JP7115712B2 - 冷媒容器 - Google Patents

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Description

本発明は、カーエアコン等のヒートポンプ式冷凍サイクル(以下、ヒートポンプシステムと称する)に使用される冷媒容器に係り、特に、冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離し、この分離された液相冷媒のみを膨張弁側に導出するレシーバ機能と、前記分離された気相冷媒(オイルを含む)を圧縮機吸入側に導出するアキュームレータ機能を併せ持つ冷媒容器に関する。
カーエアコン等を構成するヒートポンプシステムとして、例えば特許文献1にも所載のように、圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張弁、流路切換弁、開閉弁等に加えて、気液分離を行って液相冷媒のみを膨張弁に導くためのレシーバと、気液分離を行って気相冷媒(オイルを含む)を圧縮機の吸入側に導くためのアキュームレータとを備えたものがある。
このようなレシーバとアキュームレータを備えたヒートポンプシステムでは、システム全体の占有スペースの縮小化、部品点数の削減等が要望されている。
かかる要望に応えるべく、本発明の発明者等は、先に、特許文献2に所載のように、冷媒を一時的に溜めておくことのできるタンクを有し、該タンクの上部に、気液流入口、液相用流出口、及び気相用流出口が設けられ、前記気液流入口から導入された冷媒を液相冷媒と気相冷媒とに分離し、該分離された液相冷媒のみを前記液相用流出口を介して膨張弁側に導出するレシーバ機能と、前記分離された気相冷媒を、前記液相冷媒中に含まれるオイルを伴って前記気相用流出口を介して圧縮機吸入側に導出するアキュームレータ機能とを併せ持つ冷媒容器を提案している。
この提案の冷媒容器は、より具体的には、前記タンクは、前記気液流入口、前記液相用流出口、及び前記気相用流出口が設けられた蓋部材によりその上面開口が気密的に閉塞され、該タンク内における前記蓋部材の下側に前記タンクの内径より小径の笠状ないし逆薄鉢状の気液分離体が配在され、前記蓋部材と前記タンクの底部との間に、その上端が前記気液分離体の下側に開口して前記タンク上部の気相冷媒を前記タンク底部近くまで導くための下送流路部と、該下送流路部からの気相冷媒を前記気相用流出口に導くための、その上部が前記下送流路部の上端より上側に突出した上送内管部と、前記タンク底部付近の液相冷媒を前記液相用流出口に導くための液相用内管部とに区分された気液流出管が配在され、該気液流出管の下端部にストレーナが設けられる。
特開2013-184596号公報 特開2018-105552号公報
上記提案の冷媒容器では、レシーバ機能とアキュームレータ機能を併せ持たせるために本来必要とされるレシーバ用流出管とアキュームレータ用流出管(通常は二重管構造)とを1本の気液流出管に纏めているので、レシーバとアキュームレータにおけるタンク部分、流入口部分、気液分離部分、流出管部分、及びストレーナ部分等を共用化でき、そのため、部品点数の削減、小型化等を図ることができる。
しかしながら、蓋部材に横向きL形の通路部分等を設ける必要があるなど、蓋部材や流出管と流出口との接続部分等が複雑な構造となり、部品コスト、加工組立コストが高くなる嫌いがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、レシーバ機能とアキュームレータ機能を併せ持ち、蓋部材等の構造の簡素化を図れて部品コスト、加工組立コストを低く抑えることのできる合理的な構造の冷媒容器を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明に係る冷媒容器は、基本的には、気液流入口、液相用流出口、及び気相用流出口が設けられた蓋部によりその上面開口が気密的に閉塞された有底筒状のタンクと、該タンク内における前記蓋部の下側に前記気液流入口に対向して配在された気液分離体と、該気液分離体により分離された液相冷媒のみを前記液相用流出口を介して膨張弁側に導出するための、液相冷媒吸出口を有するレシーバ用流出管部と、前記気液分離体により分離された気相冷媒を前記液相冷媒中に含まれるオイルを伴って前記気相用流出口を介して圧縮機吸入側に導出するための、オイル戻し孔を有するアキュームレータ用流出管部と、冷媒中に含まれる異物を捕捉するためのストレーナと、を備える。そして、前記ストレーナは、前記タンクの底部上に載せ置かれる筒状ケース部と、該筒状ケース部の上面開口の一部を覆うバッフル板部と、前記筒状ケース部の上面開口のうちの少なくとも前記バッフル板部で覆われていない部分を覆う網目フィルタと、を有し、前記バッフル板部に、前記レシーバ用流出管部と前記アキュームレータ用流出管部とが並設されていることを特徴としている。
好ましい態様では、前記バッフル板部に、前記レシーバ用流出管部と前記アキュームレータ用流出管部とが間隔をあけて並設される。
他の好ましい態様では、前記液相用流出口及び前記気相用流出口にそれぞれ中間大径部が形成されるとともに、該中間大径部に前記レシーバ用流出管部及び前記アキュームレータ用流出管部の上端部がそれぞれ拡管固定される。
他の好ましい態様では、前記液相用流出口及び気相用流出口に前記レシーバ用流出管部及びアキュームレータ用流出管部の上端部がそれぞれ挿入されるとともに、該挿入された部分の下側部分が前記蓋部にかしめ固定される。
他の好ましい態様では、前記レシーバ用流出管部は、前記液相用流出口にその上端部が挿入された液相用パイプと、該液相用パイプを保持すべく前記バッフル板部に設けられた液相用管保持部とで構成される。
更に好ましい態様では、前記気液分離体に前記液相用パイプの上端部を挿通する通し穴が形成されるとともに、前記液相用パイプの上部に、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部が設けられ、前記気液分離体は、前記蓋部の下面と前記下側係止部とで挟持される。
更に好ましい態様では、前記液相用パイプの上部に、前記下側係止部としての鍔状部又は厚肉部が設けられる。
他の好ましい態様では、前記アキュームレータ用流出管部は、前記気相用流出口にその上端部が挿入されたインナーパイプと該インナーパイプを保持すべく前記バッフル板部に設けられたアウターパイプとからなる二重管で構成される。
他の好ましい態様では、前記アキュームレータ用流出管部は、前記気相用流出口にその上端部が挿入されたインナーパイプと該インナーパイプに一体化されたアウターパイプとからなる二重管と、該二重管を保持すべく前記バッフル板部に設けられた気相用管保持部とで構成される。
更に好ましい態様では、前記気液分離体に前記インナーパイプの上端部を挿通する通し穴が形成されるとともに、前記インナーパイプの上部に、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部が設けられ、前記気液分離体は、前記蓋部の下面と前記下側係止部とで挟持される。
更に好ましい態様では、前記インナーパイプの上部に、前記下側係止部としての鍔状部又は厚肉部が設けられる。
他の好ましい態様では、前記気液分離体は前記蓋部にかしめ固定される。
更に好ましい態様では、前記気液分離体は、前記アキュームレータ用流出管部周り又は前記レシーバ用流出管部周りで前記蓋部にかしめ固定される。
他の好ましい態様では、前記ストレーナの前記筒状ケース部は、前記タンクの底部に圧入気味に内嵌される。
他の好ましい態様では、前記気液分離体に、前記アキュームレータ用流出管部の前記インナーパイプを挿通する通し穴が形成されるとともに、前記アキュームレータ用流出管部における前記インナーパイプと前記アウターパイプとの間に、それらを相互に繋ぐとともに前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部として働く少なくとも一つのリブが設けられる。
別の好ましい態様では、前記レシーバ用流出管部と前記アキュームレータ用流出管部とは、少なくともその上端部が前記下側係止部として働く連結部で一体に繋げられる。
更に好ましい態様では、前記連結部は、その下端部が前記バッフル板部に連設される。
別の好ましい態様では、前記アキュームレータ用流出管部は、前記インナーパイプと該インナーパイプを保持すべく前記バッフル板部に一体に設けられた前記アウターパイプとからなる二重管で構成されており、前記アウターパイプに、前記少なくとも一つのリブが半径方向内方に向けて突設され、該リブのうち前記アウターパイプの上端より上側に延設された延伸部が前記下側係止部とされる。
更に好ましい態様では、前記インナーパイプにおける前記下側係止部より上側に、前記気液分離体をその上側から押圧可能な上側押圧部としての上側鍔状部、大径部、又は厚肉部が設けられ、前記気液分離体は、前記下側係止部と前記上側押圧部とで挟持される。
別の好ましい態様では、前記アキュームレータ用流出管部は、前記インナーパイプと該インナーパイプと一体に設けられた前記アウターパイプとからなる二重管と、該二重管を保持すべく前記バッフル板部に一体に設けられた気相用管保持部とで構成される。
更に好ましい態様では、前記インナーパイプと前記アウターパイプとは、それらの間に設けられた前記少なくとも一つのリブにより一体化されており、前記リブのうち前記アウターパイプの上端より上側に延設された延伸部が前記下側係止部とされる。
更に好ましい態様では、前記気液分離体は、前記下側係止部と前記気液分離体をその上側から押圧可能な上側押圧部としての蓋部の下面とで挟持される。
他の好ましい態様では、前記タンクの内周面と前記ストレーナとの間に形成される隙間を閉塞すべく、前記ストレーナに、前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接する環状シール部材が配設される。
別の好ましい態様では、前記タンクの内周面と前記筒状ケース部との間に形成される隙間を閉塞すべく、前記筒状ケース部に前記環状シール部材が取り付けられる。
更に好ましい態様では、前記環状シール部材は、自然状態では円環板状とされ、前記タンク内挿入時に、その外周部が上側に撓曲され、その撓曲されて形成される筒状撓曲部が前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接するようにされる。
更に好ましい態様では、前記筒状ケース部の外周に、前記環状シール部材の内周部が嵌め込まれて保持される上下の保持板部からなるシール保持部が設けられる。
更に好ましい態様では、前記筒状ケース部の外周に鍔状部が設けられ、前記環状シール部材は、前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接する断面半円状もしくはC字状の環状圧接部と、該環状圧接部の一端部及び他端部に連なって前記鍔状部を挟持する上下一対の挟持部とで構成される。
更に好ましい態様では、前記筒状ケース部の外周に鍔状部が設けられ、前記環状シール部材は、前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接する筒状圧接部と、該筒状圧接部の内周側に連なって前記鍔状部を挟持する上下一対の挟持部とで構成される。
更に好ましい態様では、前記環状シール部材の外周側における上部もしくは上部および下部の両方に、自然状態において半径方向外方に突出し、前記タンク内挿入時に該タンクの内周面に強く押し付けられる環状突部が設けられる。
更に好ましい態様では、前記筒状圧接部の外周側下端角部にR付け又は面取りが施される。
更に好ましい態様では、前記筒状ケース部に、該筒状ケース部の内周側と外周側とで冷媒を流通させるための切欠部が形成される。
別の好ましい態様では、前記タンクの内周面と前記筒状ケース部との間に形成される隙間を閉塞すべく、前記筒状ケース部は、前記バッフル板部に連なるとともに、半径方向及び上下方向に弾性変形可能な断面波形状の環状内周連結部と、該環状内周連結部の外周側に連なるとともに、前記タンクの内周面及び底部に対接してその端面が該タンクの内周面及び底部に常時弾発的に圧接する筒状対接部とを有する前記環状シール部材で構成される。
他の好ましい態様では、前記ストレーナ、前記レシーバ用流出管部の少なくとも一部、及び前記アキュームレータ用流出管部の少なくとも一部は、合成樹脂を素材として一体成形される。
他の好ましい態様では、前記レシーバ用流出管部は、その上端部が前記液相用流出口に挿入された液相用パイプで構成され、前記アキュームレータ用流出管部は、その上端部が前記気相用流出口に挿入されたインナーパイプと該インナーパイプが保持されるアウターパイプとからなる二重管で構成され、前記ストレーナ、前記液相用パイプ、及び前記アウターパイプは、合成樹脂を素材として一体成形される。
更に好ましい態様では、前記液相用パイプと前記アウターパイプとは、連結部で一体に繋げられる。
更に好ましい態様では、前記連結部は、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部とされる。
更に好ましい態様では、前記連結部は、前記ストレーナにも連設される。
更に好ましい態様では、前記気液分離体に前記液相用パイプ及び前記インナーパイプをそれぞれ挿通する通し穴が形成されるとともに、前記液相用パイプ及び前記インナーパイプに、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部が設けられ、前記インナーパイプにおける前記下側係止部より上側に前記気液分離体をその上側から押圧可能な上側押圧部が設けられ、前記気液分離体は、前記下側係止部と前記上側押圧部とで挟持される。
更に好ましい態様では、前記アウターパイプに、少なくとも一つのリブが半径方向内方に向けて突設され、該リブのうち前記アウターパイプの上端より上側に延設された延伸部が前記下側係止部とされる。
更に好ましい態様では、前記インナーパイプに、前記上側押圧部としての上側鍔状部、大径部、又は厚肉部が設けられる。
更に好ましい態様では、前記液相用パイプに、前記下側係止部としての鍔状部、大径部、厚肉部、又はリブが設けられる。
本発明に係る冷媒容器は、レシーバ機能とアキュームレータ機能を併せ持ちながら、レシーバとアキュームレータにおけるタンク部分、流入口部分、気液分離部分、及びストレーナ部分等を共用化できるので、部品点数の少ない合理的な構造とすることができる。
加えて、ストレーナのバッフル板部にレシーバ用流出管部及びアキュームレータ用流出管部が並設されるので、例えば、蓋部には上下方向に貫通する真っ直ぐな液相用流出口と気相用流出口を設ければよく、そのため、前述した従来提案のものに比して、蓋部や流出管と流出口との接続部分等の構造の簡素化が図られる。
さらに、タンクと蓋部との接合(溶接、ろう付け等)以外、すなわち、蓋部、レシーバ用流出管部、アキュームレータ用流出管部、ストレーナ(バッフル板部)、及びタンク間は、加熱を伴わない圧入、拡管、かしめ等で機械的に組み付けられるので、組み立てを容易かつ迅速に行うことができるとともに、レシーバ用流出管部、アキュームレータ用流出管部、及びストレーナ(バッフル板部)の素材として安価な合成樹脂材料をこれまでよりも多く使用することができる。
また、ストレーナの筒状ケース部は、タンク内に圧入気味に挿入(内嵌)されてその底部上に載せ置かれるので、別途に固定手段を必要とすることなくストレーナ及びそれに設けられたレシーバ用流出管部及びアキュームレータ用流出管部を確実に安定して保持できる。
そのため、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることができ、その結果、システム全体の占有スペースの縮小化、部品点数の削減、コスト低減、小型化等を効果的に図ることができる。
さらに、本発明の冷媒容器では、流出管の一部を薄肉とした下側係止部で気液分離体をその下側で係止して支持するのではなく、アキュームレータ用流出管部を、インナーパイプとアウターパイプとからなる二重管とし、気液分離体を、インナーパイプとアウターパイプとの間にそれらを相互に繋ぐように設けられたリブからなる下側係止部でその下側で係止して支持するようにされる。この場合、下側係止部としてのリブは、バッフル板部に一体に設けられるか又はそれに圧入されて保持される流出管部分に設けられ、バッフル板部はタンクに実質的に固定(タンク内に圧入気味に内嵌)されたストレーナに設けられる。そのため、気液流入口からタンク内に噴出された気液混在状態の冷媒によって気液分離体が下向きに押されても、該押圧力は流出管部分を介してストレーナ(バッフル板部)で受け止められるので、気液分離体が押し下げられることはない。
これにより、下側係止部が流出管の一部を薄肉とすることにより形成されているだけの従来の冷媒容器に比して、本発明の冷媒容器は、気液分離体の保持力(特に下側からの支持力)が強くなって安定性が増し、気液分離体のガタつきや傾きが抑えられ、所要の気液分離性能を得ることができる。
さらに、本発明に係る冷媒容器は、タンクの内周面とストレーナ(筒状ケース部)との間に形成される隙間を閉塞すべく、ストレーナ(筒状ケース部)に、タンクの内周面に常時弾発的に圧接する環状シール部材が配設されているので、タンクとストレーナの熱膨縮量が大きく相違しても、該熱膨縮量の相違は環状シール部材の弾性変形により吸収される。そのため、異物を含んだ冷媒が網目フィルタを通ることなくストレーナ内に侵入したり、あるいは、ストレーナが破損したりすることを防止することができる。
また、上記のように、異物を含んだ冷媒が網目フィルタを通ることなくストレーナ(筒状ケース部)内に侵入することを防止できることにより、循環冷媒中の異物量を低減できる。そのため、システムを構成する機器類(圧縮機、四方切換弁、膨張弁等)における摺動部間に形成される隙間やオリフィス(小孔)等の異物による詰まりなどを防止でき、それによって、作動不良、故障等の発生を低減することができる。
さらに、ストレーナ、レシーバ用流出管部の少なくとも一部、及びアキュームレータ用流出管部の少なくとも一部、例えば、ストレーナを構成する筒状ケース部、バッフル板部、レシーバ用流出管部を構成する液相用パイプ、及びアキュームレータ用流出管部を構成するアウターパイプは、合成樹脂を素材として一体成形されるので、構造の一層の簡素化を図れるとともに、所要の剛性、耐熱性等を確保しながら、低コストで作製できる合成樹脂部分を増やすことかできる。そのため、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることのできる合理的な構造の冷媒容器を提供することができる。その結果、システム全体の占有スペースの縮小化、部品点数の削減、コスト低減、小型化等を効果的に図ることができる。
