JP7127314B2 - 熱転写シート、及び印画物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写シート、及び印画物の製造方法に関する。
熱転写プリンタを用いた印画物の製造方法では、熱転写シートと、熱転写受像シートを組み合わせて用い、熱転写プリンタが有する加熱手段により、熱転写シートにエネルギーを印加し、熱転写シートの色材層が含有している色材を、熱転写受像シートに移行させることで、熱転写受像シート上に、所定の熱転写画像が形成されてなる印画物を製造できる。近時、従来構成の熱転写プリンタを用いて、換言すれば、熱転写プリンタの機構を変えることなく、意匠性の高い印画物を製造したいとの要望がある。このような要望に対し、特許文献1では、フィルム基材上に、剥離層と接着層がこの順に積層されてなる保護層が設けられ、剥離層と接着層との間に、特色インキで作成された絵柄が形成された熱転写シートが提案されている。特許文献1に提案がされている熱転写シートによれば、従来構成の熱転写プリンタを使用して、意匠性の高い印画物を製造できるとされている。
これ以外にも、熱転写画像を重ねて、立体的な意匠性を有する印画物を製造する方法や、複数の熱転写シートを組み合わせて、立体的な意匠性を有する印画物を製造する方法等が知られている。しかしながら、これらの製造方法では、印画物の製造工程が煩雑になるといった問題がある。
特開2017-140703号公報
本発明は、斬新な意匠性を有する印画物を簡便に製造できる熱転写シートや、印画物の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートは、基材と、第1離型層と、第2離型層と、転写層とを有し、前記第1離型層は、前記基材上に設けられ、前記第2離型層は、前記第1離型層上にパターン状に設けられ、前記転写層は、第1離型層、及び第2離型層を覆うように設けられ、前記転写層の前記基材側の面が、前記第2離型層の前記パターンに追従する凹部を有し、前記転写層が、透明性を有し、前記第1離型層、及び前記第2離型層の何れか一方の層が、フィラーを含有しており、他方の層が、フィラーを含有していない。
上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートは、基材と、第1離型層と、第2離型層と、転写層とを有し、前記第1離型層は、前記基材上に設けられ、前記第2離型層は、前記第1離型層上にパターン状に設けられ、前記転写層は、第1離型層、及び第2離型層を覆うように設けられ、前記転写層の前記基材側の面が、前記第2離型層の前記パターンに追従する凹部を有し、前記転写層が、透明性を有し、前記第1離型層、及び前記第2離型層が、ともにフィラーを含有しており、前記第1離型層の総質量に対する前記第1離型層が含有しているフィラーの含有量と、前記第2離型層の総質量に対する前記第2離型層が含有しているフィラーの含有量が異なる。
一実施形態の熱転写シートは、基材と、第1離型層と、第2離型層と、転写層とを有し、前記第1離型層は、前記基材上に設けられ、前記第2離型層は、前記第1離型層上にパターン状に設けられ、前記転写層は、第1離型層、及び第2離型層を覆うように設けられ、前記転写層の前記基材側の面が、前記第2離型層の前記パターンに追従する凹部を有する。
上記の熱転写シートにおいて、前記転写層が透明性を有していてもよい。また、上記の熱転写シートにおいて、前記転写層が、前記基材側から、透明性を有する保護層、透明性を有する接着層がこの順で積層されてなる積層構造を呈していてもよい。
上記の熱転写シートにおいて、前記第1離型層、及び前記第2離型層の何れか一方、又は双方の層が、フィラーを含有していてもよい。また、上記の熱転写シートにおいて、前記第1離型層、及び前記第2離型層の何れか一方の層が、フィラーを含有しており、他方の層が、フィラーを含有していなくともよい。また、上記の熱転写シートにおいて、前記第1離型層、及び前記第2離型層が、ともにフィラーを含有しており、前記第1離型層の総質量に対する前記第1離型層が含有しているフィラーの含有量と、前記第2離型層の総質量に対する前記第2離型層が含有しているフィラーの含有量が異なっていてもよい。
上記の熱転写シートにおいて、前記第1離型層の前記転写層側の面の算術平均高さSaと、前記第2離型層の前記転写層側の面の算術平均高さSaとの差が、0.5μm以上であってもよい。
また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法は、被転写体上に、熱転写シートの転写層を転写する工程を含み、熱転写シートとして、上記の熱転写シートを用いる。
上記の印画物の製造方法において、被転写体として、前記転写層が転写される側の最表面に金属層が位置する被転写体を用いてもよい。
本開示の実施の形態に係る熱転写シートや、本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法によれば、斬新な意匠性を有する印画物を簡便に製造できる。
