JP7103420B2 - フィルタ装置およびマルチプレクサ - Google Patents

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Description

本発明は、フィルタ装置およびマルチプレクサに関する。
近年、複数のフィルタを共通接続し複数のフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域の信号を同時に送受信する、いわゆるCA(キャリアアグリゲーション)を行うことが要望されている。CAを行うために、複数のフィルタを共通接続したマルチプレクサ(分波器/合波器)が用いられる。このとき、複数のフィルタのうちの一のフィルタと共通接続される他のフィルタの通過帯域の送信信号が当該一のフィルタに漏洩しないように、当該一のフィルタの、当該他のフィルタの通過帯域に対応する周波数帯域における減衰特性を改善する必要がある。そのために、例えば特許文献1では、当該一のフィルタに漏洩する他のフィルタの周波数帯域の不要信号と逆相かつ同振幅の信号であって、当該不要信号を相殺する信号を生成する付加回路を用いることが提案されている。このような付加回路が当該一のフィルタに並列接続されることで、当該一のフィルタの減衰特性が向上される。これにより、例えば、当該フィルタを含むマルチプレクサにおいてフィルタ間のアイソレーション特性が向上される。
特開2014-171210号公報
しかしながら、近年の通信周波数の多バンド化および広帯域化の要望によって、マルチプレクサにおいて共通接続されるフィルタの数が増加する傾向にあり、複数の周波数帯域においてフィルタの減衰特性を改善する必要がある。このため、複数の周波数帯域の不要信号を相殺するための相殺信号を生成する必要があり、具体的には、複数の周波数帯域について位相調整を行う必要がある。しかし、上記特許文献1に開示された構成では、複数の周波数帯域について位相調整を行うことが難しい。具体的には、複数の周波数帯域のうちの一の周波数帯域の相殺信号を生成できても、他の周波数帯域の相殺信号を生成できない場合がある。したがって、複数の周波数帯域において十分な減衰特性を得られないという問題がある。
そこで、本発明は、効果的に減衰特性を改善できるフィルタ装置等を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るフィルタ装置は、入力端子と出力端子との間に設けられた第1フィルタと、前記入力端子と前記出力端子との間で前記第1フィルタと並列接続された付加回路と、を備え、前記付加回路は、互いに並列接続された少なくとも2つのIDT電極群であって、第1IDT電極群および第2IDT電極群を含む少なくとも2つのIDT電極群と、前記少なくとも2つのIDT電極群と前記入力端子との間に設けられた1つの容量素子、および、前記少なくとも2つのIDT電極群と前記出力端子との間に設けられた1つの容量素子の少なくとも一方と、を有し、前記少なくとも2つのIDT電極群は、それぞれ弾性波伝播方向に配置された複数のIDT(InterDigital Transducer)電極で構成され、前記第1IDT電極群を構成するIDT電極の複数の電極指と、前記第2IDT電極群を構成するIDT電極の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なる。
本発明の一態様に係るフィルタ装置は、入力端子と出力端子との間に設けられた第1フィルタと、前記入力端子と前記出力端子との間で前記第1フィルタと並列接続された付加回路と、を備え、前記付加回路は、弾性波伝播方向に配置された複数のIDT電極で構成されたIDT電極群を有し、前記IDT電極群を構成する前記複数のIDT電極は、前記入力端子に接続された少なくとも2つの第1IDT電極と、前記出力端子に接続された少なくとも2つの第2IDT電極とを含み、前記少なくとも2つの第1IDT電極のそれぞれの複数の電極指は、平均ピッチが互いに異なり、前記少なくとも2つの第2IDT電極のそれぞれの複数の電極指は、平均ピッチが互いに異なる。
本発明の一態様に係るマルチプレクサは、上記のフィルタ装置を含む複数のフィルタを備え、前記複数のフィルタの入力端子または出力端子は、共通端子に接続されている。
本発明によれば、効果的に減衰特性を改善できるフィルタ装置等を実現できる。
図1は、実施の形態1に係るフィルタ装置の一例を示す構成図である。 図2は、弾性表面波共振子を模式的に表す平面図および断面図である。 図3は、実施の形態1に係る縦結合型共振器の一例を模式的に表す平面図である。 図4は、比較例2に係るフィルタ装置の一例を示す構成図である。 図5は、実施の形態1に係る付加回路単体およびフィルタ単体の位相特性を示すグラフである。 図6は、比較例1および2に係る付加回路単体およびフィルタ単体の位相特性を示すグラフである。 図7は、実施の形態1、比較例1および比較例2に係るフィルタ装置の減衰特性を比較したグラフである。 図8は、実施の形態2に係るフィルタ装置の一例を示す構成図である。 図9は、実施の形態2に係る縦結合型共振器の一例を模式的に表す平面図である。 図10は、実施の形態2に係る縦結合型共振器の他の一例を模式的に表す平面図である。 図11は、実施の形態2に係る付加回路単体およびフィルタ単体の位相特性を示すグラフである。 図12は、実施の形態2、比較例1および比較例2に係るフィルタ装置の減衰特性を比較したグラフである。 図13は、実施の形態3に係るマルチプレクサの一例を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさ、または大きさの比は、必ずしも厳密ではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。また、以下の実施の形態において、「接続される」とは、直接接続される場合だけでなく、他の素子等を介して電気的に接続される場合も含まれる。
(実施の形態1)
実施の形態1について、図1から図7を用いて説明する。
[フィルタ装置の構成]
図1は、実施の形態1に係るフィルタ装置1の一例を示す構成図である。
フィルタ装置1は、入力端子101および出力端子102を有し、例えば、入力端子101はアンテナ素子に接続され、出力端子102はスイッチICまたは増幅回路等を介してRF信号処理回路(RFIC)に接続される。フィルタ装置1は、アンテナ素子とRF信号処理回路との間で高周波信号を伝達する。なお、入力端子101にRF信号処理回路が接続され、出力端子102にアンテナ素子が接続されてもよい。
フィルタ装置1は、フィルタ100および付加回路10を備える。
フィルタ100は、入力端子101と出力端子102との間に設けられた第1フィルタである。フィルタ100は、例えば弾性波共振子を用いた弾性波フィルタである。フィルタ100は、入力端子101と出力端子102とを結ぶ経路上に配置された、直列腕共振子S1およびS2と、互いに並列接続された縦結合型共振器D10およびD20とを有する。直列腕共振子S1、S2、ならびに、縦結合型共振器D10およびD20が並列接続された回路は、互いに直列接続されている。また、フィルタ100は、直列腕共振子S1と直列腕共振子S2との間の接続ノードと、グランドとの間に接続された並列腕共振子P1、および、直列腕共振子S2と縦結合型共振器D10およびD20が並列接続された回路との間の接続ノードと、グランドとの間に接続された並列腕共振子P2を有する。直列腕共振子S1およびS2、並列腕共振子P1およびP2、ならびに、縦結合型共振器D10およびD20は、フィルタ100の通過帯域を構成する。
なお、フィルタ100は、縦結合型共振器D10およびD20を有していなくてもよく、また、直列腕共振子の数および並列腕共振子の数も図1に示されるものでなくてもよい。さらに、フィルタ100は、弾性波フィルタに限らず、LCフィルタ等であってもよい。例えば、本実施の形態では、フィルタ100は弾性波フィルタであるが、具体的には、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタである。この場合、以下の効果が奏される。後述するように、付加回路10には、縦結合型共振器が含まれており、縦結合型共振器は弾性波伝播方向に反射器を介さずに配置されたIDT電極から構成される。フィルタ100が弾性表面波フィルタであれば、フィルタ100も弾性表面波共振子から構成されることになり、フィルタ100と付加回路10とを同一の圧電基板上に形成することができる。これにより、フィルタ100と付加回路10とを一体に形成することができ、フィルタ装置1の小型化が可能となる。
複数のフィルタを共通接続し複数のフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域の信号を同時に送受信する、いわゆるCAを行うことが要望されている。このとき、複数のフィルタのうちの一のフィルタと共通接続される他のフィルタの通過帯域の送信信号が当該一のフィルタに漏洩しないように、当該一のフィルタの、当該他のフィルタの通過帯域に対応する周波数帯域(相手帯域とも呼ぶ)の減衰特性を改善する必要がある。特に近年、共通接続される複数のフィルタの数が増加する傾向にあり、複数の相手帯域において当該一のフィルタの減衰特性を改善する必要がある。