本発明に係る冷媒容器の第1実施形態を示す縦断面図。 図1に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図。 図2におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図。 図1に示される、液相用管保持部とアウターパイプが一体に設けられたストレーナの縦断面図。 図1のA-A矢視線に従う断面図。 本発明に係る冷媒容器の第2実施形態を示す縦断面図。 図6に示される、液相用管保持部と気相用管保持部が一体に設けられたストレーナの縦断面図。 図6のB-B矢視線に従う断面図。 本発明に係る冷媒容器の第3実施形態を示す縦断面図。 図9に示される冷媒容器の組立工程(かしめ工程)の説明に供される、組付固定前(かしめ固定前)の状態を示す図。 図9に示される冷媒容器の組立工程(かしめ工程)の説明に供される、組付固定後(かしめ固定後)の状態を示す図。 本発明に係る冷媒容器の第4実施形態を示す縦断面図。 本発明に係る冷媒容器の第5実施形態を示す縦断面図。 図12に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図。 図13におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図。 図12のストレーナ部分を、それに一体に設けられたアウターパイプ、液相用パイプ、気液分離体と共に示す縦断面図。 図12のA-A矢視線に従う断面図。 本発明に係る冷媒容器の第6実施形態を示す縦断面図。 図17のストレーナ部分を、それに一体に設けられた液相用パイプ、アウターパイプと共に示す縦断面図。 図17のB-B矢視線に従う断面図。 本発明に係る冷媒容器の第7実施形態を示す縦断面図。 図20のC-C矢視線に従う断面図。 本発明に係る冷媒容器の第8実施形態を示す縦断面図。 本発明に係る冷媒容器の第9実施形態を示す縦断面図。 図23に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図。 図24におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図。 図23のA-A矢視線に従う断面図。 図23のJ1で示される部位の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図23のJ1で示される部位の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 本発明に係る冷媒容器の第10実施形態を示す縦断面図。 図28のB-B矢視線に従う断面図。 図28のJ2で示される部位の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図28のJ2で示される部位の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 図28のJ2で示される部位の変形例(その1)の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図28のJ2で示される部位の変形例(その1)の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 図28のJ2で示される部位の変形例(その2)の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図28のJ2で示される部位の変形例(その2)の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 図28のJ2で示される部位の変形例(その2)の、取り外し状態を示す部分拡大図。 本発明に係る冷媒容器の第11実施形態を示す縦断面図。 図33のC-C矢視線に従う断面図。 図33のJ3で示される部位の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図33のJ3で示される部位の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 図33のJ3で示される部位の変形例(その1)の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図33のJ3で示される部位の変形例(その1)の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 図33のJ3で示される部位の変形例(その2)の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図33のJ3で示される部位の変形例(その2)の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 図33のJ3で示される部位の変形例(その3)の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図33のJ3で示される部位の変形例(その3)の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 本発明に係る冷媒容器の第12実施形態を示す縦断面図。 図39のD-D矢視線に従う断面図。 図39のJ4で示される部位の、タンク内挿入前の自然状態を示す部分拡大図。 図39のJ4で示される部位の、タンク内挿入状態を示す部分拡大図。 本発明に係る冷媒容器の第13実施形態を示す縦断面図。 図42に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図。 図43におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図。 図42のストレーナ部分を、それに一体に設けられた液相用パイプ及びアウターパイプと共に示す縦断面図。 図42のA-A矢視線に従う断面図。 図42に示される冷媒容器のアキュームレータ用流出管部の他例を示す、図42のA-A矢視線に従う断面図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。以下では、実施形態が有する作用効果ごとに実施形態を分けて説明する。
<第1~第4実施形態>
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る冷媒容器の第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図、図3は、図2におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図である。また、図4は、図1に示される、液相用管保持部51とアウターパイプ32が一体に設けられたストレーナ40の縦断面図、図5は、図1のA-A矢視線に従う断面図である。
図示第1実施形態の冷媒容器1は、例えば電気自動車用カーエアコンを構成するヒートポンプシステムに用いられるもので、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製の有底円筒状のタンク10を有する。このタンク10の上面開口は、同じ金属製の蓋部材(蓋部)12により気密的に閉塞されている。なお、本実施形態の冷媒容器1(タンク10)は、図示のように縦置き、つまり、蓋部材12を上(天)側、タンク10の底部13を下(地)側にして設置される。
蓋部材12には、いずれも該蓋部材12を貫通してその上下に開口する、気液流入口15と、中間大径部16bを有する段付き小径の液相用流出口16と、中間大径部17bを有する段付き大径の気相用流出口17と、が設けられている。なお、蓋部材12には、その上側に導管接続アダプタ等が取り付けられるが、該導管接続アダプタ等やそれらをねじ止めするためのめねじ部等は図示が省略されている。
蓋部材12の下側には、気液流入口15に対向するように、タンク10の内径より小径の笠状ないし逆薄鉢状の気液分離体18が配在されている。また、液相用流出口16の下部には、気液分離体18により分離された液相冷媒のみを当該液相用流出口16を介して膨張弁側に導出するためのレシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)の上端部が連結されている。また、気相用流出口17の下部には、気液分離体18により分離された気相冷媒を、液相冷媒中に含まれるオイルを伴って当該気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に導出するための、インナーパイプ31とアウターパイプ32とからなる二重管構造のアキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)の上端部が連結されている(各部材については、後で詳述)。
前記タンク10の底部13には、冷媒中に含まれる異物を捕捉するためのストレーナ40が配在されている。ストレーナ40は、タンク10内に圧入気味に挿入(内嵌)されてその底部(底面)13上に載せ置かれる短円筒状の筒状ケース部42と、該筒状ケース部42の上面開口の一部を覆うようにその上端部に一体に設けられた側面視平板状で、平面視(図5)が横橋架部43aと縦橋架部43bとを有する十字架状のバッフル板部43と、を有する。筒状ケース部42の上端面と横橋架部43a及び縦橋架部43bの上面中央部分とには、補強用のリブ状凸部43fが設けられている。
そして、本実施形態では、図1に加えて図4、図5を参照すればよくわかるように、バッフル板部43における横橋架部43aの左端付近に、レシーバ用流出管部20を構成するアルミ合金等の金属製の液相用パイプ21の下端部が圧入固定される小径短円筒状の液相用管保持部51が一体に設けられている。バッフル板部43(の横橋架部43a)における液相用管保持部51の底部に当たる部位には、液相用管保持部51の内径より若干小径の液相冷媒吸出口25が形成されている。
また、バッフル板部43における中心よりやや右寄りの、横橋架部43aと縦橋架部43bとが交わる部位に、アキュームレータ用流出管部30を構成するアウターパイプ32が一体に垂設されている。バッフル板部43におけるアウターパイプ32が設けられている部位(アウターパイプ32の底部に当たる部位)の中央には、オイル戻し孔35が形成されている。オイル戻し孔35の孔径は例えば1mm前後に設定されている。
さらに、前記筒状ケース部42の上面開口全体を覆うようにバッフル板部43の下面側に円形状の網目フィルタ45が一体に設けられている。網目フィルタ45は、例えば、金網や合成樹脂製のメッシュ材等から作製される。これにより、図5を参照すればよくわかるように、筒状ケース部42の上面開口のうちのバッフル板部43で覆われていない、筒状ケース部42と横橋架部43aと縦橋架部43bとで画成される大小一対ずつの羽根形の4つの窓部44a、44a、44b、44bに網目フィルタ45が張られていることになる。ストレーナ40の筒状ケース部42は、その外周がタンク10の内壁に当接しながらタンク10内に圧入気味に挿入されてその底部13上に載せ置かれているので、タンク10の上部から底部13側へ流下する液相冷媒は全て網目フィルタ45を通る。そのため、網目フィルタ45を介して筒状ケース部42内に流入する液相冷媒中の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。
なお、本例では、前記4つの窓部44a、44a、44b、44bに網目フィルタ45が張られているが、液相冷媒吸出口25やオイル戻し孔35にも網目フィルタ45を貼付してもよい。
なお、網目フィルタ45は、上記のように筒状ケース部42の上面開口全体を覆う必要はなく、筒状ケース部42の上面開口のうちの少なくとも前記バッフル板部43で覆われていない部分を覆うものであればよい。
ここで、前記した筒状ケース部42、バッフル板部43、液相用管保持部51、及びアウターパイプ32は、合成樹脂を素材として一体成形されており、この一体成形時に網目フィルタ45も例えばインサート物として一体化されている。
なお、本実施形態では、タンク10の内径が60~90mmとされ、筒状ケース部42(バッフル板部43)の直径はタンク10の内径と略同じで、バッフル板部43の板厚は約1~2mmとされ、タンク10の底面からバッフル板部43(の下面)までの高さH(図1)は5~10mmに設定されている。
前記バッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32の下部内周には、長手方向(上下方向)に沿い、かつ、等角度間隔で複数枚(図示例では4枚)の板状リブ36が半径方向内方に向けて突設されている。各板状リブ36は、下端部36mよりその上側部分の方は幅(半径方向の幅であって内方への突出量)が若干狭くされており、この幅狭部36nの内周側に、アルミ合金等の金属製のインナーパイプ31(の下部)が圧入気味に、その下端が板状リブ36の下端部36mの上端(幅狭部36nとの段差部分)に係止されるまで内挿されている。ここでは、インナーパイプ31を圧入しやすくするため、板状リブ36の高さ(上下方向の長さ)は、アウターパイプ32の高さの1/3ないし1/2程度とされている。インナーパイプ31の上部は、アウターパイプ32の上端より上方に突出せしめられている。なお、本例では、板状リブ36がアウターパイプ32側に設けられているが、インナーパイプ31側又はその両方に設けてもよい。また、板状リブ36の個数は、一つ以上であれば、図示例に限られないことは勿論である。インナーパイプ31における気液分離体18付近の高さ位置には、システムの運転停止(ON→OFF)時の圧縮機側への液バックを防止するための均圧孔31fが設けられている。
また、前記バッフル板部43に一体に設けられた液相用管保持部51には、レシーバ用流出管部20を構成するアルミ合金等の金属製の液相用パイプ21(の下端部)が(バッフル板部43に当接するまで)圧入保持されている。
前記液相用流出口16の中間大径部16bには、レシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)の上端部(拡管部)21aが拡管固定されている。気相用流出口17の中間大径部17bには、アキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)の上端部(拡管部)31aが拡管固定されている。
前記気液分離体18は、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製とされ、円板状の天井部18aと天井部18aの外周から下向きに連なる円筒状の周壁部18bとを有する。前記気液分離体18は、アキュームレータ用流出管部30におけるアウターパイプ32の上端開口(アウターパイプ32とインナーパイプ31との間の空間であって、後述する下送流路部33の上部)を覆うように(アウターパイプ32の上端が天井部18aと周壁部18bの下端との間に位置するように)、蓋部材12における気液流入口15の下端面から所定距離下側に配置されている(図3参照)。
また、気液分離体18の天井部18aには、拡管前のストレート形状の液相用パイプ21の上端部及びインナーパイプ31の上端部をそれぞれ若干きつめに挿通する通し穴18u、18vが(横並びで)形成されている。
それに対し、液相用パイプ21及びインナーパイプ31の上部には、気液分離体18(における通し穴18u、18vの周縁部)をその下側で係止する下側係止部として、バルジ成形等により圧縮曲げ加工された鍔状部21k、31kが設けられている。そして、気液分離体18は、蓋部材12(詳しくは、蓋部材12の下面における、液相用流出口16、気相用流出口17の周囲から突設された厚肉円筒状の下凸部12d、12e)の下面と鍔状部21k、31kとで挟持されている。なお、液相用パイプ21の鍔状部21kとインナーパイプ31の鍔状部31kとは、タンク10の底部13から同一高さに位置しており、したがって、気液分離体18(の天井部18a)は水平に保持されている。
なお、本例では、前記下側係止部として、鍔状部21k、31kを用いているが、例えば、液相用パイプ21、インナーパイプ31の一部(気液分離体18よりも下側部分)を気液分離体18の通し穴18u、18vを通過する上端部よりも厚肉に形成した厚肉部を採用し、前記気液分離体18を、蓋部材12の下面と厚肉部とで挟持するようにしてもよい。
なお、図示はされていないが、通常は、乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32に巻き付ける等してタンク10内に配置する。乾燥剤入りバッグ等については、必要なら、特許文献2等を参照されたい。
このような構成の冷媒容器1の組み立ては、例えば、以下のように行うことができる。
(1)まず、鍔状部21kからなる下側係止部が設けられた液相用パイプ21をストレーナ40(のバッフル板部43)に設けられた液相用管保持部51に圧入するとともに、鍔状部31kからなる下側係止部が設けられたインナーパイプ31を同じくストレーナ40(のバッフル板部43)に設けられたアウターパイプ32(の板状リブ36の内周側)に圧入する。
(2)次に、気液分離体18に形成されている通し穴18u、18vに拡管前の液相用パイプ21の上端部及びインナーパイプ31の上端部をそれぞれ挿通させて鍔状部21k、31kからなる下側係止部上に気液分離体18を載せ置く。
(3)次いで、液相用パイプ21の上端部及びインナーパイプ31の上端部をそれぞれ蓋部材12の液相用流出口16及び気相用流出口17に挿入して蓋部材12を気液分離体18上に載せ置く。
(4)続いて、液相用流出口16の中間大径部16bに液相用パイプ21の上端部21aを拡管固定し、気相用流出口17の中間大径部17bにインナーパイプ31の上端部31aを拡管固定する。これにより、液相用パイプ21及びインナーパイプ31と蓋部材12とが一体に連結されるとともに、気液分離体18は、蓋部材12(の下凸部12d、12e)の下面と鍔状部21k、31kとで挟圧保持される。
(5)そして、ストレーナ40、液相用パイプ21、インナーパイプ31、気液分離体18、蓋部材12からなる組立体を得、該組立体の内装部材60(蓋部材12以外の又は蓋部材12より下側の部分)(図1)にタンク10を(下側から)外装し、ストレーナ40をタンク10内に圧入気味に押し込んでその底部13上に載せ置く。
(6)最後に、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合する。これにより、タンク10内が気密的に封止される。
このような構成とされた冷媒容器1の冷房運転時と暖房運転時の動作を説明する。
冷房運転時及び暖房運転時のいずれも、凝縮器から気液流入口15を介してタンク10内に導入された気液混在状態の冷媒は、図3に示される如くに、気液分離体18(の天井部18a)に衝突して放射状に拡散されて液相冷媒と気相冷媒とに分離される。液相冷媒(オイルを含む)はタンク10の内周面を伝うように流下してタンク10の下部空間に導かれるとともに、気相冷媒はタンク10の上部空間に導かれる。
冷房運転時には、例えば、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が操作されて(特許文献2参照)、タンク10の下部空間に導かれる液相冷媒は、ストレーナ40の網目フィルタ45を通過して筒状ケース部42内に溜まる。網目フィルタ45を通過する際には液相冷媒中のスラッジ等の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。筒状ケース部42内に溜まる液相冷媒は、液相冷媒吸出口25から液相用パイプ21に吸い出されて液相用流出口16を介して膨張弁に導かれる。
したがって、この冷房運転時には、本実施形態の冷媒容器1はレシーバ(レシーバドライヤーともいう)として機能する。
それに対し、暖房運転時には、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が切換操作されて(特許文献2参照)、気液分離体18により分離された気相冷媒は、タンク10の上部空間→アウターパイプ32とインナーパイプ31との間の空間(下送流路部33)→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入されて循環せしめられる。
この暖房運転時には、筒状ケース部42内に溜まった液相冷媒は、圧力差の関係で膨張弁へはほとんど流れない。
また、液相冷媒と共に筒状ケース部42内に溜まるオイルは、液相冷媒との比重や性状の相違等によりタンク10の底部13側に移動していき、前記した下送流路部33→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入される気相冷媒に吸引されて、バッフル板部43におけるアウターパイプ32の底部に相当する部分に設けられたオイル戻し孔35→インナーパイプ31を通って気相冷媒と共に圧縮機吸入側に戻されて循環せしめられる。
したがって、この暖房運転時には、本実施形態の冷媒容器1はアキュームレータとして機能する。
上記のように、本実施形態の冷媒容器1は、レシーバ機能とアキュームレータ機能を併せ持ちながら、レシーバとアキュームレータにおけるタンク部分(タンク10)、流入口部分(気液流入口15)、気液分離部分(気液分離体18)、及びストレーナ部分(ストレーナ40)を共用化しているので、部品点数の少ない合理的な構造とすることができる。
加えて、ストレーナ40のバッフル板部43にレシーバ用流出管部20の液相用管保持部51及びアキュームレータ用流出管部30のアウターパイプ32が(間隔をあけて)並設され、液相用管保持部51には液相用パイプ21が圧入保持され、アウターパイプ32にはインナーパイプ31が圧入保持されるので、例えば、蓋部材12には上下方向に貫通する真っ直ぐな液相用流出口16と気相用流出口17を設ければよく、そのため、前述した従来提案のものに比して、蓋部材12やレシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)と液相用流出口16との接続部分等の構造の簡素化が図られる。
さらに、タンク10と蓋部材12との接合(溶接、ろう付け等)以外、すなわち、蓋部材12、レシーバ用流出管部20、アキュームレータ用流出管部30、ストレーナ40(バッフル板部43)、及びタンク10間は、加熱を伴わない圧入、拡管、かしめ等で機械的に組み付けられるので、組み立てを容易かつ迅速に行うことができるとともに、レシーバ用流出管部20、アキュームレータ用流出管部30、及びストレーナ40(バッフル板部43)の素材として安価な合成樹脂材料をこれまでよりも多く使用することができる。
特に、ストレーナ40の筒状ケース部42は、タンク10内に圧入気味に挿入(内嵌)されてその底部13上に載せ置かれるので、別途に固定手段を必要とすることなくストレーナ40及びそれに設けられたレシーバ用流出管部20及びアキュームレータ用流出管部30を確実に安定して保持できる。
そのため、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることができ、その結果、システム全体の占有スペースの縮小化、部品点数の削減、コスト低減、小型化等を効果的に図ることができる。
なお、試作実験等により、タンク10の内径が60~90mmで、バッフル板部43のタンク10の底面13からの高さHを5~10mmに設定した場合、気液分離性能、圧縮機へのオイル戻り性能を、現状品と同等に確保できることが確認されている。
[第2実施形態]
図6は、本発明に係る冷媒容器の第2実施形態を示す縦断面図、図7は、図6に示される、液相用管保持部51と気相用管保持部52が一体に設けられたストレーナ40'の縦断面図、図8は、図6のB-B矢視線に従う断面図である。