(a)は、本開示の実施の形態に係る熱転写シートを第2離型層側から平面視したときの一例を示す平面図であり、(b)は、(a)のA-A概略断面図である。 本開示の実施の形態に係る熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本開示の実施の形態に係る熱転写シートや、本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法により製造される印画物の一例を示す概略断面図である。 (a)~(d)は、図1のX部分の拡大概略断面図である。 図4(a)~(d)の転写層を転写することで製造される印画物の一例を示す拡大概略断面図である。 (a)は、本開示の実施の形態に係る熱転写シートを第2離型層側から平面視したときの一例を示す平面図であり、(b)は、(a)のA-A概略断面図である。 (a)は、本開示の実施の形態に係る熱転写シートを第2離型層側から平面視したときの一例を示す平面図であり、(b)は、(a)のA-A概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施でき、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各層の厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
<<熱転写シート>>
以下に、本開示の実施の形態に係る熱転写シート(以下、本開示の熱転写シートと言う)について図面を用いて具体的に説明する。
図1(b)に示すように、本開示の熱転写シート100は、基材1、第1離型層2、第2離型層3、転写層10を有する。また、本開示の熱転写シート100は、図1(a)に示すように、第1離型層2は、基材1上に設けられ、第2離型層3は、第1離型層2上にパターン状に設けられている。図1(a)は、本開示の熱転写シート100を、第2離型層3側から平面視したときの平面図であり、説明の便宜上、転写層10を省略している。図1(b)は、図1(a)のA-A概略断面図である。また、図1(b)に示すように、本開示の熱転写シート100は、転写層10が、第1離型層2、及び第2離型層3を覆うように設けられており、転写層10の基材1側の面(図示する形態では、転写層10の下面)が、第2離型層3のパターンに追従する凹部を有している。
転写層10は、本開示の熱転写シート100にエネルギーを印加することで、離型層(第1離型層2、第2離型層3)から剥離され、被転写体150上に移行する層である(図3参照)。本開示の熱転写シート100では、第1離型層2、及び第2離型層3を覆うように転写層10を設けることで、当該転写層10の転写を実現可能としている。図1に示す形態では、転写層10は単層構造を呈しているが、図2に示すように、転写層10を2つ以上の層が積層されてなる積層構造としてもよい。
このような、本開示の熱転写シート100によれば、被転写体150上に、転写層10を転写することで、図3に示すように、斬新な意匠性を有する印画物200を製造できる。具体的には、転写層10の表面が有する凹部により、当該転写層10を転写することで製造される印画物に立体的な意匠性を付与できる。また、第2離型層3のパターンに応じて、製造される印画物に絵柄を付与できる。
以下、本開示の熱転写シート100の構成について、具体的に説明する。
(基材)
基材1は、本開示の熱転写シート100における必須の構成であり、基材1の一方の面上に位置する第1離型層2、第2離型層3、及び転写層10を保持する。また、基材1の他方の面に任意に設けられる層(例えば、背面層)を保持する。基材1の材料について特に限定はないが、耐熱性、及び機械的特性を有するものが好ましい。基材1の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ウレタン樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン-エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルム、又はシート等を例示できる。基材1の厚みについて特に限定はないが、0.5μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がより好ましく、1μm以上10μm以下がさらに好ましい。
また、基材1として、第1離型層2が設けられる面に接着処理が施された基材1を用いることもできる。接着処理が施された基材1を用いることで、基材1と第1離型層2との密着性を向上できる。
接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等を例示できる。また、これらの処理を2種以上併用してもよい。
(第1離型層)
図1(b)に示すように、基材1の一方の面(図示する形態では、基材1の上面)には、第1離型層2が設けられている。第1離型層2は、基材1上に直接的に設けられていてもよく、他の層を介して間接的に設けられていてもよい。図示する形態では、第1離型層2は、基材1の一方の面の全面に設けられているが、転写層10の転写を所望する領域や、転写層10の転写有効領域と重なる位置に設けられていればよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、転写層10と重なる位置の一部に、第1離型層2が設けられていなくともよい(図示しない)。
第1離型層2の材料について限定はなく、離型性を有する従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの各種シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリル-スチレン共重合体、熱硬化性エポキシ-アミノ共重合体、及び熱硬化性アルキッド-アミノ共重合体(熱硬化性アミノアルキド樹脂)、メラミン樹脂、セルロース樹脂、尿素樹脂、ポリオレフィン、繊維素樹脂等を例示できる。また、これ以外の材料であってもよい。第1離型層2は、これらの材料の1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
