前記課題を解決するためになされた第1の発明は、車両の乗員が所持する歩行者端末装置であって、自装置の位置情報を取得する測位部と、周辺の車両に搭載された車載端末装置と歩車間通信を行う歩車間通信部と、自装置を所持する乗員の降車動作に応じて変化する状態を検出する検出部と、この検出部の検出結果に基づいて乗員の降車動作を検知すると、乗員が降車中であることを表す降車メッセージを、前記歩車間通信部から前記車載端末装置に送信する制御部と、を備え、前記制御部は、別の歩行者端末装置の降車メッセージに応じて前記車載端末装置から送信される応答メッセージを所定時間内に前記歩車間通信部で受信すると、自装置を所持する乗員の降車動作を検知した場合でも、前記降車メッセージを送信しない構成とする。
これによると、乗員が降車中であることを表す降車メッセージを歩車間通信で車載端末装置に送信するため、車車間通信の機能を備えた車載端末装置を搭載していない車両の運転者にも、乗員が降車中であることを通知することができる。さらに、歩行者端末装置に設けられた検出部の検出結果に基づいて、乗員の降車動作を検知するため、乗員の降車動作を検知するためのセンサを車両に設けなくても、乗員が降車中であることを周辺の車両の運転者に通知することができる。また、これによると、危険性がない降車の場合には、特に乗員が降車中であることを周辺の車両の運転者に通知する必要がないため、無用なメッセージが送信されることを避けることができる。
また、第2の発明は、前記検出部は、加速度センサおよびジャイロセンサである構成とする。
これによると、測位部による位置情報と加速度センサによる加速度とジャイロセンサによる角速度とに基づいて、乗員の降車動作を精度よく検知することができる。
これによると、乗員に対して接近する車両への注意を促すことができる。
これによると、乗員に対する無用な注意喚起を避けることができる。
これによると、異なる車両から複数の乗員が短時間に続けて降車する場合に、降車メッセージが重複して送信されることで、車載端末装置において、運転者に対する注意喚起が立て続けに行われることを避けることができる。
また、第3の発明は、前記制御部は、前記別の歩行者端末装置の降車メッセージに応じた前記応答メッセージを所定時間内に前記歩車間通信部で受信した場合でも、自装置を所持する乗員の方が前記別の歩行者端末装置を所持する別の乗員より危険性が高い場合には、前記降車メッセージを送信する構成とする。
これによると、後から降車動作を開始した乗員の方が危険性が高い場合には、運転者に対する注意喚起を改めて行うことで、危険性が高い乗員への注意を促すことができる。
また、第4の発明は、前記制御部は、自装置が前記別の歩行者端末装置より前記車載端末装置に近く、且つ、自装置が前記別の歩行者端末装置と同じ車線に位置する場合には、自装置を所持する乗員の方が前記別の乗員より危険性が高いと判定する構成とする。
これによると、降車中の乗員の危険性を精度よく判定することができる。
また、第5の発明は、車両に搭載される車載端末装置であって、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、他車両の乗員が所持する歩行者端末装置と歩車間通信を行う歩車間通信部と、他車両から乗員が降車中であることを表す降車メッセージを前記歩車間通信部により前記歩行者端末装置から受信すると、自車両の運転者に対する注意喚起を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記降車メッセージを受信すると、その降車メッセージの送信元の前記歩行者端末装置とは異なる別の歩行者端末装置の降車メッセージを所定時間内に受信している場合には、今回受信した降車メッセージの送信元の前記歩行者端末装置の方が前記別の歩行者端末装置よりも危険性が高い場合を除いて、自車両の運転者に対する注意喚起を行わない構成とする。
これによると、車車間通信の機能を備えた車載端末装置を搭載していない車両の運転者にも、他車両から乗員が降車中であることを通知することができる。また、これによると、危険性がない降車の場合には、特に乗員が降車中であることを周辺の車両の運転者に通知する必要がないため、無用なメッセージが送信されることを避けることができる。
また、第6の発明は、前記制御部は、今回受信した降車メッセージの送信元の前記歩行者端末装置が、前記別の歩行者端末装置より自装置に近く、且つ、自装置と同じ車線に位置する場合には、今回受信した降車メッセージの送信元の前記歩行者端末装置の方が前記別の歩行者端末装置より危険性が高いと判定する構成とする。
これによると、降車中の乗員の危険性を精度よく判定することができる。
また、第7の発明は、車両の乗員が所持する歩行者端末装置と、車両に搭載される車載端末装置との間で歩車間通信を行う歩車間通信システムであって、前記歩行者端末装置は、自装置の位置情報を取得する測位部と、前記車載端末装置と歩車間通信を行う歩車間通信部と、自装置を所持する乗員の降車動作に応じて変化する状態を検出する検出部と、この検出部の検出結果に基づいて乗員の降車動作を検知すると、乗員が降車中であることを表す降車メッセージを、前記歩車間通信部から前記車載端末装置に送信する制御部と、を備え、前記車載端末装置は、自装置の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記歩行者端末装置と歩車間通信を行う歩車間通信部と、前記降車メッセージを前記歩車間通信部により前記歩行者端末装置から受信すると、自車両の運転者に対する注意喚起を行う制御部と、を備え、前記歩行者端末装置の制御部は、別の歩行者端末装置の降車メッセージに応じて前記車載端末装置から送信される応答メッセージを所定時間内に前記歩車間通信部で受信すると、自装置を所持する乗員の降車動作を検知した場合でも、前記降車メッセージを送信しない構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、車車間通信の機能を備えた車載端末を搭載していない車両の運転者にも、乗員が降車中であることを通知することができ、さらに、乗員の降車動作を検知するためのセンサを車両に設けなくても、乗員が降車中であることを周辺の車両の運転者に通知することができる。また、これによると、危険性がない降車の場合には、特に乗員が降車中であることを周辺の車両の運転者に通知する必要がないため、無用なメッセージが送信されることを避けることができる。