そこで、付加回路10が用いられる。付加回路10は、入力端子101と出力端子102との間でフィルタ100と並列接続された回路である。付加回路10は、フィルタ100に漏洩する複数の相手帯域の不要信号と逆相の信号であって、当該不要信号を相殺するための相殺信号を生成する。ここで信号と信号が逆相であるとは、-180°以上180°以下の範囲内で両者の位相差の絶対値が90°より大きいことをいう。これは、両者が互いに逆方向の位相成分を有することと等しい。なお、相殺信号は、不要信号となるべく同じ振幅であることが好ましいが、振幅が異なっていても構わない。相殺信号と不要信号成分との位相差に応じて、両者の合算結果の振幅が元の不要信号成分の振幅よりも小さくなる場合は、フィルタ100の減衰特性を向上させることができる。このような付加回路10がフィルタ100に並列接続されることで、フィルタ100と付加回路10との接続点において、フィルタ100に漏洩する不要信号が付加回路10によって生成された相殺信号によって相殺される。これにより、複数の相手帯域においてフィルタ100の減衰特性が改善される。
なお、入力端子101とフィルタ100との間の接続ノード(入力端子101とフィルタ100とを結ぶ経路と付加回路10との接続点)と入力端子101との間に他の素子が接続されていてもよい。例えば、当該接続ノードと入力端子101との間に直列腕共振子および並列腕共振子が設けられていてもよい。例えば、フィルタ100が直列腕共振子S1および並列腕共振子P1を備えなくてもよく、代わりに、当該接続ノードと入力端子101との間に直列腕共振子S1および並列腕共振子P1が設けられていてもよい。
付加回路10は、相殺信号を生成するための構成として、互いに並列接続された少なくとも2つのIDT電極群および1つの容量素子C1を有する。互いに並列接続された少なくとも2つのIDT電極群は、第1IDT電極群として縦結合型共振器D1および第2IDT電極群として縦結合型共振器D2を含む。本実施の形態では、付加回路10は、少なくとも2つの縦結合型共振器として、2つの縦結合型共振器D1およびD2を有するが、3つ以上の縦結合型共振器を有していてもよい。少なくとも2つの縦結合型共振器(IDT電極群)は、それぞれ弾性波伝播方向に配置された複数のIDT電極で構成される。なお、本実施の形態では、IDT電極群は、弾性波の結合を利用して信号を伝達する縦結合型共振器であるが、この例には限られず、弾性波の伝播を利用して信号を伝達するトランスバーサル型フィルタであってもよい。また、少なくとも2つのIDT電極群には、例えば、縦結合型共振器およびトランスバーサル型フィルタの両方が含まれていてもよい。
付加回路10は、少なくとも2つの縦結合型共振器と入力端子101との間に設けられた1つの容量素子、および、少なくとも2つの縦結合型共振器と出力端子102との間に設けられた1つの容量素子の少なくとも一方として、容量素子C1を有する。なお、付加回路10は、少なくとも2つの縦結合型共振器と出力端子102との間に1つの容量素子を有していてもよく、少なくとも2つの縦結合型共振器と入力端子101との間、および、少なくとも2つの縦結合型共振器と出力端子102との間の両方にそれぞれ1つの容量素子を有していてもよい。容量素子C1は、2つの縦結合型共振器D1およびD2に対して、その入力端子101側および出力端子102側の少なくとも一方に1つのみ設けられている。言い換えると、容量素子C1は、入力端子101側または出力端子102側において、2つの縦結合型共振器D1およびD2のそれぞれごとに設けられていない。
容量素子C1は、フィルタ100に漏洩する相手帯域の不要信号と同振幅の相殺信号を生成するために、容量素子C1に入力された信号の振幅を調整(具体的には小さく)する素子である。ここでは、容量素子C1として弾性波共振子が用いられている。弾性波共振子は、その共振周波数と***振周波数との間の帯域において誘導性を示し、その他の帯域では容量性を示すため、当該その他の帯域では容量素子として扱うことができるためである。例えば、複数の相手帯域は、当該その他の帯域に含まれる。なお、容量素子C1は、弾性波共振子に限らず、キャパシタであってもよい。キャパシタは、基板上の導体パターンによって形成されたものであってもよいし、基板に実装されるチップキャパシタであってもよい。
縦結合型共振器D1は、一の相手帯域の不要信号と逆相かつ同振幅の相殺信号を生成するために、縦結合型共振器D1に入力された信号の振幅および位相を調整する素子である。縦結合型共振器D2は、上記一の相手帯域とは異なる相手帯域の不要信号と逆相かつ同振幅の相殺信号を生成するために、縦結合型共振器D2に入力された信号の振幅および位相を調整する素子である。
付加回路10では、容量素子C1に入力された信号の振幅を容量素子C1によって広い周波数帯域にわたって大きく調整した後、一の相手帯域の不要信号を相殺するために、縦結合型共振器D1に入力された信号の一の相手帯域における振幅および位相を縦結合型共振器D1によって調整し、上記一の相手帯域とは異なる相手帯域の不要信号を相殺するために、縦結合型共振器D2に入力された信号の上記一の相手帯域とは異なる相手帯域における振幅および位相を縦結合型共振器D2によって調整する。
[共振子の基本構造]
次に、フィルタ装置1を構成する各共振子(直列腕共振子、並列腕共振子および縦結合型共振器における共振子)の基本構造について説明する。本実施の形態では、当該共振子は、弾性表面波共振子である。
図2は、弾性表面波共振子を模式的に表す平面図および断面図である。同図には、フィルタ装置1を構成する各共振子として、共振子401を例にして、その構造を表す平面摸式図および断面模式図が例示されている。なお、図2に示された共振子401は、上記各共振子の典型的な構造を説明するためのものであって、電極を構成する電極指の本数や長さなどは、これに限定されない。
図2の平面図に示すように、共振子401は、互いに対向する一対の櫛歯状電極11aおよび11bを有する。また、図示していないが、共振子401は、さらに、一対の櫛歯状電極11aおよび11bに対して弾性波の伝播方向に隣り合って配置された反射器を有する。一対の櫛歯状電極11aおよび11bは、IDT電極を構成している。
櫛歯状電極11aは、櫛歯形状に配置され、互いに平行な複数の電極指110aと、複数の電極指110aのそれぞれの一端同士を接続するバスバー電極111aとで構成されている。また、櫛歯状電極11bは、櫛歯形状に配置され、互いに平行な複数の電極指110bと、複数の電極指110bのそれぞれの一端同士を接続するバスバー電極111bとで構成されている。複数の電極指110aおよび110bは、弾性波伝播方向の直交方向に延びるように形成されている。
また、複数の電極指110aおよび110b、ならびに、バスバー電極111aおよび111bで構成されるIDT電極は、図2の断面図に示すように、密着層51と主電極層52との積層構造となっている。
密着層51は、圧電基板50と主電極層52との密着性を向上させるための層であり、材料として、例えば、Tiが用いられる。密着層51の膜厚は、例えば、12nmである。
主電極層52は、材料として、例えば、Cuを1%含有したAlが用いられる。主電極層52の膜厚は、例えば162nmである。
保護層53は、IDT電極を覆うように形成されている。保護層53は、主電極層52を外部環境から保護する、周波数温度特性を調整する、および、耐湿性を高めるなどを目的とする層であり、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする膜である。保護層53の膜厚は、例えば25nmである。
なお、密着層51、主電極層52および保護層53を構成する材料は、上述した材料に限定されない。さらに、IDT電極は、上記積層構造でなくてもよい。IDT電極は、例えば、Ti、Al、Cu、Pt、Au、Ag、Pdなどの金属または合金から構成されてもよく、また、上記の金属または合金から構成される複数の積層体から構成されてもよい。また、保護層53は、形成されていなくてもよい。
圧電基板50は、IDT電極ならびに反射器が主面上に配置された圧電性を有する基板である。圧電基板50は、例えば、42°YカットX伝播LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックス(X軸を中心軸としてY軸から42°回転した軸を法線とする面で切断したタンタル酸リチウム単結晶またはセラミックスであって、X軸方向に弾性表面波が伝播する単結晶またはセラミックス)からなる。
圧電基板50は、高音速支持基板と、低音速膜と、圧電膜とがこの順で積層された積層構造を有する圧電性基板である。圧電膜は、例えば、42°YカットX伝播LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックスからなる。圧電膜は、例えば、厚みが600nmである。高音速支持基板は、低音速膜、圧電膜およびIDT電極を支持する基板である。高音速支持基板は、さらに、圧電膜を伝播する表面波や境界波の弾性波よりも、高音速支持基板中のバルク波の音速が高速となる基板であり、弾性表面波を圧電膜および低音速膜が積層されている部分に閉じ込め、高音速支持基板より下方に漏れないように機能する。高音速支持基板は、例えば、シリコン基板であり、厚みは、例えば200μmである。低音速膜は、圧電膜を伝播するバルク波よりも、低音速膜中のバルク波の音速が低速となる膜であり、圧電膜と高音速支持基板との間に配置される。この構造と、弾性波が本質的に低音速な媒質にエネルギーが集中するという性質とにより、弾性表面波エネルギーのIDT電極外への漏れが抑制される。低音速膜は、例えば、二酸化ケイ素を主成分とする膜であり、厚みは、例えば670nmである。なお、低音速膜の間に、TiやNiなどからなる接合層を含んでいてもよい。低音速膜は複数の低音速材料からなる多層構造であってもよい。この積層構造によれば、圧電基板50を単層で使用している構造と比較して、共振周波数および***振周波数におけるQ値を大幅に高めることが可能となる。すなわち、Q値が高い弾性表面波共振子を構成し得るので、当該弾性表面波共振子を用いて、挿入損失が小さいフィルタを構成することが可能となる。