第1離型層2の厚みについて、限定はなく、一例としては、0.1μm以上10μm以下である。また、第1離型層2にフィラーを含有せしめる場合には、フィラーの粒子径等を考慮して、第1離型層2の厚みを決定すればよい。
第1離型層2の形成方法について限定はなく、上記で例示した材料、必要に応じて用いられる、フィラーや各種の添加材を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した第1離型層用塗工液を調製し、この塗工液を、基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に、塗布・乾燥して形成することができる。塗布方法としては、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を例示できる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。
(第2離型層)
図1(a)、(b)に示すように、第1離型層2上には、第2離型層3がパターン状に設けられている。本開示の熱転写シート100は、第1離型層2上に、第2離型層3をパターン状に設けることで、転写層10の基材1側の面(図示する形態では、転写層10の下面)に、当該第2離型層3のパターンに追従する凹部を発現させている。つまり、転写層10が有する凹部を平面視したときの形状は、第2離型層3を平面視したときのパターン形状に対応している。なお、第2離型層3は、第1離型層2上に直接的に設けられていてもよく、第2離型層3と同一平面形状の、或いは、第2離型層3と重なり、その平面形状が第2離型層3の平面形状よりも小さい、他の層を介して間接的に設けられていてもよい。
第2離型層3のパターンについて限定もなく、転写層10の基材1側の面に形成したい凹部のパターンを考慮して、適宜決定すればよい。
図6(a)、図7(a)は、本開示の熱転写シート100を第2離型層3側から平面視した平面図であり、第2離型層3の配置の一例を示す。なお、説明の便宜上、転写層10の記載は省略している。図6(b)、図7(b)は、それぞれ、図6(a)、図7(a)のA-A概略断面図である。図6に示す形態の熱転写シート100は、第1離型層2上に、第2離型層3が「星形」のパターン状で設けられており、転写後の転写層10を平面視したときの凹部の底面の形状も「星形」となっている。したがって、図6に示す形態の熱転写シート100を用いた場合、「星形」の絵柄が、押し込まれたような立体的な意匠性を有する印画物を製造できる。
図7に示す形態の熱転写シート100は、第2離型層3のパターン自体を「星形」とはせず、第2離型層3によって囲まれる(閉じられる)部分が「星形」となるように、第1離型層2上に、第2離型層3が設けられており、転写後の転写層10を平面視したときに、凹部で囲まれる領域の形状が「星形」となっている。したがって、図7に示す形態の熱転写シート100を用いた場合、「星形」の絵柄が浮き出すような立体的な意匠性を有する印画物を製造できる。
第2離型層3のパターンは、1つのパターンであってもよく、独立する2つ以上のパターンであってもよい。
第2離型層3の材料について限定はなく、上記第1離型層2で例示した材料や、離型性を有する従来公知の材料を適宜選択して用いればよい。なお、第1離型層2と、第2離型層3の材料は、同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
第2離型層3の厚みについて限定はないが、第2離型層3の厚みによって、転写層10の基材1側の面が有する凹部20の深さが決定される。したがって、第2離型層3の厚みは、転写層10の厚みや、転写層10に形成したい凹部の深さを考慮して決定すればよい。なお、本開示の熱転写シート100を用いて製造される印画物に付与される立体感等を考慮すると、第2離型層3の厚みは、0.1μm以上10μm以下が好ましく、0.55μm以上4.5μm以下がより好ましい。第2離型層3の厚みを好ましい厚みとすることで、本開示の熱転写シート100を用いて製造される印画物200に十分な立体感を付与できる。
図4(a)~(d)は、本開示の熱転写シート100の一例を示す概略断面図であり、図5(a)~(d)は、それぞれ、図4(a)~(d)の熱転写シート100を用いて製造される印画物200の一例を示す概略断面図である。
図4(a)~(c)に示すように、第1離型層2、及び第2離型層3の何れか一方、又は双方にフィラー15を含有せしめることで、製造される印画物200にマット感を付与できる。具体的には、この形態の熱転写シート100を用いて製造される印画物200の表面に、換言すれば、転写後の転写層10の表面に微細な凹凸を発現できる(図5(a)~(c)参照)。これにより、図4(a)~(c)に示す形態の熱転写シート100を用いて、マット感を有する印画物200を製造できる。
