JP7505501B2 - 記録媒体、分離部材付き記録媒体、加飾シート、分離部材付き加飾シート、加飾品、加飾品の製造方法、及び記録媒体と転写シートの組合せ - Google Patents

Description

本開示は、記録媒体、分離部材付き記録媒体、加飾シート、分離部材付き加飾シート、加飾品、加飾品の製造方法、及び記録媒体と転写シートの組合せに関する。

印画物の製造方法として、記録媒体の画像形成用層に画像を形成する方法が知られている。この画像形成用層には、各種の画像形成方式で画像を形成できる。画像形成方式としては、昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式、インクジェット印刷方式、及びトナー印刷方式等が知られている。

近似、記録媒体を使用して製造した印画物を加飾シートとし、この加飾シートを加飾対象物である物品の装飾に使用する試みがされている。加飾シートを使用した物品の装飾方法としては、インモールド成形、及びインサート成形等が知られている。特許文献１には、樹脂シート上に、インクジェットインキ組成物の硬化画像層を設けた加飾シート、及びこの加飾シートを使用した加飾品の製造方法が提案されている。

特開２０１３－４３９３５号公報

本開示は、斬新な意匠性を有する物品を製造できる記録媒体の提供、斬新な意匠性を有する物品を製造できる分離部材付き記録媒体の提供、斬新な意匠性を有する加飾品を製造できる加飾シートの提供、斬新な意匠性を有する加飾品を製造できる分離部材付き加飾シートの提供、斬新な意匠性を有する加飾品の製造方法の提供、斬新な意匠性を有する物品を製造できる記録媒体と転写シートの組合せの提供、及び斬新な意匠性を有する加飾品の提供を主たる課題とする。

本開示の一実施形態の記録媒体は、支持体、及び画像形成用層を有し、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、前記記録媒体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高く、前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下である。
本開示の一実施形態の記録媒体は、支持体、及び画像形成用層を有し、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。

本開示の一実施形態の分離部材付き記録媒体は、上記の記録媒体の支持体側に、前記加飾シートから分離できる分離部材が設けられている。

本開示の一実施形態の加飾シートは、支持体、及び画像形成用層を有し、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、前記加飾シート全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高く、前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下である。
本開示の一実施形態の加飾シートは、支持体、及び画像形成用層を有し、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。

本開示の一実施形態の分離部材付き加飾シートは、上記の加飾シートの支持体側に、前記加飾シートから分離できる分離部材が設けられている。

本開示の一実施形態の加飾品は、上記の加飾シートと、加飾対象物とが一体化されている。

本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、上記の記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に、前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、を含む。

本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、上記の分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に、前記分離部材を分離する分離工程と、前記分離工程後に、前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、を含む。

本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シートを使用した加飾品の製造方法であって、前記加飾シートが、支持体、及び画像形成用層を有し、前記加飾シートと、加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、前記一体化工程後、前記加飾シートの前記加飾対象物とは反対側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、を含み、前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下であり、前記機能層形成工程が、前記加飾シートと前記機能層との積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、前記積層体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高くなるように機能層を形成する工程である。
本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シートを使用した加飾品の製造方法であって、前記加飾シートが、支持体、及び画像形成用層を有し、前記加飾シートと、加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、前記一体化工程後、前記加飾シートの前記加飾対象物とは反対側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、を含み、前記機能層形成工程が、前記加飾シートと前記機能層との積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下となるように機能層を形成する工程である。

本開示の一実施形態の組合せは、記録媒体と転写シートの組合せであって、前記記録媒体が、支持体、及び画像形成用層を有し、前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下であり、前記転写シートが、基材、及び前記基材から剥離できる転写層を有し、前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、前記記録媒体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い転写物が得られる。
本開示の一実施形態の組合せは、記録媒体と転写シートの組合せであって、前記記録媒体が、支持体、及び画像形成用層を有し、前記転写シートが、基材、及び前記基材から剥離できる転写層を有し、前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下の転写物が得られる。

本開示の記録媒体、本開示の分離部材付き記録媒体、及び本開示の記録媒体と転写シートの組合せは、斬新な意匠性を有する物品を製造できる。本開示の加飾シート、本開示の分離部材付き加飾シート、及び本開示の加飾品の製造方法は、斬新な意匠性を有する加飾品を製造できる。本開示の加飾品は、意匠性が斬新である。

本開示の記録媒体の一例を示す概略断面図である。 本開示の記録媒体の一例を示す概略断面図である。 Ａ、Ｂは本開示の記録媒体の一例を示す概略断面図である。 本開示の分離部材付き記録媒体の一例を示す概略断面図である。 本開示の分離部材付き記録媒体の一例を示す概略断面図である。 Ａ、Ｂは本開示の加飾シートの一例を示す概略断面図である。 Ａ、Ｂは本開示の分離部材付き加飾シートの一例を示す概略断面図である。 Ａは本開示の加飾シートの一例を示す概略断面図であり、Ｂは本開示の分離部材付き加飾シートの一例を示す概略断面図である。 Ａは本開示の加飾シートの一例を示す概略断面図であり、Ｂは本開示の分離部材付き加飾シートの一例を示す概略断面図である。 Ａ、Ｂは本開示の加飾品の一例を示す概略断面図である。 本開示の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。 本開示の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。 Ａ～Ｅは、転写シートの一例を示す概略断面図である。

以下、本開示の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。なお、本開示は多くの異なる態様で実施でき、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、説明の便宜上、上又は下等という語句を用いて説明するが、上下方向が逆転してもよい。左右方向も同様である。

＜＜記録媒体＞＞
本開示の実施の形態に係る記録媒体（以下、本開示の記録媒体と言う）について、図面を参照して説明する。

本開示の記録媒体１００は、支持体１、及び画像形成用層１０を有する（図１～図３参照）。本開示における支持体１は、記録媒体１００を構成する構成部材のうち、画像形成用層１０以外の全ての構成を意味する。

本開示の記録媒体１００は、下記条件１Ａ～条件３Ａを満たす。
（条件１Ａ）記録媒体１００全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高い。
（条件２Ａ）記録媒体１００全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下である。
（条件３Ａ）記録媒体１００全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
本開示の記録媒体１００は、斬新な透け感を有する。
本開示の記録媒体１００は、画像形成用層１０に斬新な画像を形成できる。
本開示の記録媒体１００は、斬新な意匠性を有する物品を製造できる。
本開示の記録媒体１００は、画像形成用層１０に画像を形成することで、斬新な意匠性を有する印画物、及び加飾シートを製造できる。製造された加飾シートは、対象物を装飾できる。製造された加飾シートは、対象物に斬新な意匠性を付与できる。
本開示の記録媒体１００で製造された印画物、及び加飾シートは、光源から光を照射するときの光源の種類や、光の照射方向によって、画像形成用層１０に形成された画像の印象を変化できる。

本開示における記録媒体全体の光線透過率は、当該記録媒体１００を構成する全構成部材の積層体の光線透過率を意味する。本開示において記録媒体１００の光線透過率という場合、記録媒体１００全体の光線透過率を意味する。
本開示における光線透過率は、分光光度計（ＵＶ－３１００ＰＣ （株）島津製作所）に、積分球付属装置ＩＳＲ－３１００（島津製作所製）を取り付けた装置で測定したものである。具体的には、この装置の試料光束側に測定対象である記録媒体を設置し、対照光束側にブランクとして厚さ１６μｍのポリエチレンテレフタレートフィルムを設置し、目的とする波長領域の光線透過率を測定したものである。

本開示の記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高い。
本開示の記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下における光線透過率が０％より高い部分を含む。
本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が０％の部分を含む。
本開示の好ましい形態の記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が０％より高い部分を含む。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上４００ｎｍ未満において光線透過率が０％となる部分を含む。
本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域４００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が０％より高い。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が４％以上の部分を含む。
本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が１０％以上の部分を含む。
本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上であり、より好ましくは、１０％より高い。この形態の記録媒体１００は、画像形成用層１０に発色性の高い画像を形成できる。
本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が４％未満の部分を含む。
本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％未満である。この形態の記録媒体１００は、画像形成用層１０にコントラストが強い画像を形成できる。
本開示の記録媒体１００の光線透過率を、本開示の加飾シートの光線透過率、本開示の加飾品の製造方法に使用される加飾シートの光線透過率、加飾シートと機能層の積層体の光線透過率、本開示の組合せで得られる転写物の光線透過率等と読み替えてもよい。

本開示の一例としての記録媒体１００は、下記（ｉ）、（ｉｉ）を満たす。
（ｉ）波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。より好ましくは、０．０５％以上１０％以下である。さらに好ましくは、０．０５％以上５％以下である。
（ｉｉ）波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上５０％以下である。より好ましくは、１０％より高く５０％以下である。さらに好ましくは、１０％より高く３５％以下である。
この形態の記録媒体１００は、さらに斬新な意匠性を有する加飾シートや、さらに斬新な意匠性を有する印画物を製造できる。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７００ｎｍ以下（但し、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の波長は除く）において光線透過率が１０％以上の部分を含む。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７００ｎｍ以下（但し、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の波長は除く）の全範囲における光線透過率が１０％以上である。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７００ｎｍ以下（但し、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の波長は除く）において光線透過率が１０％未満の部分を含む。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７００ｎｍ以下（但し、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の波長は除く）の全範囲における光線透過率が１０％未満である。

本開示の一例としての記録媒体１００は、下記（ｉｉｉ）、（ｉｖ）を満たす。
（ｉｉｉ）波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。好ましくは、０．０５％以上１０％以下である。より好ましくは、０．０５％以上５％以下である。
（ｉｖ）波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
この形態の記録媒体１００は、さらに斬新な意匠性を有する加飾シートや、印画物を製造できる。
この形態の記録媒体１００は、耐光性が良好な加飾シートや、耐光性が良好な印画物を製造できる。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が４％以上の部分を含む。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が１０％以上の部分を含む。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上１０％以下である。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が４％未満の部分を含む。
この形態における一例としての記録媒体１００は、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％未満である。

以下、本開示の記録媒体１００の各構成について一例を挙げて説明する。本開示の記録媒体１００は、条件１Ａ～条件３Ａを満たせばよく、以下の形態に限定されない。本開示の記録媒体１００の構成部材は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高い。本開示の加飾シート１５０も同様である。

（画像形成用層）
本開示の記録媒体１００は、支持体１上に設けられた画像形成用層１０を有する。
画像形成用層１０には各種の画像形成方式で画像を形成できる。画像形成用層１０は、予め所定の画像を有してもよい。画像形成用層１０の種類や、画像形成用層１０の成分に限定はなく、画像形成用層１０に形成される画像や、画像形成方法に応じて適宜設定できる。画像形成用層１０が含有する成分は、１種でもよく、２種以上でもよい。

画像形成用層１０（画像形成用層単体）の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率に限定はなく、条件１Ａを満たすことができればよい。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が５０％以下となる部分を含む。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下である。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が５０％より高い部分を含む。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％より高い。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％以下となる部分を含む。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％より高い部分を含む。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い。
一例としての画像形成用層１０は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、且つ、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。この形態の画像形成用層１０は、支持体１の光線透過率を考慮することなく、条件１Ａ～条件３Ａを満たす記録媒体１００とできる。