図示第2実施形態の冷媒容器2が、前述した第1実施形態の冷媒容器1と相違するのは、アキュームレータ用流出管部30'に関連する部位だけで、他のレシーバ用流出管部20に関連する部位等は第1実施形態の冷媒容器1と同じ構成である。したがって、第1実施形態の冷媒容器1の各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
すなわち、本実施形態の冷媒容器2では、ストレーナ40'のバッフル板部43には、第1実施形態の冷媒容器1におけるアウターパイプ32に代えて、大径短円筒状の気相用管保持部52が一体に設けられている。この気相用管保持部52には、インナーパイプ31'とアウターパイプ32'とからなる二重管30Aのアウターパイプ32'の下部が(バッフル板部43に当接するまで)圧入されている。また、バッフル板部43における気相用管保持部52の底部に当たる部位の中央に、オイル戻し孔35が形成されている。したがって、本実施形態では、アキュームレータ用流出管部30'は、気相用管保持部52と二重管30Aとで構成されている。アキュームレータ用流出管部30'におけるインナーパイプ31'の上部はアウターパイプ32'の上端より上方に突出せしめられており、インナーパイプ31'の上端部31aは、第1実施形態と同様に気相用流出口17の中間大径部17bに拡管固定されている。
本実施形態の二重管30Aは、例えばアルミ合金等の金属を素材として押し出し加工により一体成形されたもので、該二重管30Aにおけるインナーパイプ31'とアウターパイプ32'とは、それらの間に等角度間隔で放射状に設けられた長手方向に沿う複数枚(図示例では3枚)の板状リブ37により一体に繋がれている。また、前記複数枚の板状リブ37は、その上端部がアウターパイプ32'の上端より上側に延設されており、この延伸部37e(の上端)は、第1実施形態の鍔状部31kと同様に気液分離体18の下側係止部として働くようにされている。なお、この延伸部37eは、気液分離体18の通し穴18vを通過する上端部よりも厚肉に形成した厚肉部と称することもできる。
したがって、気液分離体18は、蓋部材12(の下凸部12d、12e)の下面と液相用パイプ21に設けられた鍔状部21k及び二重管30Aにおける複数枚の板状リブ37の延伸部37eとで挟持されている。
なお、本例では、インナーパイプ31'とアウターパイプ32'とは板状リブ37を介して一体化されているが、第1実施形態と同様、インナーパイプ31'とアウターパイプ32'とを別体で(別部材として)構成し、インナーパイプ31'とアウターパイプ32'の一方もしくは両方に板状リブ37を設けてもよい。
このような構成とされた本第2実施形態の冷媒容器2においても、第1実施形態の冷媒容器1と略同様な作用効果が得られることに加えて、ストレーナ40'のバッフル板部43には、第1実施形態の冷媒容器1における長尺のアウターパイプ32に代えて短円筒状の気相用管保持部52が設けられるので、ストレーナ40'が第1実施形態のものより成形しやくなり、製造コストを抑えることができる。
また、アキュームレータ用流出管部30'として、押し出し加工により一体成形された二重管30Aが使用されるので、インナーパイプとアウターパイプとが別体で材質も異なる第1実施形態のものに比して、組立性が向上する。また、インナーパイプ31'の上端部31aは、第1実施形態と同様に気相用流出口17の中間大径部17bに拡管固定され、板状リブ37の延伸部37eは、第1実施形態の鍔状部31kと同様に気液分離体18の下側係止部として働くようにされているので、本実施形態では、インナーパイプ31'に鍔状部31kを設ける必要はなく、加工組立コストを抑えることができる。
[第3実施形態]
図9は、本発明に係る冷媒容器の第3実施形態を示す縦断面図である。
図示第3実施形態の冷媒容器3が、前述した第1実施形態の冷媒容器1と相違するのは、蓋部材12に対する液相用パイプ21及びインナーパイプ31の組付固定方法、及び、気液分離体18の組付固定方法であり、それらの組付固定方法に関連する部位以外は第1実施形態の冷媒容器1と同じ構成ある。したがって、第1実施形態の冷媒容器1の各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本実施形態の冷媒容器3では、レシーバ用流出管部20を構成する液相用パイプ21及びアキュームレータ用流出管部30を構成するインナーパイプ31は、蓋部材12への組み付け前の状態では、全長にわたって凹凸、段差,突出部等のない略直管形状であり、蓋部材12への組み付け後の状態でも、それらの上端部は、蓋部材12における液相用流出口16及び気相用流出口17の下部(下部大径部)に挿入されているだけで拡管はされていない。
図10Aに、液相用パイプ21及びインナーパイプ31の上端部を液相用流出口16及び気相用流出口17の下部に挿入した状態(組付固定前(かしめ固定前)の状態)が示され、図10Bに、液相用パイプ21、インナーパイプ31、及び気液分離体18を蓋部材12にかしめ加工によって組み付け固定(かしめ固定)している状態が示されている。
図10Aに示されているように、予め、蓋部材12の液相用流出口16の下端周縁部には、内径が液相用パイプ21の外径とほぼ同じ短円筒状部12iが下向きに突設されている。また、蓋部材12(の下凸部12e)の気相用流出口17の下端周縁部には、内径がインナーパイプ31の外径とほぼ同じ厚肉短円筒状部12jが設けられるとともに、この厚肉短円筒状部12jの外周部下端に連なって(換言すれば、気相用流出口17に挿通されるインナーパイプ31周りに)気液分離体18に形成された通し穴18v'の開口径と略同じ外径の薄肉短円筒状部12kが下向きに突設されている。
また、本例では、気液分離体18における液相用パイプ21を挿通する通し穴部分は、保持性を高めるために下向きに折り曲げ形成された短円筒状の通し穴18u'となっている。
このような構成の冷媒容器3を組み立てるにあたっては、例えば、まず、液相用パイプ21の上端部を液相用流出口16の下部(下部大径部)に挿入し、短円筒状部12iを内方にかしめて液相用パイプ21を蓋部材12に組み付ける(かしめ部12i')。次に、インナーパイプ31の上端部を気相用流出口17の下部(下部大径部)に挿入するとともに、気液分離体18の通し穴18u'、18v'を液相用パイプ21及びインナーパイプ31に下から通してその天井面18aが蓋部材12の下凸部12e(の下面)に当接するまで移動させる。この状態で、図10Bに示される如くに、かしめ治具65を用いて厚肉短円筒状部12jと薄肉短円筒状部12kとをかしめる。
ここで、かしめ治具65は、インナーパイプ31に摺動自在に外挿される円筒状基体部65aと、この円筒状基体部65aの上端内周部上に突設された断面概略直角三角形の刃先をもつ円環状刃部65bと、円筒状基体部65aの上端面における円環状刃部65bより外周側に拡がる平坦面部65cを有する。したがって、かしめ治具65をインナーパイプ31に外挿して厚肉短円筒状部12jと薄肉短円筒状部12kに打ち込むことにより、厚肉短円筒状部12jの内周側が半径方向内方に押し曲げられてインナーパイプ31に若干食い込み(かしめ部12j')、これによって、インナーパイプ31が蓋部材12に組み付けられ、これと同時に、平坦面部65cにより薄肉短円筒状部12kが外側に折り曲げられ(かしめ部12k')、これによって、薄肉短円筒状部12k(かしめ部12k')と蓋部材12(の下凸部12e)の下面との間に気液分離体18の通し穴18v'周縁部が挟まれて保持される。
このようにして、液相用パイプ21、インナーパイプ31、及び気液分離体18が蓋部材12に組付固定(かしめ固定)された後、液相用パイプ21の下端部を液相用管保持部51に圧入するとともに、インナーパイプ31をアウターパイプ32に圧入して、蓋部材12、液相用パイプ21、インナーパイプ31、気液分離体18、及びストレーナ40からなる組立体を得る。しかる後、該組立体の内装部材60(蓋部材12以外の又は蓋部材12より下側の部分)(図9)にタンク10を(下側から)外装し、ストレーナ40をタンク10内に圧入気味に挿入してその底部13上に載せ置き、最後に、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合する。
このような構成とされた本第3実施形態の冷媒容器3においても、第1実施形態の冷媒容器1と略同様な作用効果が得られることに加えて、本実施形態では、ストレーナ40(のバッフル板部43)をタンク10に圧入気味に固定するとともに、インナーパイプ31をバッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32に圧入固定することでインナーパイプ31の下部を保持固定し、レシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)側で一度かしめ工程を行い、アキュームレータ用流出管部30(インナーパイプ31)側でも一度かしめ工程を行うだけで、拡管工程を行わないで、液相用パイプ21、インナーパイプ31、及び気液分離体18を蓋部材12に組み付け固定できる。そのため、組み立て工程が簡易なものとなり、製造コストを抑えることができる。
また、液相用パイプ21及びインナーパイプ31には何等加工は必要とせず、気液分離体18にも大きな改造は必要としないので、加工組立コストをさらに抑えることができる。
なお、本実施形態では、気液分離体18は、気相用流出口17側に連結されるアキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)周りで蓋部材12にかしめ固定されているが、液相用流出口16側に連結されるレシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)周りで蓋部材12にかしめ固定してもよい。
[第4実施形態]
図11は、本発明に係る冷媒容器の第4実施形態を示す縦断面図である。
図示第4実施形態の冷媒容器4が、前述した第3実施形態の冷媒容器3と相違するのは、蓋部材12にインナーパイプ31をかしめ加工で固定するための厚肉短円筒状部12jが設けられておらず、蓋部材12の気相用流出口17とインナーパイプ31の上端部との間にシール材としてのOリング67が介装されている点のみである。したがって、第3実施形態の冷媒容器3の各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本実施形態の冷媒容器4では、インナーパイプ31は、その下部がストレーナ40のバッフル板部43に設けられたアウターパイプ32に圧入されているが、その上端部は気相用流出口17の下部(下部大径部)に挿入されているだけで固定されていない。また、冷媒が気相用流出口17から不所望に漏れ出るのを防ぐべく、気相用流出口17とインナーパイプ31の上端部との間(詳しくは、気相用流出口17に設けられた内周溝)にシール材としてのOリング67が介装されている。他の構成は、前述した第3実施形態と略同じである。
このような構成とされた本第4実施形態の冷媒容器4においても、第1実施形態の冷媒容器1と略同様な作用効果が得られることに加えて、本実施形態では、拡管やかしめ加工によるインナーパイプ31の蓋部材12への組み付けを行わないで、ストレーナ40(のバッフル板部43)をタンク10に圧入気味に固定するとともに、インナーパイプ31をバッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32に圧入固定し、蓋部材12の気相用流出口17とインナーパイプ31の上端部との間にOリング67を介装することでインナーパイプ31を保持固定している。そのため、組み立て工程が簡易なものとなり、製造コストを抑えることができる。この場合、気相用流出口17とインナーパイプ31の上端部との間にOリング67が介装されているので、冷媒が気相用流出口17から不所望に漏れ出ることはない。
<第5~第8実施形態>
[第5実施形態]
図12は、本発明に係る冷媒容器の第5実施形態を示す縦断面図、図13は、図12に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図、図14は、図13におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図である。また、図15は、図12のストレーナ部分を、それに一体に設けられたアウターパイプ、液相用パイプ、気液分離体と共に示す縦断面図、図16は、図12のA-A矢視線に従う断面図である。
図示第5実施形態の冷媒容器5は、例えば電気自動車用カーエアコンを構成するヒートポンプシステムに用いられるもので、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製の有底円筒状のタンク10を有する。このタンク10の上面開口は、同じ金属製の蓋部材(蓋部)12により気密的に閉塞されている。なお、本実施形態の冷媒容器5(タンク10)は、図示のように縦置き、つまり、蓋部材12を上(天)側、タンク10の底部13を下(地)側にして設置される。
蓋部材12には、いずれも該蓋部材12を貫通してその上下に開口する、気液流入口15と、下部大径部16aを有する段付き小径の液相用流出口16と、下部大径部17aを有する段付き大径の気相用流出口17と、が設けられている。なお、蓋部材12には、その上側に導管接続アダプタ等が取り付けられるが、該導管接続アダプタ等やそれらをねじ止めするためのめねじ部等は図示が省略されている。
蓋部材12の下側には、気液流入口15に対向するように、タンク10の内径より小径の笠状ないし逆薄鉢状の気液分離体18が配在されている。また、液相用流出口16の下部大径部16aには、気液分離体18により分離された液相冷媒のみを当該液相用流出口16を介して膨張弁側に導出するためのレシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)の上端部21aが挿入されている。また、気相用流出口17の下部大径部17aには、気液分離体18により分離された気相冷媒を、液相冷媒中に含まれるオイルを伴って当該気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に導出するための、インナーパイプ31と該インナーパイプ31の外周に設けられたアウターパイプ32とからなる二重管構造のアキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)の上端部31aが挿入されている(後で詳述)。
前記気液分離体18は、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製とされ、円板状の天井部18aと天井部18aの外周から下向きに連なる円筒状の周壁部18bとを有する。前記気液分離体18は、アキュームレータ用流出管部30におけるアウターパイプ32の上端開口(アウターパイプ32とインナーパイプ31との間の空間であって、後述する下送流路部33の上部)を覆うように(アウターパイプ32の上端が天井部18aと周壁部18bの下端との間に位置するように)、蓋部材12における気液流入口15の下端面から所定距離下側に配置されている(図14参照)。
また、気液分離体18の天井部18aには、ストレート形状の液相用パイプ21の上端部21a及びインナーパイプ31の上端部31aをそれぞれ若干きつめに挿通する通し穴18u、18vが(横並びで)形成されている(図15も参照)。
前記タンク10の底部13には、冷媒中に含まれる異物を捕捉するためのストレーナ40が配在されている。ストレーナ40は、タンク10内に圧入気味に挿入(内嵌)されてその底部(底面)13上に載せ置かれる短円筒状の筒状ケース部42と、該筒状ケース部42の上面開口の一部を覆うようにその上端部に一体に設けられた側面視平板状で、平面視(図16)が横橋架部43aと縦橋架部43bとを有する十字架状のバッフル板部43と、を有する。筒状ケース部42の上端面と横橋架部43a及び縦橋架部43bの上面中央部分とには、補強用のリブ状凸部43fが設けられている。
そして、本実施形態では、図12に加えて図15、図16を参照すればよくわかるように、バッフル板部43における横橋架部43aの左端付近に、レシーバ用流出管部20を構成するアルミ合金等の金属製の液相用パイプ21の下端部が圧入固定される小径短円筒状の液相用管保持部51が一体に設けられている。バッフル板部43(の横橋架部43a)における液相用管保持部51の底部に当たる部位には、液相用管保持部51の内径より若干小径の液相冷媒吸出口25が形成されている。
また、バッフル板部43における中心よりやや右寄りの、横橋架部43aと縦橋架部43bとが交わる部位に、アキュームレータ用流出管部30を構成するアウターパイプ32が一体に垂設されている。バッフル板部43におけるアウターパイプ32が設けられている部位(アウターパイプ32の底部に当たる部位)の中央には、オイル戻し孔35が形成されている。オイル戻し孔35の孔径は例えば1mm前後に設定されている。このアウターパイプ32には、アルミ合金等の金属製のストレート形状のインナーパイプ31が圧入固定されている(後で詳述)。
さらに、前記筒状ケース部42の上面開口全体を覆うようにバッフル板部43の下面側に円形状の網目フィルタ45が一体に設けられている。網目フィルタ45は、例えば、金網や合成樹脂製のメッシュ材等から作製される。これにより、図16を参照すればよくわかるように、筒状ケース部42の上面開口のうちのバッフル板部43で覆われていない、筒状ケース部42と横橋架部43aと縦橋架部43bとで画成される大小一対ずつの羽根形の4つの窓部44a、44a、44b、44bに網目フィルタ45が張られていることになる。ストレーナ40の筒状ケース部42は、その外周がタンク10の内壁に当接しながらタンク10内に圧入気味に挿入されてその底部13上に載せ置かれているので、タンク10の上部から底部13側へ流下する液相冷媒は全て網目フィルタ45を通る。そのため、網目フィルタ45を介して筒状ケース部42内に流入する液相冷媒中の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。
なお、本例では、前記4つの窓部44a、44a、44b、44bに網目フィルタ45が張られているが、液相冷媒吸出口25やオイル戻し孔35にも網目フィルタ45を貼付してもよい。
なお、網目フィルタ45は、上記のように筒状ケース部42の上面開口全体を覆う必要はなく、筒状ケース部42の上面開口のうちの少なくとも前記バッフル板部43で覆われていない部分を覆うものであればよい。
ここで、本実施形態では、前記した筒状ケース部42、バッフル板部43、液相用管保持部51、及びアウターパイプ32は、合成樹脂を素材として一体成形されており、この一体成形時に網目フィルタ45も例えばインサート物として一体化されている。
また、本実施形態では、タンク10の内径が60~90mmとされ、筒状ケース部42(バッフル板部43)の直径はタンク10の内径と略同じで、バッフル板部43の板厚は約1~2mmとされ、タンク10の底面からバッフル板部43(の下面)までの高さH(図12)は5~10mmに設定されている。
前記バッフル板部43に一体に設けられた液相用管保持部51には、レシーバ用流出管部20を構成するアルミ合金等の金属製の液相用パイプ21の下端部が(バッフル板部43に当接するまで)圧入されている。前記液相用管保持部51に圧入保持される液相用パイプ21の上部には、気液分離体18(における通し穴18u周縁部)をその下側で係止する下側係止部として働く、バルジ成形等により圧縮曲げ加工された下側鍔状部21bが設けられている。
なお、本例では、前記下側係止部として、下側鍔状部21bを用いているが、例えば、気液分離体18の通し穴18uを通過する上端部21aより大径の大径部、気液分離体18の通し穴18uの下側で半径方向外方に向けて突出するリブ、厚肉部等を採用し、それらによって気液分離体18(における通し穴18u周縁部)をその下側で係止するようにしてもよい。
前記バッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32の内周には、長手方向(上下方向)に沿い、かつ、等角度間隔で複数枚(図示例では4枚)の板状リブ36が半径方向内方に向けて突設されている。各板状リブ36は、下端側から上端側にかけて、インナーパイプ31の下端が載せ置かれて係止される幅広最下部36a、該幅広最下部36aより幅(半径方向の幅であって内方への突出量)が若干狭い下側幅狭部36b、及び該下側幅狭部36bよりさらに幅が若干狭い上側幅狭部36cからなっている。前記下側幅狭部36bの内周側に、アルミ合金等の金属製のインナーパイプ31(の下部)が圧入により、その下端が幅広最下部36aの上端(下側幅狭部36bとの段差部分)に係止されるまで内挿されて固定されている。ここでは、インナーパイプ31を圧入しやすくするため、下側幅狭部36bの上端位置は、アウターパイプ32の高さの1/3ないし1/2程度の位置とされ、下側幅狭部36bの高さ(上下方向の長さ)は、アウターパイプ32の高さの1/4ないし1/3程度とされ、上側幅狭部36cの内端とインナーパイプ31の外周面との間には隙間が形成されるようになっている。なお、本例では、板状リブ36がアウターパイプ32側に設けられているが、インナーパイプ31側又はその両方に設けてもよい。また、インナーパイプ31とアウターパイプ32との間に設けられる板状リブ36の個数は、一つ以上であれば、図示例に限られないことは勿論である。
