JP7126531B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本願は、ハイブリッド車両の制御装置に関するものである。
近年、省エネルギー及び環境を考慮した車両として、エンジン、モータジェネレータなど、複数の駆動源から動力を得るハイブリッド車両の普及が進んでいる。ハイブリッド車両では、モータジェネレータ、補機類の使用などにより、バッテリの電気残容量であるステートオブチャージ(State Of Charge)(以下、「SOC」と略称する)が比較的短期間で少なくなる。そこで、一般的には、減速時と降坂時に運動エネルギーを電気エネルギーに変換する回生制動制御を行ない、あるいは、加速時および定常走行時にエンジンの動力で発電機を駆動させる(以下、「エンジン発電」と略称する)制御により、バッテリに電力を供給して充電し、SOCを回復するようにしている。
ここで、エンジン発電が不要で、エンジンのみ、もしくはエンジンとモータジェネレータにより車両を駆動して走行している際は、燃費低減を目的として、燃料消費率が小さくなる運転ポイントでエンジンを制御するのが一般的である。これに対し、エンジン発電が必要となった際は、加速時および定常走行時に必要な車両駆動力を確保した上でさらにバッテリへの充電電力分の発電を行なうための出力がエンジンに必要とされるため、燃料消費率が小さい運転ポイント(エンジントルクおよびエンジン回転数で表したエンジンの動作点)でエンジンを動作させることができず、燃費が悪化するケースがある。したがって、燃費向上の観点からすると、エンジン発電によりバッテリを充電する際も、可能な限り燃料消費率が小さい運転ポイントで制御することが重要となる。
たとえば、特許文献1に開示された従来のハイブリッド車両の制御装置では、エンジン発電によるバッテリ充電時において、要求されたエンジン出力を満たす中で燃料消費率が小さい運転ポイントとなるように、無段変速機における変速比を変更することでエンジン回転数を制御するとともに、燃料制御によりエンジントルクを制御することでエンジン発電時の燃費向上を実現するようにしている。
特開2001-112115号公報
特許文献1に開示された技術においては、燃料消費率が小さい運転ポイントとなるようにエンジン回転数を制御するためには、無段変速機を用いた構成が必要である。無段変速機は金属ベルトにより動力を伝達する構成であるため、高速領域では伝達効率が悪く、車両を駆動する際の燃費が悪化する傾向があるとされる。そのため、有段変速機が搭載される車両も多数存在する。有段変速機は変速比が段階的(非連続的)な変速機構であるため、特許文献1に開示された従来の技術のような燃料消費率の小さいエンジン回転数となるように、エンジンの運転ポイントを精度よく制御することは困難である。以上のことから、有段変速機を持つ車両では、特許文献1に開示された技術を用いたエンジン発電時の燃費向上効果を得ることができない場合がある。
ここで、特許文献1に開示されているように、エンジン発電を実施するタイミングは、バッテリのSOCがあらかじめ定められた値を下回るとき、とするのが一般的である。このあらかじめ定められたSOCの値は、バッテリの損傷などのリスクを避けるための最低限の電力量と、エアコンなどの補機の電力、およびその他の保持しておきたい電力として設けたマージン分の電力量など、全体を考慮してあらかじめ設定されている値である。
なお、補機が必要とする電力量は、運転者が補機を使用する度合いにより左右されるため、バッテリ保護の観点から、補機用の電力量としてのマージン分が多めに設定される傾向がある。したがって、運転者による補機の使用状態によっては、必要以上のマージンが存在している状態であるにもかかわらずエンジン発電が実施される場合があり、必ずしも適切なタイミングでエンジン発電が実施されているわけではない。これは、変速機の機構のいかんにかかわらず、あり得ることである。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、エンジン発電時における燃費の向上を実現するハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
本願に開示されるハイブリッド車両の制御装置は、
燃料の燃焼により作動して動力を発生するエンジンと、前記エンジンの動力により駆動されて発電するエンジン発電を実施し得るモータジェネレータと、前記モータジェネレータによって発電された電力を充電するバッテリと、前記バッテリから電力の供給を受けて作動する少なくとも一つの補機と、を備えたハイブリッド車両を制御するように構成されたハイブリッド車両の制御装置であって、
前記バッテリのSOCを推定するバッテリSOC推定値算出手段と、
前記エンジンの運転ポイントにおける燃料消費率を算出する燃料消費率算出手段と、
前記エンジンの作動時における、あらかじめ設定された時間の間に前記補機が使用する電気量の消費量を算出する補機電力消費算出手段と、
前記補機電力消費算出手段が算出した前記消費量に応じて、前記バッテリの最低SOCを推定するSOC最低残容量算出手段と、
前記バッテリSOC推定値算出手段により推定した前記バッテリのSOCが、あらかじめ設定された値と、前記SOC最低残容量算出手段により推定した前記バッテリの最低SOCと、の間にあるか否かを判定するエンジン発電領域判定手段と、
前記エンジン発電領域判定手段による前記判定の結果が肯定であるとき、少なくとも、前記エンジン発電を実施することを想定したときの前記エンジンの燃料消費率と、前記エンジン発電の実施をしないと想定したときの前記エンジンの燃料消費率と、の比較に基づいて、前記エンジン発電を実施するか否かを判定するエンジン発電実施判定手段と、
を備え、
前記エンジン発電実施判定手段の前記判定の結果が肯定であるとき、前記エンジン発電を実施するように構成され、
前記制御装置は、
前記補機が使用する電気量の消費量に応じて、前記補機が使用する電気量を抑制する分のエンジン発電トルクを算出する補機電力抑制分トルク算出手段、
を備え、
前記エンジン発電実施判定手段により、エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率がエンジン発電実施を想定したときの燃料消費率よりも小さく、且つエンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電すると想定したときの燃料消費率がエンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率よりも小さい、と判定した場合に、前記エンジン発電を実施し、且つ前記補機が使用する電気量を抑制するように構成されている、
ことを特徴とするものである。
本願に開示されるハイブリッド車両の制御装置によれば、エンジン発電時における燃費の向上を実現するハイブリッド車両の制御装置が得られる。
実施の形態1および実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置を含む車両システム全体を示す構成図である。 実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作を示すフローチャートある。 実施の形態1および実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、補正係数α算出用のマップの例を示す説明図である。 実施の形態1および実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、SOC最低残容量の構成を示す説明図である。 実施の形態1および実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、燃料消費率マップの例を示した説明図である。 エンジン発電未実施を想定したときとエンジン発電を想定したときの、エンジン軸トルクを示す説明図である。 比較例によるハイブリッド車両の制御装置における、燃料消費率マップを示す説明図である。 実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作の例を説明するタイミングチャートである。 実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作を燃料消費率マップで示す説明図である。 実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作の別の例を説明するタイミングチャートである。 実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置を示すブロック図である。 実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置の動作を示すフローチャートである。 実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、補機消費電流量と補機電力抑制分トルクの関係を示す説明図である。 実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置の動作を燃料消費率マップで示す説明図である。