プリンタ等を使用した代表的な画像形成方法としては、昇華型熱転写方式、溶融型熱転写方式、インクジェット印刷方式、トナー印刷方式（レーザー印刷方式）等を例示できる。
昇華型熱転写方式は、昇華性染料を含有する色材層が設けられた熱転写シートを使用し、当該熱転写シートに画像情報に応じた熱エネルギーを印加し、色材層が含有している昇華性染料を画像形成用層１０に移行させて画像を形成する画像形成方式である。
溶融型熱転写方式は、溶融インキを含む色材層が設けられた熱転写シートを使用し、当該熱転写シートに画像情報に応じた熱エネルギーを印加して、熱エネルギーの印加により溶融、又は軟化した色材層を、画像形成用層１０に層ごと転写して画像を形成する画像形成方式である。
インクジェット印刷方式は、ピエゾ駆動で発生させた圧力波で、インクジェット用のインクをノズルから噴出する、又は加熱により管内のインクに気泡を発生させてインクを噴射する等により、このインクを画像形成用層１０に付着させて画像を形成する画像形成方式である。
トナー印刷方式は、レーザー等の熱によりトナーを静電転写方式で画像形成用層１０に定着（融着）させる画像形成方式である。
オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、スクリーン印刷方式等で画像を形成してもよい。これ以外の印刷方式で画像を形成してもよい。

一例としての画像形成用層１０は、昇華性染料を受容可能な成分を含有している。この形態の画像形成用層１０は、昇華型熱転写方式で、鮮明、且つ濃度の高い画像を形成できる。
昇華性染料を受容可能な成分としては、アクリル樹脂、アクリル－スチレン共重合体、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル－酢酸ビニル共重合体、エチレン－酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン、オレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー、セルロース樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びゼラチン等を例示できる。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン等を例示できる。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
好ましい形態の画像形成用層１０は、塩化ビニル－酢酸ビニル共重合体、アクリル－スチレン共重合体、ポリエステル、及びエポキシ樹脂の少なくとも１つを含有している。中でも、塩化ビニル－酢酸ビニル共重合体を含有する画像形成用層１０は、昇華型熱転写方式で、より濃度の高い画像を形成できる。

画像形成用層１０の厚みに限定はなく、画像形成方法等に応じて適宜設定できる。熱転写方式で画像を形成できる画像形成用層１０の厚みは、０．１μｍ以上１０μｍ以下が好ましい。インクジェット印刷方式で画像を形成できる画像形成用層１０の厚みは、０．１μｍ以上５０μｍ以下が好ましく、１μｍ以上４０μｍ以下がより好ましく、３μｍ以上３０μｍ以下がさらに好ましい。トナー印刷方式で画像を形成できる画像形成用層１０の厚みは、０．０１μｍ以上５μｍ以下が好ましく、０．０５μｍ以上１μｍ以下がより好ましい。

画像形成用層１０の形成方法に限定はなく、支持体１に画像形成用層となるフィルム等を貼り合わせて形成してもよく、画像形成用層の塗工液を塗布、乾燥して形成してもよい。画像形成用層を転写で形成してもよい。

（支持体）
本開示の記録媒体１００は、支持体１を有する（図１～図３参照）。支持体１は、単層構造でもよく（図１参照）、積層構造でもよい（図２、図３参照）。図２に示す形態の支持体１は、層１Ａ、プライマー層３が積層された積層構造である。図３Ａに示す形態の支持体１は、層１Ａ、層１Ｂ、プライマー層３がこの順番で積層された積層構造である。図３Ｂに示す形態の支持体１は、層１Ａ、プライマー層３、層１Ｂ、プライマー層３がこの順番で積層された積層構造である。支持体１は、図示する形態以外の層を含んでいてもよい。

一例としてのプライマー層３は、接着成分を含有している。一例としての支持体１は、プライマー層３を含む積層構造である（図２、図３参照）。一例としての支持体１は、複数の基材を含む積層構造であり、何れかの基材間に設けられたプライマー層３を含む。一例としての支持体１は、画像形成用層１０側の表面に位置するプライマー層３を含む。接着成分としては、ウレタン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル－酢酸ビニル共重合体、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、シアノアクリレート、及び合成ゴム等を例示できる。ポリオレフィンとしては、α－オレフィン－無水マレイン酸共重合体等を例示できる。接着成分を硬化剤で硬化したものは接着性、及び耐熱性が良好である。硬化剤としては、イソシアネート化合物、脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、酸無水物等を例示できる。プライマー層３を設けずに、表面が接着性を有する基材、又は表面に接着処理が施された基材を使用してもよい。

一例としての支持体１は、フィルム基材を含む。フィルム基材は、樹脂基材、樹脂シート等と称される場合もある。例えば、図１、図２に示す形態の層１Ａをフィルム基材としてもよい。図３に示す形態の層１Ａ、層１Ｂの何れか一方、又は双方をフィルム基材としてもよい。フィルム基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、及びポリメチルペンテン等を例示できる。これらフィルム基材は、延伸されたものでもよく、未延伸でもよい。支持体１は、３つ以上のフィルム基材を含んでもよい。

支持体１は、条件１Ａ～条件３Ａを満たす記録媒体１００とできるものを使用すればよい。支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率や、支持体１全体の３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の光線透過率に限定はない。
支持体１を積層構造とする場合、画像形成用層１０の光線透過率を考慮し、支持体１を構成する各構成部材の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率を適宜調整することで、条件１Ａ～条件３Ａを満たす記録媒体１００とできる。

（光線透過率調整層）
一例としての支持体１は、記録媒体１００全体の光線透過率を調整するための１つ、又は複数の光線透過率調整層を含む。
光線透過率調整層は、フィルムや、シートでもよい。

一例としての光線透過率調整層は、光線透過率を下げるための着色剤を含有している。

着色剤としては、各種の無機顔料、有機顔料、無機－有機ハイブリッド顔料、及び有機染料等を例示できる。
無機顔料としては、シリカ、酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム、雲母チタン、白雲母、カーボンブラック、ホワイトカーボン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、タルク、蛍光顔料、パール顔料、及びメタリック顔料等を例示できる。
有機顔料としては、イエロー、マゼンタ、シアン等の有彩色顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、樹脂顔料、中空粒子等を例示できる。
無機－有機ハイブリット顔料としては、無機顔料を有機顔料で被覆したもの等を例示できる。
有機染料としては、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料等を例示できる。これ以外の着色剤を使用してもよい。着色剤を含有する光線透過率調整層とする場合、当該光線透過率調整層の厚み、着色剤の成分、着色剤の含有量等を適宜調整して、光線透過率調整層の光線透過率を適宜調整できる。

支持体１が積層構造である場合、当該支持体１は、光線透過率調整層として１つを含んでもよく、複数を含んでもよい。例えば、図２に示す形態の層１Ａ、及びプライマー層３の何れか一方を光線透過率調整層として、支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率を５０％以下、且つ、支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率を１０％以下に調整してもよい。また、層１Ａ、プライマー層３の双方を光線透過率調整層とし、支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率を５０％以下、且つ、支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率を１０％以下としてもよい。例えば、層１Ａを、白色顔料が練りこまれた（含有する）白色フィルム基材等としてもよい。また、プライマー層３を、白色顔料を含有する白色プライマー層としてもよい。また、これら白色フィルム基材と、白色プライマー層を組合せてもよい。

光線透過率調整層で支持体１全体の光線透過率を調整することで、当該支持体１を含む記録媒体１００全体の光線透過率を、条件１Ａ～条件３Ａを満たすように調整できる。

光線透過率調整層の光線透過率に限定はない。光線透過率調整層は、画像形成用層１０の光線透過率を考慮し、条件１Ａ～条件３Ａを満たす記録媒体１００とできるものを適宜選択すればよい。例えば、光線透過率調整層は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％より高い部分を含んでもよい。波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％よりも高い部分を含む光線透過率調整層を複数組合せて、支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率を１０％以下に調整してもよい。支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率も同様である。

表１は、光線透過率調整層と波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率を示す。表１中の光線透過率調整層（１）は、白色顔料が練りこまれたフィルム基材である。光線透過率調整層（２）は、アナターゼ型酸化チタンを含有する厚みが３μｍのプライマー層である。光線透過率調整層（３）は、アナターゼ型酸化チタンを含有する厚みが１μｍのプライマー層である。光線透過率調整層（４）は、ルチル型酸化チタンを含有する厚みが２．５μｍのプライマー層である。光線透過率調整層（５）は、カーボンブラックを含有する厚みが０．５μｍのプライマー層である。光線透過率調整層（６）は、メタリック顔料を含有する厚みが１．５μｍのプライマー層である。光線透過率調整層（７）は、パール顔料を含有する厚みが１．５μｍのプライマー層である。光線透過率調整層（２）の総質量に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量と、光線透過率調整層（３）の総質量に対するアナターゼ型酸化チタンの含有量は同じである。光線透過率調整層（２）～（７）は、各種着色剤、及び樹脂成分を含有するプライマー層用塗工液を使用し、これを透明ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、塗布、乾燥して形成したものである。光線透過率調整層（２）～（７）の光線透過率の測定は、透明ポリエチレンテレフタレートフィルムと光線透過率調整層（２）～（７）との積層体に対して行った。

光線透過率調整層（１）～（６）は、それぞれ、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、且つ、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。光線透過率調整層（１）～（６）を使用する場合には、他の構成を考慮することなく、条件１Ａ～条件３Ａを満たす記録媒体１００とできる。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い光線透過率調整層を含む（表１中の光線透過率調整層（３）参照）。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下の光線透過率調整層を含む（表１中の光線透過率調整層（１）、（２）、（４）～（６）参照）。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下の光線透過率調整層を含む（表１中の光線透過率調整層（１）、（２）、（４）～（６）参照）。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上の光線透過率調整層を含む（表１中の光線透過率調整層（２）、（３）、（５）参照）。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上１０％以下の光線透過率調整層を含む（表１中の光線透過率調整層（２）、（３）、（５）参照）。

本開示の一例としての記録媒体１００は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％未満の光線透過率調整層を含む（表１中の光線透過率調整層（１）、（４）、（６）参照）。

光線透過率調整層（７）は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％以上となる部分を含む。光線透過率調整層（７）のみで、条件３Ａを満たす記録媒体１００とはできない。光線透過率調整層（７）を使用する場合には、画像形成用層１０や、支持体１の他の構成部材を適宜選択して、条件１Ａ～条件３Ａを満たす記録媒体１００とすればよい。

一例としての支持体１は、３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い光線透過率調整層（例えば、表１中の光線透過率調整層（７））を複数含む積層構造であり、支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
一例としての支持体１は、３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い光線透過率調整層（例えば、表１中の光線透過率調整層（７））と、３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下の光線透過率調整層（例えば、表１中の光線透過率調整層（１）～（６））を含む積層構造であり、支持体１全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
上記「３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下」、「１０％より高い」、「１０％以下」を、それぞれ、「３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下」、「５０％より高い」、「５０％以下」と読み替えてもよい。