また、前記複数枚の板状リブ36(の上側幅狭部36c)の上端部はアウターパイプ32の上端より上側に延設されており、この延伸部36e(の上端)は、気液分離体18(における通し穴18v周縁部)をその下側で係止する、前記液相用パイプ21の下側鍔状部21bと同様に気液分離体18の下側係止部として働くようにされている。なお、液相用パイプ21の下側鍔状部21b(の上端)と板状リブ36の延伸部36e(の上端)とは、タンク10の底部13から同一高さに位置しており、したがって、気液分離体18(の天井部18a)は水平に保持されている。
アウターパイプ32(の下側幅狭部36b)にその下部が圧入固定されたインナーパイプ31の上部は、アウターパイプ32(及び板状リブ36)の上端より上方に突出せしめられている。
また、インナーパイプ31の上部(気相用流出口17の下部大径部17aに挿入された上端部31aより下側の所定位置)には、前記気液分離体18(における通し穴18v周縁部)をその上側から押圧可能な上側押圧部としての、バルジ成形等により圧縮曲げ加工された上側鍔状部31bが設けられている。気液分離体18は、前記下側係止部としての、液相用パイプ21に形成された下側鍔状部21b並びにアウターパイプ32に形成された板状リブ36の延伸部36eと、前記上側押圧部としてのインナーパイプ31に形成された上側鍔状部31bとで挟持されている。
なお、本例では、前記上側押圧部として、上側鍔状部31bを用いているが、例えば、気液分離体18の通し穴18vを通過する上端部31aより大径の大径部、厚肉部等を採用し、それらによって気液分離体18(における通し穴18v周縁部)をその上側から押圧するようにしてもよい。
なお、インナーパイプ31における気液分離体18付近の高さ位置には、システムの運転停止(ON→OFF)時の圧縮機側への液バックを防止するための均圧孔31fが設けられている。
そして、レシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)の上端部21aは、(気液分離体18の通し穴18uを通して)液相用流出口16の下部大径部16aに挿入されている。アキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)の上端部31aは、(気液分離体18の通し穴18vを通して)気相用流出口17の下部大径部17aに挿入されている。
なお、図示はされていないが、通常は、乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32に巻き付ける等してタンク10内に配置する。乾燥剤入りバッグ等については、必要なら、特許文献2等を参照されたい。
このような構成の冷媒容器5の組み立ては、例えば、以下のように行うことができる。
(1)まず、下側鍔状部21bが形成された液相用パイプ21をストレーナ40(のバッフル板部43)に設けられた液相用管保持部51に圧入する。
(2)続いて、気液分離体18の通し穴18uに液相用パイプ21(の上端部21a)を挿入し、気液分離体18を上から落し込むようにして、下側鍔状部21b(レシーバ用流出管部20側の下側係止部)及びアウターパイプ32の板状リブ36の延伸部36e(アキュームレータ用流出管部30側の下側係止部)上に載せ置く(図15に示される状態)。
(3)次に、気液分離体18の通し穴18vにインナーパイプ31の下端を通して、その下部をアウターパイプ32の板状リブ36の下側幅狭部36bの内周側に圧入し、該インナーパイプ31の下端が幅広最下部36aの上端に係止されるまで押し込む。この場合、気液分離体18の下面側は、下側鍔状部21bと板状リブ36の延伸部36eとで係止されている。そのため、インナーパイプ31を上記のように圧入すると、インナーパイプ31に形成された上側押圧部としての上側鍔状部31bが気液分離体18(における通し穴18v周縁部)の上面に圧接せしめられ、気液分離体18は、下側係止部としての下側鍔状部21b及び板状リブ36の延伸部36eと、上側押圧部としての上側鍔状部31bとで挟圧保持される。
(4)次に、蓋部材12の液相用流出口16(の下部大径部16a)を液相用パイプ21の上端部21aに、また、気相用流出口17(の下部大径部17a)をインナーパイプ31の上端部31aにそれぞれ挿入(外挿)するようにして、蓋部材12を液相用パイプ21及びインナーパイプ31に載せ置く。
(5)上記のようにしてストレーナ40、レシーバ用流出管部20、アキュームレータ用流出管部30、気液分離体18、及び蓋部材12からなる組立体を得、しかる後、該組立体の内装部材60(蓋部材12以外の又は蓋部材12より下側の部分)(図12)にタンク10を(下側から)外装し、ストレーナ40(の筒状ケース部42)をタンク10内に圧入気味に押し込んでその底部13上に載せ置く。
(6)最後に、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合する。これにより、タンク10内が気密的に封止される。
このような構成とされた冷媒容器5の冷房運転時と暖房運転時の動作を説明する。
冷房運転時及び暖房運転時のいずれも、凝縮器から気液流入口15を介してタンク10内に導入された気液混在状態の冷媒は、図14に示される如くに、気液分離体18(の天井部18a)に衝突して放射状に拡散されて液相冷媒と気相冷媒とに分離される。液相冷媒(オイルを含む)はタンク10の内周面を伝うように流下してタンク10の下部空間に導かれるとともに、気相冷媒はタンク10の上部空間に導かれる。
冷房運転時には、例えば、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が操作されて(特許文献2参照)、タンク10の下部空間に導かれる液相冷媒は、ストレーナ40の網目フィルタ45を通過して筒状ケース部42内に溜まる。網目フィルタ45を通過する際には液相冷媒中のスラッジ等の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。筒状ケース部42内に溜まる液相冷媒は、液相冷媒吸出口25から液相用パイプ21に吸い出されて液相用流出口16を介して膨張弁に導かれる。
したがって、この冷房運転時には、本実施形態の冷媒容器5はレシーバ(レシーバドライヤーともいう)として機能する。
それに対し、暖房運転時には、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が切換操作されて(特許文献2参照)、気液分離体18により分離された気相冷媒は、タンク10の上部空間→アウターパイプ32とインナーパイプ31との間の空間(下送流路部33)→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入されて循環せしめられる。
この暖房運転時には、筒状ケース部42内に溜まった液相冷媒は、圧力差の関係で膨張弁へはほとんど流れない。
また、液相冷媒と共に筒状ケース部42内に溜まるオイルは、液相冷媒との比重や性状の相違等によりタンク10の底部13側に移動していき、前記した下送流路部33→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入される気相冷媒に吸引されて、バッフル板部43におけるアウターパイプ32の底部に相当する部分に設けられたオイル戻し孔35→インナーパイプ31を通って気相冷媒と共に圧縮機吸入側に戻されて循環せしめられる。
したがって、この暖房運転時には、本実施形態の冷媒容器5はアキュームレータとして機能する。
上記のように、本実施形態の冷媒容器5は、レシーバ機能とアキュームレータ機能を併せ持ちながら、レシーバとアキュームレータにおけるタンク部分(タンク10)、流入口部分(気液流入口15)、気液分離部分(気液分離体18)、及びストレーナ部分(ストレーナ40)を共用化しているので、部品点数の少ない合理的な構造とすることができる。
加えて、ストレーナ40のバッフル板部43にレシーバ用流出管部20の液相用管保持部51及びアキュームレータ用流出管部30のアウターパイプ32が(間隔をあけて)並設され、液相用管保持部51には液相用パイプ21が圧入保持され、アウターパイプ32にはインナーパイプ31が圧入保持されるので、例えば、蓋部材12には上下方向に貫通する真っ直ぐな液相用流出口16と気相用流出口17を設ければよく、そのため、前述した従来提案のものに比して、蓋部材12やレシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)と液相用流出口16との接続部分等の構造の簡素化が図られる。
さらに、本実施形態の冷媒容器5では、流出管の一部を薄肉とした下側係止部で気液分離体をその下側で係止して支持するのではなく、アキュームレータ用流出管部30を、インナーパイプ31とアウターパイプ32とからなる二重管(構造)とし、気液分離体18を、インナーパイプ31とアウターパイプ32との間(詳しくは、アウターパイプ32の内周)にそれらを相互に繋ぐように設けられた複数の板状リブ36の延伸部36e(及び、液相用パイプ21に設けられた下側鍔状部21b)からなる下側係止部でその下側で係止して支持するようにされる。したがって、気液流入口15からタンク10内に噴出された気液混在状態の冷媒によって気液分離体18が下向きに押されても、該押圧力はアウターパイプ32(及び、液相用パイプ21)を介して、タンク10の底部13に圧入固定されたストレーナ40のバッフル板部42で受け止められるので、気液分離体18が押し下げられることはない。
これにより、下側係止部が流出管の一部を薄肉とすることにより形成されているだけの従来の冷媒容器に比して、本実施形態の冷媒容器5は、気液分離体18の保持力(特に下側からの支持力)が強くなって安定性が増し、気液分離体18のガタつきや傾きが抑えられ、所要の気液分離性能を得ることができる。
また、タンク10と蓋部材12との接合(溶接、ろう付け等)以外、すなわち、蓋部材12、レシーバ用流出管部20、アキュームレータ用流出管部30、ストレーナ40(バッフル板部43)、及びタンク10間は、加熱を伴わない圧入等で機械的に組み付けられるので、組み立てを容易かつ迅速に行うことができるとともに、レシーバ用流出管部20、アキュームレータ用流出管部30、及びストレーナ40(バッフル板部43)の素材として安価な合成樹脂材料をこれまでよりも多く使用することができる。
特に、ストレーナ40の筒状ケース部42は、タンク10内に圧入気味に挿入(内嵌)されてその底部13上に載せ置かれるので、別途に固定手段を必要とすることなくストレーナ40及びそれに設けられたレシーバ用流出管部20及びアキュームレータ用流出管部30を確実に安定して保持できる。
以上のように、本実施形態によれば、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることができるとともに、気液分離体18の保持力を効果的に向上させ得る合理的な構造の冷媒容器を提供でき、その結果、システム全体の占有スペースの縮小化、部品点数の削減、コスト低減、小型化等を効果的に図ることができる。
なお、試作実験等により、タンク10の内径が60~90mmで、バッフル板部43のタンク10の底面13からの高さHを5~10mmに設定した場合、気液分離性能、圧縮機へのオイル戻り性能を、現状品と同等に確保できることが確認されている。
[第6実施形態]
図17は、本発明に係る冷媒容器の第6実施形態を示す縦断面図、図18は、図17に示される、ストレーナ部分を液相用パイプ及びアウターパイプと共に示す縦断面図、図19は、図17のB-B矢視線に従う断面図である。
図示第6実施形態の冷媒容器6が、前述した第5実施形態の冷媒容器5と相違するのは、主にレシーバ用流出管部20'に関連する部位だけで、他のアキュームレータ用流出管部30に関連する部位等は第5実施形態の冷媒容器5と基本的に同じ構成である。したがって、第5実施形態の冷媒容器5の各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本実施形態の冷媒容器6では、第5実施形態における液相用管保持部51に相当する部分がなく、レシーバ用流出管部20'は、ストレーナ40のバッフル板部43に一体に垂設された液相用パイプ21'のみで構成されている。バッフル板部43(の横橋架部43a)における液相用パイプ21'の底部に当たる部位には、液相用パイプ21'の内径と同径の液相冷媒吸出口25が形成されている。
この液相用パイプ21'の右側面部と、同じくバッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32の左側面部とは(すなわち、液相用パイプ21'とアウターパイプ32との対向する部分同士は)、補強等のため、中央に細長い角丸長方形の開口24aを持つ枠状矩形の連結板(連結部)24で一体に繋がっている。詳細には、この連結板24は、下辺部(下端部)がバッフル板部43の横橋架部43aに一体に連なり、右辺部がアウターパイプ32の左側面部(に結合された左側の板状リブ36)に一体に連なり、左辺部が液相用パイプ21'の右側面部に一体に連なっている。また、連結板24(の上辺部)の上端面は、板状リブ36の延伸部36eの上端面と面一(同一高さ位置)とされている。
液相用パイプ21'における、連結板24の上端面より上側の上端部は、それより下側の部位より若干薄肉とされており(換言すれば、連結板24の上端面より下側の部位は、それより上側の部位より若干厚肉とされており)、その上端薄肉部21a'とそれより下側部分(厚肉部又は大径部)との段差面(肩面)21cは連結板24の上端面と面一(同一高さ位置)とされている。
上記のように、本第6実施形態の冷媒容器6は、ストレーナ40の筒状ケース部42、バッフル板部43、レシーバ用流出管部20'(液相用パイプ21')、及びアキュームレータ用流出管部30のアウターパイプ32が、合成樹脂を素材として一体成形されている。また、液相用パイプ21'に第5実施形態の下側鍔状部21bは設けられておらず、気液分離体18をその下側で係止する下側係止部として、液相用パイプ21'の段差面(肩面)21c、連結板24(の上端面)、及び板状リブ36の延伸部36eが設けられている。
なお、上記連結板24の開口24aは、例えば、乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32に巻き付けて保持させる際に使用される。乾燥剤入りバッグ等については、必要なら、特許文献2等を参照されたい。また、この開口24aによって、軽量化、材料コスト削減等を図ることもできる。
このような構成の冷媒容器6の組み立ては、例えば、以下のように行うことができる。
(1)気液分離体18の通し穴18uに液相用パイプ21'の上端薄肉部21a'を挿入し、気液分離体18を上から落し込むようにして、液相用パイプ21'の段差面(肩面)21c、連結板24の上端面、及び板状リブ36の延伸部36eの上端面からなる下側係止部上に載せ置く。
(2)以降は第5実施形態と同様に、気液分離体18の通し穴18vにインナーパイプ31の下端を通して、その下部をアウターパイプ32の板状リブ36の下側幅狭部36bの内周側に圧入し、該インナーパイプ31の下端が幅広最下部36aの上端に係止されるまで押し込む。この場合、気液分離体18の下面側は、段差面(肩面)21c、連結板24、及び板状リブ36の延伸部36eで係止されている。そのため、インナーパイプ31を上記のように圧入すると、インナーパイプ31に形成された上側押圧部としての上側鍔状部31bが気液分離体18(における通し穴18v周縁部)の上面に圧接せしめられ、気液分離体18は、下側係止部としての、段差面(肩面)21c、連結板24、及び板状リブ36の延伸部36eと、上側押圧部としての上側鍔状部31bとで挟圧保持される。
(3)次に、蓋部材12の液相用流出口16(の下部大径部16a)を液相用パイプ21'の上端薄肉部21a'に、また、気相用流出口17(の下部大径部17a)をインナーパイプ31の上端部31aにそれぞれ挿入(外挿)するようにして、蓋部材12を液相用パイプ21'及びインナーパイプ31に載せ置く。
(4)上記のようにしてストレーナ40、レシーバ用流出管部20'、アキュームレータ用流出管部30、気液分離体18、及び蓋部材12からなる組立体を得、上記した乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32に巻き付けて保持させる等の作業を行い、その後、該組立体の内装部材60(蓋部材12以外の又は蓋部材12より下側の部分)(図17)にタンク10を(下側から)外装し、ストレーナ40(の筒状ケース部42)をタンク10内に圧入気味に押し込んでその底部13上に載せ置く。
(5)最後に、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合する。これにより、タンク10内が気密的に封止される。
このような構成とされた本第6実施形態の冷媒容器6においても、第5実施形態の冷媒容器5と略同様な作用効果が得られることに加えて、本実施形態では、ストレーナ40の筒状ケース部42、バッフル板部43、レシーバ用流出管部20'(液相用パイプ21')、及びアキュームレータ用流出管部30のアウターパイプ32は、合成樹脂を素材として一体成形されているので、別途に金属製の液相用パイプ21'が不要となる。そのため、部品点数や工数を削減できるとともに、金属部品に比べて低コストで製造できる合成樹脂素材部分が第5実施形態の冷媒容器5より多くなる結果、部品コスト、加工組立コストを一層低く抑えることができる。
また、液相用パイプ21'とアウターパイプ32とは連結板24で一体に繋げられて、連結板24がレシーバ用流出管部20'(液相用パイプ21')の補強材と下側係止部として働くようにされているので、剛性が高くなり、気液分離体18の保持安定性等が向上する。
[第7実施形態]
図20は、本発明に係る冷媒容器の第7実施形態を示す縦断面図、図21は、図20のC-C矢視線に従う断面図である。
図示第7実施形態の冷媒容器7においても、前述した第5及び第6実施形態の冷媒容器5、6の各部に対応する部分には共通又は関連した符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本実施形態の冷媒容器7では、バッフル板部43に、第5実施形態における液相用管保持部51及びアウターパイプ32に代えて、液相用パイプ21'と気相用管保持部52とが一体に設けられている。
具体的には、第5実施形態における液相用管保持部51に相当する部分がなく、第6実施形態の冷媒容器6と同様に、レシーバ用流出管部20'は、ストレーナ40'のバッフル板部43に一体に垂設された液相用パイプ21'のみで構成されている。バッフル板部43(の横橋架部43a)における液相用パイプ21'の底部に当たる部位には、液相用パイプ21'の内径と同径の液相冷媒吸出口25が形成されている。
また、この液相用パイプ21'の外周部には、図21を参照すればよくわかるように、1個もしくは複数個(図示例では3個)の板状リブ26が等角度間隔で放射状に設けられている。この板状リブ26は、ここでは、液相用パイプ21'の下端(バッフル板部43)から上端薄肉部21a'の下端の段差面(肩面)21cまで長手方向に沿って設けられている。この板状リブ26は、液相用パイプ21'の補強と気液分離体18の下側係止部としての役目を果たすようにされている。
また、ストレーナ40'のバッフル板部43には、第5実施形態の冷媒容器5におけるアウターパイプ32に代えて、大径短円筒状の気相用管保持部52が一体に設けられている。この気相用管保持部52には、インナーパイプ31'と該インナーパイプ31'の外周に設けられたアウターパイプ32'とからなる二重管30Aのアウターパイプ32'の下部が(バッフル板部43に当接するまで)圧入されている。また、バッフル板部43における気相用管保持部52の底部に当たる部位の中央には、オイル戻し孔35が形成されている。したがって、本実施形態では、アキュームレータ用流出管部30'は、気相用管保持部52と二重管30Aとで構成されている。アキュームレータ用流出管部30'におけるインナーパイプ31'の上部は、アウターパイプ32'の上端より上方に突出せしめられている。インナーパイプ31'の上端部31a'は、第5、6実施形態と同様に気相用流出口17の下部大径部17aに挿入されている。
本実施形態の二重管30Aは、例えばアルミ合金等の金属を素材として押し出し加工により一体成形されたもので、該二重管30Aにおけるインナーパイプ31'とアウターパイプ32'とは、それらの間に等角度間隔で放射状に設けられた長手方向に沿う複数枚(図示例では3枚)の板状リブ37により一体に繋がれている。また、前記複数枚の板状リブ37は、その上端部がアウターパイプ32'の上端より上側に延設されており、この延伸部37e(の上端)は、第5実施形態の延伸部36eと同様に気液分離体18の下側係止部として働くようにされている。
