1の実施例に係るモールドフラックスの場合、モールドと凝固シェルとの間に流れ込んだモールドフラックスの潤滑能が優れているためである。
表2は、第2の実施例及び第8乃至第11の比較例に係るモールドフラックスの粘度、融点及び液状の割合を示した表である。ここで、表2は、酸化カリウム(KO)及びフッ素(F)の含量に応じたモールドフラックスの特性を比較するための表である。
Figure 0007161035000002
表2を参照すると、第8及び第9の比較例の粘度は、両方とも3 poiseを超えるが、これらを比較して、酸化カリウム(KO)に伴う粘度の落ち込みの効果を推察することができる。すなわち、酸化ナトリウム(NaO)を含み、かつ、酸化カリウム(KO)を含まない第8の比較例に比べて、酸化ナトリウム(NaO)を含まず、かつ、酸化カリウム(KO)を含む第9の比較例の融点及び粘度の方がさらに低く、液状の割合が高いことが分かる。換言すれば、酸化ナトリウム(NaO)を含めず、かつ、これを酸化カリウム(KO)に取って代えた第9の比較例の方が、そうではない第8の比較例に比べて融点及び粘度が減少し、液状の割合が増加することを確認することができる。これを通じて、酸化カリウム(KO)が融点及び粘度の落ち込み、液状の割合の増加の効果があることが分かる。
そして、第2の実施例は、粘度(0.84 poise)が0.5 poise~3 poiseの範囲、融点(1216℃)が1000℃~1300℃の範囲、液状の割合が70%~85%を満たす。第2の実施例に係るモールドフラックスの成分の組成をみると、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6の範囲を満たし、酸化ケイ素(SiO)を含まず、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、フッ素(F)、酸化リチウム(LiO)、酸化ホウ素(B)、酸化カリウム(KO)、酸化ストロンチウム(SrO)がそれぞれの範囲を満たす。
しかしながら、第10の比較例は、粘度が3 poiseを超え、融点は1300℃を超える。そして、第11の比較例は、粘度が0.5 poise未満であり、液状の割合が85%を超える。これらの第10及び第11の比較例に係るモールドフラックスの成分の組成をみると、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6の範囲を満たし、酸化ケイ素(SiO)を含まず、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、酸化リチウム(LiO)、酸化ホウ素(B)、酸化カリウム(KO)がそれぞれの範囲を満たす。しかしながら、第10の比較例は、フッ素(F)が8重量%未満であり、第11の比較例は、フッ素が12重量%を超える。したがって、第10及び第11の比較例は、その粘度が0.5 poise未満と低いか、あるいは、3 poiseを超えて高い。
表3は、第3の実施例、第12及び第13の比較例に係るモールドフラックスの粘度、融点及び液状の割合を示した表である。ここで、表3は、酸化ホウ素(B)の含量に応じたモールドフラックスの特性を比較するための表である。
Figure 0007161035000003
第3の実施例は、粘度(2 poise)が0.5 poise~3 poiseの範囲、融点(1234℃)が1000℃~1300℃の範囲、液状の割合(83%)が70%~85%の範囲を満たす。そして、第3の実施例に係るモールドフラックスは、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6の範囲を満たし、酸化ケイ素(SiO)を含まず、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、フッ素(F)、酸化リチウム(LiO)、酸化ホウ素(B)、酸化カリウム(KO)、酸化ストロンチウム(SrO)がそれぞれの範囲を満たす。
しかしながら、第12の比較例は、融点が1300℃を超え、液状の割合が70%未満である。また、第13の比較例は、液状の割合が85%を超える。これらの第12及び第13の比較例に係るモールドフラックスの成分の組成をみると、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6の範囲を満たし、酸化ケイ素(SiO)を含まず、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、フッ素(F)、酸化リチウム(LiO)、酸化ストロンチウム(SrO)がそれぞれの範囲を満たす。しかしながら、第12の比較例は、酸化ホウ素(B)が5重量%未満であり、第13の比較例は、酸化ホウ素(B)が8重量%を超える。したがって、第12の比較例は、液状の割合が70%未満である67%と低く、このため、潤滑能が足りない。なお、第13の比較例は、液状の割合が85%を超える90%であって、潤滑能が高過ぎるという不都合がある。
表4は、第4の実施例、第14及び第15の比較例に係るモールドフラックスの粘度、融点及び液状の割合を示した表である。ここで、表4は、酸化リチウム(LiO)の含量に応じたモールドフラックスの特性を比較するための表である。
Figure 0007161035000004
表4を参照すると、第4の実施例は、粘度(2.75 poise)が0.5 poise~3 poiseの範囲、融点(1283℃)が1000℃~1300℃の範囲、液状の割合(70%)が70%~85%の範囲を満たす。そして、第4の実施例に係るモールドフラックスは、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6の範囲を満たし、酸化ケイ素(SiO)を含まず、酸化アルミニウム(Al)、酸化ナトリウム(NaO)、フッ素(F)、酸化リチウム(LiO)、酸化ホウ素(B)、酸化カリウム(KO)、酸化ストロンチウム(SrO)がそれぞれの範囲を満たす。
