JPH07132048A - 液状シャーベットベース、その製造方法並びにシャーベットの製法 - Google Patents

液状シャーベットベース、その製造方法並びにシャーベットの製法

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JPH07132048A
JPH07132048A JP5283470A JP28347093A JPH07132048A JP H07132048 A JPH07132048 A JP H07132048A JP 5283470 A JP5283470 A JP 5283470A JP 28347093 A JP28347093 A JP 28347093A JP H07132048 A JPH07132048 A JP H07132048A
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sherbet
base
liquid
weight
mix
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JP5283470A
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English (en)
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Shuichi Oki
修一 大木
Miho Okumura
美保 奥村
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Nisshin Seito KK
Original Assignee
Nisshin Seito KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温流通が可能であって、かつ凍結工程にお
いて撹拌操作を必要としないシャーベット製造用液状シ
ャーベットベースを提供する。 【構成】 液状シャーベットベースの必須配合成分とし
て、糖類,多糖類系安定剤,ゼラチン,食用油脂,乳化
剤及び水の組合せを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フリーザーを使用せず
にシャーベットを製造するための、凍結工程において撹
拌操作を必要としないシャーベット製造用液状シャーベ
ットベース、その製造方法並びにこの液状シャーベット
ベースを使用したシャーベットの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にシャーベットとは、果汁あるいは
果物のピューレに砂糖などの糖類あるいは糖類水溶液を
加え、さらに必要に応じて安定剤、酸味料、香料などを
添加して成るシャーベットミックスを凍結させたもので
あるが、出来上ったシャーベットの口当りを滑らかにし
てシャーベット特有の食感を持たせるためには、氷結晶
を微細化することと、微小気泡を含ませることが必要で
ある。
【0003】このため、工場生産あるいは大量生産にお
いては、シャーベットミックスをアイスクリームフリー
ザー中で撹拌しつつ凍結させて、シャーベットを生産し
ている。また、家庭や飲食店でシャーベットを手作りす
る場合には、容器に入れたシャーベットミックスを冷凍
庫中で凍結または半凍結させた後、スプーンやへらなど
でよくかき混ぜ、再び凍結させるという操作を何度も繰
り返す必要がある。
【0004】従って、各自好みのシャーベットを賞味し
たり調製する場合、市販品では品種に制約があり、一方
手作りしようとすると前述のごとき凍結とかき混ぜを何
度も繰り返さねばならないため、手軽に手作りすること
は困難である。
【0005】アイスクリームフリーザーを使用せずにシ
ャーベットを製造する方法として、特開昭62-275652 号
公報に、シャーベットミックスを冷却固化して得られる
アイスブロックをミキサーで破砕しつつ撹拌して微細な
空気を含ませる技術が開示されている。
【0006】しかし、上記技術は、シャーベットミック
スを凍結させたシャーベットようのアイスブロックをさ