ここで、液相用パイプ21'の段差面(肩面)21c、板状リブ26の上端面、及び二重管30Aの板状リブ37の延伸部37eの上端面は同一高さ位置とされている。
なお、本例では、インナーパイプ31'とアウターパイプ32'とは板状リブ37を介して一体化されているが、第5、第6実施形態と同様、インナーパイプ31'とアウターパイプ32'とを別体で(別部材として)構成し、インナーパイプ31'とアウターパイプ32'の一方もしくは両方に板状リブ37を設けてもよい。また、板状リブ37の個数は、一つ以上であれば、図示例に限られないことは勿論である。
また、本実施形態では、第5実施形態における上側鍔状部31bに相当する部分がなく(二重管30Aを押し出し加工により成形する場合、上側鍔状部31bの加工が難しいため)、気液分離体18は、蓋部材12(詳しくは、蓋部材12の下面における、気相用流出口17の周囲から突設された厚肉円筒状の下凸部12e)の下面と前記下側係止部としての板状リブ37の延伸部37eとで挟圧保持されている。つまり、本実施形態では、蓋部材12(の下凸部12e)の下面が、気液分離体18(における通し穴18v周縁部)をその上側から押圧可能な上側押圧部とされている。
上記のように、本第7実施形態の冷媒容器7は、ストレーナ40'の筒状ケース部42、バッフル板部43、レシーバ用流出管部20'(液相用パイプ21')、及びアキュームレータ用流出管部30'の気相用管保持部52が、合成樹脂を素材として一体成形されている。また、アキュームレータ用流出管部30'に例えば金属製の一体構造の二重管30Aが用いられ、気液分離体18をその下側で係止する下側係止部として、液相用パイプ21'の段差面(肩面)21c、板状リブ26並びに板状リブ37の延伸部37eが設けられ、蓋部材12(の下凸部12e)の下面が、気液分離体18をその上側から押圧可能な上側押圧部となっている。
なお、本例では、アキュームレータ用流出管部30'側(換言すれば、通し穴18v周縁部)のみに前記上部押圧部が設けられているが、レシーバ用流出管部20'側(換言すれば、通し穴18u周縁部)、もしくは、アキュームレータ用流出管部30'側とレシーバ用流出管部20'側の両方に、例えば前記下凸部12eと同形状の上部押圧部を設け、それらによって気液分離体18(における通し穴18u周縁部、もしくは、通し穴18u、18v周縁部)をその上側から押圧するようにしてもよい。
このような構成の冷媒容器7の組み立ては、例えば、以下のように行うことができる。
(1)まず、二重管30Aのアウターパイプ32'をストレーナ40'(のバッフル板部43)に一体に設けられた気相用管保持部52にその下端がバッフル板部43に当接するまで圧入する。
(2)次に、気液分離体18に形成されている通し穴18u、18vに液相用パイプ21'の上端薄肉部21a'及び二重管30Aのインナーパイプ31'の上端部31a'をそれぞれ挿入し、気液分離体18を上から落し込むようにして、液相用パイプ21'の段差面(肩面)21c、板状リブ26(レシーバ用流出管部20'側の下側係止部)並びに二重管30Aの板状リブ37の延伸部37e(アキュームレータ用流出管部30'側の下側係止部)上に載せ置く。
(3)次いで、蓋部材12の液相用流出口16(の下部大径部16a)を液相用パイプ21'の上端薄肉部21a'に、また、気相用流出口17(の下部大径部17a)をインナーパイプ31'の上端部31a'にそれぞれ挿入(外挿)するようにして、蓋部材12を気液分離体18上に載せ置く。
(4)上記のようにしてストレーナ40'、レシーバ用流出管部20'、アキュームレータ用流出管部30'、気液分離体18、及び蓋部材12からなる組立体を得、上記した乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32'に巻き付けて保持させる等の作業を行い、その後、該組立体の内装部材60(蓋部材12以外の又は蓋部材12より下側の部分)(図20)にタンク10を(下側から)外装し、ストレーナ40'(の筒状ケース部42)をタンク10内に圧入気味に押し込んでその底部13上に載せ置く。この場合、気液分離体18の下面側は、液相用パイプ21'の段差面(肩面)21c、板状リブ26並びに二重管30Aの板状リブ37の延伸部37eで係止され、気液分離体18の上面側には、蓋部材12(の下凸部12e)の下面が載せ置かれている。タンク10を上記のように圧入気味に外装する際には、蓋部材12(の下凸部12e)の下面が気液分離体18(における通し穴18v周縁部)の上面に圧接せしめられ、気液分離体18は、下側係止部としての液相用パイプ21'の段差面(肩面)21c、板状リブ26並びに二重管30Aの板状リブ37の延伸部37eと、上側押圧部としての蓋部材12(の下凸部12e)の下面とで挟圧保持される。
(5)最後に、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合する。これにより、タンク10内が気密的に封止される。
このような構成とされた本第7実施形態の冷媒容器7においても、第5実施形態の冷媒容器5と略同様な作用効果が得られることに加えて、アキュームレータ用流出管部30'として、例えば押し出し加工により一体成形された金属製の二重管30Aが使用されるので、インナーパイプとアウターパイプとが別体で材質も異なる第5、第6実施形態のものに比して、組立性、剛性、気液分離体18の保持安定性等が向上する。
[第8実施形態]
図22は、本発明に係る冷媒容器の第8実施形態を示す縦断面図である。
図示第8実施形態の冷媒容器8においても、前述した第5、第6、第7実施形態の冷媒容器5、6、7の各部に対応する部分には共通又は関連した符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本実施形態の冷媒容器8は、レシーバ用流出管部20が第5実施形態のものと同じ構成で、アキュームレータ用流出管部30'が第7実施形態のものと同じ構成である。
すなわち、バッフル板部43の左端付近に、小径短円筒状の液相用管保持部51が一体に設けられており、該液相用管保持部51に、下側係止部としての下側鍔状部21bが設けられた液相用パイプ21の下端部が圧入固定されている。
また、バッフル板部43の右端寄りに、大径短円筒状の気相用管保持部52が一体に設けられており、該気相用管保持部52に、例えば金属製の二重管30Aのアウターパイプ32'の下端部が圧入固定されている。また、二重管30A(のインナーパイプ31'とアウターパイプ32'との間)には、気液分離体18を挟圧保持するための、下側係止部としての1個もしくは複数個の板状リブ37の延伸部37eが設けられている。また、蓋部材12(の下凸部12e)の下面が、気液分離体18をその上側から押圧可能な上側押圧部となっている。
本実施形態の冷媒容器8を組み立てる際には、下側鍔状部21bが形成された液相用パイプ21をストレーナ40'(のバッフル板部43)に一体に設けられた液相用管保持部51に圧入するとともに、二重管30A(のアウターパイプ32')をストレーナ40'(のバッフル板部43)に一体に設けられた気相用管保持部52にその下端がバッフル板部43に当接するまで圧入する。
続いて、気液分離体18に形成されている通し穴18u、18vに液相用パイプ21の上端部21a及び二重管30Aのインナーパイプ31'の上端部31a'をそれぞれ挿入し、気液分離体18を上から落し込むようにして、液相用パイプ21の下側鍔状部21b(レシーバ用流出管部20側の下側係止部)及び二重管30Aの板状リブ37の延伸部37e(アキュームレータ用流出管部30'側の下側係止部)上に載せ置く。
その後は、蓋部材12の液相用流出口16(の下部大径部16a)を液相用パイプ21の上端部21aに、また、気相用流出口17(の下部大径部17a)をインナーパイプ31'の上端部31a'にそれぞれ挿入(外挿)するようにして、蓋部材12を気液分離体18上に載せ置き、上記した乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32'に巻き付けて保持させる等の作業を行い、その後、内装部材60(蓋部材12以外の又は蓋部材12より下側の部分)(図22)にタンク10を(下側から)外装し、ストレーナ40'(の筒状ケース部42)をタンク10内に圧入気味に押し込んでその底部13上に載せ置く。このとき、気液分離体18は、下側係止部としての液相用パイプ21の下側鍔状部21b及び二重管30Aの板状リブ37の延伸部37eと、上側押圧部としての蓋部材12(の下凸部12e)の下面とで挟圧保持される。そして、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合すれば、冷媒容器8が組み立てられる。
なお、本実施形態でも、アキュームレータ用流出管部30'側(換言すれば、通し穴18v周縁部)のみに前記上部押圧部が設けられているが、レシーバ用流出管部20側(換言すれば、通し穴18u周縁部)、もしくは、アキュームレータ用流出管部30'側とレシーバ用流出管部20側の両方に、例えば前記下凸部12eと同形状の上部押圧部を設けてもよいことは詳述するまでも無い。
このような構成とされた本第8実施形態の冷媒容器8においても、第5、第7実施形態の冷媒容器5、7と略同様な作用効果が得られることに加えて、本実施形態では、レシーバ用流出管部20及びアキュームレータ用流出管部30'に金属製の液相用パイプ21及び二重管30Aが用いられているので、剛性が高くなり、気液分離体18の保持安定性等が向上する。また、レシーバ用流出管部やアキュームレータ用流出管部が合成樹脂製である場合、蓋部材12をタンク10に溶接接合する際の熱影響が懸念されるが、本実施形態では熱影響を受け難いという効果もある。
<第9~第12実施形態>
[第9実施形態]
図23は、本発明に係る冷媒容器の第9実施形態を示す縦断面図、図24は、図23に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図、図25は、図24におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図、図26は、図23のA-A矢視線に従う断面図である。
図示第9実施形態の冷媒容器9は、例えば電気自動車用カーエアコンを構成するヒートポンプシステムに用いられるもので、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製の有底円筒状のタンク10を有する。このタンク10の上面開口は、同じ金属製の蓋部材(蓋部)12により気密的に閉塞されている。なお、本実施形態の冷媒容器9(タンク10)は、図示のように縦置き、つまり、蓋部材12を上(天)側、タンク10の底部13を下(地)側にして設置される。
蓋部材12には、いずれも該蓋部材12を貫通してその上下に開口する、気液流入口15(図24、図25参照)と、段付き小径の液相用流出口16と、段付き大径の気相用流出口17と、が設けられている。なお、蓋部材12には、その上側に導管接続アダプタ等が取り付けられるが、該導管接続アダプタ等やそれらをねじ止めするためのめねじ部等は図示が省略されている。
蓋部材12の下側には、気液流入口15に対向するように、タンク10の内径より小径の笠状ないし逆薄鉢状の気液分離体18が配在されている。また、液相用流出口16の下部(下部中径部16c)には、気液分離体18により分離された液相冷媒のみを当該液相用流出口16を介して膨張弁側に導出するためのレシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)の上端部が挿入されている。また、気相用流出口17の下部(下部中径部17c)には、気液分離体18により分離された気相冷媒を、液相冷媒中に含まれるオイルを伴って当該気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に導出するための、インナーパイプ31とアウターパイプ32とからなる二重管構造のアキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)の上端部が挿入されている(各部材については、後で詳述)。
前記タンク10の底部13には、冷媒中に含まれる異物を捕捉するためのストレーナ40が配在されている。ストレーナ40は、タンク10の内径Daより小径に形成され、タンク10内に立てた姿勢で挿入されてその底部(底面)13上に載せ置かれる短円筒状の筒状ケース部42と、筒状ケース部42の上面開口の一部を覆うようにその上端部に一体に設けられた平板状のバッフル板部43と、冷媒中の異物を捕捉すべく筒状ケース部42の上端部近くかつバッフル板部43の下面側に設けられた網目フィルタ45と、筒状ケース部42に取り付け配置された環状シール部材71と、を有する。
本例において、前記環状シール部材71は、ゴム等の弾性材料(EPDM、HNBR等)を素材として作製され、図27Aに示される如くに、自然状態ではその外径Ddがタンク10の内径Da(図23)より大きな円環板状とされている。
また、筒状ケース部42の上端部外周には、前記環状シール部材71の外周部を突出させるようにして前記環状シール部材71の内周部が嵌め込まれて保持される上下の円環板状の保持板部42a、42bからなるシール保持部42Aが一体に設けられている。このシール保持部42Aの外径は、タンク10の内径Daより所定長(本例では、環状シール部材71の厚みの1.5~2倍程度の長さ)だけ短くされている。
かかる構成のもとでは、ストレーナ40をタンク10内に挿入する際に、前記環状シール部材71の外周部がタンク10の内周面(内壁面)に接触して上側に弾性的に撓曲され、その撓曲されて形成される短円筒状ないし逆円錐台状の筒状撓曲部71uの最外周部が図27Bに示される如くにタンク10の内周面に常時弾発的に圧接せしめられる。これによって、タンク10の内周面とストレーナ40(筒状ケース部42)との間に形成される隙間S1が常時完全に閉塞される。
また、筒状ケース部42には、前記環状シール部材71によって上記隙間S1が完全に閉塞された状態で、冷媒を筒状ケース部42の内周側と外周側とで流通させるため、下端が開口した側面視矩形状の切欠部42eが所定角度間隔で複数個形成されている。
前記バッフル板部43は、図26を参照すればよくわかるように、その外径が筒状ケース部42の外径と同じで、前記シール保持部42Aを構成する上側の保持板部42aの内周側に面一で連設された外環板部43Aと、大小の円形板部43c、43dが(横並びで)並設された、外環板部43Aの中央部を通る横橋架部43Bとで構成されている。
そして、本実施形態では、バッフル板部43における横橋架部43Bの左端付近の小径の円形板部43dに、レシーバ用流出管部20を構成するアルミ合金等の金属製の液相用パイプ21の下端部が圧入固定される小径円筒状の液相用管保持部51が一体に設けられている。バッフル板部43(の円形板部43d)における液相用管保持部51が設けられている部位(換言すれば、液相用管保持部51の底部に当たる部位)には、該液相用管保持部51の内径より若干小径の液相冷媒吸出口25が形成されている。
また、バッフル板部43における中心よりやや右寄りに位置する、横橋架部43Bの右端付近の大径の円形板部43cに、アキュームレータ用流出管部30を構成するアウターパイプ32が一体に垂設されている。バッフル板部43(の円形板部43c)におけるアウターパイプ32が設けられている部位(アウターパイプ32の底部に当たる部位)の中央には、オイル戻し孔35が形成されている。オイル戻し孔35の孔径は例えば1mm前後に設定されている。
さらに、前記筒状ケース部42の上面開口全体を覆うようにバッフル板部43の下面側に円形状の網目フィルタ45が一体に設けられている。網目フィルタ45は、例えば、金網や合成樹脂製のメッシュ材等から作製される。これにより、図26を参照すればよくわかるように、筒状ケース部42の上面開口のうちのバッフル板部43で覆われていない、外環板部43Aと横橋架部43Bとで画成される一対の羽根形の2つの窓部44、44に網目フィルタ45が張られていることになる。
上記したように、環状シール部材71によってタンク10の内周面と筒状ケース部42との間に形成される隙間S1が完全に閉塞されるので、タンク10の上部から底部13側へ流下する液相冷媒は全て網目フィルタ45を通る。そのため、網目フィルタ45を介して筒状ケース部42内に流入する液相冷媒中の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。
なお、本例では、前記2つの窓部44、44に網目フィルタ45が張られているが、液相冷媒吸出口25やオイル戻し孔35にも網目フィルタ45を貼付してもよい。
ここで、筒状ケース部42、バッフル板部43、液相用管保持部51、及びアウターパイプ32は、合成樹脂を素材として一体成形されており、この一体成形時に網目フィルタ45も例えばインサート物として一体化されている。
なお、網目フィルタ45は、上記のように筒状ケース部42の上面開口全体を覆う必要はなく、筒状ケース部42の上面開口のうちの少なくとも前記バッフル板部43で覆われていない部分を覆うものであればよい。
本実施形態では、タンク10の内径が60~90mmとされ、バッフル板部43の板厚は約1~2mmとされ、タンク10の底面からバッフル板部43(の下面)までの高さH(図23)は5~10mmに設定されている。
前記バッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32の下部内周には、長手方向(上下方向)に沿い、かつ、等角度間隔で複数枚(図示例では4枚)の板状リブ36が半径方向内方に向けて突設されている。各板状リブ36は、下端部36mよりその上側部分の方は幅(半径方向の幅であって内方への突出量)が若干狭くされており、この幅狭部36nの内周側に、アルミ合金等の金属製のインナーパイプ31(の下部)が圧入気味に、その下端が板状リブ36の下端部36mの上端(幅狭部36nとの段差部分)に係止されるまで内挿されている。ここでは、インナーパイプ31を圧入しやすくするため、板状リブ36の高さ(上下方向の長さ)は、アウターパイプ32の高さの1/3ないし1/2程度とされている。インナーパイプ31の上部は、アウターパイプ32の上端より上方に突出せしめられている。なお、本例では、板状リブ36がアウターパイプ32側に設けられているが、インナーパイプ31側又はその両方に設けてもよい。また、板状リブ36の個数は、一つ以上であれば、図示例に限られないことは勿論である。インナーパイプ31における気液分離体18付近の高さ位置には、システムの運転停止(ON→OFF)時の圧縮機側への液バックを防止するための均圧孔31fが設けられている。
前記液相用流出口16の下部(下部中径部16c)には、下端部が液相用管保持部51に圧入固定されたレシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)の上端部が挿入されている。前記気相用流出口17の下部(下部中径部17c)には、アキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)の上端部が挿入されている。そして、液相用パイプ21とインナーパイプ31は、蓋部材12(の下面)にかしめ固定されている(かしめ部12i、12j)。
前記気液分離体18は、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製とされ、円板状の天井部18aと天井部18aの外周から下向きに連なる円筒状の周壁部18bとを有する。天井部18aには、液相用パイプ21の上端部とインナーパイプ31の上端部をそれぞれ挿通するための通し穴18u、18vが(横並びで)設けられている。この気液分離体18は、アキュームレータ用流出管部30におけるアウターパイプ32の上端開口(換言すれば、インナーパイプ31とアウターパイプ32との間の空間であって、後述する下送流路部33の上部)を覆うように(アウターパイプ32の上端が天井部18aと周壁部18bの下端との間に位置するように)、蓋部材12における気液流入口15の下端面から所定距離下側に配置されている(図25参照)。気液分離体18は、本例では、その通し穴18v部分がインナーパイプ31と一緒に蓋部材12(の下面)にかしめ固定されている(かしめ部12k)。
なお、レシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)、アキュームレータ用流出管部30(インナーパイプ31、アウターパイプ32)、気液分離体18の設置・固定方法は、上述の例に限られないことは勿論である。例えば、レシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)は、ストレーナ40(のバッフル板部43)と一体に形成してもよい。また、アウターパイプ32は、ストレーナ40(のバッフル板部43)と別体に形成してもよい。また、インナーパイプ31、アウターパイプ32、及び板状リブ36は、押し出し加工等によって一体物(一体成型品)として形成してもよい。また、レシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)、アキュームレータ用流出管部30(インナーパイプ31)、気液分離体18は、かしめ固定に代えて、圧入、拡管、鍔状部による挟圧保持等によって固定してもよい。