本願明細書において、第1離型層2や、第2離型層3がフィラーを含有している場合には、(i)第1離型層2や、第2離型層3の転写層10側の面からフィラー15が突出している形態、(ii)第1離型層2や、第2離型層3の表面から突出することなく、その内部にのみフィラー15が存在している形態、(iii)第1離型層2や、第2離型層3の基材1側の面からフィラー15が突出している形態の何れの形態も含む。
上記(i)の形態とした場合には、転写層10を被転写体上に転写する前の段階で、転写層10の基材1側の面に、突出しているフィラー15の形状に追従する微細な凹凸を発現できる。
また、被転写体150上への転写層10の転写は、基材1と加熱手段とを接触させ、加熱手段よりエネルギーを印加することで行われる。このとき、被転写体上に転写される転写層10の転写部には、加熱手段により所定の印圧がかけられ、第1離型層2や、第2離型層3の内部に存在しているフィラーは、転写層10側に押し込まれる。同様に、第1離型層2や、第2離型層3の基材1側の面から突出しているフィラー15も、転写層10側に押し込まれる。したがって、上記(ii)、(iii)の形態とした場合においても、転写後の転写層10の表面に、これらフィラー15の形状にもとづく、微細な凹凸を発現できる。
なお、上記(i)の形態は、転写後の転写層10の表面に、微細な凹凸を十分に発現させることができる点で好適である。
フィラーの種類について限定はなく、無機粒子や、有機粒子等を適宜選択して用いることができる。無機粒子としては、炭酸カルシウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化チタン粒子、水酸化アルミニウム粒子、擬ベーマナイト粒子、珪酸アルミニウム粒子、珪酸マグネシウム粒子、炭酸マグネシウム粒子、マイカ粒子等を例示できる。有機粒子としては、ポリエチレンワックス粒子、樹脂粒子等を例示できる。樹脂粒子をなす樹脂成分としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、スチレン樹脂、有機フッ素化合物、ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、メラミン-ホルムアルデヒド縮合物等を例示できる。第1離型層2や、第2離型層3は、フィラーとして、1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
フィラーの形状について特に限定はなく、球形状、鱗片形状、偏平形状、紡錘形状、多角形状、ドーム形状、不定形状等いかなる形状であってもよい。
第1離型層2や、第2離型層3が含有しているフィラーの含有量、及び第1離型層2や、第2離型層3の厚みについて限定はなく、転写層10の表面に発現を所望する、微細な凹凸に応じて適宜決定できる。
以下、第1離型層2がフィラー15を含有している場合の、好ましい形態について説明する。第2離型層3がフィラーを含有している場合には、第1離型層2とある記載を、第2離型層3と読み替えればよい。
第1離型層2がフィラーを含有している形態において、当該フィラーの体積平均粒子径(μm)を、第1離型層2の厚み(μm)で除した値は、0より大きく40以下が好ましく、0.5以上9以下がより好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。第1離型層2が2種以上のフィラーを含有している場合には、上記フィラーの体積平均粒子径は、当該2種以上のフィラーの体積平均粒子径を平均した体積平均粒子径と読み替えればよい。例えば、第1離型層2が、体積平均粒子径がXμmのフィラーA、及び体積平均粒子径がYμmのフィラーBを含有する場合には、(X+Y)/2が体積平均粒子径となる。この関係を満たすことで、本開示の熱転写シート100を用いて製造される印画物200により高いマット感を付与できる。なお、フィラーの体積平均粒子径は、0.1μm以上9.5μm以下が好ましく、0.1μm以上4.5μm以下がより好ましい。なお、「体積平均粒子径」とは、JIS-Z-8819-2(2001)に準拠して測定される粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(ナノトラック粒度分布測定装置 日機装(株))を用いて測定したときの値である。
また、第1離型層2が含有しているバインダー樹脂の質量に対する、第1離型層2が含有しているフィラーの質量の割合(質量%)を、第1離型層2が含有しているフィラーの体積平均粒子径(μm)で除した値は、0より大きく40以下が好ましく、1.5以上20以下がより好ましく、4.5以上9.5以下がさらに好ましい。この関係を満たすことで、本開示の熱転写シート100を用いて製造される印画物200により高いマット感を付与できる。
第1離型層2の総質量に対する、フィラーの含有量について特に限定はないが、1質量%以上25質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
以下、本開示の熱転写シート100の第1離型層2、第2離型層3の形態について一例を挙げて説明する。
図4(a)は、第1離型層2のみがフィラー15を含有している。図4(a)に示す形態の熱転写シート100によれば、第2離型層3のパターンが、絵柄のパターンであると仮定した場合に、図5(a)に示すように、製造される印画物200の絵柄部分に光沢感を付与でき、それ以外の部分にマット感を付与できる。これにより、マット感を有する部分と、光沢感を有する絵柄部分との光沢感の違いにより、製造された印画物200が有する絵柄に立体感を付与しつつ、当該絵柄を際立たせることができる。
