JP7116304B2 - 電子制御装置および電子制御用半導体集積回路装置並びにガスコンロ - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、2つの安全制御部同士が相互に異常を監視し合い、異常を検出した場合には、電磁弁への電源供給を遮断する安全回路を設けるようにした発明が記載されている。
特許文献1に記載されている発明は、電子制御システムにおいてマイクロコンピュータの暴走による制御装置の誤動作を防止するには有効である。一方、ガスコンロの電子制御装置は、マイクロコンピュータと、炎や温度を検出するセンサの信号を扱うアナログ・フロント・エンドICとから構成されることがある。そのような場合、アナログ・フロント・エンドICの暴走によって制御装置が誤動作を起こすおそれがあるので、アナログ・フロント・エンドICの動作を監視して暴走を防止する必要がある。
水晶振動子のような発振子は、インピーダンスが高く、そのため、発振子を接続した外部端子にノイズが飛び込み易く、その外部端子に飛び込んだノイズによってウォッチドッグの機能が損なわれるおそれがある。特に、ガスコンロの電子制御装置においては、イグナイタによる放電の際に比較的大きな電磁ノイズが発生するため、発振子を接続した外部端子に電磁ノイズが飛び込んでウォッチドッグ機能が損なわれるおそれが高くなるという課題があることが分かった。
この発明の他の目的は、電磁ノイズに強いウォッチドッグ機能を備えた電子制御装置およびそれを構成する電子制御用IC並びにガスコンロを提供することにある。
前記複数個の半導体集積回路装置のそれぞれは、所定周波数のクロック信号を出力する機能および他の半導体集積回路装置から入力される前記クロック信号の周波数もしくは周期を判定する機能を有し、
前記複数個の半導体集積回路装置は、他の半導体集積回路装置から入力される前記クロック信号を相互に監視するように構成され、
前記複数個の半導体集積回路装置のうち一つはマイクロコンピュータであり、当該マイクロコンピュータから出力される所定周波数のクロック信号はウォッチドッグ機能により生成され、
前記マイクロコンピュータを除く半導体集積回路装置は、所定周波数のクロック信号を生成する発振回路を備え、当該発振回路により生成された発振信号に基づくクロック信号を異常監視用のクロック信号として出力するように構成されているように構成したものである。
上記のような構成によれば、クロック信号を相互に監視し合う構成であるので、いずれか1つの半導体集積回路装置が暴走した場合にそれを検出することができる。
発振子を使用せずに所定周波数のクロック信号を生成する発振回路と、他の半導体集積回路装置から入力されるクロック信号の数を計数可能なカウンタ回路と、当該カウンタ回路により計数された値と所定の判定値とを比較する比較回路とを備え、
前記カウンタ回路は前記発振回路により生成されたクロック信号に基づいて計数動作され、当該カウンタ回路により計数された値が前記所定の判定値を超えた場合に異常信号を出力するように構成する。
前記異常信号および前記マイクロコンピュータのウォッチドッグ機能により検出され生成された異常信号によって前記スイッチ回路が制御され、いずれかの異常信号が出力された場合に前記電磁弁を閉じるように構成したものである。
ガスバーナの近傍に配設された着火手段を制御するための信号を出力する出力端子と、
他の半導体集積回路装置から供給されるクロック信号を受けるための入力端子と、
他の半導体集積回路装置との間でデータの送受信を行う通信回路と、
発振子を使用して前記通信回路の動作に必要なクロック信号を生成する第1の発振回路と、
発振子を使用せずに所定周波数のクロック信号を生成する第2発振回路と、
他の半導体集積回路装置から前記入力端子に入力されたクロック信号の数を計数可能なカウンタ回路と、
前記カウンタ回路により計数された値と所定の判定値とを比較する比較回路と、
を備え、
前記カウンタ回路は前記第2発振回路に生成されたクロック信号に基づいて計数動作され、当該カウンタ回路により計数された値が前記所定の判定値を超えた場合に異常を示す信号を出力するように構成したものである。
図1は、本発明に係るガスコンロ電子制御装置の一実施形態の概略構成を示す。図1において、一点鎖線Aで囲まれた部分がガスコンロ電子制御装置10である。また、一点鎖線Bで囲まれた部分がガスコンロ20であり、図2には主要部品であるコンロバーナ21と、ガス管22の途中に設けられた火力調整用電磁弁23および電磁弁からなるフェイルセーフ用の安全弁24が示されている。
一方、MCU11には、汎用のIOポートGPIOより電磁弁23を作動させる信号を生成し出力する機能が設けられている。