らにミキサーで処理するものであり、簡便なシャーベッ
トの製造方法とは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の現状に鑑み、撹拌機能をもっているアイスクリーム
フリーザーを使用せずに、簡便にシャーベットを製造す
るための、凍結工程において撹拌操作を必要としないシ
ャーベット製造用液状シャーベットベース及びその製造
方法並びにこの液状シャーベットベースを使用したシャ
ーベットの製法を提供する。
【0008】即ち、従来の手作りシャーベットの製造す
る際に附随する煩雑さを解決し、簡単に好みの風味のシ
ャーベットを製造できる新規な技術を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、凍結工程にお
いて撹拌操作を必要としないシャーベット製造用配合物
として使用可能な液状シャーベットベース自体に関する
ものである。また本発明は、糖類,多糖類系安定剤,ゼ
ラチン,食用油脂,乳化剤及び水を必須配合成分として
含有し、それらが下記組成を有することを特徴とする液
体シャーベットベースに関するものである。上記ベース
全量を 100重量%として 糖類 35〜65重量% 多糖類系安定剤 0.05〜2 重量% ゼラチン 0.5 〜5 重量% 食用油脂 0.5 〜10重量% 乳化剤 0.05〜3 重量% 水 15〜60重量% また、本発明は液状シャーベットベースを製造する方法
に関するものであって、必須配合成分及び必要に応じて
その他の成分を混合、加熱、溶解、乳化、均質化、殺菌
する工程を包含する液状シャーベットベースの製造方法
である。さらに、本発明は、上述の液状シャーベットベ
ースに果汁で代表される風味成分、空気、及びさらに必
要ならば着香料、アルコール飲料などの風味増強成分を
混和してシャーベットミックスを調製した後に、そのミ
ックスを凍結させることを特徴とする、凍結工程におい
て撹拌操作を必要としないシャーベットの製法である。
【0010】本発明によれば、成分分離を起こさず安定
な、常温で流通可能な液状シャーベットベースが製造で
きる。さらに、そのシャーベットベースと好みの果汁で
代表される風味成分や香料、アルコール飲料のような風
味増強成分を混和してシャーベットミックスとした後
で、冷凍庫などの中でそのミックスを凍結させるだけ
で、凍結工程における撹拌操作なしに、きめの細かい氷
結晶の食感を有する、口当りが滑らかなシャーベットを
簡単に製造できる。
【0011】ここで、シャーベット特有の食感の表現と
して、「口当りが滑らか」とは、市販のカップ入りかき
氷(通称、みぞれ)のように氷の食感がザラザラと荒く
はないが、アイスクリームのように全く氷結晶を食感と
して感じないという状態でもなく、氷結晶を感ずるがき
め細かであり、食感上ソフトであることを指す。
【0012】本発明者らは、口当りが滑らかなシャーベ
ットの製造を可能にし、凍結工程において撹拌操作を必
要としないシャーベット製造用液状シャーベットベース
の組成について研究した結果、液状シャーベットベース
の必須配合成分として、糖類,多糖類系安定剤,ゼラチ
ン,食用油脂,乳化剤及び水の組合せを採用することに
よって、該液状シャーベットベースと風味成分や、さら
に、必要ならばアルコール飲料などの風味増強成分とを
混和してシャーベットミックスとした後に、そのミック
スを凍結工程での撹拌操作なしに凍結して得られるシャ
ーベットとして満足できる口当りを滑らかにすることが
できる性能を、該液状シャーベットベースに持たせ得る
ことを見出し、本発明に至った。以下、本発明について
詳述する。
【0013】本発明のシャーベットベースは、前述のご
とく、シャーベットの風味を特徴づける果汁で代表され
る風味成分を基本的に含むシャーベットミックスではな
く、風味成分を基本的に含まない液状シャーベットベー
スであって、その特徴は、必須配合成分として、糖類
(通常の糖類及び糖アルコールを含むものとする。),
多糖類系安定剤,ゼラチン,食用油脂,乳化剤及び水を
用いることにある。
【0014】本発明の液状シャーベットベースは、必須