図4(b)は、第1離型層2、第2離型層3の双方がフィラー15を含有している。図4(b)に示す形態の熱転写シート100によれば、図5(b)に示すように、製造される印画物200が有する絵柄に立体感を付与しつつ、印画物200全体にマット感を付与できる。
また、図4(b)に示す形態において、第1離型層2、第2離型層3が含有しているフィラーの含有量を異ならせた場合には、製造される印画物200が有する絵柄のマット感と、絵柄以外の部分のマット感を異ならせることができる。
また、図4(b)に示す形態において、第1離型層2の転写層10側の面から突出しているフィラーの突出高さと、第2離型層3の転写層10側の面から突出しているフィラーの突出高さを異ならせた場合にも、製造される印画物200が有する絵柄のマット感と、絵柄以外の部分のマット感を異ならせることができる。突出高さの調整は、含有されるフィラーの体積平均粒子径等を考慮して決定すればよい。
図4(c)は、第2離型層3のみがフィラー15を含有している。図4(c)に示す形態の熱転写シート100によれば、第2離型層3のパターンが、絵柄のパターンであると仮定した場合に、図5(c)に示すように、製造される印画物200の絵柄部分にマット感を付与でき、それ以外の部分に光沢感を付与できる。これにより、マット感を有する絵柄部分と、光沢感を有する部分との光沢感の違いにより、製造された印画物200が有する絵柄に立体感を付与しつつ、当該絵柄を際立たせることができる。
また、第1離型層2、及び第2離型層3の何れか一方、又は双方の層が、フィラー15を含有する場合、第1離型層2の転写層10側の面の算術平均高さSaと、第2離型層3の転写層10側の面の算術平均高さSaとの差は、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。なお、ここで言う、第1離型層2の転写層10側の面や、第2離型層3の転写層10側の面には、第1離型層2や、第2離型層3の面から突出しているフィラー15の表面も含まれる。つまり、第1離型層2や、第2離型層3自体の面と、当該面から突出しているフィラー15とによって形作られる面を意味する。したがって、第1離型層2や、第2離型層3から突出しているフィラー15の高さや、突出しているフィラーの数が多くなるにつれ、表面粗さは粗くなる。
また、図4(d)に示す形態において、また、フィラーを含有させることなく、第1離型層2の転写層10側の面の算術平均高さSaと、第2離型層3の転写層10側の面の算術平均高さSaとの差が、上記の差となるようにしてもよい。
(転写層)
図1、図2に示すように、本開示の熱転写シート100は、第1離型層2、第2離型層3を覆うように、転写層10が設けられている。転写層10は、図1(b)に示すように、1つの層のみからなる単層構造を呈していてもよく、図2に示すように、2つ以上の層が積層されてなる積層構造を呈していてもよい。図2に示す形態の転写層10は、基材1側から、保護層6、接着層7がこの順で積層されてなる積層構造を呈している。
上記で説明したように、本開示の熱転写シート100は、転写層10の基材1側の面が、第2離型層3のパターンに追従する凹部を有している。したがって、本開示の熱転写シート100によれば、被転写体150上に、転写層10を転写することで、図3に示すように、その表面に、第2離型層3のパターンに対応する凹部20を有する、印画物200を製造できる。換言すれば、転写層10が有する凹部20によって、印画物が有する絵柄に立体感を付与できる。
一例としての転写層10は、図2に示すように、基材1側から保護層6、接着層7がこの順で積層された積層構造を呈している。
(保護層)
保護層6の材料について限定はなく、保護層転写シート等の分野で従来公知の保護層を適宜選択して用いることができる。保護層6の材料としては、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂や、ウレタン変性アクリル樹脂等のアクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線遮断性樹脂等を例示できる。
電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層6によれば、被転写体150上に転写層10を転写することで製造される印画物200に、さらに耐可塑剤性や、耐擦過性を付与できる。電離放射線硬化性樹脂としては、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用できる。
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層6は、被転写体150上に転写層10を転写することで製造される印画物200に、さらに耐光性を付与できる。紫外線遮断性樹脂としては、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂、又は電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を例示できる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示できる。