表１の例から明らかなように、光線透過率調整層は、着色剤の種類や、着色剤の含有量、層の厚みを適宜調整することで、光線透過率調整層の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率、及び波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の光線透過率を調整できる。例えば、光線透過率調整層（７）において、パール顔料の含有量や、光線透過率調整層（７）の厚みを適宜調整して、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率を１０％以下にできる。

支持体１が、複数の光線透過率調整層を含む場合、光線透過率調整層の間に、透明フィルム基材や、透明プライマー層等を設けてもよい。
一例としての透明フィルム基材や、透明プライマー層は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が５０％より高い部分、又は７０％以上の部分を含む。
一例としての透明フィルム基材や、透明プライマー層は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％より高い、又は７０％以上である。
一例としての透明フィルム基材や、透明プライマー層は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が５０％以下の部分を含む。
一例としての透明フィルム基材や、透明プライマー層は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下である。
例えば、図３Ａに示す形態において、層１Ａ、及びプライマー層３の何れか一方、又は双方を光線透過率調整層とし、層１Ｂを透明フィルム基材としてもよい。

図３Ａに示す形態の記録媒体において、層１Ａ、層１Ｂ、プライマー層３の何れかを光線透過率調整層としてもよい。
図３Ｂに示す形態において、層１Ａ、層１Ｂ、プライマー層３の何れかを光線透過率調整層としてもよく、複数のプライマー層３の何れか１つ、又は複数を光線透過率調整層としてもよい。

蒸着フィルム等を光線透過率調整層としてもよい。
一例としての蒸着フィルムは、フィルム基材の一方の面、及び他方の面の何れか一方、又は双方の面に蒸着層が設けられたものである。
一例としての蒸着フィルムは、フィルム基材の一方の面、及び他方の面の何れか一方、又は双方の面に蒸着処理が施されたものである。
蒸着フィルムを構成するフィルム基材は、単層構造でもよく、積層構造でもよい。
光線透過率調整層を蒸着フィルムとする場合、蒸着フィルムを構成するフィルム基材の光線透過率を考慮し、蒸着層の厚み等を適宜調整して、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率を調整できる。

一例としての光線透過率調整層は、表面が凹凸構造を有する凹凸層である。
一例としての凹凸層は、表面が凹凸構造を有するフィルムである。表面が凹凸構造を有するフィルムは、各種ブラスト加工で、表面の平滑性を低くしたもの等を例示できる。ブラスト加工としてはサンドブラスト加工等を例示できる。

一例としての光線透過率調整層は、ボイド層である。ボイド層としては、内部にボイドを有するフィルム基材（樹脂基材でもよい）等を例示できる。ボイド層は、ポリマー中に無機微粒子を混練し、その混合物を延伸するときに無機微粒子を核としてボイドを生じさせたものや、主体とする樹脂に対して非相溶なポリマーを混合し、その混合物を延伸するときにボイドを生じさせたもの等を例示できる。ポリマーは、１種でもよく、２種以上でもよい。ボイド層が有するボイドは、ミクロボイドや、空孔と称される場合もある。ボイド層は、多孔質層、多孔質フィルム等と称される場合もある。

ボイド層を光線透過率調整層とする場合、ボイドの大きさ、ボイドが占める割合、ボイド層の厚み等を適宜設定して、ボイド層を含む支持体１の光線透過率、及び記録媒体１００の光線透過率を調整できる。この形態の支持体１は、記録媒体１００の光沢度を調整できる。

支持体１の厚みに限定はないが、１μｍ以上３００μｍ以下が好ましい。記録媒体１００の厚みに限定はなく、画像形成用層１０に画像を形成するときの画像形成方法等を考慮して適宜決定すればよい。例えば、プリンタ内で画像形成を行う場合には、プリンタの搬送適性を考慮した厚みとすればよい。本開示の一例としての記録媒体１００の厚みは１００μｍ以下である。この厚みの記録媒体１００は、見栄えが良好な加飾品を製造できる。記録媒体１００の厚みを１００μｍとしたときのプリンタの搬送適性等が不十分な場合には、本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘを使用し、分離部材の厚み等を適宜決定すればよい。

本開示の記録媒体１００は、画像形成用層１０に画像を形成して斬新な意匠性を有する印画物を製造できる。本開示の記録媒体１００の画像形成用層１０に画像を形成されたものを加飾シートとしてもよい。本開示の記録媒体１００から得られる加飾シートは、斬新な意匠性を有する加飾品を製造できる。

本開示の一例としての記録媒体１００の光沢度は６０以下である。この形態の記録媒体１００は、マット感を有する。この形態の記録媒体１００は、マット感を有する加飾品を製造できる。
本開示の一例としての記録媒体１００の光沢度は６０より高い。この形態の記録媒体１００は、グロス感を有する。この形態の記録媒体１００は、グロス感を有する加飾品を製造できる。

本開示における記録媒体１００の光沢度は、光沢計（ＶＧ７０００ 日本電色工業（株））を使用し、ＪＩＳ－Ｚ－８７４１に準拠した方法により入射角度４５°で測定した光沢度である。記録媒体１００の光沢度の測定は、記録媒体１００の画像形成用層１０側から行ってもよく、支持体１側から行ってもよい。本開示の記録媒体１００の光沢度が６０以下であるとは、画像形成用層１０側、及び支持体１側の何れか一方側から測定したときの光沢度が６０以下であることを意味する。

記録媒体１００の光沢度を６０以下とする方法としては、凹凸層を含む支持体１を使用する方法、及びボイド層を含む支持体１を使用する方法等を例示できる。一例としての凹凸層は、支持体１の画像形成用層１０側の表面に位置している。ボイド層としては、上記光線透過率調整層で説明したボイド層を適宜選択して使用できる。

凹凸層は、表面が凹凸構造を有しており、当該凹凸部分で光沢度を調整できる。凹凸層は、画像形成用層１０側に凹凸構造を有してもよく、その反対側に凹凸構造を有してもよい。画像形成用層１０側、及びその反対側の双方に凹凸構造を有してもよい。
一例としての凹凸層は、粒子を含有しており、粒子の一部が突出している。この凹凸層は、粒子の突出部分と非突出部分で凹凸構造が形成されている。
一例としての凹凸層は、粒子を含有しており、凹凸層の表面が***している。この凹凸層は、***部分と非***部分で凹凸構造が形成されている。
一例としての凹凸層は、粒子を含有するフィルムである。
一例としての凹凸層は、粒子が練りこまれたフィルムである。
一例としての凹凸層は、表面処理が施されたフィルムである。この凹凸層は、表面処理で凹凸構造が賦形されている。
粒子としては、無機粒子、及び有機粒子などを例示できる。このような粒子としては、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、多孔質粒子、中空粒子、タルク、ジカルボン酸エステルアミド、ポリエチレン等を例示できる。粒子、及びバインダーを適当な溶媒に分散、又は溶解した塗工液を塗布、乾燥して得られる塗工層等を凹凸層としてもよい。凹凸構造を賦形するための表面処理の方法としては、エンボス加工、及びブラスト加工等を例示できる。

凹凸層を含む支持体１とする場合、凹凸における凸部の高さ、凹部と凸部の間隔、凹凸層の厚み等を適宜設定して、記録媒体１００の光沢度を調整できる。

一例としての光線透過率調整層は、着色剤を含有しており、表面が凹凸構造を有する。この形態の光線透過率調整層は、光線透過率を調整でき、且つ光沢度を調整できる。

＜＜分離部材付き記録媒体＞＞
次に、本開示の実施の形態に係る分離部材付き記録媒体（以下、本開示の分離部材付き記録媒体）について説明する。本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘは、記録媒体１００の支持体１側に分離部材６０が設けられている（図４、図５参照）。分離部材６０は、記録媒体１００から分離できる。分離部材６０は、熱エネルギーの印加で記録媒体１００から分離できるものでもよく、熱エネルギーを印加せずに、記録媒体１００から分離できるものでもよい。基材、及び受容層を含む転写層を有する従来公知の中間転写媒体の構成を、本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘに適用してもよい。この場合、中間転写媒体の基材部分を分離部材６０とし、中間転写媒体の転写層部分を記録媒体１００とすればよい。

本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘの記録媒体１００は、本開示の記録媒体１００をそのまま使用できる。

本開示の記録媒体１００の画像形成用層１０には画像を形成できる。画像形成をプリンタで行う場合には、記録媒体１００の厚みを、プリンタ内の搬送適性を良好にできる厚みとすることが好ましい。一方で、本開示の記録媒体１００の画像形成用層１０に画像を形成して製造される印画物や、加飾シート等の厚みを薄くしたいとの要求もある。例えば、加飾シートを使用して製造する加飾品の見栄えを考慮し、加飾シートを得るための記録媒体１００の厚みを１００μｍ以下とすることが好ましい場合もある。

本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘは、分離部材６０の厚みで記録媒体１００全体の見かけ上の厚みを厚くできる。分離部材６０の厚みを適宜調整して、分離部材付き記録媒体１００Ｘ全体の厚みをプリンタの搬送性に適した厚みにできる。このような本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘは、画像形成時の搬送性が良好である。このような本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘは、画像形成用層１０に鮮明な画像を形成できる。
本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘは、ハンドリング性を良好にできる。
画像形成後に分離部材６０を分離することで、記録媒体１００で製造された印画物や、記録媒体１００で製造された加飾シートの厚みを薄くできる。本開示の一例としての分離部材付き記録媒体１００Ｘは、記録媒体１００部分の厚みが１００μｍ以下であり、分離部材付き記録媒体１００Ｘ全体の厚みが１００μｍより厚い。

分離部材６０を分離できる対策は、分離部材６０側で行ってもよく、支持体１側で行ってもよい。また、双方の側で行ってもよい。

一例としての分離部材６０は、分離部基材１Ｃ、及び分離補助層６を含み、分離補助層６が記録媒体１００の支持体１と接している（図５参照）。

（分離部基材）
分離部基材１Ｃに限定はなく、フィルム基材や、紙基材等を適宜選択して使用できる。紙基材としては、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙（ポリオレフィン系、ポリスチレン系）、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、及びセルロース繊維紙等を例示できる。分離部基材１Ｃは、単層構造でもよく、上記のフィルム基材や、紙基材等が積層された積層構造でもよい。一例としての分離部基材１Ｃは、分離補助層６と接するプライマー層を含む。分離部材６０は、最終的に記録媒体１００から分離されることから、分離部材６０の光線透過率について考慮を要しない。例えば、分離部基材１Ｃとして、安価な紙基材等を使用することで、分離部材付き記録媒体１００Ｘの製造コストを低くしつつ、上記種々の効果を実現できる。