また、第8の発明は、車両の乗員が所持する歩行者端末装置から、車両に搭載される車載端末装置に、乗員の降車を通知する降車通知方法であって、前記歩行者端末装置が、乗員の降車動作に応じて変化する状態を検出して、その検出結果に基づいて、自装置を所持する乗員の降車動作を検知すると、乗員が降車中であることを表す降車メッセージを、歩車間通信により前記車載端末装置に送信し、前記車載端末装置が、前記降車メッセージを前記歩行者端末装置から受信すると、自車両の運転者に対する注意喚起を行い、前記歩行者端末装置は、別の歩行者端末装置の降車メッセージに応じて前記車載端末装置から送信される応答メッセージを所定時間内に受信すると、自装置を所持する乗員の降車動作を検知した場合でも、前記降車メッセージを送信しない構成とする。
これによると、第1の発明と同様に、車車間通信の機能を備えた車載端末を搭載していない車両の運転者にも、乗員が降車中であることを通知することができ、さらに、乗員の降車動作を検知するためのセンサを車両に設けなくても、乗員が降車中であることを周辺の車両の運転者に通知することができる。また、これによると、危険性がない降車の場合には、特に乗員が降車中であることを周辺の車両の運転者に通知する必要がないため、無用なメッセージが送信されることを避けることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る歩車間通信システムの全体構成図である。
この歩車間通信システムは、車両の乗員が携帯する歩行者端末1および携帯情報端末2と、車両に搭載される車載端末3およびカーナビゲーション装置4と、を備えており、歩行者端末1と車載端末3との間で歩車間通信が行われる。
この歩車間通信システムでは、位置情報などの所要の情報を含むメッセージを、歩行者端末1と車載端末3との間で送受信する。このメッセージの送受信は、ITS無線通信、すなわち、ITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)を利用した安全運転支援無線システムで採用されている周波数帯(例えば700MHz帯や5.8GHz帯)を利用した無線通信により行われる。
歩行者端末1は、携帯情報端末2と接続されている。この携帯情報端末2は、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブル端末などである。歩行者端末1では、車載端末3との間でメッセージを送受信することで、注意喚起が必要と判定すると、携帯情報端末2に注意喚起の指示を出力し、携帯情報端末2では、歩行者端末1からの指示に応じて、乗員に対する注意喚起の出力動作(例えば音声出力や振動など)を行う。
車載端末3は、カーナビゲーション装置4と接続されている。このカーナビゲーション装置4は、運転者に対して経路案内を行うものである。車載端末3では、歩行者端末1との間でメッセージを送受信することで、注意喚起が必要と判定すると、カーナビゲーション装置4に注意喚起の指示を出力し、カーナビゲーション装置4では、車載端末3からの指示に応じて、運転者注意喚起の出力動作(例えば音声出力や画面表示など)を行う。
なお、歩行者端末1は、携帯情報端末2に内蔵されたものとしてもよく、車載端末3は、カーナビゲーション装置4に内蔵されたものとしてもよい。
また、歩行者端末1自身が注意喚起の出力動作を行うものとしてもよい。また、車載端末3自身が注意喚起の出力動作を行うものとしてもよい。また、車載端末3が、運転者が所持する携帯情報端末2と通信を行い、運転者に対する注意喚起の出力動作を携帯情報端末2に行わせるようにしてもよい。
次に、第1実施形態に係る歩車間通信システムの動作の概要について説明する。図2は、歩車間通信システムの動作の概要を示す説明図である。
図2に示す例では、車両C1に乗車している乗員が降車しようとしている。一方、車両C1の後方には、同一の車線を走行する車両C2があり、この車両C2が車両C1から降車中の乗員に衝突する危険性がある。そこで、本実施形態では、車両C2の運転者に、前方の車両C1で乗員が降車中であることを通知する。また、降車中の乗員にも、接近する車両があることを通知する。
具体的には、まず、乗員が所持する歩行者端末1において、乗員の降車動作を検知すると、乗員が降車中であることを表す降車動作情報を含むメッセージ(降車メッセージ)を、歩車間通信によりブロードキャストで送信する。
車載端末3では、歩行者端末1から送信される降車メッセージを受信すると、その降車メッセージの降車動作情報に対応する応答情報を含むメッセージ(応答メッセージ)を、歩車間通信によりブロードキャストで送信する。また、自車両の運転者に対して、前方の車両から降車中の乗員に対する注意を促す注意喚起を行う。
歩行者端末1では、車載端末3から送信される応答メッセージを受信すると、降車中の乗員と車載端末3の車両との衝突の危険性を判定し、衝突の危険性がある場合には、自装置を所持する乗員に対して、接近する車両に対する注意を促す注意喚起を行う。
このとき、歩行者端末1が車載端末3と同一の車線に位置し、かつ、車載端末3の車両の進行方向の前方に歩行者端末1が位置する場合に、衝突の危険性があると判定する。したがって、図2に示す例では、車両C2の場合には危険性があると判定されるが、歩行者端末1の方向に進行してこない前方となる車両C3や、歩行者端末1と車線が異なる車両C4の場合には、危険性がないと判定する。
また、本実施形態では、乗員が車両の左右いずれの方向に降車するかを判別して、その降車方向と乗員が位置する車線とに基づいて、危険性がある降車か否かを判定する。