配合成分である糖類,多糖類系安定剤,ゼラチン,食用
油脂,乳化剤及び水の他に、必要に応じて酸味料,pH
調整剤,着香料などを含有してもよい。
【0015】また、本発明の対象は液状シャーベットベ
ースであるので、粉末状,塊状,顆粒状などの形態のも
のは除外される。濃縮液状タイプのシャーベットベース
は、使用時に適正な濃度に希釈できるので、本発明に包
含される。
【0016】液状シャーベットベースの基本的な配合例
を以下に示す。ベース全量を 100重量%として必須配合成分 糖類 35〜65重量% 多糖類系安定剤 05〜2 重量% ゼラチン 0.5 〜3 重量% 食用油脂 0.5 〜10重量% 乳化剤 0.05〜3 重量% 水 15〜60重量%他の配合成分 酸味料 0〜0.3 重量% pH調整剤 0〜0.3 重量% 着香料 0〜0.5 重量%
【0017】本発明の液状シャーベットベースにおける
必須配合成分である糖類(通常の糖類及び糖アルコール
を含むものとする。),多糖類系安定剤,ゼラチン,食
用油脂,及び乳化剤が総合的に作用して、製造された本
液状シャーベットベースに、果汁で代表される風味成分
及び必要に応じて添加される風味増強成分が混和されて
調製されるシャーベットミックスを凍結工程での撹拌操
作なしに凍結することによって得られるシャーベットの
口当りを滑らかにする。その主たる作用は該シャーベッ
トミックスに微細な気泡を安定的に含有させ、その気泡
を含有したまま凍結させること、及び該シャーベットミ
ックスの凍結に際し、水を微細な氷結晶として凍結させ
ることである。しかし、当然ながら口当りの滑らかさは
液状シャーベットベースに添加する果汁などの風味成分
等の違いによって、あるいは液状シャーベットベースと
風味成分などとの混合比によって多少変動する。
【0018】本発明で使用する糖類としては前述の如く
通常の糖類及び糖アルコールを含みシャーベットに甘味
を賦与するために用いられる。また糖類の量はシャーベ
ットの氷結晶の大きさに影響する。糖類の量が多すぎる
と、シャーベットが甘くなり過ぎ、またシャーベットの
氷結晶が微細になり過ぎて食感がアイスクリームに近付
き、シャーベット特有の食感が得られない。また糖類の
量が少なすぎるとシャーベットの甘味が不足し、またシ
ャーベットの氷結晶が大きく成長するため食感が荒くな
り過ぎ好ましくない。このような制約があるため、液状
シャーベットベースにおける糖類の配合比は固型分とし
て35〜65重量%が好ましい。使用する糖類に特に限
定はないが、一般的には蔗糖,ブドウ糖,果糖,異性化
糖,水飴及びソルビットなどが単独で、あるいはいくつ
か組み合せて用いられる。
【0019】本発明で使用する多糖類系安定剤は液状シ
ャーベットベースにおける乳化安定、シャーベットミッ
クスにおける果汁に由来する水不溶成分の凝集あるいは
沈殿の防止及び気泡の維持、シャーベットにおける氷結
晶の大きさの調節と食感の調節などを目的に配合され
る。微結晶セルロースのような水不溶性多糖類系安定剤
は、シャーベットが融けた時に融解液中にモヤモヤとし
た不溶物として観察されるためシャーベットの価値を減
ずるので好ましくない。従って、液状シャーベットベー
スに用いられる多糖類系安定剤としては水溶性のものが
望ましい。多糖類系安定剤の液状シャーベットベースに
おける配合比は0.05〜2重量%が好ましい。0.05重量%
以下では安定剤としての効果が発現されず、2重量%以
上では粘性が高くなり過ぎて液状シャーベットベースの
製造そのものに支障が出たり、シャーベットの食感が著
しく糊状であったりあるいはゼリー状になる等の欠点を
生じるからである。水溶性多糖類系安定剤には冷水可溶
性、温水可溶性、及び熱水可溶性のものが含まれる。水
溶性多糖類系安定剤として、寒天,カラギーナン,ファ
ーセランなどの海藻抽出多糖類,グァーガム,ローカス
トビーンガム,タマリンド種子多糖類,タラガムなどの
植物種子粘質多糖類、アラビアガム,トラガントガム,
カラヤガム,ペクチンなどの植物果実粘質多糖類及び植
物樹液粘質多糖類、キサンタンガム,ジエランガムなど
の微生物産生粘質多糖類、カルボキシメチルセルロー