保護層6として、透明性を有する保護層6を用いることもできる。透明性を有する保護層6によれば、例えば、被転写体150として、画像が形成された被転写体150を用いる場合、当該画像を視認可能としつつも、転写層10が有する凹部により、製造される印画物200の意匠性を高くできる。本願明細書でいう透明性は、無色透明のみならず、半透明、有色透明を含み、本開示の熱転写シート100を用いて製造される印画物を、転写層10側から平面視したときに、転写層10を透過して、被転写体150が視認可能となる透明性を有していればよい。
保護層6の厚みについて限定はなく、転写層10の基材側の面が有する凹部20の深さを考慮して適宜決定すればよく、第2離型層3の厚みよりも、その厚みを厚くすることが好ましい。一例としての保護層6の厚みは、0.5μm以上10μm以下である。
(接着層)
図2に示すように、転写層10を、基材1側から、保護層6、接着層7がこの順で積層されてなる積層構造とすることもできる。この形態の転写層10によれば、被転写体150上に転写層10を転写したときの、被転写体150と転写層10の密着性を良好なものとできる。
接着層7の材料としては、ウレタン樹脂、α-オレフィン-無水マレイン酸等のポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、シアノアクリレート樹脂等を例示できる。
接着層7の厚みは、0.5μm以上10μm以下が好ましい。
また、図1に示すように、転写層10を保護層6のみからなる単層構造とする場合には、保護層6は、被転写体150と転写層10との密着性を有する成分を含有していることが好ましい。なお、被転写体150側で、転写層10との密着性を担保する対策が取られている場合には、保護層6に密着性を有する成分を含有せしめることなく、被転写体150と転写層10とを密着できる。密着性を有する成分については、上記接着層で説明した材料等を適宜選択して用いることができる。
(色材層)
また、基材1の一方の面上に、転写層10と面順次に色材層を設けてもよい。色材層は、昇華性染料を含有する染料層であってもよく、溶融インキを含有する溶融インキ層であってもよい。また、色材層は、単一の色材層であってもよく、複数の色材層、例えば、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、必要に応じてブラック染料層等を面順次に設けたものであってもよい。また、転写層10と色材層を「1ユニット」としたときに、基材1の一方の面上に、「1ユニット」を繰り返し設けることもできる。
転写層10とともに、色材層を有する本開示の熱転写シート100によれば、被転写体上への熱転写画像の形成と、形成された熱転写画像上への転写層10の転写を1つの熱転写シートで行うことができる。
(プライマー層)
また、基材1と色材層との間に、プライマー層(図示しない)を設けることもできる。プライマー層の材料としては、ポリエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ウレタン樹脂、アクリル-スチレン共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール等を例示できる。
(背面層)
また、基材1の他方の面に、背面層(図示しない)を設けてもよい。背面層の材料について限定はなく、ポリエステル、ポリアクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル-スチレン共重合体、ウレタン樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアクリルアミド、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、及びこれらのシリコーン変性物等を例示できる。
また、背面層には、上記の材料に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加材が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。背面層の厚みは、0.1μm以上5μm以下が好ましく、0.3μm以上2μm以下がより好ましい。
(被転写体)
本開示の熱転写シート100の転写層10が転写される被転写体150としては、例えば、熱転写受像シート、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等が挙げられる。また、被転写体として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体は着色されたものであってもよく、透明性を有するものであってもよい。
また、転写層10を、透明性を有する転写層10とする場合には、被転写体として、支持体上に、各色の印刷層や、金属層が設けられた被転写体を用いることで、被転写体が有するこれらの層と、転写層10との色相の差を利用して、製造される印画物200の意匠性をさらに高めることができる。
(転写層の転写方法)
被転写体上への転写層の転写方法について特に限定はなく、例えば、サーマルヘッド等の加熱デバイスを有する熱転写プリンタや、ホットスタンプ、ヒートロール等の加熱手段を用いて行うことができる。
<<印画物の製造方法>>
次に、本開示の実施の形態に係る印画物の製造方法(以下、本開示の製造方法と言う)について説明する。
本開示の製造方法は、被転写体150上に、熱転写シートの転写層を転写する工程を含み、転写層を有する熱転写シートとして、上記本開示の熱転写シート100を用いている。本開示の製造方法によれば、簡便に、斬新な意匠性を有する印画物を製造できる(図3、図5参照)