このとき、いずれの方向への降車が危険であるかは、道路の状況に応じて異なる。例えば、片側1車線の道路の場合や、片側2車線以上の道路で最も歩道側(路肩側)の車線に停止している場合には、車道側への降車は危険であるが、歩道側(路肩側)への降車は危険でない。一方、片側2車線以上の道路で最も歩道側(路肩側)の車線以外の車線に停止している場合には、いずれの方向への降車も危険である。
したがって、図2に示す例では、最も歩道側(路肩側)の車線に停止している車両C1から車道側へ降車する場合は危険であるが、歩道側(路肩側)へ降車する場合は危険ではない。
次に、第1実施形態に係る第1実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の概略構成について説明する。図3は、歩行者端末1および車載端末3の概略構成を示すブロック図である。
歩行者端末1は、測位部11と、検出部12と、歩車間通信部13と、入出力部14と、制御部15と、記憶部16と、を備えている。
測位部11は、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムにより自装置の位置情報を取得する。なお、携帯情報端末2が有する測位機能を利用して、自装置の位置情報を取得するようにしてもよい。
検出部12は、自装置を所持する乗員の降車動作に応じて変化する乗員の状態および乗員の周辺の状態を検出するものであり、加速度センサ21、ジャイロセンサ22、温度センサ23、湿度センサ24、照度センサ25、気圧センサ26、磁気センサ27、近接センサ28、およびマイク29で構成される。
歩車間通信部13は、車載端末3との間で歩車間通信によりメッセージを送受信するものである。この歩車間通信では、ITSを利用した安全運転支援無線システムで採用されている周波数帯を使用して無線通信が行われる。
入出力部14は、携帯情報端末2との間で情報の入出力を行う。
記憶部16は、地図情報や、制御部15を構成するプロセッサで実行されるプログラムなどを記憶する。なお、地図情報は携帯情報端末2から取得するようにしてもよい。
制御部15は、メッセージ制御部31と、車線検知部32と、降車動作検知部33と、危険判定部34と、注意喚起制御部35と、を備えている。この制御部15は、プロセッサで構成され、制御部15の各部は、記憶部16に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
メッセージ制御部31は、端末IDや位置情報などの歩行者情報を含むメッセージを歩車間通信部13からブロードキャストで送信する。本実施形態では、歩行者情報の他に、乗員が降車中であることを表す降車動作情報を含むメッセージ(降車メッセージ)を歩車間通信部13から送信する。
車線検知部32は、測位部11で取得した位置情報と、記憶部16に記憶された地図情報とに基づいて、自装置が位置する車線を検知する。
降車動作検知部33は、測位部11で取得した位置情報と、検出部12で取得した検出情報と、車線検知部32で取得した車線情報、および記憶部16に記憶された地図情報とに基づいて、自装置を所持する乗員の降車動作を検知するとともに、その降車動作の危険性を判定する。
危険判定部34は、歩車間通信部13で車載端末3から受信した応答メッセージに含まれる他車両の位置情報および車線情報と、自装置の位置情報および車線情報などに基づいて、自装置の乗員と他車両との衝突の危険性を判定する。具体的には、応答メッセージの送信元の車載端末3が、自装置と同一の車線で、かつ、他車両の進行方向の前方に自装置が位置する場合には、衝突の危険性があると判定する。
注意喚起制御部35は、降車メッセージに応じて車載端末3から送信される応答メッセージを歩車間通信部13で受信し、かつ、危険判定部34で衝突の危険性があると判定された場合に、自装置を所持する乗員に対する注意喚起を行う。本実施形態では、入出力部14を介して、注意喚起の指示を携帯情報端末2に出力して、この指示に応じて携帯情報端末2において、歩行者に対する注意喚起の出力動作(例えば音声出力や振動など)が行われる。
車載端末3は、測位部41と、歩車間通信部42と、入出力部43と、制御部44と、記憶部45と、を備えている。
測位部41は、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムにより自装置の位置情報を取得する。なお、カーナビゲーション装置4が有する測位機能を利用して、自装置の位置情報を取得するようにしてもよい。
歩車間通信部42は、歩行者端末1との間で歩車間通信によりメッセージを送受信するものである。この歩車間通信では、ITSを利用した安全運転支援無線システムで採用されている周波数帯を使用して無線通信が行われる。
入出力部43は、カーナビゲーション装置4との間で情報の入出力を行う。
記憶部45は、地図情報や、制御部44を構成するプロセッサで実行されるプログラムなどを記憶する。なお、地図情報をカーナビゲーション装置4から取得するようにしてもよい。
制御部44は、メッセージ制御部51と、注意喚起制御部52と、を備えている。この制御部44は、プロセッサで構成され、制御部44の各部は、記憶部45に記憶されたプログラムをプロセッサで実行することで実現される。
メッセージ制御部51は、端末IDや位置情報などの車両情報を含むメッセージを歩車間通信部42からブロードキャストで送信する。本実施形態では、歩車間通信部42で歩行者端末1から受信した降車メッセージに応じて、降車メッセージに含まれる降車動作情報に対する応答情報を含むメッセージ(応答メッセージ)を歩車間通信部42から送信する。
注意喚起制御部52は、歩車間通信部42で歩行者端末1から降車メッセージを受信すると、自車両の運転者に対する注意喚起を行う。本実施形態では、入出力部43を介して、注意喚起の指示をカーナビゲーション装置4に出力して、この指示に応じてカーナビゲーション装置4において、運転者に対する注意喚起の出力動作(例えば音声出力や画面表示など)が行われる。