なお、図示はされていないが、通常は、乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32に巻き付ける等してタンク10内に配置する。乾燥剤入りバッグ等については、必要なら、特許文献2等を参照されたい。
このような構成の冷媒容器9の組み立ては、例えば、以下のように行うことができる。
まず、液相用パイプ21の上端部を液相用流出口16の下部(下部中径部16c)に挿入して液相用パイプ21を蓋部材12にかしめ固定する(かしめ部12i)。次に、インナーパイプ31の上端部を気相用流出口17の下部(下部中径部17c)に挿入するとともに、気液分離体18の通し穴18u、18vを液相用パイプ21及びインナーパイプ31に下から通してその天井面18aを蓋部材12の下凸部12eに当接させる。この状態で、図示しないかしめ治具を用いてインナーパイプ31と気液分離体18を同時に蓋部材12にかしめ固定する(かしめ部12j、12k)。
続いて、ストレーナ40の筒状ケース部42に設けられたシール保持部42A(上下の保持板部42a、42bの間)に、環状シール部材71の内周部を広げながら押し込み、全周分を奥まで嵌め込め込んで、環状シール部材71をシール保持部42Aに保持させる。
その後は、液相用パイプ21の下端部をストレーナ40と一体に設けられた液相用管保持部51に圧入するとともに、インナーパイプ31の下部をストレーナ40と一体に設けられたアウターパイプ32に圧入する。
このようにして、蓋部材12、液相用パイプ21、インナーパイプ31、気液分離体18、ストレーナ40及び環状シール部材71からなる内装組立体61を得、しかる後、該内装組立体61における蓋部材12より下側部分をタンク10内に挿入して(言い換えれば、内装組立体61における蓋部材12より下側部分にタンク10を外挿して)ストレーナ40をタンク10の底部13上に載せ置く。
このストレーナ40を挿入載置する際には、ストレーナ40に装着された環状シール部材71の外周部が上側に撓曲され、その撓曲されて形成される筒状撓曲部71uが図27Bに示される如くにタンク10の内周面に常時弾発的に圧接するようにされる。
ストレーナ40を挿入載置した後は、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合する。これにより、タンク10内が気密的に封止され、組み立てが完了する。
このような構成とされた冷媒容器9の冷房運転時と暖房運転時の動作を説明する。
冷房運転時及び暖房運転時のいずれも、凝縮器から気液流入口15を介してタンク10内に導入された気液混在状態の冷媒は、図25に示される如くに、気液分離体18(の天井部18a)に衝突して放射状に拡散されて液相冷媒と気相冷媒とに分離される。液相冷媒(オイルを含む)はタンク10の内周面を伝うように流下してタンク10の下部空間に導かれるとともに、気相冷媒はタンク10の上部空間に導かれる。
冷房運転時には、例えば、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が操作されて(特許文献2参照)、タンク10の下部空間に導かれる液相冷媒は、ストレーナ40の網目フィルタ45を通過して筒状ケース部42内に溜まる。網目フィルタ45を通過する際には液相冷媒中のスラッジ等の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。筒状ケース部42内に溜まる液相冷媒は、液相冷媒吸出口25から液相用パイプ21に吸い出されて液相用流出口16を介して膨張弁に導かれる。
したがって、この冷房運転時には、本実施形態の冷媒容器9はレシーバ(レシーバドライヤーともいう)として機能する。
それに対し、暖房運転時には、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が切換操作されて(特許文献2参照)、気液分離体18により分離された気相冷媒は、タンク10の上部空間→アウターパイプ32とインナーパイプ31との間の空間(下送流路部33)→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入されて循環せしめられる。
この暖房運転時には、筒状ケース部42内に溜まった液相冷媒は、圧力差の関係で膨張弁へはほとんど流れない。
また、液相冷媒と共に筒状ケース部42内に溜まるオイルは、液相冷媒との比重や性状の相違等によりタンク10の底部13側に移動していき、前記した下送流路部33→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入される気相冷媒に吸引されて、バッフル板部43におけるアウターパイプ32の底部に相当する部分に設けられたオイル戻し孔35→インナーパイプ31を通って気相冷媒と共に圧縮機吸入側に戻されて循環せしめられる。
したがって、この暖房運転時には、本実施形態の冷媒容器9はアキュームレータとして機能する。
上記のように、本実施形態の冷媒容器9は、レシーバ機能とアキュームレータ機能を併せ持ちながら、レシーバとアキュームレータにおけるタンク部分(タンク10)、流入口部分(気液流入口15)、気液分離部分(気液分離体18)、及びストレーナ部分(ストレーナ40)を共用化しているので、部品点数の少ない合理的な構造とすることができる。
また、ストレーナ40のバッフル板部43にレシーバ用流出管部20の液相用管保持部51及びアキュームレータ用流出管部30のアウターパイプ32が(間隔をあけて)並設され、液相用管保持部51には液相用パイプ21が圧入保持され、アウターパイプ32にはインナーパイプ31が圧入保持されるので、例えば、蓋部材12には上下方向に貫通する真っ直ぐな液相用流出口16と気相用流出口17を設ければよく、そのため、前述した従来提案のものに比して、蓋部材12やレシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)と液相用流出口16との接続部分等の構造の簡素化が図られ、部品コスト、加工組立コストを低く抑えることができる。その結果、システム全体の占有スペースの縮小化、部品点数の削減、コスト低減、小型化等を効果的に図ることができる。
さらに、本実施形態の冷媒容器9は、ストレーナ40をタンク10内に挿入する際に、ゴム等の弾性材料で作製された環状シール部材71の外周部が上側に弾性的に撓曲され、その撓曲されて形成される短円筒状ないし逆円錐台状の筒状撓曲部71uの最外周部が図27Bに示される如くにタンク10の内周面に常時弾発的に圧接し、これによって、タンク10の内周面とストレーナ40(筒状ケース部42)との間に形成される隙間S1が完全に閉塞されるようにされているので、タンク10とストレーナ40(筒状ケース部42)の熱膨縮量が大きく相違しても、該熱膨縮量の相違は環状シール部材71の弾性変形により吸収される。そのため、異物を含んだ冷媒が網目フィルタ45を通ることなくストレーナ40(筒状ケース部42)内に侵入したり、あるいは、ストレーナ40が破損したりすることを防止することができる。
また、上記のように、異物を含んだ冷媒が網目フィルタ45を通ることなくストレーナ40(筒状ケース部42)内に侵入することを防止できることにより、循環冷媒中の異物量を低減できる。そのため、システムを構成する機器類(圧縮機、四方切換弁、膨張弁等)における摺動部間に形成される隙間やオリフィス(小孔)等の異物による詰まりなどを防止でき、それによって、作動不良、故障等の発生を低減することができる。
[第10実施形態]
図28は、本発明に係る冷媒容器の第10実施形態を示す縦断面図、図29は、図28のB-B矢視線に従う断面図である。また、図30A、図30Bは、図28のJ2で示される部位を示す部分拡大図、図31A、図31B及び図32A、図32B、図32Cはそれぞれ、図28のJ2で示される部位の変形例を示す部分拡大図である。
図示第10実施形態の冷媒容器1Aが、前述した第9実施形態の冷媒容器9と相違するのは、環状シール部材(72A、72B、72C)周りの部位だけで、他の部位は第9実施形態の冷媒容器9と略同じ構成である。したがって、第9実施形態の冷媒容器9の各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本実施形態の冷媒容器1Aでは、ストレーナ40における筒状ケース部42の上端部外周に、バッフル板部43に面一で連なるように鍔状部42Bが(外向きに)一体に設けられている。この鍔状部42Bの外径は、タンク10の内径Daより所定長だけ短くされている。
そして、この鍔状部42Bに、本実施形態の環状シール部材72Aが取り付けられている。本実施形態の環状シール部材72も、第9実施形態と同様に、ゴム等の弾性材料を素材として作製されている。
本第10実施形態の環状シール部材72Aは、円環帯部分が断面半円状の外周部72uとこの外周部72uの内周側上下の端部(上側内端部及び下側内端部)に連なる一対の円環板状の内周部72v、72vとからなる片側が開口した概略半レーストラック形とされている。この環状シール部材72Aにおいて、上下一対の内周部72v、72vが鍔状部42Bを挟持する挟持部とされるとともに、断面半円状の外周部72uがタンク10の内周面に常時弾発的に圧接する環状圧接部とされている。
詳細には、環状シール部材72Aは、図30Aに示される如くに、自然状態ではその外径Deがタンク10の内径Daより大きな円環板状とされており、このときの円環帯部分の幅はLaとされる。
環状シール部材72Aを鍔状部42Bに取り付けるにあたっては、環状シール部材72Aの内周部72v、72vを広げて両者で鍔状部42Bの外周部を挟むようにする。この際、鍔状部42Bの外周と断面半円状の外周部72uの内周との間には、比較的大きな空隙αが形成される。
そして、ストレーナ40をタンク10内に挿入する際には、図30Bに示される如くに、環状シール部材72Aの外周部72uをタンク10の内周面(内壁面)に接触させて、環状シール部材72Aをタンク10内に押し込むようにされる。これにより、環状シール部材72Aが半径方向内方へ圧縮される。詳しくは、環状シール部材72Aの外径Deがタンク10の内径Daまで縮められ、それに伴い、鍔状部42Bの外周と断面半円状の外周部72uの内周との間に形成される空隙がαからα’に縮小され、環状シール部材72Aの円環帯部分の幅が自然状態のLaから若干圧縮されてLa’になる。これによって、円環板状の内周部(挟持部)72v、72vで鍔状部42Bを挟持しながら、断面半円状の外周部(環状圧接部)72uがタンク10の内周面に常時弾発的に圧接せしめられて、タンク10の内周面とストレーナ40(筒状ケース部42)との間に形成される隙間S2が常時完全に閉塞される。
図31A、図31Bは、図30A、図30Bに示す例の変形例(その1)を示している。この変形例では、環状シール部材72Bは、上術した環状シール部材72Aと同様に、円環帯部分が断面半円状の外周部72uとこの外周部72uの内周側上下の端部(上側内端部及び下側内端部)に連なる一対の円環板状の内周部72v、72vとからなる片側が開口した概略半レーストラック形とされている。この環状シール部材72Bにおいて、上下一対の内周部72v、72vが鍔状部42Bを挟持する挟持部とされることに加えて、図31Aに示される如くに、環状シール部材72Bの外周側における上部、つまり、断面半円状の外周部72uの上部に、自然状態において半径方向外方に突出する、外周部72uの外径Deより大きな外径Dfの環状突部72tが設けられている。この環状突部72tは、先端(外周部)が丸みを帯びた、真横よりやや上向きの断面山形状となっており、ストレーナ40のタンク10内挿入時には、この環状突部72tがタンク10の内周面に常時弾発的に圧接するようにされている。
詳細には、ストレーナ40をタンク10内に挿入する際には、図31Bに示される如くに、環状シール部材72Aの外周部72uの環状突部72tをタンク10の内周面(内壁面)に接触させて、環状シール部材72Bをタンク10内に押し込むようにされる。これにより、環状突部72tがつぶれて(図示例では、略半分つぶれて)環状シール部材72B(環状突部72t)の外径Dfがタンク10の内径Daまで縮められ、それに伴い、鍔状部42Bの外周と断面半円状の外周部72uの内周との間に形成される空隙がαからα’'に縮小され、環状シール部材72Bの円環帯部分の幅が自然状態から若干圧縮される。この場合、断面半円状の外周部72uはタンク10の内周面から若干離れて、上述した環状シール部材72Aより本変形例の環状シール部材72Bの方が圧縮量(特に、環状シール部材72Bの上側の圧縮量)が大きくなる。しかも、タンク10の内周面に圧接する部分の面積が上述した環状シール部材72A(断面半円状の外周部72u)より本変形例の環状シール部材72B(断面山形状の環状突部72t)の方が小さい。そのため、上述した環状シール部材72Aよりも本変形例の環状シール部材72Bの方が強い面圧でタンク10の内周面に圧接せしめられる。これにより、タンク10の内周面とストレーナ40(筒状ケース部42)との間に形成される隙間S2のシール性が本変形例の方が高くなる。
図32A~図32Cは、図30A、図30Bに示す例の変形例(その2)を示している。この変形例では、環状シール部材72Cは、円環帯部分が断面C字状の外周部72uとこの外周部72uの内周側上下の端部(上側内端部及び下側内端部)に連なる一対の円環板状の内周部72v、72vとからなっている。この環状シール部材72Cにおいて、上下一対の内周部72v、72vは、図32Cに示される如くに、取り外し状態(換言すれば、鍔状部42Bに対する非装着状態であって単品状態)では相互に対接せしめられている。また、この環状シール部材72Cにおいて、上述した環状シール部材72Aと同様に、上下一対の内周部72v、72vが鍔状部42Bを挟持する挟持部とされるとともに、断面半円状の外周部72uがタンク10の内周面に常時弾発的に圧接する環状圧接部とされている。この環状シール部材72Cを鍔状部42Bに取り付けるにあたっては、対接している上下一対の内周部72v、72vを引き離すように断面C字状の外周部72uを弾性変形させ、その上下一対の内周部72v、72vで鍔状部42Bを挟み込むようにする。
本変形例の環状シール部材72Cも、図32Aに示される如くに、タンク10挿入前の自然状態ではその外径Deがタンク10の内径Daより大きな円環板状とされており、このときの円環帯部分の幅はLcとされる。
そして、ストレーナ40をタンク10内に挿入する際には、図32Bに示される如くに、環状シール部材72Cの外周部72uをタンク10の内周面(内壁面)に接触させて、環状シール部材72Cをタンク10内に押し込むようにされる。これにより、環状シール部材72Cが半径方向内方へ圧縮される。より詳しくは、環状シール部材72Cの外径Deがタンク10の内径Daまで縮められ、それに伴い、鍔状部42Bの外周と断面C字状の外周部72uの内周との間に形成される空隙がαからα’に縮小され、環状シール部材72Cの円環帯部分の幅が自然状態のLcから若干圧縮されてLc’になる。これによって、円環板状の内周部(挟持部)72v、72vで鍔状部42Bを挟持しながら、断面C字状の外周部(環状圧接部)72uがタンク10の内周面に常時弾発的に圧接せしめられて、タンク10の内周面とストレーナ40(筒状ケース部42)との間に形成される隙間S2が常時完全に閉塞される。
このような構成とされることにより、本第10実施形態の冷媒容器1Aにおいても、タンク10とストレーナ40(筒状ケース部42)の熱膨縮量が大きく相違しても、該熱膨縮量の相違は環状シール部材72A、72B、72Cの弾性変形により吸収されるので、第9実施形態の冷媒容器9と略同様な作用効果が得られる。
[第11実施形態]
図33は、本発明に係る冷媒容器の第11実施形態を示す縦断面図、図34は、図33のC-C矢視線に従う断面図である。また、図35A、図35Bは、図33のJ3で示される部位を示す部分拡大図、図36A、図36B、図37A、図37B、及び図38A、図38Bはそれぞれ、図33のJ3で示される部位の変形例を示す部分拡大図である。
図示第11実施形態の冷媒容器1Bが、前述した第9及び第10実施形態の冷媒容器9、1Aと相違するのは、環状シール部材(73A、73B、73C、73D)周りの部位だけで、他の部位は第9及び第10実施形態の冷媒容器9、1Aと略同じ構成である。したがって、第9及び第10実施形態の冷媒容器9、1Aの各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本実施形態の冷媒容器1Bでも、上述した第10実施形態の冷媒容器1Aと同様に、ストレーナ40における筒状ケース部42の上端部外周に、バッフル板部43に面一で連なるように鍔状部42Bが(外向きに)一体に設けられている。この鍔状部42Bの外径は、タンク10の内径Daより所定長だけ短くされている。
そして、この鍔状部42Bに、本実施形態の環状シール部材73Aが取り付けられている。本実施形態の環状シール部材73も、第9、第10実施形態と同様に、ゴム等の弾性材料を素材として作製されている。
本第11実施形態の環状シール部材73Aは、図35Aに示される如くに、タンク10内挿入前の自然状態において、外周面が半径方向内方に凹む湾曲面とされた短円筒状の外周部分である筒状圧接部73uと、該筒状圧接部73uの内周側に連なる、上下一対の円環板状の内周部分である挟持部73v、73vとで構成されている。上下一対の円環板状の挟持部73v、73vは、鍔状部42Bの厚み分程度離されている。
本例では、筒状圧接部73uにおいて外周面が半径方向内方に最も凹んだ上下方向中央部の外径Dhは、タンク10の内径Da未満とされ、その上下、つまり湾曲した外周面の上部と下部は、自然状態において半径方向外方に突出し、タンク10の内径Daより大径で、タンク10内挿入時に該タンク10の内周面に強く押し付けられる最大外径が前記Dhより大きなDkの断面概略三角形状の環状突部73t、73tとなっている。
環状シール部材73Aを鍔状部42Bに取り付けるにあたっては、環状シール部材73Aの内周部分である挟持部73v、73vを広げて両者で鍔状部42Bの外周部を挟むようにする。この際、鍔状部42Bの外周と断面半円状の外周部72uの内周との間には、空隙が形成される。
そして、ストレーナ40をタンク10内に挿入する際には、図35Bに示される如くに、環状シール部材73Aの外周部分である筒状圧接部73uの環状突部73t、73tをタンク10の内周面(内壁面)に接触させて、環状シール部材73Aをタンク10内に押し込むようにされる。これにより、環状シール部材73A(環状突部73t)の最大外径Dk(>Dh)がタンク10の内径Daまで縮められ、それに伴い、鍔状部42Bの外周と筒状圧接部73uの内周との間に形成される空隙が縮小され、環状シール部材73Aの円環帯部分の幅が自然状態から圧縮される。この場合、円環板状の挟持部73v、73vで鍔状部42Bを挟持しながら、タンク10の内周面には環状突部73t、73tが常時弾発的に強く圧接せしめられる。そのため、例えば筒状圧接部73uの外周面が湾曲面とされずに環状突部73t、73tが設けられていない場合に比べて、タンク10の内周面に対する面圧が高くなり、タンク10の内周面とストレーナ40(筒状ケース部42)との間に形成される隙間S3のシール性が向上する。
図36A、図36Bは、図35A、図35Bに示す例の変形例(その1)を示している。この変形例の環状シール部材73Bは、図36Aに示される如くに、タンク10内挿入前の自然状態において、筒状圧接部73uの外周面が湾曲面とされずに、この筒状圧接部73uの外周上下に外径がDkの断面半円状の環状突部73t、73tが設けられている。他の構成は、上述した図35A、図35Bに示す例の環状シール部材73Aと同じである。
この変形例の環状シール部材73Bを用いる場合、上述した環状シール部材73Aを用いる場合と同様な作用効果が得られる。さらに、下側の環状突部73tが断面半円状とされているので、下側の環状突部73tが断面概略三角形状とされた環状シール部材73Aを用いる場合に比べて、環状シール部材73Bをタンク10内に挿入しやすくなり、組立性が向上する。
図37A、図37Bは、図35A、図35Bに示す例の変形例(その2)を示している。この変形例の環状シール部材73Cは、図37Aに示される如くに、タンク10内挿入前の自然状態において、筒状圧接部73uの外周上部のみに断面概略三角形状の環状突部73tが設けられている。一方、筒状圧接部73uの外周側下端角部には、R付け又は面取り73rが施されている。他の構成は、上述した図35A、図35Bに示す例の環状シール部材73Aと同じである。
図38A、図38Bは、図35A、図35Bに示す例の変形例(その3)を示している。この変形例の環状シール部材73Dは、図38Aに示される如くに、タンク10内挿入前の自然状態において、筒状圧接部73uの外周上部のみに図36Aに示す例と同様の断面半円状の環状突部73tが設けられている。一方、筒状圧接部73uの外周側下端角部には、図37Aに示す例と同様のR付け又は面取り73rが施されている。他の構成は、上述した図35A、図35Bに示す例の環状シール部材73Aと同じである。