なお、高音速支持基板は、支持基板と、圧電膜を伝播する表面波や境界波の弾性波よりも、伝播するバルク波の音速が高速となる高音速膜とが積層された構造を有していてもよい。この場合、支持基板は、リチウムタンタレート、リチュウムニオベイト、水晶等の圧電体、アルミナ、マグネシア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ジルコニア、コージライト、ムライト、ステアタイト、フォルステライト等の各種セラミック、ガラス、サファイア等の誘電体またはシリコン、窒化ガリウム等の半導体および樹脂基板等を用いることができる。また、高音速膜は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、DLC膜またはダイヤモンド、上記材料を主成分とする媒質、上記材料の混合物を主成分とする媒質等、様々な高音速材料を用いることができる。
ここで、弾性表面波共振子を構成するIDT電極の電極パラメータについて説明する。
弾性表面波共振子の波長とは、図2に示すIDT電極を構成する複数の電極指110aまたは110bの繰り返し周期である波長λで規定される。また、電極ピッチPは、波長λの1/2であり、櫛歯状電極11aおよび11bを構成する電極指110aおよび110bのライン幅をWとし、隣り合う電極指110aと電極指110bとの間のスペース幅をSとした場合、(W+S)で定義される。また、一対の櫛歯状電極11aおよび11bの交差幅Lは、伝播方向から見た場合の重複する電極指長さである。また、各共振子の電極デューティRは、複数の電極指110aおよび110bのライン幅占有率であり、複数の電極指110aおよび110bのライン幅とスペース幅との加算値に対する当該ライン幅の割合であり、W/(W+S)で定義される。また、IDT電極の複数の電極指110aおよび110bの本数とは、電極指110aおよび110bの総数である。例えば、弾性表面波共振子を模式的に表す図2では、複数の電極指110aおよび110bの本数は、7本である。また、IDT電極の膜厚とは、複数の電極指110aおよび110bの厚みhである。
[付加回路における縦結合型共振器について]
次に、付加回路10における縦結合型共振器D1およびD2について、図3、表1および表2を用いて説明する。
図3は、実施の形態1に係る縦結合型共振器D1の一例を模式的に表す平面図である。なお、縦結合型共振器D2について、IDT電極の電極パラメータは縦結合型共振器D1と異なるが、基本的な構成は縦結合型共振器D1と同じである。このため、図3における符号「D1」を符号「D2」とすれば、図3は、実施の形態1に係る縦結合型共振器D2の一例を模式的に表す平面図となる。また、図3は、縦結合型共振器D1を模式的に表すものであり、実施の形態1における縦結合型共振器D1を構成するIDT電極の複数の電極指の本数およびピッチは、図3に示されるものに限らない。
縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極、および、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極のそれぞれは、入力端子101に接続された少なくとも1つの第1IDT電極と、出力端子102に接続された少なくとも1つの第2IDT電極とを含む。ここでは、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極、および、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極のそれぞれは、少なくとも1つの第1IDT電極として1つのIDT電極120と、少なくとも1つの第2IDT電極として1つのIDT電極130とを含む。なお、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極、および、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極のそれぞれは、少なくとも1つの第1IDT電極として2つ以上のIDT電極120と、少なくとも1つの第2IDT電極として2つ以上のIDT電極130とを含んでいてもよい。IDT電極120の端子101aは、容量素子C1を介して入力端子101に接続され、IDT電極130の端子102aは、出力端子102に接続される。また、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極、および、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極のそれぞれは、弾性波の伝播方向においてIDT電極120および130を挟むようにして設けられた反射器140を含む場合もある。なお、付加回路10が、IDT電極群としてトランスバーサル型フィルタを有する場合、反射器140に代えて、吸音材が設けられることがある。
上述したように、フィルタ100に付加回路10が並列接続されることによって、フィルタ100に漏洩する複数の相手帯域の不要信号を相殺することができる。付加回路10において複数の共振モードを発生させることができるためであり、具体的には、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極の電極パラメータを調整することで、一の共振モードの共振周波数を調整することができ、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極の電極パラメータを調整することで、他の共振モードの共振周波数を調整することができるためである。このとき、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように電極パラメータを調整する。具体的には、一の共振モードの共振周波数が一の相手帯域の中心周波数付近となるように調整し、他の共振モードの共振周波数が一の相手帯域とは異なる相手帯域の中心周波数付近となるように調整する。これにより、付加回路10は、複数の相手帯域における不要信号と逆相かつ同振幅の相殺信号を生成でき、複数の相手帯域の不要信号を相殺することができる。縦結合型共振器において位相反転の作用が発生するのは、主に共振モードの共振周波数付近であるためである。
次に、複数の相手帯域の不要信号を相殺するための、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極、および、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極の電極パラメータについて、表1および表2を用いて説明する。表1は、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極の電極パラメータを示す表である。表2は、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極の電極パラメータを示す表である。
Figure 0007103420000001
Figure 0007103420000002
縦結合型共振器D1を構成するIDT電極120および130全体の複数の電極指の平均ピッチは2.4045μmであり、縦結合型共振器D2を構成するIDT電極120および130全体の複数の電極指の平均ピッチは2.5450μmであり、縦結合型共振器D1を構成するIDT電極120および130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2を構成するIDT電極120および130の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なる。なお、IDT電極120および130全体の複数の電極指の平均ピッチとは、反射器140を除いたIDT電極120および130の全ての電極指のピッチの総和をIDT電極120および130の全ての電極指の本数で割ったものである。
複数の電極指の平均ピッチを調整することで共振モードの共振周波数を調整することができる。つまり、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせることで、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように調整することができ、付加回路10は、複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成できる。
また、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指の本数は14本であり、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指の本数は10本であり、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指とは、本数が互いに異なる。縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指の本数は22本であり、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指の本数は14本であり、縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指とは、本数が互いに異なる。