次に、第1実施形態に係る歩行者端末1で行われる車線検知および降車動作検知の要領について説明する。図4は、検出手段と検知内容を示す説明図である。
歩行者端末1の車線検知部32では、測位部11で取得した自装置の位置情報と地図情報とを比較照合することで、乗員が位置する車線を判別する。このとき、位置情報の履歴により車両の進行方向を判別して、この進行方向を考慮して車線を判別するとよい。
歩行者端末1の降車動作検知部33では、測位部11で取得した自装置の位置情報と、検出部12に設けられた各種の検出手段による検出情報とに基づいて、自装置を所持する乗員の降車動作を検知する。
ここで、降車動作を検知するにあたっては、まず、自装置を所持する人物が車両に乗車していることを検知する。このとき、測位部11で取得した位置情報を地図情報と比較することで、自装置が車道に位置することを判別すればよい。また、位置情報の履歴により測定される速度に基づいて、歩行と乗車とを判別すればよい。
また、乗員が降車する際には、乗員が座席から立ち上がって車外に移動しようとし、このときの座席から立ち上がる動作や横向きに移動する動作を、加速度センサ21およびジャイロセンサ22の検出値で判別することで、乗員の降車動作を検知することができる。
また、乗員がドアを開けると、乗員の周囲の状況が変化することで、温度センサ23、湿度センサ24、照度センサ25、気圧センサ26、磁気センサ27および近接センサ28の検出値に所定値以上の大きな変化が現れる。したがって、これらのセンサの検出値に基づいて、ドアが開放されたことを判別することで、乗員の降車動作を検知することができる。
また、乗員がドアを開けると、ドアの開閉音や車外の音がマイク29で収音される。したがって、マイク29で収音される音声に基づいて、ドアが開放されたことを判別することで、乗員の降車動作を検知することができる。
このように、測位部11の位置情報、および検出部12の加速度センサ21、ジャイロセンサ22、温度センサ23、湿度センサ24、照度センサ25、気圧センサ26、磁気センサ27、近接センサ28、およびマイク29の検出情報に基づいて、乗員の降車動作を検知することができるが、これらの情報をいくつか組み合わせて判定を行うことで、精度の高い検知が可能になる。
また、降車動作検知部33では、検出部12に設けられた各種の検出手段による検出情報に基づいて、乗員が車両の左右いずれの方向に降車するかを判別して、その降車方向と、乗員が位置する車線とに基づいて、危険性がある降車か否かを判定する。
ここで、位置情報の履歴により車両の進行方向を判別して、この進行方向と、加速度センサ21およびジャイロセンサ22の検出値とにより、進行方向を前として乗員が左右いずれの方向に移動したかを判別することで、乗員の降車方向、すなわち、乗員が左右いずれの方向に降車しようとしているかを判別することができる。
なお、バスの乗員である場合には、バスが停止した後に、乗員が降車口に向かって移動したことで、乗員の降車動作を検知するようにしてもよい。
また、測位部11の位置情報および検出部12の検出情報に基づいて、乗員が車内にいるか車外にいるかを判別して、その情報を降車メッセージに付加するようにしてもよい。
また、本実施形態では、歩行者端末1自体で収集した情報のみに基づいて降車動作を検知するようにしたが、歩行者端末1の乗員が乗車する自車両に搭載された車載端末3と歩車間通信を行うことで、車載端末3から取得した情報に基づいて、降車動作を検知するようにしてもよい。また、歩行者端末1で収集した情報と車載端末3から取得した情報とを組み合わせて、降車動作を検知するようにしてもよい。
この場合、ドアの開閉を検出するセンサや、ドアハンドルに手が触れたことを検出するセンサや、シートに座った乗員の荷重を検出するセンサや、シートベルトのバックルが外されたことを検出するセンサなどを車両に設けて、これらのセンサの検出情報を、車両制御装置を介してまたは直接、車載端末3が取得して、歩行者端末1に送信すればよい。
なお、ドアのセンサを各ドアに設ければ、そのセンサの検出情報に基づいて、乗員が左右いずれのドアから降車するかを検知することができる。また、シートやシートベルトのセンサを左右の各座席に設ければ、そのセンサの検出情報に基づいて、乗員が左右いずれの座席に座っているかを判別することで、乗員が左右いずれの方向に降車するかを検出することができる。
次に、第1実施形態に係るカーナビゲーション装置4に表示される警告画面について説明する。図5は、カーナビゲーション装置4に表示される警告画面の一例を示す説明図である。
車載端末3の注意喚起制御部52では、歩行者端末1から送信される降車メッセージを歩車間通信部42で受信すると、運転者に対する注意喚起を行う。本実施形態では、運転者に対する注意喚起の動作として、カーナビゲーション装置4に警告画面を表示する。
この警告画面には、車両の前方の状況を表す画像61(例えば車両に搭載されたカメラで車両の前方を撮影した映像)上において、降車メッセージの送信元の歩行者端末1が存在する位置の近傍に、警告画像62が表示される。また、この警告画面には、前方の車両から降車中の人物に対する注意を促す文言63が表示される。
次に、第1実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の動作手順について説明する。図6は、歩行者端末1および車載端末3の動作手順を示すフロー図である。
歩行者端末1では、まず、降車動作検知部33において、測位部11から取得した自装置の位置情報、検出部12から取得した検出情報、車線検知部32から取得した車線情報、および記憶部から取得した地図情報に基づいて、自装置の乗員が、危険性がある降車動作を開始したか否かの判定を行う(ST101)。
ここで、危険性がある降車動作を開始したと判定されると(ST101でYes)、メッセージ制御部31において、降車メッセージを、歩車間通信部13からブロードキャストで送信する(ST102)。この降車メッセージには、降車動作情報の他に、測位部11から取得した自装置の位置情報、および車線検知部32から取得した車線情報が含まれる。