一例としての分離部基材１Ｃは、分離補助層６側から、プライマー層、ボイド層、フィルム基材、紙基材がこの順番で積層された積層構造である。分離部基材１Ｃを、フィルム基材や、紙基材等を含む積層構造とする場合には、これら基材同士を、プライマー層等を使用して貼り合わせてもよく、ポリエチレン等を使用したＥＣサンドラミネーションで貼り合せてもよい。分離部基材１Ｃは、単層構造でもよい。

（分離補助層）
一例としての分離補助層６は、粘着層として機能する。粘着層が含有する成分としては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル、ウレタン樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、シリコーン樹脂等を例示できる。これ以外の接着性を有する成分も使用できる。

一例としての粘着層は、支持体１と接している。この形態における粘着層と支持体１との接着力は、粘着層と分離部基材１Ｃとの接着力よりも低い。この形態の粘着層は、支持体１と粘着層の界面で、分離部材６０を分離できる。分離部基材１Ｃの粘着層と接する部分に接着処理を施すことで、この分離を実現できる。接着処理には、プライマー層が含まれる。

分離補助層６を溶融押出し樹脂層として、記録媒体１００から分離部材６０を分離できるようにしてもよい。溶融押出し樹脂層は、溶融した樹脂を、押出機によりフィルム状に押出すことで得られた樹脂層である。押出機としては、Ｔダイ等を例示できる。押出し法としては、押出しコートラミネート法や、サンドラミネート法、及びタンデムラミネート法等の従来公知の押出し方法を例示できる。

分離補助層６を、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、剥離フィルム、及び剥離紙等とし、分離部材６０を記録媒体１００から分離可能としてもよい。
一例としての分離部材６０は、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、剥離フィルム、及び剥離紙である。

分離補助層６を含む分離部材６０にかえて、又はこれとともに、支持体１を構成する層のうち分離部材６０と接する層を剥離層としてもよい。この形態では、剥離層と分離部材６０の界面を分離界面とでき、記録媒体１００から分離部材６０を分離できる。例えば、図１～図３に示す形態の記録媒体１００の支持体１の層１Ａを剥離層とし、この剥離層上に、分離部材６０を設けてもよい。

（剥離層）
剥離層の成分としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ－アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド－アミノ樹脂等を例示できる。剥離層の厚みは、０．５μｍ以上５μｍ以下が好ましい。

支持体１が剥離層を含む形態とする場合、分離部材６０を分離した後の記録媒体１００が、条件１Ａ～条件３Ａを満たすことができる剥離層を使用すればよい。
一例として光線透過率調整層は、剥離層である。この形態の剥離層は、剥離性を有する成分、及び着色剤を含有している。

分離部材６０を積層構造とし、当該分離部材６０を構成する何れかの構成部材間で分離部材６０の一部分を分離できるようにしてもよい。つまり、段階的に分離部材を分離できるようにしてもよい。例えば、図５に示す形態において、分離部基材１Ｃを複数の基材を含む積層構造とし、分離部基材１Ｃの一部分を分離できるようにしてもよい。例えば、分離部基材１Ｃを積層構造とし、分離部材６０と記録媒体１００の支持体１との界面で分離がされるよりも前に、分離部基材１Ｃの何れかの構成部材間を分離界面として分離部基材１Ｃの一部分を分離できるようにしてもよい。
一例としての分離部材６０は、複数の分離補助層を含む。一例としての支持体１は分離部材６０側に位置する剥離層を含み、且つ、分離部材６０が分離補助層６を含む。これらの形態は、分離補助層６の粘着性等を適宜設定することで、分離部材６０の構成部材を段階的に分離できる。

＜＜加飾シート＞＞
次に、本開示の実施の形態に係る加飾シート（以下、本開示の加飾シートという）について説明する。本開示の加飾シート１５０は、支持体１、及び画像形成用層１０を有する。

本開示の加飾シート１５０は、加飾対象物３００を装飾できる。本開示の加飾シート１５０は、加飾対象物３００と一体化された加飾品の製造に使用できる。

本開示の加飾シート１５０は、下記条件１Ｂ～条件３Ｂを満たす。
（条件１Ｂ）加飾シート１５０全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高い。
（条件２Ｂ）加飾シート１５０全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下である。
（条件３Ｂ）加飾シート１５０全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
本開示の加飾シート１５０は、斬新な意匠性を有する。
本開示の加飾シート１５０は、画像形成用層１０に画像を形成し、その後、加飾シート１５０と加飾対象物３００を一体化させることで、斬新な意匠性を有する加飾品４００を製造できる。

本開示の加飾シート１５０の光線透過率の測定方法は、上記本開示の記録媒体１００で説明した測定方法と同じである。
本開示の加飾シート１５０の光線透過率の好ましい形態は、本開示の記録媒体と共通する。

本開示の加飾シート１５０は、図６Ａ、図６Ｂに示すように、画像形成用層１０に画像が形成されたものでもよい。画像形成用層１０に画像が形成された加飾シート１５０の光線透過率の測定も、上記本開示の記録媒体１００で説明した測定方法と同じである。なお、この場合、画像が形成されていない領域を測定領域とする。

形成される画像に限定はなく、上記本開示の記録媒体１００で説明した各種の画像形成方法で形成された画像を例示できる。好ましい形態の加飾シート１５０は、画像形成用層１０に形成された画像５０が、昇華型熱転写記録方式、及び溶融型熱転写記録方式で形成された熱転写画像である。より好ましくは、昇華型熱転写記録方式で形成された熱転写画像である。画像形成用層１０に形成された画像５０を熱転写画像とすることで、より意匠性の高い加飾品を製造可能な加飾シート１５０とできる。

本開示の加飾シート１５０を使用して製造される加飾品は、本開示の加飾シート１５０と加飾対象物３００を一体化したものである。換言すれば、本開示の加飾シート１５０と加飾対象物３００とが貼り合わされたものである。
本開示の一例としての加飾シート１５０は、加飾対象物側の表面が接着性を有する。本開示の一例としての加飾シート１５０は、加飾対象物側の表面に接着層が位置する。本開示の一例としての加飾シート１５０は、加飾対象物側の表面に接着処理が施されている。
本開示の一例としての加飾対象物は、加飾シート１５０側の表面が接着性を有する。本開示の一例としての加飾対象物は、加飾シート１５０側の表面に接着層が位置する。本開示の一例としての加飾対象物は、加飾シート１５０側の表面に接着処理が施されている。

加飾対象物３００が接着性を有する場合、本開示の加飾シート１５０の加飾対象物側の表面は接着性を有しなくてもよい。このような加飾シート１５０としては、本開示の記録媒体１００や、本開示の記録媒体１００の画像形成用層１０に画像が形成されたもの等を例示できる（図６Ａ参照）。

（接着層）
本開示の一例としての加飾シート１５０は、画像が形成された画像形成用層１０上に接着層２００が設けられている（図６Ｂ参照）。本開示の一例としての加飾シート１５０は、支持体１を構成する層のうち、画像形成用層１０から最も遠くに接着層が位置している（図示しない）。
接着層２００は、条件１Ｂを満たすことができればよい。
一例としての光線透過率調整層は、接着層であり、接着層で、加飾シート１５０全体の光線透過率を調整できる。接着層で、加飾シート１５０全体の光線透過率を調整する場合、接着層よりも画像形成用層１０側に位置する構成部材の積層体の光線透過率は、条件２Ｂ、条件３Ｂを満たさなくてもよい。

接着層２００を含む加飾シート１５０は、加飾対象物３００自体が接着性を有していない場合であっても、当該加飾シート１５０の接着層２００側を、加飾対象物３００と重ねるだけで、加飾シート１５０と加飾対象物３００が一体化された加飾品を製造できる。

画像形成用層１０上に接着層２００を設けた場合には、画像形成用層１０側で、本開示の加飾シート１５０と加飾対象物３００とを一体化できる。この形態では、一体化して得られる加飾品４００は、加飾対象物３００、接着層２００、画像形成用層１０、支持体１がこの順番で設けられた積層構造となる。この形態の加飾品４００は、画像形成用層１０に形成された画像を、支持体１で保護できる。本開示の記録媒体１００で説明したように、支持体１側の表面を粘着層としてもよい。
支持体１側の表面を接着層２００としてもよい。一例としての支持体１は、最表面に位置する接着層２００を含む。この形態では、加飾シート１５０の支持体１側で、本開示の加飾シート１５０と加飾対象物３００とを一体化できる。支持体１の表面を粘着層としてもよい。

接着層２００は、接着成分を含有している。接着成分としては、アクリル樹脂、塩化ビニル－酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイミド、及び合成ゴム等を例示できる。接着層２００が含有する接着成分は、１種でもよく、２種以上でもよい。接着層２００は、接着フィルムでもよく、接着シートでもよい。接着層２００の厚みは、１μｍ以上１０００μｍ以下が好ましい。

一例としての接着層２００のガラス転移温度（Ｔｇ）は３５℃未満である。
一例としての接着層２００のガラス転移温度（Ｔｇ）は０℃以下である。
一例としての接着層２００は、ガラス転移温度（Ｔｇ）が３５℃未満の接着成分を主成分として含有している。
一例としての接着層２００は、ガラス転移温度（Ｔｇ）が０℃以下の接着成分を主成分として含有している。
ここでいう主成分は、接着層２００が含有している成分のうち、その含有量が最も多い成分を意味する。耐久層２３０の主成分も同様である。
一例としての接着層２００は、ガラス転移温度（Ｔｇ）が３５℃未満の接着成分を、接着層２００の総質量に対し５０質量％より多く含有している。
一例としての接着層２００は、ガラス転移温度（Ｔｇ）が３５℃未満の接着成分を複数含有しており、その合計質量が、接着層２００の総質量に対し、５０質量％より多い。
一例としての接着層２００は、ガラス転移温度（Ｔｇ）が０℃以下の接着成分を、接着層２００の総質量に対し５０質量％より多く含有している。
一例としての接着層２００は、ガラス転移温度（Ｔｇ）が０℃以下の接着成分を複数含有しており、その合計質量が、接着層２００の総質量に対し、５０質量％より多い。
これら形態の接着層２００は、接着性がより良好である。
これら形態の接着層２００は、耐久層２３０との組合せが好適である。
本開示におけるガラス転移温度（Ｔｇ）とは、ＪＩＳ－Ｋ－７１２１に準拠して、示査走査熱量測定（ＤＳＣ）により求めた値である。

接着層２００は、単層構造でもよく、接着性を有する層を積層した積層構造でもよい。一例としての接着層は、接着性を有しない部材の両面に接着性を有する層が設けられた積層構造である。一例としての接着層は、フィルム等の両面に接着性を有する層を設けた積層構造である。一例としての接着層は、接着成分を含有する塗工液を塗布、乾燥して形成したものである。