これらの変形例の環状シール部材73C、73Dを用いる場合、上述した環状シール部材73A、73Bを用いる場合と同様な作用効果が得られる。さらに、タンク10内への挿入側の角部である筒状圧接部73uの外周側下端角部にR付け又は面取り73rが施されているので、当該角部に何も施されていない環状シール部材73A、73Bを用いる場合に比べて、環状シール部材73C、73Dをタンク10内に挿入しやすくなり、組立性が向上する。
このような構成とされることにより、本第11実施形態の冷媒容器1Bにおいても、タンク10とストレーナ40(筒状ケース部42)の熱膨縮量が大きく相違しても、該熱膨縮量の相違は環状シール部材73A、73B、73C、73Dの弾性変形により吸収されるので、第9及び第10実施形態の冷媒容器9、1Aと略同様な作用効果が得られる。
[第12実施形態]
図39は、本発明に係る冷媒容器の第12実施形態を示す縦断面図、図40は、図39のD-D矢視線に従う断面図である。
図示第12実施形態の冷媒容器1Cが、前述した第9、第10、第11実施形態の冷媒容器9、1A、1Bと相違するのは、ストレーナ40の筒状ケース部47周りの部位だけである。したがって、第9、第10、第11実施形態の冷媒容器9、1A、1Bの各部に対応する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては相違点を重点的に説明する。
本第12実施形態の冷媒容器1Cでは、ストレーナ40の筒状ケース部47自体が環状シール部材で構成されており、タンク10とストレーナ40との間に形成される隙間S4のシールは、ストレーナ40の筒状ケース部47の端面(外周面、下端面)で行うようになっている。なお、筒状ケース部47の構成が第9、第10、第11実施形態とは異なっている関係で、本例では、網目フィルタ45は、バッフル板部43の上側に張られている。
本実施形態の筒状ケース部47は、弾性材料の一つであるナイロン系樹脂(又はゴム)を素材として作製されており、前記バッフル板部43の外周に一体的に連なるとともに、半径方向及び上下方向に弾性変形可能な断面波形状の環状内周連結部47Rと、該環状内周連結部47Rの外周側に連なるとともに、タンク10の内周面及び底部(底面)13に対接する短円筒状の筒状対接部47Qとで構成されている。そして、筒状対接部47Qの端面(外周面、下端面)が、タンク10の内周面及び底部(底面)13に常時弾発的に圧接せしめられている。
より詳細には、筒状ケース部47は、自然状態では、断面波形状の環状内周連結部47Rが図39に示されるタンク10内配置状態よりも半径方向外方に伸長拡開されていて、その自然状態での外径Dr(図41A)は、タンク10の内径Daより大きくなっている。
したがって、本実施形態の冷媒容器1Cの組立時には、図41Bに示される如くに、断面波形状の環状内周連結部47Rを半径方向内方に圧縮してその外径を縮めて、ストレーナ40を含む内装組立体61をタンク10内に挿入し、その後は筒状対接部47Qをタンク10の内周面に摺接させながら押し込んで、筒状対接部47Qの下端面をタンク10の底部13に押し付ける。この状態からさらに内装組立体61(蓋部材12)を上から押さえ付けるようにして蓋部材12をタンク10の上端面に押し付け、この状態を保持したままで蓋部材12をタンク10に溶接する。
これにより、断面波形状の環状内周連結部47Rの弾性(及び、筒状対接部47Qの弾性)により、筒状ケース部47の筒状対接部47Qの端面がタンク10の内周面及び底部(底面)13に常時弾発的に圧接せしめられ、これによって、タンク10(の内周面及び底部(底面)13)とストレーナ40(筒状ケース部47)との間の隙間S4が完全にシールされる。
そのため、本第12実施形態の冷媒容器1Cにおいても、タンク10とストレーナ40(筒状ケース部47)の熱膨縮量が大きく相違しても、該熱膨縮量の相違は断面波形状の環状内周連結部47R(及び、短円筒状の筒状対接部47Q)の弾性変形により吸収される。そのため、異物を含んだ冷媒が網目フィルタ45を通ることなくストレーナ40(筒状ケース部47)内に侵入したり、あるいは、ストレーナ40が破損したりすることを防止することがきる。
また、上記のように、異物を含んだ冷媒が網目フィルタ45を通ることなくストレーナ40(筒状ケース部47)内に侵入することを防止できることにより、循環冷媒中の異物量を低減できる。そのため、システムを構成する機器類(圧縮機、四方切換弁、膨張弁等)における摺動部間に形成される隙間やオリフィス(小孔)等の異物による詰まりなどを防止でき、それによって、作動不良、故障等の発生を低減することができる。
<第13実施形態>
図42は、本発明に係る冷媒容器の第13実施形態を示す縦断面図、図43は、図42に示される冷媒容器の蓋部材部分の上面図、図44は、図43におけるOを通るV-V矢視線に従う部分断面図である。また、図45は、図42のストレーナ部分を、それに一体に設けられた液相用パイプ及びアウターパイプと共に示す縦断面図、図46は、図42のA-A矢視線に従う断面図である。
なお、第13実施形態の構成は前述した第6実施形態の構成と実質的に同じであるが、ここでは、作用効果とともにその全体構成を説明する。
図示第13実施形態の冷媒容器1Dは、例えば電気自動車用カーエアコンを構成するヒートポンプシステムに用いられるもので、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製の有底円筒状のタンク10を有する。このタンク10の上面開口は、同じ金属製の蓋部材(蓋部)12により気密的に閉塞されている。なお、本実施形態の冷媒容器1D(タンク10)は、図示のように縦置き、つまり、蓋部材12を上(天)側、タンク10の底部13を下(地)側にして設置される。
蓋部材12には、いずれも該蓋部材12を貫通してその上下に開口する、気液流入口15と、下部大径部16aを有する段付き小径の液相用流出口16と、下部大径部17aを有する段付き大径の気相用流出口17と、が設けられている。なお、蓋部材12には、その上側に導管接続アダプタ等が取り付けられるが、該導管接続アダプタ等やそれらをねじ止めするためのめねじ部等は図示が省略されている。
蓋部材12の下側には、気液流入口15に対向するように、タンク10の内径より小径の笠状ないし逆薄鉢状の気液分離体18が配在されている。また、液相用流出口16の下部大径部16aには、気液分離体18により分離された液相冷媒のみを当該液相用流出口16を介して膨張弁側に導出するためのレシーバ用流出管部20(の液相用パイプ21)の上端部21aが挿入されている。また、気相用流出口17の下部大径部17aには、気液分離体18により分離された気相冷媒を、液相冷媒中に含まれるオイルを伴って当該気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に導出するための、インナーパイプ31とアウターパイプ32とからなる二重管構造のアキュームレータ用流出管部30(のインナーパイプ31)の上端部31aが挿入されている(後で詳述)。
前記気液分離体18は、ステンレスあるいはアルミ合金等の金属製とされ、円板状の天井部18aと天井部18aの外周から下向きに連なる円筒状の周壁部18bとを有する。前記気液分離体18は、アキュームレータ用流出管部30におけるアウターパイプ32の上端開口(アウターパイプ32とインナーパイプ31との間の空間であって、後述する下送流路部33の上部)を覆うように(アウターパイプ32の上端が天井部18aと周壁部18bの下端との間に位置するように)、蓋部材12における気液流入口15の下端面から所定距離下側に配置されている(図44参照)。
また、気液分離体18の天井部18aには、ストレート形状の液相用パイプ21の上端部21a及びインナーパイプ31の上端部31aをそれぞれ若干きつめに挿通する通し穴18u、18vが(横並びで)形成されている。
前記タンク10の底部13には、冷媒中に含まれる異物を捕捉するためのストレーナ40が配在されている。ストレーナ40は、タンク10内に圧入気味に挿入(内嵌)されてその底部(底面)13上に載せ置かれる短円筒状の筒状ケース部42と、該筒状ケース部42の上面開口の一部を覆うようにその上端部に一体に設けられた側面視平板状で、平面視(図46)が横橋架部43aと縦橋架部43bとを有する十字架状のバッフル板部43と、を有する。筒状ケース部42の上端面と横橋架部43a及び縦橋架部43bの上面中央部分とには、補強用のリブ状凸部43fが設けられている。
そして、本実施形態では、図42に加えて図45、図46を参照すればよくわかるように、バッフル板部43における横橋架部43aの左端付近に、レシーバ用流出管部20を構成する液相用パイプ21が一体に垂設されている。バッフル板部43(の横橋架部43a)における液相用パイプ21の底部に相当する部位には、液相用パイプ21の内径と同径の液相冷媒吸出口25が形成されている。
また、バッフル板部43における中心よりやや右寄りの、横橋架部43aと縦橋架部43bとが交わる部位に、アキュームレータ用流出管部30を構成するアウターパイプ32が一体に垂設されている。バッフル板部43におけるアウターパイプ32が設けられている部位(アウターパイプ32の底部に当たる部位)の中央には、オイル戻し孔35が形成されている。オイル戻し孔35の孔径は例えば1mm前後に設定されている。このアウターパイプ32には、アルミ合金等の金属製のストレート形状のインナーパイプ31が圧入固定されている(後で詳述)。
さらに、前記筒状ケース部42の上面開口全体を覆うようにバッフル板部43の下面側に円形状の網目フィルタ45が一体に設けられている。網目フィルタ45は、例えば、金網や合成樹脂製のメッシュ材等から作製される。これにより、図46を参照すればよくわかるように、筒状ケース部42の上面開口のうちのバッフル板部43で覆われていない、筒状ケース部42と横橋架部43aと縦橋架部43bとで画成される大小一対ずつの羽根形の4つの窓部44a、44a、44b、44bに網目フィルタ45が張られていることになる。ストレーナ40の筒状ケース部42は、その外周がタンク10の内壁に当接しながらタンク10内に圧入気味に挿入されてその底部13上に載せ置かれているので、タンク10の上部から底部13側へ流下する液相冷媒は全て網目フィルタ45を通る。そのため、網目フィルタ45を介して筒状ケース部42内に流入する液相冷媒中の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。
なお、本例では、前記4つの窓部44a、44a、44b、44bに網目フィルタ45が張られているが、液相冷媒吸出口25やオイル戻し孔35にも網目フィルタ45を貼付してもよい。
なお、網目フィルタ45は、上記のように筒状ケース部42の上面開口全体を覆う必要はなく、筒状ケース部42の上面開口のうちの少なくとも前記バッフル板部43で覆われていない部分を覆うものであればよい。
前記バッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32の内周には、長手方向(上下方向)に沿い、かつ、等角度間隔で複数枚(図示例では4枚)の板状リブ36が半径方向内方に向けて突設されている。各板状リブ36は、下端側から上端側にかけて、インナーパイプ31の下端が載せ置かれて係止される幅広最下部36a、該幅広最下部36aより幅(半径方向の幅であって内方への突出量)が若干狭い下側幅狭部36b、及び該下側幅狭部36bよりさらに幅が若干狭い上側幅狭部36cからなっている。前記下側幅狭部36bの内周側に、アルミ合金等の金属製のインナーパイプ31(の下部)が圧入により、その下端が幅広最下部36aの上端(下側幅狭部36bとの段差部分)に係止されるまで内挿されて固定されている。ここでは、インナーパイプ31を圧入しやすくするため、下側幅狭部36bの上端位置は、アウターパイプ32の高さの1/3ないし1/2程度の位置とされ、下側幅狭部36bの高さ(上下方向の長さ)は、アウターパイプ32の高さの1/4ないし1/3程度とされ、上側幅狭部36cの内端とインナーパイプ31の外周面との間には隙間が形成されるようになっている。なお、本例では、板状リブ36がアウターパイプ32側に設けられているが、インナーパイプ31側又はその両方に設けてもよい。また、板状リブ36の個数は、一つ以上であれば、図示例に限られないことは勿論である。例えば、図47に示されるように、アウターパイプ32とインナーパイプ31との間で3枚の板状リブ36を120°間隔で配置してもよい。
また、前記複数枚の板状リブ36(の上側幅狭部36c)の上端部はアウターパイプ32の上端より上側に延設されており、この延伸部36e(の上端)は、気液分離体18(における通し穴18v周縁部)をその下側で係止する、気液分離体18の下側係止部として働くようにされている。
上記に加え、ストレーナ40のバッフル板部43に一体に設けられた液相用パイプ21の右側面部と、同じくバッフル板部43に一体に設けられたアウターパイプ32の左側面部とは(すなわち、液相用パイプ21とアウターパイプ32との対向する部分同士は)、補強等のため、中央に細長い角丸長方形の開口24aを持つ枠状矩形の連結板(連結部)24で一体に繋げられている。詳細には、この連結板24は、下辺部(下端部)がバッフル板部43の横橋架部43aに一体に連なり、右辺部がアウターパイプ32の左側面部(に結合された左側の板状リブ36)に一体に連なり、左辺部が液相用パイプ21の右側面部に一体に連なっている。また、連結板24(の上辺部)の上端面は、板状リブ36の延伸部36eの上端面と面一(同一高さ位置)とされている。
また、液相用パイプ21における、連結板24の上端面より上側の上端部は、それより下側の部位より若干薄肉とされており(換言すれば、連結板24の上端面より下側の部位は、それより上側の部位より若干厚肉とされており)、その上端薄肉部22とそれより下側部分(厚肉部又は大径部)との段差面(肩面)21cは連結板24の上端面(及び板状リブ36の延伸部36eの上端面)と面一(同一高さ位置)とされている。
アウターパイプ32(の下側幅狭部36b)にその下部が圧入固定されたインナーパイプ31の上部は、アウターパイプ32(及び板状リブ36)の上端より上方に突出せしめられている。
また、インナーパイプ31の上部(気相用流出口17の下部大径部17aに挿入された上端部31aより下側の所定位置)には、前記気液分離体18(における通し穴18v周縁部)をその上側から押圧可能な上側押圧部としての、バルジ成形等により圧縮曲げ加工された上側鍔状部31bが設けられている。
また、インナーパイプ31における気液分離体18付近の高さ位置には、システムの運転停止(ON→OFF)時の圧縮機側への液バックを防止するための均圧孔31fが設けられている。
そして、レシーバ用流出管部20を構成する液相用パイプ21の上端部21a(上端薄肉部22)は、(気液分離体18の通し穴18uを通して)液相用流出口16の下部大径部16aに挿入されている。アキュームレータ用流出管部30を構成するインナーパイプ31の上端部31aは、(気液分離体18の通し穴18vを通して)気相用流出口17の下部大径部17aに挿入されている。
上記のように、本第13実施形態の冷媒容器1Dは、ストレーナ40の筒状ケース部42、バッフル板部43、レシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)、及びアキュームレータ用流出管部30のアウターパイプ32が、合成樹脂を素材として一体成形されている。この一体成形時に網目フィルタ45も例えばインサート物として一体化されている。また、気液分離体18(の天井部18a)は、気液分離体18をその下側で係止する下側係止部としての、液相用パイプ21の段差面(肩面)21c、連結板24、及びアウターパイプ32に形成された板状リブ36の延伸部36eと、気液分離体18をその上側から押圧可能な上側押圧部としてのインナーパイプ31に形成された上側鍔状部31bとで挟持されて水平に保持されている。
なお、前記気液分離体18の固定(保持)方法は、上記実施形態に限られないことは勿論である。上記実施形態では、前記インナーパイプ31における前記上側押圧部として、上側鍔状部31bを用いているが、例えば、気液分離体18の通し穴18vを通過する上端部より大径の大径部、厚肉部等を採用し、それらによって気液分離体18をその上側から押圧するようにしてもよい。また、前記液相用パイプ21における前記下側係止部として、大径部又は厚肉部で形成される段差面(肩面)21cを用いているが、気液分離体18の通し穴18uの下側で半径方向外方に向けて突出する鍔状部、リブ等を採用し、それらによって気液分離体18をその下側で係止するようにしてもよい。また、かしめや拡管等によって気液分離体18を固定(保持)するようにしてもよい。
なお、上記連結板24の開口24aは、例えば、乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32に巻き付けて保持させる際に使用される。乾燥剤入りバッグ等については、必要なら、特許文献2等を参照されたい。また、この開口24aによって、軽量化、材料コスト削減等を図ることもできる。
また、本実施形態では、タンク10の内径が60~90mmとされ、筒状ケース部42(バッフル板部43)の直径はタンク10の内径と略同じで、バッフル板部43の板厚は約1~2mmとされ、タンク10の底面からバッフル板部43(の下面)までの高さH(図42)は5~10mmに設定されている。
このような構成の冷媒容器1Dの組み立ては、例えば、以下のように行うことができる。
(1)まず、気液分離体18の通し穴18uに液相用パイプ21の上端部21a(上端薄肉部22)を挿入し、気液分離体18を上から落し込むようにして、液相用パイプ21の段差面(肩面)21c、連結板24の上端面、及び板状リブ36の延伸部36eの上端面からなる下側係止部上に載せ置く。
(2)続いて、気液分離体18の通し穴18vにインナーパイプ31の下端を通して、その下部をアウターパイプ32の板状リブ36の下側幅狭部36bの内周側に圧入し、該インナーパイプ31の下端が幅広最下部36aの上端に係止されるまで押し込む。この場合、気液分離体18の下面側は、段差面(肩面)21c、連結板24、及び板状リブ36の延伸部36eで係止されている。そのため、インナーパイプ31を上記のように圧入すると、インナーパイプ31に形成された上側押圧部としての上側鍔状部31bが気液分離体18(における通し穴18v周縁部)の上面に圧接せしめられ、気液分離体18は、下側係止部としての、段差面(肩面)21c、連結板24、及び板状リブ36の延伸部36eと、上側押圧部としての上側鍔状部31bとで挟圧保持される。
(3)次に、蓋部材12の液相用流出口16(の下部大径部16a)を液相用パイプ21の上端部21a(上端薄肉部22)に、また、気相用流出口17(の下部大径部17a)をインナーパイプ31の上端部31aにそれぞれ挿入(外挿)するようにして、蓋部材12を液相用パイプ21及びインナーパイプ31に載せ置く。
(4)上記のようにしてストレーナ40、レシーバ用流出管部20、アキュームレータ用流出管部30、気液分離体18、及び蓋部材12からなる組立体を得、上記した乾燥剤入りバッグをアウターパイプ32に巻き付けて保持させる等の作業を行い、その後、該組立体の内装部材60(蓋部材12以外の又は蓋部材12より下側の部分)(図42)にタンク10を(下側から)外装し、ストレーナ40(の筒状ケース部42)をタンク10内に圧入気味に押し込んでその底部13上に載せ置く。
(5)最後に、蓋部材12をタンク10の上端部に溶接接合する。これにより、タンク10内が気密的に封止される。
このような構成とされた冷媒容器1Dの冷房運転時と暖房運転時の動作を説明する。
冷房運転時及び暖房運転時のいずれも、凝縮器から気液流入口15を介してタンク10内に導入された気液混在状態の冷媒は、図44に示される如くに、気液分離体18(の天井部18a)に衝突して放射状に拡散されて液相冷媒と気相冷媒とに分離される。液相冷媒(オイルを含む)はタンク10の内周面を伝うように流下してタンク10の下部空間に導かれるとともに、気相冷媒はタンク10の上部空間に導かれる。
冷房運転時には、例えば、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が操作されて(特許文献2参照)、タンク10の下部空間に導かれる液相冷媒は、ストレーナ40の網目フィルタ45を通過して筒状ケース部42内に溜まる。網目フィルタ45を通過する際には液相冷媒中のスラッジ等の異物が網目フィルタ45により捕捉されて循環冷媒中から取り除かれる。筒状ケース部42内に溜まる液相冷媒は、液相冷媒吸出口25から液相用パイプ21に吸い出されて液相用流出口16を介して膨張弁に導かれる。
したがって、この冷房運転時には、本実施形態の冷媒容器1Dはレシーバ(レシーバドライヤーともいう)として機能する。
それに対し、暖房運転時には、図示しない冷媒流通路に介装された1個ないし複数個の開閉弁が切換操作されて(特許文献2参照)、気液分離体18により分離された気相冷媒は、タンク10の上部空間→アウターパイプ32とインナーパイプ31との間の空間(下送流路部33)→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入されて循環せしめられる。