一方、第14の比較例は、融点が1500℃以上であり、このため、1300℃において粘度の測定が不可能であり、1000℃における液状の割合が0%である。そして、第15の比較例は、液状の割合は70%~85%の範囲を満たすが、融点が1300℃を超え、粘度が3 poiseを超える。これは、第14の比較例の場合、酸化リチウム(LiO)が3重量%未満であり、第15の比較例の場合、酸化リチウム(LiO)が5重量%を超えるためであると推察される。
このように、本発明の実施形態に係るモールドフラックスによれば、酸化ケイ素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)による成分の変化を従来に比べて抑止または防止することができる。また、実施形態に係るモールドフラックスは、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の含量を従来に比べて減らし、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化カリウム(KO)を含むようにモールドフラックスを用意する。
したがって、潤滑能を阻害する高融点結晶相の生成を抑止または防止することができ、モールドフラックスによる欠陥の発生を防ぐことができる他、ブレークアウト(break out)などの操業事故を防いで安定的な操業を行うことができる。
また、成分の変化及び高融点結晶相の生成が抑止されるので、たとえ長時間にわたって用いるとしても、その潤滑能を保持することができる。このため、実施形態に係るモールドフラックスを用いると、長時間にわたって安定的に連続鋳造を行うことができる。そして、鋳造速度及び鋳片の連続生産量を制限しなくても、モールドフラックスの成分の変化を抑止することができて、鋳片の生産量を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るモールドフラックスによれば、酸化ケイ素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)による成分の変化を従来に比べて抑止または防止することができる。また、実施形態に係るモールドフラックスは、酸化カルシウム(CaO)及び酸化ナトリウム(NaO)の含量を従来に比べて減らし、酸化ストロンチウム(SrO)及び酸化カリウム(KO)を含むようにモールドフラックスを用意する。したがって、潤滑能を阻害する高融点結晶相の生成を抑止または防止することができ、モールドフラックスによる欠陥の発生を防ぐことができる他、ブレークアウト(break out)などの操業事故を防いで安定的な操業を行うことができる。
10 浸漬ノズル
20 モールド
F モールドフラックス
I 凝固シェル
M 溶鋼

Claims (11)

  1. 鋳片の鋳造に用いられるモールドフラックスであって、
    全体の重量%に対して、酸化アルミニウム(Al)を32重量%~38重量%、酸化ストロンチウム(SrO)を8重量%~12重量%、酸化カリウム(KO)を8重量%~12重量%、フッ素(F)を8重量%~12重量%、酸化ホウ素(B)を5重量%~8重量%、酸化リチウム(LiO)を3重量%~5重量%及び不可避な不純物からなり、
    酸化ケイ素(SiO)を含まないか、不可避な不純物としてのみ含むことを特徴とするモールドフラックス。
  2. 前記モールドフラックスの融点は、1000℃~1300℃であることを特徴とする請求項1に記載のモールドフラックス。
  3. 全体の重量%に対して、前記酸化ストロンチウム(SrO)が9重量%~10重量%含まれることを特徴とする請求項1に記載のモールドフラックス。
  4. 全体の重量%に対して、前記酸化カリウム(KO)が9重量%~10重量%含まれることを特徴とする請求項1に記載のモールドフラックス。
  5. 前記モールドフラックスは、酸化カルシウム(CaO)を含み、
    前記酸化カルシウム(CaO)は、塩基度(CaO/Al)が0.4~0.6になるように含量が調節されたことを特徴とする請求項1に記載のモールドフラックス。
  6. 前記酸化カルシウム(CaO)は、塩基度(CaO/Al)が0.45~0.55になるように含量が調節されたことを特徴とする請求項に記載のモールドフラックス。
  7. 前記モールドフラックスは、5重量%以下の酸化ナトリウム(NaO)を含むことを特徴とする請求項1に記載のモールドフラックス。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のモールドフラックスを用意する過程と、
    モールドに溶鋼を供給する過程と、
    前記溶鋼の上部に前記モールドフラックスを投入して鋳片を鋳造する過程と、
    を含むことを特徴とする鋳造方法。
  9. 前記溶鋼は、溶鋼の全体の重量%に対して0.7重量%以上のアルミニウム(Al)を含むことを特徴とする請求項8に記載の鋳造方法。
  10. 前記溶鋼の上部に投入されたモールドフラックスは、前記溶鋼の熱により溶融され、溶融されたモールドフラックスは、0.5 poise~3 poiseの粘度を有することを特徴とする請求項8に記載の鋳造方法。
  11. 前記鋳片を鋳造する過程において、
    前記モールドフラックスは、前記溶鋼から形成される凝固シェルと前記モールドとの間に流れ込み、
    前記凝固シェルとモールドとの間に流れ込んだモールドフラックスは、測定面積内において液状が占める面積の割合が70%~85%であることを特徴とする請求項8に記載の鋳造方法。
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