JP7275748B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、およびこれを含有してなるコート剤 - Google Patents
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Description
また、ハードコート剤は、打ち抜き加工等の加工適正を向上させるためや、近年開発されているフレキシブルディスプレイで使用するために、硬化塗膜を形成したプラスチックフィルムを曲げてもクラック等が生じ難いこと(高屈曲性)が求められている。
したがって本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、硬化塗膜に硬度と屈曲性が要求される用途に有用であり、例えば、高屈曲性が要求されるフレキシブルディスプレイ等の光学用部材の表面コート剤や、硬化塗膜に耐クラック性が要求される打ち抜き加工用等のコート剤、インモールド成型用のコート剤として、特に有用である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタアクリロイルを、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートを、(メタ)アクリロイロキシはアクリロイロキシあるいはメタクリロイロキシを、それぞれ意味するものであり、アクリル系樹脂とは、(メタ)アクリレート系モノマーを1種以上含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
本発明で用いられるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、多価イソシアネート系化合物(a1)および水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a2)を反応させた反応生成物や、多価イソシアネート系化合物(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a2)およびポリオール系化合物(a3)を反応させた反応生成物が挙げられる。
これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が2~20(好ましくは2~18)であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール-テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート;
2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、脂肪酸変性-グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を1つ含有する(メタ)アクリレート系化合物;
グリセリンジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリロイル-オキシプロピルメタクリレート等のエチレン性不飽和基を2つ含有する(メタ)アクリレート系化合物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基を3つ以上含有する(メタ)アクリレート系化合物;等が挙げられる。
これらは1種を単独で、または2種以上併せて用いることができる。
かかるジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物としては、ジペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸を公知一般の方法で反応させたものが用いられる。
ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸付加物としては、その成分中に、ジペンタエリスリトールに対して(メタ)アクリル酸が一つ付加したもの、二つ付加したもの、三つ付加したもの、四つ付加したもの、五つ付加したもの、六つ付加したものが含まれ、(メタ)アクリル酸のミカエル付加物などの副反応生成物が含まれることがある。
かかる混合物の水酸基価が小さすぎると、低分子量でエチレン性不飽和基数が多く、イソシアネートと反応しない(メタ)アクリル酸付加物の含有量が多くなるので、硬化時の硬化収縮が大きくなることから、カールし易くなる傾向があり、更には屈曲性が低下する傾向がある。なお、通常、上記水酸基価が大きくなりすぎると、分子量の増加に伴い、粘度が向上するので、取り扱い難くなる傾向がある。
なお、本明細書において水酸基価はJIS K 0070 1992に準じた方法により求められた値である。
また水酸基価の調整は、例えば、(メタ)アクリル酸が一つから六つ付加したものまでの付加物の混合比率を調整することにより行われる。
ポリオレフィン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリオレフィン系ポリオールであってもよい。
また、ポリオール系化合物(a3)の含有する水酸基の数は、好ましくは1~5個、より好ましくは2~3個、更に好ましくは2個である。水酸基の数が多すぎると、反応中にゲル化が起こりやすくなる傾向がある。
(1)上記の多価イソシアネート系化合物(a1)、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a2)およびポリオール系化合物(a3)を反応器に一括または別々に仕込み反応させる方法、
(2)多価イソシアネート系化合物(a1)とポリオール系化合物(a3)とを予め反応させて得られる反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a2)を反応させる方法、
(3)多価イソシアネート系化合物(a1)と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a2)とを予め反応させて得られる反応生成物に、ポリオール系化合物(a3)を反応させる方法、
等が挙げられるが、反応の安定性や副生成物の低減等の点から(2)の方法が好ましい。
XT 450を1本、ACQUITY APC XT 200を1本、ACQUITY
APC XT 45を2本の計4本を直列にして用いることにより測定される。
次に、多官能チオール系化合物(B)について説明する。
かかる多官能チオール系化合物(B)としては、1分子中に2個以上のチオール基を有するものであれば特に限定されず、例えば、二官能チオール化合物(チオール基を2つ含有する化合物)、三官能チオール系化合物(チオール基を3つ含有する化合物)、四官能以上のチオール化合物(チオール基を4つ以上含有する化合物)等が挙げられるが、3個以上のチオール基を有するチオール系化合物が好ましく、更には4個以上のチオール基を有するチオール系化合物が好ましく、特には6個以上のチオール基を有するチオール系化合物が好ましい。
なお、チオール基の個数が多くなるほど、分子間の連結が多くなり、硬化塗膜の柔軟性が向上する傾向がある。更には、10個以上のチオール基を有するチオール化合物では連結基が多すぎることから網目構造となりゲル化し易い傾向があり、またチオール基が反応せずに残存した場合、樹脂溶液としての粘度安定性が低下する傾向にあるので好ましくない。
そして、多官能チオール系化合物(B)としては、特に6個以上のメルカプト基を有するメルカプトプロピオネートであることが硬化性および塗膜硬度の点から好ましい。
二官能チオール化合物としては、例えば、
テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2-メルカプトプロピオネート)、1,2-プロピレングリコールビス(2-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2-プロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2-プロピレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、1,2-プロピレングリコールビス(3-メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビス(2-メルカプトイソブチレート)、1,2-プロピレングリコールビス(2-メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、等のグリコール系チオール化合物;