以下、各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当する部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
以下、バッテリのSOCが低下した際に、補機の使用およびその使用の変化に応じて、エンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域を設け、その領域内では、エンジン発電をしても燃料消費率が小さいと推定されるときのみに、エンジン発電を実施するようにした実施の形態1について図面を参照して説明する。図1は、実施の形態1および後述の実施の形態2による、ハイブリッド車両の制御装置を含む車両システム全体を示す構成図である。
図1に示すように、実施の形態1および後述の実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置を含む車両システムは、燃料の燃焼によって作動するエンジン101と、電動モータおよびジェネレータとして用いられるモータジェネレータ(以下、「MG」と称する)105を搭載している。エンジン101のクランクプーリ102とMG105のプーリ103は、ベルト104を介して連結されている。エンジン101およびMG105が発生した動力は、トランスミッション108、デファレンシャルギア109を介してドライブシャフト110に接続されたタイヤ111へと伝達される。
エンジン101の制御は、エンジン制御用電子コントロールユニット(以下、「エンジン用ECU」と略称する)112により行なわれる。エンジン用ECU112は、マイクロプロセッサ等で構成されており、エンジン101の燃料制御などを実施する。エンジン用ECU112では、エンジンクランク軸に設置している回転センサ(図示せず)でクランク角度の周期を検出しており、検出したクランク角度の周期から算出したエンジン回転数Neを、車両制御用電子コントロールユニット(以下、「車両用ECU」と略称する)114に送る。
MG105は、インバータ(図示せず)を経由してバッテリ106と接続されている。MG105は、エンジン101からベルト104を介して伝達される動力により駆動されて発電するエンジン発電と、車両の減速時の運動エネルギーにより駆動されて発電する回生制動発電と、の何れかによりに発電した電力をバッテリ106に供給する。その一方で、MG105は、バッテリ106の電力によって電動モータとして動作し、車両を駆動させる力行運転も行なわれる。
MG105の制御は、MG制御用電子コントロールユニット(以下、「MG用ECU」と略称する)113により行なう。MG用ECU113は、マイクロプロセッサ等で構成されており、MG105の駆動制御および回生制御などを実施する。
バッテリ106は、エンジン101の動力もしくは車両減速時におけるドライブシャフト110から伝達された動力によりMG105が駆動されて発電した電力により充電され、MG105、補機107などの駆動が必要になると放電を行う。バッテリ106に接続されたバッテリ電流センサ118は、バッテリ106の電流を検出し、車両用ECU114にその検出信号が取り込まれる。このバッテリ106の電流は、SOCの推定に使用される。なお、実施の形態1では、バッテリ106の電流をバッテリ電流センサ118により検出するようにしているが、電流センサ以外の計測方法による検出値もしくは推定値を用いてもよい。
補機107は、バッテリ106の電力を用いるMG105以外の電装品であり、たとえばエアコンなどである。補機107には電流センサ(図示せず)が接続されており、電流センサにより検出された補機107の消費電流は、車体用電子コントロールユニット(以下「車体用ECU」と略称する)(図示せず)を介して車両用ECU114に信号が取り込まれる。なお、実施の形態1では、補機107の消費電流を電流センサで検出するようにしているが、バッテリ106の電流量とMG105の電流量から算出する方法など電流センサ以外の計測方法により計測するようにしてもよい。
車両用ECU114は、演算処理を行なうCPU(図示せず)、プログラムデータおよび固定値データなどを記憶するROM(図示せず)、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM(図示せず)、および車両用ECU114の電源が切られても格納されているデータを保持するバックアップRAM(図示せず)、を有するマイクロコンピュータ(図示せず)と、各種信号の入出力を行うI/Oインターフェース(図示せず)とで構成されている。
車両用ECU114に入力される各種信号には、車速センサ115、アクセルポジションセンサ116、ブレーキストロークセンサ117、バッテリ電流センサ118などからの信号があり、これらの信号のうち車速センサ115からの車速を示す信号、アクセルポジションセンサ116からのアクセル開度を示す信号、ブレーキストロークセンサ117からのブレーキポジションを示す信号は、車両の運転状態および運転者の車両動作要求を判断する信号として用いられる。
また、バッテリ電流センサ118からのバッテリ電流を示す信号は、バッテリ106のSOC推定値SOCe、発電分トルクTegなどの算出に使用される。さらに、車速センサ115からの車速を示す信号と、アクセルポジションセンサ116からのアクセル開度を示す信号は、車両駆動分トルクTebの算出に使用される。発電分トルクTegと車両駆動分トルクTebは、エンジン101に要求されるトルクの一部であり、エンジン用ECU112にこれらに関連する信号を送ってエンジン101を適切に制御するように構成されている。
図2は、実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の構成を示すブロック図であって、車両用ECU114に記憶されている。図2において、車両用ECU114に記憶されている制御装置1000は、エンジン101によるMG105の発電を適切なタイミングで制御するように構成されており、補機電力消費算出手段201、補機消費電流量補正係数算出手段202、SOC最低残容量算出手段203、SOC推定値算出手段204、エンジン発電領域判定手段205、燃料消費率算出手段206、エンジン発電実施判定手段207、エンジン発電実施手段208、を備え、これらの手段を構成するプログラムおよび固定値データが前述のROMに記憶されている。また、イグニッションスイッチがオフされる直前のバッテリSOCの値として初期バッテリSOC値KSOCi、イグニッションスイッチがオフされる直前の補機消費電流量HwがバックアップRAMに記憶されている。
補機電力消費算出手段201は、前述の図示していない車体用ECUを介して、車両用ECU114に取り込まれる補機107が使用する電気量としての消費電流Iaux[A]を用いて、単位時間当たりの補機消費電流量Hw[Ah]を算出する。具体的な算出方法は、後述の図3のフロー図で説明する。
補機消費電流量補正係数算出手段202は、補機電力消費算出手段201で算出した補機消費電流量Hw[Ah]を用いて、補機消費電流量の補正係数αを算出する。具体的な算出方法は、後述の図3のフロー図で説明する。