（マスキング部材）
図８Ａに示す形態の加飾シート１５０は、図６Ｂに示す形態の加飾シート１５０の接着層２００上にマスキング部材２１０が設けられている。換言すれば、加飾シート１５０の画像形成用層１０上に、マスキング部材付き接着層２００Ａが設けられている。図８に示す形態の加飾シート１５０は、当該加飾シート１５０を巻き取り保管等したときに、接着層２００が、支持体１や、分離部材６０と貼りつくことを抑制できる。また、マスキング部材２１０を剥離した後の加飾シート１５０を加飾対象物３００と重ねるだけで加飾シート１５０と加飾対象物３００とが一体化された加飾品を製造できる。
本開示の加飾シート１５０で規定した光線透過率は、マスキング部材を剥離した後に測定される値である。

マスキング部材２１０としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、剥離フィルム、及び剥離紙等を例示できる。マスキング部材２１０は、樹脂層でもよい。一例としてのマスキング部材２１０は、離型性を有する成分を含有している。離型性を有する成分としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、及びワックス等を例示できる。

接着層２００は、本開示の記録媒体１００の画像形成用層１０に画像を形成した後に、画像形成用層１０側に、接着層２００となるフィルムや、接着層２００となるシート等を貼りつけて形成してもよい。図１６Ａに示すように、転写シートの基材２６０上に、当該基材２６０から剥離できる接着層２００が設けられた転写シート２５０を使用し、画像形成用層１０上に接着層２００を転写で形成してもよい。転写シート２５０の接着層２００は、熱エネルギーの印加で転写できるものでもよく、熱エネルギーを印加せずに転写できるものでもよい。また、画像形成用層１０側に、接着成分を適当な溶媒に分散、又は溶解した塗工液を塗布、乾燥して接着層を形成してもよい。接着フィルムや、接着シートを使用した接着層２００の形成や、転写による接着層２００の形成は、塗工液を塗布、乾燥する方法と比較して、画像形成用層１０に形成された画像５０の滲みを抑制できる点で好ましい。

マスキング部材付き接着層２００Ａを貼り合わせ、又は転写で形成してもよい。図１６Ｂは、マスキング部材付き接着層２００Ａを転写できる転写シート２５０の一例を示す概略断面図である。図１６Ｂに示す形態の転写シート２５０は、基材２６０上に、当該基材２６０から剥離できる転写層２４０が設けられている。転写層２４０は、基材２６０側からマスキング部材２１０、接着層２００がこの順番で積層された積層構造である。図１６Ｂに示す形態の転写シート２５０は、転写層２４０を転写して、マスキング部材付き接着層２００Ａを形成できる。一例としての転写シート２５０は、基材２６０と接着層２００の間、基材２６０とマスキング部材２１０の間に離型層等が設けられている。離型層は、転写層を転写したときに、基材２６０側に残る層である。
図１６Ａ、図１６Ｂに示す形態の転写シート２５０を、接着層２００や、転写層２４０と面順次に、１つ、又は複数の色材層が設けられた転写シート２５０としてもよい（図示しない）。このような転写シート２５０は、記録媒体１００の画像形成用層１０への画像の形成、及び記録媒体１００、又は加飾対象物３００上への接着層２００の転写を、１つの転写シートで行える。色材層は、記録媒体１００の画像形成用層１０へ画像５０を形成するときの画像形成方式に応じて適宜決定すればよい。画像形成用層１０への画像の形成を昇華型熱転写方式で行う場合、色材層を、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料、蛍光染料等の染料を含有する染料層とすればよい。溶融型熱転写方式で行う場合、色材層を、ブラック顔料、メタリック顔料、パール顔料等の着色剤を含有する溶融インキ層とすればよい。また、染料層と、溶融インキ層を面順次に設けた転写シート２５０としてもよい。図１６Ｃ、図１６Ｄ、図１６Ｅに示す耐久層２３０や、耐久層２３０を含む転写層２４０を有する転写シートも同様である。また、各図に示す形態を組み合わせてもよい。

接着層２００や、マスキング部材付き接着層２００Ａを、記録媒体１００の支持体１側に形成してもよい。本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘを使用する場合には、分離部材６０を分離した後に、接着層や、マスキング部材付き接着層を形成すればよい。

（耐久層）
接着層２００を、画像形成用層１０側に設ける場合には、図９Ａに示すように、画像５０が形成された画像形成用層１０と接着層２００の間に耐久層２３０を設けることが好ましい。この形態の加飾シート１５０は、画像形成用層１０に形成された画像５０の成分の接着層２００側への移行を抑制できる。これにより、画像５０に滲みが生ずることを抑制できる。

一例としての加飾シート１５０は、画像形成用層１０上に耐久層２３０が設けられ、耐久層２３０が表面に位置する（図示しない）。この形態の加飾シート１５０は、接着層２００が設けられた加飾対象物３００を使用し、加飾シート１５０の画像形成用層１０側で、この加飾対象物３００と一体化させるときに、画像形成用層１０に形成された画像５０の成分が、加飾対象物３００が有する接着層２００側に移行することを抑制できる。耐久層２３０を表面に位置させることで、当該加飾シート１５０の支持体１側で加飾シート１５０と加飾対象物３００とを一体化させて製造される加飾品を、加飾対象物３００、支持体１、画像形成用層１０、耐久層２３０がこの順番で積層された積層構造とできる。この形態の加飾品は、画像形成用層１０の画像を耐久層２３０で保護できる。

耐久層２３０の成分としては、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル－酢酸ビニル共重合体、セルロース樹脂、ポリビニルピロリドン、及びポリビニルアルコール等を例示できる。耐久層２３０が含有する成分は、１種でもよく、２種以上でもよい。

好ましい形態の耐久層２３０は、単層構造、又は積層構造であり、以下の関係式（１）を満たす第１層Ｘを含む。この形態の耐久層２３０は、画像５０の滲みを抑制でき、且つ、耐久層２３０の熱耐久性を高くできる。熱耐久性の高い耐久層２３０は、加飾品４００を製造する段階での、耐久層２３０の意図しない溶融や、耐久層２３０の意図しない軟化等を抑制できる。この形態の耐久層２３０は、加飾品４００を製造する段階での、画像形成用層１０に形成された画像５０が受けるダメージを低くできる。この形態の耐久層２３０は、加飾品４００を製造する段階での、画像形成用層１０と耐久層２３０の間での意図しない分離や、接着層２００と耐久層２３０の間での意図しない分離等を抑制できる。
一例としての耐久層２３０は、積層構造であり、少なくとも１つの層が、以下の関係式（１）を満たす第１層Ｘである。耐久層２３０が積層構造の場合、接着層２００から最も近くに位置する層を、第１層Ｘとすることが好ましい。一例としての耐久層２３０は、積層構造であり、耐久層２３０を構成する全ての層が、第１層Ｘである。一例としての耐久層２３０は、接着層２００と接している。一例としての耐久層２３０は、第１層Ｘが接着層２００と接している。

接着層の主成分のガラス転移温度（Ｔｇ）＜第１層Ｘの主成分のガラス転移温度（Ｔｇ）・・・（関係式（１））。
一例としての第１層Ｘは、ガラス転移温度（Ｔｇ）が５０℃以上、好ましくは、６０℃以上の成分を主成分として含有している。
一例としての第１層Ｘは、ガラス転移温度（Ｔｇ）が５０℃以上の成分を、第１層Ｘの総質量に対し５０質量％より多く含有している。
一例としての第１層Ｘは、ガラス転移温度（Ｔｇ）が５０℃以上の成分を複数含有しており、その合計質量が、第１層Ｘの総質量に対し５０質量％より多い。
一例としての第１層Ｘは、ガラス転移温度（Ｔｇ）が６０℃以上の成分を、第１層Ｘの総質量に対し５０質量％より多く含有している。
一例としての第１層Ｘは、ガラス転移温度（Ｔｇ）が６０℃以上の成分を複数含有しており、その合計質量が、第１層Ｘの総質量に対し５０質量％より多い。

好ましい形態の耐久層２３０は、紫外線吸収剤を含有する層を含む。この形態の耐久層２３０は、製造された加飾品４００の画像５０の耐光性が良好である。この形態の耐久層２３０は、画像形成用層１０に形成された画像５０が、昇華型熱転写方式で形成された画像である場合に好適である。より好ましい形態の耐久層２３０は、紫外線吸収剤を含有する層、及び第１層Ｘを含む積層構造である。より好ましい形態の耐久層２３０は、紫外線吸収剤を含有する第１層Ｘを含む単層構造、又は積層構造である。

紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系、及びサリシレート系等を例示できる。

耐久層２３０の厚みは、０．０１μｍ以上５μｍ以下が好ましい。

耐久層２３０の形成は、（ｉ）画像形成用層１０に耐久層２３０となるシート等を貼り合わせる方法、（ｉｉ）画像形成用層１０上に耐久層２３０を転写で形成する方法、（ｉｉｉ）上記の成分等を含む塗工液を、画像形成用層１０上に塗布、乾燥して形成する方法等を例示できる。例えば、図１６Ｃ、図１６Ｅに示すように、転写シートの基材２６０上に、当該基材２６０から剥離可能に耐久層２３０が設けられた転写シートを使用することで、耐久層２３０を転写で形成できる。また、図１６Ｄに示すように、転写シートの基材２６０上に、接着層２００、耐久層２３０を含む転写層２４０が設けられた転写シート２５０を使用し、記録媒体１００の画像形成用層１０側に、転写層２４０を転写して、画像形成用層１０側から、耐久層２３０、接着層２００がこの順で設けられた加飾シート１５０とできる。

本開示の加飾シート１５０としては、本開示の記録媒体１００や、本開示の記録媒体１００の画像形成用層１０に画像が形成されたものを例示できる。

画像が形成された画像形成用層１０上に、耐久層２３０や、接着層２００を設ける場合、耐久層２３０や、接着層２００を光線透過率調整層としてもよい。例えば、耐久層２３０を、光線透過率調整層とし、耐久層２３０で、加飾シート１５０全体の光線透過率を調整してもよい。接着層も同様である。この場合、加飾シート１５０の支持体１全体の光線透過率に考慮を要しない。画像形成用層１０の光線透過率も同様である。

本開示の一例としての加飾シート１５０は、支持体１、画像形成用層１０、画像上部層を有し、支持体１、及び画像上部層の何れか一方、又は双方が、１つ、又は複数の光線透過率調整層を含む。画像上部層としては、耐久層２３０、接着層２００等を例示できる。画像上部層は、これ以外でもよい。
各光線透過率調整層の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の光線透過率に限定はなく、各光線透過率調整層は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が５０％より高い部分を含んでもよい。各光線透過率調整層は、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％より高い部分を含んでもよい。
加飾シート１５０全体の光線透過率が、条件１Ｂ～条件３Ｂを満たせば、支持体１、画像形成用層１０、画像上部層の光線透過率に限定はない。
本開示の一例としての加飾シート１５０は、支持体１、画像形成用層１０、及び画像上部層を有し、支持体１と画像形成用層１０の積層体が、条件１Ｂ～条件３Ｂを満たす。
本開示の一例としての加飾シート１５０は、支持体１、画像形成用層１０、及び画像上部層を有し、支持体１と画像形成用層１０の積層体は、条件１Ｂ～条件３Ｂを満たさない。