次に、他車両の車載端末3から送信される応答メッセージを歩車間通信部13で受信すると(ST103でYes)、危険判定部34において、応答メッセージに含まれる他車両の位置情報および車線情報と、自装置の位置情報および車線情報などに基づいて、自装置の乗員と他車両との衝突の危険性を判定する(ST104)。
そして、衝突の危険性がある場合には(ST104でYes)、注意喚起制御部35において、自装置の乗員に対する注意喚起を行う(ST105)。
一方、応答メッセージを受信しない場合や(ST103でNo)、衝突の危険性がない場合には(ST104でNo)、注意喚起(ST105)を行うことなく、処理を終了する。
車載端末3では、まず、歩行者端末1から送信される降車メッセージを歩車間通信部42で受信すると(ST201でYes)、メッセージ制御部51において、受信した降車メッセージに対応する応答メッセージを、歩車間通信部42からブロードキャストで送信する(ST202)。この応答メッセージには、降車メッセージの降車動作情報に対応する応答情報の他に、自装置の位置情報および車線情報が含まれる。
また、注意喚起制御部52において、自車両の運転者に対する注意喚起を行う(ST203)。このとき、カーナビゲーション装置4に警告画面(図5参照)が表示される。
なお、歩行者端末1では、位置情報などの歩行者情報を含むメッセージを定期的に送信するが、消費電力を低減するために、乗員が乗車中の場合にはメッセージの送信を停止し、降車動作を検知すると、メッセージの送信を開始するようにするとよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図7は、第2実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の概略構成を示すブロック図である。
第1実施形態では、歩行者端末1において、車載端末3からの応答メッセージを受信した後に危険判定を行うようにしたが、本実施形態では、車載端末3において危険判定を行い、歩行者端末1では危険判定を行わないようにしており、これにより歩行者端末1の負担を軽減することができる。
本実施形態では、第1実施形態(図3参照)で歩行者端末1に設けられていた危険判定部34が省略され、その代わりに、車載端末3に新たに危険判定部53が設けられている。この他は、第1実施形態と同様である。
車載端末3の危険判定部53は、歩車間通信部42で歩行者端末1から受信した降車メッセージに含まれる歩行者端末1の位置情報および車線情報と、自車両の位置情報および車線情報などに基づいて、他車両から降車中の乗員と自車両との衝突の危険性を判定する。具体的には、降車メッセージの送信元の歩行者端末1が、自車両と同一の車線で、かつ、自車両の進行方向の前方に位置する場合には、衝突の危険性があると判定する。
次に、第2実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の動作手順について説明する。図8は、歩行者端末1および車載端末3の動作手順を示すフロー図である。
歩行者端末1では、まず、降車動作検知部33において、自装置の乗員が、危険性がある降車動作を開始したか否かの判定を行う(ST101)。そして、危険性がある降車動作を開始したと判定されると(ST101でYes)、メッセージ制御部31において、降車メッセージを歩車間通信部13から送信する(ST102)。
次に、他車両の車載端末3から送信される応答メッセージを歩車間通信部13で受信すると(ST103でYes)、注意喚起制御部35において、自装置の乗員に対する注意喚起を行う(ST105)。
一方、応答メッセージを受信しない場合には(ST103でNo)、注意喚起(ST105)を行うことなく、処理を終了する。
車載端末3では、まず、歩行者端末1から送信される降車メッセージを歩車間通信部42で受信すると(ST201でYes)、危険判定部53において、降車メッセージに含まれる歩行者端末1の位置情報および車線情報と、自車両の位置情報および車線情報などに基づいて、他車両から降車中の乗員と自車両との衝突の危険性を判定する(ST211)。
ここで、衝突の危険性があると判定されると(ST211でYes)、メッセージ制御部51において、受信した降車メッセージに対応する応答メッセージを歩車間通信部42から送信する(ST202)。また、注意喚起制御部52において、自装置の運転者に対する注意喚起を行う(ST203)。
一方、衝突の危険性がない場合には(ST211でNo)、応答メッセージの送信(ST202)および注意喚起(ST203)を行うことなく、処理を終了する。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図9は、乗員の降車が重複する場合における第1実施形態および第3実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の動作手順を示すシーケンス図である。
第1実施形態では、歩行者端末1の乗員が降車動作を開始すると、歩行者端末1から降車メッセージを送信するようにしたが、複数の乗員が短時間に続いて降車しようとした場合には、図9(A)に示すように、先に降車動作を開始した乗員の歩行者端末1から降車メッセージが送信され、さらに、後から降車動作を開始した乗員の歩行者端末1からも降車メッセージが送信される。このため、車載端末3では、運転者に対する注意喚起が立て続けに行われて、運転者に煩わしさを感じさせる。
そこで、本実施形態では、図9(B)に示すように、他の歩行者端末1の降車メッセージに応じて車載端末3から送信される応答メッセージを受信した場合には、乗員の降車動作を検知した場合でも、降車メッセージは送信しないようにする。
なお、応答メッセージは車載端末3からブロードキャストで送信されるため、応答メッセージの元になる降車メッセージを送信した歩行者端末1の他に、その近傍に位置する別の歩行者端末1でも、応答メッセージを受信することができる。