ス,メチルセルロース,繊維素グリコール酸ナトリウム
などのセルロース誘導体、コーンスターチ,ポテト澱
粉,可溶性澱粉,還元澱粉,デキストリンのような澱粉
加水分解物,化工澱粉類等の各種澱粉類及び澱粉誘導
体、並びにアルギン酸ナトリウム,アルギン酸プロピレ
ングリコールエステルなどのアルギン酸誘導体等をあげ
ることができ、これらを単独で使用してもよいし、いく
つかを併用してもよいが、一般的には併用した方が効果
が増す。
【0020】本発明で使用するゼラチンは、特にシャー
ベットにおける氷結晶を微細にする効果が著しく高い。
さらにシャーベットミックスにおける気泡の安定維持に
も寄与する。また液状シャーベットベースにおける乳化
安定にも有効である。ゼラチンの液状シャーベットベー
スにおける配合比は 0.5〜3重量%が好ましい。 0.5重
量%以下では効果がなく、3重量%以上ではシャーベッ
トの食感がゼリーに近くなりシャーベット本来の食感が
得られないからである。ゼラチンとしては例えばアルカ
リ処理法で製造されたものであって、ゲル化能を有しゼ
リー強度が 150〜350 ブルーム程度のものが好
ましい。
【0021】本発明で使用する食用油脂は後述する乳化
剤と併用することによって、液状シャーベットベースと
果汁で代表される風味成分等とを混和してシャーベット
ミックスを調製する際に、該シャーベットミックス中に
気泡を安定的に生成させる効果を有する。食用油脂の液
状シャーベットベースにおける配合比は 0.5〜10重量
%が適当である。 0.5重量%以下では上記の効果がな
く、また10重量%以上ではシャーベットの食感が油ぽ
くなり、シャーベットとしてのさわやかな風味が損なわ
れるので好ましくない。使用する食用油脂に特に制限は
ないが、液状シャーベットベースは常温流通させること
を考慮すれば酸化安定性の高いものが好ましい。その意
味で食用油脂としては硬化ヤシ油などの硬化油(水素添
加油脂)が好適に用いられる。
【0022】本発明で使用する乳化剤は、液状シャーベ
ットベースに配合された食用油脂を乳化するために使用
されるが、さらに前述のように食用油脂と併用して使用
することによって、液状シャーベットベースと果汁など
の風味成分等とを混和してシャーベットミックスを調製
する際に、該シャーベットミックス中に取り込まれた気
泡を微細化するとともに微細化された気泡を安定的に維
持する。乳化剤は必要以上に使用しても効果は向上しな
いし、逆に少なすぎれば満足な効果は得られない。従っ
て、乳化剤の液状シャーベットベースへの配合比は0.05
〜3重量%が好ましい。使用する乳化剤は食品に使用で
きるものであれば特に制限はなく、グリセリン脂肪酸エ
ステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,有機酸モノグ
リセリド,ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステ
ル,蔗糖脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,
プロピレングリコール脂肪酸エステル,レシチン,卵黄
などから適宜選択すればよい。乳化剤は1種類を使用し
てもよいし、2種類以上を組み合せて使用してもよい。
例えば、グリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂
肪酸エステルとの併用は効果が高い。
【0023】本液状シャーベットベースの必須配合成分
のうち糖類,多糖類系安定剤,ゼラチン,食用油脂,及
び乳化剤が、どのような機構で最終的なシャーベットに
前述の微細な氷結晶と微細な気泡を主な要因とするシャ
ーベット特有の「口当りの滑らかさ」を与えるのかは不
明ではあるがモデル的には次のように考えることができ
る。
【0024】まず、水溶性成分である糖類,多糖類系安
定剤,ゼラチンは水に溶解している状態で、分子レベル
での三次元的網目構造を形成しているものと考えられ
る。従って、水はこの網目構造の中に閉じ込められてい
る為、凍結に際して氷結晶の成長が阻害されて微細な氷
結晶となるものと考えられる。もちろん、この他に水溶