＜＜分離部材付き加飾シート＞＞
次に、本開示の実施の形態に係る分離部材付き加飾シート（以下、本開示の分離部材付き加飾シート）について説明する。本開示の分離部材付き加飾シート１５０Ｘは、加飾シート１５０の支持体１側に分離部材６０が設けられている（図７、図８Ｂ、図９Ｂ参照）。分離部材６０は、加飾シート１５０から分離できる。分離部材６０は、熱エネルギーを印加して加飾シート１５０から分離できるものでもよく、熱エネルギーを印加せずに、加飾シート１５０から分離できるものでもよい。

本開示の分離部材付き加飾シート１５０Ｘをなす加飾シート１５０としては、本開示の加飾シート１５０をそのまま使用できる。分離部材としては、本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘで説明した分離部材６０をそのまま使用できる。したがって、加飾シート１５０、及び分離部材６０についてのここでの詳細な説明は省略する。

図７、図８Ｂ、図９Ｂは、本開示の分離部材付き加飾シート１５０Ｘの一例を示す概略断面図である。各図に示す形態の分離部材付き加飾シート１５０Ｘは、上記本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘの画像形成用層１０に画像５０が形成されたものである。なお、各図に示す形態では、画像形成用層１０に画像５０が形成されているが、画像５０が形成される前の画像形成用層１０でもよい。

本開示の分離部材付き加飾シート１５０Ｘは、ハンドリング性が良好である。また、各種の転写方式を使用して、分離部材６０を分離しながら、又は分離した後に、加飾対象物３００と加飾シート１５０とを一体化できる。

＜＜加飾品＞＞
次に、本開示の実施の形態に係る加飾品（以下、本開示の加飾品という）について説明する。本開示の加飾品４００は、図１０Ａ、図１０Ｂに示すように、加飾シート１５０と加飾対象物３００とが一体化されている。

本開示の加飾品４００を構成する加飾シート１５０としては、本開示の加飾シート１５０を適宜選択して使用でき、ここでの詳細な説明は省略する。

図１０Ａに示す形態の加飾品４００は、加飾シートが接着層２００を含み、加飾シート１５０の画像形成用層１０側で、加飾対象物３００と一体化されている。図１０Ｂに示す形態の加飾品４００は、加飾シート１５０の支持体１側で、加飾対象物３００と一体化されている。本開示の加飾品４００は、本開示の加飾シート１５０を含む。本開示の加飾品４００は、斬新な意匠性を有する。

（加飾対象物）
加飾対象物３００の形状、大きさ、材質等に限定はない。加飾対象物３００としては、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、木材、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン（ＡＢＳ）樹脂、ポリ塩化ビニル等の樹脂板（フィルムでもよい）、アルミ等の金属板、ガラス板、及び陶器等のセラミック板を例示できる。加飾対象物３００は、複数の部材が積層されたものでもよい。加飾対象物３００は、所定の画像を有してもよい。加飾対象物３００は、その全体、又は一部が、曲率や、凹凸構造等を有してもよい。加飾対象物３００は、本開示の加飾品４００を加飾対象物３００側から見たときに、画像形成用層１０の画像を視認できる透明性を有してもよい。本開示における透明性は、無色透明、有色透明、及び半透明を含む。

一例としての加飾対象物の厚みは１ｍｍ以上である。好ましくは１０ｍｍ以上である。好ましくは５０ｍｍ以上である。この形態の加飾対象物は、より立体感を有する加飾品を製造できる。

＜＜加飾品の製造方法＞＞
次に、本開示の実施の形態に係る加飾品の製造方法（以下、本開示の加飾品の製造方法という）について説明する。本開示の加飾品の製造方法は、斬新な意匠性を有する加飾品を製造できる。

本開示の加飾品の製造方法は、本開示の記録媒体１００、及び本開示の分離部材付き記録媒体１００Ｘを適宜選択して使用できる。本開示の加飾品の製造方法は、本開示の加飾品４００で説明した加飾対象物３００を適宜選択して使用できる。

＜第１実施形態の加飾品の製造方法＞
本開示の第１実施形態の加飾品の製造方法は、画像形成工程、及び一体化工程を含む。画像形成工程は、記録媒体１００の画像形成用層１０に画像５０を形成する工程である（図１１Ａ参照）。一体化工程は、画像形成工程後に、記録媒体１００と加飾対象物３００とを一体化させる工程である（図１１Ｂ参照）。図１１は、本開示の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。

（画像形成工程）
画像形成工程に限定はなく、本開示の記録媒体１００で説明した各種の画像形成方法を適宜選択して行えばよい。好ましい形態の加飾品の製造方法は、昇華型熱転写方式や、溶融型熱転写方式で画像の形成を行う。このことは、後述する第２実施形態、及び第３実施形態の加飾品の製造方法も同様である。なお、図１２～図１５に示す形態の画像形成用層１０に画像が形成された記録媒体１００や、分離部材付き記録媒体１００Ｘは、上記本開示の加飾シート１５０や、分離部材付き加飾シート１５０Ｘに対応している。

（一体化工程）
一体化工程は、画像形成工程後の記録媒体１００と、加飾対象物３００とを一体化させる工程である。図１１Ｂに示す形態では、記録媒体１００の画像形成用層１０側で、加飾対象物３００と一体化させている。記録媒体１００の支持体１側で、加飾対象物３００と一体化させてもよい。記録媒体１００の画像形成用層１０側で、加飾対象物３００と一体化させた場合には、製造された加飾品４００は、加飾対象物３００、画像形成用層１０、支持体１がこの順番で積層された積層構造であり、画像形成用層１０に形成された画像を支持体１で保護できる。

（貼合工程）
本開示の第１実施形態の加飾品の製造方法は、記録媒体１００の加飾対象物３００側に、接着層を貼合する貼合工程を含んでもよい。貼合工程は、一体化工程よりも前に行えばよい。接着層２００の貼合を、記録媒体１００の画像形成用層１０側に行う場合には、画像形成工程と一体化工程の間に貼合工程を行えばよく、接着層２００の貼合を、記録媒体１００の支持体側に行う場合には、画像形成工程よりも前に貼合工程を行ってもよい。画像形成工程を考慮すると、画像形成工程よりも後に貼合工程を行うことが好ましい。

加飾対象物３００側に接着層２００を貼合してもよい。予め、接着層が設けられた加飾対象物３００を使用してもよい。各図に示す加飾品の製造方法では、接着層２００の記載を省略している。

接着層２００は、本開示の加飾シートで説明した接着層２００を適宜選択して使用できる。接着層２００の貼合は、接着フィルムや、接着シート等を押圧して貼合してもよく、接着層を転写できる転写シート等を使用して転写で貼合してもよい。接着成分を含有する塗工液を塗布、乾燥して、接着層を貼合してもよい。

接着層２００として、マスキング部材付き接着層２００Ａを使用してもよい。マスキング部材付き接着層２００Ａを使用する場合には、マスキング部材を剥離した後に、一体化工程を行う。接着層として両面にマスキング部材が設けられたマスキング部材付き接着層を使用してもよい。この場合、一方面のマスキング部材を剥離して貼合工程を行い、その後、他方面のマスキング部材を剥離して、一体化工程を行えばよい。

＜第２実施形態の加飾品の製造方法＞
本開示の第２実施形態の加飾品の製造方法は、画像形成工程、分離工程、及び一体化工程を含む。画像形成工程は、分離部材付き記録媒体１００Ｘの画像形成用層１０に画像５０を形成する工程である（図１２Ａ参照）。分離工程は、画像形成工程後に、分離部材付き記録媒体１００Ｘから分離部材６０を分離する工程である（図１２Ｂ参照）。一体化工程は、分離工程後に、分離部材６０が分離された記録媒体１００と加飾対象物３００とを一体化させる工程である（図１２Ｃ参照）。図１２は、本開示の加飾品の製造方法の一例を示す工程図である。

（分離工程）
分離工程は、分離部付き記録媒体１００Ｘから分離部材６０を分離する工程である。本工程を経ることで、第１実施形態の加飾品の製造方法で説明した記録媒体１００と同じ構成となる。この分離は、熱エネルギーを印加して行ってもよく、熱エネルギーを印加せずに行ってもよい。

一体化工程は、第１実施形態の加飾品の製造方法で説明した方法等を適宜選択して使用できる。分離部材６０が分離された記録媒体１００の画像形成用層１０側で加飾対象物３００と一体化させてもよく（図１２Ｃ参照）、支持体１側で加飾対象物３００と一体化させてもよい。分離部材６０を分離した後の、記録媒体１００の支持体１の表面に粘着層等が位置する場合には、当該粘着層を使用して、分離部材６０が分離された記録媒体１００と加飾対象物３００とを一体化できる。この場合、接着層を貼合する貼合工程を特に要しない。この場合、記録媒体１００の支持体１側で加飾対象物３００と一体化できる。

図１３Ａに示すように、分離部材６０を段階的に分離ができる構成（６０Ａ、６０Ｂ）とし、図１３Ｂに示すように、分離工程において、分離部材６０の一部分（６０Ｂ）を分離部材付き記録媒体１００Ｘから分離する。次いで、図１３Ｃに示すように、一体化工程を行う。次いで、図１３Ｄに示すように、記録媒体１００側に残っている分離部材６０の他の一部分（６０Ａ）を、加飾対象物３００と一体化されている記録媒体１００から分離してもよい。図１４Ａに示すように、分離部材６０を段階的に分離ができる構成（６０Ａ、６０Ｂ）とし、図１４Ｂに示すように、分離工程において、分離部材６０の一部分（６０Ｂ）を分離部材付き記録媒体１００Ｘから分離する。次いで、図１４Ｃに示すように、記録媒体１００側に残っている分離部材６０の他の一部分（６０Ａ）から記録媒体１００を分離（剥離）しながら、分離部材の全てが分離された記録媒体１００を加飾対象物３００側に転写で一体化（密着）させる一体化工程としてもよい。また、分離部材６０の他の一部分（６０Ａ）を分離した後に、分離部材の全てが分離された記録媒体１００を、加飾対象物３００と一体化させてもよい。

＜第３実施形態の加飾品の製造方法＞
本開示の第３実施形態の加飾品の製造方法は、分離部材付き記録媒体１００Ｘの画像形成用層１０に画像５０を形成する画像形成工程（図１５Ａ参照）と、画像形成工程後に、分離部材付き記録媒体１００Ｘの画像形成用層１０側で、分離部材付き記録媒体１００Ｘと加飾対象物３００とを一体化させる一体化工程（図１５Ｂ参照）と、一体化工程後、加飾対象物３００と一体化された分離部材付き記録媒体１００Ｘから分離部材６０を分離する分離工程（図１５Ｃ参照）を含む。

本開示の第３実施形態の加飾品の製造方法は、分離工程と、一体化工程の順番が入れ替わる点、及び一体化工程を、分離部材付き記録媒体１００Ｘの画像形成用層１０側で行うことを限定している点で、本開示の第２実施形態の加飾品の製造方法と相違している。