次に、第3実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の概略構成について説明する。図10は、歩行者端末1および車載端末3の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態では、歩行者端末1に新たに重複降車検知部36が設けられている。この他は、第2実施形態(図7参照)と同様である。
歩行者端末1の重複降車検知部36は、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じて他車両の車載端末3から送信された応答メッセージを所定時間内に歩車間通信部13で受信したか否かにより、自装置の乗員と重複して降車中の別の乗員が存在するか否かを判定する。このとき、2人の乗員が、異なる車線に停止している車両から降車しようとしている場合には、重複降車と見做さない。すなわち、応答メッセージに含まれる他の歩行者端末1の車線情報に基づいて、他の歩行者端末1と自装置とが、同一の車線に位置することを条件に加えて、重複降車の判定を行う。
次に、第3実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の動作手順について説明する。図11は、歩行者端末1および車載端末3の動作手順を示すフロー図である。
歩行者端末1では、まず、降車動作検知部33において、自装置の乗員が、危険性がある降車動作を開始したか否かの判定を行う(ST101)。そして、危険性がある降車動作を開始したと判定されると(ST101でYes)、次に、重複降車検知部36において、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じて他車両(自車両以外)の車載端末3から送信された応答メッセージを所定時間内に歩車間通信部13で受信したか否かを判定する(ST111)。
ここで、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じた応答メッセージを所定時間内に受信していない場合には(ST111でNo)、メッセージ制御部31において、降車メッセージを歩車間通信部13から送信する(ST102)。
次に、自装置からの降車メッセージに応じて他車両の車載端末3から送信された応答メッセージを歩車間通信部13で受信すると(ST103でYes)、注意喚起制御部35において、自装置の乗員に対する注意喚起を行う(ST105)。
一方、自装置からの降車メッセージに応じた応答メッセージを受信しない場合には(ST103でNo)、注意喚起(ST105)を行うことなく、処理を終了する。
また、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じた応答メッセージを所定時間内に受信している場合には(ST111でYes)、降車メッセージの送信(ST102)は行わず、注意喚起制御部35において、自装置の乗員に対する注意喚起を行う(ST105)。
なお、「所定時間」とは、危険性がある降車動作を開始したと判定された時間の直前の所定の長さの時間(例えば1分など)を指し、この「所定時間」は予め歩行者端末1に設定されるようにしてもよいし、あるいは、車載端末3から受信した応答メッセージに含まれる車両の移動速度に応じて、可変に設定するようにしてもよい。可変設定とする場合、例えば、車両の移動速度が低速であれば、他の歩行者端末1からの降車メッセージと分ける(注意喚起を夫々で行う)ために、所定時間を短く設定する。また、車両の移動速度が高速であれば、他の歩行者端末1からの降車メッセージと合わせて1つとする(重複の注意喚起を行わない)ために、所定時間を長く設定するなどが考えられる。また、直前の所定の時間帯に応答メッセージを受信したかどうかは、過去に受信した応答メッセージを記憶部16に記憶しておくようにすればよい。
車載端末3の動作手順は、第2実施形態(図8参照)と同様である。
このように本実施形態では、自装置のユーザである乗員が危険性がある降車動作を開始しても、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じて他車両の車載端末3から送信された応答メッセージを既に受信している場合に、降車メッセージを送信しないようにしたため、車載端末3において、降車メッセージを重複して受信することで、運転者に対する注意喚起が立て続けに行われることを避けることができる。
(第3実施形態の変形例)
次に、第3実施形態の変形例について説明する。図12は、第3実施形態の変形例に係る歩行者端末1および車載端末3の動作手順を示すシーケンス図である。
第3実施形態では、歩行者端末1の重複降車検知部36(図10参照)において、他の歩行者端末1の降車メッセージに応じて車載端末3からブロードキャストで送信される応答メッセージを受信したことで、自装置の乗員と重複して降車中の別の乗員が存在することを判定するようにしたが、本変形例では、他の歩行者端末1からの降車メッセージを所定時間内に受信したことで、自装置の乗員と重複して降車中の別の乗員が存在することを判定する。
具体的には、重複降車検知部36は、第3実施形態のフロー図(図11参照)のST111において、他の歩行者端末1からの降車メッセージを受信したか否かを判定するようにする。他の歩行者端末1からの降車メッセージを受信した場合は、第3実施形態とは異なり、歩行者端末1のユーザに注意喚起をすることなく、処理を終了する。
なお、降車メッセージに含まれる歩行者端末1の位置情報や車線情報から、他の歩行者端末1と自装置との位置関係に応じて、自装置の降車メッセージを車載端末3に送信し、車載端末3より応答メッセージを受信した場合は自装置のユーザである乗員に注意喚起を行うようにしてもよい。例えば、先の降車メッセージの送信元の他の歩行者端末1が自装置と位置が離れている、自装置と同一車線上に位置していないなどの場合は、今回の自装置の降車メッセージを車載端末3に送信するようにするとよい。