SOC最低残容量算出手段203は、まず、補機電力消費算出手段201で算出した補機消費電流量Hw[Ah]と、補機消費電流量補正係数算出手段202により算出した補機消費電流量の補正係数αと、あらかじめ設定された補機分電気容量調整係数Kaと、あらかじめ設定されたバッテリ満充電時電気容量KBwを用いて、補機用バッテリ電気容量SOCaxを算出する。さらに、あらかじめ設定されたバッテリ106の損傷などのリスクがある使用禁止領域KSOCLimと、補機用バッテリ電気容量SOCaxと、あらかじめ設定されたその他のマージンKSOCzと、を用いて、バッテリSOC最低残容量SOCMinを算出する。具体的な算出方法は、後述の図3のフロー図で説明する。
SOC推定値算出手段204は、初期バッテリSOC値KSOCiと、バッテリ106のバッテリ満充電時電気容量KBwと、バッテリ電流センサ118により検出されたバッテリ電流Ibattを用いて、バッテリ106のSOC推定値SOCeを算出する。バッテリ106の充放電は複雑な化学反応が関わっており、現在の充電状態を確認するためにはSOCを推定するのが一般的である。具体的な算出方法は、後述する図3のフロー図で説明する。
エンジン発電領域判定手段205は、SOC最低残容量算出手段203により算出したバッテリSOC最低残容量SOCMinと、SOC推定値算出手段204により算出したSOC推定値SOCeと、あらかじめ定められたSOC値KSOCdと、を用いて、エンジン発電を行う領域であるか否かの判定を行う。具体的な領域判定方法は、後述する図3のフロー図で説明する。
燃料消費率算出手段206は、エンジン発電の未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbと、エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCgとを、現在のエンジン回転数Neと必要となるエンジン軸総トルクTeとに基づいて、燃料消費率(BSFC:Brake Specific Fuel Consumption)マップを用いて算出する。具体的な算出方法は、後述する図3のフロー図で説明する。
エンジン発電実施判定手段207は、燃料消費率算出手段206により算出したエンジン発電の未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbと、エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCgとに基づいて、エンジン発電を実施するかの判定を行う。具体的な判定方法は、後述する図3のフロー図で説明する。
エンジン発電実施手段208は、エンジン発電実施判定手段207により判定された結果が肯定である場合に、エンジン発電を実施する。
つぎに、図1に示すハイブリッド車両の制御装置を含む車両システムにおいて、バッテリのSOCが低下した際に、補機の使用に応じてエンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域を設け、その領域内ではエンジン発電を実施しても燃料消費率が小さいと推定されるときにのみエンジン発電を実施する制御について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下に説明する動作は、車両用ECU114において、あらかじめ定められた時間周期のメインルーチン内のサブルーチンとして実施される。
図3は、実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作を示すフローチャートある。図3において、まず、ステップS300では、初期化が必要であるかを判定するために、イグニッションスイッチがオンの直後であるか否かを判定する。イグニッションスイッチがオンの直後であれば(YES)、ステップS301に進む。イグニッションスイッチがオンの直後でなければ(NO)、ステップS302に進む。
ステップS300からステップS301に進むと、ハイブリッド車両の制御装置1000の初期化処理が実施される。初期化処理は、後述する各手段において演算される値に対し、初期値として「0」がセットされ、初期化が完了すると、そのままサブルーチンを終了する。
ステップS300からステップS302に進むと、補機107の消費電流Iaux[A]を用いて補機電力消費算出手段201により、電気量としての補機消費電流量Hw[Ah]を算出する。補機消費電流量Hw[Ah]の算出方法は、補機107の消費電流Iaux[A]をあらかじめ設定された時間の間だけ積算して算出する。実施の形態1では、あらかじめ設定された時間は、100[sec]としている。算出した補機消費電流量Hw[Ah]は、100[sec]毎にバックアップRAMに書き込まれる。補機消費電流量Hwを算出している途中で、イグニッションスイッチがオフとなり100[sec]の間の積算がされなかった場合は、計測した値を100[sec]あたりに換算して用いることとする。
なお、実施の形態1では、あらかじめ設定された時間を100[sec]としているが、これに限らず別の時間を設けても良く、たとえば1回のドライビングサイクルの時間(イグニッションスイッチがオンされて車両が走行してのち、イグニッションスイッチがオフされるまでの時間)としても良い。
つぎに、ステップS303では、ステップS302で算出した補機消費電流量Hw[Ah]を用いて、補機消費電流量補正係数算出手段202により補機消費電流量の補正係数αを求める。補機消費電流量の補正係数αは、補機消費電流量Hw[Ah]の最新値と一つ前の値との偏差(傾き)に応じて、図4のマップを参照して決定される。すなわち、図4は、実施の形態1および後述の実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、補正係数α算出用のマップの例を示す説明図である。図4に示すように、補正係数αの値は、偏差(傾き)が大きくなるほど大きくなる。これにより、運転者の急な補機107の使用により、補機消費電流量Hw[Ah]が急変した際には、大きな値で補正される。
なお、補正係数αの算出方法は、図4に示すような偏差(傾き)に限定されるものではなく、運転者の補機使用が急増するほど、補正係数αが大きくなるような他の算出方法を用いてもよい。
図3において、ステップS303からステップS304に進むと、まず、ステップS302で算出した補機消費電流量Hw[Ah]と、ステップS303で算出した補機消費電流量の補正係数αと、あらかじめ設定された補機分電気容量調整係数Kaと、あらかじめ設定されたバッテリ満充電時電気容量KBwと、を用いて、補機用バッテリ電気容量SOCaxを下記の式(1)から算出する。
SOCax[%]=Hw[Ah]×Ka×α/KBw[Ah]×100 …式(1)
式(1)における補機分電気容量調整係数Kaは、補機消費電流量Hw[Ah]に対してどのくらいの電気容量をバッテリ106に確保しておくかの係数であり、たとえば「1」が設定されている。バッテリ満充電時電気容量KBwは、バッテリ106の最大電気容量である固有の値が設定されている。
なお、実施の形態1では、式(1)における補機消費電流量の補正係数αは、補機消費電流量Hw[Ah]に対して乗算することで補正しているが、それに限定されるものではなく、補機消費電流量Hw[Ah]に対して補正係数αを加算することで補正するようにしてもよい。
つぎに、ステップS304において、あらかじめ設定されたバッテリ106の損傷などのリスクがある使用禁止領域KSOCLimと、式(1)で算出した補機用バッテリ電気容量SOCaxと、あらかじめ設定されたその他マージンKSOCzと、を用いて、SOC最低残容量算出手段203により、バッテリのSOC最低残容量SOCMinを下記の式(2)から算出する。
SOCMin[%]=KSOCLim[%]+SOCax[%]+KSOCz[%]
…式(2)
図5は、実施の形態1および後述の実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、SOC最低残容量の構成を示す説明図であって、式(2)で示される実施の形態1、及び実施の形態2の場合のSOC最低残容量を、比較例のSOC最低残容量と対比して模式的に示している。一般的に、バッテリ106には、損傷などのリスクを避けるためのSOCの使用禁止領域があり、式(2)での使用禁止領域KSOCLimがそれに相当する。SOCがこの使用禁止領域KSOCLimを下回らないように一般的にはマージンが設けられている。図5に示す比較例では、バッテリのSOC最低残容量は、損傷などのリスクを避けるための「使用禁止領域」と、「その他マージン」と、により構成され、「使用禁止領域」と「その他マージン」とを加算した値がSOC最低残容量の固定値として設定されている。ここで、比較例に於ける「その他マージン」には、SOCを推定する際の推定誤差分、車両再始動分、補機駆動分などが含まれる。