性成分同志の、あるいは水溶性成分と水との電気的、ま
たは分子的相互作用も氷結晶の成長に影響を及ぼしてい
るものと思われる。
【0025】次に、非水溶性成分である食用油脂はシャ
ーベットミックスに取り込まれた空気、即ち気泡の表面
に分布し、乳化剤は、その親油基を食用油脂側に、その
親水基を水側にそれぞれ配向させているものと考えられ
る。即ち、水中の気泡は、いわば食用油脂と乳化剤の二
重の膜で補強されていると考えることができる。そのた
め、シャーベットミックスを撹拌したときに取り込まれ
た空気は、さらなる撹拌で微細な気泡となるが、その後
も気泡同志が合一してより大きな気泡となることもな
く、微細な気泡のままでシャーベットミックス中に安定
に存在し得るものと考えられる。さらに、気泡の合一阻
止、上昇阻止と均一分散には多糖類系安定剤やゼラチン
の粘性が寄与している。これらが本発明のシャーベット
ベースを使って調製したシャーベットミックスを凍結さ
せたときにも凍結工程での撹拌操作がなくても、凍結後
のシャーベット中に微細な気泡が均一に分散している理
由と思われる。
【0026】本発明で使用する酸味料、pH調整剤及び
着香料はそれぞれ必要に応じて液状シャーベットベース
に添加できる。酸味料としてはクエン酸,リンゴ酸,酒
石酸などの有機酸類やそれらの塩を例示することができ
る。pH調整剤としては上記有機酸類やそれらの塩及び
炭酸塩やリン酸塩などの無機塩を例示し得る。本発明の
液状シャーベットベースのpHは、3〜6.5 、好ましく
は 3.5〜4.5 程度である。着香料としては、広く果汁類
にも調和するものが望ましい。そのような着香料とし
て、例えばレモン香料が挙げられる。
【0027】次に、本発明の液状シャーベットベースを
製造する方法について説明する。その特徴は、必須配合
成分である糖類,多糖類系安定剤,ゼラチン,食用油
脂,乳化剤,水と、必要に応じて添加される成分である
酸味料,pH調整剤,着香料などとを混合、分散、加
熱、溶解し、乳化あるいは均質化、及び殺菌する工程を
含むことにある。多糖類系安定剤などがいわゆる「まま
こ」になって分散溶解しにくいときは予め結晶状の糖類
に混合、分散させておいてから添加するとよいし、液状
シャーベットベースは最終的には適当な容器に充填、包
装されるが、殺菌工程は、その目的が達せられる方法の
ものであれば、充填の前に置かれても、または後に置か
れてもよい。
【0028】液状シャーベットベースの製造方法の一例
を示す。まず、糖類,多糖類系安定剤,ゼラチン,乳化
剤,及び、さらに必要なら酸味料やpH調整剤を水に均
一に分散、溶解させる。次に80℃程度まで昇温してか
ら食用油脂を加えて乳化後、30℃程度まで冷却してか
ら蒸発して散逸した水分を補い、必要なら着香料を添加
後均一に混合する。ここで得られた液状シャーベットミ
ックスを適当な容器に充填、密封後加熱殺菌される。
【0029】次に、本発明の液状シャーベットベースを
使用したシャーベットの製法について説明する。この特
徴は、本発明の液状シャーベットベースに、果汁で代表
される風味成分、空気、及び必要ならば着香料、アルコ
ール飲料などの風味増強成分を混和してシャーベットミ
ックスを調製した後で、該ミックスを凍結させてシャー
ベットとすることであり、さらにその凍結工程において
撹拌操作を必要としないことである。
【0030】本発明で使用する上述の風味成分とは、果
物の果汁やピューレはもちろんのこと、ジャム類,果汁
飲料,清涼飲料,コーヒー,茶などの嗜好飲料,牛乳,
ヨーグルトなどの乳製品をも包含する広い概念である。
また本発明で使用する上述の風味増強成分とは上記風味
成分の味を引き立ててシャーベットの風味をより好まし
くするものであって、果実酒,リキュール類,ウィスキ
ー,ブランデー,清酒などのアルコール飲料の他、果実
エッセンスやバニラなどの着香料、その他香辛料やナッ
ツ類を挙げ得るが、シャーベットの風味を向上するため
に使用されるものであれば何ら制限はない。空気は、本
発明の液状シャーベットベースと果汁などの風味成分等
を混和してシャーベットミックスとする際に大気中から