複数の電極指の本数を調整することで共振モードの周波数帯域幅を調整することができる。つまり、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで入力端子101側のIDT電極120の複数の電極指の本数を互いに異ならせ、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで出力端子102側のIDT電極130の複数の電極指の本数を互いに異ならせることで、相手帯域のそれぞれについて、相手帯域の帯域幅に合うように、相殺信号において不要信号と逆相となる周波数帯域幅を調整することができる。また、複数の電極指の本数を調整することで相手帯域のそれぞれについて、相殺信号の振幅特性を調整することができる。入力端子101側のIDT電極120の複数の電極指の本数を調整することで、振幅に影響を与える入力インピーダンスを調整でき、出力端子102側のIDT電極130の複数の電極指の本数を調整することで、振幅に影響を与える出力インピーダンスを調整できるためである。このように、相殺信号において不要信号と逆相となる周波数帯域幅を相手帯域幅に応じて調整しつつ、相殺信号の当該周波数帯域幅における振幅を不要信号の振幅に応じて調整することができる。これにより、相手帯域ごとに最適な振幅調整、位相調整が可能となり、不要信号の相殺効果を高めることができる。
また、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指の平均ピッチは2.2573μmであり、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指の平均ピッチは2.4094μmであり、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なる。縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指の平均ピッチは2.4983μmであり、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指の平均ピッチは2.6419μmであり、縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なる。なお、IDT電極120の複数の電極指の平均ピッチとは、IDT電極120の全ての電極指のピッチの総和をIDT電極120の全ての電極指の本数で割ったものである。また、IDT電極130の複数の電極指の平均ピッチとは、IDT電極130の全ての電極指のピッチの総和をIDT電極130の全ての電極指の本数で割ったものである。
上述したように、複数の電極指の平均ピッチを調整することで共振モードの共振周波数を調整することができる。このとき、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで入力端子101側のIDT電極120の複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせ、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで出力端子102側のIDT電極130の複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせることで、相殺信号において不要信号と逆相となる周波数および周波数帯域幅を細かく調整することができる。
なお、縦結合型共振器D1およびD2について、それぞれを構成するIDT電極120および130の複数の電極指の交差幅は89.5μmと同じであるが、縦結合型共振器D1を構成するIDT電極120および130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2を構成するIDT電極120および130の複数の電極指とは、交差幅が互いに異なっていてもよい。複数の電極指の交差幅を調整することでも、相殺信号の振幅特性を調整することができる。
[比較例1および2との比較]
縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極、および、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極の電極パラメータについて、表1および表2に示すように調整することにより奏される効果について、比較例1および2と比較しながら説明する。
比較例1に係るフィルタ装置の回路構成は、実施の形態1に係るフィルタ装置1の回路構成(図1、図3参照)と同じであるが、電極パラメータが実施の形態1におけるものと異なる。
表3は、比較例1に係るフィルタ装置におけるIDT電極の電極パラメータを示す表である。
Figure 0007103420000003
比較例1に係るフィルタ装置では、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極、および、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極の電極パラメータは互いに同じである。具体的には、縦結合型共振器D1を構成するIDT電極120および130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2を構成するIDT電極120および130の複数の電極指とは、全体の平均ピッチが2.3629μmと互いに同じである。また、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指とは、本数が24本と互いに同じであり、縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指とは、本数が14本と互いに同じである。また、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指とは、平均ピッチが2.2946μmと互いに同じであり、縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指とは、平均ピッチが2.4801μmと互いに同じである。
比較例2に係るフィルタ装置2の回路構成は、実施の形態1に係るフィルタ装置1の回路構成と異なる。
図4は、比較例2に係るフィルタ装置2の一例を示す構成図である。
比較例2に係るフィルタ装置2は、付加回路10の代わりに付加回路20を備える点が、実施の形態1に係るフィルタ装置1と異なる。付加回路20は、縦結合型共振器D2を有していない点が、付加回路10と異なる。つまり、比較例2では、付加回路20が縦結合型共振器を1つのみ備える点が、実施の形態1におけるフィルタ装置1と異なる。
表4は、比較例2に係るフィルタ装置2におけるIDT電極の電極パラメータを示す表である。
Figure 0007103420000004
次に、実施の形態1に係る付加回路10が複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成でき、比較例1および2に係る付加回路が複数の相手帯域における不要信号と逆相の相殺信号を生成することが難しいことを図5および図6を用いて説明する。
図5は、実施の形態1に係る付加回路10単体およびフィルタ100単体の位相特性を示すグラフである。実施の形態1に係る付加回路10単体の位相特性を実線で示し、フィルタ100単体の位相特性を一点鎖線で示している。
例えば、フィルタ装置1は、3つのフィルタを共通接続し3つのフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域の信号を同時に送受信するCAに対応するマルチプレクサに含まれるフィルタであるとする。3つのフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域は、例えば、LTE(Long Term Evolution:4G)のBand26Rx(859-894MHz)、Band12Tx(699-716MHz)およびBand13Tx(777-787MHz)である。なお、以降、Band26Rx、Band12TxおよびBand13Txをそれぞれ、B26Rx、B12TxおよびB13Txとも称する。例えば、フィルタ装置1(フィルタ100)の通過帯域をB26Rxとし、フィルタ装置1に共通接続される他のフィルタの通過帯域(つまり相手帯域)をB12TxおよびB13Txとする。この場合に、フィルタ装置1に着目すると、相手帯域であるB12TxおよびB13Txの送信信号がフィルタ装置1に漏洩しないように、フィルタ装置1の、相手帯域であるB12TxおよびB13Txに対応する周波数帯域における減衰特性を改善する必要がある。このため、付加回路10は、複数の相手帯域(B12TxおよびB13Tx)の不要信号と逆相の相殺信号を生成する必要がある。
図5において、太い実線で囲んでいる部分は、B12TxおよびB13Txに対応する周波数帯域である。図5に示すように、B12TxおよびB13Txの両方において、付加回路10単体とフィルタ100単体との位相差が180度付近となっていることがわかる。つまり、付加回路10は、複数の相手帯域(B12TxおよびB13Tx)の不要信号と逆相の相殺信号を生成できることがわかる。
実施の形態1では、表1および表2に示すように、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせることで複数の共振モードを発生させることができ、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように調整できている。具体的には、複数の共振モードのうちの一の共振モードの共振周波数をB12Txのおおよそ中心周波数に配置できており、また、他の共振モードの共振周波数をB13Txのおおよそ中心周波数に配置できている。このため、付加回路10は、複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成できる。