一方、実施の形態1、及び実施の形態2の場合は、式(2)と図5に示されるように、SOC最低残容量は、「使用禁止領域KSOCLim[%]」と、「その他マージンKSOCz[%]」と、「補機駆動分SOCax[%]」と、により構成され、「使用禁止領域KSOCLim[%]」と「その他マージンKSOCz」とを固定値とし、「補機駆動分SOCax[%]」を運転者によって変化させる領域としている。ここで、「補機駆動分SOCax[%]」は、比較例における固定値の「その他マージン」における補機駆動分に相当する。実施の形態1、及び実施の形態2における「その他マージンKSOCz[%]」は、SOCを推定する際の推定誤差分、車両の再始動分などが含まれる。なお、図5では、式(1)で算出した補機用バッテリ電気容量SOCaxを「補機駆動分SOCax[%]」と表記している。
つぎに、図3のステップS305では、バッテリ電流センサ118によって検出されたバッテリ電流Ibattと、バックアップRAMに記憶されている初期SOCの値であるKSOCiを用いてSOC推定値算出手段204により、現在のバッテリ106の充電状態を把握するためにSOC推定値SOCeを算出する。SOC推定値SOCeは、バッテリ電流Ibattを時間積分し、バッテリ満充電時電気容量KBwに対して現在どれくらいの電流を蓄積しているかを、下記の式(3)から算出する。
SOCe[%]=KSOCi[%]
+∫(Ibatt[A]dt)/KBw[Ah]/3600×100
…式(3)
式(3)で算出したSOC推定値SOCeは、イグニッションスイッチのオフ時にバックアップRAMに記憶される。なお、式(3)は、SOC推定値算出方法の一例であり、この他の周知の技術を用いて算出してもよい。
ステップS306では、ステップS304で算出したバッテリSOC最低残容量SOCMinと、ステップS305で算出したSOC推定値SOCeと、ROMに記憶しているあらかじめ定められたSOC値KSOCdを用いてエンジン発電領域判定手段205による判定を行う。具体的には、エンジン発電領域判定手段205により、[バッテリSOC最低残容量SOCMin<SOC推定値SOCe<KSOCd]が成立しているか否かの判定を行い、成立していれば(YES)、エンジン発電の領域であると判定し、エンジン発電領域判定フラグFJdeを「1」にセットしてステップS308に進み、成立していなければ(NO)、エンジン発電領域判定フラグFJdeを「0」にセットして、ステップS307に進む。
ここで、実施の形態1では、ROMに記憶されているあらかじめ定められたSOC値KSOCdは、従来の制御におけるエンジン発電を実施するための閾値として設定されている値としている。従来の制御では、[SOC推定値SOCe<KSOCd]が成立している間はエンジン発電を実施するよう制御されている。また、実施の形態1で使用するSOC値KSOCdには、SOCの増減に応じたヒステリシスが設けられており、SOC推定値SOCeが減少しているときのSOC値KSOCdに比べて、SOC推定値SOCeが増加しているときのSOC値KSOCdは、少し大きめの値が設定されるようになっている。このように閾値にヒステリシスを設けることで、エンジン発電を終了した直後に再度エンジン発電をしなければならない状態を回避している。
ステップS306での判定の結果、エンジン発電領域判定フラグFJdeが「0」となって、ステップS307に進むと、ステップS307では、SOC推定値SOCeがバッテリSOC最低残容量SOCMin以下であるか否かの判定を行ない、[バッテリSOC最低残容量SOCMin≧SOC推定値SOCe]であれば(YES)、最低限のバッテリ容量が確保できておらず、直ちにエンジン発電を実施する必要があると判断し、エンジン発電実施許可フラグFGenを「1」にセットしてステップS311に進む。
ステップS307での判定の結果、[バッテリSOC最低残容量SOCMin≧SOC推定値SOCe]が不成立の場合(NO)は、[SOC推定値SOCe≧KSOCd]の状態であるため、エンジン発電は不要と判断し、エンジン発電実施許可フラグFGenを「0」にセットし、後述する車両駆動分のエンジン軸総トルクTe1をエンジン軸総トルクTeとして車両用ECU114からエンジン用ECU112に出力し、サブルーチンを終了する。エンジン用ECU112は、エンジン軸総トルクTe1がエンジン軸総トルクTeとなるようにエンジン101が制御される。
一方、ステップS306での判定の結果、エンジン発電領域判定フラグFJdeが「1」となって、ステップS308に進むと、ステップS308では、エンジン回転数Neとエンジン軸総トルクTeとを用いて、燃料消費率算出手段206により、現在の運転ポイントにおいてエンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbを算出する。エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbを求める際のエンジン軸総トルクTe1は、下記の式(4)のように、車両駆動分トルクTebのトルクがそのままエンジン軸総トルクTe1となる。
Te1=Teb …式(4)
ここで、車両駆動分トルクTebは、運転者のアクセル操作に応じて車両を駆動するために必要なエンジン軸のトルクであり、たとえば、現在の車速およびアクセル開度に応じてあらかじめ設定されたマップによって演算されるものである。つぎに、式(4)で算出したエンジン軸総トルクTe1とエンジン回転数Neとから、あらかじめ設定された燃料消費率マップを用いて、エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbを、下記の式(5)により算出する。
BSFCb[g/kWh]=MAP(Ne[rpm]、Te1 [Nm])…式(5)
式(5)で用いられる燃料消費率マップを図6に示す。すなわち、図6は、実施の形態1および後述の実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、燃料消費率マップの例を示した説明図である。図6に示す燃料消費率マップは、横軸にエンジン回転数Ne、縦軸にエンジン軸総トルクTeをとり、燃料消費率を等高線で示している。図6に示すマップでは、等高線が中心部に存在するほど燃料消費率は小さくなって燃費が良くなり、等高線が外側に存在するほど燃料消費率は大きくなって燃費が悪くなることを示している。この等高線で示される燃料消費率マップは、エンジン101の特性を表しており、あらかじめ実機試験、シミュレーションなどでそのエンジンの特性を計測してマップとして設定されたものである。
つぎに、図3のステップS309では、ステップS308と同じ手順でエンジン回転数Neとエンジン軸総トルクTeとを用いて燃料消費率算出手段206により、現在の運転ポイントにおいてエンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCgを算出する。現在の運転ポイントにおいてエンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCgを求めるのに用いるエンジン軸総トルクTe2は、下記の式(6)で示すように、エンジン発電分トルクTegと車両駆動分トルクTebを足したトルクを用いる。
Te2=Teg+Teb …式(6)
図7は、エンジン発電未実施を想定したときと、エンジン発電の実施を想定したときの、エンジン軸トルクを示す説明図であって、式(4)と式(6)を図で模式的に表したものである。図7に示すように、エンジン発電未実施を想定した場合のエンジン軸総トルクTe1、すなわちエンジン軸総トルクTeは、車両駆動分トルクTebと同じトルクであるのに対し、エンジン発電の実施を想定した場合のエンジン軸総トルクTe2、すなわちエンジン軸総トルクTeは、車両駆動分トルクTebにエンジン発電分トルクTegを加算したものとなる。