この暖房運転時には、筒状ケース部42内に溜まった液相冷媒は、圧力差の関係で膨張弁へはほとんど流れない。
また、液相冷媒と共に筒状ケース部42内に溜まるオイルは、液相冷媒との比重や性状の相違等によりタンク10の底部13側に移動していき、前記した下送流路部33→アウターパイプ32の下端部→インナーパイプ31内→気相用流出口17を介して圧縮機吸入側に吸入される気相冷媒に吸引されて、バッフル板部43におけるアウターパイプ32の底部に相当する部分に設けられたオイル戻し孔35→インナーパイプ31を通って気相冷媒と共に圧縮機吸入側に戻されて循環せしめられる。
したがって、この暖房運転時には、本実施形態の冷媒容器1Dはアキュームレータとして機能する。
上記のように、本実施形態の冷媒容器1Dは、レシーバ機能とアキュームレータ機能を併せ持ちながら、レシーバとアキュームレータにおけるタンク部分(タンク10)、流入口部分(気液流入口15)、気液分離部分(気液分離体18)、及びストレーナ部分(ストレーナ40)を共用化しているので、部品点数の少ない合理的な構造とすることができる。
加えて、ストレーナ40のバッフル板部43にレシーバ用流出管部20の液相用パイプ21及びアキュームレータ用流出管部30のアウターパイプ32が(間隔をあけて)並設され、アウターパイプ32にはインナーパイプ31が圧入保持されるので、例えば、蓋部材12には上下方向に貫通する真っ直ぐな液相用流出口16と気相用流出口17を設ければよく、そのため、前述した従来提案のものに比して、蓋部材12やレシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)と液相用流出口16との接続部分等の構造の簡素化が図られる。
さらに、ストレーナ40、レシーバ用流出管部20の少なくとも一部、及びアキュームレータ用流出管部30の少なくとも一部、例えば、ストレーナ40を構成する筒状ケース部42、バッフル板部43、レシーバ用流出管部20を構成する液相用パイプ21、及びアキュームレータ用流出管部30を構成するアウターパイプ32は、合成樹脂を素材として一体成形されているので、構造の一層の簡素化を図れるとともに、所要の剛性、耐熱性等を確保しながら、金属部品に比べて低コストで製造できる合成樹脂素材部分を増やすことかできる。そのため、部品コスト、加工組立コストを一層低く抑えることのできる合理的な構造の冷媒容器を提供することができる。その結果、システム全体の占有スペースの縮小化、部品点数の削減、コスト低減、小型化等を効果的に図ることができる。
また、液相用パイプ21とアウターパイプ32とは連結板24で一体に繋げられて、連結板24がレシーバ用流出管部20(液相用パイプ21)の補強材と気液分離体18の下側係止部として働くようにされているので、剛性が高くなり、気液分離体18の保持安定性等が向上する。
さらに、本実施形態の冷媒容器1Dでは、気液分離体18の保持に蓋部材12を使用せず(つまり、蓋部材と流出管に設けられた下側係止部とで気液分離体を挟んで保持するのではなく)、気液分離体18を液相用パイプ21、インナーパイプ31に設けられた下側係止部(下側鍔状部21b、板状リブ36の延伸部36e)と上側押圧部(上側鍔状部31b)とで挟持して保持するようにされる。したがって、気液流入口15からタンク10内に噴出された気液混在状態の冷媒によって気液分離体18が下向きに押されても、該押圧力は液相用パイプ21、インナーパイプ31を介して、タンク10の底部13に圧入固定されたストレーナ40のバッフル板部42で受け止められるので、気液分離体18が押し下げられることはない。
これにより、下側係止部が設けられた流出管の上端部が蓋部材に拡管、かしめ等により固定されているだけの従来の冷媒容器に比して、本実施形態の冷媒容器1Dは、気液分離体18の保持力が強くなって安定性が増し、気液分離体18のガタつきや傾きが抑えられ、所要の気液分離性能を得ることができる。
なお、試作実験等により、タンク10の内径が60~90mmで、バッフル板部43のタンク10の底面13からの高さHを5~10mmに設定した場合、気液分離性能、圧縮機へのオイル戻り性能を、現状品と同等に確保できることが確認されている。
1 冷媒容器(第1実施形態)
2 冷媒容器(第2実施形態)
3 冷媒容器(第3実施形態)
4 冷媒容器(第4実施形態)
5 冷媒容器(第5実施形態)
6 冷媒容器(第6実施形態)
7 冷媒容器(第7実施形態)
8 冷媒容器(第8実施形態)
9 冷媒容器(第9実施形態)
1A 冷媒容器(第10実施形態)
1B 冷媒容器(第11実施形態)
1C 冷媒容器(第12実施形態)
1D 冷媒容器(第13実施形態)
10 タンク
12 蓋部材(蓋部)
12d レシーバ用流出管部側の下凸部
12e アキュームレータ用流出管部側の下凸部
13 タンクの底部
15 気液流入口
16 液相用流出口
16a 液相用流出口の下部大径部(第5~第8、第13実施形態)
16b 液相用流出口の中間大径部
16c 液相用流出口の下部中径部(第9~第12実施形態)
17 気相用流出口
17a 気相用流出口の下部大径部(第5~第8、第13実施形態)
17b 気相用流出口の中間大径部
17c 気相用流出口の下部中径部(第9~第12実施形態)
18 気液分離体
18a 天井部
18b 周壁部
18u 液相用パイプ用通し穴
18v インナーパイプ用通し穴
20 レシーバ用流出管部
21 液相用パイプ
21a 液相用パイプの上端部(拡管部)
21b 下側鍔状部(下側係止部)(第5実施形態)
21c 段差面(肩面)(下側係止部)(第6、第13実施形態)
21k 液相用パイプの鍔状部(下側係止部)
22 上端薄肉部(第13実施形態)
24 連結板(連結部)(第6、第13実施形態)
24a 開口(第6、第13実施形態)
25 液相冷媒吸出口
26 板状リブ(第7実施形態)
30 アキュームレータ用流出管部
30A 二重管(第2、第7実施形態)
31 インナーパイプ
31a インナーパイプの上端部(拡管部)
31b 上側鍔状部(上側押圧部)(第5、第13実施形態)
31k インナーパイプの鍔状部(下側係止部)
31f 均圧孔
32 アウターパイプ
33 下送流路部
35 オイル戻し孔
36 板状リブ
36a 幅広最下部(第5、第13実施形態)
36b 下側幅狭部(第5、第13実施形態)
36c 上側幅狭部(第5、第13実施形態)
36e 板状リブの延伸部(下側係止部)(第5、第13実施形態)
36m 板状リブの下端部
36n 板状リブの幅狭部
37 板状リブ(第2、第7、第8実施形態)
37e 板状リブの延伸部(下側係止部)(第2、第7、第8実施形態)
40 ストレーナ
42 筒状ケース部
42A シール保持部(第9実施形態)
42a、42b 保持板部(第9実施形態)
42B 鍔状部(第10、第11実施形態)
42e 切欠部(第9~第11実施形態)
43 バッフル板部
43a 横橋架部
43b 縦橋架部
43A 外環板部(第9~第12実施形態)
43B 横橋架部(第9~第12実施形態)
43c、43d 円形板部(第9~第12実施形態)
43f リブ状凸部
44 窓部(第9~第12実施形態)
44a、44b 窓部
45 網目フィルタ
47 筒状ケース部(第12実施形態)
47Q 筒状対接部(第12実施形態)
47R 環状内周連結部(第12実施形態)
51 液相用管保持部
52 気相用管保持部(第2、第7、第8実施形態)
60 内装部材
61 内装組立体(第9~第12実施形態)
67 Oリング(第4実施形態)
71 環状シール部材(第9実施形態)
71u 筒状撓曲部(第9実施形態)
72A 環状シール部材(第10実施形態)
72B 環状シール部材(第10実施形態の変形例(その1))
72C 環状シール部材(第10実施形態の変形例(その2))
72u 外周部(環状圧接部)
72v 内周部(挟持部)
72t 環状突部
73A 環状シール部材(第11実施形態)
73B 環状シール部材(第11実施形態の変形例(その1))
73C 環状シール部材(第11実施形態の変形例(その2))
73D 環状シール部材(第11実施形態の変形例(その3))
73u 筒状圧接部
73v 挟持部
73t 環状突部
73r R付け又は面取り

Claims (42)

  1. 気液流入口、液相用流出口、及び気相用流出口が設けられた蓋部によりその上面開口が気密的に閉塞された有底筒状のタンクと、該タンク内における前記蓋部の下側に前記気液流入口に対向して配在された気液分離体と、該気液分離体により分離された液相冷媒のみを前記液相用流出口を介して膨張弁側に導出するための、液相冷媒吸出口を有するレシーバ用流出管部と、前記気液分離体により分離された気相冷媒を前記液相冷媒中に含まれるオイルを伴って前記気相用流出口を介して圧縮機吸入側に導出するための、オイル戻し孔を有するアキュームレータ用流出管部と、冷媒中に含まれる異物を捕捉するためのストレーナと、を備え、
    前記ストレーナは、前記タンクの底部上に載せ置かれる筒状ケース部と、該筒状ケース部の上面開口の一部を覆うバッフル板部と、前記筒状ケース部の上面開口のうちの少なくとも前記バッフル板部で覆われていない部分を覆う網目フィルタと、を有し、
    前記バッフル板部に、前記レシーバ用流出管部と前記アキュームレータ用流出管部とが並設されていることを特徴とする冷媒容器。
  2. 前記バッフル板部に、前記レシーバ用流出管部と前記アキュームレータ用流出管部とが間隔をあけて並設されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  3. 前記液相用流出口及び前記気相用流出口にそれぞれ中間大径部が形成されるとともに、該中間大径部に前記レシーバ用流出管部及び前記アキュームレータ用流出管部の上端部がそれぞれ拡管固定されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  4. 前記液相用流出口及び気相用流出口に前記レシーバ用流出管部及びアキュームレータ用流出管部の上端部がそれぞれ挿入されるとともに、該挿入された部分の下側部分が前記蓋部にかしめ固定されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  5. 前記レシーバ用流出管部は、前記液相用流出口にその上端部が挿入された液相用パイプと、該液相用パイプを保持すべく前記バッフル板部に設けられた液相用管保持部とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  6. 前記気液分離体に前記液相用パイプの上端部を挿通する通し穴が形成されるとともに、前記液相用パイプの上部に、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部が設けられ、前記気液分離体は、前記蓋部の下面と前記下側係止部とで挟持されていることを特徴とする請求項5に記載の冷媒容器。
  7. 前記液相用パイプの上部に、前記下側係止部としての鍔状部又は厚肉部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の冷媒容器。
  8. 前記アキュームレータ用流出管部は、前記気相用流出口にその上端部が挿入されたインナーパイプと該インナーパイプを保持すべく前記バッフル板部に設けられたアウターパイプとからなる二重管で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  9. 前記アキュームレータ用流出管部は、前記気相用流出口にその上端部が挿入されたインナーパイプと該インナーパイプに一体化されたアウターパイプとからなる二重管と、該二重管を保持すべく前記バッフル板部に設けられた気相用管保持部とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  10. 前記気液分離体に前記インナーパイプの上端部を挿通する通し穴が形成されるとともに、前記インナーパイプの上部に、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部が設けられ、前記気液分離体は、前記蓋部の下面と前記下側係止部とで挟持されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の冷媒容器。
  11. 前記インナーパイプの上部に、前記下側係止部としての鍔状部又は厚肉部が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の冷媒容器。
  12. 前記気液分離体は前記蓋部にかしめ固定されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  13. 前記気液分離体は、前記アキュームレータ用流出管部周り又は前記レシーバ用流出管部周りで前記蓋部にかしめ固定されていることを特徴とする請求項12に記載の冷媒容器。
  14. 前記ストレーナの前記筒状ケース部は、前記タンクの底部に圧入気味に内嵌されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  15. 前記気液分離体に、前記アキュームレータ用流出管部の前記インナーパイプを挿通する通し穴が形成されるとともに、前記アキュームレータ用流出管部における前記インナーパイプと前記アウターパイプとの間に、それらを相互に繋ぐとともに前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部として働く少なくとも一つのリブが設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の冷媒容器。
  16. 前記レシーバ用流出管部と前記アキュームレータ用流出管部とは、少なくともその上端部が前記下側係止部として働く連結部で一体に繋げられていることを特徴とする請求項15に記載の冷媒容器。
  17. 前記連結部は、その下端部が前記バッフル板部に連設されていることを特徴とする請求項16に記載の冷媒容器。
  18. 前記アキュームレータ用流出管部は、前記インナーパイプと該インナーパイプを保持すべく前記バッフル板部に一体に設けられた前記アウターパイプとからなる二重管で構成されていることを特徴とする請求項15に記載の冷媒容器。
  19. 前記アウターパイプに、前記少なくとも一つのリブが半径方向内方に向けて突設され、該リブのうち前記アウターパイプの上端より上側に延設された延伸部が前記下側係止部とされていることを特徴とする請求項18に記載の冷媒容器。
  20. 前記インナーパイプにおける前記下側係止部より上側に、前記気液分離体をその上側から押圧可能な上側押圧部としての上側鍔状部、大径部、又は厚肉部が設けられ、
    前記気液分離体は、前記下側係止部と前記上側押圧部とで挟持されていることを特徴とする請求項19に記載の冷媒容器。
  21. 前記アキュームレータ用流出管部は、前記インナーパイプと該インナーパイプと一体に設けられた前記アウターパイプとからなる二重管と、該二重管を保持すべく前記バッフル板部に一体に設けられた気相用管保持部とで構成されていることを特徴とする請求項15に記載の冷媒容器。
  22. 前記インナーパイプと前記アウターパイプとは、それらの間に設けられた前記少なくとも一つのリブにより一体化されており、前記リブのうち前記アウターパイプの上端より上側に延設された延伸部が前記下側係止部とされていることを特徴とする請求項21に記載の冷媒容器。
  23. 前記気液分離体は、前記下側係止部と前記気液分離体をその上側から押圧可能な上側押圧部としての蓋部の下面とで挟持されていることを特徴とする請求項22に記載の冷媒容器。
  24. 前記タンクの内周面と前記ストレーナとの間に形成される隙間を閉塞すべく、前記ストレーナに、前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接する環状シール部材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  25. 前記タンクの内周面と前記筒状ケース部との間に形成される隙間を閉塞すべく、前記筒状ケース部に前記環状シール部材が取り付けられていることを特徴とする請求項24に記載の冷媒容器。
  26. 前記環状シール部材は、自然状態では円環板状とされ、前記タンク内挿入時に、その外周部が上側に撓曲され、その撓曲されて形成される筒状撓曲部が前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接するようにされていることを特徴とする請求項25に記載の冷媒容器。
  27. 前記筒状ケース部の外周に、前記環状シール部材の内周部が嵌め込まれて保持される上下の保持板部からなるシール保持部が設けられていることを特徴とする請求項26に記載の冷媒容器。
  28. 前記筒状ケース部の外周に鍔状部が設けられ、
    前記環状シール部材は、前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接する断面半円状もしくはC字状の環状圧接部と、該環状圧接部の一端部及び他端部に連なって前記鍔状部を挟持する上下一対の挟持部とで構成されていることを特徴とする請求項25に記載の冷媒容器。
  29. 前記筒状ケース部の外周に鍔状部が設けられ、
    前記環状シール部材は、前記タンクの内周面に常時弾発的に圧接する筒状圧接部と、該筒状圧接部の内周側に連なって前記鍔状部を挟持する上下一対の挟持部とで構成されていることを特徴とする請求項25に記載の冷媒容器。
  30. 前記環状シール部材の外周側における上部もしくは上部および下部の両方に、自然状態において半径方向外方に突出し、前記タンク内挿入時に該タンクの内周面に強く押し付けられる環状突部が設けられていることを特徴とする請求項28又は29に記載の冷媒容器。
  31. 前記筒状圧接部の外周側下端角部にR付け又は面取りが施されていることを特徴とする請求項29に記載の冷媒容器。
  32. 前記筒状ケース部に、該筒状ケース部の内周側と外周側とで冷媒を流通させるための切欠部が形成されていることを特徴とする請求項25から31のいずれか一項に記載の冷媒容器。
  33. 前記タンクの内周面と前記筒状ケース部との間に形成される隙間を閉塞すべく、前記筒状ケース部は、前記バッフル板部に連なるとともに、半径方向及び上下方向に弾性変形可能な断面波形状の環状内周連結部と、該環状内周連結部の外周側に連なるとともに、前記タンクの内周面及び底部に対接してその端面が該タンクの内周面及び底部に常時弾発的に圧接する筒状対接部とを有する前記環状シール部材で構成されていることを特徴とする請求項24に記載の冷媒容器。
  34. 前記ストレーナ、前記レシーバ用流出管部の少なくとも一部、及び前記アキュームレータ用流出管部の少なくとも一部は、合成樹脂を素材として一体成形されていることを特徴とする請求項1に記載の冷媒容器。
  35. 前記レシーバ用流出管部は、その上端部が前記液相用流出口に挿入された液相用パイプで構成され、
    前記アキュームレータ用流出管部は、その上端部が前記気相用流出口に挿入されたインナーパイプと該インナーパイプが保持されるアウターパイプとからなる二重管で構成され、
    前記ストレーナ、前記液相用パイプ、及び前記アウターパイプは、合成樹脂を素材として一体成形されていることを特徴とする請求項34に記載の冷媒容器。
  36. 前記液相用パイプと前記アウターパイプとは、連結部で一体に繋げられていることを特徴とする請求項35に記載の冷媒容器。
  37. 前記連結部は、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部とされていることを特徴とする請求項36に記載の冷媒容器。
  38. 前記連結部は、前記ストレーナにも連設されていることを特徴とする請求項36又は37に記載の冷媒容器。
  39. 前記気液分離体に前記液相用パイプ及び前記インナーパイプをそれぞれ挿通する通し穴が形成されるとともに、前記液相用パイプ及び前記インナーパイプに、前記気液分離体をその下側で係止する下側係止部が設けられ、前記インナーパイプにおける前記下側係止部より上側に前記気液分離体をその上側から押圧可能な上側押圧部が設けられ、前記気液分離体は、前記下側係止部と前記上側押圧部とで挟持されていることを特徴とする請求項35から38のいずれか一項に記載の冷媒容器。
  40. 前記アウターパイプに、少なくとも一つのリブが半径方向内方に向けて突設され、該リブのうち前記アウターパイプの上端より上側に延設された延伸部が前記下側係止部とされていることを特徴とする請求項39に記載の冷媒容器。
  41. 前記インナーパイプに、前記上側押圧部としての上側鍔状部、大径部、又は厚肉部が設けられていることを特徴とする請求項39に記載の冷媒容器。
  42. 前記液相用パイプに、前記下側係止部としての鍔状部、大径部、厚肉部、又はリブが設けられていることを特徴とする請求項39に記載の冷媒容器。
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