なお、一般的には、複数の相手帯域のそれぞれの中心周波数は、B12TxおよびB13Txのように5%以上離れていることが多いため、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで複数の電極指の平均ピッチを5%以上異ならせることが好ましい。例えば、実施の形態1では、縦結合型共振器D1における平均ピッチに対して、縦結合型共振器D2における平均ピッチを約5.8%異ならせている。
また、実施の形態1では、表1および表2に示すように、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで入力端子101側のIDT電極120の複数の電極指の本数を互いに異ならせ、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで出力端子102側のIDT電極130の複数の電極指の本数を互いに異ならせることで、不要信号と逆相となる帯域幅を調整することができる。具体的には、B12Txの帯域幅(699-716MHz)にわたって位相差が180度付近となっており、また、B13Txの帯域幅(777-787MHz)にわたって位相差が180度付近となっていることがわかる。
図6は、比較例1および2に係る付加回路単体およびフィルタ100単体の位相特性を示すグラフである。比較例1に係る付加回路単体の位相特性を破線で示し、比較例2に係る付加回路20単体の位相特性を点線で示し、フィルタ100単体の位相特性を一点鎖線で示している。
比較例1および2に係るフィルタ装置についても、3つのフィルタを共通接続し3つのフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域の信号を同時に送受信するCAに対応するマルチプレクサに含まれるフィルタであるとする。3つのフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域は、例えば、LTEのB26Rx、B12TxおよびB13Txである。比較例1および2に係るフィルタ装置の通過帯域をB26Rxとし、比較例1および2に係るフィルタ装置に共通接続される他のフィルタの通過帯域(つまり相手帯域)をB12TxおよびB13Txとする。
図6において、太い実線で囲んでいる部分は、B12TxおよびB13Txに対応する周波数帯域である。比較例1および2について、B12TxおよびB13Txの両方において、付加回路単体とフィルタ100単体との位相差が180度付近となっている帯域は、実施の形態1よりも少ないことがわかる。つまり、比較例1および2では、付加回路は、複数の相手帯域(B12TxおよびB13Tx)における不要信号と逆相の相殺信号を生成することが難しいことがわかる。
比較例1では、表3に示すように、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで複数の電極指の平均ピッチが同じであるため、複数の共振モードの共振周波数も同じとなり、B12TxおよびB13Txの両方で付加回路単体とフィルタ100単体との位相差を180度付近とするのが難しくなっている。比較例2では、付加回路20が縦結合型共振器を1つしか有しておらず、また、後述する実施の形態2のように、縦結合型共振器D1が複数のIDT電極120および複数のIDT電極130を有していないため、共振周波数の異なる複数の共振モードを発生させることができない。このため、比較例2についても、B12TxおよびB13Txの両方で付加回路20単体とフィルタ100単体との位相差を180度付近とするのが難しくなっている。
次に、複数の相手帯域(ここではB12TxおよびB13Tx)の不要信号と逆相の相殺信号を生成して、不要信号を相殺することにより奏される効果について、図7および表5を用いて比較例1および2と比較しながら説明する。
図7は、実施の形態1、比較例1および比較例2に係るフィルタ装置の減衰特性を比較したグラフである。実施の形態1に係るフィルタ装置1の減衰特性を実線で示し、比較例1に係るフィルタ装置の減衰特性を破線で示し、比較例2に係るフィルタ装置2の減衰特性を点線で示している。表5は、実施の形態1、比較例1および比較例2に係るフィルタ装置のB12TxおよびB13Txにおける減衰量を示す表である。なお、表5では、B12TxおよびB13Txのそれぞれにおける減衰量の最小値を示している。
Figure 0007103420000005
図7に示すように、例えば、B12Tx(699-716MHz)およびB13Tx(777-787MHz)におけるフィルタ装置の減衰量として47dB以上を要求されているとする。
図7および表5に示すように、実施の形態1では、B12Txにおける減衰量の最小値は49.0dBとなっており、また、B13Txにおける減衰量の最小値は47.9dBとなっており、B12TxおよびB13Txにおいて47dB以上となっていることがわかる。図5に示すように、付加回路10は、B12TxおよびB13Txにおける不要信号と逆相の相殺信号を生成しており、B12TxおよびB13Txにおける不要信号が相殺されるためである。
さらに、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで入力端子101側のIDT電極120の複数の電極指の本数を互いに異ならせ、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで出力端子102側のIDT電極130の複数の電極指の本数を互いに異ならせることで、相殺信号の振幅が不要信号の振幅と同じになるように調整している。なお、容量素子C1によって広い周波数帯域において大きく振幅を調整した後に、複数の電極指の本数を調整することで、相殺信号の振幅が不要信号の振幅と同じになるように調整している。このように相殺信号の振幅と不要信号の振幅とが同じになるように調整することも、B12TxおよびB13Txにおいて減衰量を大きくすることに貢献している。相殺信号の振幅が不要信号の振幅よりも小さいと不要信号を相殺しきれず、また、相殺信号の振幅が不要信号の振幅よりも大きいと不要信号を打ち消すことはできるが相殺信号が残ってしまい、相殺信号自体が不要信号となってしまい得るためである。
一方で、図7および表5に示すように、比較例1および2では、B12Txにおける減衰量の最小値はそれぞれ44.6dB、44.0dBとなっており、また、B13Txにおける減衰量の最小値はそれぞれ40.3dB、41.0dBとなっており、B12TxおよびB13Txにおいて47dB以上となっておらず、実施の形態1と比べて減衰量が十分でないことがわかる。図6に示すように、比較例1および2に係る付加回路は、B12TxおよびB13Txにおける不要信号に対して十分に逆相となる相殺信号を生成することができておらず、B12TxおよびB13Txにおける不要信号を十分に相殺できていないためである。
このように、縦結合型共振器D1と縦結合型共振器D2とで複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせることで、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように調整することができ、複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成できる。これにより、複数の相手帯域の不要信号を相殺でき、すなわち、複数の相手帯域において減衰特性を改善できるため、効果的に減衰特性を改善できるフィルタ装置1を実現できる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について図8から図12を用いて説明する。
[フィルタ装置の構成]
図8は、実施の形態2に係るフィルタ装置1aの一例を示す構成図である。
実施の形態2に係るフィルタ装置1aは、付加回路10の代わりに付加回路10aを備える点が、実施の形態1に係るフィルタ装置1と異なる。その他の点については、実施の形態1におけるものと同じであるため説明は省略し、以下、異なる点を中心に説明する。
付加回路10aは、入力端子101と出力端子102との間でフィルタ100と並列接続された回路である。付加回路10aは、付加回路10と同じように、フィルタ100に漏洩する複数の相手帯域の不要信号と逆相の信号であって、当該不要信号を相殺するための相殺信号を生成する。
付加回路10aは、相殺信号を生成するための構成として、弾性波伝播方向に配置された複数のIDT電極で構成されたIDT電極群を有する。本実施の形態では、付加回路10aは、IDT電極群として縦結合型共振器D3を有する。また、付加回路10aは、縦結合型共振器D3と入力端子101との間に設けられた1つの容量素子、および、縦結合型共振器D3と出力端子102との間に設けられた1つの容量素子の少なくとも一方として、1つの容量素子C1を有する。なお、付加回路10aは、縦結合型共振器D3と出力端子102との間に1つの容量素子を有していてもよく、縦結合型共振器D3と入力端子101との間、および、縦結合型共振器D3と出力端子102との間の両方にそれぞれ1つの容量素子を有していてもよい。もしくは、付加回路10aは、容量素子C1を有していなくてもよい。なお、本実施の形態では、IDT電極群は、弾性波の結合を利用して信号を伝達する縦結合型共振器であるが、この例には限られず、弾性波の伝播を利用して信号を伝達するトランスバーサル型フィルタであってもよい。