（耐久層形成工程）
一例としての第１実施形態～第３実施形態の製造方法は、耐久層形成工程を含む。
一例としての耐久層形成工程は、記録媒体１００、分離部材付き記録媒体１００Ｘ、及び加飾対象物３００に、耐久層を形成する工程である。
一例としての耐久層形成工程は、記録媒体１００、又は分離部材付き記録媒体１００Ｘの画像形成用層１０側に接着層を貼合する場合において接着層を貼合する前に、記録媒体１００の画像形成用層１０上に耐久層を形成する。
一例としての耐久層形成工程は、加飾対象物３００側に接着層２００を貼合し、記録媒体１００の画像形成用層１０側で、加飾対象物３００と一体化をさせる場合において、一体化工程の前に、記録媒体１００の画像形成用層１０上に耐久層を形成する。
この形態は、記録媒体１００の画像形成用層１０に形成された画像の成分が、接着層２００側に移行して、画像に滲みが生ずることを抑制できる。

一例としての耐久層形成工程は、記録媒体１００の支持体１側で、加飾対象物３００と一体化させる場合において、画像形成用層１０上に耐久層２３０を形成する。この形態は、記録媒体１００の支持体１側で、加飾対象物３００と一体化させて製造した加飾品４００を、加飾対象物３００、支持体１、画像形成用層１０、耐久層２３０がこの順番で積層された積層構造とでき、画像形成用層１０の画像を耐久層２３０で保護できる。

耐久層としては、本開示の加飾シート１５０で説明した耐久層２３０を適宜選択して使用できる。

＜第４実施形態の加飾品の製造方法＞
第４実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シート１５０と加飾対象物３００とを一体化させる工程を含む。加飾シート１５０は、本開示の加飾シート１５０を使用する。分離部材付き加飾シート１５０Ｘでもよい。

本開示の一例としての加飾品の製造方法は、一体化工程後に、加飾対象物３００とは反対側に、各種の機能層を形成する機能層形成工程を含む。分離部材付き記録媒体１００Ｘや、分離部材付き加飾シート１５０Ｘを使用する場合には、分離部材６０を分離する分離工程や、一体化工程を行った後に機能層形成工程を行う。

機能層形成工程を含む本開示の加飾品の製造方法は、機能層で製造された加飾品に、機能層に応じた機能を付与できる。

機能層の形成は、例えば、接着層２００等を使用した貼り合わせ等で形成できる。機能層を転写で形成してもよい。機能層を塗工液の塗布、乾燥で形成してもよい。後述する機能層の形成方法も同様である。

＜別の実施の形態に係る加飾品の製造方法＞
本開示の別の実施の形態に係る加飾品の製造方法は、一体化工程、及び機能層形成工程を含む。
一体化工程は、支持体、及び画像形成用層を有する加飾シートと、加飾対象物とを一体化させる工程である。
一例としての画像形成用層は、画像が形成されている。一例としての画像形成用層は、画像を形成できる。一例としての製造方法は、画像形成用層に画像を形成する工程を含む。
機能層形成工程は、一体化工程後、加飾シートの加飾対象物とは反対側の面に、機能層を形成する工程である。
機能層形成工程は、加飾シートと機能層の積層体が、下記条件１Ｃ～３Ｃを満たす積層体となるように機能層を形成する工程である。
（条件１Ｃ）積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高い。
（条件２Ｃ）積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下である。
（条件３Ｃ）積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。

本開示の加飾品の製造方法は、条件１Ｂ～条件３Ｂを満たす加飾シートを使用しているのに対し、本開示の別の実施の形態に係る加飾品の製造方法は、使用する加飾シート１５０の光線透過率に限定はない。この点を除いて、本開示の別の実施の形態に係る加飾品の製造方法で使用する加飾シートは、本開示の加飾シートの構成を適宜選択できる。
本開示の別の実施の形態に係る加飾品の製造方法は、一体化工程後に機能層を形成し、加飾シートと機能層の積層体が、条件１Ｃ～条件３Ｃを満たすことができる機能層を使用する。

本開示の別の実施の形態に係る加飾品の製造方法で使用する加飾シートは、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下でもよく、５０％より高い部分を含んでもよい。同様に、３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率は１０％以下でもよく、１０％より高い部分を含んでもよい。条件１Ｂ～条件３Ｂを満たす本開示の加飾シートを使用してもよい。条件１Ａ～条件３Ａを満たす本開示の記録媒体の画像形成用層に画像を形成したものを使用してもよい。
機能層は、本開示の記録媒体１００等で説明した光線透過率調整層を適宜選択して使用できる。加飾シートと機能層との積層体が、条件１Ｃ～条件３Ｃを満たせば、機能層は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が５０％より高い部分を含んでもよい。同様に、３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％より高い部分を含んでもよい。
積層体の光線透過率の好ましい形態は、本開示の記録媒体１００と共通する。

（切断工程）
本開示の各種実施形態の加飾品の製造方法は、一体化工程より後に、加飾シート１５０と加飾対象物３００の積層体を、厚み方向に切断する切断工程を含んでもよい。
一体化工程より後に切断工程を行うことで、加飾シート１５０と加飾対象物３００の端面が揃った加飾品を製造できる。
各種実施形態の加飾品の製造工程が、機能層形成工程を含む場合、切断工程は、機能層形成工程より前でもよく、機能層形成工程より後でもよい。機能層形成工程より後に切断工程を行う場合、加飾シート１５０、加飾対象物３００、及び機能層の端面が揃った加飾シートを製造でき、好ましい。
一体化工程より前に、加飾シート１５０、及び加飾対象物３００の何れか一方、又は双方を切断してもよい。
各種実施形態の加飾品の製造工程が、分離工程を含み、この分離工程を、一体化工程より後に行う場合、切断工程は、分離工程より前でもよく、分離工程より後でもよい。

切断方法に限定はなく、切断刃、レーザーカッター等を例示できる。これ以外の切断方法でもよい。レーザーカッターによる切断は、加飾シート１５０、加飾対象物３００を切断するときに、バリや、滓の発生を抑制でき、好ましい。

＜＜記録媒体と転写シートの組合せ＞＞
次に、本開示の実施の形態に係る記録媒体と転写シートの組合せ（以下、本開示の組合せと言う）について説明する。

本開示の組合せは、記録媒体と転写シートの組合せである。
記録媒体は、支持体、及び画像形成用層を有する。一例としての画像形成用層は、画像が形成されている。一例としての画像形成用層は、画像を形成できる。
転写シートは、基材、及び基材から剥離できる転写層を有する。
本開示の組合せは、記録媒体に、転写シートの転写層を転写して転写物を製造できる。
本開示の組合せは、下記条件１Ｄ～３Ｄを満たす転写物を製造できる組合せである。
（条件１Ｄ）転写物全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高い。
（条件２Ｄ）転写物全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下である。
（条件３Ｄ）転写物全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。

転写物の光線透過率の好ましい形態は、本開示の記録媒体と共通する。

本開示の組合せで製造できる転写物は、印画物、加飾シート等として使用できる。
本開示の組合せは、斬新な意匠性を有する印画物、斬新な意匠性を有する加飾シート等を製造できる。

本開示の組合せに使用する記録媒体に限定はない。本開示の記録媒体１００をそのまま使用してもよい。
本開示の組合せに使用する記録媒体全体の光線透過率に限定はなく、本開示の組合せで得られる転写物が条件１Ｄ～条件３Ｄを満たすことができればよい。
本開示の組合せを構成する記録媒体全体は、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下において光線透過率が５０％より高い部分を含んでもよい。同様に、３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下において光線透過率が１０％より高い部分を含んでもよい。転写層を有する転写シートも同様である。本開示の組合せを構成する記録媒体は、本開示の記録媒体１００で説明した光線透過率調整層を含まなくてもよい。この場合、転写シートの転写層を、光線透過率調整層を含む転写層とすればよい。

本開示の一例としての組合せは、記録媒体の支持体が、本開示の記録媒体１００で説明した光線透過率調整層を含む。
本開示の一例としての組合せは、転写シートの転写層が光線透過率調整層を含む。
本開示の一例としての組合せは、記録媒体の支持体、及び転写シートの転写層の双方が光線透過率調整層を含む。
本開示の一例としての組合せは、転写シートの転写層が、光線透過率調整層を含み、この光線透過率調整層が、本開示の加飾シート１５０で説明した耐久層２３０である。転写層は、単層構造でもよく、積層構造でもよい。
記録媒体の支持体、及び転写シートの転写層が有する光線透過率調整層は、１つでもよく、複数でもよい。

一例としての転写シートは、転写層が耐久層を含む。この形態の転写シートは、記録媒体の画像形成用層側に転写層を転写したときに、耐久層で記録媒体の画像形成用層を保護できる。
一例としての転写シートは、転写層が、基材側から、接着層、及び耐久層がこの順番で積層された積層構造である。この形態の転写シートは、耐久層で、画像形成用層を保護できる。この形態の転写層は、転写後の表面に位置する接着層で、転写物と加飾対象物等を一体化できる。
この形態における一例としての接着層は、光線透過率調整層である。
この形態における一例としての耐久層は、光線透過率調整層である。
転写層は、これ以外の層を含んでもよい。耐久層や、接着層以外の層を光線透過率調整層としてもよい。
転写シートとしては、例えば、図１６Ｃ、図１６Ｄ、図１６Ｅに示すような形態のものを使用できる。図１６Ｃ、図１６Ｄ、図１６Ｅに示す形態の転写シートにおいて、基材２６０と耐久層２３０の間、基材２６０と接着層２００の間、又は基材２６０と転写層２４０の間に離型層を設けてもよい。離型層は、転写層を転写したときに基材２６０側に残る層である。図１６Ｃ、図１６Ｅに示す形態において、基材２６０と耐久層２３０の間に剥離層を設け、剥離層、及び耐久層を含む転写層としてもよい。この場合、剥離層を光線透過率調整層としてもよい。離型層や、剥離層は、転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して使用できる。

本開示の一実施形態の記録媒体は、支持体、及び画像形成用層を有し、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
本開示の一実施形態の記録媒体は、下記（１－１）～（１－４）の１つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
（１－１）前記記録媒体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い。
（１－２）前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
（１－３）前記記録媒体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上である。
（１－４）前記記録媒体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％未満である。

本開示の一実施形態の分離部材付き記録媒体は、上記の記録媒体の支持体側に、前記記録媒体から分離できる分離部材が設けられている。
本開示の分離部材付き記録媒体は、熱エネルギーの印加で、前記記録媒体から前記分離部材を分離できるものでもよい。