図8は、比較例によるハイブリッド車両の制御装置における、燃料消費率マップを示す説明図であって、比較例において、エンジン発電の実施を想定したときの運転ポイントP1における燃料消費率と、エンジン発電未実施を想定したときの運転ポイントP2における燃料消費率と、の違いを示している。図8における縦軸、横軸、等高線は、前述の図6と同様である。図8に示すように、エンジン発電未実施を想定したときの運転ポイントP2における燃料消費率に比べて、エンジン発電の実施を想定したときの運転ポイントP1の燃料消費率は、エンジン発電分トルクTegが加算されてエンジン軸総トルクTeが増大し、その分だけ燃料消費率は大きくなることが分かる。比較例による制御では、このように、エンジン発電を実施する運転ポイントによって、燃料消費率が大きくなってしまう場合があり、その際は燃費が悪化する傾向にあった。
つぎに、図3のステップS309において、式(6)で算出したエンジン軸総トルクTe2とエンジン回転数Neから、下記の式(7)を用いて、エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCgを算出する。
BSFCg[g/kWh]=MAP(Ne[rpm]、Te2 [Nm])…式(7)
ステップS309からステップS310に進むと、ステップS310では、ステップS308で算出したエンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbと、ステップS309で算出したエンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCgと、を用いて、エンジン発電実施判定手段207により、[エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCg<エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCb]を満たすか否かの判定を実施する。ステップS310での判定の結果、[エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCg<エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCb]を満たせば(YES)、エンジン発電の実施条件が成立したとして、エンジン発電実施許可フラグFGenを「1」にセットしてステップS311に進む。
一方、ステップS310での判定において、[エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCg<エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCb]が不成立であれば(NO)、エンジン発電の実施判定が不成立であるとしてエンジン発電実施許可フラグFGenを「0」にセットして、車両駆動分のエンジン軸総トルクTe1をエンジン軸総トルクTeとして車両用ECU114からエンジン用ECU112に出力し、サブルーチンを終了する。
ステップS311では、ステップS310またはステップS307による判定により、エンジン発電実施許可フラグFGenが「1」となっており、エンジン発電分のトルクを含めたエンジン軸総トルクTe2をエンジン軸総トルクTeとして、車両用ECU114からエンジン用ECU112に出力してエンジン101が制御される。さらに、車両用ECU114からMG用ECU113にエンジン発電分トルクTegを出力し、MG用ECU113においてエンジン発電分トルクTegの分の電力を発電するようMG105が制御される。これによりエンジン発電が実施され、バッテリ106が充電される。ステップS311の後、サブルーチンを終了する。
つぎに、以上説明した実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作の例を、タイミングチャートを用いて説明する。図9は、実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。図9において、(A)は車速、(B)はエンジン回転数Ne、(C)はエンジン軸総トルクTe、(D)はSOC推定値SOCe、(E)は燃料消費率、(F)は燃料消費量、(G)は燃費、(H)はエンジン発電領域判定フラグFJde、(I)はエンジン発電実施許可フラグFGen、をそれぞれ示し、横軸は時間を示している。図9における破線は、実施の形態1に対する比較例の動作を示している。
図9に示すように、(A)の車速が加速しているときにMG105の駆動、および補機107の使用があれば、(D)のSOC推定値SOCeが時間の経過とともに次第に低下していき、タイミングT1になると、(D)のSOC推定値SOCeがあらかじめ定められたSOC値KSOCd以下となるので、(H)のエンジン発電領域判定フラグFJdeに「1」がセットされる。比較例による制御では、このタイミングT1で、(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenが破線で示すように「1」となり、エンジン発電が開始されてバッテリ106が充電され、(D)のSOC推定値SOCeがD1で示すように増加する。このときのエンジン発電は、燃料消費率が比較的大きい運転ポイントでのエンジン発電であるので、(F)の燃料消費量がF1で示すように大きくなり、(E)の燃料消費率がE1で示すように悪化し、(G)の燃費がG1で示すように悪化する。このとき、比較例では、(C)のエンジン軸総トルクTeは、C1で示すようにエンジン発電分トルクTegだけ増加している。
一方、実施の形態1の場合では、前述のように、エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率とエンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率を比較して、エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率が小さい(燃費が良い)と判定しているため、タイミングT1で、(D)のSOC推定値SOCeがあらかじめ定められたSOC値KSOCd以下となって(H)のエンジン発電領域判定フラグFJdeに「1」がセットされても、タイミングT1からタイミングT2まではエンジン発電を実施しない。そのため、(D)のSOC推定値SOCeは、補機107の使用により下がり続けていくが、補機107の使用に応じて計算されているバッテリSOC最低残容量SOCMinを下まわっていないため、エンジン発電を実施しなくても問題とならない。
つぎに、タイミングT2になると、実施の形態1では、前述のように、エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率がエンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率よりも小さいと判定され、エンジン発電実施判定が成立となり、(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenに実線で示すように「1」がセットされる。(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenが「1」になることでエンジン発電が開始される。これにより、バッテリ106が充電されて(D)のSOC推定値SOCeがD2で示すように増加していく。なお、この運転ポイントでのエンジン発電は、(E)の燃料消費率においてE2で示すように燃料消費率が小さい運転ポイントでの発電であるのため、(F)の燃料消費量がF2で示すように前述の比較例のF1よりも少なく、(G)の燃費もG2に示すように比較例のG1のように悪化することはない。実施の形態1では、(C)のエンジン軸総トルクTeは、タイミングT2でC2で示すようにエンジン発電分トルクTegだけ増加する。