縦結合型共振器D3は、複数の相手帯域の不要信号と逆相かつ同振幅の相殺信号を生成するために、縦結合型共振器D3に入力された信号の振幅および位相を調整する素子である。付加回路10aでは、容量素子C1に入力された信号の振幅を容量素子C1によって広い周波数帯域にわたって大きく調整した後、複数の相手帯域の不要信号を相殺するために、縦結合型共振器D3に入力された信号の複数の相手帯域における振幅および位相を縦結合型共振器D3によって調整する。
[付加回路における縦結合型共振器について]
次に、付加回路10aにおける縦結合型共振器D3について、図9、図10および表6を用いて説明する。
図9は、実施の形態2に係る縦結合型共振器D3の一例を模式的に表す平面図である。図10は、実施の形態2に係る縦結合型共振器D3の他の一例を模式的に表す平面図である。なお、図9および図10は、縦結合型共振器D3を模式的に表すものであり、実施の形態2における縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極の複数の電極指の本数およびピッチは、図9および図10に示されるものに限らない。
縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極は、入力端子101に接続された少なくとも2つの第1IDT電極と、出力端子102に接続された少なくとも2つの第2IDT電極とを含む。ここでは、縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極は、少なくとも2つの第1IDT電極として2つのIDT電極120aおよび120bと、少なくとも2つの第2IDT電極として2つのIDT電極130aおよび130bとを含む。なお、縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極は、少なくとも2つの第1IDT電極として3つ以上のIDT電極と、少なくとも2つの第2IDT電極として3つ以上のIDT電極とを含んでいてもよい。IDT電極120aおよび120bの端子101aは、容量素子C1を介して入力端子101に接続され、IDT電極130aおよび130bの端子102aは、出力端子102に接続される。
また、縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極は、図9に示すように、弾性波の伝播方向においてIDT電極120a、120b、130aおよび130bを挟むようにして設けられた反射器140を含む場合もある。なお、付加回路10aが、IDT電極群としてトランスバーサル型フィルタを有する場合、反射器140に代えて、吸音材が設けられることがある。
例えば、IDT電極130aおよび120bが離れて配置されることで、伝播方向に弾性波が結合していない場合には、IDT電極120a、120b、130aおよび130bは、1つの縦結合型共振器D3を構成せず、IDT電極120aおよび130aによって1つの縦結合型共振器を構成し、IDT電極120bおよび130bによって他の1つの縦結合型共振器を構成することになる。
なお、縦結合型共振器D3における全てのIDT電極120a、120b、130aおよび130bを1組の反射器140によって挟むように、反射器140が配置されなくてもよい。例えば、図10に示すように、弾性波の伝播方向においてIDT電極120aおよび130aを挟むようにして1組の反射器140が設けられ、弾性波の伝播方向においてIDT電極120bおよび130bを挟むようにして1組の反射器140が設けられてもよい。この場合、IDT電極130aおよび120b間に反射器140が設けられるが、IDT電極130aおよび120bは、反射器140を介して伝播方向に弾性波が結合するような位置関係で配置される。このように、IDT電極130aおよび120b間に反射器140が設けられている場合であっても、縦結合型共振器D3を1つの縦結合型共振器とみなすことができる。
上述したように、フィルタ100に付加回路10aが並列接続されることによって、フィルタ100に漏洩する複数の相手帯域の不要信号を相殺することができる。付加回路10aにおいて複数の共振モードを発生させることができるためであり、具体的には、縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極の電極パラメータを調整することで、複数の共振モードを発生させることができるためである。このとき、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように電極パラメータを調整する。具体的には、一の共振モードの共振周波数が一の相手帯域の中心周波数付近となるように調整し、他の共振モードの共振周波数が一の相手帯域とは異なる相手帯域の中心周波数付近となるように調整する。これにより、付加回路10aは、複数の相手帯域における不要信号と逆相かつ同振幅の相殺信号を生成でき、複数の相手帯域の不要信号を相殺することができる。
次に、複数の相手帯域の不要信号を相殺するための、縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極の電極パラメータについて、表6を用いて説明する。表6は、縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極の電極パラメータを示す表である。
Figure 0007103420000006
IDT電極120aの複数の電極指の平均ピッチは2.2543μmであり、IDT電極120bの複数の電極指の平均ピッチは2.3466μmであり、IDT電極120aおよび120bのそれぞれの複数の電極指は、平均ピッチが互いに異なる。IDT電極130aの複数の電極指の平均ピッチは2.4423μmであり、IDT電極130bの複数の電極指の平均ピッチは2.5730μmであり、IDT電極130aおよび130bのそれぞれの複数の電極指は、平均ピッチが互いに異なる。
入力端子101側のIDT電極120aおよび120b同士で複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせ、出力端子102側のIDT電極130aおよび130b同士で複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせることで、共振モードを複数発生させることができる。このとき、複数の電極指の平均ピッチを調整することで共振モードの共振周波数を調整することができる。つまり、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように調整することができ、付加回路10aは、複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成できる。
また、IDT電極120aの複数の電極指の本数は14本であり、IDT電極120bの複数の電極指の本数は8本であり、IDT電極120aおよび120bのそれぞれの複数の電極指は、本数が互いに異なる。IDT電極130aの複数の電極指の本数は14本であり、IDT電極130bの複数の電極指の本数は10本であり、IDT電極130aおよび130bのそれぞれの複数の電極指は、本数が互いに異なる。
複数の電極指の本数を調整することで共振モードの周波数帯域幅を調整することができる。つまり、入力端子101側のIDT電極120aおよび120bの複数の電極指の本数を互いに異ならせ、出力端子102側のIDT電極130aおよび130bの複数の電極指の本数を互いに異ならせることで、相手帯域のそれぞれについて、相手帯域の帯域幅に合うように、相殺信号において不要信号と逆相となる周波数帯域幅を調整することができる。また、複数の電極指の本数を調整することで相手帯域のそれぞれについて、相殺信号の振幅特性を調整することができる。入力端子101側のIDT電極120aおよび120bの複数の電極指の本数を調整することで、振幅に影響を与える入力インピーダンスを調整でき、出力端子102側のIDT電極130aおよび130bの複数の電極指の本数を調整することで、振幅に影響を与える出力インピーダンスを調整できるためである。このように、相殺信号において不要信号と逆相となる周波数帯域幅を相手帯域幅に応じて調整しつつ、相殺信号の当該周波数帯域幅における振幅を不要信号の振幅に応じて調整することができる。これにより、相手帯域ごとに最適な振幅調整、位相調整が可能となり、不要信号の相殺効果を高めることができる。
[比較例1および2との比較]
縦結合型共振器D3を構成する複数のIDT電極の電極パラメータについて、表6に示すように調整することにより奏される効果について、比較例1および2と比較しながら説明する。
まず、実施の形態2に係る付加回路10aが複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成できることを、図11を用いて説明する。
図11は、実施の形態2に係る付加回路10a単体およびフィルタ100単体の位相特性を示すグラフである。実施の形態2に係る付加回路10a単体の位相特性を実線で示し、フィルタ100単体の位相特性を一点鎖線で示している。