本開示の製造方法に用いられる熱転写シート100や、被転写体150は、上記本開示の熱転写シート100や、被転写体150をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。転写層10の転写方法についても同様である。
なお、本願明細書では、各層を構成する樹脂等について、例示的に記載をしているが、これらの樹脂は、各樹脂を構成するモノマーの単独重合体であってもよく、各樹脂を構成する主成分のモノマーと、1つ或いは複数の他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体であってもよい。例えば、アクリル樹脂と言う場合には、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーや、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーを主成分として含んでいればよい。また、これらの樹脂の変性物であってもよい。また、本願明細書に記載されている以外の樹脂を用いてもよい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準であり、固形分に換算する前の配合を示している。
(実施例1)
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、下記組成の離型層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1.1μmとなるように塗布・乾燥して第1離型層を形成した。次いで、この第1離型層上の全部ではなく一部に、下記組成の離型層用塗工液2を、乾燥時の厚みが1.1μmとなるようにパターン状に塗布・乾燥して、第2離型層を形成した。次いで、第1離型層、及び第2離型層を覆うように、下記組成の保護層用塗工液を、乾燥時の厚みが1.2μmとなるように塗布・乾燥し、保護層を形成した。次いで、保護層上に、下記組成の接着層用塗工液を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥することで、基材上に、第1離型層、第2離型層、保護層、接着層がこの順で積層されてなる実施例1の熱転写シートを得た。以下、転写層と言う場合には、保護層と接着層との積層体を意味する。
<離型層用塗工液1>
・アクリルフィラー(体積平均粒径:2μm) 5部
・変性アクリル樹脂(固形分:50%) 80部
(セルトップ(登録商標)226 (株)ダイセル)
・アセチルアセトネートアルミニウム(固形分:10%) 15部
(セルトップ(登録商標)CAT-A (株)ダイセル)
・メチルエチルケトン 8部
・酢酸ノルマルプロピル 8部
<離型層用塗工液2>
・変性アクリル樹脂(固形分:50%) 50部
(セルトップ(登録商標)226 (株)ダイセル)
・変性アクリル樹脂(固形分:50%) 10部
(セルトップ(登録商標)227 (株)ダイセル)
・アセチルアセトネートアルミニウム(固形分:10%) 11.25部
(セルトップ(登録商標)CAT-A (株)ダイセル)
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 30部
・メチルエチルケトン 12.5部
・トルエン 12.5部
<保護層用塗工液>
・アクリル樹脂 65部
(ダイヤナール(登録商標)BR-87 三菱ケミカル(株))
・アクリル-スチレン共重合体 30部
(ダイヤナール(登録商標)BR-52 三菱ケミカル(株))
・タルク 3部
(ミクロエース(登録商標)P-3 日本タルク(株))
・分散剤 2部
(DISPERBYK 180 BYK-Chemie GmbH社)
・メチルエチルケトン 240部
・酢酸ノルマルプロピル 60部
<接着層用塗工液>
・反応型紫外線吸収剤-MMA共重合体(比率30:70) 63部
(Tg:90℃、Mw:20000-40000)
・PMMA(ポリメチルメタクリレート) 14部
(ダイヤナール(登録商標)BR-83 三菱ケミカル(株))
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 13部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・紫外線吸収剤 10部
(Tinuvin928 BASFジャパン社)
・メチルエチルケトン 240部
・酢酸ノルマルプロピル 60部
上記反応型紫外線吸収剤-MMA共重合体をなす反応型紫外線吸収剤は、反応型紫外線吸収剤(RUVA-93 大塚化学(株))である。
(実施例2)
離型層用塗工液2を、上記組成の離型層用塗工液1に変更して、第2離型層を形成した以外は全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを得た。
(実施例3)
離型層用塗工液1を、上記組成の離型層用塗工液2に変更して第1離型層を形成し、離型層用塗工液2を、上記組成の離型層用塗工液1に変更して、第2離型層を形成した以外は全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
(実施例4)
離型層用塗工液1を、上記組成の離型層用塗工液2に変更して第1離型層を形成した以外は全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを得た。