また、前述のように、SOC推定値SOCeがあらかじめ定められたSOC値KSOCdにヒステリシス分を加算した値に達するまで、エンジン発電を実施する。したがって、比較例では、タイミングT11で、(I)のエンジン発電実施許可フラグが「0」となり、エンジン発電は終了する。一方、実施の形態1では、タイミングT3で、(I)のエンジン発電実施許可フラグが「0」となり、エンジン発電は終了する。
ここで、比較例と、実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置による制御と、におけるエンジン発電時の動作の相違を、燃料消費率マップを用いて説明する。図10は、実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作を燃料消費率マップで示す説明図である。図10は、燃料消費率マップにエンジン動作点を重ねて図示してある。図10の破線で示した比較例の制御では、前述のように、エンジン発電が必要となると直ちにエンジン発電を実施するため、エンジン発電分のトルクが必要となり、実線で示す実施の形態1における運転ポイントAでの燃料消費率よりも大きい燃料消費率となる運転ポイントBでエンジン発電が実施され、燃費が悪化している。
一方、実施の形態1による制御では、エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCgと、エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbとが、[BSFCg<BSFCb]の関係を満たすと判定された場合に、エンジン発電を実施するため、破線で示す比較例における運転ポイントCでの燃料消費率よりも小さい燃料消費率となる運転ポイントDでエンジン発電が実施され、エンジン発電時における燃費が向上することになる。
なお、図9におけるタイミングT2から開始したエンジン発電は、(D)のSOC推定値SOCeがヒステリシス分加算されたKSOCdに到達するタイミングT3まで続けられ、ヒステリシス分加算されたKSOCdに到達すれば、(H)のエンジン発電領域判定フラグFJde、および(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenに「0」がセットされ、エンジン発電が終了する。以上述べたように、バッテリ106のSOCが低下した際に、補機107の使用に応じてエンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域を設け、燃料消費率が小さいときにエンジン発電を実施することで、エンジン発電時における燃費を向上することができる。
なお、図9のタイミングチャートは、補機107の使用量が比較的少なく、また補機107の使用量の変化も小さい場合、つまり、補機消費電流量の補正係数が小さい場合であって、バッテリSOC最低残容量SOCMinが比較的低い値となっている場合のタイミングチャートである。
図11は、実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置の動作の別の例を説明するタイミングチャートであって、補機107の使用量が急に変化した際に、補機消費電流量の補正係数により、バッテリSOC最低残容量SOCMinが高めとなった場合の動作を示している。図11において、(A)は車速、(B)はエンジン回転数Ne、(C)はエンジン軸総トルクTe、(D)はSOC推定値SOCe、(E)は燃料消費率、(F)は燃料消費量、(G)は燃費、(H)はエンジン発電領域判定フラグFJde、(I)はエンジン発電実施許可フラグFGen、をそれぞれ示し、横軸は時間を示している。図11における破線は、実施の形態1に対する比較例の動作を示している。
図11では、図11に示す動作の直前において補機107の使用が急増したため、補正係数αが大きくなり、(D)に記載のバッテリSOC最低残容量SOCMinの値が図9の場合と比べると大きい値となっている。そのため、エンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域が狭くなっている状況にある。
図11に示すように、(A)の車速が加速しているときにMG105の駆動、および補機107の使用があれば、(D)のSOC推定値SOCeが時間の経過とともに次第に低下していき、タイミングT1になると、(D)のSOC推定値SOCeがあらかじめ定められたSOC値KSOCd以下となるので、(H)のエンジン発電領域判定フラグFJdeに「1」がセットされる。比較例による制御では、このタイミングT1で、(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenが破線で示すように「1」となり、エンジン発電が開始されてバッテリ106が充電され、(D)のSOC推定値SOCeがD1で示すように増加する。このときのエンジン発電は、燃料消費率が比較的大きい運転ポイントでのエンジン発電であるので、(F)の燃料消費量がF1で示すように大きくなり、(E)の燃料消費率がE1で示すように悪化し、(G)の燃費がG1で示すように悪化する。この比較例では、(C)のエンジン軸総トルクTeは、C1で示すようにエンジン発電分トルクTegだけ増加する。
これに対して実施の形態1による制御では、タイミングT1からタイミングT21の間では、(H)のエンジン発電領域判定フラグFJdeが「1」となっているが、エンジン発電を実施しないと判定しているので、(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenは「0」であり、実施の形態1の場合はエンジン発電は実施されない。
しかし、タイミングT21になると、(D)のSOC推定値SOCeがバッテリSOC最低残容量SOCMin以下となり(SOCMin≧SOCe)、最低限のバッテリ容量が確保できていない状態となるので、(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenは「1」となり直ちにエンジン発電が実施される。このように補機107の使用が急増した場合は、バッテリ106に確保しておかなければならない最低限の容量も増加させなければならないため、実施の形態1では、補機107の使用が増加することで変化したバッテリSOC最低残容量SOCMinをSOC推定値SOCeが下まわった場合に、直ちにエンジン発電を実施するように制御される。
前述したように、図11に示す動作の直前において補機107の使用が急増したため、補正係数αが大きくなり、バッテリSOC最低残容量SOCMinの値が図9の場合と比べると大きい値となっており、エンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域が狭くなっている状況にあるので、図9に於けるタイミングT2よりも早いタイミングT21でエンジン発電が実施される。
タイミングT21にてエンジン発電が実施されると、バッテリ106が充電されて(D)のSOC推定値SOCeがD2で示すように増加していく。なお、タイミングT2に至るまでは(E)の燃料消費率はE2で示すように一時的に高くなるが、タイミングT2に至ると、E2で示すように燃料消費率が小さい運転ポイントでの発電となり、(F)の燃料消費量も少なくなり、(G)の燃費もG2に示すように比較例のG1のように大きく悪化することはない。実施の形態1では、(C)のエンジン軸総トルクTeは、タイミングT21でC2で示すようにエンジン発電分トルクTegだけ増加する。
また、前述のように、SOC推定値SOCeがあらかじめ定められたSOC値KSOCdにヒステリシス分を加算した値に達するまで、エンジン発電を実施する。したがって、比較例では、タイミングT11で、(I)のエンジン発電実施許可フラグが「0」となり、エンジン発電は終了する。一方、実施の形態1では、タイミングT3で、(I)のエンジン発電実施許可フラグが「0」となり、エンジン発電は終了する。
以上述べたように、実施の形態1によるハイブリッド車両の制御装置によれば、バッテリ106のSOCが低下した際に、補機107の使用およびその変化に応じてエンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域を設け、燃料消費率が小さいときにエンジン発電を実施することで、バッテリ106に最低限確保しておかなければならないSOCを確実に確保しつつ燃費を向上することができる。
実施の形態2.