トランジスタ・スイッチ回路16は、直列形態に接続された2個のPNPバイポーラ・トランジスタTR1,TR2と各々のベースに接続された抵抗Rb1,Rb2とエミッタ・ベース間に接続された抵抗Re1,Re2とを備えており、トランジスタTR1のエミッタ端子が電源電圧端子VCCに接続されている。
図2に示されているように、AFE-IC12は、電源電圧端子VCCに印加されている電池電圧の低下を検知する電源電圧検知回路31と、イグニッションスイッチ28からの信号を受けるイグニッションスイッチ入力回路32と、サーミスタ26を活性化させるバイアス電圧及び内部回路用電源電圧を生成して出力するレギュレータ回路33と、電源投入時に内部をリセットするパワーオンリセット信号を生成するパワーオンリセット回路34を備える。
なお、上記発振回路40の発振周波数は例えば数100kHz~数MHzのような高い値に設定されるのに対して、内部発振回路45の発振周波数は例えば数kHz~数10kHzのような低い値に設定される。
図3に示されているように、本実施形態のウォッチドッグ回路46は、内部発振回路45により生成されたクロック信号の立上りもしくは立下りのエッジを検出するエッジ検出回路51と、MCU11から端子WDIへ入力されるウォッチドッグ用クロックWDPのエッジを検出するエッジ検出回路52と、ウォッチドッグ用クロックWDPのエッジ検出回数を計数するW/Dカウンタ回路53と、W/Dカウンタ回路53により計数された値とレジスタ54A,54Bに設定されている判定値(最大値)および判定値(最小値)とを比較する比較回路55A,55Bと、比較回路55A,55Bの出力の論理和をとるORゲート56と、回路の動作を試験するためのテスト用回路57を備える。
また、本実施形態のウォッチドッグ回路46は、発振回路(OSC)40により生成されたクロック信号φcを分周する分周回路58と、分周された信号を異常検出用クロックWCKとして端子CKLOよりチップ外部へ出力するためのバッファ59を備える。この異常検出用クロックWCKをMCU11へ入力してプログラムによって監視させることで、MCU11にAFE-IC12の動作異常を検出させることができる。なお、内部発振回路(内部OSC)45により生成されたクロック信号を異常検出用クロックWCKとしてチップ外部へ出力してように構成しても良い。
イグニッションスイッチ28がオン操作され、マイクロコンピュータ(MCU)11にイグニッションスイッチ28のオン信号が入力されると図4に示す点火スイッチ処理が開始され、先ずMCU11からAFE-IC12へ初期設定を指令する設定指令(コマンドコード)が送信され、AFE-IC12によって初期設定処理が実行される(ステップS11,S21)。なお、この初期設定処理の具体的な内容については、図4を用いて詳しく説明する。
続いて、熱電対25の起電力を読み込んで炎を検出したか判定する(ステップS25)。そして、炎を検出した場合には着火に成功したと判断してイグナイタ27の放電を停止し(ステップS26)、炎を検出しなかった場合には安全弁24を遮断する異常処理(ステップS30)を実行する。
図5に示すように、初期設定処理が開始されると、先ずMCU11は汎用ポート(入出力ポート)の初期設定を行うとともに、AFE-IC12へ、異常監視用クロック出力の有効/無効、割り込み出力の有効/無効、イグナイタ制御出力の有効/無効、ブザー制御出力の有効/無効などAFE-ICの汎用ポートの初期設定を指令する設定指令(コマンドコード)を送信し、AFE-IC12によって受信されポートの設定が行われる(ステップS31,S41)。
その後、MCU11からAFE-IC12へサーミスタスイッチ回路35の初期設定を指令する設定コマンドが送信され、AFE-IC12によって受信され、設定が行われる(ステップS36,S45)。また、MCU11からAFE-IC12へ電源電圧検知回路31の初期設定を指令する設定コマンド、ウォッチドッグ回路46のレジスタ54A,54Bに判定値の設定を指令する設定コマンドが送信され(ステップS37,S38)、AFE-IC12によって受信され、設定が行われる(ステップS46,S47)。
次に、上記実施形態のガスコンロ電子制御装置の変形例について、図6および図7を用いて説明する。このうち、図6は第1の変形例を、図7は第2の変形例を示すもので、同一もしくは相当する部品や回路には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