1,4-ブタンジオールビス(2-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトイソブチレート)、1,4-ブタンジオールビス(2-メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビス(3-メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、等のブタンジオール系チオール化合物;
1,8-オクタンジオールビス(2-メルカプトプロピオネート)、1,8-オクタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート、1,8-オクタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、1,8-オクタンジオールビス(3-メルカプトイソブチレート)、1,8-オクタンジオールビス(2-メルカプトイソブチレート)等のオクタンジオール系チオール化合物;
ヘキサンジオールビスチオグリコレート等が挙げられる。
これらは1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート) 、トリメチロールプロパントリス( 3-メルカプトブチレート) 、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート等のトリメチロールプロパン系チオール化合物;
トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ) -エチル]-イソシアヌレート、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート) 、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン等が挙げられる。
これらの中でも汎用性の点において、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート) が好ましい。
これらは1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
ペンタエリスリトールテトラキス( 3-メルカプトプロピオネート) 、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート) 、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトイソブチレート)等のペンタエリスリトール系チオール化合物;
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレートジペンタエリスリトールヘキサキスチオグリコレート等のジペンタエリスリトール系チオール化合物;等が挙げられる。
これらは1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
なお、チオール基濃度の測定方法はヨージメトリー法により定量することができる。
なお、多官能チオール系化合物(B)の重量平均分子量は構造式から算出できる。
本発明における炭素-硫黄結合を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I](以下単に「ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]」という。)は、炭素-硫黄結合を有しない上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の(メタ)アクリロイル基と、上記多官能チオール系化合物(B)のチオール基とが結合した結合部を2個以上有する。
反応温度は、好ましくは50~90℃、より好ましくは60~80℃であり、反応時間は好ましくは3~30時間、より好ましくは5~20時間である。
アミン触媒は、一括で反応系に存在させてもよいが、分割して反応系に添加することが好ましい。
反応に際しては、酢酸エチル等の希釈溶剤を用いることが好ましく、希釈溶剤中における固形分は40~80重量%にするのが好ましい。
なお、上記重量比率におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)に含有されている未反応モノマーの重量も含まれる。
なお、チオール基濃度の測定はヨージメトリー法の定量による。
なお、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]の重量平均分子量の測定は、上記のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量の測定と同様の方法による。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物(以下「樹脂組成物」と略すことがある。)中のウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]の含有量は、好ましくは3重量%以上、特に好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上である。
上記2-アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、特定の置換基をもつカルボン酸であり、例えば、2-アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2-アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2-メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、その他オリゴエステルアクリレート等を挙げることができる。
なお、これらは1種を単独で、または2種以上を併せて用いることができる。
なお、粘度の測定法はB型粘度計による。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなるコート剤について説明する。
本発明のコート剤は、基材に塗工した後(有機溶剤で希釈した組成物を塗工した場合には、さらに乾燥させた後)、活性エネルギー線を照射することにより硬化させることができる。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
〔製造例1:ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A-1)〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート6.6g(0.03モル)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(水酸基価48mgKOH/g)93.4g、重合禁止剤として2,6-ジ-tert-ブチルクレゾール0.06g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02gを仕込み、60℃で反応させ、残存イソシアネート基が0.1%以下となった時点で反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A-1)を含有する組成物を得た。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A-1)の重量平均分子量は1,600であった。
脂肪族系多官能チオール系化合物(B-1)DPMP(SC有機化学社製、チオール基濃度7.7mmol/g)
脂肪族系多官能チオール系化合物(B-2)TMMP(SC有機化学社製、チオール基濃度7.5mmol/g)
芳香族系多官能チオール系化合物(B-3)TMT(三協化成社製;ジスネットF、チオール基濃度16.9mmol/g)
芳香族系多官能チオール系化合物(B-4)PXDT(SC有機化学社製、チオール基濃度11.7mmol/g)