本開示の一実施形態の加飾シートは、支持体、及び前記支持体上に設けられた画像形成用層を有し、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
本開示の一実施形態の加飾シートは、下記（２－１）～（２－１５）の１つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
（２－１）前記加飾シート全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い。
（２－２）前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下である。
（２－３）前記加飾シート全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上である。
（２－４）前記加飾シート全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％未満である。
（２－５）前記画像形成用層に画像が形成されている。
（２－６）前記画像が熱転写画像である。
（２－７）前記画像が、インクジェット印刷方式、又はトナー印刷方式で形成された画像である。
（２－８）前記画像形成用層上に設けられた接着層を有する。
（２－９）前記接着層上に、前記接着層から剥離できるマスキング部材が設けられ、前記加飾シート全体の光線透過率が、前記マスキング部材を剥離した後の光線透過率である。
（２－１０）前記画像形成用層と前記接着層の間に設けられた耐久層を有する。
（２－１１）前記耐久層が、第１層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記第１層が含有している主成分のガラス転移温度（Ｔｇ）が、前記接着層が含有している主成分のガラス転移温度（Ｔｇ）より高い。
（２－１２）前記第１層が前記接着層と接している。
（２－１３）前記耐久層が前記第１層を含む積層構造であり、前記第１層が前記接着層から最も近くに位置している。
（２－１４）前記画像形成用層上に設けられた耐久層を有する。
（２－１５）前記耐久層が、紫外線吸収剤を含有している。

本開示の一実施形態の分離部材付き加飾シートは、上記の加飾シートの支持体側に、前記加飾シートから分離できる分離部材が設けられている。
本開示の分離部材付き加飾シートは、熱エネルギーの印加で、前記加飾シートから前記分離部材を分離できるものでもよい。

本開示の一実施形態の加飾品は、上記の加飾シートと、加飾対象物とが一体化されている。
本開示の一実施形態の加飾品は、下記（３－１）、又は（３－２）を満たしてもよい。
（３－１）前記加飾シートの前記加飾対象物とは反対側に機能層が設けられている。
（３－２）前記加飾シートと前記機能層の間に接着層が設けられている。

本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、上記の記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に、前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、を含む。
本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、下記（４－１）、又は（４－２）を満たしてもよい。
（４－１）前記画像形成工程後の前記記録媒体に接着層を貼合する、又は前記加飾対象物に接着層を貼合する貼合工程を含み、この接着層で、前記一体化工程を行う。
（４－２）前記画像形成用層側で前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる。

本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、上記の分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に、前記分離部材を分離する分離工程と、前記分離工程後に、前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、を含む。
本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、下記（５－１）、又は（５－２）を満たしてもよい。
（５－１）前記画像形成工程後の前記分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層側、前記分離工程後の前記記録媒体の前記画像形成用層側、及び前記加飾対象物の何れかに接着層を貼合する貼合工程を含み、この接着層で、前記一体化工程を行う。
（５－２）前記画像形成用層側で前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる。

本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、上記の分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、前記画像形成工程後に、前記分離部材付き記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、前記一体化工程後に、前記分離部材を分離する分離工程と、を含む。
本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、下記（６－１）、又は（６－２）を満たしてもよい。
（６－１）前記画像形成工程後の前記分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層側、又は前記加飾対象物に接着層を貼合する貼合工程を含み、この接着層で、前記一体化工程を行う。
（６－２）前記画像形成用層側で前記分離部材付き記録媒体と加飾対象物とを一体化させる。

本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、加飾シートを使用した加飾品の製造方法であって、前記加飾シートが、支持体、及び画像形成用層を有し、前記加飾シートと、加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、前記一体化工程後、前記加飾シートの前記加飾対象物とは反対側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、を含み、前記機能層形成工程が、前記加飾シートと前記機能層との積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下となるように機能層を形成する工程である。
本開示の一実施形態の加飾品の製造方法は、下記（７－１）～（７－４）の１つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
（７－１）前記機能層形成工程が、前記積層体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高くなるように機能層を形成する工程である。
（７－２）前記機能層形成工程が、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下となるように機能層を形成する工程である。
（７－３）前記機能層形成工程が、前記積層体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上となるように機能層を形成する工程である。
（７－４）前記機能層形成工程が、前記積層体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％未満となるように機能層を形成する工程である。

本開示の一実施形態の組合せは、記録媒体と転写シートの組合せであって、前記記録媒体が、支持体、及び画像形成用層を有し、前記転写シートが、基材、及び前記基材から剥離できる転写層を有し、前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下の転写物が得られる。
本開示の一実施形態の組合せは、下記（８－１）～（８－４）の１つ、又は複数を満たしてもよい。複数を満たす場合、何れを組合せてもよい。
（８－１）前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い転写物が得られる。
（８－２）前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下の転写物が得られる。
（８－３）前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％以上の転写物が得られる。
（８－４）前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が４％未満の転写物が得られる。

１・・・支持体
１Ａ、１Ｂ・・・支持体構成部材
１Ｃ・・・分離部基材
３・・・プライマー層
６・・・分離補助層
１０・・・画像形成用層
５０・・・画像
６０・・・分離部材
１００・・・記録媒体
１００Ｘ・・・分離部材付き記録媒体
１５０・・・加飾シート
１５０Ｘ・・・分離部材付き加飾シート
２００・・・接着層
２００Ａ・・・マスキング部材付き接着層
２１０・・・マスキング部材
２３０・・・耐久層
２４０・・・転写層
２５０・・・転写シート
２６０・・・転写シートの基材
３００・・・加飾対象物
４００・・・加飾品

Claims (31)

1. 記録媒体であって、
   支持体、及び画像形成用層を有し、
   前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、
   前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、
   前記記録媒体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、
   前記記録媒体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高く、
   前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下である、記録媒体。
2. 請求項１に記載の記録媒体の支持体側に、前記記録媒体から分離できる分離部材が設けられた、分離部材付き記録媒体。
3. 熱エネルギーの印加で、前記記録媒体から前記分離部材を分離できる、請求項２に記載の分離部材付き記録媒体。
4. 加飾シートであって、
   支持体、及び画像形成用層を有し、
   前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、
   前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、
   前記加飾シート全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、
   前記加飾シート全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高く、
   前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下である、加飾シート。
5. 前記画像形成用層に画像が形成された、請求項４に記載の加飾シート。
6. 前記画像が熱転写画像である、請求項５に記載の加飾シート。
7. 前記画像が、インクジェット印刷方式、又はトナー印刷方式で形成された画像である、請求項５に記載の加飾シート。
8. 前記画像形成用層上に設けられた接着層を有する、請求項５乃至７の何れか１項に記載の加飾シート。
9. 前記接着層上に、前記接着層から剥離できるマスキング部材が設けられ、前記加飾シート全体の光線透過率が、前記マスキング部材を剥離した後の光線透過率である、請求項８に記載の加飾シート。
10. 前記画像形成用層と前記接着層の間に設けられた耐久層を有する、請求項８又は９に記載の加飾シート。
11. 前記耐久層が、第１層を含む単層構造、又は積層構造であり、
    前記第１層が含有している主成分のガラス転移温度（Ｔｇ）が、前記接着層が含有している主成分のガラス転移温度（Ｔｇ）より高い、請求項１０に記載の加飾シート。
12. 前記第１層が前記接着層と接している、請求項１１に記載の加飾シート。
13. 前記耐久層が前記第１層を含む積層構造であり、前記第１層が前記接着層から最も近くに位置している、請求項１１に記載の加飾シート。
14. 前記画像形成用層上に設けられた耐久層を有する、請求項５乃至７の何れか１項に記載の加飾シート。
15. 前記耐久層が、紫外線吸収剤を含有している、請求項１０乃至１４の何れか１項に記載の加飾シート。
16. 請求項４乃至１５の何れか１項に記載の加飾シートの支持体側に、前記加飾シートから分離できる分離部材が設けられた、分離部材付き加飾シート。
17. 熱エネルギーの印加で、前記加飾シートから前記分離部材を分離できる、請求項１６に記載の分離部材付き加飾シート。
18. 請求項４乃至１５の何れか１項に記載の加飾シートと、加飾対象物とが一体化された加飾品。
19. 前記加飾シートの前記加飾対象物とは反対側に機能層が設けられた、請求項１８に記載の加飾品。
20. 前記加飾シートと前記機能層の間に接着層が設けられた請求項１９に記載の加飾品。
21. 加飾品の製造方法であって、
    請求項１に記載の記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像形成工程後に、前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、を含む加飾品の製造方法。
22. 前記画像形成工程後の前記記録媒体に接着層を貼合する、又は前記加飾対象物に接着層を貼合する貼合工程を含み、この接着層で、前記一体化工程を行う、請求項２１に記載の加飾品の製造方法。
23. 前記画像形成用層側で前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる、請求項２１又は２２に記載の加飾品の製造方法。
24. 加飾品の製造方法であって、
    請求項２又は３に記載の分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像形成工程後に、前記分離部材を分離する分離工程と、
    前記分離工程後に、前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、を含む加飾品の製造方法。
25. 前記画像形成工程後の前記分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層側、前記分離工程後の前記記録媒体の前記画像形成用層側、及び前記加飾対象物の何れかに接着層を貼合する貼合工程を含み、この接着層で、前記一体化工程を行う、請求項２４に記載の加飾品の製造方法。
26. 前記画像形成用層側で前記記録媒体と加飾対象物とを一体化させる、請求項２４又は２５に記載の加飾品の製造方法。
27. 加飾品の製造方法であって、
    請求項２又は３に記載の分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層上に画像を形成する画像形成工程と、
    前記画像形成工程後に、前記分離部材付き記録媒体と加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、
    前記一体化工程後に、前記分離部材を分離する分離工程と、を含む加飾品の製造方法。
28. 前記画像形成工程後の前記分離部材付き記録媒体の前記画像形成用層側、又は前記加飾対象物に接着層を貼合する貼合工程を含み、この接着層で、前記一体化工程を行う、請求項２７に記載の加飾品の製造方法。
29. 前記画像形成用層側で前記分離部材付き記録媒体と加飾対象物とを一体化させる、請求項２７又は２８に記載の加飾品の製造方法。
30. 加飾シートを使用した加飾品の製造方法であって、
    前記加飾シートが、支持体、及び画像形成用層を有し、
    前記加飾シートと、加飾対象物とを一体化させる一体化工程と、
    前記一体化工程後、前記加飾シートの前記加飾対象物とは反対側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、を含み、
    前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下であり、
    前記機能層形成工程が、前記加飾シートと前記機能層との積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、前記積層体全体の波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、前記積層体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高くなるように機能層を形成する工程である、加飾品の製造方法。
31. 記録媒体と転写シートの組合せであって、
    前記記録媒体が、支持体、及び画像形成用層を有し、
    前記支持体が、顔料を含有する層を含む単層構造、又は積層構造であり、前記顔料を含有する層の厚みが０．５μｍ以上３μｍ以下であり、
    前記転写シートが、基材、及び前記基材から剥離できる転写層を有し、
    前記記録媒体上に、前記転写シートの前記転写層を転写することで、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の何れかの波長の光線透過率が０％より高く、波長領域３５０ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が５０％以下で、波長領域３５０ｎｍ以上５００ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％以下で、前記記録媒体全体の波長領域７００ｎｍ以上７５０ｎｍ以下の全範囲における光線透過率が１０％より高い転写物が得られる、記録媒体と転写シートの組合せ。

Images