第1の変形例は、図6に示すように、安全弁24を動作させる直列のトランジスタTR1,TR2からなるスイッチ回路16を使用する代わりに、トランジスタTR1とORゲートG1とによりスイッチ回路16を構成し、ORゲートG1の入力端子へMCU11とAFE-IC12からの信号を入力するように構成したものである。MCU11とAFE-IC12の機能は、図1のものと同じである。
第2の変形例は、図7に示すように、MCU11とAFE-IC12を1つのパッケージPK内に封止して1個の半導体デバイスとして構成したものである。なお、MCU11とAFE-IC12の回路を1つの半導体チップ上に形成して、1個のシステムLSIとして構成するようにしても良い。
この実施形態は、電子制御装置が3個のICで構成されているものに適用したものであり、このような構成の具体例としては、例えばMCU11とAFE-IC12と電源制御IC61とを有する制御装置が考えられる。
このような制御装置においては、図8(A)に示すように、MCU11の2つの汎用I/OポートからウォッチドッグクロックWDP1,WDP2を出力して、AFE-IC12と電源制御IC61へそれぞれ入力してチップ内部のウォッチドッグ回路W/Dで監視するとともに、AFE-IC12と電源制御IC61から異常監視用クロックWCKをそれぞれ出力させてMCU11へ入力して監視する。
また、上記実施形態では、ウォッチドッグ回路46においてMCUからのウォッチドッグ用クロックWDPの周波数に基づいて異常の有無を判定しているが、WDPの周期を計時して周期の長さに基づいて異常の有無を判定するようにしてもよい。
Claims (4)
- 複数個の半導体集積回路装置を備え、制御対象の機器に対する制御信号を生成し出力する電子制御装置であって、
前記複数個の半導体集積回路装置のそれぞれは、所定周波数のクロック信号を出力する機能および他の半導体集積回路装置から入力される前記クロック信号の周波数もしくは周期を判定する機能を有し、
前記複数個の半導体集積回路装置は、他の半導体集積回路装置から入力される前記クロック信号を相互に監視するように構成され 、
前記複数個の半導体集積回路装置のうち一つはマイクロコンピュータであり、当該マイクロコンピュータから出力される所定周波数のクロック信号はウォッチドッグ機能により生成され、
前記マイクロコンピュータを除く半導体集積回路装置は、所定周波数のクロック信号を生成する発振回路を備え、当該発振回路により生成された発振信号に基づくクロック信号を異常監視用のクロック信号として出力するように構成されている ことを特徴とする電子制御装置。 - 前記マイクロコンピュータを除く半導体集積回路装置は、
発振子を使用せずに所定周波数のクロック信号を生成する発振回路と、他の半導体集積回路装置から入力されるクロック信号の数を計数可能なカウンタ回路と、当該カウンタ回路により計数された値と所定の判定値とを比較する比較回路とを備え、
前記カウンタ回路は前記発振回路に生成されたクロック信号に基づいて計数動作され、当該カウンタ回路により計数された値が前記所定の判定値を超えた場合に異常信号を出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。 - 請求項2 に記載の電子制御装置と、ガスバーナと、当該ガスバーナの近傍に配設されてガスを着火させるための着火手段と、前記ガスバーナに接続されたガス管の途中に設けられたガス調整弁および電磁弁と、前記電磁弁への通電をオン、オフするためのスイッチ回路とを備え、
前記異常信号および前記マイクロコンピュータのウォッチドッグ機能により検出され生成された異常信号によって前記スイッチ回路が制御され、いずれかの異常信号が出力された場合に前記電磁弁を閉じるように構成されていることを特徴とするガスコンロ。 - ガスバーナの近傍に配設された着火手段を制御するための信号を出力する出力端子と、
他の半導体集積回路装置から供給されるクロック信号を受けるための入力端子と、
他の半導体集積回路装置との間でデータの送受信を行う通信回路と、
発振子を使用して前記通信回路の動作に必要なクロック信号を生成する第1の発振回路と、
発振子を使用せずに所定周波数のクロック信号を生成する第2発振回路と、
他の半導体集積回路装置から前記入力端子に入力されたクロック信号の数を計数可能なカウンタ回路と、
前記カウンタ回路により計数された値と所定の判定値とを比較する比較回路と、
を備え、
前記カウンタ回路は前記第2発振回路に生成されたクロック信号に基づいて計数動作され、当該カウンタ回路により計数された値が前記所定の判定値を超えた場合に異常を示す信号を出力するように構成されていることを特徴とする電子制御用半導体集積回路装置。
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