つぎに、実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置について説明する。以下に説明する実施の形態2では、バッテリのSOCが低下した際に、補機の使用および補機の使用状態の変化に応じて、エンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域を設け、その領域内では補機の使用を抑制した場合のエンジン発電の燃料消費率が小さいと推定されるときにエンジン発電を実施し、且つ補機の抑制も実施するように制御するものである。なお、以下の説明では、実施の形態1と相違する部分を主体に説明する。
図12は、実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置を示すブロック図であって、車両用ECU114(図1参照)に記憶されている。車両用ECU114に記憶されたハイブリッド車両の制御装置1000は、エンジン101によるMG105の発電を適切なタイミングで制御するように構成されており、補機電力消費算出手段201、補機消費電流量補正係数算出手段202、SOC最低残容量算出手段203、SOC推定値算出手段204、エンジン発電領域判定手段205、燃料消費率算出手段206、エンジン発電実施判定手段207、エンジン発電実施手段208、補機電力抑制分トルク算出手段209、補機抑制実施手段210を備え、これらの手段を構成するプログラムおよび固定値データが、ROMに記憶されている。また、イグニッションスイッチがオフされる直前のバッテリSOCの値として初期バッテリSOC値KSOCi、イグニッションスイッチがオフされる直前の補機消費電流量HwがバックアップRAMに記憶されている。
補機電力抑制分トルク算出手段209は、補機電力消費算出手段201で算出した補機消費電流量Hw[Ah]を用いて、補機電力抑制分トルクTehを算出する。具体的な算出方法は、後述する図13のフロー図において説明する。補機抑制実施手段210では、エンジン発電実施判定手段207で判定された結果に応じて、補機抑制を実施する。その他の手段については、図2で説明したとおりである。
図13は、実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置の動作を示すフローチャートであって、図1のように構成されたハイブリッド車両に対する図12に示す制御装置1000の制御を示している。図13において、ステップS400からステップS410は、前述の図3におけるステップS300からステップS310にそれぞれ対応し、その対応する図3のステップでの制御と同一であるので、説明は省略する。
ステップS410において判定の結果、[エンジン発電の実施を想定したときの燃料消費率BSFCg<エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCb]を満たさず、エンジン発電の実施判定が不成立となった場合(NO)は、ステップS411に進み、ステップS402で算出した補機消費電流量Hw[Ah]を用いて、補機電力抑制分トルク算出手段209により補機電力抑制分トルクTehを算出する。
図14は、実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置における、補機消費電流量と補機電力抑制分トルクの関係を示す説明図である。ステップS411において、補機電力抑制分トルク算出手段209は、図14に示す特性に基づいて、補機消費電流量Hw[Ah]に応じて、補機電力抑制分トルクTehを算出する。図14で示すように、補機消費電流量Hw[Ah]が大きくなるほど補機電力抑制分トルクTehは小さくなる。
なお、実施の形態2では、補機消費電流量Hw[Ah]に応じて、補機電力抑制分トルクTehを算出しているが、これに限られるものではなく、燃料消費率マップから逆算して、燃料消費率が常に小さい運転ポイントを取るように補機電力抑制分トルクTehを算出するなどの別の方法により算出してもよい。
つぎに、図13のステップS412では、エンジン回転数Neとエンジン軸総トルクTeとを用いて、燃料消費率算出手段206により、現在の運転ポイントにおいてエンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電すると想定したときの燃料消費率BSFChを算出する。エンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電を実施すると想定したときの燃料消費率BSFChを求める際のエンジン軸総トルクTe3は、下記の式(8)で示すように、エンジン発電分トルクTegと車両駆動分トルクTebを加算したトルクに対し、ステップS411で算出した補機電力抑制分トルクTehを減算したトルクがエンジン軸総トルクTe3となる。
Te3=Teg+Teb-Teh …式(8)
式(8)で算出したエンジン軸総トルクTe3と、エンジン回転数Neから下記の式(9)を用いて、エンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電を実施すると想定したときの燃料消費率BSFChを算出する。
BSFCh[g/kWh]=MAP(Ne[rpm]、Te3 [Nm]) …式(9)
つぎに、ステップS413では、ステップS408で算出したエンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCbと、ステップS412で算出したエンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電を実施すると想定したときの燃料消費率BSFChと、を用いて、エンジン発電実施判定手段207により、[エンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電を実施すると想定したときの燃料消費率BSFCh<エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCb]が成立するか否かの判定を行う。
ステップS413での判定の結果、[BSFCh<BSFCb]が成立した場合に(YES)、補機抑制エンジン発電の実施判定が成立したとして、補機抑制エンジン発電実施許可フラグFGenhと、エンジン発電実施許可フラグFGenとに「1」がセットされ、ステップS414に進む。一方、ステップS413での判定の結果、[BSFCh<BSFCb]が不成立である場合は(NO)、補機抑制エンジン発電の実施判定が不成立であるとして、補機抑制エンジン発電実施許可フラグFGenhとエンジン発電実施許可フラグFGenとに「0」がセットされ、サブルーチンを終了する。
ステップS413からステップS414に進むと、ステップS413では補機抑制エンジン発電実施許可フラグFGenhが「1」となっているので、補機抑制実施手段210により補機消費電力の抑制を行う。抑制する補機消費電力は、ステップS410で算出した補機電力抑制分トルクTehをもとに算出する。なお、実施の形態2では、補機107の消費電力を抑制するようにしているが、補機107の使用を停止させるなどを行なうようにしてもよい。
ステップS415では、ステップS410、ステップS407又はステップS413によりエンジン発電実施許可フラグFGenが「1」となっている場合に、エンジン発電実施手段208によりエンジン発電を実施する。その際、車両用ECU114からエンジン用ECU112にエンジン軸総トルクTeの値を出力し、エンジン用ECU112においてエンジン軸総トルクTeとなるようエンジン101が制御される。
さらに、車両用ECU114からMG用ECU113にエンジン発電分トルクTeg(補機抑制エンジン発電実施許可フラグFGenhが「1」の場合は、[Teg-Teh])の値を出力し、MG用ECU113で要求したエンジン発電分トルクの分の電力を発電するようMG105が制御される。これによりエンジン発電が実施され、バッテリ106が充電される。ステップS415の後、サブルーチンを終了する。
つぎに、以上説明した実施の形態2の場合の動作の例を、タイミングチャートを用いて説明する。図15は、実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置の動作を説明する、タイミングチャートである。図15において、(A)は車速、(B)はエンジン回転数Ne、(C)はエンジン軸総トルクTe、(D)はSOC推定値SOCe、(E)は燃料消費率、(F)は燃料消費量、(G)は燃費、(H)はエンジン発電領域判定フラグFJde、(I)はエンジン発電実施許可フラグFGen、(J)は補機抑制エンジン発電実施許可フラグFGenh、をそれぞれ示し、横軸は時間を示している。図11における破線は、実施の形態1の場合の動作を示している。
