JP7110754B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、およびそれを用いたコーティング剤、ならびにシート - Google Patents
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Description
加飾成型の方法としては、従来から、顔料を熱可塑性樹脂に練り込み成型したり、成型後の樹脂製品表面に塗料をスプレー塗装したりして、加飾する方法がある。しかしながら、これらの手法は、複雑な形の成型品に対する適用が難しい。
そこで、金型を使用したインサート成型やインモールド成型、さらに近年では、金型が不要なTOM成型(Three dimension Overlay Method(3次元表面被覆工法))等の三次元成型によって、上記加飾成型を行うことにより、複雑な形の成型品に対する加飾成型の適用が検討されている。
また、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が成型品の最表面材料に用いられる場合には、表面の硬度や耐擦傷性が求められる。特に、手指と接触する可能性のある成型品においては、上記のような特性の他、表面タック感の抑制や、日焼け止めやハンドクリーム等に対する耐薬品性が求められる。
また、例えば下記の特許文献2には、フリル基を含む化合物と、重合性化合物と、重合開始剤とを含んでなる加飾シート用組成物および成型加工品の製造方法が開示されている。そして、特許文献2には、上記組成物を用いた加飾シートが、種々の成型加工に対応可能な優れたハードコート性と成型性とを高いレベルで両立することが示されている。
また、上記特許文献2に開示の組成物は、ハードコート性や耐薬品性には優れるものの、様々な成型方法に対応することができるような伸びを有しておらず、この点において課題が残る。
上記ポリオール(a2)が、数平均分子量60~300の低分子量ポリオール(a2-1)および数平均分子量500~20,000の高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)を含み、
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のウレタン結合濃度が3.5mmol/g以上である活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、第1の要旨とする。
そして、上記のような効果を奏することから、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、各種基材へのコーティング剤や、成型用シート、およびその保護層の材料、加飾フィルム用ハードコートの材料として有用である。
本発明で用いられる上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を用いて反応させてなる反応生成物である。そして、上記ポリオール(a2)が、数平均分子量60~300の低分子量ポリオール(a2-1)および数平均分子量500~20,000の高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)を含む。
すなわち、本発明で用いられる上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)由来の構造単位、数平均分子量60~300の低分子量ポリオール(a2-1)由来の構造単位、数平均分子量500~20,000の高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)由来の構造単位、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)由来の構造単位を備えた化合物である。
なお、本発明の作用効果の観点から、上記ポリオール(a2)全体の50重量%以上、特には80重量%以上が上記低分子量ポリオール(a2-1)および高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)からなることが好ましく、上記ポリオール(a2)の全てが上記低分子量ポリオール(a2-1)および高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)からなることが、より好ましい。
(N×1000/M)×(P/100) ・・・(1)
このように、上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のウレタン結合濃度が高いことから、特に、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物により形成される硬化塗膜に高弾性率を付与することができる。
上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等があげられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
なかでも、硬化塗膜の伸びの観点から、上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)が、ジイソシアネートであることが好ましい。同様の観点から、より好ましくはイソホロンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンであり、特に好ましくは1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンである。
上記ポリオール(a2)としては、先に述べたように、数平均分子量60~300の低分子量ポリオール(a2-1)と、数平均分子量500~20,000の高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)とを併用したものが用いられる。
また、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の構成材料である、脂環構造含有ポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)の割合は、好ましくは10~50重量%、より好ましくは15~45重量%、更に好ましくは20~40重量%である。
さらに、前記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の構成材料である、脂環構造含有ポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)と低分子量ポリオール(a2-1)の合計の割合は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50~90重量%、更に好ましくは55~80重量%である。このような範囲とすることにより、表面タック感が抑制され、弾性率に優れた硬化塗膜を得ることができる。
これらの中でも、硬化塗膜にした場合の適度な結晶性付与、および柔軟性付与の観点から、分岐構造を有するものが好ましく、特に、分岐構造を有する脂肪族鎖を有するジオールが好ましい。また、硬化塗膜の黄変性の観点から、芳香環や不飽和基を含まない構造の化合物がより好ましく、特に好ましくは脂肪族ジオール類、更に好ましくはネオペンチルグリコールである。
上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)としては、具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1~16(好ましくは1~12)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性-グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物;グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイル-オキシプロピルメタクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個有する化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を3個以上有する化合物等があげられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート(A)は、例えば、前記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)、低分子量ポリオール(a2-1)、高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を用いて、反応器に一括または別々に仕込み反応させることにより製造することができるが、低分子量ポリオール(a2-1)および高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)と、脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)とを予め反応させて得られる反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させることが、反応の安定性や副生成物の低減等の点から有用である。
特に、有機溶剤中に、脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)と、低分子量ポリオール(a2-1)とを加えて反応させた後、高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)を更に加えて反応させ、その結果得られた反応物に、水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)を反応させて、目的とするウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造すると、良好にウレタン(メタ)アクリレート(A)を製造することができる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併せて用いることもできる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併せて用いることもできる。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中における有機溶剤の含有量は、通常1~90重量%、好ましくは10~80重量%、より好ましくは20~70重量%、更に好ましくは30~60重量%である。すなわち、上記有機溶剤の含有量が少なすぎると、著しく高粘度となりハンドリング性が損なわれるおそれがあり、上記有機溶剤の含有量が多すぎると、反応速度が低下することで生産性に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