微細な気泡としてシャーベットミックス中に取り込まれ
るので原材料として用意する必要はない。
【0031】液状シャーベットベースと果汁などの風味
成分等を混和するには、手撹拌式の泡立て器や簡単な電
池式のハンドミキサーなどを使用して撹拌、混合すれば
十分であって、この操作によってシャーベットミックス
中に微細な気泡も混入させることができる。混和するた
めに大がかりな撹拌装置は必要ない。
【0032】このようにして調製されたシャーベットミ
ックスを適当な容器に入れて冷凍庫等の中で凍結させる
が、凍結の途中での撹拌操作は不要であって、単に凍結
させるだけで、「口当りが滑らか」なシャーベットが出
来上がる。シャーベットミックスを凍結させる時の冷凍
庫等の温度はシャーベットミックスが凍結する温度であ
れば特に制限はないが、通常−25〜−10℃であれば
よい。
【0033】なお、予め液状シャーベットベースを上述
の低温下において凍結させておき、この凍結物に予め冷
蔵しておいた果汁などの風味成分等を混合、撹拌すると
液体中に微細な氷結晶と微細な気泡が分散したシェイク
状物が得られ、これをその後撹拌することなしに凍結し
ても「口当りが滑らか」なシャーベットが得られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明のシャーベット
ベースとそれから作られたシャーベットを説明するとと
もに、本発明及び比較例でそれぞれ調製されたシャーベ
ットの官能評価結果を示す。
【0035】実施例1(シャーベットベース) 表1に示した配合に基づき液状シャーベットベースを製
造した。まず、水飴,蔗糖,無水結晶ブドウ糖,ゼラチ
ン,乳化剤,酸味料,及びpH調整剤を水に撹拌しつつ
均一になるまで分散、溶解させる。次に80℃位まで昇
温してから硬化ヤシ油を加え溶解後、TKホモミキサー
で乳化した(10,000RPMで3分間)。30℃程度まで
冷却後、蒸発して失われた分の水を補い、さらに着香料
を添加してから、TKホモミキサーで再度乳化した。こ
れをプラスチックフィルム製の袋(容量500ml )に500g
づつ分注、密封してから、85℃で20分間加熱殺菌後
20℃まで冷却して液状シャーベットベースを得た。そ
のpHは4.1 であった。
【0036】実施例2(シャーベットベース) 表1に示した配合に基づき、実施例1と同様の方法で液
状シャーベットベースを製造した。この液状シャーベッ
トベースは糖度は実施例1と同じであるが、甘味を強く
したものである。
【0037】比較例1〜5(配合) 実施例2の配合から、本発明の液状シャーベットベース
の必須配合成分である糖類,多糖類系安定剤,ゼラチ
ン,硬化ヤシ油及び乳化剤をそれぞれ抜いた配合に相当
する液状シャーベットベース(比較例1〜5)を実施例
1の方法と同様にして製造した。比較例1〜5の配合を
表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例3(シャーベット) 実施例1で得られた液状シャーベットベースを使用して
グレープフルーツシャーベットを製造した。即ち、液状
シャーベットベース250g(品温5℃)と100 %グループ
フルーツジュース240g(品温5℃)及びブランデー10
gを500ml 容のステンレス製ビーカーに量り取り、充電
池式のハンドミキサーで1分間撹拌、混和してシャーベ
ットミックスとした後、ビーカーごと冷凍庫(庫温−2
0℃)に1晩(約15時間)入れ、凍結させてグレープ
フルーツシャーベットとした。凍結途中及び凍結後も撹
拌操作はしていない。
【0040】実施例4(シャーベット) 実施例3における実施例1で得られた液状シャーベット
ベースの代りに、実施例2で得られた液状シャーベット
ベースを使用し、その他は実施例3と同様に処理してグ
ループフルーツシャーベットを得た。
【0041】比較例6〜10(官能評価用シャーベッ
ト) 実施例3においては、実施例1で得られた液状シャーベ
ットベースを使用してシャーベットを調製したが、実施
例1のシャーベットベースの代りに、それぞれ比較例1
〜5(配合)で得られた液状シャーベットベースを使用