(印画物の作成)
昇華型熱転写プリンタ(DS620 大日本印刷(株))と、該プリンタの純正リボンを用意し、この純正リボンの保護層領域に、各実施例の熱転写シートを切り貼りした。次いで、上記昇華型熱転写プリンタと、上記切り貼り後の純正リボンを用いて、被転写体としての該昇華型熱転写プリンタの純正受像紙上に、128/255階調(画像階調)のグレーのベタパターンを印画した。次いで、上記グレーのベタパターンが印画された被転写体上に、各実施例の熱転写シートの転写層の転写を行い、各実施例の印画物を得た。第2離型層と重なっていた部分の転写層のパターンが、印画物の絵柄となっている。なお、各実施例の熱転写シートの構成から、第2離型層を除いた構成とした場合には、印画物に絵柄を形成できない。
(算術平均高さSaの測定)
上記転写層を転写後の、各実施例の熱転写シートの、転写層側に位置していた、第1離型層の表面、及び第2離型層の表面の算術平均高さを、形状解析レーザー顕微鏡(コントローラVK-X150 (株)キーエンス)を用いて測定した。測定結果を表1に示す。 表1中における、算術平均高さ(Sa)(表1中のSa)の評価1、2は、以下の通りである。
評価1:算術平均高さ(Sa)が、1μm未満。
評価2:算術平均高さ(Sa)が、1μm以上。
また、表1中における、算術平均高さ(Sa)の差(表1中のSaの差)の評価1、2は以下の通りである。
評価1:第1離型層の算術平均高さ(Sa)と、第2離型層の算術平均高さ(Sa)の差の絶対値が、1μm未満。
評価2:第1離型層の算術平均高さ(Sa)と、第2離型層の算術平均高さ(Sa)の差の絶対値が、1μm以上。
(意匠性評価)
上記で得た、各実施例の印画物を目視で確認し、下記の評価基準に基づいて、意匠性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
<評価基準>
A:印画物が有する絵柄の視認性が極めて高く、斬新な意匠性を有する。
B:Aと比較して、印画物が有する絵柄の視認性は低いが、斬新な意匠性を有する。
C:A、Bと比較して、印画物が有する絵柄の視認性が低いが、斬新な意匠性を有する。
Figure 0007127314000001
1…基材
2…第1離型層
3…第2離型層
6…保護層
7…接着層
10…転写層
20…凹部
100…熱転写シート
150…被転写体
200…印画物

Claims (8)

  1. 基材と、第1離型層と、第2離型層と、転写層とを有し、
    前記第1離型層は、前記基材上に設けられ、
    前記第2離型層は、前記第1離型層上にパターン状に設けられ、
    前記転写層は、第1離型層、及び第2離型層を覆うように設けられ、
    前記転写層の前記基材側の面が、前記第2離型層の前記パターンに追従する凹部を有し、
    前記転写層が、透明性を有し、
    前記第1離型層、及び前記第2離型層の何れか一方の層が、フィラーを含有しており、他方の層が、フィラーを含有していない、
    熱転写シート。
  2. 基材と、第1離型層と、第2離型層と、転写層とを有し、
    前記第1離型層は、前記基材上に設けられ、
    前記第2離型層は、前記第1離型層上にパターン状に設けられ、
    前記転写層は、第1離型層、及び第2離型層を覆うように設けられ、
    前記転写層の前記基材側の面が、前記第2離型層の前記パターンに追従する凹部を有し、
    前記転写層が、透明性を有し、
    前記第1離型層、及び前記第2離型層が、ともにフィラーを含有しており、
    前記第1離型層の総質量に対する前記第1離型層が含有しているフィラーの含有量と、前記第2離型層の総質量に対する前記第2離型層が含有しているフィラーの含有量が異なる、
    熱転写シート。
  3. 前記転写層が、前記基材側から、保護層、接着層がこの順で積層されてなる積層構造を呈している、
    請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記第1離型層の前記転写層側の面の算術平均高さSaと、前記第2離型層の前記転写
    層側の面の算術平均高さSaとの差が、0.5μm以上である、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の熱転写シート。
  5. 前記第1離型層上にパターン上に設けられている前記第2離型層のパターンが、前記転写層の前記基材側の面に、画像を発現させるためのパターンである、
    請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シート。
  6. 前記基材の厚みが、1μm以上20μm以下である、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の熱転写シート。
  7. 印画物の製造方法であって、
    被転写体上に、熱転写シートの転写層を転写する工程を含み、
    前記熱転写シートが、請求項1乃至6の何れか1項に記載の熱転写シートである、
    印画物の製造方法。
  8. 前記被転写体が、前記転写層が転写される側の最表面に金属層が位置する被転写体である、
    請求項7に記載の印画物の製造方法。
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