また、降車メッセージはブロードキャストで送信されるため、周辺にある別の歩行者端末1で降車メッセージを受信することができる。また、歩車間通信で送受信されるメッセージは、ITS無線通信に共通した仕様(データ構成)に基づくものであり、歩行者端末1から送信されるメッセージを別の歩行者端末1で解釈することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図13は、第4実施形態に係るメッセージの送信状況を示す説明図である。
第3実施形態では、乗員の降車が重複する場合に、後から降車動作を開始した乗員の歩行者端末1では、降車メッセージを送信しないようにしたが、接近する他車両に対する位置関係に応じて乗員の危険性は異なる。
すなわち、先に降車動作を開始した乗員が、後から降車動作を開始した乗員より車両に近い場合には、先に降車動作を開始した乗員の方が危険性が高い。この場合、降車メッセージを改めて送信して運転者に対する注意喚起を再度行う必要性がない。一方、後から降車動作を開始した乗員が、先に降車動作を開始した乗員より対象車両に近い場合には、後から降車動作を開始した乗員の方が危険性が高い。この場合、降車メッセージを改めて送信して運転者に対する注意喚起を再度行う必要性がある。
図13(A),(B)に示す例では、2台の車両C1,C2が同一の車線に停止し、その後方から車両C3が接近している。
図13(A)に示す例では、車両C3に近い車両C2に乗車している乗員が先に降車動作を開始して、その乗員の歩行者端末1から降車メッセージが送信され、これに応じて、車両C3の車載端末3から応答メッセージが送信され、また、車載端末3で運転者に対する注意喚起が行われる。ここで、車両C3から離れた車両C1に乗車している乗員が降車動作を開始した場合、車両C2から降車中の乗員の方が、車両C1から降車中の乗員より危険性が高い。このため、運転者に対する注意喚起を再度行う必要性がなく、本実施形態では、車両C1から降車中の乗員の歩行者端末1から降車メッセージを改めて送信しない。
一方、図13(B)に示す例では、車両C3から離れた車両C1に乗車している乗員が先に降車動作を開始して、その乗員の歩行者端末1から降車メッセージが送信され、これに応じて、車両C3の車載端末3から応答メッセージが送信され、また、車載端末3で運転者に対する注意喚起が行われる。ここで、車両C3に近い車両C2に乗車している乗員が降車動作を開始した場合、車両C2から降車中の乗員の方が、車両C1から降車中の乗員より危険性が高い。このため、運転者に対する注意喚起を再度行う必要性があり、本実施形態では、車両C2から降車中の乗員の歩行者端末1から降車メッセージを改めて送信する。
次に、第4実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の概略構成について説明する。図14は、歩行者端末1および車載端末3の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態では、歩行者端末1に新たに重複通知要否判定部37が設けられている。この他は、第3実施形態(図10参照)と同様である。
歩行者端末1の重複通知要否判定部37は、重複して降車メッセージを送信する必要がある重複通知条件に該当するか否かを判定する。具体的には、応答メッセージに含まれる降車メッセージの送信元の別の歩行者端末1の位置情報、および応答メッセージの送信元の車載端末3の位置情報に基づいて、別の歩行者端末1が自装置より車載端末3に近く、且つ、その歩行者端末1が自装置と同じ車線に位置する場合には、重複通知条件に該当しないと判定する。
次に、第4実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の動作手順について説明する。図15は、歩行者端末1および車載端末3の動作手順を示すフロー図である。
歩行者端末1では、まず、降車動作検知部33において、自装置の乗員が、危険性がある降車動作を開始したか否かの判定を行う(ST101)。そして、危険性がある降車動作を開始したと判定されると(ST101でYes)、次に、重複降車検知部36において、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じて他車両の車載端末3から送信された応答メッセージを所定時間内に歩車間通信部13で受信したか否かを判定する(ST111)。
ここで、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じた応答メッセージを所定時間内に受信していない場合には(ST111でNo)、メッセージ制御部31において、降車メッセージを歩車間通信部13から送信する(ST102)。
次に、自装置からの降車メッセージに応じて他車両の車載端末3から送信された応答メッセージを歩車間通信部13で受信すると(ST103でYes)、注意喚起制御部35において、自装置の乗員に対する注意喚起を行う(ST105)。
一方、自装置からの降車メッセージに応じた応答メッセージを受信しない場合には(ST103でNo)、注意喚起(ST105)を行うことなく、処理を終了する。
また、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じた応答メッセージを所定時間内に受信している場合には(ST111でYes)、次に、重複通知要否判定部37において、重複して降車メッセージを送信する必要がある重複通知条件に該当するか否かを判定する(ST121)。このとき、応答メッセージに含まれる降車メッセージの送信元の別の歩行者端末1の位置情報、および応答メッセージの送信元の車載端末3の位置情報に基づいて、別の歩行者端末1が自装置より車載端末3に近く、且つ、その歩行者端末1が自装置と同じ車線に位置する場合には、重複通知条件に該当しないと判定する。