図15では、図9と同様に、エンジン発電時領域判定は、図15のタイミングT1のようにSOC推定値SOCeがあらかじめ定められたSOC値KSOCdを下まわったときに開始され、(H)のエンジン発電領域判定フラグFJdeが「1」にセットされる。つぎに、タイミングT2になると、実施の形態2では、前述のように[エンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電すると想定したときの燃料消費率BSFCh<エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCb]が成立すると判定され、(J)の補機抑制エンジン発電実施許可フラグFGenhと、(I)のエンジン発電実施許可フラグFGenとに「1」がセットされ、補機107の動作を抑制した上で、エンジン発電を開始する。
このように実施の形態2では、エンジン発電開始時に補機107の動作を抑制することで、(C)のエンジン軸総トルクTeにC3で示すように、エンジン発電トルクが補機抑制分だけ抑制されてエンジン発電が行なわれる。これに対して前述の実施の形態1の場合では、タイミングT3でエンジン発電が実施され、そのときの(C)のエンジン軸総トルクTeはC4に示すようになり、実施の形態2の場合のC3よりも大きくなる。このように、実施の形態2では、実施の形態1に比べて燃料消費率が小さい運転ポイントでの発電が可能となり、実施の形態1よりも燃料消費量が少なく、エンジン発電時における燃費もさらに向上することができる。
ここで、実施の形態2と、実施の形態2に対する比較例と、のエンジン発電時の動作の違いについて説明する。図16は、実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置の動作を燃料消費率マップで示す説明図である。図16において、縦軸はエンジン軸総トルクTe、横軸はエンジン回転数を示している。図16の破線で示した比較例では、エンジン発電が必要となると直ちにエンジン発電を実施するため、燃料消費率が比較的大きい運転ポイントでエンジン発電が実施され燃費が悪化している。
一方、実施の形態2では、[エンジン発電を想定したときの燃料消費率BSFCg<エンジン発電未実施を想定した時の燃料消費率BSFCb]が不成立の場合で、[エンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電すると想定したときの燃料消費率BSFCh<エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率BSFCb]となったタイミングでエンジン発電トルクを抑制してエンジン発電を行うため、矢印Xで示すように比較例に比べて補機制限分だけトルクを減少してエンジン発電の実施ができ、さらなる燃費向上を図ることができる。なお、図16において、鎖線Yは、実施の形態2による前述のトルク抑制を行なわない場合を示している。
以上述べた実施の形態1および実施の形態2によるハイブリッド車両の制御装置によれば、バッテリのSOCが低下した際に、補機の使用に応じてエンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域を設け、その領域内ではエンジン発電をしても燃料消費率が小さいと推定されるときにのみ、エンジン発電を実施するようにしているので、エンジン発電時における燃費を向上させることができる。また、補機の使用の変化に応じてエンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域を補正することで、バッテリに最低限確保しておかなければならないSOCを確実に確保しつつ燃費を向上することができる。さらに、エンジン発電を実施するか否かを選択できるSOCの領域内では、補機の使用を抑制した場合のエンジン発電の燃料消費率が小さいと推定されるときにエンジン発電を実施し、且つ補機の抑制も実施することで、運転者の補機の使用に大きな影響を与えない中で、エンジン発電の燃料消費率が小さくなる状態を作り出し、燃費を向上させることができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
101 エンジン、102 クランクプーリ、103 プーリ、104 ベルト、105 モータジェネレータ、106 バッテリ、107 補機、108 トランスミッション、109 デファレンシャルギア、110 ドライブシャフト、111 タイヤ、112 エンジン用ECU、113 MG用ECU、114 車両用ECU、115 車速センサ、116 アクセルポジションセンサ、117 ブレーキストロークセンサ、118 バッテリ電流センサ、201 補機電力消費算出手段、202 補機消費電流量補正係数算出手段、203 SOC最低残容量算出手段、204 SOC推定値算出手段、205 エンジン発電領域判定手段、206 燃料消費率算出手段、207 エンジン発電実施判定手段、208 エンジン発電実施手段、209 補機電力抑制分トルク算出手段、210 補機抑制実施手段

Claims (2)

  1. 燃料の燃焼により作動して動力を発生するエンジンと、前記エンジンの動力により駆動されて発電するエンジン発電を実施し得るモータジェネレータと、前記モータジェネレータによって発電された電力を充電するバッテリと、前記バッテリから電力の供給を受けて作動する少なくとも一つの補機と、を備えたハイブリッド車両を制御するように構成されたハイブリッド車両の制御装置であって、
    前記バッテリのSOCを推定するバッテリSOC推定値算出手段と、
    前記エンジンの運転ポイントにおける燃料消費率を算出する燃料消費率算出手段と、
    前記エンジンの作動時における、あらかじめ設定された時間の間に前記補機が使用する電気量の消費量を算出する補機電力消費算出手段と、
    前記補機電力消費算出手段が算出した前記消費量に応じて、前記バッテリの最低SOCを推定するSOC最低残容量算出手段と、
    前記バッテリSOC推定値算出手段により推定した前記バッテリのSOCが、あらかじめ設定された値と、前記SOC最低残容量算出手段により推定した前記バッテリの最低SOCと、の間にあるか否かを判定するエンジン発電領域判定手段と、
    前記エンジン発電領域判定手段による前記判定の結果が肯定であるとき、少なくとも、前記エンジン発電を実施することを想定したときの前記エンジンの燃料消費率と、前記エンジン発電の実施をしないと想定したときの前記エンジンの燃料消費率と、の比較に基づいて、前記エンジン発電を実施するか否かを判定するエンジン発電実施判定手段と、
    を備え、
    前記エンジン発電実施判定手段の前記判定の結果が肯定であるとき、前記エンジン発電を実施するように構成され、
    前記制御装置は、
    前記補機が使用する電気量の消費量に応じて、前記補機が使用する電気量を抑制する分のエンジン発電トルクを算出する補機電力抑制分トルク算出手段、
    を備え、
    前記エンジン発電実施判定手段により、エンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率がエンジン発電実施を想定したときの燃料消費率よりも小さく、且つエンジン発電トルク分を抑制してエンジン発電すると想定したときの燃料消費率がエンジン発電未実施を想定したときの燃料消費率よりも小さい、と判定した場合に、前記エンジン発電を実施し、且つ前記補機が使用する電気量を抑制するように構成されている、
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記補機が使用する電気量の消費量が変化したことを検出し、前記検出した消費量の変化に応じて、前記SOC最低残容量算出手段により推定した前記バッテリの最低SOCを補正する補正係数を算出する補機消費電流量補正係数算出手段、
    を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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