〔製造例2:ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I-1]〕
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、上記製造例1で得られたウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A-1)47.5g、多官能チオール系化合物としてDPMP(B-1)2.5g、酢酸エチル50.0g、およびジメチルアミノエタノールを混合し、60℃で20時間反応させた。
ジメチルアミノエタノールは初期、3時間後、13時間後の3分割で合計400ppmとなるように添加し、ヨージメトリー法でチオール残存量を滴定し、反応率が100%となったことを確認し反応を終了し、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I-1]を含有する組成物を得た。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I-1]の重量平均分子量は7,900であった。
〔活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造〕
上記製造例2で得られたウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I-1]を含有する組成物に、酢酸エチルを用いて硬化成分が50%となるように希釈し、光重合開始剤として、α-ヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤(IGM社製、「オムニラッド184」)を硬化成分100部に対して4部配合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。
製造例2と同様にして、表1に記載の組成にてウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I-2]~[I-5]を製造し、さらに実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を製造した。なお、脂肪族系多官能チオール系化合物(B-3)TMTを用いた実施例4については、実施例1にてウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]の製造および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造の際に用いた酢酸エチルに代えてテトラヒドロフランを用いた。
炭素-硫黄結合を有しないウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A-1)を用いた以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を製造した。
炭素-硫黄結合を有しないウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A-1)に5%の脂肪族系多官能チオール系化合物(B-1)を硬化成分が50%となるように酢酸エチルを用いて希釈した以外は実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、易接着PETフィルム(東洋紡(株)製、「A4300」、サイズ15cm×15cm、厚み125μm)基板上にバーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗工し、60℃で3分間乾燥した後、高圧水銀灯ランプ80W、1灯を用いて、18cmの高さから5.1m/minのコンベア速度で2パスの紫外線照射(積算照射量450mJ/cm2)を行い、硬化塗膜を形成した。
易接着PETフィルム上に塗工した上記硬化塗膜について、JIS K-5600-5-4に準じて試験を行い、鉛筆硬度を測定した。
鉛筆硬度が2H以上のものを合格(〇)とし、2H未満のものを不合格(×)とした。
上記の硬度評価と同様にして硬化塗膜を形成し、易接着PETフィルム上に塗工した硬化塗膜について、JIS K 5600-5-1に準じて、円筒形マンドレル屈曲試験機を用いて屈曲性の評価を行った。評価用硬化塗膜を、塗膜面が外側になるように試験棒に巻き付けた際に、割れまたは剥がれが生じる最大の径(整数値、mm)を測定した。値が小さいほど屈曲性の高い塗膜であることを意味する。
割れまたは剥がれが生じる最大の径が10mm以下のものを合格(〇)とし、10mmを超えるものを不合格(×)とした。
100μm のPETフィルム上に塗工した上記硬化塗膜(膜厚5μm )を10cm角に切り出し、四隅の跳ね上がり高さの平均値(mm)をカール値として測定した。値が小さいほどカールが小さく、カールしにくい塗膜であることを意味する。
高さの平均値が13mm以下のものを合格(〇)とし、13mmを超えるものを不合格(×)とした。
作成した組成物を酢酸エチルで樹脂分50%となるように希釈したものを、60℃の環境下で保管し、樹脂性状の変化を観察した。
なお、保管後からゲル化するまでの日数を調べたが、保管7日後においてもゲル化しない場合に「>7」と表記した。保管7日後においてもゲル化しない場合を合格(〇)とし、7日以下でゲル化したので不合格(×)とした。
一方、炭素-硫黄結合を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]を含有せず、炭素-硫黄結合を有しないウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を含有する樹脂組成物から得られた比較例1の硬化塗膜は、硬度は実施例の硬化塗膜と同等であるものの、硬化収縮が大きく、屈曲性も実施例に劣るものであった。
また、炭素-硫黄結合を有しないウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)と多官能チオール化合物(B)を混合したのみである比較例2の硬化塗膜は、硬度は実施例の硬化塗膜と同等であるものの、保存安定性が悪く、また硬化収縮が大きく、屈曲性も実施例に劣るものであった。
Claims (6)
- 炭素-硫黄結合を有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]が、炭素-硫黄結合を有しないウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の(メタ)アクリロイル基と、複数のチオール基を有する多官能チオール系化合物(B)のチオール基との付加反応により形成された炭素-硫黄結合を有する化合物であり、
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)が、多価イソシアネート系化合物(a1)と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a2)との反応生成物であることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。 - 多官能チオール系化合物(B)の全てのチオール基と、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の(メタ)アクリロイル基とが結合した構造を有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)のエチレン性不飽和基数が4個以上である請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多官能チオール系化合物(B)のチオール基濃度が、4~30mmol/gである請求項1~3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[I]の重量平均分子量が1,500~50,000である請求項1~4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなることを特徴とするコート剤。
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