例えば、フィルタ装置1aは、3つのフィルタを共通接続し3つのフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域の信号を同時に送受信するCAに対応するマルチプレクサに含まれるフィルタであるとする。3つのフィルタのそれぞれに対応する複数の周波数帯域は、例えば、LTEのB26Rx(859-894MHz)、B12Tx(699-716MHz)およびB13Tx(777-787MHz)である。例えば、フィルタ装置1a(フィルタ100)の通過帯域をB26Rxとし、フィルタ装置1aに共通接続される他のフィルタの通過帯域(つまり相手帯域)をB12TxおよびB13Txとする。この場合に、フィルタ装置1aに着目すると、相手帯域であるB12TxおよびB13Txの送信信号がフィルタ装置1aに漏洩しないように、フィルタ装置1aの、相手帯域であるB12TxおよびB13Txに対応する周波数帯域における減衰特性を改善する必要がある。このため、付加回路10aは、複数の相手帯域(B12TxおよびB13Tx)の不要信号と逆相の相殺信号を生成する必要がある。
図11において、太い実線で囲んでいる部分は、B12TxおよびB13Txに対応する周波数帯域である。図11に示すように、B12TxおよびB13Txの両方において、付加回路10a単体とフィルタ100単体との位相差が180度付近となっていることがわかる。つまり、付加回路10aは、複数の相手帯域(B12TxおよびB13Tx)の不要信号と逆相の相殺信号を生成できることがわかる。
実施の形態2では、表6に示すように、入力端子101側のIDT電極120aおよび120b同士で複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせ、出力端子102側のIDT電極130aおよび130b同士で複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせることで、複数の共振モードを発生させることができ、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように調整できている。具体的には、複数の共振モードのうちの一の共振モードの共振周波数をB12Txのおおよそ中心周波数に配置できており、また、他の共振モードの共振周波数をB13Txのおおよそ中心周波数に配置できている。このため、付加回路10aは、複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成できる。
また、実施の形態2では、表6に示すように、入力端子101側のIDT電極120aおよび120b同士で複数の電極指の本数を互いに異ならせ、出力端子102側のIDT電極130aおよび130b同士で複数の電極指の本数を互いに異ならせることで、不要信号と逆相となる帯域幅を調整することができる。具体的には、B12Txの帯域幅(699-716MHz)にわたって位相差が180度付近となっており、また、B13Txの帯域幅(777-787MHz)にわたって位相差が180度付近となっていることがわかる。
次に、複数の相手帯域(ここではB12TxおよびB13Tx)の不要信号と逆相の相殺信号を生成して、不要信号を相殺することにより奏される効果について、図12および表7を用いて比較例1および2と比較しながら説明する。
図12は、実施の形態2、比較例1および比較例2に係るフィルタ装置の減衰特性を比較したグラフである。実施の形態2に係るフィルタ装置1aの減衰特性を実線で示し、比較例1に係るフィルタ装置の減衰特性を破線で示し、比較例2に係るフィルタ装置2の減衰特性を点線で示している。表7は、実施の形態2、比較例1および比較例2に係るフィルタ装置のB12TxおよびB13Txにおける減衰量を示す表である。なお、表7では、B12TxおよびB13Txのそれぞれにおける減衰量の最小値を示している。
Figure 0007103420000007
図12に示すように、例えば、B12Tx(699-716MHz)およびB13Tx(777-787MHz)におけるフィルタ装置の減衰量として47dB以上を要求されているとする。
図12および表7に示すように、実施の形態2では、B12Txにおける減衰量の最小値は48.3dBとなっており、また、B13Txにおける減衰量の最小値は49.3dBとなっており、B12TxおよびB13Txにおいて47dB以上となっていることがわかる。図11に示すように、付加回路10aは、B12TxおよびB13Txにおける不要信号と逆相の相殺信号を生成しており、B12TxおよびB13Txにおける不要信号が相殺されるためである。
さらに、入力端子101側のIDT電極120aおよび120b同士で複数の電極指の本数を互いに異ならせ、出力端子102側のIDT電極130aおよび130b同士で複数の電極指の本数を互いに異ならせることで、相殺信号の振幅が不要信号の振幅と同じになるように調整している。なお、容量素子C1によって広い周波数帯域において大きく振幅を調整した後に、複数の電極指の本数を調整することで、相殺信号の振幅が不要信号の振幅と同じになるように調整している。ただし、縦結合型共振器D3を構成する各IDT電極の複数の電極指の本数の調整だけで相殺信号の振幅が不要信号の振幅と同じになるように調整できる場合には、容量素子C1は不要となるため、この場合、付加回路10aは容量素子C1を備えていなくてもよい。
このように、実施の形態1に同じように、相殺信号の振幅と不要信号の振幅とが同じになるように調整することも、B12TxおよびB13Txにおいて減衰量を大きくすることに貢献している。
一方で、実施の形態1において説明したように、比較例1および2では、実施の形態2と比べて減衰量が十分でないことがわかる。
このように、入力端子101側のIDT電極120aおよび120b同士で複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせ、出力端子102側のIDT電極130aおよび130b同士で複数の電極指の平均ピッチを互いに異ならせることで、複数の共振モードの共振周波数が互いに異なる周波数帯域となるように調整することができ、複数の相手帯域の不要信号と逆相の相殺信号を生成できる。これにより、複数の相手帯域の不要信号を相殺でき、すなわち、複数の相手帯域において減衰特性を改善できるため、効果的に減衰特性を改善できるフィルタ装置1aを実現できる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2に係るフィルタ装置は、マルチプレクサに適用することが可能である。そこで、本実施の形態では、このようなマルチプレクサについて説明する。実施の形態3では、例えば実施の形態1に係るフィルタ装置1を備えるマルチプレクサについて説明する。
図13は、実施の形態3に係るマルチプレクサ400の一例を示す構成図である。図13には、マルチプレクサ400の共通端子103に接続されたアンテナ素子ANTも図示されている。アンテナ素子ANTは、高周波信号を送受信する、例えばLTE等の通信規格に準拠したマルチバンド対応のアンテナである。
マルチプレクサ400は、フィルタ装置1を含む複数のフィルタを備え、複数のフィルタの入力端子または出力端子は、共通端子103に接続されている。複数のフィルタは、フィルタ装置1、第2フィルタ200および第3フィルタ300を含む少なくとも3つのフィルタからなる。本実施の形態では、マルチプレクサ400は、複数のフィルタとして、フィルタ装置1、第2フィルタ200および第3フィルタ300の3つのフィルタからなるトリプレクサである。本実施の形態では、複数のフィルタのそれぞれの入力端子が共通端子103に共通接続されているが、複数のフィルタのそれぞれの出力端子が共通端子103に共通接続されていてもよい。
共通端子103は、フィルタ装置1、第2フィルタ200および第3フィルタ300に共通に設けられる。共通端子103は、アンテナ素子ANTに接続される。つまり、共通端子103は、マルチプレクサ400のアンテナ端子でもある。
フィルタ装置1の出力端子102、第2フィルタ200の出力端子104および第3フィルタ300の出力端子105は、スイッチICまたは増幅回路等を介してRF信号処理回路に接続される。
フィルタ装置1における付加回路10は、2つの周波数帯域に対応している。第2フィルタ200の通過帯域と、2つの周波数帯域のうちの一の周波数帯域とは少なくとも一部が重複しており、第3フィルタ300の通過帯域と、2つの周波数帯域のうちの他の周波数帯域とは少なくとも一部が重複している。例えば、フィルタ装置1におけるフィルタ100は、859MHzから894MHz(B26Rx)を通過帯域に含むフィルタであり、第2フィルタ200は、699MHzから716MHz(B12Tx)を通過帯域に含むフィルタであり、第3フィルタ300は、777MHzから787MHz(B13Tx)を通過帯域に含むフィルタである。付加回路10は、2つの周波数帯域として例えばB12TxおよびB13Txに対応しており、B12TxおよびB13Txの不要信号を相殺するための相殺信号を生成する。
これにより、第2フィルタ200および第3フィルタ300からフィルタ装置1に漏洩するB12TxおよびB13Txの不要信号を相殺でき、フィルタ装置1のB12TxおよびB13Txにおける減衰特性を改善できる。したがって、フィルタ装置1と第2フィルタ200および第3フィルタ300間のアイソレーション特性を向上できる。
なお、マルチプレクサ400は、実施の形態1に係るフィルタ装置1を備えていたが、フィルタ装置1の代わりに実施の形態2に係るフィルタ装置1aを備えていてもよい。
また、マルチプレクサ400は、複数のフィルタとして3つのフィルタから構成されたが、4つ以上のフィルタから構成されていてもよい。マルチプレクサ400において共通接続されるフィルタの数が増加したとしても、本発明によれば各フィルタ間のアイソレーション特性を向上できる。