ここで、重複通知条件に該当する場合には(ST121でYes)、応答メッセージを受信していない場合と同様に(ST111でYes)、降車メッセージの送信(ST102)に進む。
一方、重複通知条件に該当しない場合には(ST121でNo)、降車メッセージの送信(ST102)は行わず、注意喚起制御部35において、自装置の乗員に対する注意喚起を行う(ST105)。
車載端末3の動作手順は、第2実施形態(図8参照)および第3実施形態(図11参照)と同様である。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。なお、ここで特に言及しない点は前記の実施形態と同様である。図16は、第5実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の概略構成を示すブロック図である。
第3実施形態および第4実施形態では、自装置の乗員が危険性がある降車動作を開始しても、他の歩行者端末1からの降車メッセージに応じて他車両の車載端末3から送信された応答メッセージを所定時間内に受信している場合には、降車メッセージを送信しないようにしたが、本実施形態では、自装置のユーザである乗員が危険性がある降車動作を開始した場合には、降車メッセージを送信し、車載端末3において、降車メッセージを所定時間内に重複して受信した場合には、応答メッセージを送信しないようにする。
本実施形態では、第3実施形態(図10参照)において歩行者端末1に設けられていた重複降車検知部36が省略され、その代わりに、車載端末3に新たに重複降車検知部54が設けられている。この他は、第3実施形態と同様である。
車載端末3の重複降車検知部54は、歩車間通信部42で受信した降車メッセージの送信元の歩行者端末1とは異なる別の歩行者端末1から降車メッセージを所定時間内に受信したか否かを判定する。なお、降車メッセージには端末IDが含まれており、この端末IDにより降車メッセージの送信元の歩行者端末1を特定することができる。
次に、第5実施形態に係る歩行者端末1および車載端末3の動作手順について説明する。図17は、歩行者端末1および車載端末3の動作手順を示すフロー図である。
歩行者端末1の動作手順は、第2実施形態(図8参照)と同様である。
車載端末3では、まず、歩行者端末1から送信される降車メッセージを歩車間通信部42で受信すると(ST201でYes)、危険判定部53において、降車メッセージに含まれる歩行者端末1の位置情報および車線情報と、自車両の位置情報および車線情報などに基づいて、他車両から降車中の乗員と自車両との衝突の危険性を判定する(ST211)。
ここで、衝突の危険性があると判定されると(ST211でYes)、次に、重複降車検知部54において、今回受信した降車メッセージの送信元の歩行者端末1とは異なる別の歩行者端末1から降車メッセージを、今回の受信よりも先の所定時間内に受信したか否かを判定する(ST221)。
ここで、別の歩行者端末1から降車メッセージを所定時間内に受信していない場合には(ST221でNo)、注意喚起制御部52において、自装置の運転者に対する注意喚起を行う(ST203)。また、メッセージ制御部51において、受信した降車メッセージに対応する応答メッセージを歩車間通信部42から送信する(ST202)。
一方、別の歩行者端末1から降車メッセージを所定時間内に受信している場合には(ST221でYes)、自車両の運転者に対する注意喚起(ST203)を行うことなく、応答メッセージを送信する(ST202)。
また、衝突の危険性がない場合には(ST211でNo)、応答メッセージの送信(ST202)および注意喚起(ST203)を行うことなく、処理を終了する。
このように本実施形態では、車載端末3で降車メッセージを重複して受信した場合には、応答メッセージを送信するが、自車両の運転者に対する注意喚起を行わないため、歩行者端末1で乗員に対する注意喚起が行われる一方で、運転者に対する注意喚起が立て続けに行われることを避けることができる。
なお、今回受信した降車メッセージの送信元の歩行者端末1とは異なる別の歩行者端末1から降車メッセージを、今回の受信よりも先の所定時間内に受信した場合(ST221のYes)には、運転者に対する注意喚起を行わないとしたが、今回受信した降車メッセージの送信元の歩行者端末1の方が、先に受信した降車メッセージの歩行者端末1よりも、危険性が高い場合は、自車両の運転者に対する注意喚起を行うようにするとよい。この場合、降車メッセージに含まれる位置情報や車線情報、自車両の位置情報や車線情報から、危険性の判定を行うものとする。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
例えば、前記の実施形態では、乗員が降車中であることを表す降車メッセージを、歩行者端末から車載端末に送信するようにしたが、降車メッセージの送信先は車載端末に限定されるものではなく、別の人物が所持する歩行者端末でもよい。例えば、歩行者端末を所持した人物が自転車等の軽車両に乗車する場合があり、この場合、軽車両に乗車する人物の歩行者端末に降車メッセージを送信するようにするとよい。
また、歩行者端末1は、ユーザである乗員が車両から降車しようとしている場合だけでなく、歩行中に飛び出し等の危険行為を行った場合においても、歩行者が危険行為を行ったことを示すメッセージを、車載端末3に送信するようにしてもよい。この歩行者が危険行為を行ったことを示すメッセージと、降車メッセージの両方を車載端末3に送信することによって、車両の運転者は、歩行者の飛び出しか、車両からの降車かを区別して、より衝突の危険性を回避することができる。
また、歩行者が危険行為を行ったことを示すメッセージと、車両から降車する降車メッセージとの重複を検知し、通知条件に応じて、一方のメッセージについての注意喚起のみを運転者に行うようにしてもよい。このとき、危険行為を行ったことを示すメッセージと降車メッセージとが、所定時間内に同一車線から送信された場合は、運転者に対する複数の注意喚起は行わず、異なる車線から送信された場合は、各々について注意喚起を行うようにするとよい。