なお、上記粘度は、B型粘度計を用いて測定される。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物においては、硬化性を付与するために、さらに光重合開始剤を含有させることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記特定のウレタン(メタ)アクリレート(A)に、光重合開始剤等の各種添加剤を所定の配合量にて配合し、混合することにより製造することができる。
なお、上記粘度は、B型粘度計を用いて測定される。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、例えば、コーティング剤用途に用いられる。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全化を図ることもできる。その際の加熱条件としては、例えば、温度120~200℃等があげられる。
そして、これらの特性により、例えば、プラスチック部品等の表面に対して施工されるハードコート剤や、スマートフォン等の携帯電話,自動車用の内外装部品,サインポール,理容機器,アミューズメント機器等における表層部分の形成材料等に使用することができる。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
また、重量平均分子量、数平均分子量および粘度の測定に関しては、前述の方法に従って測定した。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)250g(1.29モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}120.7g(1.16モル)、希釈溶剤として酢酸エチル500gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.2%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水酸基価63mgKOH/g、数平均分子量1,780}114g(0.06モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.6%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)15.0g(0.13モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-1)の酢酸エチル50%溶液を得た(A-1の重量平均分子量:23,950、溶液粘度:13,300mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-1)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)218g(1.12モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}87.5g(0.84モル)、希釈溶剤として酢酸エチル500gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.9%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、1,6-ヘキサメチレンジオール、水酸基価121mgKOH/g、数平均分子量927}173g(0.19モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.8%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)21.7g(0.19モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-2)の酢酸エチル50%溶液を得た(A-2の重量平均分子量:19,000、溶液粘度:8,000mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-2)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)203g(1.04モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}87g(0.84モル)、希釈溶剤として酢酸エチル500gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.2%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水酸基価63mgKOH/g、数平均分子量1,780}185g(0.10モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.9%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)24.6g(0.21モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-3)の酢酸エチル50%溶液を得た(A-3の重量平均分子量:15,700、溶液粘度:5,100mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-3)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)216g(1.11モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}96.7g(0.93モル)、希釈溶剤として酢酸エチル500gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.9%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水酸基価63mgKOH/g、数平均分子量1,780}165g(0.09モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.8%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)21.9g(0.19モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-4)の酢酸エチル50%溶液を得た(A-4の重量平均分子量:17,700、溶液粘度:6,300mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-4)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)236g(1.21モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}111g(1.06モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル500gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.5%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水酸基価63mgKOH/g、数平均分子量1,780}136g(0.08モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が0.7%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)17.6g(0.15モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-5)の酢酸ブチル50%溶液を得た(A-5の重量平均分子量:22,400、溶液粘度:20,900mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-5)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)233g(1.20モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}93.6g(0.90モル)、希釈溶剤として酢酸エチル500gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が3.1%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、1,6-ヘキサメチレンジオール、水酸基価121mgKOH/g、数平均分子量927}139g(0.15モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.3%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)34.8g(0.30モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A-6)の酢酸エチル50%溶液を得た(A-6の重量平均分子量:10,940、溶液粘度:2,200mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A-6)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)181g(0.93モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}48.7g(0.47モル)、希釈溶剤として酢酸ブチル300gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が7.4%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水酸基価63mgKOH/g、数平均分子量1,780}415g(0.23モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が2.1%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)55.1g(0.47モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’-1)の酢酸ブチル30%溶液を得た(A’-1の重量平均分子量:13,200、溶液粘度:7,000mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A’-1)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)227g(1.17モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}81.2g(0.78モル)、希釈溶剤として酢酸エチル300gを仕込み、50℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が5.4%以下となった時点で、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水酸基価63mgKOH/g、数平均分子量1,780}346g(0.19モル)を加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が1.7%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)45.9g(0.40モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’-2)の酢酸エチル30%溶液を得た(A’-2の重量平均分子量:13,300、溶液粘度:9,000mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A’-2)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)162g(0.84モル)、2官能のポリエステルポリオール(本発明の(a2-2)に該当){組成:アジピン酸、イソフタル酸、3-メチル-1,5-ペンタメチレンジオール、水酸基価63mgKOH/g、数平均分子量1,780}739g(0.42モル)を仕込み、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え60℃で反応させた。残存イソシアネート基が3.9%以下となった時点で、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)98.4g(0.85モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’-3)を得た(A’-3の重量平均分子量:10,000、粘度:50,000mPa・s/60℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A’-3)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
内温計、撹拌機、冷却管を備えたフラスコに、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(本発明の(a1)に該当)418g(2.15モル)、ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当){分子量:104}179g(1.72モル)、希釈溶剤として酢酸エチル300gを仕込み、70℃で加温した。ネオペンチルグリコール(本発明の(a2-1)に該当)が溶解した後、反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.1gを加え、70℃で反応させた。残存イソシアネート基が4.0%以下となった時点で60℃まで冷却し、2-ヒドロキシエチルアクリレート(本発明の(a3)に該当)102g(0.88モル)、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.4gを更に仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタンアクリレート系化合物(A’-4)の酢酸エチル30%溶液を得た(A’-4の重量平均分子量:3,900、溶液粘度:10,000mPa・s/20℃)。
上記溶液中のウレタンアクリレート系化合物(A’-4)100部に対し、さらに光重合開始剤(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(IGM Resins社製、「オムニラッド184」))4部を混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を離型性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケーターで塗布し、乾燥機にて60℃で30分間乾燥後、高圧水銀ランプ(80W)1灯を用いて、18cmの高さから3.4m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量800mJ/cm2)を行い、硬化塗膜(膜厚:100μm)を得た。ついで、この硬化塗膜をダンベルで打ち抜いて、幅15mm、長さ75mmとなるように短冊状サンプルを作製した後、PETフィルムから硬化塗膜を剥離し、評価用サンプル片とした。
温度23℃、湿度50%下で、引っ張り試験機「AG-X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠して、サンプルの引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、塗膜の破断点における伸度を測定し、下記の基準にて評価した。
◎・・・200%以上。
○・・・100%以上200%未満。
×・・・100%未満。
温度23℃、湿度50%下で、引っ張り試験機「AG-X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠して、サンプルの引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、塗膜の伸張変形の変位1~2%の領域における弾性率を測定し、下記の基準にて評価した。
◎・・・20(N/mm2)以上。
○・・・10(N/mm2)以上20(N/mm2)未満。
×・・・10(N/mm2)未満。
温度23℃、湿度50%下で、引っ張り試験機「AG-X」(島津製作所社製)を用い、JIS K 7127に準拠して、サンプルの引っ張り試験を行った。引っ張り速度は10mm/minで、塗膜の破断点における強度を測定し、下記の基準にて評価した。
◎・・・15(N/mm2)以上。
○・・・5(N/mm2)以上15(N/mm2)未満。
×・・・5(N/mm2)未満。
サンプルの表面のタックの有無を、下記の基準にて指触により評価した。
◎・・・タックが全く感じられない。
○・・・指を強く押し付けると、わずかにタックが感じられる。
×・・・指を押し付けるとタックが感じられる。
サンプルの表面に、エタノールを含ませたウェス(日本製紙クレシア社製、「キムワイプ」)を、500gの重量で押し当て、その状態のまま10往復させた。その後、下記の基準にて、サンプル表面の状態を目視評価した。
○・・・サンプル表面に変化がない。
△・・・サンプル表面がわずかに白濁または傷がついている。
×・・・サンプル表面が白濁している。
サンプルの表面に、日焼け止め(ジョンソン・エンド・ジョンソン社製、「ニュートロジーナSPF45」)を0.02g/cm2塗布し、40℃で1時間放置後に拭取り、サンプル表面の状態を目視評価した。
○・・・サンプル表面に変化がない。
△・・・塗膜表面がわずかに白濁または傷がついている。
×・・・塗膜表面が白濁している。
そして、これらの特性により、例えば、プラスチック部品等の表面に対して施工されるハードコート剤や、スマートフォン等の携帯電話,自動車用の内外装部品,サインポール,理容機器,アミューズメント機器等における表層部分の形成材料等に使用することができる。また、上記特性を生かした、その他の用途に用いることもできる。
Claims (8)
- 脂環構造含有ポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の反応物であるウレタン(メタ)アクリレート(A)を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
上記ポリオール(a2)が、数平均分子量60~300の低分子量ポリオール(a2-1)および数平均分子量500~20,000の高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)を含み、
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)の構成材料である、脂環構造含有ポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の割合が1~15重量%であり、
上記ウレタン(メタ)アクリレート(A)のウレタン結合濃度が3.5mmol/g以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 - 上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)の割合が30重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)と低分子量ポリオール(a2-1)の合計の割合が40重量%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1),ポリオール(a2),および水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の合計に対し、上記脂環構造含有ポリイソシアネート(a1)の割合が30~60重量%であり、上記低分子量ポリオール(a2-1)の割合が10~40重量%であり、上記高分子量ポリエステル系ポリオール(a2-2)の割合が10~50重量%であり、上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)の割合が1~15重量%であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記低分子量ポリオール(a2-1)が、分岐構造を有していることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 上記水酸基含有(メタ)アクリレート(a3)が、分子中に(メタ)アクリロイル基を1個有する(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコーティング剤。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化体からなることを特徴とするシート。
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