例えば付加回路10においては、互いに並列接続される縦結合型共振器の数を3つ以上に増やし、互いに並列接続される縦結合型共振器のそれぞれを構成する複数のIDT電極の複数の電極指の平均ピッチを互いに異なるようにすれば、各フィルタ間のアイソレーション特性を向上できる。
また、例えば付加回路10aにおいては、入力端子101側のIDT電極の数と出力端子102側のIDT電極の数をそれぞれ3つ以上に増やし、入力端子101側のIDT電極のそれぞれの複数の電極指の平均ピッチを互いに異なるようにし、出力端子102側のIDT電極のそれぞれの複数の電極指の平均ピッチを互いに異なるようにすれば、各フィルタ間のアイソレーション特性を向上できる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態に係るフィルタ装置およびマルチプレクサについて説明したが、本発明は、上記実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本発明に係るフィルタ装置およびマルチプレクサを内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
例えば、上記実施の形態1では、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指とは、本数が互いに異なっていたが、同じであってもよい。同じように、縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指とは、本数が互いに異なっていたが、同じであってもよい。
また、例えば、上記実施の形態1では、縦結合型共振器D1におけるIDT電極120の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極120の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なっていたが、同じであってもよい。同じように、縦結合型共振器D1におけるIDT電極130の複数の電極指と、縦結合型共振器D2におけるIDT電極130の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なっていたが、同じであってもよい。ただし、縦結合型共振器D1を構成する複数のIDT電極の複数の電極指と、縦結合型共振器D2を構成する複数のIDT電極の複数の電極指とは、全体の平均ピッチが互いに異なっている必要がある。
また、例えば、上記実施の形態2では、IDT電極120aおよび120bのそれぞれの複数の電極指は、本数が互いに異なっていたが、同じであってもよい。同じように、IDT電極130aおよび130bのそれぞれの複数の電極指は、本数が互いに異なっていたが、同じであってもよい。
本発明は、マルチバンドシステムに適用できるフィルタ装置およびマルチプレクサとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
1、1a、2 フィルタ装置
10、10a、20 付加回路
11a、11b 櫛歯状電極
50 圧電基板
51 密着層
52 主電極層
53 保護層
100 フィルタ(第1フィルタ)
101 入力端子
101a、102a 端子
102、104、105 出力端子
103 共通端子
110a、110b 電極指
111a、111b バスバー電極
120、120a、120b IDT電極(第1IDT電極)
130、130a、130b IDT電極(第2IDT電極)
140 反射器
200 第2フィルタ
300 第3フィルタ
400 マルチプレクサ
401 共振子
C1 容量素子
D1 縦結合型共振器(第1IDT電極群)
D2 縦結合型共振器(第2IDT電極群)
D3 縦結合型共振器(IDT電極群)
D10、D20 縦結合型共振器
P1、P2 並列腕共振子
S1、S2 直列腕共振子

Claims (11)

  1. 入力端子と出力端子との間に設けられた第1フィルタと、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記第1フィルタと並列接続された付加回路と、を備え、
    前記付加回路は、
    互いに並列接続された少なくとも2つのIDT電極群であって、第1IDT電極群および第2IDT電極群を含む少なくとも2つのIDT電極群と、
    前記少なくとも2つのIDT電極群と前記入力端子との間に設けられた1つの容量素子、および、前記少なくとも2つのIDT電極群と前記出力端子との間に設けられた1つの容量素子の少なくとも一方と、を有し、
    前記少なくとも2つのIDT電極群は、それぞれ弾性波伝播方向に配置された複数のIDT(InterDigital Transducer)電極で構成され、
    前記第1IDT電極群を構成するIDT電極の複数の電極指と、前記第2IDT電極群を構成するIDT電極の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異な
    前記第1IDT電極群を構成するIDT電極、および、前記第2IDT電極群を構成するIDT電極のそれぞれは、前記入力端子に接続された少なくとも1つの第1IDT電極と、前記出力端子に接続された少なくとも1つの第2IDT電極とを含み、
    前記第1IDT電極群における前記少なくとも1つの第1IDT電極の複数の電極指と、前記第2IDT電極群における前記少なくとも1つの第1IDT電極の複数の電極指とは、本数が互いに異なり、
    前記第1IDT電極群における前記少なくとも1つの第2IDT電極の複数の電極指と、前記第2IDT電極群における前記少なくとも1つの第2IDT電極の複数の電極指とは、本数が互いに異なる、
    フィルタ装置。
  2. 前記第1IDT電極群を構成するIDT電極、および、前記第2IDT電極群を構成するIDT電極のそれぞれは、前記入力端子に接続された少なくとも1つの第1IDT電極と、前記出力端子に接続された少なくとも1つの第2IDT電極とを含み、
    前記第1IDT電極群における前記少なくとも1つの第1IDT電極の複数の電極指と、前記第2IDT電極群における前記少なくとも1つの第1IDT電極の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なり、
    前記第1IDT電極群における前記少なくとも1つの第2IDT電極の複数の電極指と、前記第2IDT電極群における前記少なくとも1つの第2IDT電極の複数の電極指とは、平均ピッチが互いに異なる、
    請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記第1IDT電極群を構成するIDT電極の複数の電極指と、前記第2IDT電極群を構成するIDT電極の複数の電極指とは、交差幅が互いに異なる、
    請求項1または2に記載のフィルタ装置。
  4. 入力端子と出力端子との間に設けられた第1フィルタと、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記第1フィルタと並列接続された付加回路と、を備え、
    前記付加回路は、弾性波伝播方向に配置された複数のIDT電極で構成されたIDT電極群を有し、
    前記IDT電極群を構成する前記複数のIDT電極は、前記入力端子に接続された少なくとも2つの第1IDT電極と、前記出力端子に接続された少なくとも2つの第2IDT電極とを含み、
    前記少なくとも2つの第1IDT電極のそれぞれの複数の電極指は、平均ピッチが互いに異なり、
    前記少なくとも2つの第2IDT電極のそれぞれの複数の電極指は、平均ピッチが互いに異なる、
    フィルタ装置。
  5. 前記少なくとも2つの第1IDT電極のそれぞれの複数の電極指は、本数が互いに異なり、
    前記少なくとも2つの第2IDT電極のそれぞれの複数の電極指は、本数が互いに異なる、
    請求項に記載のフィルタ装置。
  6. 前記付加回路は、さらに、前記IDT電極群と前記入力端子との間に設けられた1つの容量素子、および、前記IDT電極群と前記出力端子との間に設けられた1つの容量素子の少なくとも一方を有する、
    請求項またはに記載のフィルタ装置。
  7. 前記第1フィルタは、弾性表面波フィルタである、
    請求項1~のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
  8. 請求項1~のいずれか1項に記載のフィルタ装置を含む複数のフィルタを備え、
    前記複数のフィルタの入力端子または出力端子は、共通端子に接続されている、
    マルチプレクサ。
  9. 前記複数のフィルタは、前記フィルタ装置、第2フィルタおよび第3フィルタを含む少なくとも3つのフィルタからなる、
    請求項に記載のマルチプレクサ。
  10. 前記フィルタ装置における前記付加回路は、2つの周波数帯域の不要信号を相殺するための相殺信号を生成し
    前記第2フィルタの通過帯域と、前記2つの周波数帯域のうちの一の周波数帯域とは少なくとも一部が重複しており、
    前記第3フィルタの通過帯域と、前記2つの周波数帯域のうちの他の周波数帯域とは少なくとも一部が重複している、
    請求項に記載のマルチプレクサ。
  11. 前記第1フィルタは、859MHzから894MHzを通過帯域に含むフィルタであり、
    前記第2フィルタは、699MHzから716MHzを通過帯域に含むフィルタであり、
    前記第3フィルタは、777MHzから787MHzを通過帯域に含むフィルタである、
    請求項または10に記載のマルチプレクサ。
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