し、その他は実施例3と同様に処理して比較例6〜10
のグレープフルーツシャーベットを得た。
【0042】以上、実施例3〜4、及び比較例6〜10
で得られたグレープフルーツシャーベットの食感を官能
検査により評価した。 [官能検査方法]冷凍庫よりシャーベットを容器ごと取
り出し、シャーベットを皿にディッシャーで半球状に盛
り付けて試料とし、15人のパネラーで食感について官
能評価した。評価点は非常に良いを5点、良いを4点、
普通を3点、悪いを2点、非常に悪いを1点として評価
し、その人数と平均評価点を記載した。なお、平均評価
点は下記の式により算出した(少数第2位を四捨五入し
た)。
【数】
ただし、Nはパネル数(=15)、iは評価点、xi
iという評価点を与えたパネルの人数である。対照とし
て、市販のグループフルーツシャーベット(注3)を評
価した。
【0043】
【表2】
【0044】液状シャーベットベースを使用して調製さ
れたシャーベットの食感の官能評価結果(表2)は、ま
ず、本発明の液体シャーベットべースを使用することに
より、果汁などの風味成分等と撹拌混合、同時に微細な
気泡を含ませてシャーベットミックスを調製してから、
冷凍庫中で、凍結の途中あるいは凍結後に撹拌操作を加
えることなく、ただ静置して凍結させるだけで、工場生
産されたシャーベットと同等の食感を有するシャーベッ
トを作ることができることを実施例3〜4が示してい
る。次に、本発明の液体シャーベットベースの性能は、
必須配合成分である糖類,多糖類系安定剤,ゼラチン,
食用油脂,乳化剤のいずれかが欠けても十分には発揮さ
れず、これらの必須配合成分が同時に存在することによ
って、いわば相乗作用によって発揮されていることを比
較例5〜8が示している。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、必須配合成分とし
て特定な組み合せを採用することにより、アイスクリー
ムフリーザーのような大がかりな製造設備を使用しなく
ても、好みの風味の、しかもアイスクリームフリーザー
で製造したものと同等の食感を有するシャーベットを簡
単に作ることができる液状のシャーベットベースを提供
できる。また、本液状シャーベットベースはシェイクの
ベースとしても利用できるなど新規な冷菓あるいは氷菓
素材として実用性が高い。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凍結工程において撹拌操作を必要としな
    いシャーベット製造用液状シャーベットベース。
  2. 【請求項2】 糖類,多糖類安定剤,ゼラチン,食用油
    脂,乳化剤及び水を必須配合成分として含有し、それら
    が下記組成を有することを特徴とする請求項1記載の液
    状シャーベットベース。上記ベース全量を 100重量%と
    して 糖類 35〜65重量% 多糖類系安定剤 0.05〜2 重量% ゼラチン 0.5 〜5 重量% 食用油脂 0.5 〜10重量% 乳化剤 0.05〜3 重量% 水 15〜60重量%
  3. 【請求項3】 その他配合成分として、酸味料、pH調
    整剤、着香料の少なくとも一種以上を必須配合成分に加
    えることによりベース全量を 100重量%となるようにし
    た請求項2記載の液状シャーベットベース。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の液状シャーベットベース
    を製造する方法であって、配合成分を混合、分散、加
    熱、溶解、乳化あるいは均質化、殺菌する工程を含む液
    状シャーベットベースの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の液状シャーベットベース
    に風味成分、空気及び必要に応じて風味増強成分を混和
    してシャーベットミックスを調製した後に、凍結させる
    ことを特徴とする、凍結工程において撹拌操作を必要と
    しないシャーベットの製法。
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